JPH0873067A - 搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送装置として、小型化に適した静電アクチ
ュエータを用いる搬送装置を実用化する。 【構成】搬送装置の搬送駆動手段として、モータによる
第１の搬送駆動手段と、静電アクチュエータによる第２
の搬送駆動手段とで構成したことを特徴とする。画像形
成装置においては、少なくとも、画像の転写位置におけ
るシート材搬送の駆動を、第１の搬送駆動手段により行
い、その他の部分は第２の搬送駆動手段で搬送するよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータ等の情報
出力装置，複写機，ファクシミリ等の画像形成装置にお
ける原稿や画像形成用紙、あるいは現金自動支払装置等
の紙幣処理装置における紙幣等のような各種搬送材を搬
送する搬送装置及びこの搬送装置を用いた画像形成装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真方式複写機に代表される
画像形成装置におけるシート材の搬送や、もっと広く考
えた搬送材の搬送においても、モータを用いてクラッ
チ、ギアなどを介して搬送ローラを回転させ、搬送ロー
ラの回転力によって、シート材等の搬送材を搬送する構
成で行われていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】搬送材の搬送を搬送ロ
ーラ等の回転によって行う方式を取った場合、それに伴
ってクラッチ、ギアなどの動力伝達機構が必要となり、
装置の小型化に限界があったり、また、搬送材の搬送に
ばらつきが生じて紙詰まりを起こすといった不都合が生
じていた。

【０００４】また、上記の不都合に対処するために、搬
送材の搬送駆動手段として、静電引力、斥力を利用した
静電アクチュエータを使用する方法も検討されている
が、湿度等の環境の影響を強く受ける点で実用化できて
いない。

【０００５】特に、静電機画像形成装置に使用するとし
た場合、静電アクチュエータは静電力を利用するもので
あるため、同じように静電力を利用する電子写真プロセ
スには使用できないという問題があり、実用化できてい
なかった。

【０００６】本発明の目的は、静電アクチュエータを使
用する場合の利点を活かすために、モータによる駆動源
と静電アクチュエータによる駆動源とを組み合わせるこ
とにより、静電アクチュエータを用いる搬送装置及び画
像形成装置を実用化しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、搬送材に対して搬送力を付与す
る搬送駆動手段を備えた搬送装置において、搬送駆動手
段は、モータにより搬送力を得る第１の搬送駆動手段
と、前記搬送材に対向して設けられる電極との間に作用
する静電気力によって搬送力を得る第２の搬送駆動手段
と、を備えていることを特徴とする。

【０００８】また、本発明の画像形成装置は、上記搬送
装置を画像形成用のシート材を搬送する搬送機構に用い
たことを特徴とする。

【０００９】また、画像の転写位置におけるシート材搬
送の搬送駆動手段として、第１の搬送駆動手段を用いた
ことを特徴とする。

【００１０】第２の搬送駆動手段で搬送するシート材の
搬送速度を認識し認識した第２の搬送駆動手段による搬
送速度に対応して第１の駆動源でのシート材の搬送速度
を変化させるように制御する制御手段と、を備えたこと
を特徴とする。

【００１１】第２の搬送駆動手段で搬送するシート材の
搬送速度を認識し認識した第２の搬送駆動手段による搬
送速度に対応して、画像形成タイミングを変化させるよ
うに制御することを特徴とする。

【００１２】

【作用】前述したように、モータ、搬送ローラ等の回転
によって搬送する第１の搬送駆動手段では、クラッチ、
ギアなどの動力伝達機構が必要となり、大型化するのに
対して、静電アクチュエータによる第２の搬送駆動手段
では、搬送材に対向して電極を設けるだけで、動く部分
がなく、機械的な動力伝達機構が必要ないため、小型化
することが出来る。従って、画像形成装置の搬送装置の
ように、搬送通路が少し複雑なものでは、部分的に、静
電アクチュエータによる第２の搬送駆動手段を採用し、
モータ駆動による第１の搬送駆動手段と組み合わせただ
けでも、小型化することが可能となるのである。

【００１３】また、その際に、静電力を利用している静
電アクチュエータを使用できない所に、モータ駆動方式
の第１の搬送駆動手段を使用すればよい。画像形成装置
にあっては、ちょうど、その場所が画像の転写位置であ
る。

【００１４】次に、静電アクチュエータ方式には、湿度
等の環境の影響を強く受けて、搬送材の搬送速度が変わ
るという短所があるが、モータ駆動方式と組み合わせた
場合に、２つの方式の間で搬送速度が違ってきて、搬送
材の受け渡しの所で例えば紙詰まりのような不都合が生
じたり、２つの搬送方式の通路の上で行われる動作・加
工処理等が同調を必要とする場合に、その同調が崩れる
ために不都合が生じては、困ることになる。

【００１５】本発明では、静電アクチュエータ方式で搬
送する搬送材の搬送速度を認識し、静電アクチュエータ
方式での搬送材の搬送速度に対応して、モータ駆動方式
での搬送材の搬送速度を変化させるように制御する構造
としたから、２つの方式の搬送材の搬送速度は、いつも
調和して、上述の不都合がなくなった。

【００１６】さらに、画像形成装置においては、搬送速
度の調和が必要なのは、２つの搬送方式の間だけではな
く、原稿読取部の原稿露光タイミングとの調和も必要で
ある。搬送されてくるシート材の上のいつも一定した場
所に画像が形成されるためには、画像形成用のシート材
の搬送速度と画像形成タイミングとを、調和させる必要
がある。画像形成タイミングは、原稿読取部の原稿露光
タイミングで変わる。

【００１７】本発明では、静電アクチュエータ方式で搬
送するシート材の搬送速度を認識し、静電アクチュエー
タ方式でのシート材の搬送速度に対応して、画像形成タ
イミング即ち原稿露光タイミングをも変化させるように
制御することで、上記の問題を解決している。

【００１８】

【実施例】まず、実施例に先立ち、静電アクチュエータ
による搬送材の搬送の原理を、図２を用いて説明する。

【００１９】静電アクチュエータは、薄板状の搬送材を
搬送する経路を構成すると共にその搬送材を移動させる
搬送駆動力を出す固定子２と、少なくも２系統以上の電
圧を供給するための電源（図示省略）と、その電源から
供給される２系統以上の電圧をシーケンシャルに切り換
えて固定子内に配置されたそれぞれの電極に供給するコ
ントローラ（図示省略）とから構成されている。

【００２０】固定子２は、絶縁体で構成され、かつその
表面内側に搬送材の搬送方向に対してあらかじめ決めら
れたピッチで電極４が帯状に配置されている電極部を有
する。

【００２１】図２には、静電アクチュエータの基本構造
と原理が示されている。図２(ａ)に示すように、搬送経
路を構成し移動する搬送材のガイドとなる固定子２の上
に、電気的に高抵抗の材質で構成された、紙などで出来
た搬送材６を乗せる。

【００２２】この状態で、Ｖ１，Ｖ２，Ｖ３の電圧をそ
れぞれ与える。本実施例において、Ｖ１は＋１０００
Ｖ，Ｖ２は−１０００Ｖ，Ｖ３は０Ｖとする。電極４に
電圧をそれぞれ与えると、電極４の電圧に反応して搬送
材６内で電荷が移動し、搬送材６が正負に帯状に帯電す
る。この平衡状態では、搬送材６上の電荷は、図２(ｂ)
の点線で示すような仮想電荷で置き換えられる。

【００２３】ここで、固定子２の電極４への印可電圧を
図２(ｃ)のように切り換えると、固定子電極４の電荷は
瞬時に入れ替わるが、搬送材６上の電荷は、高い抵抗に
妨げられて、しばらく元の位置にとどまる。そのため、
図２(ｃ)での固定子２の電極と搬送材６上の電荷との間
の作用により、搬送材６に垂直の反発力と右向きの推進
力が発生し、図２(ｄ)のように搬送材６は電極４の１ピ
ッチ程度動くことになる。

【００２４】このように、電極４に与える電源電圧をコ
ントローラでシーケンシャルに切り換えていき、それを
繰り返すことによって、１ピッチづつの搬送材６の動き
を連続させ、搬送させることが出来る。

【００２５】次に、本発明の実施例を図１を用いて説明
する。実施例は本発明の搬送装置を画像形成装置に使用
したものである。図１は、本発明の画像形成装置の一例
を示すブロック図である。

【００２６】図１において、１０１は原稿読取部で、図
示しない原稿照明ランプ（露光ランプ）、走査ミラー、
モータ等から構成されており、原稿からの反射光を感光
体ドラム１０２に照射する。

【００２７】前記の感光体ドラム１０２の回りには、１
次帯電器１０３、現像器１０４、転写帯電器１０５、分
離帯電器１０６、及び、クリーニング装置１０７とが装
備されていて、これら感光体ドラム１０２等により画像
記録手段が構成されている。

【００２８】モータ駆動部１０８は、図示しないモータ
等により構成され、制御部１１７から与えられた基準ク
ロックによって、モータの速度制御が行われ、感光体ド
ラム１０２、搬送ベルト１０９、１１０、定着部１１５
の駆動を行う。これら、モータ駆動部１０８によって駆
動される感光体ドラム１０２、転写前の搬送ベルト１０
９、転写後の搬送ベルト１１０及び定着部１１５が、モ
ータ駆動による第１の搬送駆動手段を構成する。

【００２９】感光体ドラム１０２は、モータ駆動部１０
８により図１に示す矢印の方向に回転するもので、１次
帯電器１０３によりコロナ放電されており、原稿読取部
１０１から原稿の反射光が照射されると、静電潜像が形
成される。この静電潜像は、現像器１０４により現像さ
れ、トナー像として可視化される。

【００３０】一方、給紙カセット１１４から給紙された
画像形成用のシート材が、静電アクチュエータ１１２に
よって搬送ベルト１０９に搬送され、感光体ドラム１０
２に給送され、転写帯電器１０５によりトナー像が転写
される。この転写後、シート材は分離帯電器１０６によ
り感光体ドラム１０２から分離され、搬送ベルト１１０
により定着部１１５に導かれて、加圧、加熱により定着
され、この後、廃紙トレイ１１６に排出される。また、
感光体ドラム１０２はクリーニング装置１０７により、
その表面が清掃される。

【００３１】制御部１１７は、図示しないＣＰＵ，ＲＯ
Ｍ、ＲＡＭ、入出力インターフェース等によって構成さ
れた制御回路で、上記の複写シーケンスを総括制御す
る。又、後述するように、シート材の検知センサ１１８
及び１１９によって、静電アクチュエータ１１２による
シート材の搬送速度を認識し、モータ駆動部１０８のモ
ータに与える基準クロックを変化させることによって、
モータによるシート材の搬送速度を変化させる。また、
原稿読取部１０１による露光開始タイミングを変化させ
る。

【００３２】図３は、本発明の実施例の流れを示すフロ
ーチャートで、制御部１１７における、静電アクチュエ
ータ１１２によるシート材搬送速度に対応して、モータ
によるシート材搬送速度を変化させる制御のみを、抜き
出して示したフローチャートである。

【００３３】制御が開始されると、ステップＳ３０１
で、タイマーをクリアしておき、ステップＳ３０２で、
シート材検知センサ１１８にシート材が検出されたら、
ステップＳ３０３で、前記のタイマーをスタートさせ
る。その後、ステップＳ３０４で、シート材検知センサ
１１９にシート材が検出されたら、ステップＳ３０５
で、前記のタイマーをストップする。

【００３４】次に、ステップＳ３０６で、シート材検知
センサ１１８と１１９との距離はあらかじめ決められた
値のため、前記のタイマーのカウント値により、シート
材の搬送速度を認識する。

【００３５】そして、ステップＳ３０７で、認識された
シート材搬送速度に応じて、モータ駆動部１０８へのモ
ータ制御用基準クロックを変化させ、モータによるシー
ト材搬送速度を静電アクチュエータ１１２によるシート
材搬送速度に合わせる制御を行う。

【００３６】図４は、本発明の他の実施例の流れを示す
フローチャートで、制御部１１７における、静電アクチ
ュエータ１１２によるシート材搬送速度に対応して、原
稿読取部１０１による露光開始タイミングを変化させる
制御のみを、抜き出して示したフローチャートである。

【００３７】制御が開始されると、ステップＳ４０１
で、タイマーをクリアしておき、ステップＳ４０２で、
シート材検知センサ１１８にシート材が検出されたら、
ステップＳ４０３で、前記のタイマーをスタートさせ
る。その後、ステップＳ４０４で、シート材検知センサ
１１９にシート材が検出されたら、ステップＳ４０５
で、前記のタイマーをストップする。

【００３８】次に、ステップＳ４０６で、シート材検知
センサ１１８と１１９との距離はあらかじめ決められた
値のため、前記のタイマーのカウント値により、シート
材の搬送速度を認識する。

【００３９】そして、ステップＳ４０７で、認識された
シート材搬送速度に応じて、原稿読取部１０１による露
光開始タイミングを決定させ、シート材の先端と原稿露
光の先端を合わせる制御を行う。

【００４０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
搬送駆動手段を、モータによる第１の搬送駆動手段と、
静電アクチュエータによる第２の搬送駆動手段とで構成
したので、モータ駆動方式のみの搬送装置よりも小型化
することが出来る。

【００４１】また、静電アクチュエータ駆動方式の第２
の搬送駆動手段が小型化に適しているから、第２の搬送
駆動手段の使用が出来ないところをモータ駆動方式の第
１の搬送駆動手段とするのがよい。そのために、画像形
成装置では、少なくとも、画像の転写位置におけるシー
ト材搬送の駆動を、モータによる第１の搬送駆動手段を
用いたことで、装置構成の小型化を図ることができた。

【００４２】また、静電アクチュエータ方式の第２の駆
動手段で搬送する搬送材の搬送速度を認識する制御手段
を設け、静電アクチュエータ方式での搬送材の搬送速度
に対応して、モータ駆動方式の第１の搬送駆動手段によ
る搬送材の搬送速度を変化させるように制御する構造と
すれば、２つの駆動方式の搬送材の搬送速度は、いつも
調和して、２つの方式の間で搬送速度が違うために生ず
る不都合をなくすことができる。

【００４３】画像形成装置では、静電アクチュエータ方
式の第２の搬送駆動手段によるシート材の搬送速度を認
識する制御手段が、第２の搬送駆動手段によるシート材
の搬送速度に対応して、画像形成タイミング即ち原稿露
光タイミングをも変化させるように制御する構造とした
から、シート材の上のいつも一定した場所に画像が形成
される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像形成装置の一例を示すブロック
図。

【図２】静電アクチュエータの動作原理の説明図。

【図３】本発明の実施例の流れを示すフローチャート。

【図４】本発明の他の実施例の流れを示すフローチャー
ト。

【符号の説明】

２、１１２、１１３ 静電アクチュエータの固定子 ６ 搬送材 １０１ 原稿読取部 １０５ 転写帯電器 １０６ 分離帯電器 １０８ モータ駆動部 １０９、１１０ 搬送ベルト １１１ 静電アクチュエータ駆動部 １１７ 制御部 １１８、１１９ シート材検知センサ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送材に対して搬送力を付与する搬送駆
   動手段を備えた搬送装置において、 搬送駆動手段は、モータにより搬送力を得る第１の搬送
   駆動手段と、前記搬送材に対向して設けられる電極との
   間に作用する静電気力によって搬送力を得る第２の搬送
   駆動手段と、を備えていることを特徴とする搬送装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の搬送装置を画像形成用
   のシート材を搬送する搬送機構に用いたことを特徴とす
   る画像形成装置。
3. 【請求項３】 画像の転写位置におけるシート材搬送の
   搬送駆動手段として、第１の搬送駆動手段を用いたこと
   を特徴とする請求項２の画像形成装置。
4. 【請求項４】 第２の搬送駆動手段で搬送するシート材
   の搬送速度を認識し認識した搬送速度に対応して第１の
   駆動源でのシート材の搬送速度を変化させるように制御
   する制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項２ま
   たは３の画像形成装置。
5. 【請求項５】 第２の搬送駆動手段で搬送するシート材
   の搬送速度を認識し認識した搬送速度に対応して、画像
   形成タイミングを変化させるように制御することを特徴
   とする請求項２，３または４の画像形成装置。