JP2963112B2 - 電子写真装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は，副走査方向への画像移動機能を持つ電子写
真装置に関し，より詳細には，スキャナの助走時間に影
響されずに精度よく画像移動処理を実行することができ
る電子写真装置に関する。

〔従来の技術〕 原稿画像を副走査方向へ移動させて画像のコピーを得
る場合，従来はスキャナのスタートとプリンタのスター
トの相対的な時間を変えることにより，実行してきた。
即ち，原稿画像を全く移動させないときに比較してより
速くスキャナをスタートさせることで画像先端側への移
動を反対にプリンタを速くスタートさせることで画像後
端側への移動を各々実行してきた。

関連する従来技術として，特開昭58−117571号公報に
は，画像先端に情報があり，且つ，先端部分に白抜け部
を設ける場合，スキャン方向の画像書き始めを遅らせる
か，複写装置の送り始めのタイミングを早めている技術
が開示されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら，上記従来技術の方式では，画像後端側
への移動を実行する際，スキャナの，スタートしてから
画像先端に達するまでの時間的ばらつきが移動量の誤差
となって現れてしまう問題点がある。

更に，第５図の一般的なスキャナキャリッジの構成を
示した説明図によって具体的に問題点を解説する。

第１にキャリッジ501は，コンタクトガラス504上に載
置された原稿505の光学走査を実行するために，初期化
時及びリターン時にホームポジションセンサ502通過後
に制動をかけるため，一定の位置に常に停止しない。第
２にキャリッジ501は起動から画像先端センサ503通過ま
でにある一定の移動速度（等倍時の移動速度1/β（ここ
でβは副走査方向の変倍率））に到達しなければならな
い。そのため，速度及び加速度の制御に重点がおかれ，
助走時間（起動から画像先端センサ503を通過するまで
の時間）を制御することは困難でばらつきも大きくなっ
てしまう。

以上の二点の理由によりスキャナキャリッジ501がス
タートしてから，原稿505の画像先端に達するまでの時
間は不確定である，画像後端側への移動は大きな誤差を
伴う。またキャリッジ501の助走時間は変倍率に応じて
非常に大きな変化をみせ，各倍率毎にキャリッジの助走
時間を設定する作業も必要となり，その制御処理自体が
複雑となる問題点がある。

本発明は上記に鑑みてなされたものであって，簡単な
システムにによって，スキャナの，スタートしてから画
像先端に達するまでの時間的ばらつきに起因する移動量
の誤差を最小限に抑制し，副走査方向への画像移動をス
キャナの助走時間に影響されず精度よく実行することを
目的とする。

〔問題を解決するための手段〕

本発明は上記の目的を達成するため、一次元状に配列
された画像入力手段と、前記画像入力手段を、前記画像
入力手段の前記配列方向に対して垂直な方向に移動して
画像を二次元的に読み取るスキャナ手段と、前記スキャ
ナ手段が、画像領域の先端に移動したことを検出して画
像先端信号を出力する画像先端センサと、前記スキャナ
手段により読み取られた画像情報を転写紙に出力するプ
リント手段と、転写紙を、前記プリント手段まで搬送す
るレジストローラと、転写紙における画像形成開始位置
を移動させる場合には、画像形成に先立って前記レジス
トローラに、画像形成開始位置の移動量分転写紙を搬送
させると共に、前記画像先端センサが出力する画像先端
信号を基準にして前記スキャナ手段と、前記プリント手
段と、前記レジストローラとを動作させ、画像の転写紙
に対する出力位置を制御する制御手段とを備えた電子写
真装置を提供するものである。

また、本発明は、プリント手段に対する所定の用紙搬
送に関する制御処理中、少なくとも感光体を継続的に駆
動する電子写真装置を提供するものである。

〔作用〕

本発明による電子写真装置は、レジストローラが画像
形成開始位置の移動量だけ転写紙を移動させた時点でプ
リント手段を停止し、画像先端信号により上記転写紙の
搬送を再開する。

また，上記プリント手段における転写紙の搬送停止状
態において，少なくとも感光体は停止させない制御を実
行する。

〔実施例〕

以下，本発明による電子写真装置を図面に基づいて説
明する。

第１図（ａ），（ｂ）は，本発明による電子写真装置
の全体構成を具体的に示す説明図であり，原稿内容を光
学走査するキャリッジ101（該キャリッジ101内部には，
原稿に対する照明ランプ102と，主走査方向にアレイ状
に並べられた画像入力装置103,例えば，一般的にはCCD
等の光電変換素子を一次元的に配列したものが搭載され
ている）と，該キャリッジ101が画像領域の先端に達し
たことを知らせる画像先端センサ104と，複写対象たる
原稿を固定するコンタクトガラスカバー105と，該コン
タクトガラスカバー105上にセットされた領域指定等の
編集内容入力のためのエディタ106と，その他の編集内
容及び複写条件を設定するための操作表示部107と，外
部から画像データを入力するための外部入力端子108
と，レーザドライバ（図示せず）からのレーザ光を所定
方向に偏向させるポリゴンミラー118,ミラー116,115
と，感光体ドラム121表面を均一に帯電する帯電チャー
ジャー128と，該帯電チャージャー128により帯電された
感光体ドラム121表面に前記レーザ光の照射により，形
成された静電潜像を現像する現像器114と，各種サイズ
の転写紙を収納する給紙カセット110,111と，各々給紙
カセット110と111から所定のタイミングで給紙を行う給
紙ローラ112,113と，該給紙ローラ112,113によって給紙
された転写紙を所定のタイミングで転写部へ送り出すレ
ジストローラ119と，該レジストローラ119により送り出
された転写紙を転写ベルト用チャージャー150により吸
着して搬送する転写ベルト122と，該転写ベルト122の感
光体ドラム121に対する接離操作を実行する電磁ソレノ
イド151と，該転写ベルト122によって搬送されてきた転
写紙に対して感光体ドラム121上の像を転写する転写チ
ャージャー120と，該転写チャージャー120による転写処
理後，上記転写ベルト122から転写紙を分離する分離チ
ャージャー126と，転写紙の分離後転写ベルト122表面を
除電して初期化する除電チャージャー125と，転写処理
終了後の転写紙上の画像を定着する定着ローラ129,加圧
ローラ130と，定着処理を経た転写紙が排出される排紙
トレイ131と，転写処理を経た上記感光体ドラム121表面
をクリーニングするクリーニング装置127とを有する。
また第１図（ｂ）において,132,133,134はスキャナ部で
取り込まれた画像データを加工してプリンタに出力する
イメージプロセッサ及びシステムコントローラの基板で
ある。

以上の構成において，スキャナ部で得られたデータは
イメージプロセッサ132,133,134によって加工処理が施
され，プリンタに出力される。上記イメージプロセッサ
132,133,134からのデータに従って，図示されないレー
ザドライバが制御され，該レーザドライバから出力され
るレーザ光がポリゴンミラー118,ミラー115によりその
方向を変え，感光体ドラム121上に照射される。これに
先立ち感光体ドラム121表面は帯電器128により帯電さ
れ，レーザ光照射によりその帯電部に静電潜像が形成さ
れる。このように形成された静電潜像は現像器114によ
り顕像化される。一方，転写紙は給紙カセット110,111
から給紙ローラ112,113により給紙され，レジストロー
ラ119に達する。該レジストローラ119はシステムコント
ローラからのレジストオン信号に従って起動される。該
レジストオン信号によってレジスト部を通過した転写紙
は転写ベルト用チャージャー150により帯電された転写
ベルト122上に静電的に吸着され搬送される。

転写ベルト122により搬送されてきた転写紙は感光体
ドラム121上の顕像を転写チャージャー120によってトナ
ーと反対の電位を付加されて転写される。転写処理を経
た転写紙は分離チャージャー126によって転写ベルト122
から分離され，定着ローラ129及び加圧ローラ130によっ
て定着される。また，転写紙分離後，転写ベルトはベル
ト除電チャージャー125により除電され初期化される。
上記定着処理を経た転写紙は電子写真装置外部に設置さ
れている排紙トレイ131に排出されて１コピーサイクル
が終了する。他方，転写処理を経た感光体ドラム121は
クリーニング装置127によってクリーニングされ，次の
複写指令に備える。

また,151は転写ベルト122に接続されている電磁ソレ
ノイドでシステムコントローラからのON/OFF制御信号に
より転写ベルト122の感光体ドラム121に対する接離操作
を実行する。

第２図は，本発明による電子写真装置におけるスキャ
ナ202,イメージプロセッサ203,システムコントローラ20
5,操作表示部107,エディタ106及び外部入力装置201間の
データの流れを示したブロック図である。

ここで，第２図中太い矢印は画像データの流れを示
し，細い矢印は命令及び信号のやりとりを示す。外部入
力装置201或いはスキャナ202からの画像データはイメー
ジプロセッサ203に入力し，そこで加工され，プリンタ2
04で再生される。この際，システムコントローラ205は
スキャナ202,イメージプロセッサ203,プリンタ204,操作
表示部107及び外部入力装置201と情報のやりとりを行う
と共にスキャナ202にスタート命令を与え，プリンタ204
にスタート命令及びレジストオン命令を出力する。

以上の構成において，第３図のフローチャート及び第
４図の実際の移動例を用いてその動作を具体的に説明す
る。

第１に第４図（ａ）の原稿から第４図（ｂ）に示すよ
うなコピーを得る場合，即ち，副走査方向への移動量が
正（画像先端側方向への移動）或いは移動量が０である
場合である。

オペレータがコピースタートキー（図示せず）をONす
ると，システムコントローラ205はその信号を入力して
プリントスタート信号をプリンタ204へ出力し，プリン
タ203において給紙が開始される（301）。その後，シス
テムコントローラ205は，複写画像の移動量が， 移動量≧０ と指定されているか否かを判断（302）し，移動量≧０
と判断した場合には，システムコントローラ205により
所定のタイミングで制御信号がスキャナ202へ出力さ
れ，スキャナ202がスタートする（303）。スキャナ202
のスタートによりスキャナ202のキャリッジ102が画像先
端センサ104に達したか否か，換言すれば，システムコ
ントローラ205が画像先端センサ104から画像先端信号を
入力したか否かが判断され（304），システムコントロ
ーラ205が画像先端信号を入力したと判断した場合に
は，次に，この信号を基準に移動量に応じたタイミング
を図り，システムコントローラ205が上記移動量に達し
たと判断した（305）とき，上記タイミングでシステム
コントローラ205からプリンタ204に対してレジストオン
信号が出力される（306）。その後，スキャナ202及びプ
リンタ204に関しては，各部の制御が実行され，複写処
理動作が終了すると上記システムコントローラ205に対
してREADY信号を各々出力する。システムコントローラ2
05は上記READY信号を入力したか否かを判断（307,308）
し，入力されたと判断した場合には，次に繰り返して複
写処理を実行するためのリピートコピー信号を入力した
か否かを判断（309）し，入力したと判断した場合に
は，再び，ステップ301まで戻って，上記したフローを
繰り返すことになる。反対にリピートコピー信号を入力
していないと判断した場合には，複写動作処理は終了
（310）し，電子写真装置の各部からREADY信号をシステ
ムコントローラ205へ出力して電子写真装置が複写可能
状態にあることを知らせる（311）。

第２に，第４図（ａ）の原稿から第４図（ｃ）に示す
ようなコピーを得る場合，即ち，副走査方向への移動量
が負（画像後端側方向への移動）である場合を説明す
る。

この場合，移動なしの場合に比較して，転写紙の搬送
を先行させなければならない。

即ち，オペレータがコピースタートキー（図示せず）
をONすると，システムコントローラ205はその信号を入
力し，プリントスタート信号をプリンタ204へ出力し，
プリンタ203において給紙が開始される（301）。その
後，システムコントローラ205は，複写画像の移動量
が， 移動量≧０ と指定されているか否かを判断（302）し，移動量≧０
と指定されておらず， 移動量＜０ と指定されていると判断した場合には，給紙処理により
転写紙がレジストローラに達した後，システムコントロ
ーラ205はプリンタ204にレジストオン信号を出力（31
2）し，移動量の絶対値分だけ，転写紙を搬送する。該
転写紙搬送に関し，システムコントローラ203は上記移
動量に達したか否かを判断（313）し，転写紙の移動が
上記絶対値分に達したと判断すると，プリンタ204に再
び制御信号を出力して，プリンタ204を停止させる（31
4）。その後，システムコントローラ205は，スキャナ20
2に対して制御信号を出力し，スキャナ202をスタートさ
せ（315），上記スキャナ202のスタートにより画像先端
信号を入力したか否かを判断（316）し，上記画像先端
信号を入力したと判断した場合には，プリンタ204に再
びスタート信号を出力して，プリンタ204を駆動させ
る。その後は上記した移動が正の場合と同様の動作が実
行される。

上記の如く，システムコントローラ205に対して負移
動が指定された場合には，予め移動量分転写紙の搬送が
実行されており，その後のスキャナ202の画像先端信号
を基準に転写紙の搬送が再開されるため，スキャナ202
のスタートから画像先端にキャリッジ102が達するまで
の時間にばらつきが発生しても，転写紙上での画像の移
動量には誤差は生じない。

上記システムにおける画像後端側への移動でプリンタ
204停止中（第３図ステップ314）において，感光体ドラ
ム121及び現像器114,クリーニング装置127等の周辺装置
も同時に停止させると，再起動時のトルクが大きいた
め，スキャナ202のキャリッジ102と同様に立ち上がり時
間にばらつきを生ずる。この弊害を防止するために転写
紙の搬送を停止状態に設定する場合にあっても，感光体
ドラム121,現像器114,クリーニング装置127及びその他
の周辺装置等を停止状態にしないよう制御する。その
際，第１図（ｂ）に示した電磁ソレノイド151によって
搬送ベルト122を感光体ドラム121から離すことによっ
て，転写紙と感光体ドラム121の接触を回避し，感光体
ドラム121の摩擦による劣化を防止するようにする。

〔発明の効果〕

以上説明した通り，本発明による電子写真装置にあっ
ては，プリント手段が，レジストローラによって転写紙
が画像形成開始位置の移動量だけ搬送されたことを知ら
せる制御信号を入力して転写紙を所定の位置で停止さ
せ、再スタート信号により上記転写紙の搬送を再開す
る。また，上記プリント手段における転写紙の搬送停止
状態において，少なくとも感光体は停止させない制御を
実行するため，簡単なシステムにによって，スキャナ
の，スタートしてから画像先端に達するまでの時間的ば
らつきに起因する移動量の誤差を最小限に抑制し，副走
査方向への画像の移動をスキャナの助走時間に影響され
ず精度よく実行することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の電子写真装置の構造を示す説明図，第
２図は本発明における電子写真装置の全体概略を示すブ
ロック図，第３図は本発明による電子写真装置の動作を
示すフローチャート，第４図は転写処理における原稿画
像の正移動と負移動の各々の出力例を示す説明図，第５
図は従来の副走査方向への画像移動機能を持つ電子写真
装置における問題点を指摘するための説明図である。 符号の説明 101……キャリッジ,104……画像先端センサ 106……エディタ,107……操作表示部 114……現像器,119……レジストローラ 121……感光体ドラム,122……転写ベルト 127……クリーニング装置 132〜134……イメージプロセッサ及びシステムコントロ
ーラの基板 201……外部入力装置,202……スキャナ 203……イメージプロセッサ,204……プリンタ 205……システムコントローラ

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G03G 21/14 G03G 21/00 370 - 520 G03G 15/36 G03G 15/04 - 15/04 120 G03G 15/00 510 - 534 H04N 1/00 108

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一次元状に配列された画像入力手段と、 前記画像入力手段を、前記画像入力手段の前記配列方向
   に対して垂直な方向に移動して画像を二次元的に読み取
   るスキャナ手段と、 前記スキャナ手段が、画像領域の先端に移動したことを
   検出して画像先端信号を出力する画像先端センサと、 前記スキャナ手段により読み取られた画像情報を転写紙
   に出力するプリント手段と、 転写紙を、前記プリント手段まで搬送するレジストロー
   ラと、 転写紙における画像形成開始位置を移動させる場合に
   は、画像形成に先立って前記レジストローラに、画像形
   成開始位置の移動量分転写紙を搬送させると共に、前記
   画像先端センサが出力する画像先端信号を基準にして前
   記スキャナ手段と、前記プリント手段と、前記レジスト
   ローラとを動作させ、画像の転写紙に対する出力位置を
   制御する制御手段と、 を有することを特徴とする電子写真装置。
2. 【請求項２】前記請求項１において、 前記プリント手段に対する所定の用紙搬送に関する制御
   処理中、少なくとも感光体を継続的に駆動することを特
   徴とする電子写真装置。