JPH0872234A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH0872234A
JPH0872234A JP6210250A JP21025094A JPH0872234A JP H0872234 A JPH0872234 A JP H0872234A JP 6210250 A JP6210250 A JP 6210250A JP 21025094 A JP21025094 A JP 21025094A JP H0872234 A JPH0872234 A JP H0872234A
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JP
Japan
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ink
recording
pretreatment liquid
recording head
ejection
Prior art date
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JP6210250A
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English (en)
Inventor
Makoto Takemura
誠 竹村
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Original Assignee
Canon Inc
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Priority to DE69526547T priority patent/DE69526547T2/de
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要最小限の前処理液で、迅速かつ正確に画
像に対する耐水・耐ブリード処理が可能であり、また、
格別な構成による前処理液吐出用の記録ヘッドを設定す
る必要がないインクジェット記録装置を提供する。 【構成】 インクおよびその前処理液を個別に収容する
タンク部150L〜150Rと、インクおよび前処理液
を個別に吐出可能な記録ヘッド101L〜101Rとを
具え、被記録材上へのインク吐出に先行して前処理液が
吐出されるように上記複数の記録ヘッド150L〜15
0Rを配列させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関し、特に滲みがなく耐水性のある高品位のカラー
記録が可能なインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、記録液の小
滴を飛翔させ、紙等の被記録材(以下で記録シートとい
う)に着弾させて記録を行うものである。
【0003】しかしながら、従来のこの種のインクジェ
ット記録に用いられるインクは一般に水を主成分とし、
これに乾燥防止、目詰まり防止等の目的でグリコール等
の水溶性高沸点溶剤を含有したものが一般的であり、こ
のようなインクを用いて普通紙に記録を行った場合、十
分な定着性が得られなかったり、その表面に施されてい
る填料やサイズ剤の不均一な分布によると推定される不
均一画像が発生したりした。また特にカラー画像を得よ
うとした場合には、複数の色のインクが記録シートに定
着する以前に次々と重ねられることから、異色の画像の
境界部分では色が滲んだり、不均一に混ざり合って満足
すべき画像が得られなかった。
【0004】そこで、上述した問題点を改善するため
に、記録用インクの噴射に先だって記録シート上に画像
を良好に定着せしめる液体を前処理液として塗布させる
方法が開示されている。
【0005】たとえば、特開平5−202328号公報
には少なくとも1つのカルボキシル基を有する少なくと
も1つの化学染料剤を含むインク組成物と、多価金属塩
溶液とを使用し、記録シートに対し、画像安定化を図る
べく多価金属塩溶液を適用した後に、インク組成物を適
用して良好な画像を得る方法が開示されている。
【0006】また、特願平5−319988号公報に
も、良好な画像を得るための画像の形成方法およびこれ
に用いる前処理液、インク組成物が開示されている。
【0007】さらにまた、前述の特開平5−20232
8号公報に開示の実施例中には、インクジェット記録ヘ
ッドによる記録に先立ち、上述のような前処理液をロー
ラを用いて記録シートに塗布する方法が示されている。
【0008】また、特開昭64−63185号公報に
は、インク中の染料を不溶化する処理液をインクジェッ
ト記録ヘッドによって記録紙上に付着させる技術が開示
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−202328号開示例のようにローラ等で前処
理液を接触的に記録シート上に連続塗布するので以下の
ような欠点があった。
【0010】(1)インクが重畳されない部位にも前処
理液が塗布されるため、無用に前処理液を大量に使用す
ることになり、ランニングコストの上昇を招くことにな
る。また、前処理液塗布手段のために載置容量を増やさ
ねばならず、装置の大型化を招く。
【0011】(2)シートの送給排出時などの空回転時
に、前処理液塗布が実施された部分に記録シートがない
ままの状態で塗布動作が行われると、その下方に位置す
るプラテン部に余分な前処理液が塗布されてしまい、そ
の結果インクミストの付着によるプラテン汚れや、その
汚れが前処理液塗布部に再転写されることによって記録
シートにその汚れの付着を招く上、前処理液の容量が想
定した枚数より不足したりする。
【0012】(3)コンピュータのプリンタ出力として
のデータ転送時、特に高精細カラー画像のような大量の
データ転送を必要とする時に、画像形成途中にコンピュ
ータとプリンタとの間のデータ転送により長時間画像形
成が中断するケースが発生した場合、その間前処理液塗
布手段が記録シートに当接したままだと、記録シートに
必要以上の前処理液が塗布されてしまい、その影響で画
像が乱れてしまう。
【0013】(4)記録シートの搬送不良いわゆるジャ
ムが発生したときに、前処理液塗布手段が記録シートに
当接したままだと、記録シートの除去が行いづらいまま
その間に無駄に前処理液が塗布されてしまう。
【0014】また、上記特開昭64−63185号に開
示のごとくインクジェット記録ヘッドによって記録シー
ト上に処理液を付着させる技術の問題点としては以下の
ような欠点があった。
【0015】(1)特開昭64−63185号にも指摘
されているように装置のわずかな誤差、噴射条件の変動
で噴射方向がずれてしまい、前処理液とインクが重畳で
きずに前処理液塗布目的が達成できない場合がある。
【0016】(2)また、特開昭64−63185号開
示のようにインク吐出口の径に差をつけることによっ
て、吐出ドットをインクと前処理液とで大小異ならせる
には、記載にも有るように同一の記録ヘッドの利用がで
きず、生産性低下やコストアップを招く。
【0017】(3)さらにまた、特開昭64−6318
5号開示のように駆動エネルギや、インク粘度、インク
表面張力に差をつける方法については、信号処理が複雑
になったり、インク吐出速度の変動要因となるため、噴
射条件の変動を誘発するおそれがある。
【0018】(4)また、特開昭64−63185号開
示のような記録ヘッドの配置によれば、前処理液を塗布
した行がシート搬送の上流側に位置することになり、例
えば、ホストコンピュータなどからの画像データ転送が
休止状態になり、装置の記録動作が中断した場合、前処
理液が塗布されてからインクが塗布されるまでの時間を
所定の時間内(記載では例えば、0.3秒後)に押さえ
ることが不能となってしまい、本来の前処理液塗布目的
が達成できない虞があった。
【0019】また、近年の記録装置の1つの傾向として
装置の高速化が強く求められている中で、一般的な記録
装置に用いられる記録手段の位置方式としてシリアル型
のタイプが採用されている。かかるシリアル型プリンタ
は、記録手段である記録ヘッドを搭載するキャリッジを
記録シートに対して走査させながら記録/印字するもの
であるが、片方向走査時のみの記録に対して双方向走査
時記録はスピードの点で明らかに優位であり、双方向記
録を可能とすることが装置の高速化に必要となってきて
いる。
【0020】本発明の目的は、上述したような従来の問
題の解決を図り、必要最小限の前処理液で、迅速かつ正
確に画像に対する耐水、耐ブリード処理が可能であり、
また、格別な構成による処理液吐出用の記録ヘッドを要
せずに上述の処理を可能とするインクジェット記録装置
を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の第1の形態は、色材を含むインクおよび
該インク中の色材を凝集可能な前処理液を個別に収容す
るタンク部と、前記インクおよび前処理液を個別に吐出
可能な複数の記録ヘッドと、を用いるインクジェット記
録装置であって、被記録材上への前記インクの吐出に先
行して前記前処理液が吐出されるように前記複数の記録
ヘッドを配列させて前記被記録材に記録を行うことを特
徴とするものである。
【0022】また、本発明の第2形態は、色材を含むイ
ンクおよび該インク中の色材を凝集可能な前処理液を系
統別に収容するタンク部と、前記インクおよび前記前処
理液を前記系統別の駆動に従って吐出可能に配設された
吐出口を有する複合型記録ヘッドと、前記インクのみを
前記系統別の駆動に従って吐出可能に配設された吐出口
を有するインク吐出専用記録ヘッドとを具え、前記系統
別の駆動時に前記インクの吐出に先行して前記処理液が
吐出されるように前記複合型およびインク吐出専用記録
ヘッドを配列させたことを特徴とするものである。
【0023】
【作用】本発明の第1の形態によれば、インクを被記録
材上に吐出するのに先立ち、前処理液を吐出可能なよう
に記録ヘッドを配列させたことにより、記録に必要十分
料の前処理液を被記録材上に前置することが可能とな
り、記録データに応じて、吐出されるべきインクの被記
録材上の着弾位置のみに予め前処理液を吐出して、その
上にインクを重畳させることで、必要十分かつ最小限の
前処理液消費のみで所望の安定した画像の形成が可能と
なり、また、前置される前処理液の容量を最適化でき、
ランニングコスト、本体コストを抑制することができ
る。
【0024】また、被記録材に対して非接触の状態で前
処理液滴を前置できるので従来のようにローラ塗布のた
めに要求されるシート送給排出時の空回転等、前処理液
塗布部に被記録材がない状態状態では塗布動作ないし、
補給動作を行わなくなり、プラテン部に余分な前処理液
を塗布することもなくなる。さらに、非接触で前処理液
が前置できるので、コンピュータのプリンタとして使用
したとき、画像形成途中にコンピュータとプリンタとの
間のデータ転送により長時間画像形成が中断するケース
が発生しても、前処理液の吐出がそれに連れて中断され
るので、被記録材に必要以上に前処理液が塗布されるこ
とがなくなる。
【0025】加えて、被記録材の搬送不良が発生して
も、本発明にかかる記録装置では、記録ヘッドと被記録
材との間に所定の間隙が存在するため、無駄な前処理液
を消費することもなくなる。
【0026】また、同一の形態、構成とした記録ヘッド
を配列させることにより、吐出液滴が前処理液かインク
かによって記録ヘッドの設計を変更する必要が無いた
め、開発効率、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0027】さらに、色材を含むインクと、インク中の
色材を凝集させる前処理液とを吐出する記録ヘッドを一
体的に枠体により保持させるよう構成したり、色材を含
むインクの吐出口と、インク中の色材を凝集させる前処
理液の吐出口とを同一の記録ヘッドに設けることによ
り、記録ヘッドの一回の走査において、同一行内に前処
理液、およびインクの吐出が連続して可能となり、例え
ばホストコンピュータなどからの画像データ転送が休止
状態になった場合でも、本来の前処理液塗布目的を達成
することができる。
【0028】加えて、インクを吐出する記録ヘッドの両
側に前処理液を吐出する記録ヘッドを配置したことによ
り、例えばキャリッジの双方向走査時にも予め前処理液
を被記録材に前置可能となるため、双方向記録によって
出力時間を短縮し、記録速度の向上を図ることができ
る。
【0029】
【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳
細かつ具体的に説明する。
【0030】図1ないし図3は本発明の第1実施例にか
かわるもので、図1はその第1実施例にかかるインクジ
ェット記録ヘッドのユニットの構成を、図2は記録ヘッ
ドユニットを搭載して記録を行うインクジェット記録装
置の構成を、また、図3はその制御用の回路構成をそれ
ぞれ示す。
【0031】図1はそのインクジェット記録ヘッドユニ
ット100の構成を分解して示すもので101L,10
1Rは前処理液吐出用記録ヘッド、また、101K,1
01C,101Mおよび101Yはそれぞれブラック
(K),シアン(C),マゼンタ(M)およびイエロー
(Y)のインクを吐出するカラー記録用記録ヘッド、1
02はこれらの記録ヘッド101L〜101Rを所定の
間隔に保持する枠体、また、103は枠体102に係合
される蓋部材、104は枠体102および蓋部材103
に係合される側板である。なお、側板104には個々の
記録ヘッド101L〜101Rに電気的に接続される複
数のリード線を保持するリードフレーム105L〜10
5Rが設けられている。また、蓋部材103には個々の
記録ヘッド101L〜101Rに設けられる供給管11
2を後述するようにして前処理液またはインクを保有す
るカートリッジと接続するために、これらの供給管11
2を突出させる好103Aが設けられている。
【0032】なお、これらの記録ヘッド101L〜10
1Rはいずれも機能的には同一に構成されるもので、そ
れぞれ、要求される記録重畳精度に基づいて枠体102
に組込まれるが、ここではその1つの記録ヘッド101
Rをさらに分解した形で示す。すなわち、106は記録
ヘッドとしてのフレームと放熱との双方の機能を有する
例えば、アルミニウム等で形成された金属基板、107
はその一面に電気熱変換素子列が形成されるチップ状の
ヒータボード、108はヒータボード107に電気的に
接続される配線を有する電気配線基板、109はインク
吐出口、液路および共通液室(不図示)等が形成されて
いる天板部材、110は押えばね、111は供給管11
2を介して天板部材109に形成されている共通液室に
前処理液またはインクを供給するための接続兼供給部材
である。
【0033】続いて、このような記録ヘッドユニット1
00を前処理液またはインク供給用カートリッジと共に
キャリッジに搭載して記録を行うインクジェット記録装
置の構成を、図2に従って説明する。
【0034】なお、本例では記録ヘッドユニット100
において、キャリッジによる往復動走査時に記録が可能
な好適例として、カラー記録用記録ヘッド101K〜1
01Yの両側にそれぞれ前処理液吐出用の記録ヘッド1
01Lおよび101Rを配置したが、一方向走査時にの
み記録を行うようにしたものにおいては、その走査方向
の側にのみ上記の前処理液吐出用記録ヘッドを設けるよ
うにしてもよい。
【0035】図2において、150Lおよび150Rは
前処理液を収容し、これをそれぞれ前処理液吐出用記録
ヘッド101Lおよび101Rに供給するために供給管
112を介して接続される前処理液カートリッジ、15
0K,150C,150Mおよび150Yはカラー記録
用記録ヘッド101K,101C,101Mおよび10
1Yにそれぞれの供給管112を介して同様に接続され
るインクカートリッジである。すなわち、上述の記録ヘ
ッド101L〜101Rが一体に保持される記録ヘッド
ユニット100をキャリッジ200に搭載した上、さら
にキャリッジ200上でカートリッジ150L〜150
Rがそれぞれの記録ヘッド101L〜101Rに接続さ
れ、記録ヘッドユニット100上にヘッドカバー210
が覆蓋した状態に保たれる。
【0036】220はキャリッジ200に連結され、キ
ャリッジ200をガイド軸230および支持軸240に
沿って所定のタイミングで移動走査(主走査)するタイ
ミングベルト、250はそのベルト駆動モータ、260
は走査方向に沿って設けられ、キャリッジ200上に固
定されている不図示の読取素子によってその位置が読み
取られるリニアスケールである。また、270は、個々
の記録ヘッド101L〜101Rに図1に示したリード
フレーム105L〜105Rを介し、所定のタイミング
に合わせて吐出信号を供給するフレキシブルケーブル、
300は記録ヘッド101L〜101Rによる記録領域
外に設けられた回復装置であり、本例お場合、キャリッ
ジ200の矢印Cで示す方向の移動によりこの記録領域
外の待機位置で個々の記録ヘッド101L〜101Rの
吐出面にそのキャップ部材310が接して吐出口の目詰
まりや増粘を解消する。なお、回復装置300にはその
ためのポンプ(不図示)が設けられている。また、以上
に述べた各部材はそれぞれシャーシ400またはシャー
シ400が支持されるボトムケース500に固定され、
ボトムケース500にはさらに不図示の外装部品が被装
される。
【0037】このように構成したインクジェット記録装
置600では、キャリッジ200の矢印BおよびCで示
す往復動方向の走査時にキャリッジ200に搭載された
記録ヘッド101K,101C,101M,101Yか
ら下方に向けてそれぞれの色のインクの吐出が所定のタ
イミングに合わせて行われ、記録シート(不図示)上に
カラーによる画像が記録される。しかして、この場合、
キャリッジ200の位置と各記録ヘッド101L〜10
1Rからの前処理液ないしカラーインクの吐出のタイミ
ングとは完全に同期されるもので、本例の場合、矢印B
方向の走査時には記録ヘッド101Lによる前処理液の
吐出が行われたあと、その全く同じ着弾位置にカラー用
記録ヘッド101K〜101Yからのカラーインクが選
択的に打込まれる。同様にキャリッジ200の矢印C方
向の走査時には、記録ヘッド101Rによる前処理液の
吐出が行われ、そのあと、全く同じ着弾位置に上述した
と同様にしてカラーインクが打込まれるもので、かくし
て、キャリッジ200による往復の走査時にまず前処理
液滴が打込まれたあとにインク滴が打込まれて双方向の
走査によるカラー記録が達成される。
【0038】ここで、本発明に適用される前処理液およ
びインクの処方ならびにその成分要素について述べてお
く。
【0039】その前処理液として、インク染料を不溶化
する上記無色の液体は、一例として以下のようにして得
ることができる。
【0040】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧
濾過した後、NaOHでpHを4.8に調整し、無色の
液体Alを得ることができる。
【0041】 [Alの成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0部 (商品名;エレクトロストッパQE、花王製) カチオン性化合物の高分子成分 ポリアミンスルホン(平均分子量;5000) 3.0部 (商品名;PAS−92、日東紡績製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記無色の液体と混合し不溶化するインクの好適
な例として以下のものを挙げることができる。
【0042】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:クロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧濾過し
てイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのインクY
1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0043】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 0.05部 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド−289;2.5部に代えた以外はY1 と同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以外はY1と同じ 組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外はY1と同じ組成 以上示したそれぞれ無色の液体とインクとの混合におい
て、本発明では、上述した無色の液体とインクが被プリ
ント材上あるいは被プリント材に浸透した位置で混合す
る結果、反応の第1段階として無色の液体中に含まれて
いるカチオン性物質の内、低分子量の成分とインクに使
用しているアニオン性基を有する水溶性染料とがイオン
的相互作用により会合を起こし、瞬間的に溶液相から分
離を起こす。
【0044】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質との会合体が無色の液体中に
含まれる高分子成分により吸着されるために、会合で生
じた染料の凝集体のサイズがさらに大きくなり、被プリ
ント材の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、その結果
として固液分離した液体部分のみが記録紙中にしみこむ
ことにより、プリント品位と定着性との両立が達成され
る。同時に上述したようなメカニズムにより生成したカ
チオン物質の低分子成分とアニオン性染料とカチオン性
物質とで形成される凝集体は粘性が大きくなり、液媒体
の動きとともに移動することがないので、フルカラーの
画像形成時のように隣接したインクドットが異色のイン
クで形成されていたとしても互いに混じり合うようなこ
とはなく、ブリーデイングも起こらない。また、上記凝
集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐水性
は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果により
形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効果も有
する。
【0045】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0046】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0047】また、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
する前処理液はその顔料を凝集させるものを用いること
ができる。前記した無色液体A1と混合して凝集を引き
起こす顔料インクの一例として以下のものを挙げること
ができる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞ
れ顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼン
タ,シアン,ブラックの各色インク、Y2,M2,C2
およびK2を得ることができる。
【0048】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは
10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラ
ック分散体を作製した。
【0049】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールンモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0050】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0051】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0052】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。
【0053】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコーリモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0054】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0055】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0056】続いて、本発明による記録を実施するため
の回路構成を図3に従って説明する。
【0057】図3において、701はインクジェット記
録装置600全体の制御にかかわる中央演算処理装置
(CPU)であり、CPU701には後述するような本
発明にかかる記録時の制御動作の他記録時に行われる各
種動作の制御手順が格納されている記憶装置ROM70
11やデータ、情報などが一時格納される記憶装置RA
M7012が設けられている。また、702は記録のた
めの信号を規定するクロック、7031,7032,
…,703Nは記録ヘッド1,記録ヘッド2,…,記録
ヘッドNを駆動するためのドライバである。なお、上述
の実施例の場合、記録ヘッドの数は6個であり、従っ
て、記録ヘッド1,記録ヘッド2,…,記録ヘッドNは
それぞれ図1に示した記録ヘッド101R,101Y,
…,101Lに対応する。また、ここではキャリッジ2
00の主走査、あるいは記録シートの搬送(副走査)に
かかわる駆動手段およびそのドライバ等についてはその
記載および説明を省略した。
【0058】続いて、図4に従って本発明による制御動
作の手順について説明する。
【0059】カラー記録の場合、まず、ステップS1で
個々の色についての画像記録信号が例えばホストコンピ
ュータから送給されてくると、ステップS2で色別にイ
ンク吐出の有無が判断される。なお、ここでインク吐出
が行われない場合は信号「0」が、また、インク吐出が
行われていない場合は信号「1」がそれぞれCPU17
01に入力されるものとする。そして、ステップS2に
おいて、全ての色のインクに対し不吐出であるとの判断
であれば、前処理液を吐出させる必要がないので、ステ
ップS3に進み、前処理液を吐出する記録ヘッド101
Lおよび101R(図1参照)に不吐出信号「0」を送
給する。また、ステップS2において、いずれかの色に
よる記録のための吐出がなされるとの判断があればステ
ップS4に進み、上述の記録ヘッド101Lおよび10
1Rのいずれかに前処理液吐出信号「1」を送給する。
【0060】なお、この場合、記録のための主走査方向
においてカラー記録用のヘッド101K〜101Mの吐
出前に前処理液をその位置に着弾させておく必要があ
る。そこで、図2において例えば矢印C方向の移動中に
記録を行う場合は101Lまたは101Rのうち101
Rのみに吐出信号「1」を供給すればよく、また、矢印
B方向の移動中に記録を行う場合は101Lのみに吐出
信号「1」を供給する。かくしてステップS5に進み、
その移動走査中、所定のタイミングで引続きカラーイン
ク用記録ヘッド101K〜101Yを駆動して記録を実
施し、ステップS6で記録終了の有無を判断する。ステ
ップS6で引続きの記録が要求される場合は副走査によ
る記録シート搬送後再びステップS1に戻り以下の手順
が繰り返される。
【0061】このように双方向記録を行い、記録シート
に対してインクを吐出するのに先立ち、前処理液を吐出
可能なように記録ヘッドを他のカラー用記録ヘッドと並
列配置したことにより、必要時にのみ必要十分量の前処
理液滴を記録シート上に着弾させることが可能となる。
【0062】なお、上述の実施例では、記録ヘッドの吐
出制御に対して位置スケール信号を基準として行う場合
について述べたが、位置スケールを有していない場合で
も、代用できる信号、例えばキャリッジ駆動をパルスモ
ータで行う場合にパルスモータのパルス数によって制御
可能であることは明らかである。
【0063】また、双方向記録を行わない場合でも上述
したようにインク吐出に先立って前処理液滴をその直前
の位置に打込むようにすることで、同様な効果が得られ
ることは勿論である。
【0064】図5および図6は本発明の第2実施例を示
す。図5はその記録ヘッドユニット1001の構成を示
すもので、本例の場合、ブラックインク用記録ヘッドが
2組、その他のカラーインク用記録ヘッドが3組、合計
5組の記録ヘッドが記録ヘッドユニット1001に組込
まれると共に、個々の記録ヘッドがそれぞれ2系統に分
離される形で系統別に前処理液またはカラーインクの吐
出が可能なように構成されている。
【0065】すなわち、図5に示す各記録ヘッド101
1〜1015の姿勢において、それぞれの上半分に第1
系統の吐出機構が配置され、下半分に第2系統の吐出機
能が配置されるものとする。そこで、まず記録ヘッド1
011を分解した状態での金属基板1061、電気10
81、押えばね1101については図1に示したものと
変わりはないが、ヒータボード1071においては、そ
の面に配置される電気熱変換素子列が上半の第1系統列
1071Aと下半の第2系統列1071Bとに分割形成
されている。また、天板部材1091に設けられる液
路、共通液室(いずれも不図示)も系統別に対応して分
離されるが、そのインク吐出面に設けられているインク
吐出口1091Aも明示されていないが同様にして分離
される。さらにまた、接続兼供給部材1111において
も供給管1121,1122が系統別に別れて設けられ
ている。
【0066】なお、各記録ヘッド1011から1015
まで、いずれも上述の記録ヘッド1011にならって構
成される。そして、記録ヘッド1011では第1系統側
に供給管1121を介して前処理液が、また第2系統側
に供給管1122を介してブラック(K)インクが供給
される。さらにまた、記録ヘッド1012,1013,
1014では第1系統、第2系統側ともイエロ(Y),
マゼンタ(M),シアン(C)のインクがそれぞれ供給
され、記録ヘッド1015では第1系統側にブラック
(K)インクが、第2系統側に前処理液が供給される。
なお、枠体1002、蓋部材1003、側板1004の
基本的構成については図1に示した枠体102、蓋部材
103、側板104と変わらず、1003Aは蓋部材1
003に穿設した孔、また、側板1004に設けられる
1051,1052,1053,1054,1055は
記録ヘッド1011,1012,1013,1014,
1015に電気的に接続するためのリードフレームであ
る。
【0067】続いて、図6に従い、このような記録ヘッ
ドユニット1001に接続されるカートリッジ式タンク
1501〜1505の構成とその接続状態とについて説
明する。
【0068】なおここで、カートリッジ式タンク150
1〜1505はいずれも同一形態に構成されるもので、
このうちカートリッジ式タンク1501と1505とは
いずれもブラック(K)インクおよび前処理液が収容さ
れる位置が単に前後に変更されるのみである。そこで、
本例では分かり易くするために、タンク1505のみを
タンク1501とは逆方向に向けてある。また、これら
のカートリッジ式タンクは仕切壁1600で画成されて
おり、好ましくはこの図に示すようにその筐体1500
を仕切壁1600で画成した上、それぞれのタンク区画
1500A(第1系統タンク)および1500B(第2
系統タンク)にインクあるいは前処理液を保持する負圧
発生部材1700が装填されている。1801および1
802はタンク区画1500Aおよび1500Bに設け
た液供給口であり、カートリッジ接続時に1800Aお
よび1800Bがそれぞれ対応する供給管1121およ
び1122に液密に接続される。
【0069】このように接続された記録ヘッドユニット
1001の記録ヘッド1011〜1015とカートリッ
ジ式タンク1501〜1505とでは記録ヘッド101
1〜1015の第1系統に対してはカートリッジ式タン
ク1501〜1505の後部側に位置するタンク区画1
500Aからそれぞれ前処理液、イエローインク、マゼ
ンタインク、シアンインク、ブラックインクが、また、
記録ヘッドの第2系統に対しては、カートリッジ式タン
ク1501〜1505の前部側に位置するタンク区画1
500Bからそれぞれ、ブラックインク、イエローイン
ク、マゼンタインク、前処理液が供給される。なお、本
実施例ではカートリッジ式タンク1501〜1505を
同一形態のものとするために全ての筐体1500に仕切
壁1600を設けるようにしたが、これらのカートリッ
ジ式タンク1501〜1505のうち1502〜150
4には同種のインクが2つのタンク区画に収容されるこ
とになるので、これらのカートリッジ式タンク1502
〜1504には仕切壁1600を必ずしも設ける必要は
ない。
【0070】このように構成した記録ヘッドユニットお
よびカートリッジ式タンクの組合せによれば、主走査時
の移動方向に応じて同一記録ヘッドを第1系統と第2系
統とに使い分けして制御することにより前処理液吐出直
後にカラーインクを吐出させて、双方向記録を実施する
ことができる。
【0071】図7は本発明にかかるインクジェット記録
装置の適用が可能なプリンタの構成例を示す。ここで、
900は記録シートPを積載し、その上面に位置する記
録シートPを送給ローラ901により1枚ずつ矢印A方
向に送出する送給積載手段、902および903は搬送
ローラ対、904は搬送ローラ対による駆動力を排出ロ
ーラ対905,906に伝達する駆動伝達ローラ、90
7は排出ローラ対905,906を介して排出されてく
る記録済の記録シートPを排出トレイ908の上に導く
ためのガイドローラである。なお、このようなプリンタ
による記録動作については公知であるので、その説明は
省略する。
【0072】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0073】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0074】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0075】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0076】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0077】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0078】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0079】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0080】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0081】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の第1
形態によれば、色材を含むインクおよび該インク中の色
材を凝集可能な前処理液を個別に収容するタンク部と、
前記インクおよび前処理液を個別に吐出可能な複数の記
録ヘッドと、を用いるインクジェット記録装置であっ
て、被記録材上への前記インクの吐出に先行して前記前
処理液が吐出されるように前記複数の記録ヘッドを配列
させて前記被記録材に記録を行うようにしたので、必要
十分量の前処理液滴を被記録媒体上のドット記録位置に
限定して着弾させることが可能となる。すなわち、記録
データに応じて、インクを吐出するべき被記録材の位置
のみに予め前処理液を吐出しておき、その上にインクを
重畳させることでインク中の色材を不溶化させて必要十
分な最小限の前処理液消費のみで所望の安定した画像を
形成することが可能となり、前処理液の必要容量を最小
限に最適化でき、ランニングコスト、本体コストを抑制
することができる。また、同一の記録ヘッドを配列する
ことにより、前処理液やインクの種類によって記録ヘッ
ドの設計を異ならせる必要が無いため、開発効率、生産
性の向上を図ることが可能となる。さらに記録ヘッドの
一回の走査において、同一行内に前処理液およびインク
の吐出が可能となるため、画像データ転送が休止状態に
なった場合でも、本来の前処理液使用目的を達成するこ
とができる。加えて、キャリッジの双方向走査時にも前
処理液を被記録材上に先行して着弾可能となるため、双
方向記録によって出力時間を短縮し、記録速度の向上に
貢献できる。
【0082】かくして画像の耐水性が良好で、異色間境
界での滲みのない優れた画質が得られる高速、低ランニ
ングコストの記録装置が提供できる。
【0083】また、本発明の第2形態によれば、色材を
含むインクおよび該インク中の色材を凝集可能な前処理
液を系統別に収容するタンク部と、前記インクおよび前
記前処理液を前記系統別の駆動に従って吐出可能に配設
された吐出口を有する複合型記録ヘッドと、前記インク
のみを前記系統別の駆動に従って吐出可能に配設された
吐出口を有するインク吐出専用記録ヘッドとを具え、前
記系統別の駆動時に前記インクの吐出に先行して前記前
処理液が吐出されるように前記複合型記録ヘッドおよび
前記インク吐出専用記録ヘッドを配列させたので、キャ
リッジによる1回の往復走査中にシート送りすることな
く第1系統および第2系統別に記録ヘッドを駆動してそ
の走査中、記録に先行して前処理液を吐出させ上述の効
果が得られるように記録を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による記録ヘッドユニット
の構成を分解して示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例によるインクジェット記録
装置の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明にかかる制御用の回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】本発明による制御動作の手順を示すフローチャ
ートである。
【図5】本発明の第2実施例による記録ヘッドユニット
の構成を分解して示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施例による記録ヘッドユニット
とカートリッジとの組合せを模式的に示す斜視図であ
る。
【図7】本発明の適用が可能なプリンタの構成例を示す
断面図である。
【符号の説明】
100,1001 記録ヘッドユニット 101L,101K,101C,101M,101Y,
101R 記録ヘッド 102 枠体 103 蓋部材 104 側板 105L,105K,105C,105M,105Y,
105R リードフレーム 106 金属基板 107,1071 ヒータボード 108,1081 電気配線基板 109,1091 天板部材 111,1111 接続兼供給部材 112,1121,1122 供給管 150L,150R 前処理液カートリッジ 150K,105C,150M,150Y インクカー
トリッジ 200 キャリッジ 250 ベルト駆動モータ 300 回復装置 400 シャーシ 600 インクジェット記録装置 701 CPU 1011,1012,1013,1014,1015
記録ヘッド 1051,1052,1053,1054,1055
リードフレーム 1500 筐体 1500A,1500B タンク区画 1501,1502,1503,1504,1505
カートリッジ式タンク 1600 仕切壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 3/04 103 X

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材を含むインクおよび該インク中の色
    材を凝集可能な前処理液を個別に収容するタンク部と、
    前記インクおよび前処理液を個別に吐出可能な複数の記
    録ヘッドと、を用いるインクジェット記録装置であっ
    て、被記録材上への前記インクの吐出に先行して前記前
    処理液が吐出されるように前記複数の記録ヘッドを配列
    させて前記被記録材に記録を行うことを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の記録ヘッドは被記録材に対し
    て相対的に移動するキャリッジに搭載され、前記前処理
    液を吐出する記録ヘッドが前記相対的移動方向に対して
    前記インクを吐出する記録ヘッドの両側に配列されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記インクを吐出する記録ヘッドは前記
    キャリッジの双方向の移動中に記録が可能であることを
    特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記色材を含むインクを収容するタンク
    部と、前記前処理液を収容するタンク部とはそれぞれ、
    前記インクを吐出する記録ヘッドと前記前処理液を吐出
    する記録ヘッドとに個別に着脱自在であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかの項に記載のインクジ
    ェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の記録ヘッドは前記配列された
    状態で枠体により一体に保持されることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかの項に記載のインクジェット
    記録装置。
  6. 【請求項6】 色材を含むインクおよび該インク中の色
    材を凝集可能な前処理液を系統別に収容するタンク部
    と、前記インクおよび前記前処理液を前記系統別の駆動
    に従って吐出可能に配設された吐出口を有する複合型記
    録ヘッドと、前記インクのみを前記系統別の駆動に従っ
    て吐出可能に配設された吐出口を有するインク吐出専用
    記録ヘッドとを具え、前記系統別の駆動時に前記インク
    の吐出に先行して前記前処理液が吐出されるように前記
    複合型記録ヘッドおよび前記インク吐出専用記録ヘッド
    を配列させたことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  7. 【請求項7】 前記複合型およびインク吐出専用記録ヘ
    ッドは被記録材に対して相対的に移動するキャリッジに
    搭載され、前記複合型記録ヘッドが前記相対的移動方向
    に対して前記インク吐出専用記録ヘッドの両側に配列さ
    れることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット
    記録装置。
  8. 【請求項8】 前記インク吐出専用記録ヘッドは前記キ
    ャリッジの双方向の移動中に記録が可能であることを特
    徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記複合型記録ヘッドは、前記インクお
    よび前記前処理液を系統別に収容し、一体に形成される
    タンク部材をそれぞれ着脱自在とすることを特徴とする
    請求項6ないし8のいずれかの項に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  10. 【請求項10】 前記複合型およびインク吐出用記録ヘ
    ッドは、前記配列された状態で枠体により一体に保持さ
    れることを特徴とする請求項6ないし9のいずれかの項
    に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記前処理液はその表面張力が前記イ
    ンクの表面張力より低いことを特徴とする請求項1ない
    し10のいずれかの項に記載のインクジェット記録装
    置。
  12. 【請求項12】 前記前処理液は低分子成分と高分子成
    分のカチオン性物質を含み、前記インクはアニオン性染
    料を含むことを特徴とする請求項1ないし11のいずれ
    かの項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 前記前処理液は低分子成分と高分子成
    分のカチオン性物質を含み、前記インクはアニオン性の
    染料が含有されているかまたは少なくともアニオン性化
    合物と顔料とが含有されていることを特徴とする請求項
    1ないし11のいずれかの項に記載のインクジェット記
    録装置。
  14. 【請求項14】 前記記録ヘッドは、前記インクまたは
    前記前処理液を液滴として吐出するためのエネルギ発生
    手段として、熱エネルギを利用して前記インクまたは前
    記前処理液に膜沸騰を生じさせる電気熱変換素子を有す
    ることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかの項
    に記載のインクジェット記録装置。
JP6210250A 1994-09-02 1994-09-02 インクジェット記録装置 Pending JPH0872234A (ja)

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JP6210250A JPH0872234A (ja) 1994-09-02 1994-09-02 インクジェット記録装置
US08/521,272 US6350022B1 (en) 1994-09-02 1995-08-31 Ink jet recording apparatus
EP95113767A EP0699533B1 (en) 1994-09-02 1995-09-01 Ink jet recording apparatus and method
DE69526547T DE69526547T2 (de) 1994-09-02 1995-09-01 Tintenstrahlaufzeichnungsgerät und Verfahren

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6467894B1 (en) 1997-02-14 2002-10-22 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet print apparatus and print method using the same
US7530684B2 (en) 2005-01-14 2009-05-12 Fujifilm Corporation Inkjet recording apparatus
US7712887B2 (en) 2005-07-29 2010-05-11 Fujifilm Corporation Image forming apparatus
JP2019142087A (ja) * 2018-02-20 2019-08-29 株式会社リコー 画像形成方法、画像形成装置および印刷物の製造方法
JP2022546660A (ja) * 2019-05-22 2022-11-07 ラトーレ, イエズス フランシスコ バルベラン 板状材を印刷するための機械及びその機械を使用して板状材を印刷するための方法

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