JPH0871411A - 脱酸素剤用扁平状還元鉄粉およびその製造方法 - Google Patents

脱酸素剤用扁平状還元鉄粉およびその製造方法

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JPH0871411A
JPH0871411A JP6238576A JP23857694A JPH0871411A JP H0871411 A JPH0871411 A JP H0871411A JP 6238576 A JP6238576 A JP 6238576A JP 23857694 A JP23857694 A JP 23857694A JP H0871411 A JPH0871411 A JP H0871411A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い脱酸素機能を有し、無菌化包装容器等に
充填可能な脱酸素剤用扁平状還元用鉄粉およびその製造
方法を提供する。 【構成】 金属鉄含有量が85〜98重量%、メディア
ン粒子径25μm以下で全粉末中に占める10μm以下
の粒径の鉄粉含有率が40容量%以下、見掛密度が1.
0〜1.8g/cm3であることを特徴とする脱酸素剤
用扁平状還元鉄粉およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無菌化包装容器等に脱酸
素機能を持たせる目的で使用される脱酸素剤用扁平状還
元鉄粉およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脱酸素剤は、酸素による品質劣化を防ぐ
ため各種食品や農水産物等の広い分野に適用されてい
る。かかる脱酸素剤に使用される鉄粉は、主として粉末
冶金用に製造された噴霧鉄粉あるいは使い捨てカイロ用
に製造された還元鉄粉が使用されているが、その粒度は
45〜150μm、見掛密度2.0〜3.0g/cm3
で粒子形状は不定形のものである。
【0003】また、特定の適用分野に適合した酸素吸収
剤として特開平4−90847号公報あるいは特開平4
−90848号公報等に提案されている。これらの出願
は酸素吸収性を有する樹脂組成物、並びに酸素吸収性を
有する樹脂組成物を用いたフィルムまたはシートおよび
包装用容器に関するもので、ここに使用される鉄粉とし
て比表面積0.5m2/g以上、好ましくは1.0m2
g以上、より好ましくは2.0m2/g以上で、かつ見
掛密度が2.2g/cm3以下、好ましくは1.9g/
cm3以下、特に好ましくは、1.6g/cm3以下の還
元鉄粉、噴霧鉄粉、搗砕鉄粉等の表面から内部にかけて
多数の微細孔を有する海綿状の多孔質細粒で構成された
ものが推獎されている。
【0004】近年食品の包装形態として、別々に滅菌さ
れた食品と包装容器を無菌の環境下で食品充填、包装し
て製品を作る無菌化包装充填があるが、従来の脱酸素剤
による食品、農水産物等の保存とは別に、この無菌化包
装食品用容器としてラミコントレ(PP/EVOH/P
P)の内部に脱酸素剤的な機能をもたせたものが上市さ
れている。
【0005】この容器の酸素吸収剤として使用される鉄
粉は前述のように比表面積が0.5m2/g以上、見掛
密度が2.2g/cm3以下の鉄粉が推奨されている
が、必ずしも脱酸素吸収性能が充分とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の課題を解消し、高い脱酸素機能を有し、無菌化
包装容器等に充填可能な脱酸素剤用扁平状還元用鉄粉お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは無菌化包装
容器に内蔵される酸素剤有効成分としての鉄粉について
各種性状に関し実験および検討を重ねた結果、特定の粒
度分布条件、純度条件、見掛密度ならびに粒子形状の各
要因をすべて満足させることによって脱酸素機能をもつ
無菌化包装用トレーとして優れた性能を付与することが
できる鉄粉を見出し、さらにその場合、通常の還元鉄粉
にみられるような仕上げ還元熱処理を行っていない、い
わゆる一次還元鉄粉の粉砕によって形状を扁平にすると
共に、特定の粒度および粒度分布、かつ特定の見掛密度
とし、さらに低温における鉄粉表面の酸化物を原子空孔
を可能な限り残した活性度の高い鉄粉を製造し得ること
を見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】すなわち、本発明の脱酸素剤用扁平状還元
鉄粉は、金属鉄含有量が85〜98重量%、メディアン
粒子径25μm以下で全粉末中に占める10μm以下の
鉄粉含有率が40容量%以下であり、かつ見掛密度が
1.0〜1.8g/cm3である脱酸素剤用扁平状還元
鉄粉であることを特徴とするものである。
【0009】以下、本発明の脱酸素剤用扁平状還元鉄粉
について詳細に説明する。現在、市場に出ている鉄粉と
しては、粉末冶金用あるいは脱酸素剤用の噴霧粉や仕上
げ熱処理を行った還元鉄粉で金属鉄含有量が98重量%
超のものと、主として化学還元用あるいは使いすてカイ
ロ用等に使用されている金属鉄含有量が90〜98重量
%の一次還元鉄粉が主力製品である。
【0010】本発明で使用対象となる、例えば無菌化包
装用容器等に脱酸素機能を持たせるために使用される鉄
粉としては、上記の鉄を出発原料としてこれを微粉化す
るのが最も簡便であるが、金属鉄含有量98重量%超の
高純度の鉄粉は粉砕に時間がかかる。むしろ若干の酸化
鉄を含有し、かつ多孔質な還元鉄粉を出発原料とする方
が粉砕時間の短縮ができて好都合であるが、金属鉄分が
85重量%未満の鉄粉では粉砕後の脱酸素効力の持続時
間が短くなるので鉄粉使用量を増やす必要が生じ、本発
明の脱酸素剤用扁平状還元鉄粉の原料としては金属鉄含
有量85〜98重量%の一次還元鉄粉を用いるのが好ま
しい。
【0011】次に、粒度ならびに粒度分布については、
メディアン粒子径において25μm以下で全粉末中に占
める10μm以下の粒径の鉄粉含有率が40容量%以下
であることが好ましい。これより大きい粒径の場合は、
例えば特開平4−90847号公報ならびに特開平4−
90848号公報に提案されている酸素吸収性を有する
樹脂組成物を用いたフィルムまたはシートおよび包装用
容器を対象とする場合は樹脂との混和性、均一分散性が
悪くなる。また、粒子径が細かくなることは樹脂との混
和性、均一分散性は良くなるが余りに細かくなりすぎる
と製造の際に自然発火する恐れもあり、10μm以下の
粒径の鉄粉含有率が40容量%以下、好ましくは30容
量%以下であることが樹脂への分散性、ひいては脱酸素
剤を含有するフィルムまたはシートおよびこれらのフィ
ルムまたはシートを用いた包装用容器の材質の均一化が
図られると共に、このような用途向き鉄粉の製造が無理
なく、かつ安全に製造される。
【0012】さらに、このような用途に使用される鉄粉
の形状が極めて重要な要因となるが、通常スーパーファ
インと称せられる45μm以下の微粉末においては表面
積の一番小さい、換言すれば表面エネルギーに一番小さ
い、球状ないしそれに近い形状をとるのが安定であるた
め、鉄粉においても特殊なものを除いては−45μm以
下の微粉は球状に近い不定形のものが多い。しかし、か
かる形状の鉄粉は上述の用途としては不向きである。本
発明者らは、かかる用途に最適の形状は扁平形状である
ことを見出し、微粉においてもその形状が扁平を呈する
よう工夫することに成功した。上述のような粒度および
粒度分布を有し、かつその形状が扁平な鉄粉においては
見掛密度は1.0〜1.8g/cm3であるが、余りに
軽すぎると単位重量あたりの容積が大きくなるためフィ
ルムまたはシートとした場合、一定重量の鉄粉を内蔵で
きなくなる。一方、見掛密度が大きすぎるとフィルムま
たはシートあるいは包装容器が材質的に不均一となり強
度が弱くなる等の欠点があり、好ましい見掛密度は1.
0〜1.8g/cm3である。
【0013】次に上述のような鉄粉の製造方法について
説明する。本発明の脱酸素剤用扁平状還元鉄粉の製造方
法は、金属鉄を85〜98重量%含有する還元鉄粉に扁
平化促進剤として油脂を0.05〜1.0重量%添加
し、機械粉砕によってメディアン粒子径25μm以下で
全粉末中に占める10μm以下の粒径の鉄粉含有率が4
0容量%以下、見掛密度が1.0〜1.8g/cm3
ある鉄粉を得、次いで250〜600℃の温度で仕上げ
還元熱処理を行うことを特徴とする脱酸素用扁平状還元
鉄粉の製造方法にある。
【0014】まず出発原料としてはトンネル・キルンあ
るいはロータリ・キルン等の鉄鉱石あるいは製鉄所の圧
延工程で発生するミルスケールを石炭あるいはコークス
等の還元剤で還元した一次還元鉄粉を用いるのが最適で
あり、通常これらの一次還元鉄粉の金属鉄含有量は85
〜98重量%である。一般に市販されている粉末冶金用
や溶接棒用の鉄粉はさらに900〜950℃の高温度で
仕上げ還元熱処理が行われる結果、金属鉄含有量は98
重量%超となり、これらの鉄粉でも本発明の鉄粉の原料
として用いることは可能であるが、粉砕に時間がかか
る。また、還元鉄粉ではなく噴霧鉄粉でも金属含有量が
98重量%超で、粉砕し難い欠点がある。
【0015】このように本発明の鉄粉の出発原料として
は250μm以下に粗粉砕された金属鉄含有量90〜9
8重量%である一次還元鉄粉が最適であるが、これらを
さらにボールミル、振動ミルあるいはハイスピードミル
等の機械的粉砕法によって微粉砕し、粒度をメディアン
粒子径において25μm以下に、また粒度分布を全粉末
中に占める10μm以下の粒径の鉄粉含有率が40容量
%以下とし、かつ鉄粉形状が扁平でしかも見掛密度を
1.0〜1.8g/cm3とするためには特別な工夫が
必要となる。
【0016】本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、機械
的な粉砕においてその形状を扁平とするには扁平化促進
剤として油脂を0.05〜1.0重量%、好ましくは
0.1〜0.5重量%添加して所定の粒度まで機械的な
粉砕を行うことにより本発明の鉄粉が製造できることを
見出した。すなわち約250μm以下に粉砕された金属
鉄含有量90〜98重量%の不定形鉄粉は油脂の存在に
おいてまず扁平化が進み、扁平鉄粉は粉砕が進行するに
つれて次第に崩壊して微粉化されることを見出した。油
脂の存在がない場合、鉄粉は微粉化されるが形状は不定
形で扁平鉄粉が得られ難い。粉砕機はボールミル、振動
ミル、ハイスピードミル等であり、特に限定されない
が、振動ミル等が最も好ましい。
【0017】また、油脂は特に限定されないが、ステア
リン酸、パルミチン酸等の脂肪酸およびこれら塩あるい
は牛脂の他、潤滑油等が好ましい。添加量は0.05〜
1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%の添加
によって扁平化が制御できる。0.05重量%でも十分
効果があるが、添加量が多くなる程扁平化は進む。しか
し、1.0%を超えて添加しても特に著しい効果は期待
できず、一方0.05重量より少量では扁平化は進まな
い。従って、添加量の範囲としては上述のように0.0
5〜1.0重量%が適当で、特に好ましい添加量は0.
1〜0.5重量%である。
【0018】粉砕、微粉化された扁平鉄粉はさらに25
0〜600℃、好ましくは400〜500℃の低温で焼
結固化を起こさない程度に還元熱処理することにより、
油脂が分解、除去されると共にこれらの有機物が分解す
るときに生成される一酸化炭素ガスあるいは炭化水素等
により金属鉄量が増加する。保護雰囲気としては水素、
アンモニア分解ガスあるいはエンドサーミックガス等の
還元性ガスを用いるのがよいが、窒素ガス等の中性ガス
雰囲気でも良い。なお、600℃超の温度では固化が起
こる恐れがあり、また250℃未満では油脂が残留する
恐れがある。
【0019】
【作用】本発明の鉄粉は、金属鉄含有量が85〜98重
量%、メディアン粒子径25μm以下で全粉末中に占め
る10μm以下の粉径の鉄粉含有率が40容量%以下で
あり、かつ見掛密度が1.0〜1.8g/cm3である
脱酸素剤用扁平状還元鉄粉であり、無菌化包装容器等に
脱酸素機能を付与する目的に使用される。すなわち、特
定の粒度分布条件、純度条件、見掛密度ならびに粒子形
状の各要因をすべて満足させることにより脱酸素機能を
もつ無菌化包装用トレーとして優れた特徴を付与するこ
とができる。
【0020】また、かかる特性を有する鉄粉を製造する
に当っては粒度および粒度分布、見掛密度および粒子形
状相互の兼合いを保ちながら製造する必要がある、この
兼合いを調和よく保つ方法として出発原料としては金属
鉄含有量85〜98重量%、好ましくは90〜96重量
%の一次還元粉を用い、粉砕に際しては扁平化促進剤と
しての油脂を0.05〜1.0重量%、好ましくは0.
1〜0.5重量%添加することにより、上記各要因をす
べて満足させ得る無菌化包装用のフィルムまたはシート
あるいは包装容器に脱酸素機能を持たしめる鉄粉の製造
が可能となる。
【0021】
【実施例】以下、実施例ならびに比較例を示し、本発明
をさらに具体的に説明する。
【0022】実施例1 表1に示されるように、トンネルキルン1次還元粉(ス
ウェーデンヘガネス社製CSI 150)−250μm
の鉄粉4kgのステアリン酸32g(鉄粉に対し0.8
重量%)とスチールボール16kgを小型振動ミルに入
れ40時間粉砕した後、水素雰囲気中で500℃、30
分間熱処理して鉄粉を得た。なお、表1中、M・Feと
あるのは原料鉄粉中の金属鉄粉中の金属鉄量を重量%で
示したものである。
【0023】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、粉末形状等)および特性(酸素吸収量)を表
2に示した。
【0024】なお、粒度、見掛密度等は、Leeds&
Northrup社のマイクロトラックで測定し、粉末
形状は走査電子顕微鏡により判定した。また、酸素吸収
量は、下記方法で測定した。
【0025】(酸素吸収量の測定方法)脱酸素剤用包材
として旭化成工業製「ルクサー」とアルミニウム蒸着し
たビニロンフィルム(ポリエチレンをラミネートしてあ
る)を、三方を熱圧着して40×40mmの袋を作っ
た。
【0026】一方、脱酸素有効成分としては上記鉄粉1
gに市販の食塩0.012gを混合したものを上記の袋
に封入し脱酸素剤試料とした。
【0027】これとは別にポリ塩化ビニリデンを被覆し
た延伸ナイロン(ポリエチレンラミネート)製350×
250mm袋の中へ、水6gを浸み込ませた脱脂綿
(1.5g)と上記の方法で作った脱酸素剤試料および
空気1150ml(酸素230ml相当)を入れ1日、
2日、4日、7日、15日および30日後に袋の中から
4〜7mlの空気を抜取り、東レ製”LC−750F”
酸素分析計にて残留酸素を分析し、鉄粉1gあたりの酸
素吸収量を算出した。
【0028】この結果、表2に示されるように、50%
径(メディアン径)は18.70μm(比表面積0.4
78m2/ml)、見掛密度1.08g/cm3であっ
た。また、酸素吸収量も2日後230ml/1g・Fe
となり良好な結果が得られた。
【0029】実施例2 表1に示されるように、実施例1における粉砕時の扁平
化促進剤としてステアリン酸量を20g(鉄粉に対し
0.5重量%)とし、粉砕時間を42時間とした以外は
実施例1と同一条件において製造し、鉄粉が得られた。
【0030】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、形状等)および特性(酸素吸収量)を表2に
示した。
【0031】実施例3 表1に示されるように、実施例1における粉砕時の扁平
化促進剤としてステアリン酸量を8g(鉄粉に対し0.
2重量%)とし、粉砕時間を60時間とした以外は実施
例1と同一条件において製造し、鉄粉が得られた。
【0032】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、形状等)および特性(酸素吸収量)を表2に
示した。
【0033】実施例4 表1に示されるように、実施例1における粉砕時の扁平
化促進剤としてステアリン酸量を4g(鉄粉に対し0.
1重量%)とし、粉砕時間を48時間、粉砕後の熱処理
温度を400℃、30分間とした以外は実施例1と同一
条件において製造し、鉄粉が得られた。
【0034】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、形状等)および特性(酸素吸収量)を表2に
示した。
【0035】実施例5 表1に示されるように、実施例1における粉砕時の扁平
化促進剤としてステアリン酸量を2g(鉄粉に対し0.
05重量%)とし、粉砕後の熱処理温度を250℃、6
0分間とした以外は実施例1と同一条件において製造
し、鉄粉を得た。
【0036】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、形状等)および特性(酸素吸収量)を表2に
示した。
【0037】実施例6 表1に示されるように、出発原料として実施例1で用い
たのと同様のトンネルキルン1次還元粉をさらにシコマ
ントミルにて−45μmに粉砕したもの(スウェーデン
ヘガネス社製X−M300)を用い、実施例1における
粉砕時の扁平化促進剤としてパルミチン酸を12g(鉄
粉に対し0.3重量%)とし、粉砕後の熱処理温度を4
00℃、30分間とした以外は実施例1と同一条件にお
いて製造し、鉄粉を得た。
【0038】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、形状等)および特性(酸素吸収量)を表2に
示した。
【0039】実施例7 表1に示されるように、実施例1で用いたのと同様のト
ンネルキルン1次還元粉10kgに扁平化促進剤として
米国Swift社が開発した有機エステル系潤滑油(商
品名ジ・オクチルセパケートA)10g(鉄粉に対し
0.1重量%)を加え、これを50mmφスチールボー
ル10kgと25mmφスチールボール20kgを入れ
てある小型ボールミルに入れて100時間粉砕後、50
0℃にて30分間、水素雰囲気中で熱処理し鉄粉を得
た。
【0040】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、形状等)および特性(酸素吸収量)を表2に
示した。
【0041】実施例8 表1に示されるように、出発原料としてパウダーテック
社製RD−3を用い、扁平化促進剤としてステアリン酸
亜鉛を8g(鉄粉に対し0.2重量%)用い、粉砕時間
を48時間とした他は実施例1と同じ条件で粉砕および
熱処理を行い、鉄粉を得た。
【0042】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、形状等)および特性(酸素吸収量)を表2に
示した。
【0043】比較例1 表1に示されるように、扁平化促進剤を添加しなかった
こと、ならびに粉砕後の熱処理をしなかったことを除い
ては実施例4と同じ条件で鉄粉を粉砕し、鉄粉を得た。
【0044】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、形状等)および特性(酸素吸収量)を表2に
示した。
【0045】比較例2 表1に示されるように、出発原料としてスウェーデンヘ
ガネス社製1次還元鉄粉CMSを用い、扁平化促進剤を
添加しなかったことならびに粉砕後の熱処理をしなかっ
たことを除いては実施例1と同じ条件で鉄粉を粉砕し、
鉄粉が得られた。
【0046】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、形状等)および特性(酸素吸収量)を表2に
示した。
【0047】比較例3 表1に示されるように、出発原料としてスウェーデンヘ
ガネス社製粉末冶金用鉄粉N・C100−24を用い、
粉砕時間を52時間とした以外は比較例1と同じ条件で
鉄粉を粉砕し、鉄粉を得た。
【0048】得られた鉄粉の性状(粒度、粒度分布、見
掛け密度、形状等)および特性(酸素吸収量)を表2に
示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】これらの結果から分かるように、実施例1
〜8の鉄粉の脱酸素剤用鉄粉として初期立上り特性が優
れている上、長期にわたって外袋から浸入する空気中の
酸素を吸収していることが分かる。これに対して、比較
例1の鉄粉は扁平化促進剤を添加していないので見掛密
度が高く、脱酸素能力も劣る。また、比較例2の鉄粉は
M・Feが低いため脱酸素の立上りが悪い上、長期にわ
たって使用すると外袋を通して浸入する空気中の酸素が
吸収しきれない傾向がみられた。比較例3の鉄粉はM・
Feが98重量%超の純度の高い鉄粉を用いているため
粉砕に時間がかかる他、扁平化促進剤を添加していない
ので見掛密度が高く、脱酸素の立上り特性が悪い。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の扁平状還元鉄粉は脱酸素剤用、特に最近その成長が目
ざましい無菌化包装米飯等の容器に脱酸素機能を持たせ
るための脱酸素有効成分として極めて優れた特性をもつ
ものである。
【0053】また本発明の扁平状還元鉄粉の製造方法に
よれば、脱酸素有効成分としての優れた鉄粉が安全にか
つ低コストで製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属鉄含有量が85〜98重量%、メデ
    ィアン粒子径25μm以下で全粉末中に占める10μm
    以下の粒径の鉄粉含有率が40容量%以下、見掛密度が
    1.0〜1.8g/cm3であることを特徴とする脱酸
    素剤用扁平状還元鉄粉。
  2. 【請求項2】 金属鉄を85〜98重量%含有する還元
    鉄粉に扁平化促進剤として油脂を0.05〜1.0重量
    %添加し、機械粉砕によってメディアン粒子径25μm
    以下で全粉末中に占める10μm以下の粒径の鉄粉含有
    率が40容量%以下、見掛密度が1.0〜1.8g/c
    3である鉄粉を得、次いで250〜600℃の温度で
    仕上げ還元熱処理を行うことを特徴とする脱酸素用扁平
    状還元鉄粉の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記扁平化促進剤がステアリン酸、パル
    ミチン酸またはその塩であることを特徴とする請求項2
    に記載の脱酸素剤用扁平状還元鉄粉の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006290660A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Uchiya Thermostat Kk 水素発生媒体およびその製造方法
JP2013046603A (ja) * 2011-03-28 2013-03-07 Jfe Steel Corp 種子被覆用鉄粉及び種子

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