JPH0871376A - 拡散透析および電気透析による有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸塩含有液からの有機スルホン酸の回収方法およびそれに使用する回収装置 - Google Patents

拡散透析および電気透析による有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸塩含有液からの有機スルホン酸の回収方法およびそれに使用する回収装置

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JPH0871376A
JPH0871376A JP21550394A JP21550394A JPH0871376A JP H0871376 A JPH0871376 A JP H0871376A JP 21550394 A JP21550394 A JP 21550394A JP 21550394 A JP21550394 A JP 21550394A JP H0871376 A JPH0871376 A JP H0871376A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸
の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含む液体から、
拡散透析および電気透析によって有機スルホン酸を回収
する方法であって、拡散透析膜によって透析室/廃液室
に区分された拡散透析槽と、陰イオン交換膜によって陰
極室/陽極室に区分された電気透析槽を有し、陰極室に
は陰極として金属錫または金属錫−鉛合金板を、陽極室
には不溶性の対極を配した装置を使用し、透析室および
陽極室に溶媒を入れ、廃液室および陰極室に上記した処
理すべき液体を入れ、拡散透析槽における拡散透析およ
び電気透析槽における電気透析によってそれぞれ透析室
および陽極室に移動した有機スルホン酸を回収すること
を含む上記の回収方法。 【効果】 本発明の有機スルホン酸回収方法により、有
機スルホン酸および又は有機スルホン酸塩含有めっき
液、めっき廃液等から、有用成分である有機スルホン酸
を容易に回収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、拡散透析および電気透
析により、めっき液等から有用成分である有機スルホン
酸を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機スルホン酸を含む酸性めっき
液、洗浄液またはそれらの廃液は、水酸化ナトリウム等
によって中和処理をし、生じる錫または鉛の水酸化物を
分離し、コンクリート等で固めた後、埋め立てられてい
た。一方、有機スルホン酸のナトリウム塩を含む廃液
は、公害を発生しないことを確認した後に、一般廃水と
して河川または海洋に廃棄されていた。しかしながら、
これらの作業における安全確認および廃棄には、多額の
コストがかかり大変不経済であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、拡散
透析および電気透析を組み合わせることによって、有機
スルホン酸および/又は有機スルホン酸の錫塩および/
又は鉛塩を含む液体から有用成分である有機スルホン酸
を連続的に効率よく回収する方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、有機スルホン酸および/又は有機スルホン
酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含む液体か
ら、拡散透析および電気透析によって有機スルホン酸を
回収する方法を提供する。本発明による回収方法の第一
の態様によれば、拡散透析膜によって廃液室/透析室に
区分された拡散透析槽と、陰イオン交換膜によって陰極
室/陽極室に区分された電気透析槽を有し、陰極室には
陰極として金属錫または金属錫−鉛合金板を、陽極室に
は不溶性の対極を配した装置を使用し、透析室および陽
極室に溶媒を入れ、廃液室および陰極室に上記した処理
すべき液体を入れ、拡散透析槽における拡散透析および
電気透析槽における電気透析によってそれぞれ透析室お
よび陽極室に移動した有機スルホン酸を回収することを
含む回収方法が提供される。
【0005】上記した本発明による回収方法の第一の態
様において、好ましくは、廃液室と陰極室の液体を循環
させることおよび/又は透析室と陽極室の液体を循環さ
せることを含む方法が提供される。上記した本発明によ
る回収方法の第一の態様において、さらに好ましくは、
廃液室および陰極室に被処理液を、透析室および陽極室
に溶媒を入れ、廃液室と陰極室、および透析室と陽極室
とをそれぞれ配管でつなぐことによって液体を循環させ
ながら拡散透析を行うことによって、被処理液中の有機
スルホン酸イオンを透析室および陽極室に移動させた
後、電気透析槽における電気透析によって、陰極室に生
成した有機スルホン酸イオンを陽極室に移動させるとと
もに廃液室4にも循環移動させて拡散透析によって透析
室に移動させ、回収する方法が提供される。
【0006】また本発明による回収方法の第二の態様に
よれば、透析室/拡散透析膜/陰極室/陰イオン交換膜
/陽極室を有し、陰極室には陰極として金属錫または金
属錫−鉛合金板を、陽極室には不溶性の対極を配した装
置を使用し、透析室および陽極室には溶媒を入れ、陰極
室には上記した処理すべき液体を入れ、拡散透析槽にお
ける拡散透析および電気透析槽における電気透析によっ
てそれぞれ透析室および陽極室に移動した有機スルホン
酸を回収することを含む回収方法が提供される。
【0007】上記した本発明による回収方法の第二の態
様において、好ましくは、透析室と陽極室の液体を循環
させることを含む方法が提供される。上記した本発明に
よる回収方法の第二の態様において、さらに好ましく
は、陰極室に被処理液を、透析室および陽極室に溶媒を
入れ、透析室と陽極室とを配管でつなぐことによって液
体を循環させながら拡散透析を行うことによって、被処
理液中の有機スルホン酸イオンを透析室および陽極室に
移動させた後、陰極室と陽極室における電気透析によっ
て、陰極室に生成した有機スルホン酸イオンを陽極室に
移動させるとともに拡散透析によって透析室に移動さ
せ、回収する方法が提供される。
【0008】本発明による有機スルホン酸回収方法にお
いては、廃液室中に存在する有機スルホン酸イオンは拡
散透析により、拡散透析膜を通って透析室に移動する。
一方、陰極室中においては、電気分解により、有機スル
ホン酸の錫塩および/鉛塩は以下の反応式: Sn(R−SO3 2 +2e- → Sn + 2(R
−SO3 -) または Pb(R−SO3 2 +2e- → Pb + 2(R
−SO3 -) (式中、Rは有機基を表す) により、錫および/又は鉛と有機スルホン酸イオンに分
解される。この電気分解により上記反応式によって生じ
る錫および鉛は陰極に金属として析出する一方、陰極室
中に生成される有機スルホン酸イオンは、陰イオン交換
膜を通って陽極室に移動する。
【0009】また、本発明の第一の態様において、好ま
しくは、配管などの循環手段を使用することによって陰
極室と廃液室との間で液体は循環する。このように廃液
室と陰極室との間で液体を循環させることにより、廃液
室中の有機スルホン酸の錫塩および/又は鉛塩が陰極室
に移動して電解作用を受けられるようになるとともに、
陰極室で生じた有機スルホン酸イオンが廃液室に戻るた
めに、廃液室中の有機スルホン酸イオン濃度の向上に寄
与し、拡散透析槽における拡散透析の効率を向上させる
ことができる。さらに、配管などの循環手段によって透
析室と陽極室との間で液体を循環させることも好まし
い。この場合、拡散透析によって廃液室から透析室に移
動してきた有機スルホン酸イオンが陽極室に供給される
ことによって、陽極室の電気伝導度が高まり、効率のよ
い電解を行うことが可能になる。
【0010】以下に本発明による有機スルホン酸回収方
法および有機スルホン酸回収装置について詳細に説明す
る。本発明においては、有機スルホン酸および/又は有
機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含
む液体を処理することによって有機スルホン酸を回収す
ることができる。さらに特定すると、本発明において
は、有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の2価
の錫塩および/又は2価の鉛塩を基本成分とするめっき
液、めっき洗浄液またはそれらの廃液を処理することに
よって有機スルホン酸を回収することができる。
【0011】本発明における有機スルホン酸としては、
アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族
スルホン酸の少なくとも一種以上が挙げられる。アルカ
ンスルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、1−プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホ
ン酸、1−ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、
ペンタンスルホン酸およびヘキサンスルホン酸などが例
示される。これらの中でもメタンスルホン酸が最も好ま
しい。アルカノールスルホン酸としては、2−ヒドロキ
シエチル−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプロピル−
1−スルホン酸、3−ヒドロキシプロピル−1−スルホ
ン酸、2−ヒドロキシブチル−1−スルホン酸、4−ヒ
ドロキシペンチル−1−スルホン酸および2−ヒドロキ
シヘキシル−1−スルホン酸などが例示される。
【0012】芳香族スルホン酸としては、ベンゼンスル
ホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸(p−フェ
ノールスルホン酸)、4−カルボキシベンゼンスルホン
酸などが例示される。この他、2,5−ジヒドロキシ−
1,4−ベンゼンジスルホン酸および4,5−ジヒドロ
キシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸などの芳香族ジス
ルホン酸も例示することができる。有機スルホン酸の2
価の錫塩および/又は2価の鉛塩とは、上記のスルホン
酸と同一の有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は鉛
塩が挙げられる。また、本発明において使用される溶媒
としては例えば水が挙げられる。特に、塩素を除去した
イオン交換水が好ましい。
【0013】図1には、本発明の第一の態様による有機
スルホン酸の回収方法に使用する二槽式回収装置の概略
が示されている。図1の有機スルホン酸回収装置は、拡
散透析槽1および電気透析槽2を含む。拡散透析槽1は
拡散透析膜3によって区分けされた廃液室4と透析室5
を有している。拡散透析膜3の種類としては、陰イオン
を選択的に透過できるものであれば特には限定されない
が、一般的には陰イオンの選択透過性が高く、溶媒の拡
散係数が小さく、機械的強度および化学的安定性が高く
長期間使用できるものが好ましい。廃液室4には、処理
される有機スルホン酸イオンおよび/又は有機スルホン
酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含有する液体
が入れられ、透析室5には、透析のための溶媒、例えば
イオン交換水が入れられる。
【0014】電気透析槽2は陰イオン交換膜6によって
区切られた陰極室7と陽極室8を有し、陰極室7には陰
極9として金属錫または金属錫−鉛合金が設置され、陽
極室8にはその対極として陽極10が設置されている。
陰イオン交換膜6の種類としては、陰極9と陽極10の
間に電圧をかけた場合に、電気透析によって陰イオンが
陰極室から陽極室に選択的に透過できるものであれば特
には限定されないが、中でも電気抵抗が小さいものが特
に好ましい。陽極10の種類は不溶性陽極であればよ
く、特には限定されない。陽極10としては、例えば、
チタン上に白金を施した電極、カーボン電極、MO・F
2 3 のようなフェライト電極を挙げることができ
る。陰極9と陽極10は直流電源15によって接続され
ている。図1においては、廃液室4と陰極室7は配管1
1および12によって、透析室5と陽極室8は配管13
および14によってそれぞれ連結されている。
【0015】配管11および12による被処理液を循環
させるための手段あるいは配管13および14による回
収された有機スルホン酸イオンを含有する液体を循環さ
せるための手段は、好適に循環を行うことができるもの
であれば特には限定されず、例えばポンプやオーバーフ
ローなどのような手段によって行われる。図1に示す装
置を使用して有機スルホン酸を回収する方法において
は、廃液室4中の有機スルホン酸イオンは拡散透析によ
って拡散透析膜3を通って透析室5に移動し、これは配
管13および14によって陽極室8との間を循環する。
一方、陰極9および陽極10の間に電圧を加えると、陰
極室7においては電解によって有機スルホン酸の錫塩お
よび/又は鉛塩から錫および/又は鉛が金属として陰極
に析出し、有機スルホン酸イオンが生成する。この電解
反応によって生成した有機スルホン酸イオンは最初から
液体中に含まれていた有機スルホン酸イオンとともに陰
イオン交換膜6を通って陽極室8に移動するとともに、
一部は配管12を通って廃液室4にも供給され、拡散透
析によって透析室5に移動することになる。
【0016】図1に示す回収装置を使用して有機スルホ
ン酸を回収する方法の手順の一例としては、まず廃液室
4に被処理液を、透析室5に溶媒を入れて拡散透析を行
い、次いで、廃液室4の液体を配管11および12によ
って陰極室7との間で循環させ、また透析室5の液体を
配管13および14によって陽極室8との間で循環させ
てから、陰極9および陽極10の間に電圧かけることに
よって電気透析を行えばよい。しかしながら、このよう
な手順に限定されるものではなく、例えば、最初から廃
液室4および陰極室7に被処理液を入れ、透析室5およ
び陽極室8に溶媒を入れ、循環させながら拡散透析を行
い、次いで電気気析を行ってもよく、あるいは最初から
拡散透析と電気透析を並行して行ってもよい。
【0017】以上に説明してきた図1の例においては、
拡散透析槽と電気透析槽が別々に設置されている。しか
しながら、本発明の第二の態様によれば、拡散透析と電
気透析を一つの槽内で行うような装置を使用して、有機
スルホン酸の回収を行うこともできる。図2はこのよう
な一つの槽で有機スルホン酸を回収する方法において使
用する一槽式回収装置の概略を示す。透析室5/拡散透
析膜3/陰極室7/陰イオン交換膜6/陽極室8に区分
けされた槽を使用し、陰極室7には陰極9を、陽極室8
には陽極10を設置し、これらを直流電源15によって
接続する。拡散透析膜3および陰イオン交換膜6の種
類、陰極9および陽極10の種類は図1のところで説明
した通りである。
【0018】図2に示す装置を使用して有機スルホン酸
を回収する方法においては、陰極室7中の有機スルホン
酸イオンは拡散透析によって拡散透析膜3を通って透析
室5に移動する。一方、陰極9および陽極10の間に電
圧を加えると、陰極室7においては電気分解によって有
機スルホン酸の錫塩および/又は鉛塩から錫および/又
は鉛が金属として陰極に析出し、有機スルホン酸イオン
が生成する。ここで生成した有機スルホン酸イオンは電
気透析によって陰イオン交換膜6を通って陽極室8に移
動するとともに、拡散透析によって拡散透析膜3を通っ
て透析室5にも移動する。好ましくは、配管11および
12によって透析室5と陽極室8との間で液体を循環さ
せる。これによって、透析室5の有機スルホン酸イオン
濃度が低下して拡散透析の効率が上昇するとともに、陽
極室8の有機スルホン酸イオン濃度が上昇し電気伝導度
が上昇することになる。
【0019】図2に示す回収装置を使用して有機スルホ
ン酸を回収する方法の手順の一つとしては、まず陰極室
7に被処理液を、透析室5に溶媒を入れ拡散透析を行
い、次いで透析室5の液体を配管11および12によっ
て陽極室8との間で循環させてから、陰極9および陽極
10の間に電圧かけることによって電気透析を行えばよ
い。しかしながら、このような手順に限定されるもので
はなく、例えば、最初から陰極室7に被処理液を入れ、
透析室5および陽極室8に溶媒を入れ、循環させながら
拡散透析を行い、次いで電気透析を行ってもよく、ある
いは最初から拡散透析と電気透析を並行して行ってもよ
い。図1あるいは図2に装置の何れの場合においても、
上記の電気分解反応後、透析室5および陽極室8の溶液
を回収することによって、有機スルホン酸を回収するこ
とができる。
【0020】
【実施例】以下の実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定することを意図す
るものではない。実施例1 図1の装置を用いて、めっき液廃液から有機スルホン酸
および錫−鉛合金を回収した。なお、拡散透析膜3とし
ては商品名:ネオセプタAFX(徳山曹達(株)社製、
有効面積0.35dm2 )を、陰イオン交換膜6として
は商品名:ネオセプタAMH(徳山曹達(株)社製、有
効面積0.35dm2 )を使用した。まず図1の廃液室
4および陰極室7にはめっき液廃液〔37g/Lの第一
錫イオン(メタンスルホン酸第一錫として供給)、6g
/Lの鉛イオン(メタンスルホン酸鉛として供給)およ
び160g/Lのメタンスルホン酸を含有〕を合計5L
入れ、透析室5および陽極室8にはイオン交換水を合計
1L入れる。次いで、配管11および12により廃液室
4と陰極室7を、配管13および14により透析室5と
陽極室8を各々6時間循環しながら拡散透析を行った。
この6時間の循環後において、めっき液廃液(廃液室4
および陰極室7中の液体)およびメタンスルホン酸回収
液(透析室5および陽極室8中の液体)の組成を測定し
た。
【0021】次いで陰極9および陽極10の間に4Aの
電流を流すことによって16時間電気透析を行った。こ
の際、陽極電流密度が13A/dm2 になるようにし、
また陽極としてはチタン上に白金を施した不溶性陽極
を、陰極としてはステンレススチールを用いた。電気透
析後に、上記と同じようにめっき液廃液およびメタンス
ルホン酸回収液の組成を測定した。以上の実験の結果を
以下の表1および表2に示す。
【0022】 表1:めっき液廃液の組成の変化 初期組成 拡散透析後組成 電気透析後組成 第一錫イオン 37g/L 37g/L 2g/L 鉛イオン 6g/L 6g/L 1g/L メタンスルホン酸 160g/L 128g/L 175g/L 表2:メタンスルホン酸回収液の組成の変化 初期組成 拡散透析後組成 電気透析後組成 第一錫イオン 0g/L 未測定 4ppm 鉛イオン 0g/L 未測定 4ppm メタンスルホン酸 0g/L 30g/L 120g/L 以上の結果から、メタンスルホン酸回収液の中にメタン
スルホン酸が有効に回収できていることが分かる。
【0023】実施例2 図2の装置を用いて、めっき液廃液から有機スルホン酸
および錫−鉛合金を回収した。なお、拡散透析膜3とし
ては商品名:セレミオンAPS−3(旭硝子(株)社
製、有効面積2.25dm2 )を、陰イオン交換膜6と
しては商品名:ネオセプタAMH(徳山曹達(株)社
製、有効面積2.25dm2 )を使用した。まず図2の
陰極室7には実施例1で使用したものと同じめっき液廃
液を20.0L入れ、透析室5および陽極室8にはイオ
ン交換水を合計8.6L入れる。次いで、配管11およ
び12により透析室5と陽極室8を2時間循環しながら
拡散透析を行った。この2時間の循環後において、めっ
き液廃液(陰極室7中の液体)およびメタンスルホン酸
回収液(透析室5および陽極室8中の液体)の組成を測
定した。
【0024】次いで陰極9および陽極10の間に20A
の電流を流すことによって15時間電気透析を行った。
この際、陽極電流密度が5.6A/dm2 になるように
し、また陽極としてはチタン上に白金を施した不溶性陽
極を用い、陰極としてはステンレススチールを用いた。
電気透析後に、上記と同じようにめっき液廃液およびメ
タンスルホン酸回収液の組成を測定した。以上の実験の
結果を以下の表3および表4に示す。
【0025】 表3:めっき液廃液の組成の変化 初期組成 拡散透析後組成 電気透析後組成 第一錫イオン 37g/L 37g/L 6.2g/L 鉛イオン 6g/L 6g/L 1.4g/L メタンスルホン酸 160g/L 157g/L 179g/L 表4:メタンスルホン酸回収液の組成の変化 初期組成 拡散透析後組成 電気透析後組成 第一錫イオン 0g/L 未測定 79ppm 鉛イオン 0g/L 未測定 27ppm メタンスルホン酸 0g/L 9.5g/L 70.7g/L 以上の結果から、メタンスルホン酸回収液の中にメタン
スルホン酸が有効に回収できていることが分かる。
【0026】
【発明の効果】拡散透析および電気透析の両方を利用す
る本発明による有機スルホン酸イオン含有液からの有機
スルホン酸を回収する方法により、有機スルホン酸イオ
ン含有めっき液、めっき廃液等から、有用成分である有
機スルホン酸を容易に回収することができる。また本発
明による回収方法によれば、電気透析のみを利用して回
収する場合と比べて、必要な電力が節約でき、また、効
率よく有機スルホン酸を回収することができる。また本
発明による有機スルホン酸回収方法によれば、操作を連
続的に行うことができるので大量の被処理液を処理する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二槽式回収装置の概略図。
【図2】本発明の一槽式回収装置の概略図。
【符号の説明】
1 拡散透析槽 2 電気透析槽 3 拡散透析膜 4 廃液室 5 透析室 6 陰イオン交換膜 7 陰極室 8 陽極室 9 陰極 10 陽極 11〜14 配管 15 直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 61/46 9538−4D 61/58 9538−4D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機スルホン酸および/又は有機スルホ
    ン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含む液体か
    ら、拡散透析および電気透析によって有機スルホン酸を
    回収する方法であって、拡散透析膜によって透析室/廃
    液室に区分された拡散透析槽と、陰イオン交換膜によっ
    て陰極室/陽極室に区分された電気透析槽を有し、陰極
    室には陰極として金属錫または金属錫−鉛合金板を、陽
    極室には不溶性の対極を配した装置を使用し、透析室お
    よび陽極室に溶媒を入れ、廃液室および陰極室に上記し
    た処理すべき液体を入れ、拡散透析槽における拡散透析
    および電気透析槽における電気透析によってそれぞれ透
    析室および陽極室に移動した有機スルホン酸を回収する
    ことを含む上記の回収方法。
  2. 【請求項2】 廃液室と陰極室の液体を循環させること
    および/又は透析室と陽極室の液体を循環させることを
    含む請求項1に記載の回収方法。
  3. 【請求項3】 拡散透析膜によって廃液室と透析室に区
    分された拡散透析槽と、陰イオン交換膜によって陰極室
    と陽極室に区分された電気透析槽を有し、透析室と陽極
    室との間で液体を循環させる装置および廃液室と陰極室
    との間で液体を循環させる装置を有することを特徴とす
    る有機スルホン酸回収装置。
  4. 【請求項4】 有機スルホン酸および/又は有機スルホ
    ン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含む液体か
    ら、拡散透析および電気透析によって有機スルホン酸を
    回収する方法であって、透析室/拡散透析膜/陰極室/
    陰イオン交換膜/陽極室を有し、陰極室には陰極として
    金属錫または金属錫−鉛合金板を、陽極室には不溶性の
    対極を配した装置を使用し、透析室および陽極室には溶
    媒を入れ、陰極室には上記した処理すべき液体を入れ、
    拡散透析槽における拡散透析および電気透析槽における
    電気透析によってそれぞれ透析室および陽極室に移動し
    た有機スルホン酸を回収することを含む上記の回収方
    法。
  5. 【請求項5】 透析室と陽極室の液体を循環させること
    を含む請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 透析室/拡散透析膜/陰極室/陰イオン
    交換膜/陽極室を有し、透析室と陽極室との間で液体を
    循環させる装置を有することを特徴とする有機スルホン
    酸回収装置。
JP21550394A 1994-09-09 1994-09-09 拡散透析および電気透析による有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸塩含有液からの有機スルホン酸の回収方法およびそれに使用する回収装置 Expired - Fee Related JP3611602B2 (ja)

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