JP3611602B2 - 拡散透析および電気透析による有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸塩含有液からの有機スルホン酸の回収方法およびそれに使用する回収装置 - Google Patents
拡散透析および電気透析による有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸塩含有液からの有機スルホン酸の回収方法およびそれに使用する回収装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、拡散透析および電気透析により、めっき液等から有用成分である有機スルホン酸を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機スルホン酸を含む酸性めっき液、洗浄液またはそれらの廃液は、水酸化ナトリウム等によって中和処理をし、生じる錫または鉛の水酸化物を分離し、コンクリート等で固めた後、埋め立てられていた。一方、有機スルホン酸のナトリウム塩を含む廃液は、公害を発生しないことを確認した後に、一般廃水として河川または海洋に廃棄されていた。しかしながら、これらの作業における安全確認および廃棄には、多額のコストがかかり大変不経済であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、拡散透析および電気透析を組み合わせることによって、有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の錫塩および/又は鉛塩を含む液体から有用成分である有機スルホン酸を連続的に効率よく回収する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含む液体から、拡散透析および電気透析によって有機スルホン酸を回収する方法を提供する。
本発明による回収方法の第一の態様によれば、拡散透析膜によって廃液室/透析室に区分された拡散透析槽と、陰イオン交換膜によって陰極室/陽極室に区分された電気透析槽を有し、陰極室には陰極として金属錫または金属錫−鉛合金板を、陽極室には不溶性の対極を配した装置を使用し、透析室および陽極室に溶媒を入れ、廃液室および陰極室に上記した処理すべき液体を入れ、拡散透析槽における拡散透析および電気透析槽における電気透析によってそれぞれ透析室および陽極室に移動した有機スルホン酸を回収することを含む回収方法が提供される。
【0005】
上記した本発明による回収方法の第一の態様において、好ましくは、廃液室と陰極室の液体を循環させることおよび/又は透析室と陽極室の液体を循環させることを含む方法が提供される。
上記した本発明による回収方法の第一の態様において、さらに好ましくは、廃液室および陰極室に被処理液を、透析室および陽極室に溶媒を入れ、廃液室と陰極室、および透析室と陽極室とをそれぞれ配管でつなぐことによって液体を循環させながら拡散透析を行うことによって、被処理液中の有機スルホン酸イオンを透析室および陽極室に移動させた後、電気透析槽における電気透析によって、陰極室に生成した有機スルホン酸イオンを陽極室に移動させるとともに廃液室4にも循環移動させて拡散透析によって透析室に移動させ、回収する方法が提供される。
【0006】
また本発明による回収方法の第二の態様によれば、透析室/拡散透析膜/陰極室/陰イオン交換膜/陽極室を有し、陰極室には陰極として金属錫または金属錫−鉛合金板を、陽極室には不溶性の対極を配した装置を使用し、透析室および陽極室には溶媒を入れ、陰極室には上記した処理すべき液体を入れ、拡散透析槽における拡散透析および電気透析槽における電気透析によってそれぞれ透析室および陽極室に移動した有機スルホン酸を回収することを含む回収方法が提供される。
【0007】
上記した本発明による回収方法の第二の態様において、好ましくは、透析室と陽極室の液体を循環させることを含む方法が提供される。
上記した本発明による回収方法の第二の態様において、さらに好ましくは、陰極室に被処理液を、透析室および陽極室に溶媒を入れ、透析室と陽極室とを配管でつなぐことによって液体を循環させながら拡散透析を行うことによって、被処理液中の有機スルホン酸イオンを透析室および陽極室に移動させた後、陰極室と陽極室における電気透析によって、陰極室に生成した有機スルホン酸イオンを陽極室に移動させるとともに拡散透析によって透析室に移動させ、回収する方法が提供される。
【0008】
本発明による有機スルホン酸回収方法においては、廃液室中に存在する有機スルホン酸イオンは拡散透析により、拡散透析膜を通って透析室に移動する。一方、陰極室中においては、電気分解により、有機スルホン酸の錫塩および/鉛塩は以下の反応式:
Sn(R−SO3 )2 +2e− → Sn + 2(R−SO3 −)
または
Pb(R−SO3 )2 +2e− → Pb + 2(R−SO3 −)
(式中、Rは有機基を表す)
により、錫および/又は鉛と有機スルホン酸イオンに分解される。この電気分解により上記反応式によって生じる錫および鉛は陰極に金属として析出する一方、陰極室中に生成される有機スルホン酸イオンは、陰イオン交換膜を通って陽極室に移動する。
【0009】
また、本発明の第一の態様において、好ましくは、配管などの循環手段を使用することによって陰極室と廃液室との間で液体は循環する。このように廃液室と陰極室との間で液体を循環させることにより、廃液室中の有機スルホン酸の錫塩および/又は鉛塩が陰極室に移動して電解作用を受けられるようになるとともに、陰極室で生じた有機スルホン酸イオンが廃液室に戻るために、廃液室中の有機スルホン酸イオン濃度の向上に寄与し、拡散透析槽における拡散透析の効率を向上させることができる。
さらに、配管などの循環手段によって透析室と陽極室との間で液体を循環させることも好ましい。この場合、拡散透析によって廃液室から透析室に移動してきた有機スルホン酸イオンが陽極室に供給されることによって、陽極室の電気伝導度が高まり、効率のよい電解を行うことが可能になる。
【0010】
以下に本発明による有機スルホン酸回収方法および有機スルホン酸回収装置について詳細に説明する。
本発明においては、有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含む液体を処理することによって有機スルホン酸を回収することができる。さらに特定すると、本発明においては、有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を基本成分とするめっき液、めっき洗浄液またはそれらの廃液を処理することによって有機スルホン酸を回収することができる。
【0011】
本発明における有機スルホン酸としては、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸の少なくとも一種以上が挙げられる。
アルカンスルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸およびヘキサンスルホン酸などが例示される。これらの中でもメタンスルホン酸が最も好ましい。
アルカノールスルホン酸としては、2−ヒドロキシエチル−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプロピル−1−スルホン酸、3−ヒドロキシプロピル−1−スルホン酸、2−ヒドロキシブチル−1−スルホン酸、4−ヒドロキシペンチル−1−スルホン酸および2−ヒドロキシヘキシル−1−スルホン酸などが例示される。
【0012】
芳香族スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸(p−フェノールスルホン酸)、4−カルボキシベンゼンスルホン酸などが例示される。この他、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸および4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸などの芳香族ジスルホン酸も例示することができる。
有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩とは、上記のスルホン酸と同一の有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は鉛塩が挙げられる。
また、本発明において使用される溶媒としては例えば水が挙げられる。特に、塩素を除去したイオン交換水が好ましい。
【0013】
図1には、本発明の第一の態様による有機スルホン酸の回収方法に使用する二槽式回収装置の概略が示されている。図1の有機スルホン酸回収装置は、拡散透析槽1および電気透析槽2を含む。
拡散透析槽1は拡散透析膜3によって区分けされた廃液室4と透析室5を有している。拡散透析膜3の種類としては、陰イオンを選択的に透過できるものであれば特には限定されないが、一般的には陰イオンの選択透過性が高く、溶媒の拡散係数が小さく、機械的強度および化学的安定性が高く長期間使用できるものが好ましい。
廃液室4には、処理される有機スルホン酸イオンおよび/又は有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含有する液体が入れられ、透析室5には、透析のための溶媒、例えばイオン交換水が入れられる。
【0014】
電気透析槽2は陰イオン交換膜6によって区切られた陰極室7と陽極室8を有し、陰極室7には陰極9として金属錫または金属錫−鉛合金が設置され、陽極室8にはその対極として陽極10が設置されている。陰イオン交換膜6の種類としては、陰極9と陽極10の間に電圧をかけた場合に、電気透析によって陰イオンが陰極室から陽極室に選択的に透過できるものであれば特には限定されないが、中でも電気抵抗が小さいものが特に好ましい。陽極10の種類は不溶性陽極であればよく、特には限定されない。陽極10としては、例えば、チタン上に白金を施した電極、カーボン電極、MO・Fe2 O3 のようなフェライト電極を挙げることができる。陰極9と陽極10は直流電源15によって接続されている。
図1においては、廃液室4と陰極室7は配管11および12によって、透析室5と陽極室8は配管13および14によってそれぞれ連結されている。
【0015】
配管11および12による被処理液を循環させるための手段あるいは配管13および14による回収された有機スルホン酸イオンを含有する液体を循環させるための手段は、好適に循環を行うことができるものであれば特には限定されず、例えばポンプやオーバーフローなどのような手段によって行われる。
図1に示す装置を使用して有機スルホン酸を回収する方法においては、廃液室4中の有機スルホン酸イオンは拡散透析によって拡散透析膜3を通って透析室5に移動し、これは配管13および14によって陽極室8との間を循環する。一方、陰極9および陽極10の間に電圧を加えると、陰極室7においては電解によって有機スルホン酸の錫塩および/又は鉛塩から錫および/又は鉛が金属として陰極に析出し、有機スルホン酸イオンが生成する。この電解反応によって生成した有機スルホン酸イオンは最初から液体中に含まれていた有機スルホン酸イオンとともに陰イオン交換膜6を通って陽極室8に移動するとともに、一部は配管12を通って廃液室4にも供給され、拡散透析によって透析室5に移動することになる。
【0016】
図1に示す回収装置を使用して有機スルホン酸を回収する方法の手順の一例としては、まず廃液室4に被処理液を、透析室5に溶媒を入れて拡散透析を行い、次いで、廃液室4の液体を配管11および12によって陰極室7との間で循環させ、また透析室5の液体を配管13および14によって陽極室8との間で循環させてから、陰極9および陽極10の間に電圧かけることによって電気透析を行えばよい。しかしながら、このような手順に限定されるものではなく、例えば、最初から廃液室4および陰極室7に被処理液を入れ、透析室5および陽極室8に溶媒を入れ、循環させながら拡散透析を行い、次いで電気気析を行ってもよく、あるいは最初から拡散透析と電気透析を並行して行ってもよい。
【0017】
以上に説明してきた図1の例においては、拡散透析槽と電気透析槽が別々に設置されている。しかしながら、本発明の第二の態様によれば、拡散透析と電気透析を一つの槽内で行うような装置を使用して、有機スルホン酸の回収を行うこともできる。
図2はこのような一つの槽で有機スルホン酸を回収する方法において使用する一槽式回収装置の概略を示す。透析室5/拡散透析膜3/陰極室7/陰イオン交換膜6/陽極室8に区分けされた槽を使用し、陰極室7には陰極9を、陽極室8には陽極10を設置し、これらを直流電源15によって接続する。拡散透析膜3および陰イオン交換膜6の種類、陰極9および陽極10の種類は図1のところで説明した通りである。
【0018】
図2に示す装置を使用して有機スルホン酸を回収する方法においては、陰極室7中の有機スルホン酸イオンは拡散透析によって拡散透析膜3を通って透析室5に移動する。一方、陰極9および陽極10の間に電圧を加えると、陰極室7においては電気分解によって有機スルホン酸の錫塩および/又は鉛塩から錫および/又は鉛が金属として陰極に析出し、有機スルホン酸イオンが生成する。ここで生成した有機スルホン酸イオンは電気透析によって陰イオン交換膜6を通って陽極室8に移動するとともに、拡散透析によって拡散透析膜3を通って透析室5にも移動する。好ましくは、配管11および12によって透析室5と陽極室8との間で液体を循環させる。これによって、透析室5の有機スルホン酸イオン濃度が低下して拡散透析の効率が上昇するとともに、陽極室8の有機スルホン酸イオン濃度が上昇し電気伝導度が上昇することになる。
【0019】
図2に示す回収装置を使用して有機スルホン酸を回収する方法の手順の一つとしては、まず陰極室7に被処理液を、透析室5に溶媒を入れ拡散透析を行い、次いで透析室5の液体を配管11および12によって陽極室8との間で循環させてから、陰極9および陽極10の間に電圧かけることによって電気透析を行えばよい。しかしながら、このような手順に限定されるものではなく、例えば、最初から陰極室7に被処理液を入れ、透析室5および陽極室8に溶媒を入れ、循環させながら拡散透析を行い、次いで電気透析を行ってもよく、あるいは最初から拡散透析と電気透析を並行して行ってもよい。
図1あるいは図2に装置の何れの場合においても、上記の電気分解反応後、透析室5および陽極室8の溶液を回収することによって、有機スルホン酸を回収することができる。
【0020】
【実施例】
以下の実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1
図1の装置を用いて、めっき液廃液から有機スルホン酸および錫−鉛合金を回収した。なお、拡散透析膜3としては商品名:ネオセプタAFX(徳山曹達(株)社製、有効面積0.35dm2 )を、陰イオン交換膜6としては商品名:ネオセプタAMH(徳山曹達(株)社製、有効面積0.35dm2 )を使用した。
まず図1の廃液室4および陰極室7にはめっき液廃液〔37g/Lの第一錫イオン(メタンスルホン酸第一錫として供給)、6g/Lの鉛イオン(メタンスルホン酸鉛として供給)および160g/Lのメタンスルホン酸を含有〕を合計5L入れ、透析室5および陽極室8にはイオン交換水を合計1L入れる。次いで、配管11および12により廃液室4と陰極室7を、配管13および14により透析室5と陽極室8を各々6時間循環しながら拡散透析を行った。この6時間の循環後において、めっき液廃液(廃液室4および陰極室7中の液体)およびメタンスルホン酸回収液(透析室5および陽極室8中の液体)の組成を測定した。
【0021】
次いで陰極9および陽極10の間に4Aの電流を流すことによって16時間電気透析を行った。この際、陽極電流密度が13A/dm2 になるようにし、また陽極としてはチタン上に白金を施した不溶性陽極を、陰極としてはステンレススチールを用いた。電気透析後に、上記と同じようにめっき液廃液およびメタンスルホン酸回収液の組成を測定した。
以上の実験の結果を以下の表1および表2に示す。
【0022】
以上の結果から、メタンスルホン酸回収液の中にメタンスルホン酸が有効に回収できていることが分かる。
【0023】
実施例2
図2の装置を用いて、めっき液廃液から有機スルホン酸および錫−鉛合金を回収した。なお、拡散透析膜3としては商品名:セレミオンAPS−3(旭硝子(株)社製、有効面積2.25dm2 )を、陰イオン交換膜6としては商品名:ネオセプタAMH(徳山曹達(株)社製、有効面積2.25dm2 )を使用した。まず図2の陰極室7には実施例1で使用したものと同じめっき液廃液を20.0L入れ、透析室5および陽極室8にはイオン交換水を合計8.6L入れる。次いで、配管11および12により透析室5と陽極室8を2時間循環しながら拡散透析を行った。この2時間の循環後において、めっき液廃液(陰極室7中の液体)およびメタンスルホン酸回収液(透析室5および陽極室8中の液体)の組成を測定した。
【0024】
次いで陰極9および陽極10の間に20Aの電流を流すことによって15時間電気透析を行った。この際、陽極電流密度が5.6A/dm2 になるようにし、また陽極としてはチタン上に白金を施した不溶性陽極を用い、陰極としてはステンレススチールを用いた。電気透析後に、上記と同じようにめっき液廃液およびメタンスルホン酸回収液の組成を測定した。
以上の実験の結果を以下の表3および表4に示す。
【0025】
以上の結果から、メタンスルホン酸回収液の中にメタンスルホン酸が有効に回収できていることが分かる。
【0026】
【発明の効果】
拡散透析および電気透析の両方を利用する本発明による有機スルホン酸イオン含有液からの有機スルホン酸を回収する方法により、有機スルホン酸イオン含有めっき液、めっき廃液等から、有用成分である有機スルホン酸を容易に回収することができる。また本発明による回収方法によれば、電気透析のみを利用して回収する場合と比べて、必要な電力が節約でき、また、効率よく有機スルホン酸を回収することができる。また本発明による有機スルホン酸回収方法によれば、操作を連続的に行うことができるので大量の被処理液を処理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二槽式回収装置の概略図。
【図2】本発明の一槽式回収装置の概略図。
【符号の説明】
1 拡散透析槽
2 電気透析槽
3 拡散透析膜
4 廃液室
5 透析室
6 陰イオン交換膜
7 陰極室
8 陽極室
9 陰極
10 陽極
11〜14 配管
15 直流電源
【産業上の利用分野】
本発明は、拡散透析および電気透析により、めっき液等から有用成分である有機スルホン酸を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機スルホン酸を含む酸性めっき液、洗浄液またはそれらの廃液は、水酸化ナトリウム等によって中和処理をし、生じる錫または鉛の水酸化物を分離し、コンクリート等で固めた後、埋め立てられていた。一方、有機スルホン酸のナトリウム塩を含む廃液は、公害を発生しないことを確認した後に、一般廃水として河川または海洋に廃棄されていた。しかしながら、これらの作業における安全確認および廃棄には、多額のコストがかかり大変不経済であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、拡散透析および電気透析を組み合わせることによって、有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の錫塩および/又は鉛塩を含む液体から有用成分である有機スルホン酸を連続的に効率よく回収する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含む液体から、拡散透析および電気透析によって有機スルホン酸を回収する方法を提供する。
本発明による回収方法の第一の態様によれば、拡散透析膜によって廃液室/透析室に区分された拡散透析槽と、陰イオン交換膜によって陰極室/陽極室に区分された電気透析槽を有し、陰極室には陰極として金属錫または金属錫−鉛合金板を、陽極室には不溶性の対極を配した装置を使用し、透析室および陽極室に溶媒を入れ、廃液室および陰極室に上記した処理すべき液体を入れ、拡散透析槽における拡散透析および電気透析槽における電気透析によってそれぞれ透析室および陽極室に移動した有機スルホン酸を回収することを含む回収方法が提供される。
【0005】
上記した本発明による回収方法の第一の態様において、好ましくは、廃液室と陰極室の液体を循環させることおよび/又は透析室と陽極室の液体を循環させることを含む方法が提供される。
上記した本発明による回収方法の第一の態様において、さらに好ましくは、廃液室および陰極室に被処理液を、透析室および陽極室に溶媒を入れ、廃液室と陰極室、および透析室と陽極室とをそれぞれ配管でつなぐことによって液体を循環させながら拡散透析を行うことによって、被処理液中の有機スルホン酸イオンを透析室および陽極室に移動させた後、電気透析槽における電気透析によって、陰極室に生成した有機スルホン酸イオンを陽極室に移動させるとともに廃液室4にも循環移動させて拡散透析によって透析室に移動させ、回収する方法が提供される。
【0006】
また本発明による回収方法の第二の態様によれば、透析室/拡散透析膜/陰極室/陰イオン交換膜/陽極室を有し、陰極室には陰極として金属錫または金属錫−鉛合金板を、陽極室には不溶性の対極を配した装置を使用し、透析室および陽極室には溶媒を入れ、陰極室には上記した処理すべき液体を入れ、拡散透析槽における拡散透析および電気透析槽における電気透析によってそれぞれ透析室および陽極室に移動した有機スルホン酸を回収することを含む回収方法が提供される。
【0007】
上記した本発明による回収方法の第二の態様において、好ましくは、透析室と陽極室の液体を循環させることを含む方法が提供される。
上記した本発明による回収方法の第二の態様において、さらに好ましくは、陰極室に被処理液を、透析室および陽極室に溶媒を入れ、透析室と陽極室とを配管でつなぐことによって液体を循環させながら拡散透析を行うことによって、被処理液中の有機スルホン酸イオンを透析室および陽極室に移動させた後、陰極室と陽極室における電気透析によって、陰極室に生成した有機スルホン酸イオンを陽極室に移動させるとともに拡散透析によって透析室に移動させ、回収する方法が提供される。
【0008】
本発明による有機スルホン酸回収方法においては、廃液室中に存在する有機スルホン酸イオンは拡散透析により、拡散透析膜を通って透析室に移動する。一方、陰極室中においては、電気分解により、有機スルホン酸の錫塩および/鉛塩は以下の反応式:
Sn(R−SO3 )2 +2e− → Sn + 2(R−SO3 −)
または
Pb(R−SO3 )2 +2e− → Pb + 2(R−SO3 −)
(式中、Rは有機基を表す)
により、錫および/又は鉛と有機スルホン酸イオンに分解される。この電気分解により上記反応式によって生じる錫および鉛は陰極に金属として析出する一方、陰極室中に生成される有機スルホン酸イオンは、陰イオン交換膜を通って陽極室に移動する。
【0009】
また、本発明の第一の態様において、好ましくは、配管などの循環手段を使用することによって陰極室と廃液室との間で液体は循環する。このように廃液室と陰極室との間で液体を循環させることにより、廃液室中の有機スルホン酸の錫塩および/又は鉛塩が陰極室に移動して電解作用を受けられるようになるとともに、陰極室で生じた有機スルホン酸イオンが廃液室に戻るために、廃液室中の有機スルホン酸イオン濃度の向上に寄与し、拡散透析槽における拡散透析の効率を向上させることができる。
さらに、配管などの循環手段によって透析室と陽極室との間で液体を循環させることも好ましい。この場合、拡散透析によって廃液室から透析室に移動してきた有機スルホン酸イオンが陽極室に供給されることによって、陽極室の電気伝導度が高まり、効率のよい電解を行うことが可能になる。
【0010】
以下に本発明による有機スルホン酸回収方法および有機スルホン酸回収装置について詳細に説明する。
本発明においては、有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含む液体を処理することによって有機スルホン酸を回収することができる。さらに特定すると、本発明においては、有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を基本成分とするめっき液、めっき洗浄液またはそれらの廃液を処理することによって有機スルホン酸を回収することができる。
【0011】
本発明における有機スルホン酸としては、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸の少なくとも一種以上が挙げられる。
アルカンスルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸およびヘキサンスルホン酸などが例示される。これらの中でもメタンスルホン酸が最も好ましい。
アルカノールスルホン酸としては、2−ヒドロキシエチル−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプロピル−1−スルホン酸、3−ヒドロキシプロピル−1−スルホン酸、2−ヒドロキシブチル−1−スルホン酸、4−ヒドロキシペンチル−1−スルホン酸および2−ヒドロキシヘキシル−1−スルホン酸などが例示される。
【0012】
芳香族スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸(p−フェノールスルホン酸)、4−カルボキシベンゼンスルホン酸などが例示される。この他、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸および4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸などの芳香族ジスルホン酸も例示することができる。
有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩とは、上記のスルホン酸と同一の有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は鉛塩が挙げられる。
また、本発明において使用される溶媒としては例えば水が挙げられる。特に、塩素を除去したイオン交換水が好ましい。
【0013】
図1には、本発明の第一の態様による有機スルホン酸の回収方法に使用する二槽式回収装置の概略が示されている。図1の有機スルホン酸回収装置は、拡散透析槽1および電気透析槽2を含む。
拡散透析槽1は拡散透析膜3によって区分けされた廃液室4と透析室5を有している。拡散透析膜3の種類としては、陰イオンを選択的に透過できるものであれば特には限定されないが、一般的には陰イオンの選択透過性が高く、溶媒の拡散係数が小さく、機械的強度および化学的安定性が高く長期間使用できるものが好ましい。
廃液室4には、処理される有機スルホン酸イオンおよび/又は有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含有する液体が入れられ、透析室5には、透析のための溶媒、例えばイオン交換水が入れられる。
【0014】
電気透析槽2は陰イオン交換膜6によって区切られた陰極室7と陽極室8を有し、陰極室7には陰極9として金属錫または金属錫−鉛合金が設置され、陽極室8にはその対極として陽極10が設置されている。陰イオン交換膜6の種類としては、陰極9と陽極10の間に電圧をかけた場合に、電気透析によって陰イオンが陰極室から陽極室に選択的に透過できるものであれば特には限定されないが、中でも電気抵抗が小さいものが特に好ましい。陽極10の種類は不溶性陽極であればよく、特には限定されない。陽極10としては、例えば、チタン上に白金を施した電極、カーボン電極、MO・Fe2 O3 のようなフェライト電極を挙げることができる。陰極9と陽極10は直流電源15によって接続されている。
図1においては、廃液室4と陰極室7は配管11および12によって、透析室5と陽極室8は配管13および14によってそれぞれ連結されている。
【0015】
配管11および12による被処理液を循環させるための手段あるいは配管13および14による回収された有機スルホン酸イオンを含有する液体を循環させるための手段は、好適に循環を行うことができるものであれば特には限定されず、例えばポンプやオーバーフローなどのような手段によって行われる。
図1に示す装置を使用して有機スルホン酸を回収する方法においては、廃液室4中の有機スルホン酸イオンは拡散透析によって拡散透析膜3を通って透析室5に移動し、これは配管13および14によって陽極室8との間を循環する。一方、陰極9および陽極10の間に電圧を加えると、陰極室7においては電解によって有機スルホン酸の錫塩および/又は鉛塩から錫および/又は鉛が金属として陰極に析出し、有機スルホン酸イオンが生成する。この電解反応によって生成した有機スルホン酸イオンは最初から液体中に含まれていた有機スルホン酸イオンとともに陰イオン交換膜6を通って陽極室8に移動するとともに、一部は配管12を通って廃液室4にも供給され、拡散透析によって透析室5に移動することになる。
【0016】
図1に示す回収装置を使用して有機スルホン酸を回収する方法の手順の一例としては、まず廃液室4に被処理液を、透析室5に溶媒を入れて拡散透析を行い、次いで、廃液室4の液体を配管11および12によって陰極室7との間で循環させ、また透析室5の液体を配管13および14によって陽極室8との間で循環させてから、陰極9および陽極10の間に電圧かけることによって電気透析を行えばよい。しかしながら、このような手順に限定されるものではなく、例えば、最初から廃液室4および陰極室7に被処理液を入れ、透析室5および陽極室8に溶媒を入れ、循環させながら拡散透析を行い、次いで電気気析を行ってもよく、あるいは最初から拡散透析と電気透析を並行して行ってもよい。
【0017】
以上に説明してきた図1の例においては、拡散透析槽と電気透析槽が別々に設置されている。しかしながら、本発明の第二の態様によれば、拡散透析と電気透析を一つの槽内で行うような装置を使用して、有機スルホン酸の回収を行うこともできる。
図2はこのような一つの槽で有機スルホン酸を回収する方法において使用する一槽式回収装置の概略を示す。透析室5/拡散透析膜3/陰極室7/陰イオン交換膜6/陽極室8に区分けされた槽を使用し、陰極室7には陰極9を、陽極室8には陽極10を設置し、これらを直流電源15によって接続する。拡散透析膜3および陰イオン交換膜6の種類、陰極9および陽極10の種類は図1のところで説明した通りである。
【0018】
図2に示す装置を使用して有機スルホン酸を回収する方法においては、陰極室7中の有機スルホン酸イオンは拡散透析によって拡散透析膜3を通って透析室5に移動する。一方、陰極9および陽極10の間に電圧を加えると、陰極室7においては電気分解によって有機スルホン酸の錫塩および/又は鉛塩から錫および/又は鉛が金属として陰極に析出し、有機スルホン酸イオンが生成する。ここで生成した有機スルホン酸イオンは電気透析によって陰イオン交換膜6を通って陽極室8に移動するとともに、拡散透析によって拡散透析膜3を通って透析室5にも移動する。好ましくは、配管11および12によって透析室5と陽極室8との間で液体を循環させる。これによって、透析室5の有機スルホン酸イオン濃度が低下して拡散透析の効率が上昇するとともに、陽極室8の有機スルホン酸イオン濃度が上昇し電気伝導度が上昇することになる。
【0019】
図2に示す回収装置を使用して有機スルホン酸を回収する方法の手順の一つとしては、まず陰極室7に被処理液を、透析室5に溶媒を入れ拡散透析を行い、次いで透析室5の液体を配管11および12によって陽極室8との間で循環させてから、陰極9および陽極10の間に電圧かけることによって電気透析を行えばよい。しかしながら、このような手順に限定されるものではなく、例えば、最初から陰極室7に被処理液を入れ、透析室5および陽極室8に溶媒を入れ、循環させながら拡散透析を行い、次いで電気透析を行ってもよく、あるいは最初から拡散透析と電気透析を並行して行ってもよい。
図1あるいは図2に装置の何れの場合においても、上記の電気分解反応後、透析室5および陽極室8の溶液を回収することによって、有機スルホン酸を回収することができる。
【0020】
【実施例】
以下の実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1
図1の装置を用いて、めっき液廃液から有機スルホン酸および錫−鉛合金を回収した。なお、拡散透析膜3としては商品名:ネオセプタAFX(徳山曹達(株)社製、有効面積0.35dm2 )を、陰イオン交換膜6としては商品名:ネオセプタAMH(徳山曹達(株)社製、有効面積0.35dm2 )を使用した。
まず図1の廃液室4および陰極室7にはめっき液廃液〔37g/Lの第一錫イオン(メタンスルホン酸第一錫として供給)、6g/Lの鉛イオン(メタンスルホン酸鉛として供給)および160g/Lのメタンスルホン酸を含有〕を合計5L入れ、透析室5および陽極室8にはイオン交換水を合計1L入れる。次いで、配管11および12により廃液室4と陰極室7を、配管13および14により透析室5と陽極室8を各々6時間循環しながら拡散透析を行った。この6時間の循環後において、めっき液廃液(廃液室4および陰極室7中の液体)およびメタンスルホン酸回収液(透析室5および陽極室8中の液体)の組成を測定した。
【0021】
次いで陰極9および陽極10の間に4Aの電流を流すことによって16時間電気透析を行った。この際、陽極電流密度が13A/dm2 になるようにし、また陽極としてはチタン上に白金を施した不溶性陽極を、陰極としてはステンレススチールを用いた。電気透析後に、上記と同じようにめっき液廃液およびメタンスルホン酸回収液の組成を測定した。
以上の実験の結果を以下の表1および表2に示す。
【0022】
以上の結果から、メタンスルホン酸回収液の中にメタンスルホン酸が有効に回収できていることが分かる。
【0023】
実施例2
図2の装置を用いて、めっき液廃液から有機スルホン酸および錫−鉛合金を回収した。なお、拡散透析膜3としては商品名:セレミオンAPS−3(旭硝子(株)社製、有効面積2.25dm2 )を、陰イオン交換膜6としては商品名:ネオセプタAMH(徳山曹達(株)社製、有効面積2.25dm2 )を使用した。まず図2の陰極室7には実施例1で使用したものと同じめっき液廃液を20.0L入れ、透析室5および陽極室8にはイオン交換水を合計8.6L入れる。次いで、配管11および12により透析室5と陽極室8を2時間循環しながら拡散透析を行った。この2時間の循環後において、めっき液廃液(陰極室7中の液体)およびメタンスルホン酸回収液(透析室5および陽極室8中の液体)の組成を測定した。
【0024】
次いで陰極9および陽極10の間に20Aの電流を流すことによって15時間電気透析を行った。この際、陽極電流密度が5.6A/dm2 になるようにし、また陽極としてはチタン上に白金を施した不溶性陽極を用い、陰極としてはステンレススチールを用いた。電気透析後に、上記と同じようにめっき液廃液およびメタンスルホン酸回収液の組成を測定した。
以上の実験の結果を以下の表3および表4に示す。
【0025】
以上の結果から、メタンスルホン酸回収液の中にメタンスルホン酸が有効に回収できていることが分かる。
【0026】
【発明の効果】
拡散透析および電気透析の両方を利用する本発明による有機スルホン酸イオン含有液からの有機スルホン酸を回収する方法により、有機スルホン酸イオン含有めっき液、めっき廃液等から、有用成分である有機スルホン酸を容易に回収することができる。また本発明による回収方法によれば、電気透析のみを利用して回収する場合と比べて、必要な電力が節約でき、また、効率よく有機スルホン酸を回収することができる。また本発明による有機スルホン酸回収方法によれば、操作を連続的に行うことができるので大量の被処理液を処理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二槽式回収装置の概略図。
【図2】本発明の一槽式回収装置の概略図。
【符号の説明】
1 拡散透析槽
2 電気透析槽
3 拡散透析膜
4 廃液室
5 透析室
6 陰イオン交換膜
7 陰極室
8 陽極室
9 陰極
10 陽極
11〜14 配管
15 直流電源
Claims (4)
- 有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含む液体から、拡散透析および電気透析によって有機スルホン酸を回収する方法であって、拡散透析膜によって透析室/廃液室に区分された拡散透析槽と、陰イオン交換膜によって陰極室/陽極室に区分された電気透析槽を有し、陰極室には陰極として金属錫または金属錫−鉛合金板を、陽極室には不溶性の対極を配した装置を使用し、透析室および陽極室に溶媒を入れ、廃液室および陰極室に上記した処理すべき液体を入れ、拡散透析槽における拡散透析および電気透析槽における電気透析によってそれぞれ透析室および陽極室に移動した有機スルホン酸を回収することを含む上記の回収方法であって、
廃液室と陰極室の液体を循環させることおよび/又は透析室と陽極室の液体を循環させることを含む前記回収方法。 - 拡散透析膜によって廃液室と透析室に区分された拡散透析槽と、陰イオン交換膜によって陰極室と陽極室に区分された電気透析槽を有し、透析室と陽極室との間で液体を循環させる装置および廃液室と陰極室との間で液体を循環させる装置を有することを特徴とする有機スルホン酸回収装置。
- 有機スルホン酸および/又は有機スルホン酸の2価の錫塩および/又は2価の鉛塩を含む液体から、拡散透析および電気透析によって有機スルホン酸を回収する方法であって、透析室/拡散透析膜/陰極室/陰イオン交換膜/陽極室を有し、陰極室には陰極として金属錫または金属錫−鉛合金板を、陽極室には不溶性の対極を配した装置を使用し、透析室および陽極室には溶媒を入れ、陰極室には上記した処理すべき液体を入れ、拡散透析槽における拡散透析および電気透析槽における電気透析によってそれぞれ透析室および陽極室に移動した有機スルホン酸を回収することを含む上記の回収方法であって、
透析室と陽極室の液体を循環させることを含む前記回収方法。 - 透析室/拡散透析膜/陰極室/陰イオン交換膜/陽極室を有し、透析室と陽極室との間で液体を循環させる装置を有することを特徴とする有機スルホン酸回収装置。
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