JPH0870947A - 家具用構造板 - Google Patents

家具用構造板

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JPH0870947A
JPH0870947A JP21152194A JP21152194A JPH0870947A JP H0870947 A JPH0870947 A JP H0870947A JP 21152194 A JP21152194 A JP 21152194A JP 21152194 A JP21152194 A JP 21152194A JP H0870947 A JPH0870947 A JP H0870947A
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Akira Shimizu
彰 清水
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(57)【要約】 【目的】補強部材の取付け、及び取外しを容易にする。 【構成】少なくとも一方の面が平らに押出成形された合
成樹脂製の板体2の他方の面側の幅方向の両側縁近傍に
弾性変形可能な開口部6を設け、該開口部6に金属製の
補強部材3を係合させてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、机の天板や陳列棚の棚
板等に適用できる家具用構造板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、陳列棚の棚板等の家具用構造板
は、板金をプレス加工して製造されたものが普及してい
る。このような板金製のものでは、剛性はあるものの重
量が重く、陳列棚では枚数が多くなることから、組立作
業に労力を要するものとなっていた。ところで、近年、
板金製のものの不具合を解消するべく、合成樹脂製のも
のが開発され、剛性を保持したまま軽量化できるように
なった。このような合成樹脂製の家具用構造板は、例え
ば、押出成形品からなり、軽量化するために板部分の内
部に肉盗み孔を長手方向に形成し、剛性を確保するため
にその肉盗み孔に金属製の補強部材を挿入する構成のも
のが知られている。肉盗み孔は、押出成形品の厚みに近
い寸法で内部に形成された筒状の中空部分であり、この
ような押出成形品をその長手方向の端面から見た場合、
幅方向に複数形成され、かつ他方の端面まで貫通してい
る。これに対応して、補強部材は押出成形品の長さ寸法
とほぼ同じ長さを有しており、また肉盗み孔の内法と略
同一の外形寸法を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の家具
用構造板となる押出成形品の肉盗み孔は、押出成形品の
長さ方向の全長に亘ってあるが、その中途部分に開口が
ある構造ではなく、完全な筒構造をなしている。このよ
うな構造の肉盗み孔に対して、補強部材は肉盗み孔の内
法と略同一の寸法であるため、肉盗み孔の端から挿入す
る場合、肉盗み孔内部をスライド移動し難く、その全体
を挿入するのに時間がかかった。また、このような合成
樹脂と金属といった異なる材質の部材が使用されている
場合、廃棄に際しては材質毎に分別回収される情勢にな
ってきているが、肉盗み孔に挿入された補強部材は抜脱
し難く、材質毎の分別を困難なものにしていた。
【0004】一方、このような構成に鑑みて、補強部材
の外形寸法を肉盗み孔の内法より若干小さくすることも
考えられるが、この場合補強部材は挿入しやすくなるも
のの、容易に抜脱し得る状態にあるもので、肉盗み孔に
固定しておくには、補強部材を接着あるいは溶着してお
く必要が出てきた。つまり、そのような固定のための作
業が増加し、全体として作業工程を簡素にすることはで
きないものであった。
【0005】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る家具用構造板は、押出成形
された合成樹脂製の板体の他方の面側の長手方向の両側
縁近傍に弾性変形可能な開口部を設け、該開口部に金属
製の補強部材を係合させてなることを特徴とする。
【0007】補強部材の望ましい態様としては、中空の
四角柱形状をなし、かつ開口部の一方の面に背向する面
に接触する面の略中央に、長手方向の全長に亘って所定
幅で切除してなる切除部を備え、該切除部の幅方向に弾
性を発揮するものを挙げることができる。
【0008】
【作用】このような構成のものであれば、板体の開口部
に開口方向から補強部材を押込むと、開口部は弾性変形
して補強部材と弾性係合し、板体の長手方向の両側縁近
傍部分が金属により補強される。この場合、補強部材は
開口部が弾性変形するので、板体の長手方向の端面部分
から押入れる必要がなく、よって補強部材の板体への取
付が容易になる。
【0009】また、補強部材を、長手方向の全長に亘っ
て所定幅で切除してなる切除部を備える中空の四角柱形
状となし、切除部の幅方向に弾性を発揮するよう構成す
れば、開口部と補強部材とが弾性力により係合するの
で、より強固な係合状態を保持することができる。
【0010】さらに、補強部材は板体に弾性力で保持さ
れているだけなので、板体と補強部材との係合を解除す
る方向に力を加える、すなわち板体の開口部の開口方向
に補強部材をひっぱると、補強部材と板体との係合を容
易に解除することができ、補強部材を開口部から外すこ
とができる。したがって、合成樹脂からなる板体と金属
からなる補強部材との分離が容易になり、それぞれを分
別して、資源として再利用を図ったり、あるいは効率的
に廃棄処理することが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
【0012】図1〜3に示す家具構造体たる天板1は、
両面が平らに押出し成形された合成樹脂製の平板状の板
体2と、板体2の下面に長手方向に配設される板金製の
補強部材3と、板体2の両側端面に嵌め込まれるエンド
用キャップ4とからなる。
【0013】板体2は、内部に側面視長方形状の肉盗み
孔5が長手方向に形成されている。肉盗み孔5は筒状の
中空部分であり、板体2の長手方向の端面から見た場
合、幅方向に複数、例えば6個形成され、かつ他方の端
面まで貫通している。さらに裏面側の幅方向の前端およ
び後端近傍には、弾性変形可能な開口部6が設けられて
いる。この開口部6は、下方に開口を有する側面視長方
形状のもので、肉盗み孔5と同様に一方の端面から他方
の端面まで同一形状に形成されている。
【0014】開口部6には、図2に拡大して示すよう
に、後述する補強部材3の前面及び後面に形成した突条
7が嵌合する溝部8が突条7と対応する部位に設けてあ
る。
【0015】補強部材3は、板金を折曲げ加工したもの
で、中空の四角柱形状をなし、板体2の開口部6に嵌合
されるべく、開口部6の内法と略同一の外形寸法を有し
ている。開口部6の一方の面に背向する面に接触する面
の略中央には、長手方向の全長に亘って所定幅、例えば
補強部材3の前後方向幅の約1/3の幅で切除してなる
切除部9を備えている。この切除部9により、補強部材
3は切除部9の幅方向に外側に向けて弾性を発揮する。
さらに、補強部材3の前および後の外面には、長手方向
の全長に亘って突出する突条7が形成されている。補強
部材3の左右の端部近傍は図示しない脚と取付部分とな
るので、対応する脚取付位置には、ナット部材(図示せ
ず)が予め溶接等によって固設してある。
【0016】エンド用キャップ4は、側面視が板体2と
同形の板状の本体部10と、本体部の一方側に一体に形
成された嵌合部11とからなる合成樹脂製のものであ
る。本体部10は、板体2に取着された際には、板体2
の表面、裏面、前面、後面のそれぞれと面一になる。嵌
合部11は、補強部材3に嵌合可能な形状、すなわち、
補強部材3の内面で形成される空間と略同一の側面視長
方形状で大きさがその空間よりも若干小さいものであ
る。エンド用キャップ4は、嵌合部11を補強部材3に
嵌合させて板体2に取着してあり、押出し成形の切り口
端面である板体2の左右両端を保護するためのものであ
る。
【0017】このような構成において、天板1を組み立
てるには、板体2に補強部材3を係合させてから、板体
2の両側端にエンド用キャップ4を嵌め込む。詳しく
は、板体2に補強部材3を係合させるには、切除部9を
上にして板体2の開口部6に下方から補強部材3を押し
込む。すると、補強部材3は切除部9の幅方向に弾性を
発揮して幅方向の長さが一時的に小さくなる。この時、
開口部6は弾性変形して長手方向の端面から見た場合の
幅方向に一時的に広がる。そして、突条7が溝部8と嵌
合して、補強部材3の切除部9を有する面が開口部6の
一方の面に背向する面に当接すると、補強部材3と開口
部6は弾性変形する前の形状に戻る。このようにして、
補強部材3は開口部6に容易に嵌合し、板体2と補強部
材3とが係合される。その後、補助部材3の内面にエン
ド用キャップ4の嵌合部を嵌合させて、エンド用キャッ
プ4を板体2に取着させる。このような構成のものであ
れば、突条7を溝部8に嵌合させることによって、補強
部材3と板体2との係合はより強固になものになる。さ
らに、補強部材3を板体2に容易に係合させることがで
き、またエンド用キャップ4を板体2に容易に取着する
ことができるので、天板1の組み立てに要する時間およ
び労力がわずかなものとなる。
【0018】また、天板1を分解するには、組み立てと
逆の手順を踏めばよく、すなわち、エンド用キャップ4
を板体2から取り外した後、補強部材3を板体2から分
離させる。詳しくは、本体部10を板体2から離れる方
向に引っ張って、嵌合部11を補助部材3から抜き取っ
てエンド用キャップ4を板体2から取り外す。次に、板
体2と補強部材3との係合を解除する方向に力を加え
る、すなわち板体2の開口部6の開口方向に補強部材3
をひっぱると、突条7と溝部8との嵌合及び補強部材3
と開口部6との嵌合が外れて、補強部材3と板体2との
係合を解除することができる。したがって、面倒な作業
を伴うことなしに、材質の異なる板体2と補強部材3と
エンド用キャップ4とを容易に分別することができ、そ
れぞれの部材を再利用や効率的な廃棄処理等に供するこ
とが可能となる。
【0019】さらには、板体2は押出し成形によって形
成されているので、同一の金型で種々の異なった押出方
向寸法を有する板体2を製造することができる。このこ
とによって、金型等への設備投資を少なく押えることが
でき、ひいては製造コストが低減されることになる。
【0020】加えて、板体2には、肉盗み孔5が複数個
形成されているので、大きさの割りには軽量である。し
かも、板体2の裏面の前端および後端近傍には、それぞ
れ長手方向に補強部材3を係合させてあるので、充分な
剛性も確保されている。
【0021】また、補強部材3には、ナット部材が固設
できるので、このナット部材を介して脚を取付けること
ができ、脚を取付ける場所を容易に確保できる。この場
合、補強部材3は板金製なので、脚の取付け位置として
も、充分な強度を有することになる。
【0022】なお、本発明は以上説明した実施例に限定
されるものではなく、本発明を棚板として使用する場合
には、補強部材3にナット部材を固設しておく代わり
に、棚爪が挿入されるスリットを設けておけばよい。こ
のような構成のものであれば、剛性の高い金属製の補強
部材3を介して棚板が取付けられることになり、棚板と
しての強度を保つことができる。
【0023】その他、各部の構成は図示実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々変形が可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、板体
の他方の面に開口部が設けられ、その開口部に補強部材
を弾性係合させるので、補強部材を板体の長手方向の端
から挿入することなしに板体と一体にすることができ、
その取付作業を著しく容易にすることができる。また、
切除部を開口部の奥側に向けて補助部材を開口部に押付
けると、弾性力を有する補助部材と板体とはそれぞれ弾
性変形するので、弾性係合により補助部材を開口部に容
易に嵌着することができる。
【0025】加えて、補強部材を板体に弾性係合により
取り付けているので、板体と補強部材との係合の解除が
容易となり、合成樹脂からなる板体と金属からなる補強
部材とを容易に分離することができる。したがって、面
倒な作業を伴うことなしに、材質の異なる板体と補強部
材とを分別することができ、それぞれの部材を再利用や
効率的な廃棄処理等に供することができる。
【0026】さらには、板体は押出し成形によって形成
されているので、同一の金型で種々の異なった押出方向
寸法を有する板体を製造することができる。このことに
よって、金型等への設備投資を少なく押えることがで
き、ひいては製造コストが低減されることになる。
【0027】また、このような構成によれば、補強部材
にのみナットや取付孔等の加工を施すことによって、板
体の汎用性を向上させることができ、共通の板体を用い
て、種々の仕様に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】同実施例の要部を拡大して示す斜視図。
【図3】図1におけるA−A線に沿った断面図。
【符号の説明】
1…天板 2…板体 3…補強部材 6…開口部 9…切除部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出成形された合成樹脂製の板体の他方の
    面側の幅方向の両側縁近傍に弾性変形可能な開口部を設
    け、該開口部に金属製の補強部材を係合させてなること
    を特徴とする家具用構造板。
  2. 【請求項2】補強部材が、中空の四角柱形状をなし、か
    つ開口部の一方の面に背向する面に接触する面の略中央
    に、長手方向の全長に亘って所定幅で切除してなる切除
    部を備え、該切除部の幅方向に弾性を発揮することを特
    徴とする請求項1記載の家具用構造板。
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