JPH0870497A - 超音波トランスデューサおよびその製造方法 - Google Patents

超音波トランスデューサおよびその製造方法

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JPH0870497A
JPH0870497A JP6225940A JP22594094A JPH0870497A JP H0870497 A JPH0870497 A JP H0870497A JP 6225940 A JP6225940 A JP 6225940A JP 22594094 A JP22594094 A JP 22594094A JP H0870497 A JPH0870497 A JP H0870497A
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piezoelectric element
ultrasonic transducer
conductor
conductor layer
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JP6225940A
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Yukihiko Sawada
之彦 沢田
Katsuhiro Wakabayashi
勝裕 若林
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Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化および高周波数帯域化に適する超音波
トランスデューサの構造とその製造方法を提供すること
を目的とする。 【構成】 圧電素子1と、圧電素子1の一方の面(放射
面)に形成された音響整合層12と、圧電素子の他方の
面(背面)に形成された背面負荷材13とを基本構成要
素とする超音波トランスデューサ11において、超音波
トランスデューサ11が、圧電素子1と、背面制動材1
3の正面に一体化されているとともに圧電素子1の背面
に形成された表面電極と接合されている第1の導体層4
と、音響整合層12の背面に一体化されているとともに
圧電素子1の放射面に形成された表面電極と接合されて
いる第2の導体層5と、導体薄膜により形成されている
とともに、第1の導体層6および第2の導体層5と電気
的に接続されているとともに互いに電気的に絶縁された
2つの電極端子から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療用、または非破壊検
査用の超音波診断装置に用いられる超音波トランスデュ
ーサおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術としては、特願平6
−110580号公報が知られている。同公報は、圧電
素子に背面制動材および音響整合層が一体化された超音
波トランスデューサにおいて、圧電素子の表面電極への
電気的接続を、導体薄膜によって行なわれている超音波
トランスデューサの構造と、上記構造で小型化に適する
超音波トランスデューサの製造方法が示されている。
【0003】また現在の状況として、膵管・循環器など
の診断が可能な医療用超音波内視鏡や、細管の非破壊検
査を行なう工業用超音波診断装置を実現する要求が高ま
っている。この場合、内臓もしくは細管内に挿入される
プローブの外径が1〜数mm程度と非常に細くなるため、
これに実装される超音波トランスデューサも同様に小型
化する必要がある。同時に、医療用途においては病変を
早期から発見する必要があること、また工業用途に関し
ては細管の傷の早期発見および肉厚の測定を高精度で実
施する必要があることから、超音波トランスデューサの
分解能を高くする必要があり、動作周波数の向上が要求
されている。
【0004】さらに医療用途の中でも循環系用に関して
は、感染防止の観点から、プローブはディスポーザブル
化する必要がある。これらの状況により、超小型である
と同時に、動作周波数が高い超音波トランスデューサ
を、低コストで製造する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の構
成並びに製造方法では、30MHz 以上などに駆動周波数
を高周波化した場合、圧電素子が80μm以下などと極
めて薄くなるため、圧電セラミックス中で、一般に銀焼
付け法により形成されている圧電素子表面電極に含まれ
るガラスフリットが侵入している部分が相対的に多くな
る。このため、より低い周波領域用の圧電素子と比較し
て、その振動が大幅に抑制されることとなり、圧電定数
が実質として劣化する。その結果、送信および受信時に
おける圧電素子の振動振幅が減衰することになり、圧電
素子の感度の低下と、これに伴うトランスデューサ全体
としての感度の低下が生じることとなる。
【0006】これを避けるために圧電素子表面電極を、
蒸着またはスパッタ法を用いて導体薄膜として形成する
ことができる。しかし導体薄膜で形成された表面電極の
厚さが銀焼付け法による電極と比較して1桁またはそれ
以上薄いために、配線用の導体薄膜の密着強度は低下す
る。特に小型化時のゲイン低下を補う目的で高出力化す
るべく高電圧駆動パルスを印加した場合、表面電極と配
線用導体薄膜の境界面において、圧電素子の振動により
薄膜の破断が生じ、結果としてトランスデューサが断線
する事故が生じる。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、小型化および高周波数帯域化に適する超音波ト
ランスデューサの構造とその製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に係る本発明の超音波トランスデューサは、
圧電素子と、圧電素子の一方の面(放射面)に形成され
た音響整合層と、圧電素子の他方の面(背面)に形成さ
れた背面負荷材とを基本構成要素とする超音波トランス
デューサにおいて、超音波トランスデューサが、圧電素
子と、背面制動材の正面に一体化されているとともに圧
電素子の背面に形成された表面電極と接合されている第
1の導体層と、音響整合層の背面に一体化されていると
ともに圧電素子の放射面に形成された表面電極と接合さ
れている第2の導体層と、導体薄膜により形成されてい
るとともに、第1の導体層および第2の導体層と電気的
に接続されているとともに互いに電気的に絶縁された2
つの電極端子から構成されていることを特徴とする。
【0009】また、請求項2に係る本発明の超音波トラ
ンスデューサ製造方法は、圧電素子と、圧電素子の一方
の面(放射面)に形成された音響整合層と、圧電素子の
他方の面(背面)に形成された背面負荷材とを基本構成
要素とする超音波トランスデューサの製造方法におい
て、超音波トランスデューサを、その両面に表面電極が
形成されている圧電素子について、圧電素子の背面側表
面電極に、背面制動材をその正面に一体化されている第
1の導体層と背面側表面電極とが電気的・構造的に接合
されるように一体化するとともに、圧電素子の放射面側
表面電極に音響整合層をその背面に一体化されている第
2の導体層と放射面側表面電極とが電気的・構造的に接
合されるように一体化し、その後に第1の導体層および
第2の導体層と電気的に接続されているとともに互いに
電気的に絶縁された2つの電極端子を、導体薄膜により
形成することを特徴とする。
【0010】また、請求項3に係る本発明の超音波トラ
ンスデューサでは、請求項1記載の超音波トランスデュ
ーサにおいて、圧電素子の両表面電極が導体薄膜により
形成されているとともに、音響整合層および背面制動材
に一体化されている導体層が、導体厚膜であるか、また
は金属箔により構成されていることを特徴とする。
【0011】さらに、請求項4に係る本発明の超音波ト
ランスデューサおよびその製造方法は、上記請求項1〜
3いずれか記載の超音波トランスデューサおよびその製
造方法において、導体薄膜を、Ti,Cr,Wの金属単
体またはこれを含むものとしたことを特徴とする。
【0012】
【作用】上記構成からなる本発明の超音波トランスデュ
ーサおよびその製造方法の作用は以下の通りである。
【0013】請求項1では、超音波トランスデューサを
構成する圧電素子表面電極が圧電素子と、音響整合層お
よび背面制動材との間に形成された導体層を介して、導
体薄膜により電極板と電気的に接続され、両電極板を通
じて、超音波トランスデューサの駆動が可能になる。
【0014】請求項2では、上記構造の超音波トランス
デューサを製造する。
【0015】請求項3では、導体層を厚くすることによ
り、導体薄膜の密着性を高める。
【0016】請求項4では、密着性が高い材料とするこ
とにより、導体薄膜の密着性を高める。
【0017】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明に係る超
音波トランスデューサおよびその製造方法の実施例を説
明する。
【0018】(実施例1)図1〜図14を用い、本実施
例を説明する。図1に示したように、圧電素子1は、長
方形板状のPZT圧電セラミックス2の両面に、Ag蒸
着により放射面側表面電極3および背面側表面電極4を
形成することにより構成されており、分極されている。
【0019】背面制動材13は、タングステン粒子を分
散させたエポキシ樹脂からなっており、その圧電素子1
と接合される面の全面には、厚さ5μmのステンレス箔
による背面制動材正面導体層6が形成されている。
【0020】音響整合層12は、硬質エポキシ樹脂から
なっており、その圧電素子1と接合される面の全面に
は、同様に厚さ5μmのステンレス箔による音響整合層
背面導体層5が形成されている。
【0021】圧電素子1の大きさは、その幅が完成後の
超音波トランスデューサの高さ以上であるとともに、そ
の長さが完成後の超音波トランスデューサの幅以上、も
しくは複数個分の幅以上である。同時に音響整合層12
および背面制動材13の大きさは、圧電素子1と一致す
るかまたは圧電素子1よりも大きいものとする。
【0022】(製造方法)以下に、製造方法について説
明する。図2に示したように、圧電素子1の背面側表面
電極4に、背面制動材13を、背面側表面電極4と背面
制動材正面導体層6とが密着するように、エポキシ系低
粘性接着剤により接合する。ここで低粘性の接着剤を用
いることにより、背面側表面電極4と背面制動材正面導
体層6との接合面に、両者が直接接触する部分ができる
ため、両者は電気的に接続され、同電位となる。
【0023】両部材接合後、図3に示したように、圧電
素子1を裁断するとともに、背面制動材正面導体層6を
完全に裁断し、かつ背面制動材13の一部まで達する溝
18を形成する。
【0024】溝形成後、図4に示したように、圧電素子
1の放射面側表面電極3に、音響整合層12を、放射面
側表面電極3と音響整合層背面導体層5とが密着するよ
うに、エポキシ系低粘性接着剤により接合する。このと
き同時に、溝18は、接着剤により埋封し、絶縁材19
を形成する。またここで低粘性の接着剤を用いることに
より、前述の背面側電極と同様に、放射面側表面電極3
と音響整合層背面導体層5との接合面に、両者が直接接
触する部分ができるため、両者は電気的に接続され、同
電位となる。
【0025】両部材接合後、溝18の中央部で溝18に
沿った方向に裁断する。この時、裁断後の接合部材の幅
が完成後の超音波トランスデューサの高さ以上である場
合は、溝部18と反対側の側面について、裁断または研
磨加工を行ない、その幅を完成後の超音波トランスデュ
ーサの高さと一致させる。以上により、図5に示したよ
うな超音波トランスデューサ母材8を構成する。
【0026】裁断後、図6に示したように、放射面側表
面電極3と音響整合層背面導体層5との接合部の露出面
を、エポキシ系樹脂による絶縁被覆9で被覆する。被覆
形成後、超音波トランスデューサ母材8の底面および上
面に、Tiによりスパッタリングによる成膜を行ない、
導体薄膜形成面10にTi導体薄膜(図示せず)を形成
する。導体薄膜を形成しない部分は、マスキングにより
確実に成膜されないようにすることが望ましい。
【0027】成膜後、各部材1,12,13の長さを完
成後の超音波トランスデューサ以上とした場合において
は、超音波トランスデューサ母材8を精密切断砥石(図
示せず)により所定の幅に裁断する。ここで各部材1,
12,13の幅を完成後の超音波トランスデューサの幅
と同一とした場合は、特に裁断の必要はない。
【0028】以上により、図7に示したように、放射面
側端子22および背面側端子23をもつ超音波トランス
デューサ11を得る。
【0029】(作用)圧電素子1の背面側表面電極4
は、背面制動材正面導体層6を介して、導体薄膜により
背面側端子23と電気的に接続される。同時に放射面側
表面電極3は、音響整合層背面導体層5を介して導体薄
膜により放射面側端子22と電気的に接続される。超音
波トランスデューサ11は、両端子22,23にパルサ
・観測装置(いずれも図示せず)を接続することによ
り、信号の送受を行なう。
【0030】(効果)本実施例によれば、小型化・高周
波化・量産化に適するとともに、高出力化した場合も断
線が生じない、高信頼性の超音波トランスデューサを構
成することができる。
【0031】また、各構成部材を組み立てた後に裁断す
る工程であるため、組立精度を高めることができ、小型
・高性能の超音波トランスデューサを製造することがで
きる。
【0032】さらに、圧電素子の形状と組立後の裁断幅
を変更することにより、同一の工程で、発振周波数・大
きさの変更が任意であり、多種の超音波トランスデュー
サの製造に適する。
【0033】なお、本実施例では、圧電素子としてPZ
T系の圧電セラミックスを使用した場合について示した
が、PT系・PLZT系・ニオブ酸鉛系などの他のペロ
ブスカイト型圧電セラミックス、PVDFに代表される
高分子圧電体、圧電セラミックス−樹脂複合材に代表さ
れる複合圧電体、LiNbO・ZnO・ニオブ酸鉛に代
表される結晶系圧電材などの使用も可能である。この場
合は特に、温度による圧電特性の劣化がないため、特に
工業用に適用した場合に、耐環境性(高温下)に優れた
超音波トランスデューサを得ることができる。
【0034】同様にその表面電極についても、本実施例
において示したAg薄膜の他に、Au・Cu・Ni・C
r・Ti・Mo・W・Ta・Zr・Alなどの金属とこ
れらの合金またはインジウム酸化物・ITOなどの金属
酸化物、TiB2 ・ZrB2などのホウ化物、WC・S
iCなどの炭化物・MoSi2 ・WSi2 などのケイ化
物が使用可能であり、また形成方法としてはスパッタ・
真空蒸着・無電解メッキ・イオンプレーティング・CV
Dなどが使用可能である。また上記の材料を2層以上の
多層薄膜として形成することも可能である。例えば、C
r薄膜を形成した後にAg薄膜を形成することにより、
膜の密着性と、良好な電気伝導性の双方を確保すること
ができる。
【0035】また圧電素子の形状についても、方形の平
板に固定されるものではない。例えば、図8に示したよ
うな円形の平板や、図9および図10に示したような円
形に切り取られた円錐状または球状の殻の一部、または
これらを組み合わせたもの、図11〜図13に示したよ
うな、円筒状曲面型圧電素子15、曲面−平面型圧電素
子16、両凹曲面型圧電素子17などの各種シリンドリ
カル凹面板に代表される曲面板、などが使用可能であ
る。この場合には、音響整合層および背面制動材の平面
形状および圧電素子との接合部の形状を、圧電素子と同
一とする必要がある。
【0036】また平板状の音響整合層ではなく、曲面を
持つかまたはその内部に音速の分布を持った音響レンズ
も可能であること、単層ではなく複数層の音響整合層と
すること、またこれらの組み合わせとすることも可能で
ある。
【0037】同様に本実施例においては、導体薄膜を、
Tiのスパッタにより形成する方法について示したが、
上述の圧電素子表面電極の材質と同様に、これに限定さ
れるものではない。導体薄膜の材質としては、Ag・A
u・Cu・Ni・Cr・Ti・Zr・Ta・Mo・W・
Alなどの金属とこれらの合金、インジウム酸化物・I
TOなどの金属酸化物、TiB2 ・ZrB2 などのホウ
化物、WC・SiCなどの炭化物・MoSi2 ・WSi
2 などのケイ化物が使用可能である。また形成方法とし
ては真空蒸着・イオンプレーティング・CVD・金属ポ
リマーによる薄膜形成も可能であり、これらを組み合わ
せ、複数層の導体膜を形成することも可能である。また
導体薄膜の成膜後に、導体薄膜の表面を導電性樹脂によ
り覆うことにより、機械的・電気的に強化することも可
能である。
【0038】また音響整合層および背面制動材に一体化
されている導体層に関しても同様であり、本実施例にお
いて示したSUS箔の他に、Cu・Al・Fe・Ni・
Tiなどの金属またはこれらの合金であるSUS・真鍮
・42Alloy・洋白などからなる金属箔、FRP、
酸化シリコン・窒化シリコン・アルミナ・ジルコニアな
どのセラミックスなどの絶縁性の材質からなる板材の表
面を、金属箔・Ag・Pdなどの焼付け電極により導体
化したものが使用できる。またその大きさについても、
本実施例中では音響整合層および背面制動材の圧電素子
との接合面全体を覆うものについて示したが、機能上は
導体層を形成する面についてのみ露出すればよいため、
裁断部近傍のみに形成してもよい。この場合、圧電素子
に音響整合層および背面制動材が直接形成される部分が
主となるため、導体層と圧電素子の間、および導体層と
音響整合層または背面制動材との間における反射による
ロスが減少するため、感度・パルス幅などの超音波トラ
ンスデューサの特性が改善される。またこの方法は、前
述した平板以外および方形以外の圧電素子を用いる場合
に特に有効である。
【0039】また両導体層の圧電素子表面電極への接合
に関しては、本実施例で示した低粘性接着剤を用いる方
法の他に、導電性接着剤を用いる方法、また低粘性接着
剤とAgなどの導体粉体を併用することにより、電極板
と表面電極とが直接接触する部分を確実に設ける方法な
どが使用可能である。また低粘性接着剤としては、本実
施例において述べたものの他に、ポリイミド系・フェノ
ール系・シリコーン系などの樹脂や、嫌気性接着剤が使
用できる。
【0040】また音響整合層および背面制動材のマトリ
ックス材質については、同様にエポキシ系・ポリイミド
系・フェノール系・シリコーン系などの樹脂が使用可能
である。また特に背面制動材に関しては、マトリックス
として上記の他にシリコーンゴム・ネオプレンゴムに代
表されるゴム質の材料が使用可能である。またフィラー
としては、アルミナ・酸化タングステン・窒化タングス
テン・圧電セラミックスなどのセラミックスや、タング
ステン・銀・フェライトなどの金属および金属化合物、
Ba−フェライト・サマリウムコバルト(SmCo5
Sm2 Co17)などの磁性体粒子または磁性体でコート
した無機物粒子などが使用可能である。
【0041】また背面制動材および音響整合層の一体化
の方法に関しても、本実施例で示したような接合による
ものの他に、液状の背面制動材および音響整合層を注型
・硬化させることにより一体化させる方法も可能であ
る。但しこの場合は、音響整合層および背面制動材に形
成されている導体層となるものを、両部材の注型に先立
って圧電素子に接合しておくことが必要である。またこ
の方法は、前述した平板以外の圧電素子を用いる場合に
特に有効である。
【0042】また本実施例においては、工程に先立って
分極した圧電素子を使用することとしたが、導体薄膜成
膜時の温度を150℃以上の高温とすることにより、膜
の密着強度を高めるとともに、この温度上昇によって消
極した圧電素子を、成膜後に再分極する工程を取ること
も可能である。
【0043】また図14に示したように、裁断された超
音波トランスデューサ母材8の背面制動材13の背面に
両面に導体層が形成された端子板14を一体化した後
に、絶縁被覆形成・成膜を行なうことにより、導体薄膜
により電気的にも一体化された実装用の端子を、予め一
体化することも可能である。
【0044】また裁断には、精密切断砥石の他に、パル
ス発振または連続波発振のYAGレーザ・CO2 レーザ
などのレーザ裁断、ワイアカットなどが使用可能であ
る。
【0045】(実施例2)図15〜図19を用い、本実
施例を説明する。なお図面の説明においては、前述の実
施例と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明
を省略する。
【0046】(構成)本実施例においては、圧電素子1
として図15に示したように、その放射面側表面電極3
の未形成部20が設けられ、同時にその背面側表面電極
4の未形成部21が設けられているものを使用する。両
未形成部21,20は各々対向しない面に設けられてい
るとともに、その幅は20〜30μm程度もしくはそれ
以上とする。
【0047】同時に圧電素子1と接合される音響整合層
12および背面制動材13に一体化される導体層5,6
についても、それぞれが接合される圧電素子の表面電極
3,4の未形成部21,20とに対応する面は、導体層
が形成されていない。
【0048】圧電素子1の大きさは、その幅が完成後の
超音波トランスデューサの高さと同一であるとともに、
その長さが完成後の超音波トランスデューサの幅と同
一、または、複数個分の幅以上である。同時に音響整合
層12および背面制動材13の大きさは、圧電素子1と
一致しているものとする。
【0049】(製造方法)以下に、製造方法について説
明する。図16に示したように、音響整合層12はその
外形が圧電素子1と一致するとともに、その音響整合層
背面導体層5が圧電素子1の放射面側表面電極3と一致
するように、圧電素子1と接合される。同時に背面制動
材13は、その外形が圧電素子1と一致するとともに、
その背面制動材正面導体層6が圧電素子1の背面側表面
電極4と一致するように、圧電素子1と接合される。こ
の時、各部材の接合面の中で、導体層5,6および表面
電極3,4が形成されていない部分は凹部となるが、図
17に示したように、余剰の接着剤により埋封され、絶
縁材19a,19bを形成する。
【0050】各部材接合後、図18に示したように、超
音波トランスデューサ母材8の底面および上面に、スパ
ッタリングによる導体薄膜の成膜を行ない、導体薄膜形
成面10に導体薄膜(図示せず)を形成する。
【0051】成膜後、実施例1と同様に、各部材1,1
2,13の長さを完成後の超音波トランスデューサ以上
とした場合においては、超音波トランスデューサ母材8
を精密切断砥石(図示せず)により所定の幅に裁断する
ことにより、図19に示したような超音波トランスデュ
ーサ11を得る。
【0052】(作用)電極未形成部に形成された絶縁材
により、背面側表面電極と放射面側電極板とが絶縁され
る。
【0053】(効果)本実施例によれば、実施例1と比
較して、背面制動材の形状が単純になるとともに、絶縁
被覆を形成する必要がなくなる。
【0054】また溝加工の工程を省略することができ
る。同時に、圧電素子への溝加工がなくなることから、
溝加工に起因する、圧電素子内および背面制動材と圧電
素子の間のマイクロクラックの発生や、マイクロクラッ
クに起因する、後工程およびトランスデューサ使用中に
おける圧電素子の破壊や圧電素子と背面制動材との間に
おける剥離の発生がなくなる。
【0055】以上により、工程の簡略化や歩留りの向上
が行なえるとともに、トランスデューサの信頼性をより
高めることができる。
【0056】本実施例においては、圧電素子・音響整合
層・背面制動材をともに同一の大きさであるとともに、
その幅が完成後の超音波トランスデューサの高さと同一
であるとした。しかし、実施例1と同様に、幅について
も超音波トランスデューサの高さよりも大きくし、各部
材の積層終了・裁断後に、その側面について裁断または
研磨加工を行ない、その幅を完成後の超音波トランスデ
ューサの高さと一致させることも可能である。この方法
による場合、より寸法精度が高い超音波トランスデュー
サを得ることができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明の超音波トラ
ンスデューサおよびその製造方法によれば、小型化およ
び高周波数帯域化に適する超音波トランスデューサを提
供することができる。すなわち、
【0058】請求項1に記載した発明では、小型化に適
し、かつ高周波数帯域化に適する構造の超音波トランス
デューサを提供できる。
【0059】請求項2に記載した発明では、上記構造の
超音波トランスデューサを生産することが可能になる。
【0060】請求項3および4に記載した発明では、小
型化・高周波数帯域化に適するとともに高出力化に適す
る構造の超音波トランスデューサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による超音波トランスデュー
サを構成する圧電素子を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1による超音波トランスデュー
サの製造方法を工程順に示す第1の図である。
【図3】本発明の実施例1による超音波トランスデュー
サの製造方法を工程順に示す第2の図である。
【図4】本発明の実施例1による超音波トランスデュー
サの製造方法を工程順に示す第3の図である。
【図5】本発明の実施例1による超音波トランスデュー
サの製造方法を工程順に示す第4の図である。
【図6】本発明の実施例1による超音波トランスデュー
サの製造方法を工程順に示す第5の図である。
【図7】本発明の実施例1による超音波トランスデュー
サの製造方法を工程順に示す第6の図である。
【図8】実施例1の超音波トランスデューサに使用可能
な圧電素子の別例を示す斜視図である。
【図9】実施例1の超音波トランスデューサに使用可能
な圧電素子のさらに別の例を示す斜視図である。
【図10】実施例1の超音波トランスデューサに使用可
能な圧電素子のさらに別の例を示す斜視図である。
【図11】実施例1の超音波トランスデューサに使用可
能な圧電素子のさらに別の例を示す斜視図である。
【図12】実施例1の超音波トランスデューサに使用可
能な圧電素子のさらに別の例を示す斜視図である。
【図13】実施例1の超音波トランスデューサに使用可
能な圧電素子のさらに別の例を示す斜視図である。
【図14】実施例1の超音波トランスデューサの変形例
を示す斜視図である。
【図15】本発明の実施例2による超音波トランスデュ
ーサを構成する圧電素子を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施例2による超音波トランスデュ
ーサの製造方法を工程順に示す第1の図である。
【図17】本発明の実施例2による超音波トランスデュ
ーサの製造方法を工程順に示す第2の図である。
【図18】本発明の実施例2による超音波トランスデュ
ーサの製造方法を工程順に示す第3の図である。
【図19】本発明の実施例2による超音波トランスデュ
ーサの製造方法を工程順に示す第4の図である。
【符号の説明】
1 圧電素子 2 圧電セラミックス 3 放射面側表面電極 4 背面側表面電極 5 音響整合層背面導体層 6 背面制動材正面導体層 7 絶縁部 8 超音波トランスデューサ母材 9 絶縁被覆 10 導体薄膜形成面 11 超音波トランスデューサ 12 音響整合層 13 背面制動材 14 端子板 15 円筒状曲面型圧電素子 16 曲面−平面型圧電素子 17 両凹曲面型圧電素子 18 溝 19 絶縁材 19a 絶縁材 19b 絶縁材 20 放射側表面電極未形成部 21 背面側表面電極未形成部 22 放射面側端子 23 背面側端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子と、圧電素子の一方の面(放射
    面)に形成された音響整合層と、圧電素子の他方の面
    (背面)に形成された背面負荷材とを基本構成要素とす
    る超音波トランスデューサにおいて、超音波トランスデ
    ューサが、圧電素子と、背面制動材の正面に一体化され
    ているとともに圧電素子の背面に形成された表面電極と
    接合されている第1の導体層と、音響整合層の背面に一
    体化されているとともに圧電素子の放射面に形成された
    表面電極と接合されている第2の導体層と、導体薄膜に
    より形成されているとともに、第1の導体層および第2
    の導体層と電気的に接続されているとともに互いに電気
    的に絶縁された2つの電極端子から構成されていること
    を特徴とする超音波トランスデューサ。
  2. 【請求項2】 圧電素子と、圧電素子の一方の面(放射
    面)に形成された音響整合層と、圧電素子の他方の面
    (背面)に形成された背面負荷材とを基本構成要素とす
    る超音波トランスデューサの製造方法において、超音波
    トランスデューサを、その両面に表面電極が形成されて
    いる圧電素子について、圧電素子の背面側表面電極に、
    背面制動材をその正面に一体化されている第1の導体層
    と背面側表面電極とが電気的・構造的に接合されるよう
    に一体化するとともに、圧電素子の放射面側表面電極に
    音響整合層をその背面に一体化されている第2の導体層
    と放射面側表面電極とが電気的・構造的に接合されるよ
    うに一体化し、その後に第1の導体層および第2の導体
    層と電気的に接続されているとともに互いに電気的に絶
    縁された2つの電極端子を、導体薄膜により形成するこ
    とを特徴とする超音波トランスデューサ製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の超音波トランスデューサ
    において、圧電素子の両表面電極が導体薄膜により形成
    されているとともに、音響整合層および背面制動材に一
    体化されている導体層が、導体厚膜であるか、または金
    属箔により構成されていることを特徴とする超音波トラ
    ンスデューサ。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜3いずれか記載の超音波
    トランスデューサおよびその製造方法において、導体薄
    膜を、Ti,Cr,Wの金属単体またはこれを含むもの
    としたことを特徴とする超音波トランスデューサおよび
    その製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001029319A (ja) * 1999-05-18 2001-02-06 Seiko Instruments Inc 圧電トランスデューサ、圧電トランスデューサの製造方法、及び圧電トランスデューサを用いた脈波検出装置
WO2014030784A1 (ko) * 2012-08-22 2014-02-27 알피니언메디칼시스템 주식회사 디폴링된 압전체를 이용한 초음파 프로브 제조방법

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