JPH0870072A - リードフレームの加工方法及び半導体装置 - Google Patents

リードフレームの加工方法及び半導体装置

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JPH0870072A
JPH0870072A JP6203512A JP20351294A JPH0870072A JP H0870072 A JPH0870072 A JP H0870072A JP 6203512 A JP6203512 A JP 6203512A JP 20351294 A JP20351294 A JP 20351294A JP H0870072 A JPH0870072 A JP H0870072A
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JP
Japan
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lead frame
metal plate
processing
dam bar
laser
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JP6203512A
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Nobuhiko Tada
信彦 多田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】リードフレームの加工方法において、レーザ加
工中にドロスやスパッタの付着を抑えることができ、レ
ーザ加工後に金属板素材に変形を与えずにドロスやスパ
ッタを容易に除去できるようにする。 【構成】金属板2の両面に予め非金属材料膜1を被覆
し、レーザ加工時にドロス3やスパッタ4が金属板2に
付着することを抑制し、かつそれらが残留しても除去し
やすい状態とする。そして、細長い断面形状のレーザ光
60Aを用いてレーザ加工を行い、その後金属板2に高
圧力水37を噴射し、付着したドロス3及びスパッタ4
を選択的に折り取って強制的に除去する。この方法は、
半導体チップ130を搭載する前のリードフレーム10
0を形成する際、または樹脂モールド110による一体
封止後のダムバー104を切断する際に適用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光を利用して金
属板を適宜に切り欠くことによりリードフレームを形成
するリードフレーム加工方法、及びこのリードフレーム
加工方法によって加工されたリードフレームを備える半
導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体チップの高密度実装化、高
集積化がより一層厳しく要求されてきており、これに対
応するために半導体チップを搭載するリードフレームも
狭ピッチ化、多ピン化することが要求されている。この
ようにリードフレームを微細かつ高精度に加工すること
は、従来のプレス加工やエッチング加工では困難であ
る。
【0003】これに対し、レーザ光を利用した加工は、
高密度エネルギー熱源であるレーザビームを被加工材表
面上に集光し、被加工材を局部的かつ瞬時に溶融、溶断
する加工方法であるため、微細かつ高精度な加工が可能
な切断法であり、従来のリードフレーム加工に用いられ
ているプレス加工やエッチング加工では不可能であった
加工も可能である。例えば、特開平2−301160号
公報に記載の方式では、リードフレームに所定の切断パ
ターンを施したり、リードフレームのアウターリードを
連結するダムバーを切断するのにレーザ加工を利用して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、レーザ
加工によれば、レーザビームを細く集光して加工するこ
とができるので、微細かつ高精度のリードフレームを製
造することができるが、レーザ加工は、細く集光したレ
ーザビームによって金属板(被加工材料)を急速かつ瞬
時に加熱し、その加熱部分を溶融し排除する熱加工であ
るため、加工に伴って溶融物がドロスやスパッタとして
金属板に付着する。特に、スパッタは金属板のレーザ光
を照射する側の面(以下、表側の面という)に飛散して
付着しやすく、ドロスは金属板のレーザ光を照射する面
とは反対側の面(以下、裏側の面という)の切断側壁に
沿って多く付着する。
【0005】これらドロスやスパッタが製品たるリード
フレームに付着すると加工形状が悪化し、寸法精度が低
下する。とりわけ、リードフレームの場合には、後で剥
がれ落ちるなどして短絡等の性能欠陥の主因となり易い
ほか、後工程での他部品との接合時における密着性の悪
化にもつながり、品質を損う。さらに、ドロスやスパッ
タが付着した後にこれらを除去する作業は能率が悪く、
この作業によってリードフレームが変形する危険性があ
り、半導体装置の性能を悪化させ、製品歩留りも低下す
る。従って、ドロスやスパッタの付着は極力回避される
べきものである。
【0006】これに対し、特開平2−301160号公
報に記載の方式を始め、一般的なレーザ加工において
は、レーザビームと同軸的に噴出されるアシストガスで
溶融物を吹き飛ばすなどしてドロスやスパッタの付着を
抑えることが試みられている。しかし、このような方法
によってもドロスやスパッタの除去は不完全であり、加
工後にはどうしてもその溶融物が残留してしまい、ドロ
スやスパッタが製品であるリードフレームに付着するこ
とは避けられない。
【0007】本発明の目的は、レーザ加工中にドロスや
スパッタの付着を抑えることができ、レーザ加工後に金
属板素材に変形を与えずにドロスやスパッタを容易に除
去することができるリードフレームの加工方法、及びそ
のリードフレーム加工方法によって加工されたリードフ
レームを備える半導体装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、半導体チップを搭載すると共にそ
の半導体チップの各端子と接続される多数のリードを有
するリードフレームを金属板から形成する際に、前記リ
ードフレームの少なくとも一部をレーザ光照射によって
形成するリードフレームの加工方法において、前記金属
板の少なくとも一方の面に非金属材料膜を被覆する第1
の工程と、第1の工程の後で前記金属板に前記非金属材
料膜の上からレーザ光を照射して形成すべき前記リード
フレームの形状を形成する第2の工程と、第2の工程の
後で前記金属板に高圧力水を噴射してその金属板に付着
したドロス及びスパッタを除去する第3の工程とを有す
ることを特徴とするリードフレームの加工方法が提供さ
れる。
【0009】上記リードフレームの加工方法において、
好ましくは、第2の工程におけるレーザ光照射は、半導
体チップを搭載する前のリードフレーム形状を形成する
工程である。
【0010】また、好ましくは、第2の工程におけるレ
ーザ光照射は、半導体チップの各端子とリードとの接続
及び樹脂モールドによる一体的封止後に、その樹脂モー
ルドをせき止めるダムバーを切断する工程である。
【0011】また、好ましくは、第2の工程で照射すべ
き前記レーザ光の断面形状を細長い断面形状とする。
【0012】上記において、さらに好ましくは、レーザ
光の前記金属板上におけるスポットの長手方向の寸法を
前記ダムバーの幅方向の寸法よりも十分に長くしかつそ
のスポットの幅方向の寸法を前記ダムバーの長さよりも
短くすると共に、上記スポットの長手方向とリードの長
手方向とをほぼ平行にしかつそのスポットが前記ダムバ
ーの全幅を差し渡すようにしてレーザ光を照射する。
【0013】また、第1の工程で前記金属板に被覆され
る非金属材料膜は、好ましくは、前記ダムバーの長手方
向における中心線から両側にほぼ均等な帯状に被覆さ
れ、かつそのダムバーの幅の2倍以上の幅を有する。
【0014】また、第1の工程で前記金属板に被覆され
る非金属材料膜の材質は、好ましくは、カーボン微粉末
またはセラミックス微粉末を主成分とする材質である。
さらに、有機質であってもよい。
【0015】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、リードフレーム加工方法によって加工されたリ
ードフレームを備える半導体装置が提供される。
【0016】
【作用】上記のように構成した本発明においては、レー
ザ光を照射してリードフレームの形状を形成する前に、
素材となる金属板の少なくとも一方の面に予め非金属材
料膜を被覆することにより、レーザ加工時に発生する溶
融物がドロスやスパッタとして金属板に付着しにくくな
る。これは、非金属材料膜が金属板素材の溶融物によっ
て燃焼、蒸発、または分解し、その際に溶融物の温度を
下げたり、また溶融物を包むような酸化物膜や耐熱膜等
を形成するためである。また、金属板に付着したドロス
やスパッタが依然残留している場合でも、それらは除去
しやすい状態となる。
【0017】しかし、ドロスやスパッタが残留した状態
では半導体装置用のリードフレームとして使用すること
ができないため、これらのドロスやスパッタは完全に除
去する必要がある。この残留したドロスやスパッタを、
金属板素材に何らの変形も与えずに例えば刃物等により
機械的に削り取ることは非常に困難なことであり、どう
しても金属板素材に歪みや変形を与えてしまう。本発明
では、レーザ加工の後で金属板に高圧力水を噴射するこ
とによって、金属板に付着したドロス及びスパッタを強
制的に除去する。高圧力水は流体であるため、ドロス及
びスパッタの突出している部分だけに選択的に力を及ぼ
してそれらを折り取る作用があり、しかも非金属材料膜
によってドロス及びスパッタが除去しやすい状態となっ
ているため、容易に除去することができる。また、高圧
力水は、ドロスやスパッタの突出している部分を折り取
るに足る大きさ以上の力を及ぼさず、かつ突出していな
い部分には何らの力も及ぼさないため、金属板素材に変
形を与えることがなく、微細なリードフレームの高い精
度を維持することができる。但し、非金属材料膜やその
他の塵芥等も高圧力水によって同時に除去される。
【0018】また、上記レーザ加工を、半導体チップを
搭載する前のリードフレーム形状を形成する工程とする
ことにより、ドロスやスパッタが付着しない微細かつ高
精度なリードフレームが形成される。
【0019】一方、上記レーザ加工を、半導体チップの
各端子とリードとの接続及び樹脂モールドによる一体的
封止後のダムバーを切断する工程とすることにより、従
来難しかった微細かつ高精度なリードフレームのダムバ
ーをドロスやスパッタが付着しない状態で容易に切断す
ることが可能となる。
【0020】また、照射すべき前記レーザ光の断面形状
を細長い断面形状とすることにより1回のレーザ光照射
によって細く長い寸法の加工を実施することができ、こ
のレーザ光断面の長手方向と加工が進行する方向とを一
致させ、順次ずらせながら加工を行うことによって通常
の丸形断面形状のレーザ光を用いるよりも格段に速い速
度で加工を行うことができる。
【0021】また、上記のような細長い断面形状のレー
ザ光を用いてダムバーを切断する場合、レーザ光の金属
板上におけるスポットの長手方向の寸法をダムバーの幅
方向の寸法よりも十分に長くし、またスポットの幅方向
の寸法をダムバーの長さよりも短くし、さらにスポット
の長手方向とリードの長手方向とをほぼ平行にしてスポ
ットがダムバーの全幅を差し渡すようにすることによ
り、1回または数回のパルス状のレーザ光照射によって
ダムバーを完全に切断することが可能となる。従って、
レーザ光の照射回数や照射時間が短くなり、金属板へ投
入される熱を少なくし、切断部以外への熱伝導を抑える
ことができ、また切断時に発生する切屑を少なくするこ
ともできる。
【0022】また、レーザ光を照射してダムバーを切断
する場合、スパッタは切断すべきダムバーの長手方向に
おける中心線から両側にほぼ均等に付着し、かつダムバ
ーの幅の2〜3倍の幅の近傍にその大部分が集中する。
そして、それ以外の比較的ダムバーより遠く離れた部分
に付着するスパッタは、数も少なく、除去も比較的容易
である。一方、ドロスは裏側の面の切断側壁に沿って多
く付着する。従って、非金属材料膜はダムバーの長手方
向における中心線から両側にほぼ均等な帯状に被覆しそ
の幅をダムバーの幅の2倍以上とすれば十分である。こ
れにより、非金属材料膜の塗付すべき面積を必要最小限
にすることができ、レーザ加工後の高圧力水の噴射時の
処理面積を減らすことができる。
【0023】非金属材料膜の材質としては、耐熱性が高
く熱分解した後に気化するようなカーボン微粉末を主成
分とするものや、耐熱性が高く熱分解しにくくかつ酸化
物の形成に有効なセラミック微粉末を主成分とするもの
が適している。また、耐熱性は低いが熱分解しやすく、
熱分解後に高耐熱性のカーボン成分を残しやすい有機質
系の材料を用いてもよい。
【0024】
【実施例】本発明によるリードフレームの加工方法の一
実施例について、図1〜図5を参照しながら説明する。
本実施例は、半導体チップを搭載する前のリードフレー
ム形状を形成する際のレーザ加工に関するものである。
【0025】まず、本実施例によって加工されるリード
フレームの構成を説明する。図1において、リードフレ
ーム100の中央部分には、半導体チップを搭載するダ
イパッド101が設けられており、このダイパッド10
1を囲むようにして多数のインナーリード102と、こ
れらインナーリード102に連続するアウターリード1
03が配設されている。これら隣合うインナーリード1
02とアウターリード103とはダムバー104により
互いに連結状に支持されている。また、ダイパッド10
4の周辺は腕105以外は切欠き部106が設けられて
おり、この切欠き部106によりインナーリード102
はダイパッド101と分離され、かつ隣合うインナーリ
ード102はこの切欠き部106によりそれぞれ分離さ
れている。さらに、リードフレーム100の外周部分に
は半導体チップの端子とインナーリード102との接続
時の位置決め用に位置決め穴107が設けられている。
ダムバー104は、半導体チップのモールド時にレジン
を堰止める役割とインナーリード102及びアウターリ
ード103を補強する役割を有し、モールド後に除去さ
れる。
【0026】また、インナーリード102は、ダイパッ
ド101の方へ収束するように延びており、その先端部
は半導体チップ(図7参照)をダイパッド101に搭載
した後に行われる電気的接続を行うのに十分な幅となっ
ている。従って、インナーリード102の内側における
相隣合うリード間の間隙108は特に狭く、極めて微細
な構造となっており、しかもこの部分の加工はリードフ
レームの加工において最も寸法精度や清浄度が厳しく要
求される部分である。
【0027】本実施例では、上記のようなリードフレー
ム100を加工するに先立って、素材となる金属板の両
面に予め非金属材料膜1を被覆しておく。但し、図1で
は、非金属材料膜1を被覆する範囲がわかりやすいよう
に、後述のようなレーザ加工により金属板にリードフレ
ーム形状を形成した後の状態を示している。
【0028】上記非金属材料膜1の材質としては、耐熱
性が高く熱分解した後に気化するカーボン微粉末を主成
分とするものや、耐熱性が高く熱分解しにくくかつ酸化
物の形成に有効なセラミック微粉末を主成分とするもの
が適している。また、耐熱性は低いが熱分解しやすく、
熱分解後に高耐熱性のカーボン成分を残しやすいナイロ
ン系、アクリル系、ポリプロピレン系、またはスチンレ
系等の有機質系の材料を用いてもよい。しかし、塩素を
含む塩化ビニル等のように、熱分解により有毒なガスを
発生するものは適していない。
【0029】また、上記非金属材料膜の被覆方法として
は、粉末状または微粒子状の非金属材料をバインダであ
る有機溶液中に混入してペースト状とし、これを塗付、
または吹きつけ、または印刷等の方法によって金属板に
付着させる方法が比較的容易である。或いは、薄いフィ
ルム状に形成した非金属材料を金属板に被覆する方法
や、予め金属板に接着剤を塗付してから粉末状または微
粒子状の非金属材料を散布して付着させる方法を適用し
てもよい。このような方法により被覆される非金属材料
膜は、図1のようにインナーリード102が存在する領
域よりも少し外側の領域まで、即ちレーザ加工が施され
る領域よりも若干大きな領域に被覆される。
【0030】次に、非金属材料膜1を被覆した金属板に
レーザ加工を施し、図1のようなリードフレーム形状を
形成する。この時使用するレーザ加工装置の概略構成を
図2に示す。
【0031】図2において、レーザ加工装置40は、レ
ーザ発振器51と、ビームフォーマ52と、ビームロー
テータ53とを備えたレーザ光学系50を備え、さらに
加工ヘッド60、加工テーブル70を有する。レーザ発
振器51は断面がほぼ円形のレーザ光51Aを発生させ
る。このレーザ光としては、微細な寸法の加工に好適な
パルス状(パルス幅即ちレーザ光の発光時間の幅が0.
1〜1.0msec程度)のYAGレーザが最も適してい
る。ビームフォーマ52は凸型シリンドリカルレンズ5
2aと凹型シリンドリカルレンズ52bとを備え、ほぼ
円形断面のレーザ光51Aを細長い断面形状(楕円形)
のレーザ光52Aに変換する。ビームローテータ53
は、ドーブプリズム53aを備え、レーザ光52Aを光
軸回りに所定角度自転させる。但し、ドーブプリズム5
3aは、ある角度だけ光軸回りに回転すると、それを通
過した光が光軸回りにその角度の2倍の角度だけ自転す
る光学部材である。また、上記レーザ発振器51及びビ
ームフォーマ52に代えて、スラブ型のレーザ活性体よ
り矩形断面のレーザ光を発生させるスラブ型レーザ発振
器を用いてもよい。
【0032】加工ヘッド60は、反射鏡61、集光レン
ズ62、保護ガラス63、ノズル64、アシストガス供
給口65を備え、レーザ光学系50からのレーザ光50
Aを金属板2(被加工物)の方向に誘導し、その金属板
2にレーザ光60Aとして集光させる。加工テーブル7
0は、固定台71の上にXテーブル72及びYテーブル
73を搭載した構成となっており、金属板2のXY方向
の移動がXテーブル72及びYテーブル73によって行
われる。
【0033】このようなレーザ加工装置40の基本的動
作を説明する。まず、レーザ光学系50のレーザ発振器
51より発生したレーザ光51Aはビームフォーマ52
に入射し、ビームフォーマ52で適宜の長軸方向と短軸
方向の寸法比率を有する細長い断面形状(楕円形)のレ
ーザ光52Aに変換され、ビームローテータ53で光軸
まわりに適宜の角度自転してレーザ光50Aとして加工
ヘッド60に入射する。加工ヘッド60に入射したレー
ザ光50Aは反射鏡61で反射して進路が変えられ、集
光レンズ62によって集光されたレーザ光60Aは、ア
シストガス供給口65から供給されるアシストガスと共
にノズル64先端部から金属板2に照射される。これに
よって金属板2は瞬時に加熱され、溶融し、レーザ加工
が施される。
【0034】この時、ビームローテータ53によってレ
ーザ光50Aを光軸まわりに上記適宜の角度自転させ、
金属板2上に集光されるレーザ光60Aのスポットを自
転させてその長手方向をリードの長手方向に一致させ
る。その状態で、Xテーブル72及びYテーブル73を
移動させてレーザ光60Aのスポットをリードの長手方
向に順次ずらせることにより、適宜加工すべき所定位置
にレーザ光60Aが順次照射され、リードフレーム形状
が形成される。また、保護ガラス63は、レーザ加工に
伴って発生するスパッタや金属蒸気、金属プラズマ、さ
らにゴミやホコリなどから加工ヘッド60内部の部品を
保護するためのものである。
【0035】このように細長い断面形状のレーザ光60
Aを用いれば、1回のレーザ光照射によって細く長い寸
法の加工を実施することができ、またそのスポットの長
手方向をリードの長手方向に一致させ、リードの長手方
向に順次ずらせながら加工を行うことにより、通常の丸
形断面形状のレーザ光を用いるよりも格段に速い速度で
加工を行うことができる。しかし、細長い断面形状のレ
ーザ光を用いてレーザ加工を行うと、1回のレーザ光照
射によって生ずる溶融物の量が丸形断面形状のレーザ光
を用いる場合に比べて多くなるため、ドロスやスパッタ
も増加することになる。特にドロスは金属板2の裏側の
面の切断側壁に沿って多く付着し、スパッタは金属板2
の表側の面上に多く付着する。
【0036】しかし、前述のように金属板2の両面に予
め非金属材料膜1を被覆しておくので、本実施例のよう
に細長い断面形状のレーザ光60Aを用いる場合におい
ても、レーザ加工時に発生する溶融物がドロスやスパッ
タとして金属板2に付着しにくくなる。これは、非金属
材料膜1が金属板2の素材の溶融物によって燃焼、蒸
発、または分解し、その際に溶融物の温度を下げたり、
また溶融物を包むような酸化物膜や耐熱膜等を形成する
ためである。また、金属板2に付着したドロスやスパッ
タが依然残留している場合でも、それらは除去しやすい
状態となる。尚、細長い断面形状のレーザ光を用いずに
通常の丸形断面形状のレーザ光を用いる場合も同様の結
果となる。発明者が行った実験によれば、公知のスパッ
タ防止剤を非金属材料膜1として金属板2に被覆した後
にレーザ加工を行ったところ、ドロスやスパッタの付着
量が約1/2程度に減少することがわかった。
【0037】しかし、ドロスやスパッタが残存した状態
では半導体装置用のリードフレームとして使用すること
ができないため、これらのドロスやスパッタは完全に除
去する必要がある。これら残存したドロスやスパッタ
を、金属板素材に何らの変形も与えずに例えば刃物等に
より機械的に削り取ることは非常に困難なことであり、
どうしても金属板2に歪みや変形を与えてしまう。そこ
で、本実施例では以下のように高圧力水の噴射を利用し
てこれらドロスやスパッタを強制的に除去する。
【0038】図3に、この時使用する高圧力水噴射ノズ
ル装置を示す。図3において、高圧力水噴射ノズル装置
30はノズル取付け部31、高圧ナット32、ガイドノ
ズル33、及び高圧ノズル34によって構成され、適当
な水供給源によって加圧した水35をノズル取付け部3
1内側の水導入部36に供給することにより、高圧ノズ
ル34から高圧力水37が噴射される。但し、高圧ノズ
ル34の近傍より一般に砥粒として使用されている微粒
子を高圧力水37中に混入してもよい。
【0039】金属板に高圧力水を噴射した時の状況を図
4及び図5により説明する。図4はその原理を説明する
図であって、(a)は金属板を真上からみた平面図、
(b)は(a)をB−B方向からみた断面図である。ま
た、図5はレーザ加工後の金属板2に実際に高圧力水3
7を噴射した時の拡大断面図である。
【0040】図4(a)及び(b)に示すように、高圧
力水37aが金属板2aに噴出されると、高圧力水37
aはその中心37bから図4(a)中矢印11で示すよ
うに一様な放射状の流れを形成しようとするが、金属板
2a上に付着物3aが突出して付着しているとその部分
で高圧力水37aの流れが乱されて、図4(b)中矢印
12で示すように付着物3aに抵抗するような流れが生
じる。この時、高圧力水37aは流体であるため、矢印
12で示す流れにより、突出している付着物3aの部位
だけに選択的に力を及ぼしてそれらを折り取る作用があ
る。しかも、この高圧力水37aは、付着物3aを折り
取るに足る大きさ以上の力を及ぼさず、かつ突出してい
ない金属板2aの他の部分には何らの力も及ぼさずにそ
の表面を流れるだけであるため、金属板2aに変形を与
えることがない。また、付着物3aの存在により、図4
(b)中矢印13で示すような渦流れも生じる。
【0041】但し、上記原理説明においては、簡単のた
め、金属板2aはレーザ加工が施されない無垢な状態と
し、その表面に突出物3aのみが存在するものとした。
また、図4(a)において矢印11とほぼ直角に交わる
線は水の高さを示す等高線である。
【0042】このような原理により、図5に示すよう
に、高圧力水37がレーザ加工後の金属板2に噴射され
ると、高圧力水37の流れは図中矢印で示すようにな
り、ドロス3やスパッタ4だけに選択的に折り取る力が
かかる。さらに、それらドロス3やスパッタ4が非金属
材料膜1によって除去しやすい状態となっているため、
容易に折り取られ除去される。また、高圧力水37は、
図4で説明したようにドロス3やスパッタ4等の突出し
ている部分を折り取るに足る大きさ以上の力を及ぼさ
ず、突出していない部分には何らの力も及ぼさないた
め、金属板2に変形を与えることがなく、微細なリード
フレーム(製品)の高い精度を維持することができる。
また、非金属材料膜1やその他の塵芥等も高圧力水37
によって同時に除去される。そして、高圧力水37の金
属板2に対する噴射位置を移動させて金属板2の表側の
面におけるレーザ加工された部位全体について同様の処
理を行い、さらに金属板2の裏側の面についても同様の
処理を行う。
【0043】発明者が行った実験によれば、金属板2に
非金属材料膜1を被覆していない場合、ドロス3やスパ
ッタ4と金属板2との密着強度が大きくなり、高圧力水
37の噴射圧力が700kgf/cm2であっても、スパッタ4
の一部及びドロス3の大部分が付着したまま残存してし
まった。また、高圧力水37の噴射圧力を上げて1,200k
gf/cm2にするとスパッタ4の全部及びドロス3の大部
分を除去することはできるが、金属板2が少し変形し
た。
【0044】これに対し、金属板2に非金属材料膜1を
被覆した場合、高圧力水37の噴射圧力が400kgf/cm2
以下の時には、ドロス3はほとんど取れず、スパッタ4
の一部は除去できなかったが、高圧力水37の噴射圧力
を上げて700kgf/cm2にするとスパッタ4はほぼ全部除
去でき、ドロス3の大部分が除去できた。さらに、高圧
力水37の噴射圧力を上げて2,000kgf/cm2以上にする
と、金属板2の変形が顕著になり、その変形を矯正しな
ければ半導体装置用のリードフレームとして使用するこ
とが不可能となった。これらの結果から高圧力水37の
適正な噴射圧力は800〜1,200kgf/cm2程度と判断され、
1,500kgf/cm2までならば、変形の程度も許容できる範
囲内であると考えられる。
【0045】以上のような本実施例によれば、金属板2
の両面に予め非金属材料膜1を被覆するので、レーザ加
工時に発生する溶融物がドロス3やスパッタ4として金
属板2に付着しにくくなる。また、金属板2にドロス3
やスパッタ4が残留しても、それらは除去しやすい状態
となる。
【0046】また、レーザ加工後に、金属板2に流体で
ある高圧力水37を噴射するので、付着したドロス3及
びスパッタ4等だけを選択的に折り取って強制的に除去
することができ、しかも非金属材料膜2を被覆している
ので、その除去が容易となる。また、高圧力水37を利
用するので、金属板2自体には変形を与えることがな
く、微細なリードフレーム100の高い精度を維持する
ことができる。
【0047】また、細長い断面形状のレーザ光60Aを
用いるので、通常の丸形断面形状のレーザ光を用いるよ
りも格段に速い速度で加工を行うことができる。
【0048】また、ここで使用するのは水であるため、
公害を発生せず、製品となるリードフレームや半導体装
置の性能及び品質にも悪影響を与えない。さらに、水
は、安価で再利用が可能であるため、コストの低減も可
能となる。
【0049】次に、本発明によるリードフレームの加工
方法の他の実施例について、図6により説明する。本実
施例は、半導体チップの各端子とリードとの接続及び樹
脂モールドによる一体的封止後に、ダムバーを切断する
際のレーザ加工に関するものである。
【0050】本実施例においても、図2のレーザ加工装
置40を使用することができる。この場合、Xテーブル
72及びYテーブル73に搭載するのは、図6に示すよ
うな半導体チップの各端子とリードとの接続、及び樹脂
モールド110による一体的封止が終了した半導体装置
の中間製品150aである。また、レーザ加工によって
ダムバー104を切断するに先立ち、図1と同様の非金
属材料膜21をダムバー104の長手方向に沿って帯状
に被覆しておく。この非金属材料膜21による効果は前
述の実施例と同様である。
【0051】図2のレーザ加工装置40を用いて細長い
断面形状のレーザ光60Aによりダムバー104を切断
する場合、図6に示すように、レーザ光60Aのリード
フレーム100(金属板2)上におけるスポット60B
の長手方向の寸法w1をダムバー104の幅方向の寸法
1よりも十分に長くし、またスポット60Bの幅方向
の寸法w2をダムバー104の長さ、即ちアウターリー
ド103を分離する間隙の幅d2よりも短くする。ま
た、スポット60Bの長手方向とアウターリード103
の長手方向とをほぼ平行にしてスポット60Bがダムバ
ー104の全幅(d1)を差し渡すようにする。これに
より、1回または数回のパルス状のレーザ光照射によっ
てダムバー104を完全に切断することが可能となる。
従って、レーザ光の照射回数や照射時間が短くなり、リ
ードフレーム100(金属板2)へ投入される熱を少な
くし、切断部以外への熱伝導を抑えることができ、さら
に切断時に発生する切屑を少なくすることもできる。
【0052】上記のような条件のもとで、Xテーブル7
2及びYテーブル73を移動させることにより、ダムバ
ー104を順次切断して行くが、1つの辺に属するダム
バー104を全て切断し次の辺に属するダムバー104
を切断する際には、Xテーブル72及びYテーブル73
の移動方向を90°変化させると共にそれに合わせてレ
ーザ光50A(図2参照)を光軸まわりに約90°自転
させる。
【0053】以上のレーザ加工によるダムバー104の
切断が終了後、前述の実施例と同様に高圧力水を噴射し
てドロスやスパッタを除去する。
【0054】ところで、リードフレーム100の素材
を、板厚が0.1〜0.25mm程度の非常に薄い金属板
とした場合、形成すべきパターンの寸法も同様に微細に
なる。例えば、ダムバー104で連結されているアウタ
ーリード103の配列ピッチが0.3mmの場合、切断す
べきダムバー104の幅は0.1〜0.15mm程度でそ
の長手方向の長さは0.1〜0.2mm程度である。配列
ピッチがさらに狭くなれば、加工すべきダムバー104
の寸法も同様に微細となる。また、ダムバー104は図
6のように、樹脂モールド110の極めて近傍に位置し
ており、そのためこのダムバー104の切断時に付着し
たドロスやスパッタは除去しにくい。特に、上記のよう
に配列ピッチが0.3mmの場合には、ダムバー104の
長手方向の中心線から樹脂モールド110端部までの距
離は0.3〜1.0mm程度しかないことになる。従っ
て、ダムバー104の切断時に付着したドロスやスパッ
タを刃物等で機械的に削り取ることは実際にはできな
い。
【0055】このようなことを考慮すると、本実施例の
ように高圧力水を噴射してドロスやスパッタを除去する
ことは非常に有効なことがわかる。
【0056】また、レーザ光60Aを照射してダムバー
104を切断する場合、スパッタは切断すべきダムバー
104の長手方向における中心線から両側にほぼ均等に
付着し、かつダムバー104の幅の2〜3倍の幅の近傍
にその大部分が集中する。そして、それ以外の比較的ダ
ムバー104より遠く離れた部分に付着するスパッタ
は、数も少なく、除去も比較的容易である。一方、ドロ
スは裏面の切断側壁に沿って多く付着する。
【0057】従って、図6における非金属材料膜21は
ダムバー104の長手方向における中心線から両側にほ
ぼ均等な帯状に被覆し、その幅Dをダムバーの幅の2倍
以上にすれば十分その効果を発揮できる。また、これに
より、非金属材料膜21の塗付すべき面積を必要最小限
にすることができ、レーザ加工後の高圧力水の噴射時の
処理面積を減らすことができる。さらに、非金属材料膜
21を構成する物質の量を節約することにもなる。
【0058】また、非金属材料膜21を被覆することに
加えて、レーザ加工時にダムバー104の近傍をスパッ
タ防止用の保護カバー等で覆うことによっても、スパッ
タの付着面積を減らすことができ、レーザ加工後におけ
る高圧力水の噴射のための処理時間を短縮することがで
きる。
【0059】上記のようなダムバー104をレーザ加工
によって切断した後、リードフレーム100は図6中破
線120に沿って切断され、個々の半導体装置に分割さ
れた後、アウターリード103がガルウィング状に折り
曲げ成形される。このようにして製造された半導体装置
の構成を図7に示す。
【0060】図7に示す半導体装置150において、ダ
イパッド101(図1参照)には半導体チップ130が
搭載され、インナーリード102の先端部分と半導体チ
ップ130の端子とが金線等のワイヤ140により電気
的に接続され、半導体チップ130及びインナーリード
102を含む部分が樹脂モールド110により封止され
ている。また、アウターリード103はダムバー104
(図6参照)が切除されることによって個々に分割され
ており、さらに樹脂モールド110の外側で前述のよう
にガルウィング状に折り曲げ成形されている。このアウ
ターリード103の曲げ成形された部分は、後ほど半導
体装置150がプリント基板上に搭載された時に、プリ
ント基板の回路パターンに接続される部分である。
【0061】以上のような本実施例によれば、図1〜図
5で説明した実施例と同様の効果が得られる。
【0062】また、レーザ光60Aのスポット60Bの
長手方向の寸法w1をダムバー104の幅方向の寸法d1
よりも十分に長くし、その幅方向の寸法w2をダムバー
104の長さd2よりも短くし、さらにスポット60B
の長手方向とアウターリード103の長手方向とをほぼ
平行にしてスポット60Bがダムバーの全幅(d1)を
差し渡すようにするので、1回または数回のパルス状の
レーザ光照射によってダムバー104を完全に切断する
ことができる。さらに、これにより、金属板2へ投入さ
れる熱を少なくし、切断部以外への熱伝導を抑えること
ができ、また切断時に発生する切屑を少なくすることも
できる。
【0063】また、非金属材料膜21をダムバー104
の長手方向における中心線から両側にほぼ均等な帯状に
被覆しその幅Dをダムバー104の幅の2倍以上とする
ので、ドロスやスパッタの付着を抑制する効果を損なわ
ずに、非金属材料膜21の塗付すべき面積を必要最小限
にすることができ、レーザ加工後の高圧力水の噴射時の
処理面積を減らすことができる。このことは処理コスト
の低減に寄与する。
【0064】尚、上記実施例ではいずれも細長い断面形
状のレーザ光を用いて加工速度の向上を図ったが、速い
加工速度がそれほど要求されない場合には通常の丸形断
面形状のレーザ光を用いることは差し支えない。また、
非金属材料膜1を素材となる金属板の両面に被覆した
が、片面、特にドロスが多く付着する裏側の面のみに被
覆してもよい。また、以上の実施例では、QFP型の半
導体装置に使用するリードフレームの加工について説明
したが、これに限らずQFP以外の形状の半導体装置に
適用することができることは言うまでもない。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、金属板素材の少なくと
も一方の面に非金属材料膜を被覆するので、レーザ加工
時に発生する溶融物がドロスやスパッタとして金属板に
付着しにくくなり、金属板にドロスやスパッタが残留し
ても、それらは除去しやすい状態となる。また、レーザ
加工後に、金属板に流体である高圧力水を噴射するの
で、付着したドロス及びスパッタだけを選択的に折り取
って強制的に除去することができ、金属板自体には変形
を与えることがなく、微細なリードフレームの高い精度
を維持することができる。
【0066】また、本発明によって半導体チップを搭載
する前のリードフレーム形状を形成するので、ドロスや
スパッタが付着しない微細かつ高精度なリードフレーム
を形成することができる。
【0067】また、本発明によってダムバーを切断する
ので、従来難しかった微細かつ高精度なリードフレーム
のダムバーをドロスやスパッタが付着しない状態で容易
に切断することができる。
【0068】また、照射すべきレーザ光の断面形状を細
長い断面形状とするので、通常の丸形断面形状のレーザ
光を用いるよりも格段に速い速度で加工を行うことがで
きる。
【0069】また、レーザ光のスポットの長手方向の寸
法をダムバーの幅方向の寸法よりも十分に長くし、また
その幅方向の寸法をダムバーの長さよりも短くし、さら
にスポットの長手方向とリードの長手方向とをほぼ平行
にしてスポットがダムバーの全幅を差し渡すようにする
ので、1回または数回のパルス状のレーザ光照射によっ
てダムバーを完全に切断することができる。さらに、こ
れにより、金属板への投入熱量の減少及び切断部以外へ
の熱伝導の抑制を図ることができ、また切屑を少なくす
ることもできる。
【0070】また、非金属材料膜をダムバーの長手方向
における中心線から両側にほぼ均等な帯状に被覆しその
幅をダムバーの幅の2倍以上とするので、ドロスやスパ
ッタの付着を抑制する効果を損なわずに、非金属材料膜
の塗付面積を必要最小限にすることができ、高圧力水の
噴射時の処理面積を減らしてコストの低減を図ることが
できる。
【0071】また、水を使用するため公害を発生せず、
製品の性能及び品質にも悪影響を与えず、さらにコスト
の低減にも寄与する。
【0072】以上のことから、本発明によれば、高性能
かつ高品質の半導体装置を提供することができ、その加
工コスト削減と製品歩留り向上を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によって加工されるリードフ
レームを示す図であり、さらに非金属材料膜を被覆する
範囲を示す図である。
【図2】上記実施例で使用するレーザ加工装置の概略構
成を示す図である。
【図3】上記実施例で使用する高圧力水噴射ノズル装置
を示す図である。
【図4】金属板に高圧力水を噴射した時の状況を説明す
る原理図であって、(a)は金属板を真上からみた平面
図、(b)は(a)をB−B方向からみた断面図であ
る。
【図5】レーザ加工後の金属板に実際に高圧力水を噴射
した時の拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施例によって加工される半導体
装置の中間製品を示す図であり、さらに非金属材料膜を
被覆する範囲を示す図である。
【図7】図6のダムバー切断後に不要部分を切断し、ア
ウターリードをガルウィング状に折り曲げ成形して製造
された半導体装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 非金属材料膜 2 金属板 3 ドロス 4 スパッタ 21 非金属材料膜 30 高圧力水噴射ノズル装置 34 高圧ノズル 37 高圧力水 40 レーザ加工装置 50 レーザ光学系 51 レーザ発振器 51A レーザ光 52 ビームフォーマ 52a 凸型シリンドリカルレンズ 52b 凹型シリンドリカルレンズ 52A レーザ光 53 ビームローテータ 53a ドーブプリズム 60 加工ヘッド 60A レーザ光 60B スポット 62 集光レンズ 64 ノズル 65 アシストガス供給口 70 加工テーブル 72 Xテーブル 73 Yテーブル 100 リードフレーム 102 インナーリード 103 アウターリード 104 ダムバー 108 (リード間の)間隙 110 樹脂モールド 130 半導体チップ 140 ワイヤ 150 半導体装置 150a (半導体装置)の中間製品

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体チップを搭載すると共にその半導
    体チップの各端子と接続される多数のリードを有するリ
    ードフレームを金属板から形成する際に、前記リードフ
    レームの少なくとも一部をレーザ光照射によって形成す
    るリードフレームの加工方法において、 前記金属板の少なくとも一方の面に非金属材料膜を被覆
    する第1の工程と、前記第1の工程の後で前記金属板に
    前記非金属材料膜の上からレーザ光を照射して形成すべ
    き前記リードフレームの形状を形成する第2の工程と、
    前記第2の工程の後で前記金属板に高圧力水を噴射して
    その金属板に付着したドロス及びスパッタを除去する第
    3の工程とを有することを特徴とするリードフレームの
    加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリードフレームの加工方
    法において、前記第2の工程におけるレーザ光照射は、
    前記半導体チップを搭載する前のリードフレーム形状を
    形成する工程であることを特徴とするリードフレームの
    加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のリードフレームの加工方
    法において、前記第2の工程におけるレーザ光照射は、
    半導体チップの各端子と前記リードとの接続及び樹脂モ
    ールドによる一体的封止後に、前記樹脂モールドをせき
    止めるダムバーを切断する工程であることを特徴とする
    リードフレームの加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のリードフレームの加工方
    法において、前記第2の工程で照射すべき前記レーザ光
    の断面形状を細長い断面形状とすることを特徴とするリ
    ードフレームの加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のリードフレームの加工方
    法において、前記第2の工程で照射すべき前記レーザ光
    を細長い断面形状とし、前記レーザ光の前記金属板上に
    おけるスポットの長手方向の寸法を前記ダムバーの幅方
    向の寸法よりも十分に長くしかつ前記スポットの幅方向
    の寸法を前記ダムバーの長さよりも短くすると共に、前
    記スポットの長手方向と前記リードの長手方向とをほぼ
    平行にしかつ前記スポットが前記ダムバーの全幅を差し
    渡すようにして前記レーザ光を照射することを特徴とす
    るリードフレームの加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のリードフレームの加工方
    法において、前記第1の工程で前記金属板に被覆される
    非金属材料膜は、前記ダムバーの長手方向における中心
    線から両側にほぼ均等な帯状に被覆され、かつ前記ダム
    バーの幅の2倍以上の幅を有することを特徴とするリー
    ドフレームの加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のリードフレームの加工方
    法において、前記第1の工程で前記金属板に被覆される
    非金属材料膜の材質は、カーボン微粉末を主成分とする
    材質であることを特徴とするリードフレームの加工方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のリードフレームの加工方
    法において、前記第1の工程で前記金属板に被覆される
    非金属材料膜の材質は、セラミック微粉末を主成分とす
    る材質であることを特徴とするリードフレームの加工方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の半導体装置の加工方法に
    おいて、前記第1の工程で前記金属板に被覆される非金
    属材料膜の材質は、有機質系の材質であることを特徴と
    するリードフレームの加工方法。
  10. 【請求項10】 請求項1から10のうちいずれか1項
    記載のリードフレーム加工方法によって加工されたリー
    ドフレームを備える半導体装置。
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