JPH0868906A - 誘電体多層膜反射鏡製造方法 - Google Patents

誘電体多層膜反射鏡製造方法

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Publication number
JPH0868906A
JPH0868906A JP6203882A JP20388294A JPH0868906A JP H0868906 A JPH0868906 A JP H0868906A JP 6203882 A JP6203882 A JP 6203882A JP 20388294 A JP20388294 A JP 20388294A JP H0868906 A JPH0868906 A JP H0868906A
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JP
Japan
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film
dielectric
refractive index
index dielectric
dielectric film
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JP6203882A
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English (en)
Inventor
Ichiro Yamada
伊知朗 山田
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Japan Aviation Electronics Industry Ltd
Original Assignee
Japan Aviation Electronics Industry Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘電体材質に制約されることなく、そして膜
面粗さを粗くすることなしに長波長用の誘電体多層膜反
射鏡を製造する誘電体多層膜反射鏡の製造方法を提供す
る。 【構成】 高屈折率誘電体膜2と低屈折率誘電体膜3と
を交互に積層することにより形成される誘電体多層膜反
射鏡製造方法において、一方の誘電体膜である高屈折率
誘電体膜2或は低屈折率誘電体膜3の膜厚を膜面粗さが
粗れる膜厚より薄く形成し、他方の誘電体膜である低屈
折率誘電体膜3或は高屈折率誘電体膜2の膜厚を一方の
誘電体膜の膜厚を薄くした分だけ厚く形成することを特
徴とする誘電体多層膜反射鏡製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、誘電体多層膜反射鏡
製造方法に関し、特に、リングレーザ用反射鏡、ジャイ
ロ用反射鏡或は重力波用反射鏡の如き極低散乱の誘電体
多層膜反射鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】上述の如き用途に供される誘電体多層膜
反射鏡製造方法の従来例を図2および図3を参照して説
明する。図2は従来の製造方法により製造された誘電体
多層膜反射鏡の断面を説明する図である。1はガラス基
板、2は高屈折率誘電体膜、4は低屈折率誘電体膜を示
す。この種の誘電体多層膜反射鏡は、一般に、高屈折率
誘電体膜2および低屈折率誘電体膜4を交互に積層して
構成するが、これらの膜の層厚は、高屈折率誘電体膜2
の光学膜厚、即ち誘電体の屈折率と膜厚の積、と低屈折
率誘電体膜4の光学膜厚の和を、取り扱う波長の1/2
波長となる様に設計する。そして、この積層を実施する
に際しては、一般に、高屈折率誘電体膜2および低屈折
率誘電体膜4の双方の光学膜厚を取り扱う波長のほぼ1
/4波長になる様に制御しながら両者を交互に多層積層
する。
【0003】ところで、誘電体膜はその膜厚が或る値を
超えると、その点を境として急激に膜面粗さが増大する
特性を示す。これを図4を参照して説明するに、図4は
横軸を誘電体の膜厚とし、縦軸を膜面粗さとして両者の
関係を示す図である。材質A(酸化チタン:TiO2)に
ついてみると、その膜厚dAを境として材質Aの膜面粗
さは急激に粗れが増大する。材質B(5酸化タンタル:
Ta25)についてみると、その膜面粗れは膜厚dB
境として急激に増大することが示されている。なお、材
質C(酸化珪素:SiO2)については、図4の横軸の範
囲内においては格別の膜面粗れは生じない。
【0004】ここで、誘電体多層膜反射鏡を製造するに
際して、高屈折率誘電体膜2の材質として図4に示され
る材質Aを使用し、低屈折率誘電体膜4の材質として材
質Cを使用する例について検討する。誘電体の屈折率と
膜厚の積である光学膜厚は下記の通りである。 λ1/4=nH・dH1 & λ1/4=nL・dL2 但し、 λ:取り扱う波長 nH:高屈折率誘電体膜の屈折率 nL:低屈折率誘電体膜の屈折率 dH1:高屈折率誘電体膜の膜厚 dL2:低屈折率誘電体膜の膜厚 材質Aより成る高屈折率誘電体膜2の膜厚dH1が材質A
の膜面粗さが粗れ始める膜厚dAより薄いdH1<dAであ
る間は、高屈折率誘電体膜2の膜面は平滑であって何等
の問題も生じない。この状態は図2に示される通りであ
る。
【0005】ところが、取り扱う波長がλ1より長いλ2
である誘電体多層膜反射鏡の場合、光学膜厚は下記の通
りである。 λ2/4=nH・dH2 & λ2/4=nL・dL3H2>dA 光学膜厚の式においては、取り扱う波長λが長くなって
左辺λ2/4が大きくなれば、高屈折率誘電体膜の屈折
率nHは一定であるところから、波長λ2の増大に比例さ
せてdH2を大きくする必要があり、取り扱う波長λ2
依ってはdH2>dAとなるに到る。即ち、材質Aより成
る高屈折率誘電体膜2の膜厚dH2は材質Aの膜面粗さの
急激に増大し始める膜厚dAを超え、膜面が粗れるに到
る。この状態は図3に示される通りである。図3は従来
の製造方法により製造された長波長用の誘電体多層膜反
射鏡の断面を説明する図である。図3において、5は高
屈折率誘電体膜であり、屈折率をnH 、膜厚をdH2とす
るものである。ここで、膜厚dH2は図2の場合の膜厚d
H1より大きい。6は低屈折率誘電体膜であり、屈折率を
L 、膜厚をdL3とするものである。ここで、膜厚dL3
は図2の場合の膜厚dH2より大きい。
【0006】低屈折率誘電体膜4を形成する材質として
材質Cの代わりに材質B(5酸化タンタル:Ta25
を使用することもできるが、この様に材質を変更するこ
とに伴って屈折率、光吸収係数その他のパラメータも当
然に変化し、これに起因して種々の設計製造上および使
用上の制約を蒙ることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した通り、誘電体
成膜材質には、これを或る固有の膜厚以上の膜厚に成膜
すると膜面が粗れるものがある。従って、長波長用の誘
電体多層膜反射鏡を製造する場合、従来の誘電体多層膜
反射鏡の構造を採用すると、取り扱う波長に比例して誘
電体膜の膜厚が厚くなり、膜面の粗れた誘電体多層膜反
射鏡が構成される場合が生ずる。誘電体多層膜反射鏡の
膜面の粗さは反射鏡の光散乱に密接に関連し、膜面が粗
い場合、反射鏡の光散乱は大きくなる。
【0008】上述した通りの誘電体多層膜反射鏡の製造
方法には、長波長用の誘電体多層膜反射鏡を製造する場
合、光散乱の大きい反射鏡が製造される欠点がある。こ
の発明は、誘電体材質に制約されることなく、そして膜
面粗さを粗くすることなしに長波長用の誘電体多層膜反
射鏡を製造する誘電体多層膜反射鏡の製造方法を提供す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】高屈折率誘電体膜2と低
屈折率誘電体膜3とを交互に積層することにより形成さ
れる誘電体多層膜反射鏡製造方法において、一方の誘電
体膜である高屈折率誘電体膜2或は低屈折率誘電体膜3
の膜厚を膜面粗さが粗れる膜厚より薄く形成し、他方の
誘電体膜である低屈折率誘電体膜3或は高屈折率誘電体
膜2の膜厚を一方の誘電体膜の膜厚を薄くした分だけ厚
く形成する誘電体多層膜反射鏡製造方法を構成した。
【0010】そして、上述の誘電体多層膜反射鏡製造方
法において、高屈折率誘電体膜2を酸化チタンにより形
成し、低屈折率誘電体膜3を酸化珪素により形成する誘
電体多層膜反射鏡製造方法を構成した。
【0011】
【実施例】この発明の実施例を図1を参照して説明す
る。図1は、この発明の誘電体多層膜反射鏡製造方法に
より製造された誘電体多層膜反射鏡の断面を示す図であ
る。図1において、1は誘電体多層膜反射鏡のガラス基
板である。2は材質Aを使用して形成される高屈折率誘
電体膜であり、屈折率をnH 、膜厚をdH1とするもので
ある。3は材質Cを使用して形成される低屈折率誘電体
膜であり、屈折率をnL 、膜厚をdL1とするものであ
る。dAは材質Aの膜面粗さがここを境として急激に粗
くなる膜厚である。
【0012】従来例において、波長λ2 である長波長用
の誘電体多層膜反射鏡は光学膜厚をλ2/4にするがた
めに膜厚dH2を増大させてdH2>dAとし、結局、膜面
が粗れるに到ったことは上述した通りである。この発明
は、長波長λ2 用の誘電体多層膜反射鏡を製造するに際
して、高屈折率誘電体膜2の膜厚dH1を dH1<dA とする。即ち、高屈折率誘電体膜2を図4に示される材
質Aを使用して形成し、その膜厚dH1を、光学膜厚をλ
2/4にすることに拘泥せずに、膜面が大きく粗れ始め
る膜厚dAより薄い膜厚に留めて形成する。その結果と
して、高屈折率誘電体膜2の光学膜厚nH・dH1はλ2
4には達しない。
【0013】ところで、高屈折率誘電体膜2の光学膜厚
と低屈折率誘電体膜4の光学膜厚の和は、取り扱う波長
のλ2/2とするものであるところから、高屈折率誘電
体膜2の膜厚を薄く形成した分だけ低屈折率誘電体膜3
の膜厚を厚く形成する。即ち、低屈折率誘電体膜3を図
4に示される材質Cにより構成し、その膜厚dL1を nL・dL1=λ2/2−nH・dH1 に制御する。この低屈折率誘電体膜3の光学膜厚の式
は、高屈折率誘電体膜2の光学膜厚と低屈折率誘電体膜
4の光学膜厚の和はλ2/2であるところ、高屈折率誘
電体膜2の光学膜厚nH・dH1が上述の通りλ2/4には
達しない様に形成されるために、低屈折率誘電体膜4の
光学膜厚nL・dL1はλ2/4より厚く形成されることを
意味している。この発明は、結局、高屈折率誘電体膜2
の光学膜厚n H・dH1をλ2/4には達しないが膜面が大
きく粗れ始める膜厚dAより薄く形成し、その薄くした
分だけ低屈折率誘電体膜4の光学膜厚nL・dL1をλ2
4より厚く形成して両誘電体膜の厚さの和をλ2/2と
するものである。
【0014】ここで、誘電体多層膜反射鏡の反射率と波
長の関係を示す分光図は図5に示される通りである。図
5において、Aにより示される波長領域は多層膜を構成
する2種類の誘電体の誘電率の差が大きい程広い。従っ
て、5酸化タンタルTa25(屈折率nH=2.10)と
比較して屈折率の大きい酸化チタンTiO2(屈折率n H
=2.35)を採用することにより、波長領域Aを長波
長側により広くすることができ、それだけ誘電体多層膜
反射鏡の使用可能波長領域が拡大されて好適である。即
ち、従来は、或る使用可能波長領域の誘電体多層膜反射
鏡を構成するのに膜面粗れの関係から5酸化タンタルT
25を使用せざるを得なかったところ、この発明によ
ればこれより屈折率のより大きい酸化チタンTiO2を使
用することができるに到り、それだけ使用可能波長領域
を長能波長領域に拡大するに好都合である。
【0015】なお、以上の説明においては、高屈折率誘
電体膜2の膜厚を膜面粗さが粗れる膜厚より薄く形成
し、低屈折率誘電体膜3の膜厚を高屈折誘電体膜2の膜
厚を薄くした分だけ厚く形成する例を示したが、この逆
とすることができる。
【0016】
【発明の効果】以上の通りであって、この発明は一方の
誘電体膜の膜厚を膜面粗さが粗れる膜厚より薄く形成
し、他方の誘電体膜の膜厚を一方の誘電体膜の膜厚を薄
くした分だけ厚く形成することにより、膜面の粗れない
使用可能波長領域を長波長領域に拡張した誘電体多層膜
反射鏡を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の誘電体多層膜反射鏡製造方法により
製造された誘電体多層膜反射鏡の断面を示す図。
【図2】従来の製造方法により製造された誘電体多層膜
反射鏡の断面を示す図。
【図3】従来の製造方法により製造された長波長用の誘
電体多層膜反射鏡の断面を説明する図。
【図4】誘電体の膜厚と膜面粗さとの間の関係を示す
図。
【図5】誘電体多層膜反射鏡の反射率と波長の関係を示
す分光図。
【符号の説明】 1 ガラス基板 2 高屈折率誘電体膜 3 低屈折率誘電体膜 4 低屈折率誘電体膜 5 高屈折率誘電体膜 6 低屈折率誘電体膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高屈折率誘電体膜と低屈折率誘電体膜と
    を交互に積層することにより形成される誘電体多層膜反
    射鏡製造方法において、一方の誘電体膜である高屈折率
    誘電体膜或は低屈折率誘電体膜の膜厚を膜面粗さが粗れ
    る膜厚より薄く形成し、他方の誘電体膜である低屈折率
    誘電体膜或は高屈折率誘電体膜の膜厚を一方の誘電体膜
    の膜厚を薄くした分だけ厚く形成することを特徴とする
    誘電体多層膜反射鏡製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される誘電体多層膜反射
    鏡製造方法において、高屈折率誘電体膜を酸化チタンに
    より形成し、低屈折率誘電体膜を酸化珪素により形成す
    ることを特徴とする誘電体多層膜反射鏡製造方法。
JP6203882A 1994-08-29 1994-08-29 誘電体多層膜反射鏡製造方法 Pending JPH0868906A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010122094A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Nuclear Fuel Ind Ltd 燃料集合体の外観検査装置用反射鏡および燃料集合体の外観検査装置

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030909