JP2019174695A - 多層反射膜及びその製造方法 - Google Patents

多層反射膜及びその製造方法 Download PDF

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昭宏 中田
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Abstract

【課題】比較的広い波長域の光を高い反射率で反射できると同時に、強度が高く、層の総数が少なくて、低コストで製造できる多層反射膜及びその製造方法を提供する。【解決手段】基材12上に所定の波長の光に対応した膜厚で設定された膜を多数積層して形成される多層反射膜であって、基材12上に、二酸化チタンの膜20と二酸化ケイ素の膜22とを交互に積層して形成された第1積層部14と、該第1積層部14の上に形成された一酸化チタンの膜28からなる中間層16と、中間層16の膜の上に、フッ化ランタンの膜30と二酸化ケイ素の膜32とを交互に積層して形成された第2積層部18と、を備えた多層反射膜から構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、種々の光学系に利用される多層反射膜及びその製造方法に関する。
光源、レンズやフィルタ、ミラー、その他光学素子を含む様々な光学系では、光の透過や反射などをコントロールするために金属や誘電体を材料とした薄膜によるコーティングが活用されている。近時では、光学系における光の透過率や反射率の制御は、高性能化に従って、色特性の調整、コントラストの調整、フレアの発生防止等のためにますます重要であり、それに応じて薄膜技術の重要性も高まっている。従来、光の反射率を制御する薄膜技術として、例えば、ガラス基板の上に、屈折率が高い誘電体材料による膜と屈折率が低い誘電体材料による膜とを交互に積層して、目的の波長の光の反射を増加させたり又は減少させたりする多層反射膜や多層反射防止膜が広く利用されている。光は、高い屈折率の膜と低い屈折率の膜との境界では僅かな反射が生じるが、膜の屈折率をn、厚さをdとするとその光学膜厚ndがλ/4(λ:光の波長)に設定されると各層の反射光どうしが強め合うこととなり、積層する膜の数を増加することにより目的の光の波長周辺域の反射率を高くすることができる。また、多層反射膜は半導体レーザ素子の共振器端面などにも利用されており、例えば、特許文献1には、最表面層がMgFからなり、該表面層以外の層がSiO、TiO、ZrO、Ta等の酸化物誘電を構成材料として含む誘電体多層反射膜の技術が開示されている。
特開平8−298351号公報
ランプ等の光源の集光ミラーなどでは広い波長域で高い反射率が求められるが、上記のような多層反射膜が利用されている。従来、例えば、波長域300〜750nmの光を90%以上の反射率となる多層反射膜を構成するには、高い屈折率材料としてHfO(屈折率n=1.95)やZrO(屈折率n=2.05)、低い屈折材料としてはSiO(屈折率n=1.46)やMgF(屈折率n=1.38)を使用し、それらを交互に積層して構成されていた。しかしながら、これらの高い屈折材料及び低い屈折材料を使用した場合、反射率90%以上を得るには総膜数は100層以上積層する必要があった。そのため、多層反射膜の層の総数が多くなることから、材料コスト及び成膜に係るコストを含む製造コスト全体が高くつくとともに、層間で剥離が生じるおそれが高く、強度に劣る問題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、比較的広い波長域の光を高い反射率で反射できると同時に、強度が高く、層の総数が少なくて、低コストで製造できる多層反射膜及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明は、基材12上に所定の波長の光に対応した膜厚で設定された膜を多数積層して形成される多層反射膜であって、基材12上に、二酸化チタンの膜20と二酸化ケイ素の膜22とを交互に積層して形成された第1積層部14と、該第1積層部14の上に形成された一酸化チタンの膜28からなる中間層16と、中間層16の膜(28)の上に、フッ化ランタンの膜30と二酸化ケイ素の膜32とを交互に積層して形成された第2積層部18と、を備えた多層反射膜10から構成される。
また、中間層16は、一層の一酸化チタンの膜28のみからなることとしてもよい。
また、第2積層部18は、少なくとも20層以上形成されたこととしてもよい。
また、第2積層部18のフッ化ランタンの膜30は、膜応力が強く設定された層と膜応力が弱く設定された層とが交互に形成されたこととしてもよい。
また、中間層16の一酸化チタンの膜厚が0.4ナノメートルに設定されたこととしてもよい。
さらに本発明は、基材12上に二酸酸化チタンの膜20と二酸化ケイ素の膜22を交互に積層して第1積層部14を形成し、該第1積層部14の上に一酸化チタンの膜28を形成し、該一酸化チタンの膜28の上に、フッ化ランタンの膜30と二酸化ケイ素の膜32を交互に積層して第2積層部18を形成する多層反射膜の製造方法であり、第2積層部18のフッ化ランタンの成膜は蒸着法で形成されるとともに、フッ化ランタンを成膜する際に、酸素を導入して成膜する場合と、酸素を導入しないで成膜する場合と、を交互に行う多層反射膜の製造方法から構成される。
本発明の多層反射膜によれば、基材上に所定の波長の光に対応した膜厚で設定された膜を多数積層して形成される多層反射膜であって、基材上に、二酸化チタンの膜と二酸化ケイ素の膜とを交互に積層して形成された第1積層部と、該第1積層部の上に形成された一酸化チタンの膜からなる中間層と、中間層の膜の上に、フッ化ランタンの膜と二酸化ケイ素の膜とを交互に積層して形成された第2積層部と、を備えたことから、例えば、近紫外域と可視波長域を含むような広い波長域の光を高い反射率で反射できる多層反射膜を、比較的少ない層の数で、低コストで実現できる。その上、材料が異なる第1、第2積層部を積層しても中間層により、層の中間での剥離を良好に防止でき、高い強度の多層反射膜を実現できる。
また、中間層は、一層の一酸化チタンの膜のみからなる構成とすることにより、入射光や反射光の吸収が少ないとともに、第1積層部と第2積層部とを良好に密着することができる。
また、第2積層部は、少なくとも20層以上形成された構成とすることにより、例えば、紫外域のある波長域を安定して高い反射率で反射することができる。
また、第2積層部のフッ化ランタンの膜は、膜応力が強く設定された層と膜応力が弱く設定された層とが交互に形成された構成とすることにより、フッ化ランタンの膜が膜応力の強い膜と弱い膜とでバランスをとって層間の剥離を良好に防止することができ、高い強度を保持することができる。
また、中間層の一酸化チタンの膜厚が0.4ナノメートルに設定された構成とすることにより、入射光や反射光の吸収が少ないとともに、第1積層部と第2積層部とを良好に密着することができる。
さらに本発明の多層反射膜の製造方法によれば、基材上に二酸酸化チタンの膜と二酸化ケイ素の膜を交互に積層して第1積層部を形成し、該第1積層部の上に一酸化チタンの膜を形成し、該一酸化チタンの膜の上に、フッ化ランタンの膜と二酸化ケイ素の膜を交互に積層して第2積層部を形成する多層反射膜の製造方法であり、第2積層部のフッ化ランタンの成膜は蒸着法で形成されるとともに、フッ化ランタンを成膜する際に、酸素を導入して成膜する場合と、酸素を導入しないで成膜する場合と、を交互に行うことから膜の強度が安定し、比較的広い波長域の光を高い反射率で反射できる多層反射膜を、比較的少ない層の数で、低コストで実現できると同時に、層の中間での剥離を良好に防止して、高い強度の多層反射膜を製造することができる。
本発明の多層反射膜の一実施形態の説明図である。 フッ化ランタンと二酸化ケイ素を交互に20層積層した構成での光の波長ごとの反射率をあらわした分光特性のグラフである。 フッ化ランタンと二酸化ケイ素を交互に18層積層した構成での光の波長ごとの反射率をあらわした分光特性のグラフである。 図1の多層反射膜で、光の波長ごとの反射率をあらわした分光特性グラフである。
以下添付図面を参照しつつ本発明の多層反射膜及びその製造方法の実施形態について説明する。本発明に係る多層反射膜は、屈折率が異なる複数の材料から構成される膜を所定の波長の光に対応した膜厚で多数積層して形成され、例えば、光源、レンズやミラー、その他光学素子等に利用される多層膜である。図1は、本発明の多層反射膜の第1の実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態では、多層反射膜10は、基材12上に複数の膜を積層して形成される第1積層部14と、第1積層部14上に形成される中間層16と、中間層16上に複数の膜を積層して形成される第2積層部18と、を備えている。本実施形態では、基材12は、例えば、屈折率n=1.46程度のガラス基板(石英ガラス、SiO)からなり、該ガラス基板の上に薄膜が多数積層される。
図1に示すように、第1積層部14は、二酸化チタン(TiO)の膜20と二酸化ケイ素(SiO)の膜22を交互に積層して形成された第1の多層反射膜部である。すなわち、第1積層部14は、基材12上に、高い屈折率材料の膜として屈折率n=2.30の二酸化チタンの膜20と、低い屈折率材料の膜として屈折率n=1.46の二酸化ケイ素の膜22と、を交互に積層して形成されている。二酸化チタンの膜20、二酸化ケイ素の膜22は、光学膜厚(屈折率n×膜厚d)が反射目的の所定の光(可視光域)の波長λの1/4倍となるように設定され、例えば、コンピュータ計算された適度な膜厚、例えば、膜厚d=0.5〜1nmで形成されている。第1積層部14の二酸化チタンの膜20と二酸化ケイ素の膜22は、例えば、真空蒸着によって成膜される。
具体的には、本実施形態では、第1積層部14は、反射させる光の波長域に応じて各層の膜厚を調整して成膜されており、例えば、基材12側から順に、620〜750nmの波長域の光を反射するように設定された第1山部24と、520〜620nmの波長域の光を反射するように設定された第2山部25と、420〜520nmの波長域の光を反射するように設定され第3山部26と、で形成されている。第1山部24は、例えば、合計16層の膜で形成されており、第1層から第15層までの奇数層が二酸化チタンの膜20で成膜され、第2層から第16層までの偶数層が二酸化ケイ素の膜22で成膜されている。第1山部24では各層の膜厚は、620〜750nmの波長域の光を反射するように設定されており、合計16層積層することにより、入射光を95%以上の反射率で反射しうる。第2山部25は、例えば、合計16層の膜で形成されており、第1層から第15層(第1積層部全体では第17層から第31層)までの奇数層が二酸化チタンの膜20で成膜され、第2層から第16層(第1積層部全体では第18層から第32層)までの偶数層が二酸化ケイ素の膜22で成膜されている。第2山部25では各層の膜厚は、520〜620nmの波長域の光を反射するように設定されており、合計16層積層することにより、入射光を95%以上の反射率で反射しうる。第3山部26は、例えば、合計16層の膜で形成されており、第1層から第15層(第1積層部全体では第33層から第47層)までの奇数層が二酸化チタンの膜20で成膜され、第2層から第16層(第1積層部全体では第34層から第48層)までの偶数層が二酸化ケイ素の膜22で成膜されている。第3山部26では各層の膜厚は、420〜520nmの波長域の光を反射するように設定されており、合計16層積層することにより、入射光を95%以上の反射率で反射しうる。これにより、第1積層部14全体では、第1〜第3山部を積層して48層構成したことにより、420〜750nmの波長域の光を反射率95%以上で反射できる。
中間層16は、第1積層部14と後述の第2積層部18との間に形成され、それらを密着させる中間層である。中間層16は、例えば、第1積層部14の最終層である二酸化ケイ素の膜22の上に形成された一酸化チタン(TiO)の膜28の一層からなる。一酸化チタンの膜は、例えば、真空蒸着により成膜される。中間層16を形成する一層の一酸化チタンの膜28は、第1積層部14の最終層である二酸化ケイ素の膜22と後述の第2積層部18の第1層であるフッ化ランタンの膜30との両方に密着性が良い結果、十分な強度で成膜材料が異なる第1積層部14と第2積層部18どうしを積層することができる。従来の多層膜では、異なる材料を中間で使用すると膜応力の違い等により、剥離するおそれが高くなり、強度を十分に保持できないため実用性が低い問題があった。しかしながら、本実施形態のように第1積層部と第2積層部との間に一酸化チタンの膜28からなる中間層16を設けることにより、層間での剥離を良好に防止でき、高い強度を保持できる。本実施形態では、一酸化チタンの膜28の膜厚は、例えば、0.4nmに設定される。一酸化チタンの膜厚が0.4nmより大きいと光の吸収が大きくなり反射率が低下し、また一酸化チタンの膜厚が0.4nmより小さいと第2積層部の接着性が十分に得られず強度が不十分となるおそれがあるので、膜厚を0.4nmとすると好適である。
第2積層部18は、中間層16の上に形成され、フッ化ランタン(LaF)の膜30と二酸化シリコン(SiO)の膜32とが交互に積層して形成された第2の多層反射膜部である。すなわち、第2積層部18は、高い屈折率材料の膜として屈折率n=1.60のフッ化ランタンの膜30と、低い屈折率材料の膜として第1積層部同様に屈折率n=1.46の二酸化ケイ素の膜32と、を交互に積層して形成されている。第2積層部18は、上記の二酸化チタンの屈折率よりは低い中屈折率材料のフッ化ランタンを利用しており、フッ化ランタンの膜30、二酸化ケイ素の膜32は、光学膜厚(屈折率n×膜厚d)が反射目的の所定の光(近紫外線域近傍)の波長λの1/4倍となるように設定され、例えば、コンピュータ計算された適度な膜厚、例えば、膜厚d=0.5〜1nmで形成されている。フッ化ランタンの膜30と二酸化ケイ素の膜32は、例えば、それぞれ真空蒸着により形成される。
具体的には、第2積層部18は、例えば、合計20層の膜で形成されており、中間層16上に密着される第1層から第19層までの奇数層がフッ化ランタンの膜30、第2層から第20層までの偶数層が二酸化ケイ素の膜32で形成されている。第2積層部18では各層の膜厚は、紫外域の300〜420nmの波長域の光を反射するように設定されており、図2に示すように、フッ化ランタンの膜と二酸化ケイ素の膜を合計20層積層することにより、入射光の波長330nm以上で95%以上の反射率で反射しうる。なお、図2、図3は、第2積層部の構成の参考のために、ガラス基板上に、フッ化ランタンの膜と二酸化ケイ素の膜を交互に積層した構成についての分光特性を示したグラフであり、横軸が光の波長、縦軸が反射率である。図2のグラフは、フッ化ランタンの膜と二酸化ケイ素の膜を交互に合計20層積層した場合の分光特性を示しており、図3のグラフは、フッ化ランタンの膜と二酸化ケイ素の膜を交互に合計18層積層した場合の分光特性を示している。図2に示すように、20層積層した構成では、330〜400nmの波長域の光を95%以上の高い反射率で反射しており、当該波長域周辺では略平坦な数値となっていることがわかる。一方、図3に示すように、18層積層した構成では、330〜400nmの波長域の反射率を比較すると、右肩下がりとなり、反射率の数値及び当該波長域での安定性が低いことが分かる。これにより、少なくとも20層以上で構成すると、比較的安定した反射率を保持できることから、第2積層部18の構成においても少なくとも20層以上を積層する構成とすると好適である。
さらに、第2積層部18においては、奇数層に成膜されるフッ化ランタンの膜30は、膜応力が強く設定された層と、膜応力が弱く設定された層と、が交互に形成されている。本実施形態では、例えば、第1、第5、第9、・・・、第(4M−3)層目のフッ化ランタンの膜では膜応力が強く設定され、第3、第7、第11、・・・、第(4M−1)層目のフッ化ランタンの膜では膜応力が弱く設定されている(Mは正の整数)。例えば、フッ化ランタンの膜の膜応力の強弱をつけた形成方法は、後述のように、真空蒸着によりフッ化ランタンの膜を成膜する際に、減圧された蒸着チャンバ内空間に酸素を導入したり、導入しなかったりすることによって実現している。このように第2積層部18のフッ化ランタンの膜30の膜応力を層で異ならせることにより、膜応力の強い層と弱い層とで互いにバランスをとることによって層どうしの剥離を良好に防止でき、強度が高い多層反射膜を実現することができる。
上述のように構成されることにより、本実施形態では、多層反射膜10は、第1積層部14が48層、中間層16が1層、第2積層部18が20層となり、全体で69層の多層膜で構成されている。図4は、本実施形態の多層反射膜10の分光特性のグラフ(横軸が光の波長、縦軸は反射率)を示しているが、330〜750nmの波長域で反射率が95%以上で、略平坦な数値で安定して反射していることがわかる。したがって、比較的広い波長帯域の光を高い反射率で反射できる多層反射膜を、膜の積層数を少なくして実現することができる。また、本実施形態の多層反射膜10は、例えば、広い波長域の光を高い反射率で反射できることから、超高圧水銀灯、キセノンショートアークランプ、ハロゲンランプ等の光源の集光ミラーとして利用できる。また、例えば、可視波長域の光や近赤外域の光を同時に取得して種々の比較解析を行ったり、可視波長域の光や近紫外域の光(UV−A)を同時に取得して種々の比較解析を行ったりする光学系に利用することもできる。
本実施形態に係る多層反射膜10を製造する方法は、基材12上に、例えば、真空蒸着法によって二酸酸化チタンの膜と二酸化ケイ素の膜を交互に積層して第1積層部14を形成する。次に、第1積層部14の最上層の二酸化ケイ素の膜22の上に、真空蒸着によって、中間層16である一酸化チタンの膜28を一層のみ形成する。次に、該一酸化チタンの膜28の上に、例えば、真空蒸着によって、フッ化ランタンの膜30と二酸化ケイ素の膜32を交互に積層して第2積層部18を形成していく。この第2積層部の形成工程では、フッ化ランタンの膜を真空蒸着で成膜する際に、チャンバ内に酸素を導入して成膜する場合と、酸素を導入しないで成膜する場合と、を交互に行う。真空蒸着法での成膜では、所定の真空状態に減圧した状態から酸素を導入した場合には膜応力が比較的弱く成形されるとともに、酸素を導入しない場合には膜応力が強い膜が形成される。よって、第2積層部18では、奇数層のフッ化ランタンの膜30は、膜応力が強い層と弱い層とが交互に形成されることとなる。
以上説明した本発明の多層反射膜は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本発明の多層反射膜は、光源、レンズ、ミラー、フィルタ、その他光学素子等、種々の光学系に利用することができる。
10 多層反射膜
12 基材
14 第1積層部
16 中間層
18 第2積層部
20 二酸化チタン
22 二酸化ケイ素
28 一酸化チタン
30 フッ化ランタン
32 二酸化ケイ素

Claims (6)

  1. 基材上に所定の波長の光に対応した膜厚で設定された膜を多数積層して形成される多層反射膜であって、
    基材上に、二酸化チタンの膜と二酸化ケイ素の膜とを交互に積層して形成された第1積層部と、
    該第1積層部の上に形成された一酸化チタンの膜からなる中間層と、
    中間層の膜の上に、フッ化ランタンの膜と二酸化ケイ素の膜とを交互に積層して形成された第2積層部と、を備えたことを特徴とする多層反射膜。
  2. 中間層は、一層の一酸化チタンの膜のみからなることを特徴とする請求項1記載の多層反射膜。
  3. 第2積層部は、少なくとも20層以上形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の多層反射膜。
  4. 第2積層部のフッ化ランタンの膜は、膜応力が強く設定された層と膜応力が弱く設定された層とが交互に形成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の多層反射膜。
  5. 中間層の一酸化チタンの膜厚が0.4ナノメートルに設定されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の多層反射膜。
  6. 基材上に二酸酸化チタンの膜と二酸化ケイ素の膜を交互に積層して第1積層部を形成し、
    該第1積層部の上に一酸化チタンの膜を形成し、
    該一酸化チタンの膜の上に、フッ化ランタンの膜と二酸化ケイ素の膜を交互に積層して第2積層部を形成する多層反射膜の製造方法であり、
    第2積層部のフッ化ランタンの成膜は蒸着法で形成されるとともに、フッ化ランタンを成膜する際に、酸素を導入して成膜する場合と、酸素を導入しないで成膜する場合と、を交互に行うことを特徴する多層反射膜の製造方法。
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