JPH086848Y2 - 防水パンの脚部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、一般住宅などに設置されるバスユニット等
の防水パンの脚部の構造に関する。

〈従来の技術〉 住宅等に設置されるバスユニットの防水パンを支持す
る方式としては、防水パンの裏面側の所定位置に複数の
めねじ部を設けて、そのめねじ部に下方からボルトをね
じ込んで、このボルトによって防水パンを支持する構造
のものが一般的である。そして、据付け場所の床の強度
が弱い場合には、脚ボルトの頭部は、床面への脚ボルト
の座り状態を安定にするために、補強用の座としてプレ
ートが溶接等によって固着したものを用いることもあ
る。

〈考案が解決しようとする課題〉 ところで、バスユニット据付け現場の床仕上げが、木
材等による仕上げの場合には、上記のプレート付き脚ボ
ルトによる設置とするわけであるが、例えばコンクリー
ト仕上げなどのように、床の強度は高いが床面に凹凸が
あるときには、脚ボルトに補強プレートが付いている
と、防水パンの高さ調整がし難いため、ボルトのみによ
る設置とする必要がある。しかしながら、このような据
付け現場の床仕上げ状態は、バスユニット発注時におい
て確認することは難しく、このためユニット出荷時に
は、プレート無しの脚ボルトを防水パンに装着してお
き、さらにプレート付きの脚ボルトを付属品として発送
している。従って、脚ボルトを出荷ユニット数の対して
２倍程度分の本数をストックしておく必要があり、この
ことがコスト低減化をはかる上での妨げの一因となって
いた。さらに据付け現場の床仕上げが木材等である場合
には、プレート付き脚ボルトを防水パンに付け替えなけ
ればならず、その作業が面倒であるといった問題もあ
る。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は、上記の従来の問題点を解決すべくなされて
もので、その構成を実施例に対応する第１図、第２図お
よび第３図を参照しつつ説明すると、本考案は、防水パ
ンの裏側の所定位置に設けられためねじ部にねじ込まれ
るボルト１と、そのボルト１の座として使用されるプレ
ート２を備えており、このプレートには、片面にボルト
１の頭部を着脱自在に固定するための複数の爪3aよりな
る止め具３が形成され、該爪3aにより上記ボルト頭部の
各面がその内方へ押圧されていることによって特徴づけ
られる。

〈作用〉 バスユニット据付け現場の床仕上げが、コンクリート
等の強度の高い材料による仕上げの場合にはボルト１の
みの配置とし、一方、木材等の強度の弱い材料による仕
上げの場合にはボルト１の頭部ににプレート２を装着し
て配置する。このように、据付け場所の床仕上げ状態に
応じて、ボルトのみの設置か、もしくはプレートを装着
した状態での設置を容易に選択することが可能となる。
従って、出荷時に用意する脚ボルトの本数はバスユニッ
トに必要な本数程度とすることができる。また、プレー
トの止め具３内にボルトの頭部を差し込むだけでプレー
トにボルトが固定される。

〈実施例〉 本考案の実施例を、以下、図面に基づいて説明する。

第１図は本考案実施例の要部構造を示す正面図で、第
２図は第１図のII−II矢視図である。

本考案実施例の脚ボルトは、後述する防水パンの底部
に配置されたナット部とねじの呼びが同じ六角ボルト１
と、プレート２によって構成されており、そのプレート
２の片面の中央部には止め金具３が溶着されている。

止め金具３は、ばね鋼または浸炭焼入れを施した板材
を、切り欠きやプレス等の加工によって、爪3a…3aを、
六角ボルト１の頭部に対応する正六角形の各片上に沿っ
て立ち上げた構造で、その互いに対向する爪3aの内壁面
間の距離は、六角ボルト１の頭部の二面幅の寸法とほぼ
同じ寸法となるように加工されている。すなわち、この
止め金具３内に六角ボルト１の頭部が差し込まれた状態
では、ボルト頭部の各面は、各爪3a…3aによって内方へ
と適度な力で押圧されるよう構成されている。

さらに、止め金具３の各爪3a…3aの上部には、それぞ
れ内方へと突出する突起3bが設けられおり、その各突起
3bの高さ位置Ｈは、六角ボルトの頭部の高さｈによりも
僅かに高い部位に位置している。従って、この各突起3b
…3bによって、差し込まれた六角ボルト１の頭部が上方
への移動が規制され、その頭部が抜けることを防止する
ことができる。なお、各突起3bの形状は点状のほか、棒
状等の他の形状であってもよい。

本考案実施例では出荷時において、例えば第３図
（ａ）に示すように、六角ボルト１のみが、防水パン10
の底部に固着されたナット11にねじ込まれ、プレート２
は付属品として発送される。なお12は六角ボルト１の緩
み止めのためのナットである。そしてバスユニット据付
け現場の床面の仕上げが、コンクリート等のように強度
の高い材料による仕上げである場合には、その第３図
（ａ）に示すように六角ボルト１にはプレート２を装着
せずに設置し、ダブルナット11,12およびボルト１のね
じ調整によって防水パン10の高さ位置を調節しつつ据付
けを行う。

一方、ユニット据付け場所の床面の仕上げが木材等の
強度の低い材料による仕上げである場合には、第３図
（ｂ）に示すように、六角ボルト１に付属品のプレート
２を装着した後に設置を行い、次いで、先と同様な高さ
調整を行う。

なお、以上の本考案実施例においては、プレート２の
片面に止め金具３を溶着した構造としているが、本考案
はこれに限られることなく、例えばプレート２そのもの
に、切り欠きや曲げ加工等を施して、プレート２自体か
ら、止め金具３と同様な形状の６本の爪を立ち上げた構
造としてよい。

〈考案の効果〉 以上説明したように、本考案によれば、防水パンの裏
側にねじ込まれるボルトと、そのボルト頭部に着脱自在
に装着されるプレートを備えているので、バスユニット
据付け現場の床仕上げの状態に対応して、プレート付き
の設置あるいはプレート無しの設置のいずれかを容易に
選択することが可能となる。これにより、従来のよう
に、バスユニット出荷時に、プレート付き脚ボルトと、
プレート無しの脚ボルトとの双方を揃えることが不要と
なり、脚ボルトのストック本数を従来の1/2程度に減ら
すことが可能となって、コストの低減化をはかることが
できる。しかも据付け現場において脚ボルトの取り替え
を行う必要がなくなり、その手間を省くことができる結
果、作業効率が向上する。さらにプレートに形成した複
数の爪によりボルト頭部の各面がその内方へ押圧されて
固定されるので、プレートの加工が容易であり、脚ボル
トへの着脱も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の要部構造を示す正面図で、第２
図は第１図のII−II矢視図である。また、第３図は本考
案実施例の使用状態の例を示す図である。 １……六角ボルト ２……プレート ３……止め金具 3a…3a……爪 3b…3b……突起 10……防水パン 11,12……ナット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】防水パンの裏側の所定位置に設けられため
   ねじ部にねじ込まれたボルトと、そのボルトの座として
   使用されるプレートを有し、上記プレートには、その片
   面に上記ボルト頭部を着脱自在に固定するための複数の
   爪よりなる止め具が形成され、該爪により上記ボルト頭
   部の各面がその内方へ押圧されてなる防水パンの脚部構
   造。