JPH0868037A - 除塵機 - Google Patents

除塵機

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JPH0868037A
JPH0868037A JP22726794A JP22726794A JPH0868037A JP H0868037 A JPH0868037 A JP H0868037A JP 22726794 A JP22726794 A JP 22726794A JP 22726794 A JP22726794 A JP 22726794A JP H0868037 A JPH0868037 A JP H0868037A
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Kaoru Naito
薫 内藤
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Matsumoto Iron Works Co Ltd
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MATSUMOTO TEKKOSHO KK
Matsumoto Iron Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 用水路等に設置されるスクリーンバーに捕捉
された塵をレーキにより掬い上げて除去するための除塵
機において、レーキの位置、姿勢を簡単に変更すること
のできる機構を提案すること。 【構成】 除塵機1は、伸縮自在なアーム11、12に
よってレーキ5を支持すると共に、このレーキ5を、閉
口姿勢の状態に保持した状態で、昇降用ロープ13、1
4によって吊り下げている。昇降用ロープ13、14
を、ロープ巻取り機構30を用いて巻取り・繰り出すこ
とにより、伸縮自在なアームを伸縮させながら、レーキ
の昇降を行う。アーム11、12を、その上端側を中心
としてスクリーンバー3に対して前後に揺動させて、当
該アームに取付けられているレーキ5のスクリーンバー
3からの距離を変更する。また、中央のロープ20を引
き上げて、レーキ5を閉口姿勢から開口姿勢に変更可能
となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水力発電所の発電機用
水の取り入れ口等に配置されたスクリーンバーで捕捉さ
れた塵を掬い上げて除去する除塵機に関するものであ
る。更に詳しくは、このような除塵機においてスクリー
ンバーの表面に沿って昇降するレーキの支持機構および
レーキの位置および姿勢を変更するための機構に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】水力発電所等の発電機用水の取り入れ口
等には、そこから流入する水に含まれている塵を捕捉す
るために、スクリーンバーが配置されている。そして、
このスクリーンバーに捕捉された塵を取り除くために、
除塵機が使用されている。除塵機としては、固定配置さ
れたもの、あるいは走行式のものがあり、いずれも、ス
クリーンバーの表面に沿って、レーキを昇降させて、そ
こに捕捉されている塵を掬い上げて除去している。レー
キの支持機構としては、油圧シリンダ駆動式のアーム方
式のもの、ロープによる支持方式のものが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
除塵機においては次のような問題点がある。
【0004】まず、レーキと、スクリーンバー表面との
間隔を簡単に調整できない。このため、レーキの昇降を
適切に行うことができない場合がある。また、レーキ
は、塵の掬い上げが可能な状態(本明細書では、塵の掬
い上げが可能な姿勢を「閉口姿勢」といい、塵を放出可
能な姿勢を「開口姿勢」というものとする。)のままで
降下させると、スクリーンバー上の塵に降下するレーキ
が衝突等して、レーキの降下が速やかにできないといっ
た弊害がある。さらには、スクリーンバー上に捕捉され
ている塵の量は、場所によって異なるので、レーキをス
クリーンバー表面に平行な状態に保持していたのでは、
塵の掬い上げを適切に行うことができない場合がある。
【0005】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
レーキとスクリーンとの間隔を簡単に調整可能な機構を
備えた除塵機を提案することにある。
【0006】また、本発明の課題は、レーキの姿勢を、
開口姿勢および閉口姿勢、並びにそれらの間の姿勢とな
るように容易に変更可能な機構を備えた除塵機を提案す
ることにある。
【0007】さらに、本発明の課題は、レーキを、スク
リーンバー表面に追従させて、前後、左右に移動可能に
支持している機構を備えた除塵機を提案することにあ
る。
【0008】さらにまた、本発明の課題は、外部から作
用する力同志を利用して、これらを相互にバランスさせ
ることにより、力学的に安定したレーキ支持機構を備え
た除塵機を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用】上記の課題を解決
するために、本発明は、用水路等に設置されているスク
リーンバーに沿ってレーキを上下させて、当該スクリー
ンバーに捕捉された塵を掬い上げて除去する除塵機にお
いて、伸縮自在なアームによってレーキを支持すると共
に、このレーキを、開口姿勢の状態に保持した状態で、
昇降用ロープによって吊り下げるようにしている。そし
て、昇降用ロープを、ロープ巻取り機構を用いて巻取り
・繰り出すことにより、伸縮自在なアームを伸縮させな
がら、レーキの昇降を行うようにしている。さらに、ア
ームを、その上端側を中心としてスクリーンバーに対し
て前後に揺動させることにより、当該アームに取付けら
れているレーキのスクリーンバーとの間隔を変更できる
ようにしてある。
【0010】このように構成した本発明の除塵機では、
アームおよびロープを併用してレーキの支持機構を構成
してあるので、その構成部材であるアームを、アーム揺
動機構により前後に揺動させることにより、簡単に、レ
ーキを、スクリーンバー表面に接近させ、あるいは離れ
る方向に移動させることができる。
【0011】また、本発明は、このように伸縮自在なア
ームおよび昇降用ロープによりレーキを支持した構成の
除塵機において、更に、レーキの姿勢を変更可能な姿勢
変更機構を備えた構成を採用している。この姿勢変更機
構は、レーキに連結された姿勢変更用ロープと、このロ
ープを上下に移動させる移動機構とを備え、ロープの上
下に連動して、レーキの姿勢が、塵を掬い上げ可能な閉
口姿勢と、塵を放出可能な開口姿勢、およびこれらの間
の姿勢に切り換わるようになっている。
【0012】このように、ロープを利用することによ
り、除塵機本体から離れた位置にあるレーキの姿勢を簡
単に変更することができる。
【0013】さらに、本発明では、レーキを、左右2本
の伸縮自在なアームおよび左右2本の昇降用ロープで支
持すると共に、アームの下端側を次のようにした構成を
採用している。すなわち、各アームを、レーキが自在継
ぎ手を介して取付けられている下端アーム部分と、この
下端アーム部分を、左右への回転が可能な軸継ぎ手を介
して、支持しているアーム本体部分とから構成してい
る。さらには、アーム本体部分の下端部分を、連結機構
を介して、前後に相対移動が可能な状態で相互に連結し
ている。
【0014】この構成によれば、レーキは、軸継ぎ手に
よって、スクリーンバーに対して左右に揺動可能であ
る。また、レーキは、連結機構によって、スクリーンバ
ーに対して左右いずれの側も前後に移動可能である。し
たがって、レーキは、その姿勢、位置が、スクリーンバ
ーに対して、三次元的に前後左右に移動可能である。よ
って、スクリーンバー表面に追従して移動できるので、
塵の掬い上げが常に確実に行われる。
【0015】一方の本発明の除塵機においては、アーム
の揺動機構の構成部材であるスイングアームと、ロープ
巻取り機構の構成部材であるローラ支持アーム部材と
を、これらに対して作用する旋回力を、それぞれ他方の
側の旋回力を抑制するように、相互に伝達可能な力伝達
部材を介して連結した構成としてある。
【0016】この構成を採用すれば、双方の部材に作用
する力が、相互にバランスを取り合うことにあるので、
力学的に安定したレーキ支持機構を構成できる。
【0017】
【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の実施例を
説明する。
【0018】(第1の実施例)図1および図2には、本
発明の第1の実施例の全体構成を示してある。本例の除
塵機1は、水力発電所の発電機用水の取り入れ口2に配
置されたスクリーンバー3に捕捉された塵を掬い上げて
除去するためのものである。
【0019】本例の除塵機1は走行式であり、前後にそ
れぞれ一対の走行輪41a、41bbおよび42a、4
2bが取付けられた除塵機車体4と、スクリーンバー3
から塵を掬い上げるためのレーキ(熊手装置)5と、こ
のレーキ5を支持して昇降等の動作をさせるための支持
機構6から基本的に構成されている。車体4には、掬い
上げた塵を収納するためのバケット45が配置されてい
る。この底の部分はコンベヤ46により規定されてお
り、ここに回収された塵を、コンベヤ46によって外部
に排出できるようになっている。
【0020】本例においては、この支持機構6は、一対
の伸縮自在な左右アーム11、12と、同じく一対の左
右ワイヤーロープ13、14とを備えている。左アーム
11は、その上端部分を形成しているアームガイド11
1と、このアームガイド111の内部に装着され、この
下端から伸縮自在となっている上端アーム112と、こ
のアームに対して下端から伸縮自在に装着されている中
間アーム113と、このアームに対して下端から伸縮自
在に装着されている先端アーム114から構成されてお
り、この先端アーム114の先端には、自在継ぎ手15
を介して、レーキ7が連結されている。右アーム12
も、同様に、アームガイド121、上端アーム122、
中間アーム123、先端アーム124から構成され、そ
の先端には、自在継ぎ手16を介して、レーキ5が連結
されている。
【0021】左右のアーム11、12は、アーム揺動機
構7を介して、除塵機車体4の側に支持されている。こ
のアーム揺動機構7は、各アームのアームガイド11
1、121を支持しているスイングアーム71、72
と、これらのスイングアームの旋回中心を規定している
支点軸73と、スイングアームの他方の端に連結された
駆動シリンダ75、76とを備えている。支点軸73
は、車体4に形成されている支持壁41の上端に固定支
持されている。また、シリンダ75、76も、この支持
壁41の側面に形成した支持ブラケット42の上に固定
支持されている。さらに、スイングアーム71、72の
上側の中程の位置と、アームガイドの上端部分とは、そ
れぞれ、連結ロッド77、78によって連結されてい
る。
【0022】一方、左右のワイヤロープ13、14は、
その下端が、それぞれレーキ5に連結され、左右のアー
ム11、12の内側の位置を、これらと略平行に配置さ
れている。各アームガイド111、112の下端部分の
内側の位置には、それぞれ、ロープガイドローラ81、
82が配置されており、これらのローラは、それぞれ、
ローラガイドアーム83、84の先端に回転自在の状態
で支持されている。各ワイヤロープ13、14は、これ
らのロープガイドローラ81、82に巻き掛けられて、
車体4の側に案内され、車体の支持壁41に設置したロ
ープ巻取り機構8を構成しているワイヤードラム85、
86に巻かれて、ここに連結された状態にある。
【0023】ロープ巻取り機構8は、ワイヤードラム8
5、86と、これらの回転駆動源である駆動モータ87
と、ここからの回転を減速してワイヤードラムに伝達す
るための減速機構88から構成されている。
【0024】ここで、各ローラガイドアーム83、84
は、車体4の支持壁41の上端に支持されている支点軸
73を中心として旋回可能となっている。これらのロー
ラガイドアーム83、84の後端側は、後述するよう
に、バランス機構9(図4参照)によって支持されてい
る。
【0025】また、本例においては、レーキ5は、これ
を開口姿勢および閉口姿勢に変更するためのワイヤーロ
ープ20に連結されている。このワイヤーロープ20
は、図に示すように、左右のワイヤーロープ13、14
の中心に位置しており、その下端がレーキ5の中心に連
結されている。また、このワイヤーロープ20は、上端
側において、ロープガイドローラ21に巻き掛けられ
て、車体4の側に案内され、上記の左右の巻取りドラム
85、86の中間位置に同軸状に配置された巻取りドラ
ム22に巻き取られ、ここに連結されている。この巻取
りドラム22は、左右のドラム85、86と一体となっ
て回転する。
【0026】ロープガイドローラ21は、支持アーム2
3の先端に回転自在の状態で支持されており、この支持
アーム23は、左右のロープガイドアーム83、84の
旋回中心を規定している支点軸73を中心に旋回可能の
状態となっている。しかるに、この支持アーム23の後
端は、駆動シリンダ24に連結されており、この駆動シ
リンダ24によって、支点軸73を中心として旋回可能
である。支持アーム23が旋回すると、それに伴って、
先端側に支持されているロープガイドローラ21が上下
に揺動して、ここに巻き掛けれらているロープ20を上
下に移動させることになる。このロープ20の上下動に
よって、レーキ5の姿勢が、開口姿勢から閉口姿勢、あ
るいはその逆に切り換わる。
【0027】次に、図3を参照して、本例の除塵機1に
おけるレーキ5の部分の構造を説明する。レーキ5は、
各アーム11、12の下端に連結されたL型の支持アー
ム51、52によって、支持されている。これらの支持
アーム51、52の先端には、支点軸53を中心とし
て、レーキを構成している湾曲した側面形状の本体枠5
4が回転自在に支持されている。この本体枠54の先端
側の部分には、支点軸55を中心として、レーキの鋤刃
56が回転自在に支持されている。ここで、本体枠54
は、図3(A)に示す状態から、支点軸53を中心とし
て矢印Aの方向には、それ以上回転しないように、回り
止め機構(図示せず)が配置されている。同様に、鋤刃
56も、支点軸55を中心として矢印Aの方向にはそれ
以上回転しないように回り止め機構(図示せず)が配置
されている。
【0028】ここで、左右のロープ13、14および中
央のロープ20は、支持アーム51、52の間に支持さ
れているロープガイドローラ57の下側に巻き掛けら
れ、これによってレーキ先端側に案内されている。そし
て、レーキの鋤刃56の支点軸55の上方位置を迂回し
て、その下端部分58に連結されてている。
【0029】この構成のレーキ5は、3本のロープ1
3、14、20によって吊り下げられているので、これ
らの張力によって、レーキを構成している本体枠54お
よび鋤刃56は、図3(A)に示す状態に保持される。
この状態では、鋤刃56が、スクリーンバー3に対し
て、斜め上方に傾斜し、本体枠54はスクリーンバー3
に対してほぼ直角な姿勢となっている。この状態のレー
キ5をスクリーンバー3に沿って上昇させれば、スクリ
ーン3の表面から塵を掬い上げることができる。したが
って、この状態がレーキ5の「閉口姿勢」である。
【0030】ここで、図3(B)に示すように、中央の
ロープ20の下端部分は、左右のロープ13、14と同
様にレーキ5に対して連結されていると共に、レーキ5
の姿勢を変更可能なリンク機構30にも連結されてい
る。このリンク機構30は連結金具31を備え、この上
端がロープ20に連結されている。連結金具31の下端
は回転自在に第1のリンク32に連結され、第1のリン
ク32の下端は、回転自在に、第2のリンク33に連結
されている。この第2のリンク33の他方の端は二股に
分岐しており、分岐した一方の端は回転自在に、レーキ
の本体枠54に連結され、他方の端は、第4のリンク3
4の先端に回転自在に連結されている。この第4のリン
ク34の他端は、レーキの鋤刃56におけるロープ連結
位置58に対して回転自在に連結されている。
【0031】このように構成した本例においては、左右
のロープ13、14をそのままに保持して、中央のロー
プ20のみを引き上げると、リンク機構30の働きによ
り、まず、鋤刃56が、その支点軸55を中心として矢
印B方向に強制的に回転させれらる。鋤刃56のB方向
への回転量は、不図示の回り止め機構によって規制さ
れ、図3(C)で示すように、レーキの本体枠54と平
行な状態で止まる。この状態から、更にロープ20が引
き上げられると、リンク機構30の働きにより、本体枠
54および鋤刃56は、一体となって、本体枠先端の支
点軸53を中心として矢印B方向に旋回する。この結
果、図3(C)において想像線で示すように、スクリー
ン3に対して略平行に立った姿勢となる。この姿勢のレ
ーキ5を引き上げても、スクリーン上の塵を掬い上げる
ことができない。また、図3(A)に示す開口状態のレ
ーキ5の上に溜まっている掬い上げた塵は、図3(C)
に示す姿勢にすることにより放出される。したがって、
この姿勢がレーキの「開口姿勢」である。
【0032】次に、図4を参照して、バランス機構9の
構造を説明する。バランス機構は左右に形成されている
が、同一構成であるので、アーム12の側のバランス機
構を説明する。本例のバランス機構9は、車体4の支持
壁41の側面に取り付けたブラケット91によって回転
自在に支持されているガイドローラ92と、これの下側
を通して巻き掛けられた連結部材93とを備えている。
連結部材93の一方の端は、連結金具94によって、ス
イングアーム72の下面に連結されている。連結部材9
3の他方の端は、連結金具95によって、支持アーム8
4の下面に連結されている。これらの連結位置は、支点
軸73よりも後方側とされている。
【0033】各アーム72、84は、その先端側に下方
に向かう力が常時作用している。したがって、支点軸7
3を中心として矢印Cの方向に旋回する旋回力が作用し
ている。本例では、バランス機構9によって、支点軸7
3よりも後方側の位置において、一方のアームの旋回力
によって、他方のアームの旋回力を抑制する方向に力を
作用させている。したがって、相互の旋回力により、相
互のアームに作用する力の平衡状態が形成される。よっ
て、力学的に安定した構成を実現できる。なお、バラン
ス機構9を、他のリンク機構等によって構成して、本例
ど同様な効果を得るようにすることもできる。
【0034】このように構成した本例の走行式除塵機1
の動作を説明する。
【0035】除塵機1は、初期状態において、3本のロ
ープ13、14、20を巻き取ることにより、アーム1
1、12の先端のレーキ5を引き上げた状態としてあ
る。この状態で、除塵機1をクリーンバー3の所定の位
置まで移動して停止させ、しかる後に、ロープ13、1
4、20を繰り出す。これにより、アーム11、12が
伸びて、その先端のレーキ5がスクリーンバー3に沿っ
て降下する。ここで、スクリーンバー3と、レーキ5の
間隔を調整したい場合には、スイングアーム71、72
を所定の角度だけ旋回すればよい。この動作に応じて、
アーム11、12が揺動して、その先端に連結されてい
るレーキ5が、スクリーンバー3に対して接近、あるい
は離れる方向に移動する。この状態を、図2において想
像線で示してある。したがって、本例では、レーキ5を
任意の位置で昇降させることができ、また、任意の開口
幅で、塵を掬うことができる。
【0036】また、中央のロープ20を支持アーム23
によって引き上げると、図3において説明したように、
レーキ5を、閉口姿勢から開口姿勢に切り換えることが
できる。ロープ20の引上げ量を調整することにより、
これらの姿勢の間の姿勢にもすることができる。したが
って、図2において想像線Dで示すように、塵を掬い上
げたレーキ5を上端まで移動した後、閉口姿勢に切り換
えることにより、レーキ5に捕捉されている塵を、簡単
に、バケット45内に放出することができる。また、レ
ーキ5の昇降が円滑に出来ない場合等においても、開口
姿勢から閉口姿勢に切り換えることにより、レーキの昇
降を速やかに行うことができる。
【0037】(第2の実施例)図5、6、7には、本発
明の第2の実施例を示してある。本例の全体的な構造
は、上記の第1の実施例と同一であるが、アーム11、
12とレーキ5との連結部分に工夫を凝らし、レーキ5
を、スクリーンバー表面に対して、三次元的に前後、左
右に姿勢を変更できるようにした点が異なっている。し
たがって、以下の説明では、この異なる部分の構造のみ
を説明し、それ以外の部分の説明は省略する。
【0038】アーム11、12の下端においてレーキ5
を支持している支持アーム51、52は、調芯軸受20
1、202を介して、レーキ5に連結されている。ま
た、これらの支持アーム51、52は、中間の位置にお
いて、2分割されて、レーキ側の先端アーム片511、
521と、アーム側のアーム片512、522から構成
されている。先端アーム片511とアーム片512は、
ピン継ぎ手513を介して連結され、先端アーム片51
1は、このピン継ぎ手513を中心として、左右に旋回
可能となっている。同様に、先端アーム片521とアー
ム片522もピン継ぎ手523を介して連結され、先端
アーム片521は左右に旋回可能となっている。したが
って、レーキ5は、左右に揺動可能な状態となってい
る。
【0039】また、左右のアーム片512、522は、
相互に連結機構210を介して連結されている。この連
結機構210は、各アーム片512、522の裏面に取
付けたブラケット211、212によって支持されてい
る第1の軸213、214と、これらの軸の先端に取り
付けた連結用ブラケット215、216と、これらの連
結用ブラケット215、216を相互に連結している連
結軸217を有している。ここで、連結用ブラケット2
15、216は、第1の軸213、214に対して、そ
れらの軸線に直交する方向に延びており、また、これら
の第1の軸に対して回転自在に連結されている。これら
のブラケット215、216を連結している連結軸21
7は、第1の軸213、214と平行に配置されている
と共に、両端が回転自在の状態でブラケット215、2
16に支持されている。
【0040】このように構成した連結機構210によっ
て連結されている左右のアーム片512、522は、ス
クリーンバー3に対して相対的に前後に移動可能となっ
ている。
【0041】したがって、本例においては、レーキ5
は、スクリーンバー3の表面に対して、前後および左右
に移動可能な状態でアーム11、12によって支持され
ている。したがって、レーキ5を、スクリーンバーの表
面に対して正確に平行な状態に位置決めできなくても
(例えば、レーキ5の左右におけるスクリーンバー表面
に対する開口幅が異なっていても)、ロープによって支
持されているレーキ自体の自重や塵の重量により、レー
キ5は自動的に、スクリーンバーの表面に追従するよう
に移動して、正しく位置合わせされた状態にもなるし、
スクリーンバーに対して斜めに作動させることもでき
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の除塵機
は、伸縮自在なアームによってレーキを支持すると共
に、このレーキを、閉口姿勢の状態に保持した状態で、
昇降用ロープによって吊り下げるようにしている。ま
た、昇降用ロープを、ロープ巻取り機構を用いて巻取り
・繰り出すことにより、伸縮自在なアームを伸縮させな
がら、レーキの昇降を行うようにしている。さらに、ア
ームを、その上端側を中心としてスクリーンバーに対し
て前後に揺動させることにより、当該アームに取付けら
れているレーキのスクリーンからの間隔を変更するよう
にしている。したがって、本発明によれば、アームおよ
びロープを併用してレーキの支持機構を構成してあるの
で、レーキを深い場所に対しても簡単に降下させて塵の
掬い上げを行うことができ、また、その構成部材である
アームを前後に揺動させることにより、簡単に、レーキ
のスクリーンバー表面に対する間隔を調整することがで
きる。
【0043】また、本発明は、このように伸縮自在なア
ームおよび昇降用ロープによりレーキを支持した構成の
除塵機において、更に、レーキに連結された姿勢変更用
ロープと、このロープを上下に移動させる移動機構とを
備え、ロープの上下に連動して、レーキの姿勢を、塵を
掬い上げ可能な閉口姿勢と、塵を放出可能な開口姿勢、
およびこれらの間の姿勢に切り換えることができるよう
にしてある。したがって、レーキにより掬い上げた塵の
放出、レーキの昇降動作等を円滑に行うことができる。
【0044】さらに、本発明では、レーキを、スクリー
ンバー表面に対して、三次元的に前後および左右に移動
可能に支持した構成を採用している。したがって、レー
キを正確にスクリーンバーに位置合わせしなくとも、レ
ーキを自動的にスクリーン表面に追従した姿勢にするこ
とができ、塵の掬い上げ動作等を常に確実に行うことが
可能になる。
【0045】さらにまた、本発明の除塵機においては、
アームの揺動機構の構成部材であるスイングアームと、
ロープ巻取り機構の構成部材であるローラ支持アーム部
材とを、これらに対して作用する旋回力を、それぞれ他
方の側の旋回力を抑制するように、相互に伝達可能な力
伝達部材を介して連結した構成としてある。したがっ
て、双方の部材に作用する力が、相互にバランスを取り
合うことにあるので、力学的に安定した機構を構成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である走行式除塵機の構
成を示す概略正面図である。
【図2】図1の除塵機の概略側面図である。
【図3】図1の除塵機のレーキの姿勢変更のための機構
を示す図であり、(A)はレーキが開口姿勢にある状態
を示す説明図、(B)はレーキの姿勢を変更するための
リンク機構の部分を示す説明図、(C)はレーキが閉口
姿勢に切り換わる状態を示す説明図である。
【図4】図1の除塵機のバランス機構を示す概略側面図
である。
【図5】本発明の第2の実施例である除塵機におけるア
ームとレーキの連結部分を示す部分側面図である。
【図6】図5の矢印Zの方向から見た矢視図であり、中
心を境にして、一方の側にレーキ開口姿勢の状態を示
し、他方の側にレーキ閉口姿勢の状態を示してある。
【図7】図6に示すレーキが移動した状態を示すための
説明図である。
【符号の説明】
1・・・除塵機 3・・・スクリーンバー 4・・・車体 5・・・レーキ 6・・・支持機構 7・・・アーム揺動機構 11、12・・・昇降用ロープ 13、14・・・伸縮自在なアーム 20・・・姿勢変更用ロープ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用水路等に設置されているスクリーンバ
    ーに沿ってレーキを上下させて、当該スクリーンに捕捉
    された塵を掬い上げて除去する除塵機において、 レーキが下端部分に取付けられている伸縮自在なアーム
    と、 アームに取付けられたレーキを、塵の掬い上げのできる
    姿勢に保持した状態で吊り下げている昇降用ロープと、 レーキを昇降させるために昇降用ロープの巻取り・繰り
    出しを行うロープ巻取り機構と、 アームを、その上端側を中心としてスクリーンバーに対
    して前後に揺動させることにより、当該アームに取付け
    られているレーキのスクリーンバーからの距離を変更可
    能なアーム揺動機構を有することを特徴とする除塵機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、更に、レーキの姿勢
    を変更可能な姿勢変更機構を有し、この姿勢変更機構
    は、レーキに連結された姿勢変更用ロープと、このロー
    プを上下に移動させる移動機構とを備え、ロープの上下
    に連動して、レーキの姿勢が、塵を掬い上げ可能な閉口
    姿勢と、塵を放出可能な開口姿勢、およびこれらの間の
    姿勢に切り換わるようになっていることを特徴とする除
    塵機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、レーキを左
    右両端で支持している2本の昇降用ロープと、同じくレ
    ーキを左右両端で支持している2本の前記アームとを有
    し、 各アームは、レーキが自在継ぎ手を介して取付けられて
    いる下端アーム部分と、この下端アーム部分を、左右へ
    の回転が可能な軸継ぎ手を介して、支持しているアーム
    本体部分とを備えており、 各アームの前記アーム本体部分の下端部分は、連結機構
    を介して、前後に相対移動が可能な状態で相互に連結さ
    れていることを特徴とする除塵機。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3において、前記揺
    動機構は、一方の端がアームに連結されているスイング
    アームと、このスイングアームの旋回中心を規定してい
    る固定支持部と、この旋回中心を挟み他方の端に連結さ
    れ、当該スイングアームを揺動させるための駆動源とを
    備えており、 前記ロープ巻取り機構は、アームの上端側に取り付けた
    ロープガイドローラと、このガイドローラを先端で支持
    していると共に、前記の固定支持部によって旋回可能に
    支持されているローラ支持部材と、ロープガイドローラ
    を介してロープの巻取り・繰り出しを行うワイヤードラ
    ムとを備えており、 前記スイングアームと前記ローラ支持部材とは、これら
    に対して作用している旋回力を、それぞれ他方の側の旋
    回力を抑制するように、相互に伝達可能な力伝達部材を
    介して連結されていることを特徴とする除塵機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100477312B1 (ko) * 2002-04-16 2005-03-22 동광기전공업(주) 자동 유압식 더블암 제진기
CN109898485A (zh) * 2019-04-08 2019-06-18 东莞方凡智能科技有限公司 一种水利发电站用水中垃圾清理装置
KR102547336B1 (ko) * 2023-01-20 2023-06-22 동근한 저부 협잡물 제거 기능 및 틸팅센서를 이용한 자동 복구 시스템을 구비한 버킷형 로터리 제진기

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