JP2006262716A - 草刈機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機体後部に原動部を備えた走行機体の後部に、モーアからの刈草を回収する集草装置を前記原動部に重複して配備した草刈機において、労力少なく集草装置を移動させて原動部のメンテナンスを行うことができるようにする。
【解決手段】 集草装置8を下部支点cを中心にして前後に自由揺動可能に走行機体3に連結支持し、集草装置8が原動部7に重複する所定の集草姿勢と後方地面近くまで退避させた後方開放姿勢とに切換え可能に構成するとともに、集草装置8を前記集草姿勢と後方開放姿勢との中間となる中間開放姿勢に切換え保持する揺動規制手段を規制解除可能に備えてある。
【選択図】 図8

Description

本発明は、機体後部に原動部を備えた走行機体の後部に、モーアからの刈草を回収する集草装置を原動部に重複して配備した草刈機に関する。
上記草刈機の集草装置としては、原動部の左右両側に、モーアからの刈草を回収する集草バッグを配備するとともに、これら集草バッグの上方に亘って案内カバーを設け、この案内カバー内に飛散投入されてきた刈草を各集草バッグに導くよう構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第4723398号明細書
上記した従来の草刈機においては、集草装置が原動部に重複して配置されているために、エンジンボンネットを開放して原動部のメンテナンをの行う際には集草装置を移動あるいは取外す必要がある。このメンテナンスが草刈作業の途中などにおいて行う必要が生じた場合、収集した刈草で重くなった集草装置を動かすことになり、大きな労力を必要とするものであった。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、労力少なく集草装置を移動させて原動部のメンテナンスを行うことができるようにすることを主たる目的としている。
第1の本発明に係る草刈機は、機体後部に原動部を備えた走行機体の後部に、モーアからの刈草を回収する集草装置を前記原動部に重複して配備した草刈機において、
前記集草装置を下部支点を中心にして前後に自由揺動可能に前記走行機体に連結支持し、集草装置が原動部に重複する所定の集草姿勢と後方地面近くまで退避させた後方開放姿勢とに切換え可能に構成するとともに、集草装置を前記集草姿勢と後方開放姿勢との中間となる中間開放姿勢に切換え保持する揺動規制手段を規制解除可能に備えてあることを特徴とする。
上記構成によると、集草装置を集草姿勢から中間開放姿勢にまで揺動して保持すれば、原動部をある程度開放することができ、冷却水の補給やエアークリーナのエレメント交換などの原動部の通常のメンテナンスを行うことができる。また、メンテナンスの後に集草装置を元の集草姿勢にまで復帰揺動させる場合、中間開放姿勢の集草装置はあまり下方にまでは降ろされていないので、集草姿勢への復帰揺動は比較的軽く行うことができ、集草装置に刈草が溜められたままの状態でも、労力少なく集草装置を復帰揺動させることができる。
また、原動部に大掛かりなメンテナンスを行うような場合には、揺動規制手段を規制解除して集草装置を後方開放姿勢にまで大きく揺動させ、原動部の周囲に広い作業空間を形成することができる。
従って、第1の発明によると、労力少なく集草装置を移動させて原動部のメンテナンスを行うことができる。
第2の本発明に係る草刈機は、第1の発明において、
前記揺動規制手段を、前記集草装置の上部と前記走行機体の上部との間に牽制部材を架設して構成し、この牽制部材の伸展限界状態で集草装置が前記中間開放姿勢に保持され、牽制部材の一端を走行機体あるいは集草装置から連結解除することで集草装置の前記後方開放姿勢への揺動が許容されるよう構成してあるものである。
上記構成によると、牽制部材の伸展した長さの設定によって中間開放姿勢が決定されることになり、所望の中間開放姿勢を任意に設定することが容易となる。
第3の本発明に係る草刈機は、第2の発明において、
前記牽制部材をワイヤで構成してあるものである。
上記構成によると、第2の発明を簡単かつ安価に実施することができる。
第4の本発明に係る草刈機は、第2または第3の発明において、
前記原動部の前方に転倒保護フレームを立設し、この転倒保護フレームに前記牽制部材の前端を連結してあるものである。
上記構成によると、後方に自重揺動しようとする集草装置を強度の高い転倒保護フレームで支持するので、集草装置を所望の中間開放姿勢に強固に保持することができる。
第5の本発明に係る草刈機は、第1〜4のいずれか一つの発明において、
前記集草装置を、モーアからの刈草を前記原動部の左右に配備された集草部に上方から分配投入するよう構成してあるものである。
上記構成によると、収集した刈草の重量を原動部横側の低い位置で支持することができ、機体重心を低くしながら収集容量を多くすることができ、ゴルフ場などの傾斜の大きい草地でも安定して走行することができる。
図1に、本発明に係る草刈機の全体側面が、また、図2にその平面がそれぞれ示されている。この草刈機は、キャスタ輪に構成された左右一対の前輪1と駆動される左右一対の後輪2を備えた走行機体3における前後輪間の下腹部に、前リンク4a、後リンク4b、および、下部連結リンク4cとからなる左右一対の四連リンク構造のリンク機構4を介してモーアMが昇降自在に吊り下げ支持された構造となっており、リンク機構4を油圧シリンダ5によって昇降作動させることで、モーアMを略平行に昇降することができるよう構成されている。走行機体3の後部にはエンジン6を収容した原動部7が後輪2より後方に突出して配備され、この原動部7を跨ぐように刈草回収用の集草装置8が重複装備されている。また、原動部7の前部に運転座席9が配備されるとともに、運転座席9と原動部7の間に門形の転倒保護フレーム10が立設されている。
詳細な構造の説明は省略するが、前記エンジン6の出力はカウンターケース11に入力されて走行系と作業系とに分岐され、走行系の動力はカウンターケース11の左右両側に配備された図示されない左右一対の油圧式の無段変速装置(HST)に入力され、各無段変速装置の変速出力がそれぞれ減速ケース12を介して左右の後輪2に各別に伝達されるようになっている。そして、左右の後輪2を各別に駆動する左右の無段変速装置は、運転座席9の左右両脇に前後揺動操作可能に配備された左右一対の走行レバー13を各別に変速操作することで、左右の後輪2をそれぞれ独立して無段階に前後進変速するよう構成されており、左右の走行レバー13の操作具合によって直進前後進、左右後輪2に速度差をつけての旋回、一方の後輪2を停止させてのピボットターン、および、左右後輪2を互いに逆駆動してのスピンターン、等を任意に行うことができるようになっている。また、分岐された作業系の動力は、カウンターケース11の前面下部に突設されたPTO軸14から前方に向けて出力され、モーアMに伝達されるようになっている。
図3に示すように、前記モーアMは、下向きに開放されたデッキ15の内部に、縦軸心周りに同方向に回転駆動される3枚のバーブレード16,17,18が左右に並んで軸支された構造となっており、各バーブレード16,17,18で切断された刈草はデッキ右方向に向けて跳ね飛ばし搬送されてデッキ右端から排出されるようになっている。
そして、前記PTO軸14から取り出された作業用動力が、デッキ15の中央上面に配備されたベベルギヤケース19に、屈曲および伸縮可能な軸伝達機構20を介して伝達され、ベベルギヤケース19で縦軸回転に変換された回転動力が中央のバーブレード17の回転軸17aに伝達されるとともに、この回転軸17aと左右のバーブレード16,18の回転軸16a,18aとがベルト21によって巻き掛け連動され、バーブレード16,17,18における回転軌跡の前半部が刈草排出側である右方向に向かうように、バーブレード16,17,18が同方向(上面視で時計回り方向)に回転駆動されるようになっている。なお、デッキ15の周囲には障害物乗り越え用の遊転輪(アンチスキャルプローラ)22が配備されている。
モーアMにおけるデッキ15の右端部には、排出されてきた刈草を機体後部の集草装置8に向けて強制搬送するためのブロアBが脱着自在に装着されている。このブロアBは、ケーシング23に縦軸心周りに回転自在に内装した回転羽根24の回転軸25と、右側の回転ブレード18の回転軸18aとを、テンションクラッチ付きの第1ベルト伝動機構26および自動テンション付きの第2ベルト伝動機構27を介して連動連結して構成されており、前記ケーシング23の刈草搬送用のダクト28の前端が差し込み連結されている。
集草装置8は、前記ダクト28を介して案内揚送されてきた刈草を前記原動部7の左右に装着した2つの集草部30に回収するよう構成されたものであり、以下のようにして機体後部に支持されている。
前記転倒保護フレーム10における左右支柱部位の基部付近と原動部7の下部に位置するエンジン搭載フレーム31とに亘ってパイプ材からなる左右一対の集草フレーム32がピン連結されており、図5,6に示すように、左右の集草フレーム32の上部に亘って横架した横フレーム32aから4本の支持アーム33が後ろ向きに延出され、左右2本づつの支持アーム33によって支持された集草部30が原動部7の左右に振り分けて配備されている。また、前記ダクト28の後端が右寄り箇所において脱着自在に連結され、かつ、下向きに開放された案内カバー34が、前記集草フレーム32の上部に支点c周りに上下に揺動開閉自在に取り付けられている。
集草部30は通気性の高い布材あるいは網材で角形バッグ状に縫製されており、その上端開口縁に金属棒からなる芯枠35を装着してバッグ口縁を矩形に保持するよう構成されている。そして、芯枠35で保形された口縁を2本の支持アーム33の上面に載せつけ支持させるとともに、降ろされた前記案内カバー34の下端縁でバッグ口縁を上から支持することで、集草部30の浮き上がり移動が阻止されるようになっている。
なお、案内カバー34の基部に備えられたヒンジ金具36と集草フレーム32の上部とに亘ってガススプリング37が架設されており、案内カバー34が閉じられた状態ではガススプリング37の伸長力によって案内カバー34が閉じ方向に軽く揺動付勢され、案内カバー34を少し持上げ揺動するとガススプリング37の伸長力がデッドポイント越えて反転作用し、案内カバー34が持上げ揺動方向に付勢され、図7に示すように、所定の開放姿勢に持上げ保持されるようになっている。
また、案内カバー34の後面下部には突起34aが膨出形成されており、ガススプリング37によって開放姿勢に持上げ保持された案内カバー34を閉じる際に、この突起34aに手を掛けて引き降ろし操作することができるようになっている。
図5に示すように、前記支持アーム33は、原動部7より少し高い位置に配備されており、この原動部7に被さるように内側2本の支持アーム33に亘って底板38が架設されている。この底板38は、案内カバー34が降ろされた状態において、案内カバー34の内部にトンネル状に刈草通路を形成するものであり、ダクト28を介して案内カバー34の右側に投入された刈草が案内カバー34で案内されて左右の集草部30に導かれるようになっている。また、図4に示すように、案内カバー34の内部に吹き込まれた刈草搬送風は、案内カバー34の後半部内面に形成されたメッシュ状の排風口39から膨出形成された排風路40に抜き出されて後部下方に排出されるようになっている。
また、集草フレーム32と転倒保護フレーム10とのピン連結を解除して、集草装置8を集草フレーム32の基端におけるピン連結点eを中心にして後方に揺動することで、原動部7の周囲を開放することができるようになっている。
また、集草フレーム32の上部と転倒保護フレーム10とに亘って牽制部材としてのワイヤ41が架設ており、このワイヤ41を架設したままで集草装置8を後方に揺動させると、図8に示すように、集草装置8が完全に地上まで下ろされない中間開放姿勢でワイヤ41が伸びきってその姿勢が保持されるように、ワイヤ41の長さが設定されている。
前記ワイヤ41は、その前端または後端において転倒保護フレーム10あるいは集草フレーム32から連結解除することができ、ワイヤ端部の連結を解除して集草装置8を後方に揺動させると、図9に示すように、集草装置8が完全に地上まで下ろすことができる。なお、この場合、集草装置8に予め備えられたスタンド42が接地することになる。
従って、原動部7における比較的簡単なメンテナンス、例えば、冷却水の補給やエアークリーナのエレメント交換、などを行う場合には、図8に示すように、ワイヤ41を架設したままで集草装置8を中間開放姿勢まで揺動させる。この中間開放姿勢では、元の集草姿勢への持ち上げに要する力は小さくてすみ、集草部30に刈草が貯められた状態でも比較的容易に持ち上げ揺動することができる。
そして、原動部7に大がかりなメンテナンスを行う場合には、図9に示すように、ワイヤ41の前端を転倒保護フレーム10から外した上で、集草装置8をスタンド42が接地するまで後方に大きく揺動させることで、原動部7の周囲を大きくあけた後方開放姿勢に保持することができる。
前記転倒保護フレーム10は、走行機体3の後部左右に立設固定された下部フレーム部分10aと、その上端部に支点f周りに後方へのみ回倒可能に枢支連結された門形の上部フレーム部分10bとで構成されており、図1中の仮想線で示すように、上部フレーム部分10bだけを後方に折り込むことで、枝の張り出た樹木の周りの草刈を行うことができる。なお、案内カバー34に排風路40を形成するためにカバー上面に形成された膨出部分は、後方に回倒された上部フレーム部分10bの干渉を避ける形状に形成されており、上部フレーム部分10bを案内カバー34の膨出部分に邪魔されることなく大きく回倒することができるようになっている。
〔別実施例〕
(1)上記実施例では、集草装置8の後方揺動を制限する牽制部材としてワイヤ41を利用しているが、屈伸リンクを利用することもできる。
(2)集草装置8の後方揺動を制限する手段としては、上記のようにワイヤや屈伸リンクなどの牽制部材41を利用して集草フレーム32の揺動を制限する他に、例えば、集草フレーム32を枢支したエンジン搭載フレーム31にストッパピンを脱着自在に装着して、後方揺動する集草フレーム32をストッパピンで受止めて前記中間開放姿勢の保持し、ストッパピンを抜き取ることで後方開放位置まで揺動できるようにすることもできる。
(3)集草装置8の集草形態は、上記のように左右のバッグ構造の集草部30を利用する他に、原動部7の上に剛体の集草容器を重複配備する形態で実施することも可能である。
草刈機の全体側面図 草刈機の全体平面図 モーアの平面図 集草装置の側面図 集草装置の縦断背面図 集草部の分解斜視図 案内カバーを開放した集草装置の側面図 集草装置を中間開放姿勢に倒した状態の機体後部を示す側面図 集草装置を後方開放姿勢に倒した状態の機体後部を示す側面図
符号の説明
3 走行機体
7 原動部
8 集草装置
10 転倒保護フレーム
30 集草部
41 牽制部材
M モーア

Claims (5)

  1. 機体後部に原動部を備えた走行機体の後部に、モーアからの刈草を回収する集草装置を前記原動部に重複して配備した草刈機において、
    前記集草装置を下部支点を中心にして前後に自由揺動可能に前記走行機体に連結支持し、集草装置が原動部に重複する所定の集草姿勢と後方地面近くまで退避させた後方開放姿勢とに切換え可能に構成するとともに、集草装置を前記集草姿勢と後方開放姿勢との中間となる中間開放姿勢に切換え保持する揺動規制手段を規制解除可能に備えてあることを特徴とする草刈機。
  2. 前記揺動規制手段を、前記集草装置の上部と前記走行機体の上部との間に牽制部材を架設して構成し、この牽制部材の伸展限界状態で集草装置が前記中間開放姿勢に保持され、牽制部材の一端を走行機体あるいは集草装置から連結解除することで集草装置の前記後方開放姿勢への揺動が許容されるよう構成してある請求項1記載の草刈機。
  3. 前記牽制部材をワイヤで構成してある請求項2記載の草刈機。
  4. 前記原動部の前方に転倒保護フレームを立設し、この転倒保護フレームに前記牽制部材の前端を連結してある請求項2または3に記載の草刈機。
  5. 前記集草装置を、モーアからの刈草を前記原動部の左右に配備された集草部に上方から分配投入するよう構成してある請求項1〜4のいずれか一項に記載の草刈機。
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