JPH0867682A - ニトロイミダゾール担持ポルフィリン誘導体とその用 途 - Google Patents

ニトロイミダゾール担持ポルフィリン誘導体とその用 途

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JPH0867682A
JPH0867682A JP6240480A JP24048094A JPH0867682A JP H0867682 A JPH0867682 A JP H0867682A JP 6240480 A JP6240480 A JP 6240480A JP 24048094 A JP24048094 A JP 24048094A JP H0867682 A JPH0867682 A JP H0867682A
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nitroimidazole
cancer
porphyrin
vinyl
kadt
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JP6240480A
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Isao Sakata
功 阪田
Susumu Nakajima
進 中島
Koichi Koshimizu
弘一 小清水
Hiroyuki Takada
弘之 高田
Yasushi Inui
裕史 乾
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Toyo Hakka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Toyo Hakka Kogyo Co Ltd
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ポルフィリン誘導体の癌親和性を
利用し、ニトロイミダゾール系化合物を結合させた癌指
向性ポルフィリン誘導体で、核磁気共鳴診断(MRI)
造影剤あるいは光物理化学的療法(PDT)のための増
感剤と放射線治療のための増感剤を同時に兼ね備えた薬
剤の提供を目的とする。 【構成】 本発明は、ニトロイミダゾール類とポルフィ
リン誘導体および種々のスペーサーを介したポルフィリ
ン誘導体との結合体で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポルフィリン誘導体と
その用途、癌の診断・治療を行うためのミサイル的役割
を果たす担体、特に新規な金属ポルフィリン誘導体を担
体としたニトロイミダゾール類結合体を有効成分とする
核磁気共鳴(MRI)あるいは光物理化学(PDT)お
よび/または放射線照射による癌の診断および/または
治療に用いる薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】癌の新しい診断・治療法として光物理化
学的蛍光診断・治療[Photodynamic Di
agnosis and Therapy(PDD
T)]が行われている。これはある種のポルフィリン化
合物を静脈注射などの方法により投与し、癌組織に保持
させた後、レーザー光を照射して癌組織のみを選択的に
蛍光診断し破壊するというものである。PDDTは、ポ
ルフィリンの癌組織に保持される時間が正常組織に比べ
て長いという性質と光増感作用を持つという2つの性質
を利用している。過去13年間に世界中で3000人以
上の人々がPDDTによる悪性腫瘍の治療を受けてお
り、癌治療法の1つとして定着しつつある。PDDTに
より良好な治療成績が報告されている癌種は、脳腫瘍、
網膜癌、皮膚癌、食道癌、表在性膀胱癌、初期の肺癌な
ど多岐に亙っている。また最近は、内視鏡を用いた蛍光
診断にも利用されるようになった。
【0003】我々もこれらポルフィリンが持つ諸性質
(癌親和性、蛍光性、殺細胞性)を考慮に入れ750種
以上の誘導体を合成し、特許出願してきた。そして癌組
織集積性とポルフィリンの化学構造の関係を明らかにし
た。[Modern Medicine、1993、7
月号(朝日新聞社発行)]そして特開昭62−1740
79を初め、ポルフィリン関連化合物として16の特許
出願し、癌の光物理化学的蛍光診断・治療剤、放射性診
断剤、核磁気共鳴造影剤および中性子捕捉療法剤を提供
してきた。
【0004】放射線照射治療は癌の治療法の一つとして
手術療法や化学療法と共に確立された治療法である。し
かしながらこれにも問題がある。腫瘍内には低酸素細胞
が20%前後含まれているといわれている。この低酸素
細胞は正常酸素存在細胞に比べて2〜3倍ほど放射線に
対して抵抗性を示すことから、腫瘍中の低酸素細胞の存
在が治療成績の向上を妨げ再発の主原因となっている。
そこで、低酸素状態の細胞の放射線感受性を選択的に高
める薬剤の開発が行われてきた。その内、電子親和性の
大きいニトロアゾール系誘導体、なかでもニトロイミダ
ゾール類は低酸素培養細胞に対する増感活性が高く、代
謝速度が早く、生体中で安定であることから優れた放射
線増感剤であると考えられている。現在ミソニダゾール
をはじめとする種々のニトロイミダゾール系薬剤が開発
されている。
【0005】しかしながら、低酸素細胞増感剤の代表化
合物の一つであるミソニダゾールは、動物移植腫瘍実験
において無添加時の約2倍の効果を示したが、強い神経
毒性のため、有効量の投与が困難であり人体適用時には
増感効果が認められなかった。「癌と化学療法、第8
巻、1659(1981)」一方、特定の位置にフッ素
原子を導入した化合物は、ミミック効果や代謝阻害作用
および脂溶性の増加などの利点が見られるため医薬品へ
の応用が期待されている。したがって、この考えを基に
含フッ素ニトロイミダゾールが開発された。「Int.
J.RadiationOncology Biol.
Phys.,Vol.16,1045(1989),i
bid.,Vol.20,1249(1991)、特開
平2−76861号」しかし、放射線の増感効果を上げ
て神経毒性の軽減化が計られたにもかかわらず、依然と
して増感効果は不十分であった。これはイミダゾール系
薬剤が生体内全体に分布し、癌のみに集積しないからで
あった。すなわち癌集積性が認められない薬剤である。
【0006】現在癌の診断や治療に用いられようとして
いるモノクローナル抗体は最も期待されたミサイル療法
である。しかしこの方法では当初考えられたほど抗体が
癌組織に集積性を示さず、抗体が高分子量であるため
に、臨床例で高率にその抗体に対する抗体すなわちHA
MA現象が生じることが明らかになった。そして大きな
壁にぶつかって進展を阻まれている。一方スマンクスに
代表される高分子に制癌剤などを結合させて治療を行う
方法にも限界があり(動脈注射法では良好な成績が見ら
れる、しかし静脈投与ではそれほどでもない)、難し
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、側鎖末
端に不斉炭素不含−NH基を有するポルフィリン化合
物とニトロイミダゾール系薬剤を結合させれば、癌の新
規な診断・治療剤を提供できるのではないかと考え、種
々研究を重ねた。
【0008】
【問題を解決するための手段】その結果、前願物質(特
開平6−157791号)に従ってプロトポルフィリン
より合成誘導体化してホルミル化後、アミノ基に化学転
換して末端アミノ基担持ポルフィリン誘導体を得る。得
られた本担体とニトロイミダゾール類を結合させれば癌
組織に対して優れた集積性を示す放射線増感剤になるこ
とを見い出した。なお、本誘導体は前々願(特願平4−
276488号)の「発明の詳細な説明」の項で述ベた
1)アルブミンテスト 2)ダンシルメチオニンテス
ト 3)蛍光強度及び燐光寿命測定の結果よりMRI、
PDTあるいは放射線増感剤に利用できることが判っ
た。
【0009】本発明は上記の知見に基づいて完成された
ものであって、その要旨は一般式
【化2】 [式中、RはOHまたはアミノ酸からHを除いた残基、
Xは0あるいは1、Xが1のときnは1あるいは5、M
はMn、CoあるいはZn)で示される金属ポルフィリ
ン化合物(但し式中、ポルフィリン骨格の4つのピロー
ル環のうちA及びB環の側鎖の官能基がそれぞれ入れ替
わった位置異性体も含む。)を表わす。
【0010】上記各記号の意味に関して使用された「ア
ミノ酸」なる語は必須アミノ酸を示し、好ましくはアス
パラギン酸やグルタミン酸を挙げることができる。
【0011】本発明のニトロイミダゾール系ポルフィリ
ン化合物は新規物質であり、自体常套の方法によってこ
れを製造することができる。一般式に対応するXが0の
場合のアミノ基担持ポルフィリン化合物にあっては、ま
ずプロトポルフィリンジメチルエステルの光酸化を行い
(工程a)、還元・酸化(工程b)、金属錯体化(工程
c)および加水分解(工程d)後金属ホルミルポルフィ
リン体を得る。ついで、末端NH基に誘導体化する工
程へ進む。すなわち、上記金属ホルミル体にオキシム化
(工程e)を行い、還元(工程f)処理すればよい。な
お、加水分解工程(d)は各種工程の前後を問わず、必
要に応じ調製して良い。
【0012】また、一般式に対応するXが1の場合のア
ミノ基担持ポルフィリン化合物にあっては、先の工程f
で得られた金属アミノ誘導体の末端側鎖を増加させる役
割の広義のアミノ酸すなわちグリシン(n=1)やアミ
ノカプロン酸(n=5)などをアミド結合(工程g)後
炭素数を増加させればよい。(増炭化)なお、Rがアミ
ノ酸残基の場合には引き続いてアミド結合(工程h)さ
せればよい。
【0013】かくして上記で得られた末端アミノ基担持
ポルフィリン各誘導体についてカルボン酸残基を持つニ
トロイミダゾール誘導体を反応させアミド化(工程i)
を行い目的物を得る。
【0014】構成工程(a、b、cおよびd)はJ.
E.Falk著[Porphyrins and Me
talloporphyrins](Elsevier
発行、1975年)およびD.Dolphin著[Th
e Porphyrins](Academic Pr
ess発行、1978年)等に記載された常套の方法に
よってこれを行うことができる。また各工程は前願物質
(平6−157791号)の場合と同様に処理して目的
担体である末端アミノ基担持ポルフィリン誘導体を製造
する。さらに、以上によって得られたNH基の官能基
を持つポルフィリン誘導体にニトロイミダゾール化(工
程i)を行った。
【0015】上記担体を用いて更に癌の診断剤や治療剤
として利用するには、以下に代表例を挙げてニトロイミ
ダゾール剤結合ポルフィリン誘導体の調製を具体的に説
明する。例えば、前願で得られた化合物2−アミノメチ
ル−4−ビニル−Mn−デューテロポルフィリンジメチ
ルエステル(以下NH−Mn−DP−Meと言う)を
メタノール等の有機溶媒に溶解し、トリエチルアミンな
どの適当な弱塩基を添加後、3−(2’−ニトロイミダ
ゾール)−2,2−ジフルオロプロピオン酸メチルを加
え、室温撹拌下に反応させ、精製後ニトロイミダゾール
担持ポルフィリン誘導体(1)を得た。その具体例とし
ては以下のものを挙げることができる。
【0016】(1)2−[3−(2’−ニトロイミダゾ
ール)−2,2−ジフルオロエチルカルバモイルメチ
ル]−4−ビニル−Mn−デューテロポルフィリン[以
下NOImida−NH−Mn−DP(KAD
T−F1)と言う] (2)2−[3−(2’−ニトロイミダゾール)−2,
2−ジフルオロエチルカルバモイルメチル]−4−ビニ
ル−Zn−デューテロポルフィリン[以下NO
mida−NH−Zn−DP(KADT−F2)と言
う] (3)2−[3−(2’−ニトロイミダゾール)−2,
2−ジフルオロエチルカルバモイルメチル]−4−ビニ
ル−Co−デューテロポルフィリン[以下NO
mida−NH−Co−DP(KADT−F3)と言
う] (4)2−[3−(2’−ニトロイミダゾール)−2,
2−ジフルオロエチルカルバモイルメチル]−4−ビニ
ル−Mn−デュ−テロポルフィニル−6,7−ビスアス
パラギン酸[以下NOImida−NH−Mn
−DP−Asp(KADT−F4)と言う] (5)2−[3−(2’−ニトロイミダゾール)−2.
2−ジフルオロプロピオニルグリシルアミノメチル]−
4−ビニル−Mn−デュ−テロポルフィリン[以下NO
Imida−GlyNH−Mn−DP(KADT
−F5)と言う] (6)2−[3−(2’−ニトロイミダゾール)−2,
2−ジフルオロプロピオニルグリシルアミノメチル]−
4−ビニル−Mn−デュ−テロポルフィニル−6,7−
ビスアスパラギン酸[以下NOImida−Gl
yNH−Mn−DP−Asp(KADT−F6)と言
う] (7)2−[3−(2’−ニトロイミダゾール)−2,
2−ジフルオロプロピオニルアミノカプロニルアミノメ
チル]−4−ビニル−Mn−デュ−テロポルフィリン
[以下NOImida−CapNH−Mn−DP
(KADT−F7)と言う] (8)2−[3−(2’−ニトロイミダゾール)−2,
2−ジフルオロプロピオニルアミノカプロニルアミノメ
チル]−4−ビニル−Mn−デュ−テロポルフィニル−
6,7−ビスアスパラギン酸[以下NOImid
a−CapNH−Mn−DP−Asp(KADT−F
8)と言う]
【0017】本発明によるポルフィリン誘導体の医薬品
製剤の製造は自体公知法により行われ、本発明による誘
導体を適当な緩衝液で溶解するだけでよい。好適な添加
物として例えば医薬的に容認できる溶解補助剤(例えば
有機溶媒)、pH調製剤(例えば酸、塩基、緩衝液)、
安定剤(例えばアスコルビン酸)、賦形剤(例えばグル
コース)、等張化剤(例えば塩化ナトリウム)などが配
合されてもよい。
【0018】本発明による薬剤はポルフィリン系薬剤と
しての必要十分な特性すなわち燐光寿命、アルブミンに
対する親和性、特定臓器特に癌に対する特異的集積性、
殺細胞効果、水溶性、純度などを充分満足しているもの
である。本発明による薬剤の良好な水溶性は、高濃度溶
液(30mg/ml)の製造を可能とし、更に本発明に
よる薬剤は試験管内だけでなく生体内でも高い安定性を
示す。
【0019】
【作用】本発明にかかるポルフィリン化合物は、ポルフ
ィリン骨格の側鎖末端に、ニトロイミダゾール残基を持
ち、ポルフィリン骨格内に金属錯体を有する点に化学構
造上の特徴を有し、種々の生理学的もしくは薬理学的特
性を発揮する。
【0020】これらポルフィリン誘導体は癌細胞に選択
的に集積し、かつ癌細胞からの排泄が遅い。なお、正常
な臓器や細胞からは速やかに排泄されるため、それらに
損傷を与えることはない。元来、ポルフィリン誘導体の
殆んどのものは光に対して強い作用を有するが、本発明
に従って側鎖にアミノ酸残基を導入ならびに中心骨格を
金属錯体化することによって正常組織からの排泄性を高
め、光毒性の発現を抑制するようデザインした。そして
さらに、ニトロイミダゾールのような放射線増感剤など
の生理活性物質を結合することによって、診断や治療を
目的とする担体にもなることが出来た。これらの特性
(癌親和性、殺細胞効果、水溶性、生理活性物質の担
体)に基づき、本発明のポルフィリン誘導体は特定の臓
器、特に癌や悪性腫瘍に対する診断・治療用の薬剤とし
て有用である。
【0021】以下実施例を挙げて説明する。なお、実施
例での収率はすべて出発原料であるNH−Mn−DP
−Meやその中間体から換算し求めた値である。
【0022】
【実施例】
実施例 1 2−アミノメチル−4−ビニル−デュ−テロポルフィリ
ンジメチルエステルのZn錯体(以下NH−Zn−D
P−Meと言う)、Co錯体(以下NH−Co−DP
−Meと言う)およびMn錯体(NH−Mn−DP−
Me)の調製前願(特開平6−157791)の方法に
準じて合成した。すなわち、フォトプロトポルフィリン
ジメチルエステル(P−Me)より還元・酸化を行い、
スピログラフィスポルフィリンジメチルエステル(SP
−Me)を得た。(収率、47.3%)得られたSP−
Meをオキシム化し、Zn金属錯体化後還元を行い、N
−Zn−DP−Meを調製した。(収率、16.9
%)なおCo金属錯体およびMn金属錯体は、先に得ら
れたZn金属錯体をCo塩またはMn塩処理(酢酸中)
し、それぞれ別々に調製した。(収率、10.5%、
9.2%)
【0023】実施例 2 NH−Zn−DP−Me、NH−Co−DP−Me
およびNH−Mn−DP−Meの加水分解 実施例1で得られたNH−Zn−DP−Me、NH
−Co−DP−MeおよびNH−Mn−DP−Meを
それぞれ別々に100mg採り、メタノール・ピリジン
混液10mlに溶解後、10%水酸化ナトリウム溶液1
0mlを加え室温下3時間撹拌し加水分解した。それぞ
れの加水分解液を20%クエン酸溶液にて中和すると沈
殿物が析出した。各沈殿物を濾集・乾燥してZn、Co
およびMn金属錯体をそれぞれ別々に得た。(収率、各
100%)
【0024】実施例 3 KADT−F1(1)の合成 実施例2で得られたNH−Mn−DP200mgをメ
タノール55ml、トリエチルアミン5mlに溶解懸濁
し、3−(2’−ニトロイミダゾール)−2,2−ジフ
ルオロプロピオン酸メチル(以下NOImida
−Meと言う)900mgを室温撹拌下30時間かけて
徐々に加えた。反応後、スチレン系合成樹脂に反応生成
物を吸着させ、水洗後樹脂カラム(メタノール−水で溶
出)にて単離精製し、NOImida−NH
Mn−DP[KADT−F1(1)]を得た(60m
g、収率23.2%)KADT−F1(1)のマススペ
クトルを図1に示す。
【0025】実施例 4 KADT−F4(4)の合成 実施例1で得られたNH−Mn−DP−Me200m
gをメタノール10ml、クロロホルム10mlに溶解
し、NOImida−Me200mgを加え室温
撹拌下に反応させた。反応後弱アルカリ加水分解し、K
ADT−F1(1)を得た。得られたKADT−F1
(1)の水溶液にアスパラギン酸・塩酸液を加え、水溶
性カルボジイミド(WSC)を徐々に添加して反応させ
た。反応後、クロロホルムにて抽出し、抽出物を減圧濃
縮しメクノール−酢酸エチルにて再沈殿を行い、再度加
水分解してNOImida−NH−Mn−DP
−Asp[KADT−F4(4)]を得た。(180m
g)
【0026】実施例 5 NH−Mn−DP−Meの増炭化 実施例1で得られたNH−Mn−DP−Me100m
gを2組み量り採り、それぞれ別々にグリシン・塩酸塩
およびアミノカプロン酸・塩酸塩を加え、クロロホルム
−メタノールに溶解後室温撹拌下にジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(DCC)を徐々に添加し反応させた。反
応後減圧濃縮し、これに0.9%生理食塩水を加え結晶
を析出させ粗結晶を濾集した。得られた粗結晶をメタノ
ール−酢酸エチルにて再沈殿しGlyNH−Mn−DP
−MeおよびCapNH−Mn−DP−Meをそれぞれ
別々に得た。(90mgと100mg)
【0027】実施例 6 KADT−F8(8)の合成 実施例5で得られたCapNH−Mn−DP−Me20
0mgをメタノール10ml、クロロホルム15mlに
溶解し、以下実施例4と同様に操作処理してNO
Imida−CapNH−Mn−DP−Asp[KAD
T−F8(8)]を得た。(70mg)
【0028】実施例 7 KADT−F1のアルブミンテスト ポルフィリン化合物はアルブミン溶液中で、二量体ある
いは多量体を形成することが知られている。この性質は
アルブミン濃度を種々変えて分析を行うことで極大吸収
値の移動または吸光係数の変動が見られることで判か
る。したがって癌細胞との親和性を検討するには簡単な
スクリーニング法である。以下前々願(特公開平4−2
76488号)記載の実施例25(アルブミンテスト)
の項と同様に操作し測定した。これらの測定結果を図2
に示す。
【0029】実施例 8 KADT−F1の細胞実験(放射線照射実験) 細胞実験はHeLa細胞におけるコロニー形成法によっ
た。すなわち、プラスチックシャーレに前培養した細胞
(1×10個)に薬剤を添加し、2時間培養した。培
養後シャーレを気密容器に入れ空気を吸引する。ついで
95%N+COガス入れ、これを3回繰り返した後
X線照射(0、5、10、15Gly)した。(−O
照射)他方、空気存在下で培養後のシャーレをX線照射
した。(+O照射)照射後、それぞれ別々に処理して
シャーレより細胞をはがし(トリプシン、EDTA)、
細胞調製(1×10個)後10日間培養した。コロニ
ー形成後、PBSにて洗浄を行いホルマリン固定しメチ
レンブルー染色して、コロニー数をカウントし、細胞生
存指数を計算した。その結果を図3に示す。
【0030】実施例 9 KADT−F1の担癌動物実験(放射線照射実験) EMT−6腫瘍細胞(1×10個)をBalb/C系
雄マウス(一群各10匹)の背中皮下に移植した。移植
後、腫瘍の大きさが10mm程度になった時点で薬剤を
静注し(150mg/kg)、4時間後にX線照射(2
0Gly)し30日間経過観察した。一方対照として、
放射線照射単独群および薬剤単独群、ならびに対照薬剤
として3−(2’−ニトロイミダゾール)−2、2−ジ
フルオロプロピオン酸ヒドロキシエチルアミドを静注し
(50mg/kg)、1時間後にX線照射(20Gl
y)し同時に経過観察した。その結果(増殖曲線)を図
4に示す。図からも明らかなように薬剤投与群では放射
線増感作用が観察された。
【0031】
【発明の効果】本発明のニトロイミダゾール担持金属ポ
ルフィリン誘導体は、癌のMRI診断(Mnポルフィリ
ン誘導体であるためMRI造影作用あり)後に、そのま
ま直ちに癌の放射線治療(ニトロイミダゾール系誘導体
であるため放射線増感作用あり)ができ、診断と治療が
同時に行えるためきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】KADT−F1(C3939
n,855.9)のマススペクトル(FAB−NBA)
を示す図である。
【図2】KADT−F1のアルブミンテストによる可視
吸光スペクトルを示す図である
【図3】KADT−F1の放射線照射による細胞増殖阻
害(細胞生存指数)を示す図である。
【図4】KADT−F1の放射線照射による癌塊増殖曲
線(初日からの相対体積比)を示す図である。
【符号の説明】
1 ポルフィリン溶液と生理食塩水の混液 2 ポルフィリン溶液とアルブミン溶液の混液(アル
ブミン濃度1.8%) 3 ポルフィリン溶液とアルブミン溶液の混液(アル
ブミン濃度3.6%) 4 ポルフィリン溶液とアルブミン溶液の混液(アル
ブミン濃度7.2%) 5 −O照射 薬剤無投与群 6 −O照射 薬剤投与群(0.5mM) 7 −O照射 薬剤投与群(1.5mM) 8 無処理対照群 9 放射線照射単独群 10 対照薬剤+放射線照射併用群 11 KADT−F1+放射線照射併用群

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中、RはOHまたはアミノ酸からHを除いた残基、
    Xは0あるいは1、Xが1のときnは1あるいは5、M
    はMn、CoあるいはZn)で示される金属ポルフィリ
    ン化合物。(但し式中、ポルフィリン骨格の4つのピロ
    ール環のうちA及びB環の側鎖の官能基がそれぞれ入れ
    替わった位置異性体も含む。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の金属ポルフィリン化合物
    からなる核磁気共鳴診断用造影剤あるいは光物理化学的
    治療用増感剤および/または放射線治療用増感剤。
  3. 【請求項3】 癌の診断および/または治療に使用され
    る請求項2記載のポルフィリン化合物からなる核磁気共
    鳴用診断剤あるいは光物理化学的治療剤および/または
    放射線用治療剤。
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