JPH0867668A - ピロリジン誘導体 - Google Patents

ピロリジン誘導体

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JPH0867668A
JPH0867668A JP6205342A JP20534294A JPH0867668A JP H0867668 A JPH0867668 A JP H0867668A JP 6205342 A JP6205342 A JP 6205342A JP 20534294 A JP20534294 A JP 20534294A JP H0867668 A JPH0867668 A JP H0867668A
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JP
Japan
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group
compound
butoxycarbonyl
reaction
formula
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JP6205342A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Suga
浩 菅
Fumiaki Iwasaki
史哲 岩崎
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【目的】医薬中間体として有用であり、その他化粧品、
及び有機品製造原料として利用できる新規なピロリジン
誘導体を提供する。 【構成】一般式(I) 【化1】 (但し、Rはアルコキシカルボニル基またはヒドロキシ
メチル基である。)で示されるピロリジン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に医薬中間体として
有用であり、その他、化粧品及び有機品製造原料として
利用できる新規なピロリジン誘導体を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】L−ハイドロキシプロリンは、その分子
内に反応性の高い官能基であるアミノ基及び水酸基を有
する。このため、L−ハイドロキシプロリンから各種の
誘導体を製造する場合、これらの官能基が別の官能基に
変換されないよう、また、副反応を助長しないよう何等
かの保護基で保護しておく必要がある。一般的にはアミ
ノ基をt−ブトキシカルボニル基で、水酸基をt−ブチ
ルジメチルシリル基で保護することが知られている(特
開平2−300187号公報、特開平4−321688
号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のように
アミノ基をt−ブトキシカルボニル基で、水酸基をt−
ブチルジメチルシリル基で保護したピロリジン誘導体で
は、各々の保護基が共に有機溶媒中では酸性条件下で不
安定であり、塩基性条件下で安定という特徴を有するた
め、一方の保護基を選択的に脱離させることが困難であ
った。
【0004】このため、温和な条件下で一方の保護基の
みを選択的に脱離できるピロリジン誘導体の開発が強く
望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塩基性の
条件で脱離する保護基を水酸基あるいはアミノ基に導入
することができれば、上記課題を解決することができる
と考え、鋭意検討した結果、水酸基にt−ブトキシカル
ボニル基を導入した新規ピロリジン誘導体が、この課題
を解決することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は、一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(但し、Rはアルコキシカルボニル基また
はヒドロキシメチル基である。)で示されるピロリジン
誘導体である。
【0009】上記一般式(I)中、Rで示される基の具
体例としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等の炭素
数1〜4の低級アルコキシカルボニル基;ヒドロキシル
メチル基等が挙げられる。
【0010】上記一般式(I)で示される化合物を具体
的に例示すると、(2S,4R)−1−t−ブトキシカ
ルボニル−4−t−ブトキシカルボニルオキシ−2−メ
トキシカルボニルピロリジン、(2S,4R)−1−t
−ブトキシカルボニル−4−t−ブトキシカルボニルオ
キシ−2−エトキシカルボニルピロリジン、(2S,4
R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−t−ブトキシ
カルボニルオキシ−2−イソプロポキシカルボニルピロ
リジン、(2S,4R)−1−t−ブトキシカルボニル
−4−t−ブトキシカルボニルオキシ−2−ヒドロキシ
メチルピロリジン等を挙げることができる。
【0011】本発明の上記した一般式で示される化合物
は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色の粘ちょう
な液体として存在する。該化合物は、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール等のアルコール;塩化メチレ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類;アセトニトリル
等のニトリル類;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステ
ル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等の
エーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等のアミド類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化
水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ク
ロロベンゼン等の置換芳香族炭化水素類;ジメチルスル
ホキシドなど有機溶媒に可溶であるが、水には不溶であ
り、次のような手段で確認できる。
【0012】(1)1H−核磁気共鳴スペクトル(1H−
NMR)を測定することにより、前記一般式で示される
化合物中に存在する水素原子の結合様式を知ることがで
きる。
【0013】(2)赤外吸収スペクトル(IR)を測定
することにより、前記一般式で表される化合物の官能基
に由来する特性吸収を観察することができる。
【0014】(3)質量スペクトル(MS)を測定し、
観察される各ピーク(一般にはイオン質量数mをイオン
の荷電数eで除したm/eで表される値)に相当する組
成式を算出することにより、測定に供した化合物の分子
内における各原子団の結合様式を知ることができる。
【0015】(4)元素分析によって炭素、水素、窒素
の各重量%を求めることができる。更に、認知された各
元素の重量%の和を100から減ずることにより、酸素
の重量%を算出することができる。従って、相当する生
成物の組成を決定することができる。
【0016】前記一般式(I)で示される化合物の代表
的な製造方法としては以下の方法を挙げることができ
る。即ち、前記一般式(I)中のRがアルコキシカルボ
ニル基である化合物の製造方法は、下記一般式(II)
【0017】
【化3】
【0018】(但しRはアルコキシカルボニル基であ
る。)で示される化合物を塩基の存在下、ジ−t−ブチ
ルジカーボネートと反応させることによって製造するこ
とができる。(以下反応(A)と略す。) 上記の一般式(II)中、Rは一般式(I)と同様であ
る。上記一般式(II)で示される化合物を具体的に例示
すると、(2S,4R)−1−t−ブトキシカルボニル
−4−ヒドロキシ−2−メトキシカルボニルピロリジ
ン、(2S,4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4
−ヒドロキシ−2−エトキシカルボニルピロリジン、
(2S,4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−ヒ
ドロキシ−2−イソプロポキシカルボニルピロリジン等
を挙げることができる。
【0019】これらの化合物は、特開平2−30018
7号公報および特開平4−321688号公報に開示さ
れている合成法で容易に合成できる。
【0020】反応(A)に於いて用いられる塩基として
は無機塩基および有機塩基が何等制限なく使用できる。
これらを具体的に例示すると、無機塩基としてはナトリ
ウムハイドライド等のアルカリ金属水素化物;ナトリウ
ム−t−ブトキサイド、カリウム−t−ブトキサイド等
のアルカリ金属アルコキサイド類を挙げることができ、
有機塩基としては、ピリジン、4−N,N−ジメチルア
ミノピリジン、4−N,N−ジエチルアミノピリジン、
4−ピペリジノピリジン、4−ピロリジノピリジン、N
−メチルイミダゾール等の芳香族第三級アミン、トリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,
N′,N′−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチル−1,3−プロパンジアミ
ン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,6−ヘキ
サンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチル−
1,3−プロパンジアミン、N,N,N′,N′−テト
ラエチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N′,
N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,
N,N′,N′−テトラメチル−1,4−ブタンジアミ
ン、ビス−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]
エーテル、ビス−[2−(N,N−ジメチルアミノ)プ
ロピル]エーテル、ビス−[2−(N,N−ジメチルア
ミノ)エチル]スルフィド、ビス−[2−(N,N−ジ
メチルアミノ)プロピル]スルフィド、2−(N,N−
ジメチルアミノ)エチルスルフィド、ビス−[2−
(N,N−ジメチルアミノ)エチル]メチルアミン等の
脂肪族第三級アミン、1,4−ジアザビシクロ[2.
2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデセン等の脂環式アミン、N−メチルモルホリ
ン、N−エチルモルホリン等のエーテル系アミン等を挙
げることができる。
【0021】これら塩基の中でも、反応後の処理の容易
さ等を考慮すると特にピリジン、4−N,N−ジメチル
アミノピリジン、4−ピペリジノピリジン等の芳香族第
三級アミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジ
アミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロパンジ
アミン等の脂肪族第三級アミン等の有機塩基を使用する
ことが好ましい。
【0022】塩基の使用量としては、無機塩基を用いる
場合は、上記一般式(II)で示される化合物との等量反
応であることから、上記一般式(II)で示される化合物
に対して1.0〜2.0倍当量、さらには1.0〜1.
5倍当量の範囲であることが好ましい。また、有機塩基
を用いる場合には、有機塩基が触媒として反応(A)に
作用するため、反応後の塩基の除去の手間と、十分な反
応速度を得ることを考慮すると、一般式(II)で示され
る化合物に対して0.0001〜2倍等量、更には0.
0005〜1倍当量の範囲であることが好ましい。
【0023】反応(A)に於いて使用されるジ−t−ブ
チルジカーボネートの量としては、上記一般式(II)で
示される化合物に対して等量以上であれば何等制限なく
用いることができるが、反応後の未反応化合物の除去の
手間を考慮すると、一般式(II)で示される化合物に対
して1〜2当量、さらには1〜1.5当量の範囲である
ことが好ましい。
【0024】反応においては、上記一般式(II)で示さ
れる化合物とジ−t−ブチルジカーボネートを直接反応
させても一向に差し支えないが、有機溶媒を用いること
もできる。それらの溶媒を具体的に例示すると、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、ク
ロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類;アセトニトリル等のニト
リル類;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類;ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラハイ
ドロフラン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド等のアミド類;トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン等の置換芳香族
炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどを挙げることが
できる。
【0025】これらの溶媒は単独で使用しても良いし、
2種類以上の溶媒を混合して用いても一向に差し支えな
い。使用する溶媒の量としては特に制限されないが、あ
まり多いと生産効率が下がるため、一般的に溶媒中での
一般式(II)で示される化合物の濃度が1重量%以上、
好ましくは5重量%以上になるように溶媒を使用するの
が好ましい。
【0026】反応(A)における温度としては特に制限
されないが、あまり温度が低いと反応速度が小さくな
り、逆に温度が高いと原料の分解、副生成物の増大等の
問題が生じるため、通常−20〜80℃の範囲、好まし
くは0〜60℃の範囲で行うのがよい。
【0027】反応は常圧、加圧、減圧いずれの場合も可
能であり、反応に要する時間は反応温度、溶媒の種類、
塩基の量によっても異なるが、通常は、0.1〜60時
間の反応で十分である。
【0028】反応(A)により得られる化合物を単離精
製する方法は特に制限されず、例えば、反応溶媒を留去
した後、残留物をクロロホルム、トルエン、エーテル等
の有機溶媒で抽出する。水洗後、該有機層は、無水硫酸
マグネシウム、塩化カルシウム等の乾燥剤で乾燥した
後、有機溶媒を留去し、残留物を真空蒸留することによ
り、目的物を得ることができる。
【0029】前記一般式(I)の中のRがヒドロキシメ
チル基である化合物は、反応(A)によって得られた化
合物を還元することによって合成することができる。
(以下反応(B)と略す。) 反応(B)に於いて用いられる還元剤としては、金属、
金属水素化物、金属水素錯化合物が何等制限なく使用で
きる。これらを具体的に例示すると、金属としてはリチ
ウム、ナトリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグ
ネシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、スズ等のその他
の金属を挙げることができ、金属水素化物としてはホウ
素、アルミニウム、ケイ素、スズ等の水素化物を挙げる
ことができ、金属水素錯化合物としては、水素化アルミ
ニウムナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホ
ウ素カルシウム、水素化ホウ素亜鉛等を挙げることがで
きる。
【0030】これら還元剤の中でも、反応後の処理の容
易さ等を考慮すると特に水素化アルミニウムナトリウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素化錯化合物等
の還元剤を使用することが好ましい。更に還元力を向上
するために、臭化リチウム、塩化リチウム、塩化アルミ
ニウム、塩化亜鉛等の金属塩を混合して使用することも
できる。
【0031】還元剤の使用量としては、上記一般式
(I)で示される化合物に対して1.0〜5.0倍当
量、さらには1.0〜2.0倍当量の範囲であることが
好ましい。また、還元力を向上するために使用する金属
塩については、還元剤と等量使用することが好ましい。
【0032】反応(B)においては、一般に有機溶媒を
使用することが好ましい。それらの溶媒を具体的に例示
すると、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭
化水素類;アセトニトリル等のニトリル類;酢酸エチ
ル、酢酸プロピル等のエステル類;ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、テトラハイドルフラン等のエ
ーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類;エタノール、プロパノール等のアルコ
ール;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;クロ
ロベンゼン等の置換芳香族炭化水素類;ジメチルスルホ
キシドなどを挙げることができる。これらの溶媒は、単
独で使用してもよいし、2種類以上の溶媒を混合して用
いても一向に差し支えない。使用する溶媒の量としては
特に制限されないが、あまり多いと生産効率が下がるた
め、一般に溶媒中での一般式(I)で示される化合物の
濃度が1重量%〜70重量%、好ましくは5重量%〜6
0重量%になるように溶媒を使用するのが好ましい。
【0033】反応(B)における温度としては特に制限
されないが、あまり温度が低いと反応速度が小さくな
り、逆に温度が高いと原料の分解、副生成物の増大等の
問題が生じるため、通常−20〜80℃の範囲、好まし
くは0〜60℃の範囲で行うのがよい。
【0034】反応は常圧、加圧、減圧いずれの場合も可
能であり、反応に要する時間は反応温度、溶媒の種類、
還元剤の量によっても異なるが、通常は、0.1〜60
時間の反応で十分である。
【0035】反応(B)により得られる化合物を単離精
製する方法は特に制限されず、例えば、飽和塩化アンモ
ニウム水溶液を加えて、過剰の還元剤を分解し、反応溶
媒を留去した後、残留物をクロロホルム、トルエン、エ
ーテル等の有機溶媒で抽出する。水洗後、該有機層は、
無水硫酸マグネシウム、塩化カルシウム等の乾燥剤で乾
燥した後、有機溶媒を留去し、残留物を真空蒸留するこ
とにより、目的物を得ることができる。
【0036】
【効果】本発明の前記一般式(I)で示される化合物
は、水酸基の保護基として、t−ブトキシカルボニル基
を導入することによって、塩基性条件下で容易に水酸基
の保護基の脱離が可能である。従って、塩基性条件下で
アミノ基を保護したまま、容易に水酸基を他の置換基に
変換することができる。このことより温和な条件下で一
方の保護基のみを選択的に脱離することが必要なピロリ
ジン誘導体を使用する医薬中間体、その他化粧品、及び
有機品中間体として利用することができる。
【0037】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため、以下、
実施例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0038】実施例1 100ml四つ口フラスコに、ヘプタン40ml、(2
S,4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロ
キシ−2−メトキシカルボニルピロリジン2.45g
(0.01mol)、4−N,N−ジメチルアミノピリ
ジン0.0122g(0.01mmol)を溶かし、室
温でジ−t−ブチルジカーボネート2.62g(0.0
12mol)を加え攪拌を行った。2時間で反応が終了
した後、反応溶媒を留去し、残留物をトルエンで抽出し
た。水50mlで2回洗浄した後、該有機層は、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。有機溶媒を留去し、残留物
を真空蒸留することにより、無色透明の粘ちょう液体
3.2gを得ることができた(収率=93%)。
【0039】この化合物の元素分析値は、H 8.16
%,C 55.48%,N 4.23%,O 32.1
3%であって、C1627NO7に対する計算値であるH
7.88%,C 55.64%,N 4.05%,O
32.43%に極めてよく一致した。質量スペクトル
を測定した結果、m/e345にM+−1に対応するピ
ーク、m/e57に(CH33+に対応するピークを
示した。
【0040】1H−核磁気共鳴スペクトルを測定した結
果は次の通りであった。
【0041】
【化4】
【0042】δ1.1〜1.5ppm付近にプロトン1
8個分の多重線を示し(a)(b)のt−ブトキシカル
ボニル基のプロトンに相当し、δ2.0〜2.5ppm
付近にプロトン2個を示し(d)に相当し、δ3.5〜
3.8ppmにプロトン5個を示し(c)(e)に相当
し、δ4.0〜5.2ppm付近にプロトン2個を示し
(g)(f)に相当した。
【0043】赤外吸収スペクトルを測定した結果、16
70cm-1にカルボニル基に基づく吸収、1250cm
-1にt−ブチル基に基づく吸収を得た。
【0044】上記の結果から、単離生成物が、(2S,
4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−t−ブトキ
シカルボニルオキシ−2−メトキシカルボニルピロリジ
ンであることが明かになった。
【0045】また、保護基の脱離条件については、1)
1重量%−NaOH/メタノール50ml、2)1重量
%−K2CO3/メタノール50ml各々に生成物1gを
溶解し20時間攪拌することで、保護基の脱離の有無を
薄層クロマトグラフィー(TLC)(展開溶媒:酢酸エ
チル/ヘキサン=1/1)により確認した。
【0046】上記1)、2)の条件下で(2S,4R)
−1−t−ブトキシカルボニル−4−t−ブトキシカル
ボニルオキシ−2−メトキシカルボニルピロリジンをT
LCで確認すると、全て(2S,4R)−1−t−ブト
キシカルボニル−4−ヒドロキシ−2−メトキシカルボ
ニルピロリジンに変換していることを確認した。
【0047】実施例2〜5 実施例1において、用いた塩基の種類を表1に示したも
のに変えたこと以外は、実施例1と同様にして(2S,
4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−t−ブトキ
シカルボニルオキシ−2−メトキシカルボニルピロリジ
ンを合成した。得られた化合物の収率を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】実施例6 原料として(2S,4R)−1−t−ブトキシカルボニ
ル−4−ヒドロキシ−2−エトキシカルボニルピロリジ
ン2.59g(0.01mol)を使用したこと以外は
実施例1と同様な操作を行い、無色透明な粘ちょうな液
体である(2S,4R)−1−t−ブトキシカルボニル
−4−t−ブトキシカルボニルオキシ−2−エトキシカ
ルボニルピロリジンを3.3g得た(収率=92%)。
また、脱保護条件についても同様な操作を行った。
【0050】元素分析、質量スペクトル、H−核磁気
共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトルの測定結果を以下
に示した。
【0051】元素分析 C1729NO7 実測値 H8.03% C56.56% N3.95
% O31.46% 計算値 H8.13% C56.81% N3.90
% O31.16% 質量スペクトル m/e 359 M+−1 m/e 57 (CH3)C+ 1 H−核磁気共鳴スペクトル
【0052】
【化5】
【0053】 (a)(b) プロトン18個 δ:1.1〜1.5ppm (e) プロトン 2個 δ:2.0〜2.5ppm (c)(d)(f) プロトン 7個 δ:3.5〜3.8ppm (g)(h) プロトン 2個 δ:4.0〜5.2ppm 赤外吸収スペクトル 1670cm-1 C=Oに基づく吸収 1250cm-1 (CH3)Cに基づく吸収 脱保護 1重量%−NaOH/MeOHおよび1重量%−K2
3/MeOHの条件のいずれにおいても全て(2S,
4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ
−2−エトキシカルボニルピロリジンに変換したことを
確認した。
【0054】実施例7 原料として(2S,4R)−1−t−ブトキシカルボニ
ル−4−ヒドロキシ−2−イソプロポキシカルボニルピ
ロリジン2.73g(0.01mol)を使用したこと
以外は実施例1と同様な操作を行い、無色透明な粘ちょ
うな液体である(2S,4R)−1−t−ブトキシカル
ボニル−4−t−ブトキシカルボニルオキシ−2−イソ
ポロポキシカルボニルピロリジンを3.4g得た(収率
=91%)。また、脱保護条件についても同様な操作を
行った。
【0055】元素分析、質量スペクトル、1H−核磁気
共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトルの測定結果を以下
に示した。
【0056】元素分析 C1831NO7 実測値 H8.32% C57.85% N3.78
% O30.05% 計算値 H8.36% C57.89% N3.75
% O30.00% 質量スペクトル m/e 373 M+−1 m/e 57 (CH3)C+ 1 H−核磁気共鳴スペクトル
【0057】
【化6】
【0058】 (a)(b) プロトン18個 δ:1.1〜1.5ppm (e) プロトン 2個 δ:2.0〜2.5ppm (c)(d)(f) プロトン 9個 δ:3.5〜4.0ppm (g)(h) プロトン 2個 δ:4.0〜5.2ppm 赤外吸収スペクトル 1670cm-1 C=Oに基づく吸収 1250cm-1 (CH3)Cに基づく吸収 脱保護 1重量%−NaOH/MeOHおよび1重量%−K2
3/MeOHのいずれの条件においても全て(2S,
4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ
−2−イソプロポキシカルボニルピロリジンに変換した
ことを確認した。
【0059】実施例8 100ml四つ口フラスコに、エタノール/テトラヒド
ロフラン=20/20ml、(2S,4R)−1−t−
ブトキシカルボニル−4−t−ブトキシカルボニルオキ
シ−2−メトキシカルボニルピロリジン3.45g
(0.01mol)、塩化リチウム0.85g(0.0
2mol)、水素化ほう素ナトリウム0.76g(0.
02mol)とを室温で溶解し攪拌を行った。20時間
で反応が終了した。塩化アンモニウム60mlで過剰の
還元剤を処理した後、反応溶媒を留去し、残留物をトル
エンで抽出した。50ml水で2回洗浄洗後、該有機層
は、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機溶媒を留去
し、残留物を真空蒸留することにより、無色透明の粘ち
ょう液体2.9gを得ることができた。(収率=91
%) この化合物の元素分析値は、H 8.68%,C 5
6.53%,N 4.48%,O 30.31%であっ
て、C1527NO6に対する計算値であるH 8.57
%,C 56.76%,N 4.41%,O 30.2
6%に極めてよく一致した。質量スペクトルを測定した
結果、m/e317にM+−1に対応するピーク、m/
e57に(CH33+に対応するピークを示した。
【0060】1H−核磁気共鳴スペクトルを測定した結
果は次の通りであった。
【0061】
【化7】
【0062】δ1.1〜1.5ppm付近にプロトン1
8個分の多重線を示し(a)(b)のt−ブトキシカル
ボニル基のプロトンに相当し、δ1.5〜2.3ppm
付近にプロトン3個を示し(c)(d)に相当し、δ
3.5〜4.3ppmにプロトン5個を示し(e)
(g)(h)に相当し、δ5.0〜5.2ppm付近に
プロトン1個を示し(f)に相当した。
【0063】赤外吸収スペクトルを測定した結果、16
70cm-1にカルボニル基に基づく吸収、1250cm
-1にt−ブチル基に基づく吸収、3500cm-1に水酸
基に基づく吸収を得た。
【0064】上記の結果から、単離生成物が、(2S,
4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−t−ブトキ
シカルボニル−2−ヒドロキシメチルピロリジンである
ことが明かになった。
【0065】また、実施例1と同様に保護基の脱離反応
を行った結果、1)、2)の条件下では全て(2S,4
R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−
2−ヒドロキシメチルピロリジンに変換していることを
確認した。
【0066】比較例 (2S,4R)−1−t−ブトキシカルボニル−4−ヒ
ドロキシ−2−メトキシカルボニルピロリジンの水酸基
の保護基として、t−ブチルジメチルシリル基を導入し
た化合物を得た。実施例1と同様に脱保護を行った結果
を下記に示した。
【0067】1重量%−NaOH/MeOHおよび1重
量%−K2CO3/MeOHの条件においてはいずれも保
護基のはずれた化合物のスポットは認められなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 【化1】 (但し、Rはアルコキシカルボニル基またはヒドロキシ
    メチル基である。)で示されるピロリジン誘導体。
JP6205342A 1994-08-30 1994-08-30 ピロリジン誘導体 Pending JPH0867668A (ja)

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