JPH0866757A - ダイカスト鋳造の射出速度制御方法 - Google Patents

ダイカスト鋳造の射出速度制御方法

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JPH0866757A
JPH0866757A JP8962695A JP8962695A JPH0866757A JP H0866757 A JPH0866757 A JP H0866757A JP 8962695 A JP8962695 A JP 8962695A JP 8962695 A JP8962695 A JP 8962695A JP H0866757 A JPH0866757 A JP H0866757A
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満尋 唐木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型内の溶湯の充填量に対応した溶湯の射出
速度の制御を可能とし、不適正な射出速度による鋳造欠
陥の発生を解消する。 【構成】 鋳造方案により設定された金型10,12内
の堰部34に溶湯が実際に到達したことを検出し、それ
に基づいて射出装置40による溶湯の射出速度を低速か
ら高速に切換えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイカスト鋳造におい
てその金型内への溶湯の充填状況に応じて射出速度を制
御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にダイカスト鋳造は肉厚の薄い製品
の鋳造を目的とし、かつ鋳造製品の結晶粒度を小さくし
て強度を高めるために急速冷却を行っている。これらの
ことから溶湯の射出速度が低いと、金型内のキャビテイ
全体に溶湯が行きわたる前に凝固が始まって湯廻り不良
による鋳造欠陥を招く。そこで溶湯は高速射出によって
金型内に充填する必要があるが、だからといって溶湯を
前記射出装置から金型のキャビティにまで高速で一気に
充填すると、この射出装置内のエアや油などが溶湯にま
き込れ、これも鋳造欠陥の一因となる。
【0003】このための対策が講じられている技術とし
ては、例えば特開平4−94856号公報の「従来の技
術」の欄に開示されているダイカスト鋳造手段を挙げる
ことができる。この技術においては、射出装置のプラン
ジャにより金型内に溶湯を充填する際に、金型内のキャ
ビティに対する溶湯の充填工程に達したときの前記プラ
ンジャの移動ストロークをリミットスイッチで検出して
いる。そしてこのリミットスイッチからの検出信号に基
づき、前記プランジャの駆動源である油圧シリンダに対
する作動油圧を高め、前記射出装置による溶湯の射出速
度を低速から高速に切換えてキャビティ内に溶湯を充填
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし射出装置による
溶湯の充填量とプランジャの移動ストロークとは必ずし
も所定の対応関係にあるとはいえない。例えばラドルや
自動給湯装置から射出装置に供給される溶湯の量は厳密
には一定ではなく、そのためプランジャが前記リミット
スイッチによる検出位置まで移動したときの溶湯の充填
量にもばらつきがあり、溶湯が金型内のキャビテイに到
達しているか否かは一義的に決まらない。したがって前
記射出装置による溶湯の射出速度が高速に切換えられた
とき、金型内では未だキャビテイへの充填工程に達して
いない場合もあり、結果的には鋳造欠陥の要因が残され
たままとなる。
【0005】本発明が解決しようとする一つの課題は、
鋳造方案により設定された金型の堰部あるいはシャット
オフ弁に溶湯が実際に到達したことを検出することによ
り、この検出結果に基づいて金型内の溶湯の充填量に対
応した溶湯の射出速度の制御を可能とし、不適正な射出
速度による鋳造欠陥の発生を解消することである。本発
明が解決しようとする他の一つの課題は、溶湯が堰部あ
るいはシャットオフ弁に到達したときの溶湯の圧力と良
好な鋳込み時の溶湯の圧力とを比較することで、鋳造状
況の異常も検知可能とすることである。本発明が解決し
ようとする他の一つの課題は、金型内に充填された溶湯
の温度異常をも併せて検知可能とすることである。本発
明が解決しようとする別の課題は、低速射出により金型
内に充填されているときの溶湯をシャットオフ弁で確実
に抑止し、溶湯の圧力変化を精度よく検出することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明におけるダイカス
ト鋳造の射出速度制御方法はつぎのとおりである。請求
項1記載の発明は、鋳造方案により設定された金型内の
堰部に溶湯が実際に到達したことを検出し、それに基づ
いて射出装置による溶湯の射出速度を低速から高速に切
換えることを特徴とする。請求項2記載の発明は、請求
項1記載の射出速度制御方法において、金型内の溶湯の
圧力変化を計測し、その計測値に基づいて堰部に溶湯が
到達したことを検出することを特徴とする。請求項3記
載の発明は、請求項1記載の射出速度制御方法におい
て、堰部の温度変化を計測し、その計測値に基づいて堰
部に溶湯が到達したことを検出することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、鋳造方案により設定された金型
内の堰部の近くにシャットオフ弁を進出させておき、こ
のシャットオフ弁に溶湯が実際に到達したことを検出
し、それに基づいてシャットオフ弁を金型内から後退さ
せると同時に射出装置による溶湯の射出速度を低速から
高速に切換えることを特徴とする。請求項5記載の発明
は、請求項4記載の射出速度制御方法において、シャッ
トオフ弁で抑止された溶湯の圧力変化を計測し、その計
測値に基づいてシャットオフ弁に溶湯が到達したことを
検出することを特徴とする。請求項6記載の発明は、請
求項4記載の射出速度制御方法において、シャットオフ
弁の温度変化を計測し、その計測値に基づいてシャット
オフ弁に溶湯が到達したことを検出することを特徴とす
る。請求項7記載の発明は、請求項4記載の射出速度制
御方法において、シャットオフ弁が大気開放のガス抜き
通路に通じるガス抜き孔を備え、このガス抜き孔が溶湯
で閉塞されることに伴う前記ガス抜き通路内のガス流量
の変化を計測し、その計測値に基づいてシャットオフ弁
に溶湯が到達したことを検出することを特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明によれば、前記射出装置か
ら金型内に射出される溶湯が前記堰部に実際に到達した
ときに、この溶湯の射出速度が低速から高速に切換えら
れるので、この射出速度の切換えは金型内の溶湯の充填
量に対応した正確なタイミングで行われる。請求項2記
載の発明においては、金型内の溶湯の圧力変化を計測す
ることで前記堰部に溶湯が実際に到達したことが検出さ
れ、それに基づいて溶湯の射出速度が低速から高速に切
換えられる。また前記計測値と良好な鋳込み時の溶湯の
圧力とを比較することもでき、それによって鋳造状況の
異常を検知して早期に対処することができる。請求項3
記載の発明においては、前記堰部の温度変化を計測する
ことで、この堰部に溶湯が実際に到達したことが検出さ
れ、それに基づいて溶湯の射出速度が低速から高速に切
換えられる。またこの場合の計測値により、堰部に到達
した溶湯の温度異常をも併せて検知することができる。
請求項4記載の発明によれば、低速射出時の溶湯を前記
シャットオフ弁で確実に抑止するとともに、このシャッ
トオフ弁に溶湯が実際に到達したときに、射出速度が低
速から高速に切換えられるので、この射出速度の切換え
は金型内の溶湯の充填量に対応した正確なタイミングで
行われる。請求項5記載の発明においては、前記シャッ
トオフ弁で抑止された溶湯の急激な圧力変化(上昇)を
計測することで、このシャットオフ弁に溶湯が実際に到
達したことが検出され、それに基づいて溶湯の射出速度
が低速から高速に切換えられる。このため射出速度の切
換えタイミングがより明確となり、また計測値と良好な
鋳込み時の溶湯の圧力とを比較することにより鋳造状況
の異常を検知して早期に対処することができる。請求項
6記載の発明においては、前記シャットオフ弁の温度変
化を計測することで、このシャットオフ弁に溶湯が実際
に到達したことが検出され、それに基づいて溶湯の射出
速度が低速から高速に切換えられる。またこの場合の計
測値により、前記シャットオフ弁に到達した溶湯の温度
異常をも併せて検知できる。請求項7記載の発明におい
ては、前記ガス通路内のガス流量の変化を計測すること
で、前記シャットオフ弁に溶湯が実際に到達したことが
検出され、それに基づいて溶湯の射出速度が低速から高
速に切換えられる。
【0008】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。 実施例1(請求項1,2記載の発明に対応) 図1はダイカスト鋳造装置を一部断面で表した構成図で
ある。この図面で示すように鋳造装置の基板13の上に
は、固定ダイプレート14と可動ダイプレート16とが
相対向して配置されている。この固定ダイプレート14
は前記基板13に対して不動であるのに対し、可動ダイ
プレート16はタイバー20に案内されて固定ダイプレ
ート14に接近あるいは離反する方向へ移動可能であ
る。
【0009】前記の両ダイプレート14,16の間に
は、固定金型10及び可動金型12が設けられている。
そしてこの固定金型10は固定ダイプレート14に固定
され、可動金型12は可動ダイベース18を介して前記
可動ダイプレート16に固定されている。また可動ダイ
プレート16は、型締めシリンダ26の作動により、ト
グルリンク23及びクロスヘッド24の動きを通じて前
記タイバー20に案内されながら移動することとなる。
これによって前記可動金型12を固定金型10に接合さ
せる型締め、あるいは固定金型10から可動金型12を
離反させる型開きが行われるのは周知のとおりである。
【0010】前記固定金型10の側には射出装置40が
設けられており、ここにはダイカスト鋳造装置の近くに
設けられている溶湯保温炉(図示外)の溶湯がラドル4
8によって供給されるようになっている。この射出装置
40のプランジャ44を射出用シリンダ50によって押
し動かすことで、溶湯が両金型10,12の中に充填さ
れることとなる。
【0011】図2は図1の一部を拡大断面で表した構成
図である。この図面からも明らかなように前記の両金型
10,12の内部には、鋳造製品を成形するキャビティ
30が構成されているとともに、鋳造法案に基づいて形
状や位置を設定した湯道32及び堰部34が構成されて
いる。前記射出装置40は、前記固定ダイプレート14
及び固定金型10を貫通して前記湯道32に連通したス
リーブ42と、このスリーブ42の中を往復移動する前
記プランジャ44とを備えている。またスリーブ42に
は、前記固定ダイプレート14の外側において前記ラド
ル48からの溶湯の供給を受ける湯口46が形成されて
いる。
【0012】前記射出用シリンダ50は前記射出装置4
0と同軸線上に配置されており、そのピストン52と射
出装置40の前記プランジャ44とはピストンロッド5
3で相互に連結されている。なおこの射出用シリンダ5
0は油圧式であり、油圧制御バルブ58によって前記ピ
ストン52に対する作動油圧を制御できるようになって
いる。すなわち作動油圧の制御により、溶湯の充填中に
おけるプランジャ44の移動速度(射出速度)を調整す
ることが可能である。また溶湯の充填中において前記射
出用シリンダ50のピストン52に対する作動油圧は圧
力検出器60によって検出可能となっている。
【0013】つづいて鋳造時における射出速度の制御に
ついて説明する。まず前記射出装置40におけるスリー
ブ42の中に溶湯を供給した後、前記プランジャ44を
前記射出用シリンダ50のピストン52の作動によって
押し動かす。このとき、前記油圧制御バルブ58によっ
て射出用シリンダ50の作動油圧を低く保つことで前記
プランジャ44を低速で移動させ、前記スリーブ42内
の溶湯を前記湯道32の内部に対し、前記堰部34に至
るまでは低速射出で充填させる。
【0014】さて溶湯が前記堰部34に到達すると、溶
湯の充填圧力が急激に上昇する。この圧力変化(上昇)
は前記射出装置40のプランジャ44に作用し、延いて
は前記射出用シリンダ50のピストン52に対する反力
として作用する。この結果、射出用シリンダ50の作動
油圧が上昇し、そのことが前記圧力検出器60で検出さ
れる。このときに圧力検出器60から発信される電気信
号が図2で示す制御回路56に送られ、それに伴って制
御回路56から前記油圧制御バルブ58に出される制御
信号に基づき、前記射出用シリンダ50のピストン52
に対する作動油圧が高圧に切換えられる。したがってこ
の時点から前記プランジャ44が高速で移動し、溶湯は
前記キャビティ30に高速射出で充填される。
【0015】図3に前記射出装置40による溶湯の充填
圧力(射出用シリンダ50の作動油圧)Pと時間Tとの
関係が示されている。この図面においてT0からT1ま
では前記射出装置40のスリーブ42に溶湯が充填され
る時間であり、またT1からT2までは前記湯道32に
溶湯が充填される時間である。そして溶湯の充填圧力P
は、時間T0→T1の間においてP1に達し、その後も
時間T2に達するまで上昇をつづけるが、ここまでは未
だ低速射出の領域である。そして時間T2に達した時点
で充填圧力PがP2となり、ここからが高速射出の領域
となる。
【0016】このように金型10,12の内部に対する
溶湯の充填量に対応した射出速度の切換えタイミング
を、溶湯が前記堰部34に実際に到達したときの溶湯の
圧力変化に基づいて設定することにより、前記射出装置
40のスリーブ42に供給される溶湯の量などに多少の
ばらつきがあっても、それに影響されることなく、低速
射出から高速射出への切換えが正確に行われる。この結
果、金型10,12のキャビティ30に対しては溶湯を
高速射出で充填でき、溶湯を急速冷却で凝固させること
で鋳造製品の結晶粒度を小さくしてその強度を高めるこ
とが可能になるとともに、鋳造のサイクルタイムも短縮
できる。
【0017】なお前記キャビティ30に対して溶湯の充
填を開始する時点が正確に把握できるので、その後の溶
湯の充填量(プランジャ44の移動量)を管理すれば、
前記金型10,12の合わせ面からの溶湯の噴き出しな
どを回避でき、鋳造製品のバリ発生が防止される。また
本実施例においては、良好な鋳込みが行われているとき
の溶湯の圧力を予め求めておき、その値と前記圧力検出
器60で検出された圧力値とを比較することもできる。
この比較によって前記射出装置40の作動不良や前記キ
ャビティ30の圧力上昇の異常を検知することが可能と
なる。
【0018】実施例2(請求項3記載の発明に対応) 図4は実施例2のダイカスト鋳造装置を断面で表した構
成図である。この図面から明らかなように本実施例では
固定金型10において堰部34と対応する表面層に、こ
の固定金型10とは異なる材質の入子64が固定されて
いる。そしてこの入子64に対して固定ダイプレート1
4の外側から固定金型10を貫通させて熱電対66が組
付けられている。この熱電対66の電気回路に生じる熱
起電力は測定器62によって測定され、前記堰部34の
温度変化を検出できるようになっている。
【0019】この実施例2においては、射出装置40に
よって両金型10,12内の湯道32に低速射出で充填
されている溶湯が前記堰部34に到達し、この堰部34
の温度が急激に上昇すると、その温度変化が前記測定器
62で検出される。そしてこの測定器62から制御回路
56に電気信号が送られ、それに伴って制御回路56か
ら前記油圧制御バルブ58に出される制御信号に基づ
き、前記実施例1の場合と同様に前記射出用シリンダ5
0のピストン52に対する作動油圧が高圧に切換えられ
る。これによって溶湯はキャビティ30へ高速射出で充
填され、実施例1の場合と同様の機能が得られる。
【0020】特に実施例2においては、両金型10,1
2の内部に射出された溶湯そのものの温度異常を検知で
き、かつ鋳造の繰り返し回数と前記測定器62による検
出温度との関連から金属疲労などの金型寿命に対処する
ことも可能となる。なお実施例2において実施例1と同
一もしくは均等構成と考えられる部材には図面に同一符
号を付して重複する説明は省略する。またつぎに説明す
る実施例3〜5についても同様の考えにより、図面に同
一符号を付して重複する説明は省略する。
【0021】実施例3(請求項4,6記載の発明に対
応) 図5は実施例3のダイカスト鋳造装置を断面で表した構
成図である。この図面で示すように本実施例では金型1
0,12内の堰部34と対応する箇所に、固定ダイプレ
ート14の外側から固定金型10を貫通させてシャット
オフ弁70が設けられている。一方、固定ダイプレート
14の外面にはシャットオフ用シリンダ80が組付けら
れており、このシリンダ80内のピストン82は前記シ
ャットオフ弁70と結合されている。
【0022】前記シャットオフ用シリンダ80も油圧式
であり、油圧制御バルブ84によって前記ピストン82
に作用する作動油圧の方向を切換え制御できるようにな
っている。この作動油圧の制御に伴うピストン82の移
動により、前記シャットオフ弁70を金型10,12の
内部に向けて進出させたり、逆に金型10,12の内部
から後退させたりすることが可能である。そしてシャッ
トオフ弁70を金型10,12内に進出させた状態で
は、その先端部が前記堰部34に接して湯道32とキャ
ビティ30との連通が遮断されることとなる。
【0023】図6は前記シャットオフ弁70の一部を拡
大して表した平面図である。この図面から明らかなよう
にシャットオフ弁70の先端部、つまり金型10,12
の内部に位置する端部にはその幅方向に関して複数本の
スリット72が形成されている。これらの各スリット7
2の幅aは、シャットオフ弁70を金型10,12内に
進出させた状態においても前記湯道32の側からキャビ
ティ30の側へのエアやガスは通過させ、溶湯の通過は
抑止できる寸法(0.2mm程度)に設定されている。
【0024】前記シャットオフ弁70の先端部には、図
5で示すように溶湯の付着によって通電する電極、ある
いは温度変化を電気的に検出するセンサーなどの検出器
74が設けられている。この検出器74から出される電
気信号は、図5で示す制御回路56に送られ、かつこの
制御回路56からは射出用シリンダ50の油圧制御バル
ブ58及び前記シャットオフ用シリンダ80の油圧制御
バルブ84に対してそれぞれ制御信号が発信されるよう
になっている。
【0025】この実施例3においては、ダイカスト鋳造
に際して前記シャットオフ弁70を金型10,12内に
進出させておき、実施例1,2の場合と同様に射出装置
40のプランジャ44を前記射出用シリンダ50のピス
トン52の作動によって低速で移動させ、溶湯を前記湯
道32の内部に低速射出で充填させる。このとき、射出
装置40のスリーブ42内のエアや溶湯から発生するガ
スは、前記シャットオフ弁70の各スリット72を通じ
て湯道32の側からキャビティ30の側へ通過し、金型
10,12が備えている図示外のガス抜き孔から大気に
放出される。
【0026】さて低速射出で湯道32に充填されている
溶湯が前記シャットオフ弁70に付着するか、あるいは
温度の急激な上昇により、溶湯がシャットオフ弁70に
到達したことが前記検出器74で検出される。そしてこ
の検出に基づく電気信号が前記制御回路56に送られ、
これによって前記のように射出用シリンダ50の油圧制
御バルブ58及び前記シャットオフ用シリンダ80の油
圧制御バルブ84に対して制御回路56から制御信号が
それぞれ発信される。この結果、シャットオフ用シリン
ダ80のピストン82に作用している作動油圧の方向が
切換わり、それに伴うピストン82の動きによって前記
シャットオフ弁70が金型10,12内から後退する。
またこれと同時に前記射出用シリンダ50のピストン5
2に対する作動油圧が高圧に切換えられ、これによって
実施例1,2の場合と同様に溶湯はキャビティ30へ高
速射出で充填される。
【0027】なお前記湯道32に低速射出によって充填
されているときの溶湯は、前記シャットオフ弁70の各
スリット72を通過できず、このシャットオフ弁70で
抑止されている。したがって溶湯が湯道32に充満され
るまでは、前記キャビティ30に溶湯が僅かでも圧入さ
れることはなく、このキャビティ30に低速射出で溶湯
が充填されて早期に凝固が始まるといった事態は確実に
回避される。
【0028】実施例4(請求項5記載の発明と対応) 図7は実施例4のダイカスト鋳造装置を断面で表した構
成図である。本実施例は前記実施例3の検出器74に代
えて実施例1と同様に溶湯の充填中における射出用シリ
ンダ50の作動油圧を検出可能な圧力検出器60を使用
している。すなわちダイカスト鋳造に際しては、実施例
3と同様のスリット72が形成されたシャットオフ弁7
0を金型10,12内に進出させた状態で、射出装置4
0のプランジャ44を低速で移動させて溶湯を湯道32
の内部に低速射出で充填させる。そして溶湯がシャット
オフ弁70に到達すると充填圧力が急激に上昇し、この
圧力変化が前記射出装置40のプランジャ44を通じて
射出用シリンダ50のピストン52に対する反力として
作用する。このため射出用シリンダ50の作動油圧が上
昇し、そのことが前記圧力検出器60で検出される。こ
の検出信号に基づいて制御回路56から発信される制御
信号により、実施例3の場合と同様にシャットオフ用シ
リンダ80のピストン82に作用している作動油圧の方
向が切換わって前記シャットオフ弁70が金型10,1
2内から後退し、これと同時に射出用シリンダ50のピ
ストン52に対する作動油圧が高圧に切換えられて溶湯
がキャビティ30へ高速射出で充填される。
【0029】この実施例4においも、前記湯道32に低
速射出によって充填されているときの溶湯はシャットオ
フ弁70で抑止されているため、この湯道32に充満さ
れたときの溶湯の圧力変化(上昇)がより顕著となる。
したがって前記圧力検出器60の計測結果に基づいて溶
湯の射出速度を低速から高速に切換えられるタイミング
がより正確となる。
【0030】実施例5(請求項7記載の発明と対応) 図8は実施例5のダイカスト鋳造装置を断面で表した構
成図、図9は図8の一部を拡大して表した断面図であ
る。これらの図面で示すようにシャットオフ弁70に
は、金型10,12の内部側からシャットオフ用シリン
ダ80のピストン82との結合部側にかけてガス抜き通
路90が形成されている。前記シャットオフ弁70にお
いて金型10,12の内部に位置する端部には、前記ガ
ス抜き通路90に連通し、かつ金型10,12内の湯道
32の側に開口させた複数個のガス抜き孔92が形成さ
れている。これらの各ガス抜き孔92の径bは、シャッ
トオフ弁70を金型10,12内に進出させた状態にお
いて、前記湯道32からガス抜き通路90へエアやガス
は通過させ、溶湯の流入は抑止できる寸法(0.2mm程
度)に設定されている。
【0031】前記ガス抜き通路90において前記ガス抜
き孔92とは反対側の端部は、前記シャットオフ用シリ
ンダ80の油圧室外の空間を通じて大気に開放されてい
る。また図8で示すように前記ガス抜き通路90には、
その内部を流れるガス流量の変化を計測可能な流量計測
器94が設けられている。この流量計測器94から出さ
れる電気信号は、図8で示す制御回路56に送られ、か
つこの制御回路56からは射出用シリンダ50の油圧制
御バルブ58及び前記シャットオフ用シリンダ80の油
圧制御バルブ84に対してそれぞれ制御信号が発信され
るようになっている。
【0032】この実施例5においても、ダイカスト鋳造
に際しては前記シャットオフ弁70を金型10,12内
に進出させた状態で、射出装置40のプランジャ44を
低速で移動させて溶湯を湯道32の内部に低速射出で充
填させる。このとき、射出装置40のスリーブ42内の
エアや溶湯から発生するガスは、前記シャットオフ弁7
0の各ガス抜き孔92からガス抜き通路90を通って大
気に放出される。そこで溶湯がシャットオフ弁70に到
達して前記の各ガス抜き孔92に付着すると、それまで
前記ガス抜き通路90を流れていたガスの流動量がゼロ
もしくは激減し、そのことが前記流量計測器94で検出
される。この検出信号に基づいて前記制御回路56から
発信される制御信号により、実施例3,4の場合と同様
にシャットオフ用シリンダ80のピストン82に作用し
ている作動油圧の方向が切換わって前記シャットオフ弁
70が金型10,12内から後退し、これと同時に射出
用シリンダ50のピストン52に対する作動油圧が高圧
に切換えられて溶湯がキャビティ30へ高速射出で充填
される。
【0033】
【発明の効果】本発明は、射出装置に供給される溶湯量
のばらつき等に影響されることなく、金型内の溶湯の充
填量に対応して正確に溶湯の射出速度を制御でき、不適
正な射出速度による鋳造欠陥の発生を解消することがで
きる。また本発明においては、金型内に充填された溶湯
の圧力に基づく鋳造状況の異常あるいは溶湯の温度異常
を併せて検知することもでき、その場合にはこれらの異
常に対して早期に対処できる。さらにシャットオフ弁を
用いた場合は、低速射出により金型内に充填されている
ときの溶湯がこのシャットオフ弁で確実に抑止され、こ
れに伴う溶湯の急激な圧力変化を検出することにより、
溶湯の射出速度をより正確なタイミングで切換えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイカスト鋳造装置を一部断面で表した構成図
である。
【図2】図1の一部を拡大断面で表した構成図である。
【図3】溶湯の充填圧力Pと時間Tとの関係を表した特
性図である。
【図4】実施例2のダイカスト鋳造装置を断面で表した
構成図である。
【図5】実施例3のダイカスト鋳造装置を断面で表した
構成図である。
【図6】シャットオフ弁の一部を拡大して表した平面図
である。
【図7】実施例4のダイカスト鋳造装置を断面で表した
構成図である。
【図8】実施例5のダイカスト鋳造装置を断面で表した
構成図である。
【図9】図8の一部を拡大して表した断面図である。
【符号の説明】
10,12 金型 34 堰部 40 射出装置 44 プランジャ 70 シャットオフ弁 90 ガス抜き通路 92 ガス抜き孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造方案により設定された金型内の堰部
    に溶湯が実際に到達したことを検出し、それに基づいて
    射出装置による溶湯の射出速度を低速から高速に切換え
    ることを特徴としたダイカスト鋳造の射出速度制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の射出速度制御方法におい
    て、金型内の溶湯の圧力変化を計測し、その計測値に基
    づいて堰部に溶湯が到達したことを検出することを特徴
    としたダイカスト鋳造の射出速度制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の射出速度制御方法におい
    て、堰部の温度変化を計測し、その計測値に基づいて堰
    部に溶湯が到達したことを検出することを特徴としたダ
    イカスト鋳造の射出速度制御方法。
  4. 【請求項4】 鋳造方案により設定された金型内の堰部
    の近くにシャットオフ弁を進出させておき、このシャッ
    トオフ弁に溶湯が実際に到達したことを検出し、それに
    基づいてシャットオフ弁を金型内から後退させると同時
    に射出装置による溶湯の射出速度を低速から高速に切換
    えることを特徴としたダイカスト鋳造の射出速度制御方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の射出速度制御方法におい
    て、シャットオフ弁で抑止された溶湯の圧力変化を計測
    し、その計測値に基づいてシャットオフ弁に溶湯が到達
    したことを検出することを特徴としたダイカスト鋳造の
    射出速度制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の射出速度制御方法におい
    て、シャットオフ弁の温度変化を計測し、その計測値に
    基づいてシャットオフ弁に溶湯が到達したことを検出す
    ることを特徴としたダイカスト鋳造の射出速度制御方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の射出速度制御方法におい
    て、シャットオフ弁が大気開放のガス抜き通路に通じる
    ガス抜き孔を備え、このガス抜き孔が溶湯で閉塞される
    ことに伴う前記ガス抜き通路内のガス流量の変化を計測
    し、その計測値に基づいてシャットオフ弁に溶湯が到達
    したことを検出することを特徴としたダイカスト鋳造の
    射出速度制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001269763A (ja) * 2000-03-27 2001-10-02 Toshiba Mach Co Ltd ダイカストマシンの射出制御装置および射出制御方法
JP2003062652A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Toyota Motor Corp 真空ダイカスト装置及び真空ダイカスト方法

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