JPH086565B2 - 吸・排気バルブとその製造方法 - Google Patents

吸・排気バルブとその製造方法

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JPH086565B2
JPH086565B2 JP3039110A JP3911091A JPH086565B2 JP H086565 B2 JPH086565 B2 JP H086565B2 JP 3039110 A JP3039110 A JP 3039110A JP 3911091 A JP3911091 A JP 3911091A JP H086565 B2 JPH086565 B2 JP H086565B2
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JP
Japan
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neck
intake
shaft
exhaust valve
powder
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JP3039110A
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和久 渋江
睦淳 金
正樹 熊谷
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の内燃機関に
使用される吸・排気バルブに係り、詳しくはTiAl系
金属間化合物により構成された軽量で強度特性に優れる
吸・排気バルブとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の内燃機関に装備される吸・排
気バルブは高温の燃焼雰囲気(排気時800 ℃以上)に曝
されるため、従来から耐熱性に優れる金属材料によって
構成されている。ところが、自動車部材の高性能指向に
伴ってバルブ材にも軽量化の要求が高まっている。
【0003】吸・排気バルブは、図1に示すように軸端
部1を備える軸部2の先端に曲面拡大する首部3とフェ
ース4およびマージン5を有するかさ部6を形成して一
体に構成されており、材質として高密度組織(約8000kg
/m3)の耐熱鋼、Ni合金等が一般に使用されている。こ
の他、密度が4500kg/m3 程度のTi合金が利用されるこ
ともあるが、Tiの使用温度は高々600 ℃であるため温
度環境の緩やかな吸気バルブへの適用に留まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、金属材料の耐力
は結晶粒径に依存し、これが微細なほど高強度となる。
しかし、逆に高温クリープ強度は結晶粒径が微細なほど
低下する。したがって、金属材料によりバルブを構成す
る場合には、高温に曝されるかさ部および首部を高温ク
リープ強度に優れる粗大な結晶粒で構成し、比較的低温
環境にある軸部は良好な常温強度が付与される微細な結
晶粒で構成することが好適な材質組織となる。
【0005】本発明は、TiAl系の金属間化合物が軽
量(密度約4000kg/m3)で高温強度に優れており、特にT
iとAlの緻密な混合体を反応焼結させて合成するTi
Al系金属間化合物においては結晶粒径の調整が比較的
容易である点に着目して研究を重ねた結果開発に至った
もので、その目的は全体として軽量かつ耐熱強度に優
れ、かさ部および首部において高温クリープ強度が高
く、軸部においては常温強度の高い材質組織性状を備え
る吸・排気バルブとその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による吸・排気バルブは、軸部、軸部の先端
部に曲面拡大する首部および首部に連続するかさ部から
なる吸・排気バルブにおいて、Al粉末とTi粉末との
混合粉末の成形体を熱間等方圧縮して得たAl40〜5
5at%、残部Tiの組成を有するTiAl系金属間化
合物から一体に形成され、かさ部および首部の平均結晶
粒径が35〜500μm、軸部の平均結晶粒径が25μ
m以下の材質組織を備えることを構成上の特徴とする。
【0007】本発明に言う軸部、首部およびかさ部は、
図1にそれぞれ2、3、4で示した各部位を指すものと
する。
【0008】本発明において、吸・排気バルブを反応合
成法で作成されたAl40〜55at%で残部がTiからなる
組成のTiAl系金属間化合物で形成することは、材質
に高度の機械的強度ならびに延性を付与するための前提
的要件となる。その他の第三成分としてMnを含有させ
ると、反応焼結の過程で起こるポアの発生現象を抑制す
る効果がある。好適なMnの含有量は0.05〜10at%の範
囲で、0.05at%未満では前記のポア抑制効果が効果的に
発揮されず、10at%を越えると延性が大幅に減退する不
都合な結果を招く。
【0009】かさ部および首部と軸部の平均結晶粒径を
特定化する理由は、かさ部および首部の平均結晶粒径が
35μm 未満ではクリープ強度が減退し、500 μm を越え
ると常温強度が低下するためであり、他方、軸部の平均
結晶粒径が25μm を上廻ると常温強度が低下する結果を
与えるからである。
【0010】上記材質組織の吸・排気バルブを製造する
ための本発明による製造方法は、軸部、軸部の先端部に
曲面拡大する首部および首部に連続するかさ部からなる
吸・排気バルブを製造する方法において、Al40〜5
5at%、残部Tiの組成となるようにTi粉末とAl
粉末を混合し、該混合粉末に塑性加工を施して緻密な混
合体としたのち、かさ部および首部に相当する部位の加
工度が低く、軸部に相当する部位の加工度が高くなる条
件でバルブ形状に押出鍛造成形し、ついで成形体を熱間
等方圧縮することによりTiAl金属間化合物に転化す
ることを特徴とする。
【0011】具体的な製造プロセスは、まずTi粉末と
AlまたはAl合金粉末に必要な金属成分を添加して混
合し、圧縮成形および脱気処理をおこなったのち、アル
ミニウム合金容器内に真空封入し熱間押出等の塑性加工
を施して緻密な混合体を形成する。
【0012】ついで、押出鍛造によりバルブ形状に成形
する。この際、バルブのかさ部および首部に相当する部
位の加工度を低く、軸部に相当する部位の加工度が高く
なる条件を与えることによって反応合成後の平均結晶粒
径がかさ部および首部において35〜500 μm 、軸部にお
いて25μm 以下の組織性状になるように制御する。成形
体は、最終的にHIP(熱間静水圧)装置を用いて反応
合成することによりTiAl系金属間化合物に転化す
る。
【0013】
【作用】本発明による吸・排気バルブは、軽量で高度の
機械的強度および延性を付与する組成のTiAl系金属
間化合物からなり、高温に曝されるかさ部および首部は
高温クリープ強度に優れる粗大な結晶粒により、比較的
低温の環境下で使用される軸部は常温強度に優れる微細
な結晶粒により構成されている。このため、バルブの構
成部位が使用温度に応じた強度性能を具備しているか
ら、全体としての耐久寿命が大幅に改善される。
【0014】また、本発明の製造方法によれば、Ti粉
末とAl粉末を混合し、反応合成前の段階においてバル
ブのかさ部および首部の加工度を低く、軸部の加工度を
高くする条件で塑性加工を施すことにより前記した組成
性状のTiAl系金属間化合物を効率的に得ることが可
能となる。
【0015】
【実施例】粒径 149μm 以下のTi粉末と粒径 149μm
以下のAl粉末またはAl合金粉末を所定の配合比率で
混合し、混合物をCIP(冷間静水圧)成形したのち脱
気処理を施した。ついで、アルミニウム合金缶へ真空封
入し、そのまま押出比25%、押出温度375 ℃の条件で熱
間押出をおこなった。その後、直径35mm、高さ18mmに成
形したのち、常温において歪速度10-1/sec、かさ部径3
5.5mm、軸部径8.5mmの条件によりバルブ形状に押出鍛造
成形した。
【0016】このようにして得られた鍛造バルブ材のか
さ部および首部に相当する部分の金属組織写真を図2
に、また軸部の金属組織写真を図3に示した。かさ部お
よび首部に相当する部位は軸部に比べて低加工の組織で
あることが認められる。
【0017】ついで、鍛造材を温度1300℃、圧力152GP
a、時間2hrs.の条件でHIP(熱間静水圧)処理をお
こなって反応焼結させ、TiAl系金属間化合物を合成
した。得られたバルブのかさ部、首部および軸部の平均
結晶粒径を測定し、その結果を原料組成と対比して表1
に示した。
【0018】
【0019】また、押出材に冷間スエジング加工を施
し、加工度の異なる種々の丸棒を作製したのち同様にH
IP処理して平均結晶粒径の異なるTiAl系金属間化
合物を得た。これらの材料につき、常温時の引張強度お
よび 810℃の温度で 100時間処理した際のクリープ破断
強度を測定し、結果を原料組成と対比させて表2に示し
た。
【0020】
【0021】表2の結果から、本発明により製造される
TiAl系金属間化合物は、結晶粒系が微細なほど常温
引張強度が高く、結晶粒径が粗大なほど高温クリープ強
度が高くなっていることが認められる。したがって、表
1のバルブはかさ部および首部において高水準の耐熱強
度を備え、軸部において必要な高引張強度を有している
ことが判る。
【0022】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば全体とし
て軽量で耐熱強度に優れ、かさ部および首部の構成部位
おいて高温クリープ強度が高く、軸部において常温引張
強度の高い独特の材質組織性状を備える吸・排気バルブ
が提供される。したがって、自動車等の内燃機関に装備
される吸・排気バルブの材質要求性能を十分に満たすも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸・排気バルブを示した説明図である。
【図2】本発明による押出鍛造後のバルブにおいて、か
さ部および首部に相当する部位の金属組織を示した顕微
鏡拡大図である。
【図3】本発明による押出鍛造後のバルブにおいて、軸
部の金属組織を示した顕微鏡拡大図である。
【符号の説明】
1 軸端部 2 軸部 3 首部 4 フェース 5 マージン 6 かさ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−229907(JP,A) 特開 平2−181005(JP,A) 特開 昭59−117212(JP,A) 特開 平2−200743(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部、軸部の先端部に曲面拡大する首部
    および首部に連続するかさ部からなる吸・排気バルブに
    おいて、Al粉末とTi粉末との混合粉末の成形体を熱
    間等方圧縮して得たAl40〜55at%、残部Tiの
    組成を有するTiAl系金属間化合物から一体に形成さ
    れ、かさ部および首部の平均結晶粒径が35〜500μ
    m、軸部の平均結晶粒径が25μm以下の材質組織を備
    えることを特徴とする吸・排気バルブ。
  2. 【請求項2】 軸部、軸部の先端部に曲面拡大する首部
    および首部に連続するかさ部からなる吸・排気バルブを
    製造する方法において、Al40〜55at%、残部T
    iの組成となるようにTi粉末とAl粉末を混合し、該
    混合粉末に塑性加工を施して緻密な混合体としたのち、
    かさ部および首部に相当する部位の加工度が低く、軸部
    に相当する部位の加工度が高くなる条件でバルブ形状に
    押出鍛造成形し、ついで成形体を熱間等方圧縮すること
    によりTiAl金属間化合物に転化することを特徴とす
    る吸・排気バルブの製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT2881U1 (de) * 1998-06-08 1999-06-25 Plansee Ag Verfahren zur herstellung eines tellerventiles aus gamma-tial-basislegierungen
JP3559717B2 (ja) * 1998-10-29 2004-09-02 トヨタ自動車株式会社 エンジンバルブの製造方法

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JPS59117212A (ja) * 1982-12-24 1984-07-06 日本電気株式会社 電解コンデンサ用多孔質焼結体の製造方法
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JPH0730418B2 (ja) * 1989-01-30 1995-04-05 住友軽金属工業株式会社 Ti―Al系金属間化合物部材の成形法

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