JPH086502B2 - カーテンウォールを利用した動吸振器 - Google Patents

カーテンウォールを利用した動吸振器

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JPH086502B2
JPH086502B2 JP1260573A JP26057389A JPH086502B2 JP H086502 B2 JPH086502 B2 JP H086502B2 JP 1260573 A JP1260573 A JP 1260573A JP 26057389 A JP26057389 A JP 26057389A JP H086502 B2 JPH086502 B2 JP H086502B2
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JP
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curtain wall
building
vibration absorber
dynamic vibration
metal fitting
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新一 高橋
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Kajima Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本願発明はカーテンウォールを重りとして利用した動
吸振器に関するもので、建物の振動抑制に利用される。
〔従来の技術〕
従来、機械の分野で主として機械振動の対策に用いら
れていた動吸振器が、風や地震などによる建物の振動を
抑制する目的で建築の分野にも適用され、吸振器系を構
成する付加質量としての重り、バネおよびダンパーから
なる基本的な動吸振器の他、スロッシングダンパー(特
開昭62−101764号公報参照)、振り子式動吸振器(特開
昭63−254247号公報参照)など種々の形式の動吸振器が
開発されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、鉄塔などと異なり通常の建物の場合は建物の
重量が非常に大きいため、主振動系である建物の振動を
抑制するためには、吸振器系の重りも大きくならざるを
得ず、重りを別個に設ける場合、建物の設計において動
吸振器の重量、スペースなどを考慮する必要がある。ま
た、動吸振器の設置により、工費が嵩むだけでなく、有
効スペースが狭められてしまうという問題もある。
ところで、ビルなどの建物においてはPCカーテンウォ
ールを使用する場合も多く、通常、第8図に示すように
建物の梁または床スラブ22などから出された支持金具
(ファスナー23)で、カーテンウォール21を取付け、支
持金具で剛に固定したり、第9図または第10図に示すよ
うに地震時の層間変形に追従できるようスライド可能に
支持したりしている。
特に、PCカーテンウォールは比較的重量が大きく、例
えば30階建てRC造建物の場合は建物総重量の10%を占め
る場合がある。したがって、上層階のカーテンウォール
の支持金具に、例えば弾塑性ダンパーを用いて支持さ
せ、剛性と減衰量を適性な値に調整することにより、動
吸振器を構成することが考えられる。
また、この他、特開平1−165885号公報には、耐震壁
を構成しない建物の雑壁の一部を水平方向に移動自在と
し、バネおよび減衰機構を設けて動吸振器として機能さ
せるようにしたものが記載されている。
しかし、特開平1−165885号公報記載の装置では、本
来、強度や重量がそれほど要求されていない間仕切り壁
等を重りとし、さらにそれを水平移動させるための複雑
な構造およびスペースが建物内部に要求されることにな
り、従来の建物用の動吸振器と比較してメリットが少な
い。また、建物の設計段階で組み込む必要があり、メン
テナンスの面では従来の動吸振器に比べ返って不利とな
る。
本願発明は上述のような背景のもとに発明されたもの
で、建物の外部壁面に取り付けられる非構造部材である
カーテンウォールを動吸振器の重りとして利用し、ファ
スナー部分の支持構造を工夫することにより、特別なス
ペースを設けることなく、また設計荷重を増加させるこ
となく、建物の制振を可能としたものである。
〔課題を解決するための手段〕
本願発明は、建物の壁面に非構造部材であるカーテン
ウォールを地震等による建物の層間変形に追従できるよ
うスライド可能に支持するためのファスナーとしての支
持金具部分に所定の剛性および減衰量を持たせることに
より、カーテンウォールを重りとする振動系を構成し、
これを建物の振動を吸収する動吸振器として調整するも
のである。
請求項1に係る発明は、従来のアングル等を断面L字
状のファスナーと同様、カーテンウォールをボルト連結
するためのボルト穴を形成した面と、建物躯体にボルト
固定するためのボルト穴を形成した面とが直交する断面
L字状の支持金具について、複数の穴状の断面欠損部を
設けて変形能力を高めた弾塑性ダンパーを用い、この支
持金具としての弾塑性ダンパーの剛性および減衰量を建
物の固有振動数に応じた所定の値に設計することによ
り、カーテンウォールを重りとする動吸振器を構成した
ことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、ファスナーとしての支
持金具を建物躯体側に固定される第1の金具とカーテン
ウォール側に固定される第2の金具とに分け、これらが
互いに面で重なるように取り付け、重ね合わせた部分に
粘弾性ポリマーを挟み込み、少なくとも一方を長穴とし
たこれら第1および第2の金具のボルト穴を通した連結
ボルトで水平方向にスライド可能にボルト連結するとと
もに、第1および第2の金具間を建物の固有振動数に応
じた所定のバネ定数を有する板バネ、その他のばね材で
連結することにより、カーテンウォールを重りとする動
吸振器を構成したことを特徴とする。この場合、特に、
周期の長い風揺れ等に対する動吸振器として有効であ
る。
〔作 用〕
動吸振器としての最適剛性、減衰量についての調整は
従来の動吸振器の理論を適用することができる。
すなわち、第7図に示すような動吸振器のモデルにお
いて、主振動系を建物、吸振器系の重りをカーテンウォ
ールを考えると、最適振動数比は、 最適減衰比は、 ここで、 μ=m2/m1 m1は建物の質量 m2はカーテンウォールの質量 また、より最適剛性は、 となる。
例えば、PCカーテンウォールの総重量が建物の総重量
の10%の場合(通常よくあるケース)には、式および
式にμ=0.1を代入することにより、 最適振動数比(ω2opt=0.932 最適減衰比 h2opt=0.142 が得られる。
したがって、固有振動数はほぼ建物に合わせ、減衰は
約14%になるようダンパーなどの形状、数量を調整すれ
ばよいことがわかる。
〔実施例〕
次に示した実施例について説明する。
第3図および第4図は、本願請求項1に係る発明の実
施例として、支持金具であるファスナーとして弾塑性ダ
ンパーを用いる場合のファスナー3の一例を示したもの
である。
すなわち、従来、支持金具として利用されているアン
グルなど断面L字状のファスナーに代え、断面L字状の
金具に複数の穴状の断面欠損部4を設けて変形能力を高
めた弾塑性ダンパーを利用し、その形状を設計すること
により、振動に対し所望の剛性および減衰量を与えるこ
とができる。本実施例では第4図に示すように側面から
みた形状がL字状であり、第3図に示すように上部の板
状の連続部分3箇所にカーテンウォールを連結するため
のボルト穴5が設けられている。各ボルト穴5間の下方
には正面からみて台形の断面欠損部が形成され、各ボル
ト穴5の下方の3つのL字状部分の各先端には支持金具
を床スラブに固定するためのボルト穴6が設けられてい
る。断面欠損部4の形状は台形に限らず、多角形、円
形、楕円など必要とされる剛性、減衰量などに応じて適
宜設計することがある。
第5図および第6図は、本願請求項2に係る発明の実
施例として、支持金具としてのファスナー13部分に粘弾
性体ポリマー14を使用した場合を示したものである。
本実施例におけるファスナー13は、スラブなどの建物
躯体11側に固定される第1の金具であるL字金具13aと
カーテンウォール12側に固定される第2の金具である平
板13bとからなり、重ね合わせた部分に粘弾性ポリマー1
4を挟み込み、ボルト15で連結するようになっている。
図中、16はL字金具13aを躯体に固定するためのボル
ト、17は位置決め用の調整ボルト、18はモルタルであ
る。平板13bとカーテンウォール12間の連結は、平板13b
の上下に伸びるピン19を上下のカーテンウォール12の下
端および上端に嵌合した形で行っている。また、L字金
具13aと平板13bの重ね合わせ部分のボルト穴20は長穴に
なっており、連結ベルト15がスライドし、粘弾性体ポリ
マー14から減衰力を得ることができる。また、L字金具
13aにはボルト15の両側に延びる一対の板バネ13cが溶接
などにより固定されており、先端が平板13b側に固定さ
れ(図の例ではボルト15の座金部分に固定している)こ
の板バネ13cにより固有振動数を調整できるようになっ
ている。
〔発明の効果〕
従来、非構造部分と考えられているカーテンウォール
を動吸振器の重りとして利用することにより、カーテン
ウォールを建物の振動抑制に有効利用することができ
る。
また、ファスナーとしての支持金具部分で、カーテン
ウォールを層間変形に追従させる構造であるため、間仕
切り壁の場合のように特別な水平摺動機構等を工夫する
必要もなく、構造的に単純である。
特に、PCカーテンウォールは重量も大きく、有効な動
吸振器が特別の設置スペースを設けることなく形成さ
れ、また別個に動吸振器を設置する場合に比べその重り
分の荷重増加がないので、経済的に設計できる。
さらに、本願発明の動吸振器は、ファスナー部分の交
換のみで既存の建物にも適用でき、メンテナンスも容易
である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本願発明のカーテンウォールを利
用した動吸振器の振動モデル図、第3図は支持金具に弾
塑性ダンパーを用いた請求項1に係る発明の一実施例に
おける支持金具の正面図、第4図はその側面図、第5図
は支持金具に粘弾性体ポリマーを介在させた請求項2に
係る発明の一実施例の側面図、第6図はその平面図、第
7図は動吸振器の最適剛性および最適減衰比を説明する
ための振動モデル図、第8図は従来の一般的なPCカーテ
ンウォールの支持状態を示す鉛直断面図、第9図および
第10図は従来のカーテンウォールにおける変形追随性の
例を示すカーテンウォールの正面図である。 3……ファスナー、4……断面欠損部、5……ボルト
穴、6……ボルト穴、11……建物躯体、12…カーテンウ
ォール、13……ファスナー、13a……L字金具、13b……
平板、13c……板バネ、14……粘弾性体ポリマー、15…
…ボルト、16……ボルト、17……調整ボルト、18……モ
ルタル、19……ピン、20……ボルト穴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建物の壁面に非構造部材であるカーテンウ
    ォールを地震等による建物の層間変形に追従できるよう
    スライド可能に支持するためのファスナーとして、カー
    テンウォールをボルト連結するためのボルト穴を形成し
    た面と、建物躯体にボルト固定するためのボルト穴を形
    成した面とが直交する断面L字状の支持金具に、複数の
    穴状の断面欠損部を設けて変形能力を高めた弾塑性ダン
    パーを用い、前記支持金具としての弾塑性ダンパーの剛
    性および減衰量を建物の固有振動数に応じた所定の値に
    設計することにより、前記カーテンウォールを重りとす
    る動吸振器を構成したことを特徴とするカーテンウォー
    ルを利用した動吸振器。
  2. 【請求項2】建物の壁面に非構造部材であるカーテンウ
    ォールを地震等による建物の層間変形に追従できるよう
    スライド可能に支持するためのファスナーとして、建物
    躯体側に固定される第1の金具とカーテンウォール側に
    固定される第2の金具とを互いに面で重なるように取り
    付け、重ね合わせた部分に粘弾性ポリマーを挟み込み、
    少なくとも一方を長穴とした前記第1および第2の金具
    のボルト穴を通した連結ボルトで水平方向にスライド可
    能にボルト連結するとともに、前記第1および第2の金
    具間を建物の固有振動数に応じた所定のバネ定数を有す
    るバネで連結することにより、前記カーテンウォールを
    重りとする動吸振器を構成したことを特徴とするカーテ
    ンウォールを利用した動吸振器。
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