JPH0863228A - 移動体の自動位置決め装置 - Google Patents

移動体の自動位置決め装置

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JPH0863228A
JPH0863228A JP6202150A JP20215094A JPH0863228A JP H0863228 A JPH0863228 A JP H0863228A JP 6202150 A JP6202150 A JP 6202150A JP 20215094 A JP20215094 A JP 20215094A JP H0863228 A JPH0863228 A JP H0863228A
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JP
Japan
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speed
moving body
traveling
command
time
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Pending
Application number
JP6202150A
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English (en)
Inventor
Hajime Ohashi
元 大橋
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Publication of JPH0863228A publication Critical patent/JPH0863228A/ja
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  • Control And Safety Of Cranes (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)
  • Control Of Velocity Or Acceleration (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 突発的な環境の変化や経年変化に対しても安
定した停止位置精度を確保するとと共に、位置決め時間
を短縮すること。 【構成】 電動機11で走行移動され位置決め停止され
る移動体の加減速中の速度変動時間、定速走行中の平均
速度誤差や速度変動幅が検出され、減速指令のタイミン
グと停止指令とのタイミングが制御される。これによ
り、外乱の影響を受けることがなくなり、停止位置決め
精度が補償されると共に、位置決め時間を短縮すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動機械、特に、屋外
で操業されるようなクレーン等の移動体を予め設定され
た一定速度となるように走行指令する定速ノッチ指令に
基づき走行させ位置決め停止する移動体の自動位置決め
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図12に示すように、電動機を用
いて移動機械等の移動体を所定の走行速度で移動させた
のち位置決め停止させる自動位置決め装置が知られてい
る。図12において、10は主電源としての交流電源、
11は図示しない移動体を駆動するための電動機であ
り、交流電源10は電動機11に電気エネルギを供給す
る。20は電動機11に供給する電気エネルギの印加電
圧を制御する電圧供給回路であり、電圧供給回路20
は、通常、サイリスタやトライアック等を使用し点弧の
位相を制御することにより、電動機11に供給する平均
電圧を制御する方式が採用されている。12は電動機1
1の回転軸に取付けられるパルス発生器としてのパルス
ジェネレータであり、パルスジェネレータ12は電動機
11の回転速度を検出する速度計である。13は移動体
の位置を検出する位置検出器としてのシンクロ発信機、
14は移動体を停止させるためのブレーキである。
【0003】23は速度演算回路であり、速度演算回路
23はパルスジェネレータ12からの出力信号を速度デ
ータに変換する。25は走行パターン制御回路であり、
走行パターン制御回路25は走行距離に応じた走行パタ
ーンを記憶すると共に、後述の現在値検出回路26から
入力される現在位置に対応する指令速度データを後述の
誤差検出回路22に出力する。また、28は位置決め座
標設定回路であり、位置決め座標設定回路28で設定さ
れた位置決め座標位置は走行パターン制御回路25に入
力され、走行パターン制御回路25はその位置決め座標
位置に基づいて走行パターン上の走行距離を算出する。
22は誤差検出回路であり、誤差検出回路22は走行パ
ターン制御回路25から出力される現在位置に対応する
指令速度データと速度演算回路23からフィードバック
(帰還)される実際の速度データとの差分を検出する。
21は点弧制御回路であり、点弧制御回路21は誤差検
出回路22から入力される誤差データに基づいてサイリ
スタやトライアック等への点弧制御信号を出力する。2
6は現在値検出回路であり、現在値検出回路26はシン
クロ発信機13からの入力信号に基づいて移動体の現在
座標値を検出する。なお、シンクロ発信機13は通常、
従動輪側に取付けられ加減速時の車輪の滑り等の悪影響
を受けないようにされている。27はブレーキ制御回路
であり、走行パターン制御回路25から指令されるブレ
ーキング指令に基づいてブレーキ14の制御を行う。
【0004】次に、その動作について説明する。図12
において、電圧供給回路20から出力された電圧によっ
て電動機11が回転すると、この電動機11に接続され
たパルスジェネレータ12が回転する。速度演算回路2
3がパルスジェネレータ12の出力を入力して実際の速
度データを算出し出力する。誤差検出回路22では走行
パターン制御回路25が出力する指令速度データと速度
演算回路23が出力する実際の速度データとを比較す
る。実際には、〔(指令速度)−(実速度)〕を算出
し、この結果を点弧制御回路21に出力する。点弧制御
回路21では、演算結果がプラスであれば速度を上げる
方向で制御を行い、マイナスであれば速度を下げる方向
で制御を行う。これにより、一定速度制御が実行される
こととなる。
【0005】また、実際の走行位置決め制御では、通
常、速度ノッチ指令として4種類程度の速度を有してお
り、走行開始時には走行距離に応じて、4ノッチ(4
速)または3ノッチ(3速)のように早い速度を指令し
て一気に加速させ、停止時には4ノッチ(4速)または
3ノッチ(3速)から1ノッチ(1速)まで一旦、減速
したのち、位置決め座標の手前でブレーキをONとし、
走行指令をOFFとすることで停止させ、希望する所定
位置に位置決めする。ここで、走行パターン制御回路2
5では、位置決め座標設定回路28で設定された位置決
め座標位置を入力して、走行距離を算出する。この走行
距離から今回の走行最高速度を4ノッチ(4速)とする
か3ノッチ(3速)とするかを決める。また、1ノッチ
(1速)への減速指令や停止指令位置についても走行パ
ターン制御回路25が管理しており、現在値検出回路2
6の現在位置データに対応する走行指令として誤差検出
回路22に指令速度データを出力する。
【0006】上述の指令速度パターンを図13に示す。
以下の説明では、4ノッチ(4速)または3ノッチ(3
速)を高速、1ノッチ(1速)を低速として記述する。
図13において、まず、停止状態から高速まで一気に加
速する。ここで、高速に到達するまでの時刻t0 から時
刻t1 までの時間をT1としている。次に、時刻t1 か
ら時刻t2 まで高速で走行したのち、最終目標とする位
置決め座標位置(時刻t5 )の手前で距離D2の位置
(時刻t2 )において低速への減速指令を出力する。こ
こで、高速から低速に到達するまでの時刻t2 から時刻
t3 までの時間をT2としている。そして、時刻t3 か
ら時刻t4 まで低速で走行したのち、最終目標とする位
置決め座標位置(時刻t5 )の手前で距離D1の位置
(時刻t4 )でブレーキ14をONとすると共に、電動
機11への出力をOFFとする。ここで、低速走行の時
刻t3 から時刻t4 までの時間をT3としている。
【0007】なお、位置決め所要時間から見れば、高速
走行状態から一気に停止指令を出力した方が低速で走行
する時間がない分だけ時間短縮が図れるが、一旦、低速
に減速することで位置決め精度を向上させている。即
ち、最終位置決めを行う場合に低速の状態でブレーキを
かけ停止させることで、停止指令後のオーバーランを最
小限に抑えると共に、位置決め位置のばらつきを抑える
ものである。このようにして、位置決め所要時間を多少
犠牲にしても、停止精度の低下を防いでいる。また、通
常、停止指令はブレーキ14がONとされてから実際に
作動するまでの機械的な時間遅れと移動体重量及び最低
速度との関係から最終目標とする位置決め座標位置のあ
る程度手前で距離D1の位置でブレーキ14をONとす
ると共に、走行指令をOFFとすることが一般的であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、移動体の自
動位置決め装置は、前述したように構成されており、特
に、移動体がクレーン等であり、屋外での使用の場合、
雨等により車輪とレールとの摩擦係数の変化や突発的に
発生する追い風または向かい風等の風の影響、移動体に
搭載した搬送物の重量の変化、更には経年変化に対する
レールの勾配変化や保全の良否により位置決め精度にば
らつきが生じるため、長期的に安定した停止位置精度を
確保することが難しく、更には、位置決め精度のばらつ
きを抑えるため、停止位置手前の低速走行による距離も
安全性を重視した十分な距離が必要とされ、位置決め時
間の短縮が図り難いという不具合があった。
【0009】そこで、本発明は、かかる不具合を解決す
るためになされたもので、一旦、位置決めした後の補正
位置決め等を必要とせず、突発的な環境の変化や経年変
化に対しても安定した停止位置精度を確保できると共
に、位置決め時間を短縮できる移動体の自動位置決め装
置の提供を課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明にかかわる移動
体の自動位置決め装置は、移動体の走行に伴う現在位置
を検出する位置検出手段と、この位置検出手段で検出さ
れた現在位置に対応する移動体の指令速度を算出する速
度演算手段と、この速度演算手段で算出された指令速度
に基づく指令速度信号と移動体の実際の走行速度に基づ
く速度帰還信号との偏差に基づいて電動機に供給する電
気エネルギの印加電圧を制御し移動体の走行速度を制御
する走行速度制御手段と、移動体が一定速度から別の速
度に加減速するときの速度変動時間を検出する速度変動
時間測定手段と、この速度変動時間測定手段で検出され
た速度変動時間に基づき移動体の停止指令を出力するタ
イミングを変更する走行パターン制御手段とを有するよ
うにしたものである。
【0011】また、移動体の走行に伴う現在位置を検出
する位置検出手段と、この位置検出手段で検出された現
在位置に対応する移動体の指令速度を算出する速度演算
手段と、この速度演算手段で算出された指令速度に基づ
く指令速度信号と移動体の実際の走行速度に基づく速度
帰還信号との偏差に基づいて電動機に供給する電気エネ
ルギの印加電圧を制御し移動体の走行速度を制御する走
行速度制御手段と、定速走行指令時における移動体の実
際の走行速度の平均速度誤差を算出する平均速度誤差演
算手段と、この平均速度誤差演算手段で算出された平均
速度誤差に基づき移動体の停止指令を出力するタイミン
グを変更する走行パターン制御手段とを有するようにし
たものである。
【0012】また、移動体の走行に伴う現在位置を検出
する位置検出手段と、この位置検出手段で検出された現
在位置に対応する移動体の指令速度を算出する速度演算
手段と、この速度演算手段で算出された指令速度に基づ
く指令速度信号と移動体の実際の走行速度に基づく速度
帰還信号との偏差に基づいて電動機に供給する電気エネ
ルギの印加電圧を制御し移動体の走行速度を制御する走
行速度制御手段と、定速走行指令時における移動体の実
際の走行速度の最大速度変動幅を検出する速度変動幅測
定手段と、この速度変動幅測定手段で検出された最大速
度変動幅に基づき移動体の減速指令を出力するタイミン
グを変更する走行パターン制御手段とを有するようにし
たものである。
【0013】また、移動体の走行に伴う現在位置を検出
する位置検出手段と、この位置検出手段で検出された現
在位置に対応する移動体の指令速度を算出する速度演算
手段と、この速度演算手段で算出された指令速度に基づ
く指令速度信号と移動体の実際の走行速度に基づく速度
帰還信号との偏差に基づいて電動機に供給する電気エネ
ルギの印加電圧を制御し移動体の走行速度を制御する走
行速度制御手段と、移動体が停止状態から所定速度まで
変動するときの速度変動時間を検出する速度変動時間測
定手段と、この速度変動時間測定手段で検出された速度
変動時間に基づき移動体の減速指令を出力するタイミン
グを変更する走行パターン制御手段とを有するようにし
たものである。
【0014】また、移動体の走行に伴う現在位置を検出
する位置検出手段と、この位置検出手段で検出された現
在位置に対応する移動体の指令速度を算出する速度演算
手段と、この速度演算手段で算出された指令速度に基づ
く指令速度信号と移動体の実際の走行速度に基づく速度
帰還信号との偏差に基づいて電動機に供給する電気エネ
ルギの印加電圧を制御し移動体の走行速度を制御する走
行速度制御手段と、移動体が停止状態から所定速度まで
変動するときの速度変動時間を検出する速度変動時間測
定手段と、この速度変動時間測定手段で検出された速度
変動時間に基づき移動体の減速ゲインを変更する加減速
速度制御手段とを有するようにしたものである。
【0015】
【作用】この発明における移動体の自動位置決め装置
は、速度演算手段では位置検出手段で検出された移動体
の現在位置に対応する指令速度が算出され、その指令速
度に基づく指令速度信号と移動体の実際の走行速度に基
づく速度帰還信号との偏差から走行速度制御手段では電
動機に供給する電気エネルギの印加電圧を制御し移動体
の走行速度が制御され、速度変動時間測定手段では移動
体が一定速度から別の速度に加減速されるときの速度変
動時間が検出され、この検出された速度変動時間に基づ
き、走行パターン制御手段で移動体の停止指令を出力す
るタイミングが変更される。
【0016】また、速度演算手段では位置検出手段で検
出された移動体の現在位置に対応する指令速度が算出さ
れ、その指令速度に基づく指令速度信号と移動体の実際
の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差から走行速度
制御手段では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し移動体の走行速度が制御され、平均速度誤差演
算手段では定速走行指令時における移動体の実際の走行
速度の平均速度誤差が算出され、この算出された平均速
度誤差に基づき、走行パターン制御手段で移動体の停止
指令を出力するタイミングが変更される。
【0017】また、速度演算手段では位置検出手段で検
出された移動体の現在位置に対応する指令速度が算出さ
れ、その指令速度に基づく指令速度信号と移動体の実際
の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差から走行速度
制御手段では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し移動体の走行速度が制御され、速度変動幅測定
手段では定速走行指令時における移動体の実際の走行速
度の最大速度変動幅が検出され、この検出された最大速
度変動幅に基づき、走行パターン制御手段で移動体の減
速指令を出力するタイミングが変更される。
【0018】また、速度演算手段では位置検出手段で検
出された移動体の現在位置に対応する指令速度が算出さ
れ、その指令速度に基づく指令速度信号と移動体の実際
の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差から走行速度
制御手段では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し移動体の走行速度が制御され、速度変動時間測
定手段では移動体が停止状態から所定速度まで変動する
ときの速度変動時間が検出され、この検出された速度変
動時間に基づき、走行パターン制御手段で移動体の減速
指令を出力するタイミングが変更される。
【0019】また、速度演算手段では位置検出手段で検
出された移動体の現在位置に対応する指令速度が算出さ
れ、その指令速度に基づく指令速度信号と移動体の実際
の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差から走行速度
制御手段では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し移動体の走行速度が制御され、速度変動時間測
定手段では移動体が停止状態から所定速度まで変動する
ときの速度変動時間が検出され、この検出された速度変
動時間に基づき、走行パターン制御手段で移動体の減速
ゲインが変更される。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。 実施例1.図1は本発明の第一実施例にかかる移動体の
自動位置決め装置の概略構成を示すブロック図である。
なお、前述の従来装置と同様の構成または相当部分から
なるものについては同一符号及び同一記号を付して示
す。図1において、10は主電源としての交流電源、1
1は図示しない移動体を駆動するための電動機であり、
交流電源10は電動機11に電気エネルギを供給する。
20は電動機11に供給する電気エネルギの印加電圧を
制御する電圧供給回路であり、電圧供給回路20は、通
常、サイリスタやトライアック等を使用し点弧の位相を
制御することにより、電動機11に供給する平均電圧が
制御される。12は電動機11の回転軸に取付けられる
パルス発生器としてのパルスジェネレータであり、パル
スジェネレータ12は電動機11の回転速度を検出する
速度計である。13は移動体の位置を検出する位置検出
器としてのシンクロ発信機、14は移動体を停止させる
ためのブレーキである。
【0021】また、23は速度演算回路であり、速度演
算回路23はパルスジェネレータ12からの出力信号を
速度データに変換する。25は走行パターン制御回路で
あり、走行パターン制御回路25は走行距離に応じた走
行速度を表す走行パターンを記憶すると共に、後述の現
在値検出回路26から入力される現在位置に対応する指
令速度データを後述の誤差検出回路22に出力する。2
8は位置決め座標設定回路であり、位置決め座標設定回
路28で設定された位置決め座標位置は走行パターン制
御回路25に入力され、走行パターン制御回路25はそ
の位置決め座標位置に基づいて走行パターン上の走行距
離を算出する。22は誤差検出回路であり、誤差検出回
路22は走行パターン制御回路25から出力される現在
位置に対応する指令速度データと速度演算回路23から
フィードバックされる実際の速度データとの差分を検出
する。21は点弧制御回路であり、点弧制御回路21は
誤差検出回路22から入力される誤差データに基づいて
サイリスタやトライアック等への点弧制御信号を出力す
る。26は現在値検出回路であり、現在値検出回路26
はシンクロ発信機13からの入力信号に基づいて移動体
の現在座標値を検出する。なお、シンクロ発信機13は
通常、従動輪側に取付けられ加減速時の車輪の滑り等の
悪影響を受けないようにされている。27はブレーキ制
御回路であり、走行パターン制御回路25から指令され
るブレーキング指令に基づいてブレーキ14の制御を行
う。
【0022】更に、30は速度変動時間測定回路であ
り、速度変動時間測定回路30は誤差検出回路22から
出力される指令速度データと現在速度データとを入力し
て、指令速度に対して実際の現在速度が一致していない
時間を測定する。つまり、図13における加速中の時間
T1または減速中の時間T2を計測する。また、この速
度変動時間測定回路30は加速時間T1及び減速時間T
2に基づいて減速開始位置となる最終目標とする位置決
め座標位置からの距離D1,D2または減速ゲインを算
出する。31は加減速速度制御回路であり、加減速速度
制御回路31は速度変動時間測定回路30で算出された
減速ゲインを点弧制御回路21に出力する。32は速度
変動幅測定回路であり、速度変動幅測定回路32は誤差
検出回路22から出力される現在速度データに基づいて
定速走行時の最大速度変動幅を検出する。この速度変動
幅測定回路32からの出力は走行パターン制御回路25
及び平均速度誤差演算回路33に出力される。この平均
速度誤差演算回路33は誤差検出回路22から出力され
る現在速度データに基づいて定速走行時の指令速度に対
する平均速度誤差を算出し、距離D1を算出すると共
に、速度変動幅測定回路32から定速走行時の最大速度
変動幅の上限値を入力して、距離D2を算出する。この
平均速度誤差演算回路33からの出力は走行パターン制
御回路25に入力され、距離D1,D2が変更される。
走行パターン制御回路25では、従来の機能に加えて、
距離D1,D2を可変とする機能を追加し、上記2つの
距離D1,D2からなるDパラメータを変更する。
【0023】次に、その動作について図1を参照し説明
する。自動位置決め開始時、まず、走行パターン制御回
路25から高速走行指令が誤差検出回路22に出力され
る。このとき、現在速度が0であることから指令された
高速速度がそのまま点弧制御回路21に出力される。す
ると、点弧制御回路21からは、最大平均電圧が電動機
11に与えられるような制御指令が電圧供給回路20に
出力される。電動機11が回転し始めることによって、
パルスジェネレータ12が回転し始め、速度演算回路2
3によって現在速度が算出される。この現在速度が誤差
検出回路22に出力され、この誤差検出回路22、点弧
制御回路21、電圧供給回路20、電動機11、パルス
ジェネレータ12、速度演算回路23によって閉ループ
を構成し、移動体の速度制御が行われる。また、速度変
動時間測定回路30では、誤差検出回路22から指令速
度と現在速度とが入力され、加減速時間が測定される。
【0024】図2は本発明の第一実施例にかかる移動体
の自動位置決め装置の加減速時間測定処理ルーチンを示
すフローチャートである。なお、この処理ルーチンは一
定間隔毎に起動されている。図2において、まず、ステ
ップS101で、加減速中であるかが判定される。この
判定では、図1の誤差検出回路22からの指令速度と現
在速度とが比較され、一致していなければ加減速中とさ
れる。ステップS101の判定条件が成立しない、即
ち、加減速中でないときには、ステップS102に移行
し、定速走行中かが判定される。ステップS102の判
定条件が成立しない、即ち、定速走行中でないときに
は、ステップS103に移行し、時間を計測するための
時間カウンタのカウンタ値を「0」にクリアし、本ルー
チンを終了する。一方、ステップS101の判定条件が
成立する、即ち、加減速中であるときには、ステップS
104に移行し、現在速度が読込まれたのちステップS
105に移行する。ステップS105では、現在速度が
指令速度に到達したかが判定される。ステップS105
の判定条件が成立しない、即ち、現在速度が指令速度に
到達していないときには、ステップS106に移行し、
カウンタ値がカウントアップされ、本ルーチンを終了す
る。このように、加減速中で指令速度に未到達では、カ
ウンタ値だけがカウントアップされていく。こののち、
現在速度が指令速度に到達するとステップS105から
ステップS107に移行し、カウンタ値がセーブされ、
加減速にかかった所要時間が算出される。ここで、加減
速時間は、単純に、〔(加減速時間測定処理の起動時間
間隔)×(カウンタ値)〕で算出される。この加減速時
間が図13における時間T1,T2に相当する。
【0025】次にステップS108に移行して、基準時
間からの変化分が算出される。この基準時間からの変化
分は、〔(実加減速時間)/(基準加減速時間)〕で表
し、基準時間に対する倍率として算出される。ここで、
基準加減速時間とは基準加速時間と基準減速時間との和
を示している。基準時間からの変化分が上述のように算
出されたのち、ステップS109に移行し、D1値が算
出され、本ルーチンを終了する。このD1値は、図13
に示す距離D1を意味しており、この算出結果は、図3
に示すような対応図とされる。図3では、横軸に時間増
減率、縦軸にD1係数が取られており、基準時間に対す
る時間増減率に基づいてD1係数が算出される。実際の
距離D1は、〔(基準D1値)×(D1係数)〕で求め
られる。この図3では、時間増減率が1を越える場合に
は、D1係数も1を越えている。つまり、時間増減率が
1を越えるときには、通常に比べて加減速に時間がかか
っており、その分だけD1係数が大きくされることで、
位置決めにおける停止指令する位置をD1係数に対応す
る分だけ手前に持ってくることを意味している。このD
1係数分を加味したD1値が走行パターン制御回路25
に出力されることによって距離D1が制御される。
【0026】このようにして、ある一定速度から別の速
度に加速または減速するときに基準加速時間及び基準減
速時間からの変動を検出することで、この加速減速時間
の増減度合を雨等によるレールの摩擦係数の変化や風の
影響または移動体の総重量の変化として捉えることがで
きる。この加速減速時間の変化に基づいて位置決め停止
指令位置を加減することで、外乱に対しても位置決め停
止位置精度を低下させることなく、自動位置決めが可能
となる。
【0027】また、上述の説明では、加速時及び減速時
の両方の場合について説明したが、停止状態からの加速
時、高速走行からの減速時のいずれか一方を制御するも
のであってもよい。
【0028】このように、本実施例の移動体の自動位置
決め装置は、移動体の走行に伴う現在位置を検出するシ
ンクロ発信機13及び現在値検出回路26からなる位置
検出手段と、前記位置検出手段で検出された現在位置に
対応する前記移動体の指令速度を算出する走行パターン
制御回路25からなる速度演算手段と、前記速度演算手
段で算出された指令速度に基づく指令速度信号と前記移
動体の実際の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差に
基づいて電動機11に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し前記移動体の走行速度を制御するパルスジェネ
レータ12、速度演算回路23、誤差検出回路22、点
弧制御回路21及び電圧供給回路20からなる走行速度
制御手段と、前記移動体が一定速度から別の速度に加減
速するときの速度変動時間を検出する速度変動時間測定
回路30からなる速度変動時間測定手段と、前記速度変
動時間測定手段で検出された速度変動時間に基づき前記
移動体の停止指令を出力するタイミングを変更する走行
パターン制御回路25からなる走行パターン制御手段と
を具備する実施例とすることができる。
【0029】したがって、走行パターン制御回路25か
らなる速度演算手段ではシンクロ発信機13及び現在値
検出回路26からなる位置検出手段で検出された移動体
の現在位置に対応する指令速度が算出される。その指令
速度に基づく指令速度信号と移動体の実際の走行速度に
基づく速度帰還信号との偏差からパルスジェネレータ1
2、速度演算回路23、誤差検出回路22、点弧制御回
路21及び電圧供給回路20からなる走行速度制御手段
では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧を制御し
移動体の走行速度が制御される。そして、速度変動時間
測定回路30からなる速度変動時間測定手段では移動体
が一定速度から別の速度に加減速されるときの速度変動
時間が検出される。この検出された速度変動時間に基づ
き、走行パターン制御回路25からなる走行パターン制
御手段で移動体の停止指令を出力するタイミングが変更
される。
【0030】故に、このタイミングが変更された停止指
令によれば、移動体として例えば、屋外に設置されたク
レーンのレールの雨等による摩擦係数の変化や風の影
響、移動体の総重量の変化による加減速時の速度変動時
間が考慮され、停止位置精度の変動が防止される。
【0031】ところで、上述の実施例で用いられている
図3の対応図における関数やその傾きについては、実際
の自動走行システム毎に自動走行制御系や重量等の諸元
が異なることから、各システム毎に調整・設定が必要で
ある。
【0032】実施例2.図1は本発明の第二実施例にか
かる移動体の自動位置決め装置の概略構成を示すブロッ
ク図であり、上述の第一実施例と同様の構成であるた
め、その詳細な説明を省略し、相違する機能について重
点的に説明する。
【0033】図1において、自動位置決め開始時、ま
ず、走行パターン制御回路25から高速走行指令が誤差
検出回路22に出力される。このとき、現在速度が0で
あることから指令された高速速度がそのまま点弧制御回
路21に出力される。すると、点弧制御回路21から
は、最大平均電圧が電動機11に与えられるような制御
指令が電圧供給回路20に出力される。電動機11が回
転し始めることによって、パルスジェネレータ12が回
転し始め、速度演算回路23によって現在速度が算出さ
れる。この現在速度が誤差検出回路22に出力され、こ
の誤差検出回路22、点弧制御回路21、電圧供給回路
20、電動機11、パルスジェネレータ12、速度演算
回路23によって閉ループを構成し、移動体の速度制御
が行われる。また、平均速度誤差演算回路33では、誤
差検出回路22から指令速度と現在速度とが入力され、
平均速度誤差が演算される。
【0034】図4は本発明の第二実施例にかかる移動体
の自動位置決め装置の平均速度誤差演算処理ルーチンを
示すフローチャートである。なお、この処理ルーチンは
一定間隔毎に起動されている。図4において、まず、ス
テップS201で、定速走行中であるかが判定される。
この判定は、通常、高速走行中に行われ、図1の誤差検
出回路22からの現在速度が指令速度の定格速度に対し
て±数%の範囲に入っていれば定速走行中とされる。ス
テップS201の判定条件が成立しない、即ち、定速走
行中でないときには、ステップS202に移行し、加算
量及びカウンタ値を「0」にクリアし、本ルーチンを終
了する。一方、ステップS201の判定条件が成立す
る、即ち、定速走行中であるときには、ステップS20
3に移行し、現在指令速度が読込まれたのちステップS
204に移行する。ステップS204では、加算量に現
在指令速度が加算され、ステップS205に移行し、カ
ウンタ値がカウントアップされる。ここで、現在指令速
度とは点弧制御回路21に出力するデータの速度換算値
であり、電動機11に与える速度データを意味する。次
にステップS206に移行して、減速位置に到達したか
が判定される。ステップS206の判定条件が成立しな
い、即ち、減速位置に到達していないときには、本ルー
チンを終了する。この減速位置とは、高速から低速に減
速する位置のことで、図13における距離D2に相当す
る。ステップS206で、減速位置に到達したと判定さ
れるまでは、ステップS201からステップS206ま
での処理が繰返され、現在指令速度が加算量に加算さ
れ、カウンタ値がカウントアップされる。ステップS2
06の判定条件が成立する、即ち、減速位置に到達した
ときには、ステップS207に移行し、距離D1が算出
され、本ルーチンを終了する。
【0035】この距離D1の算出方法は、次の通りであ
る。まず、加算量とカウンタ値から、平均指令速度が算
出される。算出方法は、〔(加算量)/(カウンタ
値)〕である。次に、定格速度に対する平均指令速度の
比率である平均指令速度比率を、〔(平均指令速度)/
(定格速度)〕から求める。この平均指令速度比率か
ら、図5に示すような対応図に基づいてD1係数が算出
される。ここで、平均指令速度とは定格速度を得るため
に必要な速度であり、この平均指令速度比率が1よりも
大きいならば、走行系において通常に比べて何らかの抵
抗成分を持っていることであり、逆に、平均指令速度比
率が1よりも小さいならば、通常に比べて抵抗成分が小
さいことを示している。したがって、停止指令を与える
タイミング、つまり、D1値が抵抗成分が大きいときに
は通常に比べて小さくされ、抵抗成分が小さいときには
大きくされることで停止位置精度の低下が防止される。
この平均速度誤差演算回路33で算出されたD1値が走
行パターン制御回路25に出力されることによって距離
D1が制御される。
【0036】このようにして、ある定速走行(一定速度
で走行)している状態において、定格速度に対する平均
指令速度である平均指令速度比率を検出することで、こ
の平均指令速度比率をレールの勾配や風の影響または電
気機器等の経年変化や走行制御系の調整変動として捉え
ることができる。この平均指令速度比率の変化に基づい
て位置決め停止指令位置を加減することで、外乱に対し
ても位置決め停止精度を低下させることなく、自動位置
決めが可能となる。ここで、本実施例と第一実施例との
相違点は、第一実施例が比較的短時間の時間スパンに対
する外乱影響を抑える効果を有するのに対して、本実施
例が長期的な変動要因に対する影響を抑える効果を有し
ていることである。
【0037】このように、本実施例の移動体の自動位置
決め装置は、移動体の走行に伴う現在位置を検出するシ
ンクロ発信機13及び現在値検出回路26からなる位置
検出手段と、前記位置検出手段で検出された現在位置に
対応する前記移動体の指令速度を算出する走行パターン
制御回路25からなる速度演算手段と、前記速度演算手
段で算出された指令速度に基づく指令速度信号と前記移
動体の実際の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差に
基づいて電動機11に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し前記移動体の走行速度を制御するパルスジェネ
レータ12、速度演算回路23、誤差検出回路22、点
弧制御回路21及び電圧供給回路20からなる走行速度
制御手段と、定速走行指令時における前記移動体の実際
の走行速度の平均速度誤差を算出する平均速度誤差演算
回路33からなる平均速度誤差演算手段と、前記平均速
度誤差演算手段で算出された平均速度誤差に基づき前記
移動体の停止指令を出力するタイミングを変更する走行
パターン制御回路25からなる走行パターン制御手段と
を具備する実施例とすることができる。
【0038】したがって、走行パターン制御回路25か
らなる速度演算手段ではシンクロ発信機13及び現在値
検出回路26からなる位置検出手段で検出された移動体
の現在位置に対応する指令速度が算出される。その指令
速度に基づく指令速度信号と移動体の実際の走行速度に
基づく速度帰還信号との偏差からパルスジェネレータ1
2、速度演算回路23、誤差検出回路22、点弧制御回
路21及び電圧供給回路20からなる走行速度制御手段
では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧を制御し
移動体の走行速度が制御される。そして、平均速度誤差
演算回路33からなる平均速度誤差演算手段では定速走
行指令時における移動体の実際の走行速度の平均速度誤
差が算出される。この算出された平均速度誤差に基づ
き、走行パターン制御回路25からなる走行パターン制
御手段で移動体の停止指令を出力するタイミングが変更
される。
【0039】故に、このタイミングが変更された停止指
令によれば、移動体として例えば、屋外に設置されたク
レーンのレールの勾配変化や風の影響、電気機器等の経
年変化や走行制御系の調整等による定速走行時の平均速
度誤差が考慮され、停止位置精度の変動が防止される。
【0040】ところで、上述の実施例で用いられている
図5の対応図における関数やその傾きについては、実際
の自動走行システム毎に自動走行制御系や重量等の諸元
が異なることから、各システム毎に調整・設定が必要で
ある。
【0041】実施例3.図1は本発明の第三実施例にか
かる移動体の自動位置決め装置の概略構成を示すブロッ
ク図であり、上述の第一実施例と同様の構成であるた
め、その詳細な説明を省略し、相違する機能について重
点的に説明する。
【0042】図1において、自動位置決め開始時、ま
ず、走行パターン制御回路25から高速走行指令が誤差
検出回路22に出力される。このとき、現在速度が0で
あることから指令された高速速度がそのまま点弧制御回
路21に出力される。すると、点弧制御回路21から
は、最大平均電圧が電動機11に与えられるような制御
指令が電圧供給回路20に出力される。電動機11が回
転し始めることによって、パルスジェネレータ12が回
転し始め、速度演算回路23によって現在速度が算出さ
れる。この現在速度が誤差検出回路22に出力され、こ
の誤差検出回路22、点弧制御回路21、電圧供給回路
20、電動機11、パルスジェネレータ12、速度演算
回路23によって閉ループを構成し、移動体の速度制御
が行われる。また、速度変動幅測定回路32では、誤差
検出回路22から指令速度と現在速度とが入力され、最
大速度変動幅が測定される。
【0043】図6は本発明の第三実施例にかかる移動体
の自動位置決め装置の最大速度変動幅測定処理ルーチン
を示すフローチャートである。なお、この処理ルーチン
は一定間隔毎に起動されている。図6において、まず、
ステップS301で、定速走行中であるかが判定され
る。この判定は、通常、高速走行中に行われ、図1の誤
差検出回路22からの現在速度が指令速度の定格速度に
対して±数%の範囲に入っていれば定速走行中とされ
る。ステップS301の判定条件が成立しない、即ち、
定速走行中でないときには、ステップS302に移行
し、最大値aを「0」にクリアし、本ルーチンを終了す
る。一方、ステップS301の判定条件が成立する、即
ち、定速走行中であるときには、ステップS303に移
行し、現在速度が読込まれたのちステップS304に移
行する。ステップS304では、ステップS303で読
込まれた現在速度が最大値aを越えているかが判定され
る。ステップS304の判定条件が成立する、即ち、現
在速度が最大値aよりも大きいときには、ステップS3
05に移行し、現在速度が最大値aとして格納され最大
値が更新される。ここで、ステップS304の判定条件
が成立しない、即ち、現在速度が最大値a以下であると
きには、ステップS305がスキップされる。
【0044】次にステップS306に移行して、(減速
位置−α)の位置に到達したかが判定される。ステップ
S306の判定条件が成立しない、即ち、未だ(減速位
置−α)の位置に到達していないときには、本ルーチン
を終了する。そして、ステップS306の判定条件が成
立する、即ち、減速位置から所定距離α手前になったと
きには、ステップS307に移行し、検出された最大値
(最大速度)aから図13に示す距離D2が算出され、
本ルーチンを終了する。この演算方法は、〔(最大値a
−定格速度)/(定格速度)×100〕で最大速度変動
率[%]を算出し、図7に示すような対応図に基づいて
D2係数が算出される。ここで、速度変動幅がなく最大
速度変動率が0[%]のときD2係数は1であり、最大
速度変動率が大きくなるに従ってD2係数は大きくな
り、図13に示す距離D2は大きくなる。つまり、最大
値(最大速度)aが大きくなればなるほど、D2値が大
きくされることによって減速完了位置を一定化すること
ができ、低速で走行する距離を一定化することができ
る。このように、図13に示す時間T3を一定化できる
ことから、時間T3での低速の走行距離は最低の安全距
離だけ確保しておけばよく、極力短くすることができる
ため自動位置決め時間を短縮することができる。最終的
には、算出されたD2値が走行パターン制御回路25に
出力され、その距離D2によって減速制御される。
【0045】このようにして、最大速度変動率が検出さ
れ、図13に示す時間T2の最大値が検出される。この
最大速度変動率は走行制御系のばらつきや風の影響また
はレールの勾配変化によるものとして捉えることができ
る。この最大速度変動率の変化に基づいて最終目標とす
る位置決め座標位置の手前で距離D2の減速開始位置を
加減することで、停止位置に対する変動要因に対して
も、低速走行距離を一定化することができ、位置決め時
間を短縮化すると共に、安定した位置決めが可能とな
る。
【0046】このように、本実施例の移動体の自動位置
決め装置は、移動体の走行に伴う現在位置を検出するシ
ンクロ発信機13及び現在値検出回路26からなる位置
検出手段と、前記位置検出手段で検出された現在位置に
対応する前記移動体の指令速度を算出する走行パターン
制御回路25からなる速度演算手段と、前記速度演算手
段で算出された指令速度に基づく指令速度信号と前記移
動体の実際の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差に
基づいて電動機11に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し前記移動体の走行速度を制御するパルスジェネ
レータ12、速度演算回路23、誤差検出回路22、点
弧制御回路21及び電圧供給回路20からなる走行速度
制御手段と、定速走行指令時における前記移動体の実際
の走行速度の最大速度変動幅を検出する速度変動幅測定
回路32からなる速度変動幅測定手段と、前記速度変動
幅測定手段で検出された最大速度変動幅に基づき前記移
動体の減速指令を出力するタイミングを変更する走行パ
ターン制御回路25からなる走行パターン制御手段とを
具備する実施例とすることができる。
【0047】したがって、走行パターン制御回路25か
らなる速度演算手段ではシンクロ発信機13及び現在値
検出回路26からなる位置検出手段で検出された移動体
の現在位置に対応する指令速度が算出される。その指令
速度に基づく指令速度信号と移動体の実際の走行速度に
基づく速度帰還信号との偏差からパルスジェネレータ1
2、速度演算回路23、誤差検出回路22、点弧制御回
路21及び電圧供給回路20からなる走行速度制御手段
では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧を制御し
移動体の走行速度が制御される。そして、速度変動幅測
定回路32からなる速度変動幅測定手段では定速走行指
令時における移動体の実際の走行速度の最大速度変動幅
が検出される。この検出された最大速度変動幅に基づ
き、走行パターン制御回路25からなる走行パターン制
御手段で移動体の減速指令を出力するタイミングが変更
される。
【0048】故に、このタイミングが変更された減速指
令によれば、移動体として例えば、屋外に設置されたク
レーンのレールの勾配変化や風の影響、走行制御系のば
らつき等による定速走行時の速度変動幅が考慮され、停
止位置精度の変動が防止される。
【0049】ところで、上述の実施例で用いられている
図7の対応図における関数やその傾きについては、実際
の自動走行システム毎に自動走行制御系や重量等の諸元
が異なることから、各システム毎に調整・設定が必要で
ある。
【0050】実施例4.図1は本発明の第四実施例にか
かる移動体の自動位置決め装置の概略構成を示すブロッ
ク図であり、上述の第一実施例と同様の構成であるた
め、その詳細な説明を省略し、相違する機能について重
点的に説明する。
【0051】図1において、自動位置決め開始時、ま
ず、走行パターン制御回路25から高速走行指令が誤差
検出回路22に出力される。このとき、現在速度が0で
あることから指令された高速速度がそのまま点弧制御回
路21に出力される。すると、点弧制御回路21から
は、最大平均電圧が電動機11に与えられるような制御
指令が電圧供給回路20に出力される。電動機11が回
転し始めることによって、パルスジェネレータ12が回
転し始め、速度演算回路23によって現在速度が算出さ
れる。この現在速度が誤差検出回路22に出力され、こ
の誤差検出回路22、点弧制御回路21、電圧供給回路
20、電動機11、パルスジェネレータ12、速度演算
回路23によって閉ループを構成し、移動体の速度制御
が行われる。また、速度変動時間測定回路30では、誤
差検出回路22から指令速度と現在速度とが入力され、
加速時間が測定される。
【0052】図8は本発明の第四実施例にかかる移動体
の自動位置決め装置の加速時間測定処理ルーチンを示す
フローチャートである。なお、この処理ルーチンは一定
間隔毎に起動されている。図8において、まず、ステッ
プS401で、加速中であるかが判定される。この判定
では、図1の誤差検出回路22からの指令速度と現在速
度とが比較され、〔(指令速度)>(現在速度)〕であ
れば加速中とされる。ステップS401の判定条件が成
立しない、即ち、加速中でなければ、ステップS402
に移行し、カウンタ値を「0」にクリアし、本ルーチン
を終了する。このカウンタ値は、時間を計測するための
時間カウンタである。一方、ステップS401の判定条
件が成立する、即ち、加速中であるときには、ステップ
S403に移行し、現在速度が読込まれたのちステップ
S404に移行する。ステップS404では、現在速度
が指令速度に到達したかが判定される。ステップS40
4の判定条件が成立しない、即ち、現在速度が指令速度
に到達していないときには、ステップS405に移行
し、カウンタ値がカウントアップされ、本ルーチンを終
了する。このように、加速中で指令速度に未到達では、
カウンタ値だけがカウントアップされていく。このの
ち、現在速度が指令速度に到達するとステップS404
からステップS406に移行し、カウンタ値がセーブさ
れ、加速にかかった所要時間が算出される。ここで、加
速時間は、単純に、〔(加速時間測定処理の起動時間間
隔)×(カウンタ値)〕で算出される。この加速時間が
図13における時間T1に相当する。
【0053】次にステップS407に移行して、基準時
間からの変化分が算出される。この基準時間からの変化
分は、〔(実加速時間)/(基準加速時間)〕で表し、
基準時間に対する倍率として算出される。基準時間から
の変化分が上述のように算出されたのち、ステップS4
08に移行し、D2値が算出され、本ルーチンを終了す
る。このD2値は、図13に示す距離D2を意味してお
り、この算出結果は、図9に示すような対応図とされ
る。図9では、横軸に加速時間変動倍率、縦軸にD2係
数が取られており、基準時間に対する加速時間変動倍率
に基づいてD2係数が算出される。実際の距離D2は、
〔(基準D2値)×(D2係数)〕で求められる。この
図9では、加速時間変動倍率が1を越える場合には、D
2係数も1を越えている。つまり、加速時間変動倍率が
1を越えるときには、通常に比べて加速に時間がかかっ
ており、その分だけD2係数が大きくされることで、位
置決めにおける停止指令する位置をD2係数に対応する
分だけ手前に持ってくることを意味している。このD2
係数分を加味したD2値が走行パターン制御回路25に
出力されることによって距離D2が制御される。
【0054】このようにして、停止状態から高速速度に
加速するまでの基準加速時間に対して、実際の加速時間
の変化を検出することで、この加速時間変動倍率を雨等
によるレールの摩擦係数の変化や風の影響または移動体
の総重量の変化として捉えることができる。この加速時
間変動倍率を検出することで、図13における減速時間
T2の最大値が検出される。この加速時間変動倍率の変
化に基づいて最終目標とする位置決め座標位置の手前で
距離D2の減速開始位置を加減することで、上記変動要
因に対しても、低速走行距離を一定化することができ、
位置決め時間が短縮化されると共に、安定した位置決め
が可能となる。
【0055】このように、本実施例の移動体の自動位置
決め装置は、移動体の走行に伴う現在位置を検出するシ
ンクロ発信機13及び現在値検出回路26からなる位置
検出手段と、前記位置検出手段で検出された現在位置に
対応する前記移動体の指令速度を算出する走行パターン
制御回路25からなる速度演算手段と、前記速度演算手
段で算出された指令速度に基づく指令速度信号と前記移
動体の実際の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差に
基づいて電動機11に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し前記移動体の走行速度を制御するパルスジェネ
レータ12、速度演算回路23、誤差検出回路22、点
弧制御回路21及び電圧供給回路20からなる走行速度
制御手段と、前記移動体が停止状態から所定速度まで変
動するときの速度変動時間を検出する速度変動時間測定
回路30からなる速度変動時間測定手段と、前記速度変
動時間測定手段で検出された速度変動時間に基づき前記
移動体の減速指令を出力するタイミングを変更する走行
パターン制御回路25からなる走行パターン制御手段と
を具備する実施例とすることができる。
【0056】したがって、走行パターン制御回路25か
らなる速度演算手段ではシンクロ発信機13及び現在値
検出回路26からなる位置検出手段で検出された移動体
の現在位置に対応する指令速度が算出される。その指令
速度に基づく指令速度信号と移動体の実際の走行速度に
基づく速度帰還信号との偏差からパルスジェネレータ1
2、速度演算回路23、誤差検出回路22、点弧制御回
路21及び電圧供給回路20からなる走行速度制御手段
では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧を制御し
移動体の走行速度が制御される。そして、速度変動時間
測定回路30からなる速度変動時間測定手段では移動体
が停止状態から所定速度まで変動するときの速度変動時
間が検出される。この検出された速度変動時間に基づ
き、走行パターン制御回路25からなる走行パターン制
御手段で移動体の減速指令を出力するタイミングが変更
される。
【0057】故に、このタイミングが変更された減速指
令によれば、移動体として例えば、屋外に設置されたク
レーンのレールの雨等による摩擦係数の変化や風の影
響、移動体の総重量の変化による加減速時間の変動が考
慮され、停止位置精度の変動が防止される。
【0058】ところで、上述の実施例で用いられている
図9の対応図における関数やその傾きについては、実際
の自動走行システム毎に自動走行制御系や重量等の諸元
が異なることから、各システム毎に調整・設定が必要で
ある。
【0059】実施例5.図1は本発明の第五実施例にか
かる移動体の自動位置決め装置の概略構成を示すブロッ
ク図であり、上述の第一実施例と同様の構成であるた
め、その詳細な説明を省略し、相違する機能について重
点的に説明する。
【0060】図1において、自動位置決め開始時、ま
ず、走行パターン制御回路25から高速走行指令が誤差
検出回路22に出力される。このとき、現在速度が0で
あることから指令された高速速度がそのまま点弧制御回
路21に出力される。すると、点弧制御回路21から
は、最大平均電圧が電動機11に与えられるような制御
指令が電圧供給回路20に出力される。電動機11が回
転し始めることによって、パルスジェネレータ12が回
転し始め、速度演算回路23によって現在速度が計算さ
れる。この現在速度が誤差検出回路22に出力され、こ
の誤差検出回路22、点弧制御回路21、電圧供給回路
20、電動機11、パルスジェネレータ12、速度演算
回路23によって閉ループを構成し、移動体の速度制御
が行われる。また、速度変動時間測定回路30では、誤
差検出回路22から指令速度と現在速度とが入力され、
加速時間が測定される。
【0061】図10は本発明の第五実施例にかかる移動
体の自動位置決め装置の加速時間測定による減速ゲイン
算出処理ルーチンを示すフローチャートである。なお、
この処理ルーチンは一定間隔毎に起動されている。図1
0において、まず、ステップS501で、加速中である
かが判定される。この判定では、図1の誤差検出回路2
2からの指令速度と現在速度とが比較され、〔(指令速
度)>(現在速度)〕であれば加速中とされる。ステッ
プS501の判定条件が成立しない、即ち、加速中でな
ければ、ステップS502に移行し、カウンタ値を
「0」にクリアし、本ルーチンを終了する。このカウン
タ値は、時間を計測するための時間カウンタである。一
方、ステップS501の判定条件が成立する、即ち、加
速中であるときには、ステップS503に移行し、現在
速度が読込まれたのちステップS504に移行する。ス
テップS504では、現在速度が指令速度に到達したか
が判定される。ステップS504の判定条件が成立しな
い、即ち、現在速度が指令速度に到達していないときに
は、ステップS505に移行し、カウンタ値がカウント
アップされ、本ルーチンを終了する。このように、加速
中で指令速度に未到達では、カウンタ値だけがカウント
アップされていく。こののち、現在速度が指令速度に到
達するとステップS504からステップS506に移行
し、カウンタ値がセーブされ、加速にかかった所要時間
が算出される。ここで、加速時間は、単純に、〔(加速
時間測定処理の起動時間間隔)×(カウンタ値)〕で算
出される。この加速時間が図13における時間T1に相
当する。
【0062】次にステップS507に移行して、基準時
間からの変化分が算出される。この基準時間からの変化
分は、〔(実加速時間)/(基準加速時間)〕で表し、
基準時間に対する倍率として算出される。この算出され
た加速時間変動倍率が加速速度制御回路31に出力さ
れ、加速速度制御回路31では加速時間変動倍率に基づ
いて減速ゲインが算出される。ここでは、図11に示す
ような対応図が用いられる。図11では、横軸に加速時
間変動倍率、縦軸に減速ゲイン係数が取られており、基
準時間に対する加速時間変動倍率に基づいて減速ゲイン
係数が算出される。実際の減速ゲインは、〔(基準減速
ゲイン)×(減速ゲイン係数)〕で求められる。この図
11では、加速時間変動倍率が1を越える場合には、減
速ゲイン係数も1を越えている。つまり、加速時間変動
倍率が1を越えるときには、通常に比べて加速に時間が
かかっており、その分だけ減速ゲインが大きくされるこ
とで、減速度が基準減速度に一致されることを表してい
る。
【0063】このようにして、停止状態から高速速度に
加速するまでの基準加速時間に対して、実際の加速時間
の変化を検出することで、この加速時間変動倍率を雨等
によるレールの摩擦係数の変化や風の影響または移動体
の総重量の変化として捉えることができる。この加速時
間変動倍率を検出することで、図13における減速時間
T2の最大値が検出される。この加速時間変動倍率の変
化に基づいて減速ゲインを加減することで、減速時間T
2の一定化を図り、上記変動要因に対しても、低速走行
距離を一定化することができ、位置決め時間が短縮化さ
れると共に、安定した位置決めが可能となる。
【0064】前述のように、本実施例の移動体の自動位
置決め装置は、移動体の走行に伴う現在位置を検出する
シンクロ発信機13及び現在値検出回路26からなる位
置検出手段と、前記位置検出手段で検出された現在位置
に対応する前記移動体の指令速度を算出する走行パター
ン制御回路25からなる速度演算手段と、前記速度演算
手段で算出された指令速度に基づく指令速度信号と前記
移動体の実際の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差
に基づいて電動機11に供給する電気エネルギの印加電
圧を制御し前記移動体の走行速度を制御するパルスジェ
ネレータ12、速度演算回路23、誤差検出回路22、
点弧制御回路21及び電圧供給回路20からなる走行速
度制御手段と、前記移動体が停止状態から所定速度まで
変動するときの速度変動時間を検出する速度変動時間測
定回路30からなる速度変動時間測定手段と、前記速度
変動時間測定手段で検出された速度変動時間に基づき前
記移動体の減速ゲインを変更する加減速速度制御回路3
1からなる加減速速度制御手段とを具備する実施例とす
ることができる。
【0065】したがって、走行パターン制御回路25か
らなる速度演算手段ではシンクロ発信機13及び現在値
検出回路26からなる位置検出手段で検出された移動体
の現在位置に対応する指令速度が算出される。その指令
速度に基づく指令速度信号と移動体の実際の走行速度に
基づく速度帰還信号との偏差からパルスジェネレータ1
2、速度演算回路23、誤差検出回路22、点弧制御回
路21及び電圧供給回路20からなる走行速度制御手段
では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧を制御し
移動体の走行速度が制御される。そして、速度変動時間
測定回路30からなる速度変動時間測定手段では移動体
が停止状態から所定速度まで変動するときの速度変動時
間が検出される。この検出された速度変動時間に基づ
き、走行パターン制御回路25からなる走行パターン制
御手段で移動体の減速ゲインが変更される。
【0066】故に、この変更された減速ゲインによれ
ば、移動体として例えば、屋外に設置されたクレーンの
レールの雨等による摩擦係数の変化や風の影響、移動体
の総重量の変化による減速時間の変動が考慮され、停止
位置精度の変動が防止される。
【0067】ところで、上述の実施例で用いられている
図11の対応図における関数やその傾きについては、実
際の自動走行システム毎に自動走行制御系や重量等の諸
元が異なることから、各システム毎に調整・設定が必要
である。なお、上述の実施例1.〜実施例5.におい
て、シンクロ発信機13はロータリエンコーダ等の回転
式位置検出器であってもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、この発明における
移動体の自動位置決め装置によれば、速度演算手段では
位置検出手段で検出された移動体の現在位置に対応する
指令速度が算出され、その指令速度に基づく指令速度信
号と移動体の実際の走行速度に基づく速度帰還信号との
偏差から走行速度制御手段では電動機に供給する電気エ
ネルギの印加電圧を制御し移動体の走行速度が制御さ
れ、速度変動時間測定手段では移動体が一定速度から別
の速度に加減速されるときの速度変動時間が検出され、
この速度変動時間に基づき、走行パターン制御手段で移
動体の停止指令を出力するタイミングが変更される。こ
れにより、移動体として例えば、屋外に設置されたクレ
ーンのレールの雨等による摩擦係数の変化や風の影響、
移動体の総重量の変化による加減速時の速度変動時間が
考慮され、停止位置精度を補償することができ、更に、
停止位置精度が安定することで、減速指令の出力タイミ
ングにおける余裕が不要となり、結果的に位置決め時間
を短縮することができる。
【0069】また、速度演算手段では位置検出手段で検
出された移動体の現在位置に対応する指令速度が算出さ
れ、その指令速度に基づく指令速度信号と移動体の実際
の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差から走行速度
制御手段では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し移動体の走行速度が制御され、平均速度誤差演
算手段では定速走行指令時における移動体の実際の走行
速度の平均速度誤差が算出され、この算出された平均速
度誤差に基づき、走行パターン制御手段で移動体の停止
指令を出力するタイミングが変更される。これにより、
移動体として例えば、屋外に設置されたクレーンのレー
ルの勾配変化や風の影響、電気機器等の経年変化や走行
制御系の調整等による定速走行時の平均速度誤差が考慮
され、停止位置精度を補償することができ、更に、停止
位置精度が安定することで、減速指令の出力タイミング
における余裕が不要となり、結果的に位置決め時間を短
縮することができる。
【0070】また、速度演算手段では位置検出手段で検
出された移動体の現在位置に対応する指令速度が算出さ
れ、その指令速度に基づく指令速度信号と移動体の実際
の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差から走行速度
制御手段では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し移動体の走行速度が制御され、速度変動幅測定
手段では定速走行指令時における移動体の実際の走行速
度の最大速度変動幅が検出され、この検出された最大速
度変動幅に基づき、走行パターン制御手段で移動体の減
速指令を出力するタイミングが変更される。これによ
り、移動体として例えば、屋外に設置されたクレーンの
レールの勾配変化や風の影響、走行制御系のばらつき等
による定速走行時の速度変動幅が考慮され、停止位置精
度を補償することができ、更に、停止位置精度が安定す
ることで、減速指令の出力タイミングにおける余裕が不
要となり、結果的に位置決め時間を短縮することができ
る。
【0071】また、速度演算手段では位置検出手段で検
出された移動体の現在位置に対応する指令速度が算出さ
れ、その指令速度に基づく指令速度信号と移動体の実際
の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差から走行速度
制御手段では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し移動体の走行速度が制御され、速度変動時間測
定手段では移動体が停止状態から所定速度まで変動する
ときの速度変動時間が検出され、この検出された速度変
動時間に基づき、走行パターン制御手段で移動体の減速
指令を出力するタイミングが変更される。これにより、
移動体として例えば、屋外に設置されたクレーンのレー
ルの雨等による摩擦係数の変化や風の影響、移動体の総
重量の変化による加減速時間の変動が考慮され、停止位
置精度を補償することができ、更に、停止位置精度が安
定することで、減速指令の出力タイミングにおける余裕
が不要となり、結果的に位置決め時間を短縮することが
できる。
【0072】また、速度演算手段では位置検出手段で検
出された移動体の現在位置に対応する指令速度が算出さ
れ、その指令速度に基づく指令速度信号と移動体の実際
の走行速度に基づく速度帰還信号との偏差から走行速度
制御手段では電動機に供給する電気エネルギの印加電圧
を制御し移動体の走行速度が制御され、速度変動時間測
定手段では移動体が停止状態から所定速度まで変動する
ときの速度変動時間が検出され、この検出された速度変
動時間に基づき、走行パターン制御手段で移動体の減速
ゲインが変更される。これにより、移動体として例え
ば、屋外に設置されたクレーンのレールの雨等による摩
擦係数の変化や風の影響、移動体の総重量の変化による
減速時間の変動が考慮され、停止位置精度を補償するこ
とができ、更に、停止位置精度が安定することで、減速
指令の出力タイミングにおける余裕が不要となり、結果
的に位置決め時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施例乃至第五実施例に
かかる移動体の自動位置決め装置の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 図2は本発明の第一実施例にかかる移動体の
自動位置決め装置の加減速時間測定処理ルーチンを示す
フローチャートである。
【図3】 図3は本発明の第一実施例にかかる移動体の
自動位置決め装置における時間増減率とD1係数との関
係を示す対応図である。
【図4】 図4は本発明の第二実施例にかかる移動体の
自動位置決め装置の平均速度誤差測定処理ルーチンを示
すフローチャートである。
【図5】 図5は本発明の第二実施例にかかる移動体の
自動位置決め装置における平均指令速度比率とD1係数
との関係を示す対応図である。
【図6】 図6は本発明の第三実施例にかかる移動体の
自動位置決め装置の最大速度変動幅測定処理ルーチンを
示すフローチャートである。
【図7】 図7は本発明の第三実施例にかかる移動体の
自動位置決め装置における最大速度変動率とD2係数と
の関係を示す対応図である。
【図8】 図8は本発明の第四実施例にかかる移動体の
自動位置決め装置の加速時間測定処理ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図9】 図9は本発明の第四実施例にかかる移動体の
自動位置決め装置における加速時間変動倍率とD2係数
との関係を示す対応図である。
【図10】 図10は本発明の第五実施例にかかる移動
体の自動位置決め装置の加速時間測定による減速ゲイン
算出処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】 図11は本発明の第五実施例にかかる移動
体の自動位置決め装置における加速時間変動倍率と減速
ゲイン係数との関係を示す対応図である。
【図12】 図12は従来の移動体の自動位置決め装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図13】 図13は従来及び本発明の第一実施例乃至
第五実施例にかかる移動体の自動位置決め装置における
指令速度と時間との関係を示す指令速度パターンであ
る。
【符号の説明】
10 交流電源、11 電動機、12 パルスジェネレ
ータ、13 シンクロ発信機、14 ブレーキ、20
電圧供給回路、21 点弧制御回路、22 誤差検出回
路、23 速度演算回路、25 走行パターン制御回
路、26 現在値検出回路、27 ブレーキ制御回路、
28 位置決め座標設定回路、30 速度変動時間測定
回路、31 加減速速度制御回路、32 速度変動幅測
定回路、33 平均速度誤差演算回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05D 13/62 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体の走行に伴う現在位置を検出する
    位置検出手段と、 前記位置検出手段で検出された現在位置に対応する前記
    移動体の指令速度を算出する速度演算手段と、 前記速度演算手段で算出された指令速度に基づく指令速
    度信号と前記移動体の実際の走行速度に基づく速度帰還
    信号との偏差に基づいて電動機に供給する電気エネルギ
    の印加電圧を制御し前記移動体の走行速度を制御する走
    行速度制御手段と、 前記移動体が一定速度から別の速度に加減速するときの
    速度変動時間を検出する速度変動時間測定手段と、 前記速度変動時間測定手段で検出された速度変動時間に
    基づき前記移動体の停止指令を出力するタイミングを変
    更する走行パターン制御手段とを具備することを特徴と
    する移動体の自動位置決め装置。
  2. 【請求項2】 移動体の走行に伴う現在位置を検出する
    位置検出手段と、 前記位置検出手段で検出された現在位置に対応する前記
    移動体の指令速度を算出する速度演算手段と、 前記速度演算手段で算出された指令速度に基づく指令速
    度信号と前記移動体の実際の走行速度に基づく速度帰還
    信号との偏差に基づいて電動機に供給する電気エネルギ
    の印加電圧を制御し前記移動体の走行速度を制御する走
    行速度制御手段と、 定速走行指令時における前記移動体の実際の走行速度の
    平均速度誤差を算出する平均速度誤差演算手段と、 前記平均速度誤差演算手段で算出された平均速度誤差に
    基づき前記移動体の停止指令を出力するタイミングを変
    更する走行パターン制御手段とを具備することを特徴と
    する移動体の自動位置決め装置。
  3. 【請求項3】 移動体の走行に伴う現在位置を検出する
    位置検出手段と、 前記位置検出手段で検出された現在位置に対応する前記
    移動体の指令速度を算出する速度演算手段と、 前記速度演算手段で算出された指令速度に基づく指令速
    度信号と前記移動体の実際の走行速度に基づく速度帰還
    信号との偏差に基づいて電動機に供給する電気エネルギ
    の印加電圧を制御し前記移動体の走行速度を制御する走
    行速度制御手段と、 定速走行指令時における前記移動体の実際の走行速度の
    最大速度変動幅を検出する速度変動幅測定手段と、 前記速度変動幅測定手段で検出された最大速度変動幅に
    基づき前記移動体の減速指令を出力するタイミングを変
    更する走行パターン制御手段とを具備することを特徴と
    する移動体の自動位置決め装置。
  4. 【請求項4】 移動体の走行に伴う現在位置を検出する
    位置検出手段と、 前記位置検出手段で検出された現在位置に対応する前記
    移動体の指令速度を算出する速度演算手段と、 前記速度演算手段で算出された指令速度に基づく指令速
    度信号と前記移動体の実際の走行速度に基づく速度帰還
    信号との偏差に基づいて電動機に供給する電気エネルギ
    の印加電圧を制御し前記移動体の走行速度を制御する走
    行速度制御手段と、 前記移動体が停止状態から所定速度まで変動するときの
    速度変動時間を検出する速度変動時間測定手段と、 前記速度変動時間測定手段で検出された速度変動時間に
    基づき前記移動体の減速指令を出力するタイミングを変
    更する走行パターン制御手段とを具備することを特徴と
    する移動体の自動位置決め装置。
  5. 【請求項5】 移動体の走行に伴う現在位置を検出する
    位置検出手段と、 前記位置検出手段で検出された現在位置に対応する前記
    移動体の指令速度を算出する速度演算手段と、 前記速度演算手段で算出された指令速度に基づく指令速
    度信号と前記移動体の実際の走行速度に基づく速度帰還
    信号との偏差に基づいて電動機に供給する電気エネルギ
    の印加電圧を制御し前記移動体の走行速度を制御する走
    行速度制御手段と、 前記移動体が停止状態から所定速度まで変動するときの
    速度変動時間を検出する速度変動時間測定手段と、 前記速度変動時間測定手段で検出された速度変動時間に
    基づき前記移動体の減速ゲインを変更する加減速速度制
    御手段とを具備することを特徴とする移動体の自動位置
    決め装置。
JP6202150A 1994-08-26 1994-08-26 移動体の自動位置決め装置 Pending JPH0863228A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009171697A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Nippon Reliance Kk 電動機の制御装置及び方法
US9602033B2 (en) 2013-07-19 2017-03-21 Canon Kabushiki Kaisha Motor control apparatus, motor-driven apparatus, method of controlling motor and non-transitory computer-readable recording medium storing a computer program

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