JPH086312A - 静電荷像現像用現像剤および画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用現像剤および画像形成方法

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JPH086312A
JPH086312A JP6158234A JP15823494A JPH086312A JP H086312 A JPH086312 A JP H086312A JP 6158234 A JP6158234 A JP 6158234A JP 15823494 A JP15823494 A JP 15823494A JP H086312 A JPH086312 A JP H086312A
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JP
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developer
carrier
polymer
toner
electrostatic charge
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JP6158234A
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English (en)
Inventor
Yutaka Sugizaki
裕 杉崎
Susumu Saito
進 斉藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電の環境特性や維持性が良好で現像、転
写、クリーニング性が長期に亘って良好な静電荷像現像
用現像剤、およびそれを用いる画像形成方法を提供す
る。 【構成】 少なくとも結着樹脂および着色剤を含む着色
粒子と表面処理された無機微粉末とを含有するトナー
と、重合体で被覆された芯材よりなるキャリアとからな
る静電荷像現像用現像剤であって、その無機微粉末表面
が炭素原子数6ないし20のアルキル基を有する化合物
で処理されてなり、かつキャリア表面が炭素原子数6な
いし20のアルキル基を有する重合体で被覆されてい
る。この静電荷像現像用現像剤を、潛像保持体上に潛像
を形成する工程、該潛像を現像剤によって顕像化する工
程を有する画像形成方法に使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電記録法
等において静電潛像記録のために使用される静電荷像現
像用現像剤(2成分現像剤)およびそれを用いる画像形
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法においては、感光体や
静電記録体に種々の手段を用いて静電潛像を形成し、こ
の静電潛像にトナーと呼ばれる検電性微粒子を付着させ
て、静電潛像を現像する方法が一般的に使用されてい
る。現像に際しては、キャリアと呼ばれる担体粒子をト
ナー粒子と混合し、両者を相互に摩擦帯電させて、トナ
ーに適当量の正または負の電荷を付与している。キャリ
アは、一般に表面に被膜層を有するコートキャリアと、
表面に被膜層を有しない非コートキャリアとに大別され
るが、現像剤寿命等を考慮した場合には、コートキャリ
アの方が優れていることから、種々のタイプのコートキ
ャリアが開発され、かつ実用化されている。コートキャ
リアに要求される特性は種々あるが、トナーに適度な帯
電性(電荷量や電荷分布)を付与すること、トナーの適
切な帯電性を長期に亘って維持すること、湿度や温度等
の環境変化に対しても、トナーの帯電性を変化させない
ことが特に重要であり、従来種々のコートキャリアが提
案されている。しかしながら、2成分現像剤を使用する
上で最大の問題は、トナーの構成成分である結着樹脂、
帯電制御剤、外添剤がキャリア表面を汚染することによ
り、帯電制御性が経時で劣化することである。キャリア
の表面汚染を防止するための被覆材料として、耐表面汚
染性の優れた低表面エネルギーのフッ素化アルキル系ポ
リマー、シリコーン系ポリマーの使用が提案されてい
る。フッ素化アルキル系ポリマーは低表面エネルギーで
あるが、その構成成分であるフッ素原子の強い電気陰性
度のために摩擦帯電列的にみてかなり強い負極性を持っ
ており、そのため負帯電性付与キャリアとしてフッ素化
アルキル系ポリマーを多量に使用すると、トナーへの負
帯電付与能力が低くなる。一方、シリコーン系ポリマー
は低表面エネルギーを有し、キャリアの表面汚染に対し
てフッ素化アルキル系ポリマーと同様に有効であるが、
シリコーン系ポリマーも摩擦帯電列的にみて中位に位置
しており、負帯電性付与キャリアとしては十分であると
は言い難い。
【0003】またこれらポリマーは、キャリア芯材との
密着性が悪いと言う問題、被膜自体の機械的強度が弱い
と言う問題、或いはトナーの摩擦帯電の環境(温度、湿
度)依存性が大きいと言う問題等がある。これらの問題
点を克服するものとして、特開昭49−51590号公
報には、含フッ素ポリマーとキャリア芯材の密着性向上
のために、中間層としてエポキシ系ポリマーを使用する
ことが提案されている。また、特開昭57−99653
号公報および特開昭60−202451号公報には、フ
ッ素系のブロックコポリマー、グラフトコポリマーを使
用してキャリア芯物質との密着性を向上することが、ま
た、特開平2−16573号公報および特開平2−24
670号公報には、加水分解性シリル基を含有するフッ
素ポリマーを使用してキャリア芯物質との密着性を向上
することが提案されている。しかしながら、これらの場
合には密着性改善には効果があるものの、トナーへの負
帯電付与能力が低く、改善の余地が残されている。
【0004】また、シリコーン系ポリマーの場合に関し
て、特開昭60−191560号公報および特開昭62
−121463号公報には、シリコーンポリマー被覆層
の密着性向上のためにカップリング剤を使用することが
提案されている。しかしながら、この場合もキャリア芯
物質との密着性向上には改善効果はあるものの、負帯電
性付与キャリアとしては帯電性付与能力が十分ではな
い。更にまた、特開昭61−110159号公報および
特開昭61−110160号公報には、キャリア芯材上
に摩擦帯電制御層および離型性表面層を積層したコート
キャリアが提案されており、この場合、トナーに負帯電
を安定して付与でき、帯電の維持性が良好であるとされ
ているが、帯電の環境依存性の観点からは十分とはいえ
ず、改善の余地が残されている。一方、トナーに関して
も種々の提案がなされており、例えば、特開平4−30
9965号公報には、トナーを構成する結着樹脂がポリ
エステル系樹脂である場合に、トナーへの負帯電付与能
力を高めるために、キャリアをより正帯電性にする熱硬
化性アクリル樹脂でキャリアを被覆することが提案され
ている。これらの樹脂を使用すると確かにトナーへの帯
電付与能力は向上するが、帯電の環境特性や帯電の維持
性が未だ十分ではなく、改善の余地を残している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点に鑑みてなされたものであ
る。したがって、本発明の目的は、帯電の環境特性や維
持性が良好で現像、転写、クリーニング性が長期にわた
って良好な静電荷像現像用現像剤を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、良好な画質の画像を長期にわ
たって形成することが可能な画像形成方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の技
術における上述のような欠点を改善すべく鋭意検討を重
ねた結果、静電荷像現像用現像剤として、少なくとも結
着樹脂および着色剤を含有する着色粒子に表面処理され
た無機微粒子を付着させたトナーと、磁性を有する芯材
表面を重合体で被覆してなるキャリアからなる静電荷現
像用現像剤において、無機微粒子の表面処理剤と、キャ
リアの芯材表面を被覆する重合体とについて、特定炭素
数のアルキル基を有するものを使用すると、上記の問題
を解決できるということを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち、本発明の静電荷現像用現像剤
は、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する着色粒
子と表面処理された無機微粉末とを含有するトナーと、
重合体で被覆された芯材よりなるキャリアとからなるも
のであって、該無機微粉末表面が炭素原子数6ないし2
0のアルキル基を有する化合物で処理されてなり、かつ
キャリア表面が炭素原子数6ないし20のアルキル基を
有する重合体で被覆してなることを特徴とする。本発明
の画像形成方法は、潛像保持体上に潛像を形成する工
程、該潛像を現像剤によって顕像化する工程を有するも
のであって、現像剤として、少なくとも結着樹脂および
着色剤を含有する着色粒子と、炭素原子数6ないし20
のアルキル基を有する化合物で表面処理された無機微粉
末とを含有するトナーと、炭素原子数6ないし20のア
ルキル基を有する重合体で被覆した芯材よりなるキャリ
アとからなる現像剤を用いることを特徴とする。
【0008】以下本発明について詳しく説明する。本発
明において、トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と
を含有する着色粒子に、表面処理された無機微粒子が付
着して構成される。本発明において使用される無機微粒
子としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム等があげられるが、酸化チタンが
好ましく、特にアナターゼ型酸化チタンが好ましく使用
される。無機微粒子の粒子径は5ないし200nmのも
のが好適に使用できる。これらの無機微粒子は、その表
面が炭素原子数6ないし20のアルキル基を有する化合
物で表面処理される。
【0009】本発明において表面処理に使用される化合
物は、炭素原子数6ないし20のアルキル基を有する化
合物から選択されるが、炭素原子数6ないし20のアル
キル基を有するシランカップリング剤が好ましい。特に
クロルシラン化合物もしくはアルコキシシラン化合物が
好ましく用いられる。具体的には、ヘキシルトリクロロ
シランCH3 (CH2 5 SiCl3 、ヘプチルトリク
ロロシランCH3 (CH2 6 SiCl3 、オクチルト
リクロロシランCH3 (CH2 7 SiCl3、ノニル
トリクロロシランCH3 (CH2 8 SiCl3 、デシ
ルトリクロロシランCH3 (CH2 9 SiCl3 、ド
デシルトリクロロシランCH3 (CH211SiC
3 、オクタデシルトリクロロシランCH3 (CH2
17SiCl3、エイコシルトリクロロシランCH3 (C
2 19SiCl3 等のクロロシラン、およびヘキシル
トリメトキシシランCH3 (CH2 5 Si(OC
3 3 、デシルトリメトキシシランCH3 (CH2
9 Si(OCH3 3 、オクタデシルトリメトキシシラ
ンCH3 (CH2 17Si(OCH3 3 、ヘキシルト
リエトキシシランCH3 (CH2 5 Si(OC
2 5 3 、ヘプチルトリエトキシシランCH3 (CH
2 6 Si(OC2 5 3 、オクチルトリエトキシシ
ランCH3 (CH2 7 Si(OC2 5 3 、デシル
トリエトキシシランCH3 (CH2 9 Si(OC2
5 3 、ドデシルトリエトキシシランCH3 (CH2
11Si(OC2 5 3 、オクタデシルトリエトキシシ
ランCH3 (CH2 17Si(OC2 5 3 、エイコ
シルトリエトキシシランCH3 (CH2 19Si(OC
2 5 3 等のアルコキシシランが好適に使用すること
ができる。
【0010】またこれらのカップリング剤に加えて、他
の置換基を有するカップリング剤を併用することができ
る。例えば、アミノ基を有する3−アミノプロピルトリ
メトキシシランNH2 (CH2 3 Si(OC
3 3 、3−アミノプロピルトリエトキシシランNH
2 (CH2 3 Si(OC2 5 3 、アミノエチルア
ミノプロピルトリメトキシシランNH2 (CH2 2
H(CH2 3 Si(OCH33 、アミノエチルアミ
ノプロピルトリエトキシシランNH2 (CH2 2 NH
(CH2 3 Si(OC2 5 3 、クロロプロピルト
リメトキシシランClCH2 (CH2 2 Si(OCH
3 3 、トリフルオロプロピルトリメトキシシランCF
3 (CH2 2 Si(OCH3 3 、フッ素化ヘキシル
トリメトキシシランCF3 (CF2 3 (CH2 2
i(OCH3 3 、フッ素化デシルトリメトキシシラン
CF3 (CF2 7 (CH2 2 Si(OCH3 3
を好適に使用することができる。
【0011】また、無機微粒子を表面処理する上記化合
物の処理量としては、無機微粒子の重量に対して5ない
し40重量%の範囲が好ましい。またこれらの表面処理
された無機微粒子に加えて他の表面処理剤で表面処理さ
れた無機微粒子や、ソープフリー乳化重合で合成したポ
リメチルメタクリレート等のポリマービーズを併用する
こともできる。
【0012】上記表面処理された無機微粒子を付着させ
る着色粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤とより構成
される公知のものが使用される。着色粒子を構成する結
着樹脂としては、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエス
テル樹脂を用いることができるが、特に定着性において
低温定着性を有しているポリエステル樹脂が好適に使用
される。ポリエステル樹脂を構成する単量体としては、
2価のアルコールとして、ポリオキシプロピレン(2,
2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ポリオキシプロピレン(1,3)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノー
ル−Aアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノ
ールA等を例示することができる。また2価のカルボン
酸としては、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シト
ラコン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、アルキル置換コハク酸およびこれらの酸無水
物等を使用することができる。上記の外に3価以上のア
ルコールまたはカルボン酸を使用してもかまわない。
【0013】着色粒子を構成する着色剤としては、カー
ボンブラック等の黒色顔料、およびC.I.ピグメント
ブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、
C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメン
トイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、
C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメント
イエロー17、C.I.ピグメントレッド57:1、
C.I.ピグメントレッド122等の有機顔料を好適に
使用できる。
【0014】有機顔料を使用するフルカラートナーの場
合は、発色性や透明性の観点から、顔料の分散単位を顔
料の吸収波長の1/2程度まで近づけるために、メルト
フラッシング処理された有機顔料、すなわち、有機顔料
の含水ペースト中の水を溶融樹脂で置換することによっ
て得られるメルトフラッシング顔料を使用するのが好ま
しい。メルトフラッシング顔料を使用することにより、
トナー中の有機顔料含有量を少量にすることができ、従
来の乾燥した有機顔料を樹脂中に直接分散させるダイレ
クトブレンド法、或いは乾燥有機顔料をロールミル等の
使用して樹脂中に高濃度で溶融混練分散してから希釈し
て所望の顔料濃度に調整する、いわゆるマスターバッチ
法と比較して、少量の添加量で所望の画像濃度を達成す
ることが可能になる。
【0015】また、これらのメルトフラッシング顔料を
使用することにより、次のような問題点を改善すること
ができる。すなわち、トナーの粒子径が8μm以下の小
粒子径になると、必要な画像濃度を達成するために、従
来の10μm以上のトナーに比較して顔料を高濃度に添
加する必要があるため、トナー摩擦帯電性(帯電量、帯
電の湿度依存性)への有機顔料の影響が無視できなくな
る。すなわち、トナーに使用する有機顔料の種類によっ
て摩擦帯電挙動が異なるため安定したフルカラー画像が
得られなくなる。更に、従来のモノカラー複写機用黒ト
ナーでは、結着樹脂としてポリエステルを採用しても、
添加するカーボンブラックが帯電制御性を有しており、
摩擦帯電性の制御は比較的容易であり、帯電制御剤の添
加なしでも、或いは帯電制御剤の少量の添加で十分であ
ったが、フルカラー現像剤に使用される黒トナーは、色
特性の観点から従来の黒トナーに使用されてきたカーボ
ンブラックよりも大粒子径のカーボンブラックを少量添
加して使用する必要があり、この様な系ではカーボンブ
ラックは従来に比べて帯電制御性が弱く、結着樹脂であ
るポリエステルの摩擦帯電性の特性が発現するため、特
に帯電の湿度依存性が大きく安定したフルカラー画像を
得ることが難しくなると言う問題がある。これらの問題
が、メルトフラッシング顔料を使用することにより改善
される。
【0016】上記着色粒子における結着樹脂と有機顔料
との混合割合は、結着樹脂100重量部に対して3ない
し20重量部の範囲が好ましい。また、着色粒子の平均
粒径は3ないし8μmの範囲に設定される。本発明にお
いては、上記着色粒子に上記表面処理無機微粒子を混合
して付着させ、トナーを得ることができるが、その場
合、表面処理無機微粒子の混合量は、着色粒子100重
量部に対して0.2ないし3.0重量部の範囲に設定す
ればよい。
【0017】一方、キャリアは、重合体で被覆された芯
材よりなるが、芯材としては、磁性を有するものが好ま
しく、具体的には、フェライト、マグネタイト等を始め
として、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金
属、或いはこれらの金属を含む合金または化合物等を好
適に使用することができる。これら芯材の粒径は20な
いし200μmの範囲が好ましい。
【0018】これら芯材は、表面が重合体によって被覆
される。重合体の被覆量は、キャリアの芯材重量に対し
て0.1から5重量%、好ましくは0.3から3重量%
の範囲にある。本発明においては、キャリア表面を被覆
する重合体は、炭素原子数6ないし20のアルキル基を
有するものである点に特徴を有しており、具体的には、
炭素原子数6ないし20のアルキル基が線状重合鎖或い
は架橋ポリマーの骨格に含有される重合体である。これ
ら重合体は、炭素原子数6ないし20のアルキル基が結
合している単量体成分からなるホモポリマーまたは共重
合体、或いはこれらの重合体と他の重合体との混合物等
があげられる。炭素数6ないし20のアルキル基を有す
る単量体成分の含有量は、被覆樹脂全体重量の5重量%
以上、60重量%以下のものが好ましい。特には、10
重量%以上、50重量%以下のものがより好ましい。
【0019】炭素原子数6ないし20のアルキル基が結
合している単量体としては、アクリル酸エステルおよび
メタクリル酸エステルが好ましく、具体的には、n−ヘ
キシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)ア
クリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−
ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アク
リレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデ
シル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリ
レート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデ
シル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アク
リレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタ
デシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アク
リレート、エイコシル(メタ)アクリレ−トを好適に使
用することができる。
【0020】磁性粒子等の芯材を被覆する重合体は、キ
ャリアの耐汚染性の観点から重合体膜の表面エネルギー
の低い、エステルのアルキル鎖長が長いものが好ましい
が、キャリアの他の特性にも影響を与えるため慎重に選
択する必要がある。キャリアの特性としては、帯電性、
帯電の維持性の他に重要な特性としてキャリアの流動性
があげられる。高画質を達成するためにはキャリアの粒
子径を小さくする必要があるが、キャリアの粒子径を小
さくするとキャリアの流動性が悪化する方向に向かう。
キャリアの流動性が悪化すると現像機内でのトナーとの
撹拌混合性が低下したり、現像ロール上の磁気ブラシの
構造が変化して画質が低下したりするため好ましくな
い。更にキャリアの流動性は、磁性粒子の表面を被覆す
る重合体の特性によっても影響を受ける。被覆する重合
体が柔軟性を有するゴム状重合体であると極端にキャリ
アの流動性は悪化することになる。したがって、キャリ
アの流動性を確保するためにも被覆重合体の選択が重要
となる。
【0021】ところで、表面エネルギーを低下させてキ
ャリア表面汚染を防止するためにアルキル鎖の比較的長
い(メタ)アクリルモノマーを使用する場合、アルキル
鎖の長さによって重合体の物性が大きく変化する。特に
キャリアの流動性は重合体の硬さの尺度である重合体の
脆化点によって決定されると考えられる。脆化点が低い
重合体は硬度が低くなりベタツキを持つためにキャリア
の流動性が悪化することになる。(メタ)アクリル酸エ
ステルのアルキル鎖の長さと、そのホモポリマーの脆化
点との関係を図1に示す(参考文献:大森英三著:アク
リル酸エステルとそのポリマー[II])。n−アルキル
メタクリレートの場合は、アルキル鎖の長さが12で脆
化点が極小の−33℃となり、それ以上になると脆化点
は上昇に転じ、アルキル鎖が16になると、脆化点はア
ルキル鎖4のブチルアクリレートとほぼ同等になる。n
−アルキルアクリレートの場合はアルキル鎖の長さが8
の場合、脆化点は極小の−65℃となり、それ以上にな
るとn−アルキルメタクリレートの場合と同様に脆化点
は上昇し、アルキル鎖が16になると脆化点はアルキル
鎖の長さ1のメチルアクリレートより高くなる。一方で
はアルキル鎖の長さが長くなると、重合体のガラス転移
点が低下するためにキャリアの熱保存性が悪化する。従
って、本発明の場合、上記炭素原子数6ないし20のア
ルキル基が結合している単量体のホモポリマーをそのま
ま使用できない場合があるが、その場合には、熱保存性
を保証するためにポリマーガラス転移点上昇を目的とし
て、或いは重合体の脆化点の上昇を目的として、他の単
量体を共重合させればよい。
【0022】上記炭素原子数6ないし20のアルキル基
が結合している単量体と共重合させる他の単量体は、樹
脂のガラス転移点や脆化点の上昇目的以外にも、樹脂強
度、樹脂に溶剤への溶解性、帯電量制御を目的として選
択してもよい。本発明において使用することができる他
の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルイソプロピル、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ス
チレン、α−メチルスチレン、ジメチルアミノエチルア
クリレート、N−ビニルピロリドン、アクロイルモルホ
リン等をあげることができる。
【0023】更に上記炭素原子数6ないし20のアルキ
ル基が結合している単量体を含有する重合体のガラス転
移点、或いは重合体の強度を制御するために、芯材を被
覆する工程において、架橋構造を形成させるのが好まし
い。架橋構造を形成させる手段としては、被覆重合体の
保存性や製造工程の安定性を考慮して、加熱によるのが
好ましい。また、架橋を形成させるためには、炭素原子
数6ないし20のアルキル基が結合している単量体また
はその様な単量体単位よりなる重合体に、架橋構造を形
成し得る官能基を有する単量体を共重合させて、その官
能基と加熱時に反応性を示す架橋剤を添加することが好
ましい。加熱時に架橋剤と反応して架橋構造を形成する
官能基としては、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カル
ボキシル基等がある。それらの官能基を有する単量体と
しては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジルメタ
クリレート等が好適に使用される。
【0024】これらの官能基と加熱時反応する架橋剤と
しては、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイ
ソシアネート類が好適に使用されるが、他のポリイソシ
アネートも使用可能である。これらのポリイソシアネー
ト架橋剤は室温でも重合体の官能基と徐々に反応するた
め、被覆直前に混合して使用すればよい。また、加熱に
よってヒドロキシル基とイソシアネートを再生するブロ
ックイソシアネートは、室温でも長期間安定であるため
被覆液の経時安定性の面で優れており、架橋剤としては
最も好適に使用できる。芳香族ポリイソシアネートをベ
ースとしたブロックイソシアネートは、脂肪族ポリイソ
シアネートをベースにしたものよりも低温解離するため
好ましい。具体的にはブタノンオキシムでイソシアネー
ト基をブロックしたイソシアヌレートやトリレンジイソ
シアネートをフェノールやニトロフェノール、クロルフ
ェノール等の置換フェノールでブロックしたフェノール
ブロックポリイソシアネート、ε−カプロラクタムでブ
ロックしたカプロラクタムブロックポリイソシアネー
ト、ジエチルマロネートでブロックしたマロネートブロ
ックイソシアネート、エチルアセトアセテートでブロッ
クしたアセトネートブロックイソシアネート等を好適に
使用できる。
【0025】
【作用】本発明は、少なくとも結着樹脂と着色剤とから
なる着色粒子に表面処理された無機微粒子を付着させた
トナーにおいて、無機微粒子を上記炭素原子数6ないし
20のアルキル基を有する化合物で表面処理したものを
用い、一方、キャリアとして、芯材、特に磁性を有する
芯材が上記炭素原子数6ないし20のアルキル基が結合
している単量体を構造単位として含む重合体で被覆され
たものを使用しているために、十分な負帯電量と帯電の
温度湿度依存性を有し、無機微粒子およびキャリアの表
面被覆重合体が低表面エネルギーのアルキル鎖の長い化
学構造であるために、無機微粒子によるキャリアの表面
汚染による帯電の低下が起こり難い。更に無機微粒子は
感光体の表面汚染原因となり画質を経時的に低下させる
場合が多いが、先に述べた理由により無機微粒子の表面
処理剤の効果で感光体の表面汚染が防止される。更にキ
ャリアの表面被覆重合体も低表面エネルギーである長鎖
アルキル基を有しているため、トナーを構成する結着樹
脂や着色剤等の内部添加剤によるキャリア表面汚染を効
率的に防止でき、更に、架橋構造を有しているため被覆
層の機械的強度が大きく被覆層剥離による帯電の劣化が
効果的に防止できる。更に表面被覆重合体の架橋剤とし
てブロックイソシアネートを使用した場合には、被覆重
合体溶液の保存安定性が維持される。更にフルカラー現
像剤においては、摩擦帯電性が着色粒子に外部添加する
表面処理無機微粒子とキャリアの表面被覆重合体とによ
り制御されるために、従来のフルカラートナーの大きな
問題点であった摩擦帯電性の色間差や環境依存性を大幅
に改善することができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。 [メルトフラッシング顔料製造例−1] (1)線状ポリエステル−A ビスフェノール−Aエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサン ジメタノール/テレフタル酸の縮合物 (重量平均分子量=10,000、数平均分子量=4,000 ガラス転移点=65℃、軟化点=116℃) 100重量部 シアン顔料含水ペースト(C.I.ピグメントブル−15:3) (含水ペースト中の水分量30重量%) 62重量部 上記成分を加圧ニーダで溶融混練して、含水ペースト中
の水をポリエステル樹脂で置換しながら水分を除去し、
顔料含有量30重量%のシアンメルトフラッシング顔料
(a)を調製した。 [メルトフラッシング顔料製造例−2]シアン顔料含水
ペーストをマゼンタ顔料含水ペースト(C.I.ピグメ
ントレッド57:1)に代えた以外は、メルトフラッシ
ング顔料製造例−1と同様にして、顔料含有量30重量
%のマゼンタフラッシング顔料(b)を調製した。 [メルトフラッシング顔料製造例−3]シアン顔料含水
ペーストをイエロー顔料含水ペースト(C.I.ピグメ
ントイエロー17)に代えた以外は、メルトフラッシン
グ顔料製造例−1と同様にして、顔料含有量30重量%
のイエローフラッシング顔料(c)を調製した。
【0027】[着色粒子製造例−1] (1)線状ポリエステル−A 85重量部 (ビスフェノール−Aエチレンオキサイド付加物/ シクロヘキサンジメタノール/テレフタル酸の縮合物) (2)シアンメルトフラッシング顔料a 15重量部 上記成分を加圧ニーダにて溶融混練した後、冷却し、ジ
ェットミルで粉砕し、分級して、顔料含有量4重量%の
体積平均径7μmのシアン着色粒子を作製した。また、
シアンメルトフラッシング顔料(a)をマゼンタメルト
フラッシング顔料(b)に代えて同様にして、顔料含有
量4重量%の体積平均径7μmのマゼンタ着色粒子を作
製した。さらに、シアンメルトフラッシング顔料(a)
をイエローメルトフラッシング顔料(c)に代えて同様
にして、顔料含有量4重量%の体積平均径7μmのイエ
ロー着色粒子を作製した。 [着色粒子製造例−2] (1)線状ポリエステル−A 95重量部 (ビスフェノール−Aエチレンオキサイド付加物/ シクロヘキサンジメタノール/テレフタル酸の縮合物) (2)一次粒子径45nmのカーボンブラック 5重量部 上記成分を加圧ニーダにて溶融混練した後、冷却し、ジ
ェットミルで粉砕し、分級して、体積平均径7μmの黒
色着色粒子を作製した。
【0028】[表面処理無機微粒子製造例−1] (1)ヘキシルトリメトキシシラン 10重量部 (2)トルエン 500重量部 上記成分を混合し撹拌して処理溶液を調製した。この溶
液に一次粒子径15nmのアナターゼ型酸化チタン90
重量部を加えて超音波分散機を使用した後、1時間撹拌
してから、エバポレーターを使用してトルエンを留去し
てから、100℃で30分間加熱した。この後、処理酸
化チタンをボールミルを使用して凝集物を解砕し、表面
処理酸化チタン−1を作製した。 [表面処理無機微粒子製造例−2] (1)デシルトリメトキシシラン 15重量部 (2)トルエン 500重量部 上記成分を混合し撹拌して処理溶液を調製した。この溶
液に一次粒子径15nmのアナターゼ型酸化チタン85
重量部を加えて超音波分散機を使用した後、1時間撹拌
してから、エバポレーターを使用してトルエンを留去し
てから、100℃で30分間加熱した。この後、処理酸
化チタンをボールミルを使用して凝集物を解砕し表面処
理酸化チタン−2を作製した。 [表面処理無機微粒子製造例−3] (1)オクタデシトリメトキシシラン 20重量部 (2)トルエン 500重量部 上記成分を混合し撹拌して処理溶液を調製した。この溶
液に一次粒子径15nmのアナターゼ型酸化チタン80
重量部を加えて超音波分散機を使用した後、1時間撹拌
してから、エバポレーターを使用してトルエンを留去し
てから、100℃で30分間加熱した。この後、処理酸
化チタンをボールミルを使用して凝集物を解砕し表面処
理酸化チタン−3を作製した。 [表面処理無機微粒子製造例−4] (1)メチルトリメトキシシラン 5重量部 (2)トルエン 500重量部 上記成分を混合し撹拌して処理溶液を調製した。この溶
液に一次粒子径15nmのアナターゼ型酸化チタン95
重量部を加えて超音波分散機を使用した後、1時間撹拌
してから、エバポレーターを使用してトルエンを留去し
てから、100℃で30分間加熱した。この後、処理酸
化チタンをボールミルを使用して凝集物を解砕し表面処
理酸化チタン−4を作製した。
【0029】[トナー製造例−1]着色粒子製造例−1
および−2で作製したシアン、マゼンタ、イエロー、お
よび黒の着色粒子のそれぞれ100重量部に、表面処理
酸化チタン−1の0.8重量部をヘンシェルミキサーを
用いて混合し、着色粒子表面に表面処理酸化チタン−1
が付着した形態のシアントナーA、マゼンタトナーB、
イエロートナーC、および黒トナーDを作製した。 [トナー製造例−2]着色粒子製造例−1および−2で
作製したシアン、マゼンタ、イエロー、および黒の着色
粒子のそれぞれ100重量部に、表面処理酸化チタン−
2の0.8重量部をヘンシェルミキサーを用いて混合
し、着色粒子表面に表面処理酸化チタン−2が付着した
形態のシアントナーE、マゼンタトナーF、イエロート
ナーG、および黒トナーHを作製した。 [トナー製造例−3]着色粒子製造例−1および−2で
作製したシアン、マゼンタ、イエロー、および黒の着色
粒子のそれぞれ100重量部に、表面処理酸化チタン−
3の0.8重量部をヘンシェルミキサーを用いて混合
し、着色粒子表面に表面処理酸化チタン−3が付着した
形態のシアントナーI、マゼンタトナーJ、イエロート
ナーK、黒トナーLを作製した。 [トナー製造例−4]着色粒子製造例−1および−2で
作製したシアン、マゼンタ、イエロー、および黒の着色
粒子のそれぞれ100重量部に、表面処理酸化チタン−
4の0.8重量部をヘンシェルミキサーを用いて混合
し、着色粒子表面処理酸化チタン−4が付着した形態の
シアントナーM、マゼンタトナーN、イエロートナー
O、および黒トナーPを作製した。
【0030】[コーティングキャリア製造例−1] (1)主体粒子径50μmのフェライト粒子 100重量部 (2)メチルメタクリレート/n−オクタデシルメタクリレート/ ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体 (60/30/10) 0.5重量部 (3)ブタノンオキシムブロックイソシアヌレート 0.01重量部 (4)メチルエチルケトン 10重量部 上記成分を真空脱気型ニーダに投入した後、約30分間
撹拌し、加熱、真空脱気してトルエンを留去し、更に1
20℃で10分間加熱してポリマーコーティングフェラ
イト(a)を作製した。 [コーティングキャリア製造例−2] (1)主体粒子径50μmのフェライト粒子 100重量部 (2)メチルメタアクリレート/ヒドロキシ エチルメタクリレート共重合体(90/10) 0.5重量部 (3)ブタノンオキシムブロックイソシアヌレート 0.01重量部 (4)メチルエチルケトン 10重量部 上記成分を真空脱気型ニーダに投入した後、約30分間
撹拌し加熱、真空脱気してトルエンを留去し、更に12
0℃で10分間加熱してポリマーコーティングフェライ
ト(b)を作製した。
【0031】実施例1 トナー製造例−1で作製したシアントナーA、マゼンタ
トナーB、イエロートナーC、および黒トナーDのそれ
ぞれ8重量部と、コーティングキャリア製造例−1で作
製したポリマーコーティングフェライト(a)100重
量部を混合して、シアン現像剤、マゼンタ現像剤、イエ
ロー現像剤、および黒現像剤を調製し、高温高湿環境
(28℃、85%)および低温低湿環境(10℃、15
%)での帯電特性を評価した。評価テストの結果を表1
に示す。更にこれらの現像剤を用い、デジタルフルカラ
ー複写機(Acolor635改造機、富士ゼロックス
社製)で50,000枚の連続複写テストを実施したと
ころ、最後まで画像カブリのない、鮮明なフルカラー画
像が得られた。
【0032】実施例2 トナー製造例−2で作製したシアントナーE、マゼンタ
トナーF、イエロートナーG、および黒トナーHのそれ
ぞれ8重量部と、コーティングキャリア製造例−1で作
製したポリマーコーティングフェライト(a)100重
量部を混合して、シアン現像剤、マゼンタ現像剤、イエ
ロー現像剤、および黒現像剤を調製し、高温高湿環境
(28℃、85%)および低温低湿環境(10℃、15
%)での帯電特性を評価した。評価テストの結果を表1
に示す。更にこれらの現像剤を用い、デジタルフルカラ
ー複写機(Acolor635改造機、富士ゼロックス
社製)で50,000枚の連続複写テストを実施したと
ころ、最後まで画像カブリのない、鮮明なフルカラー画
像が得られた。
【0033】実施例3 トナー製造例−3で作製したシアントナーI、マゼンタ
トナーJ、イエロートナーK、および黒トナーLのそれ
ぞれ8重量部とコーティングキャリア製造例−1で作製
したポリマーコーティングフェライト(a)100重量
部を混合してシアン現像剤、マゼンタ現像剤、イエロー
現像剤、および黒現像剤を調製し、高温高湿環境(28
℃、85%)および低温低湿環境(10℃、15%)で
の帯電特性を評価した。評価テストの結果を表1に示
す。更にこれらの現像剤を用い、デジタルフルカラー複
写機(Acolor635改造機、富士ゼロックス社
製)で50,000枚の連続複写テストを実施したとこ
ろ、最後まで画像カブリのない、鮮明なフルカラー画像
が得られた。
【0034】比較例1 トナー製造例−4で作製したシアントナーM、マゼンタ
トナーN、イエロートナーO、および黒トナーPのそれ
ぞれ8重量部と、コーティングキャリア製造例−1で作
製したポリマーコーティングフェライト(a)100重
量部を混合して、シアン現像剤、マゼンタ現像剤、イエ
ロー現像剤、および黒現像剤を調製し、高温高湿環境
(28℃、85%)および低温低湿環境(10℃、15
%)での帯電特性を評価した。評価テストの結果を表1
に示す。更にこれらの現像剤を用い、デジタルフルカラ
ー複写機(Acolor635改造機、富士ゼロックス
社製)で連続複写テストを実施したところ、感光体汚染
による画質低下により複写枚数1,000枚でテストを
中断した。
【0035】比較例2 トナー製造例−1で作製したシアントナーA、マゼンタ
トナーB、イエロートナーC、黒トナーDのそれぞれ8
重量部と、コーティングキャリア製造例−2で作製した
ポリマーコーティングフェライト(b)100重量部を
混合して、シアン現像剤、マゼンタ現像剤、イエロー現
像剤、および黒現像剤を調製し、高温高湿環境(28
℃、85%)および低温低湿環境(10℃、15%)で
の帯電特性を評価した。評価テストの結果を表1に示
す。更にこれらの現像剤を用い、デジタルフルカラー複
写機(Acolor635改造機、富士ゼロックス社
製)で連続複写テストを実施したところ、キャリア表面
汚染によりカブリが発生し画質低下により、複写枚数
3,000枚でテストを中断した。
【0036】比較例3 トナー製造例−4で作製したシアントナーM、マゼンタ
トナーN、イエロートナーO、および黒トナーPのそれ
ぞれ8重量部と、コーティングキャリア製造例−2で作
製したポリマーコーティングフェライト(b)100重
量部を混合して、シアン現像剤、マゼンタ現像剤、イエ
ロー現像剤、および黒現像剤を調製し、高温高湿環境
(28℃、85%)および低温低湿環境(10℃、15
%)での帯電特性を評価した。評価テストの結果を表1
に示す。更にこれらの現像剤を用い、デジタルフルカラ
ー複写機(Acolor635改造機、富士ゼロックス
社製)で連続複写テストを実施したところ、キャリア表
面汚染によりカブリが発生し、更に感光体表面汚染によ
る画質低下により、複写枚数500枚でテストを中断し
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明は、少なくとも結着樹脂および着
色剤を含む着色粒子に表面処理された無機微粒子を付着
させたトナーにおいて、無機微粒子を上記炭素原子数6
ないし20のアルキル基を有する化合物で表面処理した
ものを用い、一方、キャリアとして、芯材、特に磁性を
有する芯材が、上記炭素原子数6ないし20のアルキル
基が結合している単量体を構造単位として含む重合体で
被覆されたものを使用しているために、十分な負帯電量
と帯電の温度湿度依存性を有し、無機微粒子や着色粒子
の構成成分によるキャリアの表面汚染が効果的に防止で
き、帯電の低下が起こり難い。また、無機微粒子による
感光体表面の汚染も防止され、画質を経時的に低下させ
ることがない。したがって、従来のフルカラートナーの
大きな問題点であった摩擦帯電性の色間差や環境依存性
を大幅に改善できるという効果がある。更に、キャリア
表面の被覆重合体が架橋構造を有している場合には、被
覆層の機械的強度が大きく被覆層剥離による帯電の劣化
が効果的に防止できるという効果も奏する。したがって
また、本発明の画像形成方法によれば、長期にわたっ
て、優れた画質の複写画像を形成することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (メタ)アクリル酸エステルのアルキル鎖の
長さと、そのホモポリマーの脆化点との関係を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 15/08 507 L G03G 9/08 361 374

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂および着色剤を含有
    する着色粒子と表面処理された無機微粉末とを含有する
    トナーと、重合体で被覆された芯材よりなるキャリアと
    からなる静電荷像現像用現像剤において、該無機微粉末
    表面が炭素原子数6ないし20のアルキル基を有する化
    合物で処理されてなり、かつキャリア表面が炭素原子数
    6ないし20のアルキル基を有する重合体で被覆してな
    ることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  2. 【請求項2】 無機微粉末が、アナターゼ型酸化チタン
    よりなる請求項1記載の静電荷像現像用現像剤。
  3. 【請求項3】 結着樹脂がポリエステルであることを特
    徴とする請求項1または2記載の静電荷像現像用現像
    剤。
  4. 【請求項4】 着色剤がメルトフラッシング処理された
    有機顔料であることを特徴とする請求項1または2記載
    の静電荷像現像用現像剤。
  5. 【請求項5】 着色剤が一次粒子径35ないし50nm
    の範囲のカーボンブラックであることを特徴とする請求
    項1または2に記載の静電荷像現像用現像剤。
  6. 【請求項6】 キャリアの芯材を被覆する重合体が、加
    熱により架橋構造を形成させたものであることを特徴と
    する請求項1または2記載の静電荷像現像用現像剤。
  7. 【請求項7】 潛像保持体上に潛像を形成する工程、該
    潛像を現像剤によって顕像化する工程を有する画像形成
    方法において、該現像剤として、少なくとも結着樹脂お
    よび着色剤を含有する着色粒子と、炭素原子数6ないし
    20のアルキル基を有する化合物で表面処理された無機
    微粉末とを含有するトナーと、炭素原子数6ないし20
    のアルキル基を有する重合体で被覆した芯材よりなるキ
    ャリアとからなる現像剤を用いることを特徴とする画像
    形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009037255A (ja) * 2008-10-10 2009-02-19 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用トナーの製造方法
JP2010529502A (ja) * 2007-06-08 2010-08-26 キャボット コーポレイション カーボンブラック、トナー、及び複合材料、並びにこれらの製造方法

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