JPH086167B2 - 高強度部材およびその製造法 - Google Patents

高強度部材およびその製造法

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JPH086167B2
JPH086167B2 JP61070269A JP7026986A JPH086167B2 JP H086167 B2 JPH086167 B2 JP H086167B2 JP 61070269 A JP61070269 A JP 61070269A JP 7026986 A JP7026986 A JP 7026986A JP H086167 B2 JPH086167 B2 JP H086167B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、表層は強硬度で内部の基材は高靱性である
高強度部材およびその製造法に関する。
〔従来技術およびその問題点〕
一般に構造部材の場合、部品全体がある特定の性質を
必要とするのではなく、全体は比較的安価な材料で構成
し、必要とする表面の特定部分に特殊な性質を要求する
使用法が多い。例えば、切削工具の場合では、切削部分
が硬質で他の部分は切削荷重で変形,破損等の生じない
材料であれば十分である。このように、部品が大型にな
るほど、特定の特性を要する部分の割合が少なくなるこ
とが多い。このような部品では、2種以上の特性を有す
る材料の複合構造とすることが、性能,価格のうえで有
利になる。また、構成材料は、その生産性,加工性のう
えから、基材部は一般構造材が望ましい。
従来の強度部材は、特公昭60−12424号公報に記載の
ように、高炭素−高クロム鋳鉄あるいはこれと自溶性合
金を混合した粉末を基材表面にプラズマ溶射したものが
知られている。また、高炭素−高クロム鋳鉄と、Cu合金
をプラズマ溶射した強度部材が、特公昭60−12425号公
報に記載されている。しかし、この強度部材の製造の際
のプラズマ溶射は、いずれの場合も、大気中で行われる
ものである。さらに、プラズマ溶射後、何ら熱処理、塑
性加工が施されていない。そのため、基材と表層との密
着状態が悪いという問題があつた。また、表層となる被
膜中にプラズマ溶射中に酸素が混入するため、個々の粉
末粒子の積層間の密着強度が低かつた。
次に、基材の表面に硬質な被膜を形成する方法に関し
ては、例えば特公昭57−57552号公報がある。これは、
金属ハロゲン化物と、炭素,硼素または珪素からなる硬
質金属合金析出層を形成するのであるが、この方式はCV
D法であるので、その析出層は結晶粒界はあるが、単一
相となる。したがつて、基材と表層との間の物性の差に
より処理歪が発生し、密着強度あるいは析出層の靱性が
低いという問題があつた。また、金属ハロゲン化物の熱
分解を利用する方法であるため、ハロゲン化ガスの後処
理、金属ハロゲン化物の製造価格等の点から、単位面積
当りの処理費用が高くなる等により、適用部品が狭く、
制約される問題があつた。
一方、高硬度の溶解材料としては、例えば耐摩耗切削
用工具鋼として、特公昭57−17069号公報がある。この
合金系の耐摩耗性は、MC系炭化物が多くなるほど改善さ
れる。そこで、耐摩耗性を増やすため、Vを多くするこ
とが一般的に行われるが、そうすると溶解温度が高くな
り、製造が難しくなる。また、MC系炭化物の比重が溶液
よりも軽いので、溶解時に上部に集まり、均一にならな
くなる傾向がある。また、溶解温度が高くなると、炭化
物が大きく成長して晶出するので、靱性が低下するとと
もに、機械加工性が低下する傾向がある。したがつて、
溶解法では成分の範囲が、製品の特性からではなく作業
上の制約条件から決まることになり、材料設計範囲が狭
くなつている。
本発明の目的は、耐高荷重性,耐高衝撃荷重性,耐磨
耗性,耐高温摩耗性の優れた鉄鋼−金属間化合物系表面
層のある高強度部材を提供することにある。
他の目的は、塑性加工性,機械加工性に富み、硬質で
耐摩耗性,耐焼付き性の優れた高強度部材の製造法を提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明に係る高強度部材は、鉄系合金基材表面にCr及
びVを含む鉄系合金鋼よりなる溶射層を有し、該溶射層
は浸炭層、窒化層、硼化層のいずれかを有し、かつ表層
の表面から内部の基材側に向かって、炭素、窒素、硼素
の少なくとも一成分が表面が大となる濃度勾配をもって
拡散していることを特徴とする。又は鉄系合金基材表面
にCr及びVを含む鉄系合金鋼よりなる溶射層を有し、該
溶射層は浸炭層、窒化層、硼化層のいずれかを有し、更
に前記基材と前記溶射層の境界に相互拡散層を有し、か
つ表層の表面から内部の基材側に向かって、炭素、窒
素、硼素の少なくとも一成分が表面が大となる濃度勾配
をもって拡散していることを特徴とする。
このように濃度勾配をもって拡散していることによ
り、表層はより一層耐摩耗が向上し、内部に向かって連
続的に硬度が低下するため、靱性が徐々に現われ、全体
として耐摩耗性かつ高靱性の高強度部材となる。一般に
硬度と靱性は相反した関係にあり、硬度が大きいと靱性
は低くなる。耐摩耗性を付与するために基材の上に膜を
形成する場合、表面の硬度が大きければ十分であり、膜
の下側の基材に近い方の硬度は小さくとも、問題がなく
むしろ靱性が高い方が膜が破壊しにくくなり、望まし
い。
本発明にかかる高強度部材の製造法は、鉄系合金の基
材表面に減圧雰囲気中でCr及びVを含む鉄系合金鋼をプ
ラズマ溶射して表層を形成した後、浸炭、窒化及び硼化
のいずれか1つの雰囲気中で熱処理を施し浸炭層、窒化
層及び硼化層のいずれかを設けることを特徴とする。
その作用を以下に記す。(1)一般に、プラズマ溶射
により、炭化物、窒化物、硼化物を直接に鉄系合金基材
表面に付着させることは可能だか、この場合溶射中に炭
化物、窒化物、硼化物が溶射時の熱により分解するた
め、厚く付着させることは、技術的に難しい。これに対
し、本発明のように鉄系金属を溶射する場合は、熱によ
る分解がないため厚く付着させることが可能となる。ま
た、基材と同じ鉄系金属を溶射するため、付着性も良
い。(2)浸炭、窒化及び硼化のいずれか1つの雰囲気
中での熱処理条件(熱処理温度、熱処理時間)の調整に
より、浸炭層、窒化層及び硼化層の厚さを自由に制御で
きる。これにより、用途に応じて表面層の硬度を変化さ
せることができる。(3)浸炭、窒化及び硼化のいずれ
か1つの雰囲気中での熱処理により、表層の表面から内
部に向かって炭素、窒素または硼素の少なくとも一成分
が表面側が大となる濃度勾配をもって拡散しているよう
な組織とすることが簡単にできる。(4)浸炭、窒化及
び硼化のいずれか1つの雰囲気中での熱処理により、雰
囲気からの原子の拡散によって扁平して密着している粒
子間の不純物の除去と皮膜を硬質化させる金属間化合物
を微細に析出させることができる。
〔発明の実施例〕
本発明に係る高強度部材は、内部が高靱性の基材で、
表層が硬質材の被膜よりなる。高靱性の基材としては、
生産性、加工性を高めるため、一般の構造材が望まし
い。本実施例では、鉄系の基材を用いた。表面は耐摩耗
性を高めるため、硬質材よりなるが、その種類は使用目
的に合わせて適宜選定する。通常は、この表層は、Cr:1
〜45%、V:0.3〜30%、Mo:30%以下、W:40%以下、Nb:1
5%以下、Ti:15%以下、Zr:15%以下の少なくとも一成
分を含み、残りが鉄系成分であれば、充分な耐摩耗性を
発揮しうる。そして、基材と表層との境界が熱処理によ
る相互拡散層とされ、これにより内部の基材と表層の性
質とが相乗効果をもつて発揮されるようになつている。
次に、表層の上記各構成成分の限定理由について説明
する。Crは炭化物を形成するとともに、基地の熱処理性
を改善し、耐摩耗性,耐荷重性を良好にするとともに、
比重も基地の鉄鋼よりも低く、価格のうえでも有利な成
分である。その効果は、他の成分との共存にもよるが、
1%未満では不十分である。Cr量の増加とともに硬化能
が増大するが、45%を越えると作業性が極めて低下し、
表面層内に気孔が形成され、脆くなるので上限とした。
Vは炭化物を形成するとともに、基地の結晶粒を微細
化し強靱化するので、極めて有効な成分である。この炭
化物は極めて硬い。結晶粒の微細化および窒化による硬
化に対しては微量でも効果があるが、本発明のような高
合金鋼系になると、0.3%以上で顕著な効果が現われ
る。V量の増加とともに炭化物量が増え、耐摩耗性も増
大し、30%程度で飽和するので、上限を30%とした。ま
た、同族の元素にNb,Taがあり、炭化物,窒化物,炭窒
化物を形成して硬化させ、耐摩耗性を上げるのに効果が
ある。拡散硬化熱処理に対しては、微量で効果がみられ
るが、いずれも15%で飽和する。
次に、MoおよびWは、M6CおよびMC型の炭化物を形成
し、耐摩耗性を向上させる。これらの元素の添加量が大
きくなるほど炭化物の量も増え、耐摩耗性も改善させる
が、それぞれ30%および40%で飽和する傾向がある。
次に、炭化物あるいは窒化物形成元素として、4A族の
Ti,Zr,Hfがあり、硬化に対し有効な成分である。硬化に
対しては添加量が多いほどよいのであるが、15%以上に
なると作業性が低下し、脆性化する傾向にあり、上限と
した。
なお、炭素は上述の炭化物形成元素と密接な関係があ
る。炭化物形成元素の添加量が多くなるほど炭素量も増
加できる。本発明の下限値は、基材によつて変わるが、
一般構造材を対象とするので、0.1%である。この量以
下では、複合材としての効果が顕著でない。炭素量を多
くするほど、炭化物の晶出量が多くなり、硬化するが、
6%以上になると作業性が低下し、表面層に気孔が発生
し、脆性化させるので、この値を上限とするのが望まし
い。その他、鉄鋼の必須成分として、Si,Mnも含まれて
いる。
本発明において、表層の表面から内部に向つて炭素,
窒素または硼素の少なくとも一成分が表面側が大となる
濃度勾配をもつて拡散されている。これにより、表層は
より一層耐摩耗性が向上し、内部に向つて連続的に硬度
が低下するため、靱性が徐々に現われ、全体として耐摩
耗性かつ高靱性の高強度部材となる。
次に、本発明に係る高強度部材の製造法について説明
する。基材表面に減圧雰囲気中で硬質材をプラズマ溶射
して表層を形成し(50μm以上が望ましい)、その後、
熱処理を施して表層と基材との境界を相互拡散させる。
すなわち、このプラズマ溶射法で行う場合、従来のよう
に大気中で作業を行うと、溶射される粉末は、熱源で加
熱された状態で大気中から混入する酸素あるいは窒素ガ
スと反応する。この反応生成物は、溶融温度が高いの
で、基材に密着する前に凝固するか、凝固温度に近い状
態になる。このような条件で被膜が形成されると、被膜
内は用いた粉末が密着時の衝撃で偏平して積層し、その
積層粒子間に気孔や酸化物等不必要な欠陥を含んだ層に
なる。したがつて、膜は極めて脆弱になる。これを防止
するために、減圧雰囲気中でのプラズマ溶射を行つた。
これによれば、密着時の個々の粒子間の不必要な酸化膜
や気孔は形成されない。しかし、この状態では、被膜内
の個々の粒子間および基材と被膜間での相互拡散が不十
分で、機械的強度が低い。そこで、熱処理を施して表層
と基材との境界を相互拡散させ、高強度かつ高靱性とな
るようにした。この熱処理として、浸炭,窒化,硼化等
の少なくとも1つの雰囲気中で熱処理を行えば、粒子間
および被膜と基材間での原子の相互拡散をより一層確実
に、また迅速に行わせることができるとともに、雰囲気
からの原子の拡散によつて偏平して密着している粒子間
の不純物の除去と被膜を硬質化させる金属間化合物を微
細に析出させることができる。この場合、必要に応じて
熱処理前に塑性加工を加えることも有効である。その際
の加工率は、断面減少率で30%以上で効果が顕著にな
る。
なお、金属間化合物である炭化物を多くするために炭
素の添加量を多くすると、材料を溶解する温度が高くな
り、さらに炭化物が粗大に成長する。そのために、均一
な素材を効果よく作製することが困難となる。この解決
策として、素材の状態ではある程度炭素量を制約し、そ
の組織は炭化物,窒化物,硼化物形成の自由エネルギー
の低い元素を多くしておき、素材を部品に成形加工した
のち、炭素,窒素,硼素の少なくとも一成分を表面から
拡散させて、これらの金属間化合物を析出させる方法が
望ましい。
なお、プラズマ溶射後の表層は、自然に急冷される
が、この急冷される効果は、これにより過飽和固溶体相
が多くなるので、その後の熱処理での金属間化合物が微
細で、速く析出する。熱処理後は、焼入れ−焼戻し工程
で高硬度で強靱化する。また、析出物の量は構成成分,
熱処理の温度,拡散させる原子の量およびその比率で制
御できる。
実施例 本発明の一実施例を第1表により説明する。第1表に
示す成分の合金鋼(硬質材)を溶解し、真空アトマイジ
ング法で10〜44μmの粉末を作製した。この粉末をS45C
の基材表面に約0.3mm厚さに、減圧雰囲気中でプラズマ
溶射した。雰囲気は50TorrのArガスである。プラズマは
Ar+H2ガスで、プラズマ電流は800Aである。その後、被
処理品をプラズマ浸炭した。浸炭条件は1000℃,20minで
ある。浸炭ガスはCH4である。その表面の観察による判
定結果は、第1表の作業性の項に示したようである。表
中の○印は被膜が均質、平滑で構造部材として適用でき
るものであり、×印は表面が多孔質となり脆弱で構造材
表面として不適当なものである。
次に、第1図に代表例といて試料Aの断面の顕微鏡に
よる金属組織を示した。炭素量が高いにもかかわらず、
極めて微細な組織になつている。なお、硬さは最表面で
1200〜1300Hvであり、基材との境界付近の表面層側で85
0Hvであつた。第2図は、プラズマ溶射した段階の同金
属組織を示す。参考までに、従来の溶解法で作製した試
料も浸炭した。溶解法では、作業性等の上でCr,Cに制約
があり、同一成分の加工は困難であつた。そこで、現
在、高炭素−高クロム鋼であるSKD1(2%C−13%Cr)
を比較材として用いた。第3図は、このSKD1を同一条件
で浸炭,窒化した断面の顕微鏡による金属組織である。
図中の白色に観察できる相が、炭窒化物である。本発明
の組織に比較して炭窒化物が粗大化し、不均一になつて
いる。これに対し、本発明鋼は、第1図に示したよう
に、極めて均一で微細化している。また、SKD1の硬さは
830Hv程度で、浸炭,窒化の効果がほとんどない。次
に、第4図は、摩耗試験結果を示したものである。摺動
の相手材は、硬さ840Hvのロール材を用い、タービン油
による潤滑条件で試験した。荷重は100kg・f/cm2で、繰
返し数は10000回である。比較材はSKD1である。図に示
すように、本発明材はほとんど摩耗が発生せず、耐摩耗
性が優れていることがわかる。
また、プラズマ溶射後、表面層に塑性加工を加え、同
様の処理をした。その結果、耐摩耗性は不変であるが、
顕微鏡組織を観察すると、塑性加工なしでわずかにみら
れた気孔がほとんど消失しており、靱性が改善のうえで
効果が大きいことがわかつた。
次に、同一試料を用い、550℃,5時間の窒化熱処理を
行つた。硬さは最表面層で1300〜1500Hvで、浸炭,窒化
よりも硬化していた。耐摩耗性は第4図と同様、摩耗は
ほとんどみられなかつた。
〔発明の効果〕 本発明に係る高強度部材によれば、内部の基材は高靱
性であり、表層は硬質材であり、両者の境界は相互拡散
層であるため、基材と表層の両性質の相乗効果により耐
摩耗性,耐高温摩耗性が高いとともに、耐高荷重性、耐
高衝撃荷重性の高い高強度部材となる。
また、本発明の製造法によれば、減圧雰囲気中でプラ
ズマ溶射するため、表層中に酸化物や窒化物の混入しな
い微細な均一組織よりなる塑性加工性,機械加工性に優
れた高強度部材を容易に製造することができる。
すなわち、本発明によれば、従来の溶解法や焼結法と
は異なつて、製品の内部は靱性に富む材料で製作し、そ
の動作面に炭化物および窒化物形成自由エネルギーに低
い成分が固溶し、さらに炭化物のある材料を減圧雰囲気
中でプラズマ溶射し、さらに塑性加工と浸炭,窒化の熱
処理をして、炭化物,窒化物あるいは炭窒化物を表面ほ
ど多い状態にできるので、極めて微細な相の状態で強靱
で高硬度で、著しく耐摩耗性の優れた材料ができる。な
お、この複合材料によれば、従来の溶解法による製造法
では、ある大きさになると鋳造時の冷却速度に限界があ
り、この冷却の熱平衡で晶析相が粗大化して、成分範囲
が決まるが、本発明は最大44μmの粒子を用いるので、
極めて急冷による相であるので、材料の設計範囲を著し
く広げることができる。すなわち、急冷効果とその後の
拡散硬化熱処理とによつて、従来にない組成での新材料
を製作できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る高強度部材の表面部の顕微鏡によ
る金属組織(400倍)を示す写真、第2図はプラズマ溶
射後の同金属組織(400倍)を示す写真、第3図は従来
例の金属組織を示す写真、第4図は摺動摩耗試験結果を
示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 目幡 輝 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−164068(JP,A) 特開 昭48−25635(JP,A) 特開 昭61−3888(JP,A) 特開 昭62−130261(JP,A) 新制金属講座 新版材料篇 鉄鋼▲II I▼ P.338〜P.343昭和42年9月30日 発行、社団法人 日本金属学会

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄系合金基材表面にCr及びVを含む鉄系合
    金鋼よりなる溶射層を有し、該溶射層は浸炭層、窒化
    層、硼化層のいずれかを有し、かつ表層の表面から内部
    の基材側に向かって、炭素、窒素、硼素の少なくとも一
    成分が表面が大となる濃度勾配をもって拡散しているこ
    とを特徴とする高強度部材。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、表層がC
    r:1〜45%、V:0.3〜30%、Mo:30%以下、W:40%以下、N
    b:15%以下、Ti.15%以下、Zr:15%以下の少なくとも一
    成分を含み、残りが鉄系成分である高強度部材。
  3. 【請求項3】鉄系合金基材表面にCr及びVを含む鉄系合
    金鋼よりなる溶射層を有し、該溶射層は浸炭層、窒化
    層、硼化層のいずれかを有し、更に前記基材と前記溶射
    層の境界に相互拡散層を有し、かつ表層の表面から内部
    の基材側に向かって、炭素、窒素、硼素の少なくとも一
    成分が表面が大となる濃度勾配をもって拡散しているこ
    とを特徴とする高強度部材。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項において、表層がC
    r:1〜45%、V:0.3〜30%、Mo:30%以下、W:40%以下、N
    b:15%以下、Ti:15%以下、Zr:15%以下の少なくとも一
    成分を含み、残りが鉄系成分である高強度部材。
  5. 【請求項5】鉄系合金の基材表面に減圧雰囲気中でCr及
    びVを含む鉄系合金鋼をプラズマ溶射して表層を形成し
    た後、浸炭、窒化及び硼化のいずれか1つの雰囲気中で
    熱処理を施し浸炭層、窒化層及び硼化層のいずれかを設
    けることを特徴とする高強度部材の製造法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第5項において、表層を形
    成したのち、塑性加工をし、その後に浸炭、窒化または
    硼化の少なくとも一つの熱処理を施す高強度部材の製造
    法。
JP61070269A 1986-03-28 1986-03-28 高強度部材およびその製造法 Expired - Lifetime JPH086167B2 (ja)

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