JPH0861528A - シングルレバー式水栓の弁体操作機構の潤滑構造 - Google Patents

シングルレバー式水栓の弁体操作機構の潤滑構造

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JPH0861528A
JPH0861528A JP22236194A JP22236194A JPH0861528A JP H0861528 A JPH0861528 A JP H0861528A JP 22236194 A JP22236194 A JP 22236194A JP 22236194 A JP22236194 A JP 22236194A JP H0861528 A JPH0861528 A JP H0861528A
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JP
Japan
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valve body
rotary shaft
shaft
case
disc valve
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Application number
JP22236194A
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English (en)
Inventor
Kentaro Masuoka
兼太郎 増岡
Hideji Motobayashi
秀治 本林
Takashi Yasuo
貴司 安尾
Kuniaki Sakakibara
邦昭 榊原
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Inax Corp
Original Assignee
Inax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シングルレバー式水栓の弁操作機構における
摺動部材の潤滑性を、長期間にわたり維持する。 【構成】 ケース70の天井部下面に環状溝74を、回
転軸30の筒状上半部31の外周面に溝34を、さらに
回転軸30の下面に溝32dを形成し、各溝内にグリー
ス等の潤滑材を充填する。 【効果】 長期間にわたり潤滑状態が維持されるから、
回転軸の回転移動及びディスクキャップの直線運動の円
滑性が保持され、ハンドルレバーの操作性が常に良好と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一つのレバーハンドル
を操作することにより、吐水・止水の切換、流量の制
御、及び水温調節等を行うシングルレバー式水栓におけ
る弁体操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】図17〜図19は、従来のシングルレバ
ー式水栓(以下、従来水栓と言う)を示すものである。
図17に示すように、この従来水栓100は、水栓本体
101の底面に湯供給管102及び水供給管103が接
続され、水栓本体101の中央部の基部付近から前方へ
突出する吐出部104が一体形成され、頭部には操作用
のハンドルレバー105が取着されている。また図18
に示すように水栓本体101中央部の上方領域には弁操
作機構110が組み込まれている。
【0003】弁操作機構110は、図19の分解図に示
す如く、レバー軸120,ピン125,ストッパー13
0,ケース140,回転軸150,ディスクキャップ1
60,可動ディスク弁体170,固定ディスク弁体18
0,及び裏蓋190から構成される。これらの組み付け
手順の概略は次のとおりである。
【0004】まず、回転軸150をケース140内へ下
側から挿入して該ケース140の上端開口141から一
部を突出させ、該突出部分にレバー軸120を内装する
と共に、ストッパー130を外装した後、各々の挿通孔
121,131,151の位置を合わせてピン125を
挿通させ、上記三者を結合する。これにより、レバー軸
120が回転軸150に対して揺動可能となり、且つレ
バー軸120,ストッパー130及び回転軸150が一
体的に回転可能となる。なお、回転軸150の回動範囲
は、ストッパー130の側周面に設けた突起132とケ
ース140の上面部に形成した係止部142との係合に
より規制されている。また、ケース上面部の切欠143
は、レバー軸120,ストッパー130及び回転軸15
0を一体的に組み合わせた状態でピン125を側面から
挿通させるためのものである。
【0005】ケース140内には、回転軸150の下部
に、ディスクキャップ160,可動ディスク弁体170
及び固定ディスク弁体180が重なり合った状態で収納
され、裏蓋190によりケース140の底面が閉塞され
る(図18参照)。
【0006】ディスクキャップ160は、内表面が球面
状に形成された嵌合凹部161をその上面に有し、ここ
に前記レバー軸120の下端部に形成した球状の作用部
122が嵌される。このディスクキャップ160が嵌着
される可動ディスク弁体170は、中央に空隙部171
を有しており、この空隙部171とディスクキャップ1
60とにより湯水の混合室(図18参照)が形成され
る。固定ディスク弁体180は、湯流入ポート181,
水流入ポート182,混合温水の流出ポート183を有
し、固定ディスク弁体180の下面に配置される裏蓋1
90には、固定ディスク弁体180の前記各ポートに対
応する湯流入ポート191,水流入ポート192及び混
合温水流出ポート193が開設されている。
【0007】上述のようにケース140内に収納された
弁操作機構110は、水栓本体101の中央部に配設さ
れ、長尺のビス200によって固定される。なお、この
従来例では、図18に示すように、裏蓋190の湯流入
ポート191,水流入ポート192及び混合温水流出ポ
ート193それぞれに筒状のパッキン210を配設し、
該パッキン210を水栓本体101の隔壁106と固定
ディスク弁体180との間で弾性圧縮することにより、
各流出入ポートのシール性を保持している。それと同時
に、圧縮されたパッキン210が固定ディスク弁体18
0に対して弾性反発力を及ぼすので、固定ディスク弁体
180が可動ディスク弁体170に押しつけられ、両者
の接触面におけるシール性能を高めている。なお、レバ
ー軸120の上端部には、ハンドルレバー105が連結
される。
【0008】前記の如く構成された従来水栓100は、
ハンドルレバー105を上下方向に回動操作すると、レ
バー軸120の作用部122がピン125を中心にして
揺動し、可動ディスク弁体170を固定ディスク弁体1
80上で摺動させる。これにより、可動ディスク弁体1
70の空隙部171により形成される混合室と、固定デ
ィスク弁体180の湯流入ポート181,水流入ポート
182と流出ポート183とが重なり合う面積が変化す
るので、吐出流量を増減させることができる。
【0009】他方、ハンドルレバー105を、水平面内
で図17の矢印Y,Yで示す方向に回動操作する
と、レバー軸120を介して回転軸150がケース14
0の中心軸線回りに回動し、それと同時に可動ディスク
弁体170が、固定ディスク弁体180の上面において
回動する。これにより、可動ディスク弁体170の空隙
部171と重なり合う固定ディスク弁体180の湯流入
ポート181と水流入ポート182の面積比が変化し、
その結果、湯水の混合比率が変化するので、混合温水の
温度を昇降させることができる。
【0010】このように従来水栓は、ハンドルレバー1
05を、上下方向の回動と水平面内での回動とを適当に
組み合わせて操作することにより、吐出する混合温水の
流量制御及び温度調節を行っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記従来水栓は、ハン
ドルレバー105による操作の円滑性を保持するため、
ケース140と回転軸150との接触面、及び回転軸1
50とディスクキャップ160との接触面に、グリース
等の潤滑材を塗布している。しかしこの潤滑材は、使用
しているうちに接触面から滲みだし、長期間のうちには
消失してしまうという問題がある。潤滑材の消失は、接
触状態で相対移動する各部材間の摩擦係数を増大させる
から、操作性が悪くなり、各構成部材の磨耗の進行を促
進する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の課
題に鑑みて創案したものであって、その特徴とするとこ
ろは、レバー軸が揺動可能に枢支された回転軸がケース
の上部に回転可能に装着され、該回転軸の下部に可動デ
ィスク弁体と、流入ポート及び流出ポートを備えた固定
ディスク弁体とが配置され、前記レバー軸を揺動又は回
転させて前記可動ディスク弁体を前記固定ディスク弁体
の上面において直線移動又は回転移動させることによ
り、前記固定ディスク弁体の流入ポートと流出ポートと
の連通及び各ポートの開口面積の制御を行う弁体操作機
構において、ケースの天井部内面又はこれに当接する回
転軸の表面の少なくともいずれか一方、あるいは、前記
回転軸の下面又はこれと接して該回転軸の回転力を可動
ディスク弁体に伝達する部材の表面の少なくともいずれ
か一方に、潤滑材の充填空間を形成したことである。
【0013】
【作用】弁操作機構において、接触状態を保って摺動す
るケースと回転軸との間、及び回転軸と回転力伝達部材
との間に、潤滑材の充填空間を形成したから、これらの
部材間の潤滑状態が長期間にわたり維持される。
【0014】
【実施例】本発明に係るシングルレバー式湯水混合水栓
(以下、本発明水栓と言う)の詳細を、実施例を示す図
面に基づいて説明すると以下のとおりである。図1に示
す如く、本発明水栓1の外観は従来水栓と共通し、水栓
本体2の基部付近から前方へ混合温水の吐出部3が突出
し、頭部に操作用のハンドルレバー4が取り付けられて
いる。また、水栓本体2の上方部内には、切り欠いて示
すように、弁操作機構10が収納されている。
【0015】本発明水栓1の弁操作機構10は、図2及
び図3に示す如く、レバー軸20,回転軸30,ディス
クキャップ40,可動ディスク弁体50,及び固定ディ
スク弁体60を主要な構成部材とし、これらが図4及び
図5に示す如く、ケース70内に組み込まれて収納さ
れ、底部が裏蓋80により閉塞される。
【0016】レバー軸20は、本体部21がほぼ四角柱
状の形態を持ち、やや下寄りの位置にピン孔22が形成
され、下端部に主操作部24と短い突起状の副操作部2
5とが二股状に形成されている。さらに、本体部21に
おける一側面には、ピン孔22の開口の周囲の環状領域
をわずかに突出させたボス部23が形成されている。主
操作部24の他に副操作部25設けた理由は、後述のデ
ィスクキャップ40に対する押圧作用を分担させること
により、主操作部24に過度な力が集中しないようにす
るためである。なお図示する如く、主操作部24は本体
部21に対してやや傾斜して設けられており、本実施例
では、本体部21の中心軸線と主操作部24の中央軸線
とは、ピン孔22の中心において約15°の角度で交差
するように設定されている。また、このレバー軸20に
おける押圧力の作用面は、主操作部24のピン孔22の
軸線に対して平行な2側面24a,24b及び副操作部
25のピン孔22の軸線と平行な1側面25aであり、
これらはいずれもインボリュート曲面又はサイクロイド
曲面に形成されている。
【0017】回転軸30は、小径の筒状上半部31と大
径の下半部32とから成り、筒状上半部31には、側面
を貫通するピン挿通孔33と、上下方向に貫通する挿着
孔36とが設けられている。上記挿着孔36は、前記レ
バー軸20を下方から挿着するためのものであり、平面
視するとほぼ矩形であって、図6に示すピン挿通孔33
の軸線に垂直な断面図を見ると、ピン挿通孔33の位置
を基準として上方及び下方それぞれに拡開するテーパ部
分37,38を有している。このテーパ部分37,38
は、レバー軸20の回動範囲を規制するストッパ機能を
営む。さらに挿着孔36の内面には、レバー軸20が上
部へ抜け出ないようにするため、レバー軸20の前記ボ
ス部23と係合し得る案内溝39が軸方向に下端からピ
ン挿通孔33に至るまで形成されている。なお、筒状上
半部31の外周面には、ピン挿通孔33の一方の開口の
周囲に円弧状の浅い溝34が形成されている。この溝3
4はグリース等の潤滑材を貯留させるためのものであ
る。また、筒状上半部31の上端面の縁部31aは湾曲
面に形成されている。一方、回転軸下半部32は、下面
に2本の湾曲面状のスライド溝32a,32aが平行に
形成され、その一端部に、後述するディスクキッャプ4
0のストッパー32bが設けられている。このストッパ
ー32bは、ディスクキャップ40に組み込まれるウォ
ーターハンマー緩和機構のピストン97の係止部をも兼
ねている。そして、この下半部32の内面には、グリー
ス等潤滑材の充填用溝32d(図6及び図12参照)が
設けられている。さらに回転軸下半部32の側周面に
は、後述するケース70のガイド73と係合し得る係止
凸部35が数箇所に突設されている。
【0018】ディスクキャップ40(図2,図3及び図
7参照)は、上面中央部にレバー軸20との係合領域を
有する。該係合領域は、上方に拡開する断面テーパ状の
ラック溝41と、上面からわずかに突出する曲面を備え
た歯状突起42とから成る。そして、ラック溝41の内
表面がレバー軸20の主操作部24と、歯状突起42の
外表面が副操作部25とそれぞれ係合し、これらの面が
押圧力の被作用面となる。なお、上記歯状突起42の基
部にはラック溝41と連絡する浅い溝43が設けられ、
ラック溝41の一方の側面中央部にも溝41aが設けら
れている。ラック溝41とこれらの溝41a,43には
グリース等の潤滑材が充填される。また上記係合領域の
両側を挟むように2本の平行な凸条44,44が設けら
れており、これらは前記回転軸30下面の各スライド溝
32a,32aに当接する。ディスクキャップ40の下
面には、図7(c)に示すように、平面形状が小判形又
は楕円形の凸部46が形成され、該凸部46の内側は凹
部47となされている。さらに、ディスクキャップ40
の側面にはウォーターハンマー緩和機構の収納室45が
直径方向に形成されており、該収納室45と前記凹部4
7とは小孔48を通じて連絡している。
【0019】可動ディスク弁体50は、図2及び図8に
示すように、上下面を貫通し且つ上面側と下面側とで開
口面積の異なる開口部51を有している。上面側開口部
52は開口面積の広い小判形又は楕円形に形成されてお
り、ここにストレーナ94及びパッキン95(図4及び
図5参照)を介装させて前記ディスクキャップ40の凸
部46を嵌合させることにより、両者は一体化する。こ
のとき、上記開口部51はディスクキャップ40底面の
凹部47と共に、湯水の混合室を形成する。
【0020】固定ディスク弁体60は、図2,図3及び
図9に示すとおり、上下面を貫通する3つの貫通孔を有
しており、それぞれ湯流入ポート61,水流入ポート6
2及び混合温水の流出ポート63となされている。上面
には、グリース等の潤滑材を貯留させるための浅い大小
の凹部63,64が適所に複数分散配置されている。ま
た、前記各ポート61,62,63における下面側の開
口の周囲には凹部66,67,68が形成されている。
【0021】ケース70は、内部に前記主要構成部材を
収納して裏蓋80により底部が閉塞されるものであっ
て、図10の(a)及び(b)に示すようにほぼ筒状に
形成され、上部開口71は底部開口72よりも小径に形
成される。また内周面には軸方向のガイド73が周方向
に適宜間隔を置いて適数個の突出形成されている。な
お、上部開口71の口径は、前記回転軸30の筒状上半
部31の直径とほぼ等しく設定される。また、ケース7
0の天井部内面には、上部開口71の周囲にグリース等
の潤滑材を貯留させるための環状の溝74が形成されて
いる。さらにケース70の天井壁には、当該ケース70
を水栓本体2へ固定するための長尺ビス挿通用の開孔7
5が設けられており、底面には、裏蓋80を装着させる
ための係止爪76が適数個突設されている。
【0022】裏蓋80は、図11に示す如く、上面に前
記固定ディスク弁体60が嵌合し得るほぼ同一平面形状
を有する凹部84が形成されていると共に、前記固定デ
ィスク弁体60の各ポート61,62,63と対応する
位置に、上下面を貫通する湯流入ポート81,水流入ポ
ート82及び混合温水の流出ポート83が形成されてい
る。しかも、各ポート81,82,83の上面側開口の
周囲にはそれぞれ、上記凹部84の底面から突出する凸
部86,87,88が形成されており、該凸部86,8
7,88の外周面は上方に向かって縮径するテーパ面と
なされている。これら各凸部86,87,88は、前記
固定ディスク弁体60を重ね置いた際、固定ディスク弁
体60下面に形成した各ポート61,62,63周囲の
前記凹部66,67,68内へパッキン96(図4,5
参照)を介して嵌合するように設定されている。なお、
前記上面側凹部84の周囲の適所には、固定ディスク弁
体60の位置ずれ防止用の凸条85が部分的に形成され
ている。さらに裏蓋80には、前記ポート81,82,
83のほか、ケース70を内部に収納した弁操作機構1
0と共に水栓本体2へ組み付けるためのビスの挿通孔8
9及び通気,通水用の流通孔90が貫設されている。ま
た、裏蓋80の側周面の適所に、ケース70の底面に設
けた係止爪76を係合させるための切欠段部91が形成
されている(図11(b)参照)。
【0023】次に、前述した各構成部材に組み付けて、
本発明水栓1の弁操作機構10を構築する手順について
説明する。組み付け手順は、はじめに、レバー軸20
を、回転軸30の下方からその挿着孔36へ挿入して、
レバー軸20の上端部を回転軸30の上面から突出させ
る。このとき、レバー軸20の側面に設けたボス部23
を、回転軸30の内周面に形成した案内溝39に嵌合さ
せることにより、レバー軸20を、そのピン孔22と回
転軸30のピン挿通孔33とが合致する位置で容易に停
止させることができる。そして、ピン25を回転軸30
のピン挿通孔33へ挿通することにより、レバー軸20
は揺動可能に回転軸30と一体化する。
【0024】続いて、レバー軸20を一体的に取り付け
た回転軸30をケース70の下側から挿入し、回転軸3
0の筒状上半部31をケース70の上部開口71から突
出させる。この作業は、ケース70を上下反転させ、底
部開口72を上向きにした状態で行えばよい。本実施例
では、図12に示すように(レバー軸20は省略)、ケ
ース70の内周面に設けたガイド73が、回転軸下半部
32の外周面に当接するように設定されていると共に、
筒状上半部31の縁部31aを湾曲面に形成したから、
回転軸30のケース70への上記装着作業が容易であ
る。また、回転軸30の外周面に設けた係止凸部35が
ケース70内面のガイド73と係合するため、回転軸3
0の回動可能範囲はガイド73,73間に規制される。
さらに図4,5に示す如く、ケース70の天井部内面7
7と回転軸下半部32の上面32cそれぞれを、上方へ
向かって縮径するテーパ面に形成しておけば、両者の密
接度合を高めることができる。
【0025】次いで、ケース70を上下反転させた状態
を保持したまま、回転軸30下面上に、ディスクキャッ
プ40及び可動ディスク弁体50を重ね置く。このと
き、ディスクキャップ40の2本の凸条44,44を、
回転軸30の平行なスライド溝32a,32aに当接さ
せると共に、ディスクキャップ40のラック溝41内に
レバー軸20の主操作部24を挿入せしめる。ディスク
キャップ40と可動ディスク弁体50とは、前者の凸部
46を後者の上面開口部52内へストレーナ94とパッ
キン95とを間に挟んで嵌合させることにより一体化さ
れているから、レバー軸20の揺動に従って、ディスク
キャップ40及び可動ディスク弁体50を一体的に移動
させることができる。なおディスクキャップ40の収納
室45には、ピストン97,弁98及び弁ケース99よ
りなるウォーターハンマー緩和機構が収納される。本実
施例では、ラック溝41の位置を中心からずらして形成
すると共に、レバー軸20の主操作部24の軸線を本体
部21に対して傾斜させるという構成を採用することに
より、該主操作部24とラック溝41との適切な嵌合状
態を損なわずに、ディスクキャップ40に上記収納室4
5を形成し得る領域を確保している。
【0026】引き続き、固定ディスク弁体60を可動デ
ィスク弁体50の上に載置したのち、パッキン96を介
して裏蓋80を固定ディスク弁体60上に配置すると共
に、ケース70の係止爪76を裏蓋80の切欠段部91
と係合せしめてケース70の底部を閉塞する。このと
き、固定ディスク弁体60が裏蓋80に設けた凹部84
内へ嵌合する一方で、裏蓋80の各ポート81,82,
83の周囲に設けた凸部86,87,88が固定ディス
ク弁体60の各ポート61,62,63の周囲に設けた
凹部66,67,68内へ嵌合する。かかる構成によ
り、固定ディスク弁体60は、裏蓋80に対して、位置
ずれを容易に起こすことなく装着される。
【0027】しかる後、このようにして弁体操作機構1
0を組み込んだケース70の上下を反転させて通常の状
態に戻し、これを水栓本体2上の所定位置に配置して、
従来と同様に、ケース70を上下に貫通する長尺のビス
を用いて固定すればよい。なお、ケース70の環状溝7
4、回転軸30の筒状上半部31の溝34,回転軸30
下面の溝32d、ディスクキャップ40上面のラック溝
41及びこれと連続する溝41a,43、並びに固定デ
ィスク弁体60上面の凹部64,65には、グリース等
の潤滑材を充填しておく。
【0028】本発明水栓1の使用態様は、従来水栓と共
通する。すなわち、レバー軸20の上端部に取り付けた
ハンドルレバー4を上下動させることにより、レバー軸
20の主操作部24をピン25を中心に回動させ、ディ
スクキャップ40と一体化している可動ディスク弁体5
0を図4に示す止水位置と図5に示す最大吐出量の位置
との間を移動させて、流量制御を行うことができる。こ
のとき、止水位置付近では主操作部24の中央部分でデ
ィスクキャップ40のラック溝41の内面を押圧する
が、最大吐出量位置の付近では、主操作部24の先端部
でディスクキャップ40を押圧しなくてはならないた
め、主操作部24に加わる負担が大きくなり、先端部の
磨耗も生じ易くなる。しかるに本発明では、副操作部2
5を設け、最大吐出量位置の付近ではこの副操作部25
をディスクキャップ40の上面に突出する歯状突起42
と係合させてこれに押圧力を与えるように構成したの
で、主操作部24の負担が軽減され、主操作部24の先
端部の磨耗を防止することができ、その上、ディスクキ
ャップ40に対し押圧力を確実に及ぼすことができると
いう利点が得られる。なお、副操作部25は長さを短い
ものとしたので強度が大きく、依って、強い力でディス
クキャップ40を移動させることができ、且つ、最大吐
出量位置に保持する能力に優れている。
【0029】ところで本発明においては、レバー軸20
の主操作部24におけるディスクキャップ40のラック
溝41と接する面及び副操作部25における歯状突起4
2と接する面を、それぞれインボリュート曲面に形成し
てある。これにより、主操作部24とラック溝41及び
副操作部25と歯状突起42とは線接触をし、ピン25
を中心にレバー軸20を回動させたときにも上記線接触
状態は維持される。このため、レバー軸20の回動によ
る操作力は、ディスクキャップ40及びこれと一体の可
動ディスク弁体50の水平方向の移動力に効率良く変換
され、ディスクキャップ40及び可動ディスク弁体50
を上方へこじ上げたり下方へ押しつけたりすることがな
い。依って、可動ディスク弁体50の円滑な水平方向の
移動が保証される。
【0030】また、インボリュート曲面としたことによ
り、主操作部24とラック溝41及び副操作部25と歯
状突起42それぞれが線接触する部位が、双方において
連続的に変化する。すなわち、接触箇所が特定部位に集
中することがなく、それ故、局部的な磨耗を生じさせる
ことがない。依って、従来の如き局部的磨耗によるハン
ドルレバー4のがたつきを招来するおそれもない。
【0031】なお、レバー軸20の主操作部24の曲面
を、サイクロイド曲面に形成しても、前記と同様の効果
が得られる。
【0032】ハンドルレバー4を回動操作することによ
り、混合温水の温度を調節できるのも、従来と同様であ
る。これは、ハンドルレバー4を回動させてレバー軸2
0を回動させると、回転軸30がケース70の上部開口
71内で回動するため、これと係合関係にあるディスク
キャップ40及び可動ディスク弁体50も回動する。す
ると、ディスクキャップ40と可動ディスク弁体50と
で形成されている混合室と重なり合う固定ディスク弁体
60の湯流入ポート61及び水流入ポート62の面積比
率が変化するため、湯水の混合比率も変化する。このよ
うにして、混合温水の温度を調節することができる。
【0033】本実施例では、回転軸30とディスクキャ
ップ40とを、前者のスライド溝32a,32aと後者
の凸条44,44とを当接させて係合状態を得ており、
また、ディスクキャップ40と可動ディスク弁体50と
を、前者の凸部46を後者の上面側開口52にパッキン
95等を介して嵌合させることにより一体化している。
つまり、回転軸30,ディスクキャップ40,可動ディ
スク弁体50の相互間の回動方向における隙間が排除さ
れている。つまり、ハンドルレバー4で回動操作をする
にあたり、遊びがほとんど無いから、すこぶる操作感が
良い。
【0034】しかも、互いに接触状態を維持して移動す
る各構成部材間には、接触面の少なくとも一方に溝又は
凹部等の空間を設けて、ここに潤滑材を充填したから、
長期間にわたり、潤滑状態を保持することができる。
【0035】本発明の実施例は前記以外に、種々の応用
が可能である。まず、本発明の適用対象は、湯水混合水
栓に限られるのではなく、ディスク形弁体を用いる構造
のシングルレバー式水栓であれば適用が可能である。
【0036】グリース等潤滑材の充填用空間について
は、前記実施例では、ケース70の環状溝74、、回転
軸30上半部の溝34及び底面の溝32dとしたが、こ
れを反対側の面、すなわち回転軸30の下半部上面32
cや、ディスクキャップ40の凸条44,44等に形成
したり、さらには双方に形成することも妨げない。
【0037】レバー軸20については、構造上の条件に
よっては、副操作部を省略しても差し支えない。また、
主操作部24及び副操作部25に、図13に例示する如
き、補強用のリブ26を敷設することもできる。但し、
この場合、回転軸30及びディスクキャップ40それぞ
れにおける上記レバー軸20のリブ26と対応する位置
に、リブ26を収納可能な溝等を形成しておくことが望
ましい。
【0038】レバー軸20の側面に形成するボス部23
についても、図14に例示する如く、一側面だけではな
く、表裏両面に形成してもよく(図(a))、この場
合、表裏面各ボス部23a,23bの直径を変えたり
(図(b))、あるいは一方のボス部23を2段構成2
3cとすることにより、レバー軸20の取付姿勢が反対
になるのを防止することもできる。さらに、図15のよ
うに、レバー軸20のピン孔22の開口周囲のボス部に
代え、ピン孔22に対して平行な2側面に断面円弧状又
は半円形状の膨出部27,27を設けると共に、回転軸
30の挿着孔36にもこれと対応する湾曲面状の受け座
36aを形成する構造や、図16の如く、レバー軸20
の側面に上端から途中まで連続する溝28を形成する一
方で、回転軸30の挿着孔36の表面に係止突起36b
を突設するという凹凸関係を逆にした係合構造も考えら
れる。
【0039】その他、本発明の実施例は、状況に応じて
適宜変更することを妨げない。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、弁体操作機構における
摺動する部材に、グリース等の潤滑材を充填するための
空間を形成したので、長期間にわたり良好な潤滑状態を
維持することができる。具体的には、ケースの天井部内
面の環状溝及び回転軸筒状上半部の外周面の溝に潤滑材
を充填することにより、回転軸の回転動作の円滑性が維
持され、回転軸の下半部内而に設けた溝に潤滑材を充填
することにより、ディスクキャップの直線運動の円滑性
が保持される。依って、上下方向・回転方向のいずれの
方向についても、ハンドルレバーの操作性がきわめて良
好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明水栓の一実施例を示す部分断面した側面
図である。
【図2】本発明水栓の弁体操作機構の主要構成部材を一
部断面して示す分解側面図である。
【図3】本発明水栓の弁体操作機構の主要構成部材を一
部断面して示す分解背面図である。
【図4】本発明水栓の弁体操作機構の側面断面図であっ
て、弁閉止状態を示すものである。
【図5】本発明水栓の弁体操作機構の側面断面図であっ
て、最大吐出量状態を示すものである。
【図6】本発明水栓に使用する回転軸を、図3における
(イ)−(イ)線において断面視した図面である。
【図7】本発明水栓に使用するディスクキャップを示す
ものであって、(a)は上面図、(b)は側面図、
(c)は底面図である。
【図8】本発明水栓に使用する可動ディスク弁体を示す
ものであって、(a)は上面図、(b)は図(a)の
(ロ)−(ロ)線において断面視した図、(c)は底面
図である。
【図9】本発明水栓に使用する固定ディスク弁体を示す
ものであって、(a)は上面図、(b)は図(a)の
(ハ)−(ハ)線において断面視した図、(c)は底面
図である。
【図10】本発明水栓に使用するケースを示すものであ
って、(a)は底面側から見た図、(b)は図(a)の
(ニ)−(ニ)線において断面視した図である。
【図11】本発明水栓に使用する裏蓋を示すものであっ
て、(a)は上面図、(b)は図(a)の(ホ)−
(ホ)線において断面視した図、(c)は底面図であ
る。
【図12】ケースに回転軸を装着した状態を底面側から
見た図であって、ケースのガイドによって回転軸の回動
可能範囲が規制されている2つの状態をそれぞれ示すも
のである。
【図13】レバー軸の先端部にリブを設けた実施例を示
すものであって、(a)は側面図、(b)は背面図であ
る。
【図14】レバー軸のピン孔周囲に形成するボス部の構
造に関する各種変形実施例を示すものであって、側面図
と背面側からの断面図とを並列したものである。
【図15】レバー軸と回転軸との嵌合構造に関する異な
る実施例を示す側面図であって、回転軸については要部
のみの断面図を示すに止めたものである。
【図16】レバー軸と回転軸との嵌合構造に関するさら
に異なる実施例を示すものであって、(a)はレバー軸
の側面図、(b)はレバー軸の背面断面図、(c)は当
該レバー軸を回転軸に挿着した状態をレバー軸のみ断面
して示す平面図である。
【図17】従来水栓を一部断面して示す正面図である。
【図18】従来水栓の側面断面図である。
【図19】従来水栓の弁体操作機構を分解して示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 本発明水栓 2 水栓本体 3 吐出部 4 ハンドルレバー 10 弁体操作機構 20 レバー軸 21 本体部 22 ピン孔 23 ボス部 24 主操作部 25 副操作部 26 リブ 30 回転軸 32d溝 33 ピン挿通孔 34 溝 36 挿着孔 40 ディスクキャップ 41 ラック溝 42 歯状突起 50 可動ディスク弁体 51 開口部 60 固定ディスク弁体 70 ケース 71 上部開口 74 環状溝 80 裏蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榊原 邦昭 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レバー軸が揺動可能に枢支された回転軸
    がケースの上部に回転可能に装着され、該回転軸の下部
    に可動ディスク弁体と、流入ポート及び流出ポートを備
    えた固定ディスク弁体とが配置され、前記レバー軸を揺
    動又は回転させて前記可動ディスク弁体を前記固定ディ
    スク弁体の上面において直線移動又は回転移動させるこ
    とにより、前記固定ディスク弁体の流入ポートと流出ポ
    ートとの連通及び各ポートの開口面積の制御を行う弁体
    操作機構において、ケースの天井部内面又はこれに当接
    する回転軸の表面の少なくともいずれか一方に、潤滑材
    の充填空間が形成されていることを特徴とするシングル
    レバー式水栓の弁体操作機構の潤滑構造。
  2. 【請求項2】 レバー軸が揺動可能に枢支された回転軸
    がケースの上部に回転可能に装着され、該回転軸の下部
    に可動ディスク弁体と、流入ポート及び流出ポートを備
    えた固定ディスク弁体とが配置され、前記レバー軸を揺
    動又は回転させて前記可動ディスク弁体を前記固定ディ
    スク弁体の上面において直線移動又は回転移動させるこ
    とにより、前記固定ディスク弁体の流入ポートと流出ポ
    ートとの連通及び各ポートの開口面積の制御を行う弁体
    操作機構において、前記回転軸の下面又はこれと接して
    該回転軸の回転力を可動ディスク弁体に伝達する部材の
    表面の少なくともいずれか一方に、潤滑材の充填空間が
    形成されていることを特徴とするシングルレバー式水栓
    の弁体操作機構の潤滑構造。
JP22236194A 1994-08-12 1994-08-12 シングルレバー式水栓の弁体操作機構の潤滑構造 Pending JPH0861528A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020044514A1 (ja) * 2018-08-30 2021-08-10 株式会社タカギ 湯水混合栓

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020044514A1 (ja) * 2018-08-30 2021-08-10 株式会社タカギ 湯水混合栓

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