JPH086136B2 - 方向性高珪素鋼板の製造法 - Google Patents

方向性高珪素鋼板の製造法

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JPH086136B2
JPH086136B2 JP40679790A JP40679790A JPH086136B2 JP H086136 B2 JPH086136 B2 JP H086136B2 JP 40679790 A JP40679790 A JP 40679790A JP 40679790 A JP40679790 A JP 40679790A JP H086136 B2 JPH086136 B2 JP H086136B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟磁性材料として電気
機器の鉄芯等に用いられる方向性高珪素鋼板の製造法に
関するものであり、特にSi含有量を高くした従来にな
い画期的な磁気特性をもつ軟磁性材料の製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板の基本的な概念は、19
26年に鉄の単結晶の磁気異方性が発見されたことに端
緒がある(K.Honda,S.Kaya;Sci.R
ep.Tohoku Imp.Univ.15(192
6年)p721)。その後、N.P.Gossによって
方向性電磁鋼板の製造方法が発明されて以来、方向性電
磁鋼板は軟磁性材料として大きく発展してきた(米国特
許第1,965,559号明細書)。
【0003】方向性電磁鋼板は、結晶粒が{110}<
001>方位をもつ一方向性電磁鋼板、または{10
0}<001>方位をもつ二方向性電磁鋼板等の、ある
結晶方位に強く配向した結晶粒からなる鋼板である。こ
の鋼板は、磁気特性として優れた励磁特性と鉄損特性が
要求され、そのためには、(1)結晶の方位の集積度を
高めること、(2)Siを添加することが重要である。
【0004】結晶方位の集積化は二次再結晶と呼ばれる
カタストロフィックな粒成長現象を利用して達成され
る。二次再結晶を工業的に安定して行わせるためには、
二次再結晶前にインヒビターと呼ばれる微細析出物もし
くは粒界偏析型の元素を調整することが必要である。イ
ンヒビターは、一次再結晶粒の粒成長を抑制し、ある特
定の方位粒を選択的に成長させる機能をもつ。
【0005】インヒビターに関する研究はSiを3%含
有する珪素鋼板について広くなされている。析出物型の
インヒビターとして代表的なものとしては、M.F.L
ittmann(特公昭30−3651号公報)および
J.E.May,D.TurnbullはMnSを、田
口,坂倉(特公昭40−15644号公報)はAlN
を、今中等(特公昭51−13469号公報)はMnS
eを、小松等(特公昭62−45285号公報)は(A
l,Si)Nを提示している。
【0006】一方、粒界偏析型の元素としては、斎藤等
(日本金属学会誌27(1963年)P186/19
5)はPb,Sb,Nb,Ag,Te,Se,S等を提
示しているが、工業的にはいずれも析出物型インヒビタ
ーの補助的なものとして使用されているにすぎない。こ
れらの析出物がインヒビターとしての機能を発揮する上
で必要な条件は必ずしも明確ではないが、松岡(鉄と鋼
53(1967年)P1007/1023)、黒木等
(日本金属学会誌43(1979年)P175/18
1,同44(1980年)P419/424)の結果を
まとめると、次のように考えられる。
【0007】(i) 二次再結晶前に一次再結晶粒の粒
成長を抑制するに充分な量の微細析出物が存在するこ
と。 (ii) 析出物の大きさがある程度大きく、二次再結晶
焼鈍時に、あまり急激に変化しないこと。現在、工業的
に生産されている代表的な一方向性電磁鋼板の製造方法
は、次の3種類である。
【0008】第一の技術は、M.F.Littmann
により特公昭30−3651号公報に示されたMnSを
インヒビターとして用いた二回冷延工程によるものであ
り、第二の技術は田口,坂倉により特公昭40−156
44号公報に示されたAlN+MnSを用いた最終冷延
圧下率を80%以上の強圧下とする工程によるものであ
り、第三の技術は今中等により特公昭51−13469
号公報に示されたMnS(またはMnSe)+Sbを用
いた二回冷延工程によるものである。
【0009】これらの技術はいずれも、析出物の量の確
保と微細化の要件を満たすために、熱延条件での高温ス
ラブ加熱によるインヒビターの作り込みを基本技術とし
ている。すなわち、スラブ加熱温度は、第一の技術では
1260℃以上、第二の技術では、特開昭48−518
52号公報に示されるようにSi量によって異なるが、
3%Siの場合は1350℃以上、第三の技術では、特
開昭51−20716号公報に示されるように1230
℃以上、特に高磁束密度化が得られる実施例では132
0℃といった極めて高い温度で焼鈍することにより、粗
大に存在する析出物を一旦溶体化し、その後熱間圧延
中、あるいはそれに続く熱処理によって、各種析出物の
微細化を行っている。
【0010】一方、Si量を増すと結晶磁気異方性が小
さくなると共に、比抵抗が大きくなり、励磁特性,鉄損
特性等の磁気特性が改善される。特にSi量を略6.5
%添加すると、磁歪が零となり励磁特性が極めて良くな
ることは広く知られている。ところが、Si量を増加す
ると、硬度が高くなると共に伸びが低下し(Bozor
th;Ferromagnetism(1951年)P
77)、特にSiを4.8%以上含有する鋼板は通常の
冷間圧延を施すことは不可能となり、温間圧延を施す必
要がある。
【0011】高珪素鋼板の圧延性を圧延時の温度を上げ
て改善することは、特公昭35−18709号公報等に
より公知の事実である。しかるに、特公昭35−187
09号公報に述べているように圧延時の温度を350〜
425℃に確保するためには、圧延加工時の発熱では不
充分であり、加熱装置を組み込んだ圧延装置が必要であ
り、さらに400℃以上の温度域では冷間圧延時に使用
する潤滑油は使用できないので、コスト的に非常に高い
ものになってしまう。
【0012】従って、経済性の観点から、少なくとも冷
間圧延時の潤滑油の使用できる380℃以下で圧延でき
るようにすることが重要な課題である。従って、方向性
高珪素鋼板を製造するプロセスを設計する上で、(1)
二次再結晶に必要なインヒビターを形成すること、
(2)圧延性を確保することが重要な課題である。
【0013】従来技術に従って、高温スラブ加熱により
インヒビターを形成させると、高珪素鋼板はSi量が多
いためこの温度域ではα単相となり、溶体化に伴い粒が
大きく成長してしまう。その影響で、熱延後の粒径も大
きくなり、圧延性が著しく劣化してしまう。高田等は、
特開昭63−26330号公報において、Siを3%含
有する従来の方向性珪素鋼板を、SiCl4 を含む雰囲
気中で加熱し、浸珪させ、その後珪素の板厚方向の濃度
の不均一性を解消するために、拡散焼鈍を施す方法を提
案している。しかしながらこのプロセスにおいては、高
温,長時間の焼鈍を追加するためにコスト的に大きな問
題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、方向性高珪
素鋼板を製造する上で必要な前記の二つの課題を解決
し、かつ安価に製造することができるプロセスを提供す
ることを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)重量でSi;4.8〜7.1%,酸可溶性Al;
0.015〜0.055%,N≧0.0045%,残部
Feおよび不可避的不純物からなる珪素鋼スラブを熱間
圧延し、その後圧延、一次再結晶焼鈍、焼鈍分離剤の塗
布、仕上焼鈍の各工程で処理することにより製品とする
方向性高珪素鋼板の製造法において、熱間圧延前のスラ
ブ加熱を下記の不等式で規定される温度T(℃)および
時間t(hr)で行い、かつ冷間圧延後から仕上焼鈍時
の二次再結晶開始までの間に窒化処理を施すことを特徴
とする方向性高珪素鋼板の製造法。
【0016】T≦1300−10t (2)熱間圧延後、800〜1100℃の温度範囲で3
0秒〜1時間焼鈍を施すことを特徴とする前項1記載の
方向性高珪素鋼板の製造法。本発明者等は、まず高珪素
鋼板の圧延性の研究より、圧延前の鋼板を小さな粒径
で、かつ板厚方向に均一な組織とすることが重要である
との知見を得た。
【0017】この知見を基に、(1)スラブ加熱を低温
で行い、粒成長を抑制し、かつ(2)析出物としてAl
Nを活用して熱延時の粒成長を抑制することにより、熱
延板組織を制御でき、圧延性が大幅に改善されることを
見出した。従って、圧延性の要請を満たす上記条件下に
おいては、本質的に前述の高温スラブ加熱によってイン
ヒビターを形成させることはできない。そこで、二次再
結晶に必要なインヒビターを強化する方法を種々検討し
た結果、冷間圧延後に窒化によりインヒビターを強化す
ることが有効であることを見出した。これらの工程によ
り、(1)圧延性の確保と(2)二次再結晶に必要なイ
ンヒビターを確保することを両立させる条件を見出し、
本発明を創案した。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。Si;
6.6%、酸可溶性Al;0.027%、N;0.00
7%、Mn;0.16%、S;0.007%、C;0.
01%、残部実質的にFeからなるスラブを1000〜
1400℃で1〜10時間焼鈍した後、熱間圧延し、
2.3mm厚の熱延板とした。この鋼板に250℃で温間
圧延を施し、0.3mm厚とした。図1にスラブ加熱条件
と圧延性の関係を示す。図1より加熱温度T(℃),加
熱時間t(hr)に対してT≦1300−10tの範囲
内で、圧延性が良好となることが分る。
【0019】圧延時に割れた鋼板のスラブ加熱直後の組
織を調査したところ、粒が著しく大きくなっていること
が分った。これはスラブ中に存在する析出物AlNが溶
体化してしまい、粒成長の抑止力がなくなるためである
と考えられる。次に析出物の影響をみるために、Si;
6.6%、C;0.005%、Mn;0.16%、S;
0.007%、酸可溶性Al;0.005〜0.30
0、N;0.001〜0.011、残部実質的にFeか
らなるスラブを1200℃で1時間加熱した後、2.3
mm厚の熱延板とした。この熱延板を250℃で温間圧
延を施し、0.30mm厚とした。図2に成分(Al,
N)と圧延性の関係を示す。図2より酸可溶性Al;
0.015%以上,N;0.0045%以上で圧延性が
良好となることが分る。
【0020】以上述べたように、析出物AlNを有効利
用し、スラブ加熱条件を適正範囲内で行うことより、1
20〜380℃の圧延温度で容易に圧延することが可能
となった。さらに、この熱延板を800〜1100℃の
温度域で30秒〜1時間熱処理することにより圧延性が
改善される。
【0021】図3〜図5に熱処理による板厚方向の組織
の変化を示す。これから分るように熱延板の表面部は再
結晶組織、中心部は加工組織の二層構造となっている。
このように二層構造になっていると各層で変形能が異な
るために、境界部を起点として割れが生じる場合があ
る。熱延板を800℃以上の温度で熱処理することによ
り、中心部の加工組織が再結晶し、板厚方向に均一な組
織となり、圧延性が改善される。また、焼鈍温度が11
00℃を越えると、図6に示すように集合組織がランダ
ム化してしまい、二次再結晶が発現し難くなってしま
う。
【0022】図7に、酸可溶性Al;0.0265%、
N;0.0080%、図8に酸可溶性Al;0.002
3%、N;0.0025%の熱延板を980℃で30秒
間焼鈍した板の断面組織写真を示す。図7、8より、本
発明範囲の成分の板(図7)は結晶粒径が小さく均一で
あることが分る。以上の結果を基に、Si;6.6%、
酸可溶性Al;0.035%、N;0.008%、M
n;0.16%、S;0.008%、C;0.004
%、残部実質的にFeからなるスラブを1200℃で1
時間加熱した後、熱間圧延し、2.0mm厚の熱延板と
した。この熱延板を1000℃で2分間焼鈍し、その後
270℃で温間圧延し、0.30mmの最終板厚とし
た。780℃で2分間湿水素ガス中で一次再結晶焼鈍を
施し、次いでマグネシアを主成分とする焼鈍分離剤を塗
布した後、1200℃で10時間仕上焼鈍を施したが、
二次再結晶は発現しなかった。これは、AlNを溶体化
させる高温スラブ加熱を行っていないので、インヒビタ
ーが十分な量確保できていなかったためと考えられる。
【0023】そこで、種々のインヒビター強化法を検討
した結果、窒化によるインヒビター強化が有効であるこ
とを見出した。すなわち、前記と同一の一次再結晶板
に、アンモニアを含有する雰囲気ガス中で窒化処理を行
った。その際、アンモニア含有量により窒化量を変え
た。次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し
た後、仕上焼鈍を施した。
【0024】図9に窒化量と製品の磁束密度(B8 値)
の関係を示す。図9から明らかなように、鋼板の増窒素
量が0.005%以上、好ましくは0.01%以上とな
るように鋼板を窒化することによって一次再結晶粒の成
長を抑制し二次再結晶する。次に、本発明の実施形態を
示す。本発明に用いる溶鋼は、転炉、電気炉等、その溶
製方法を問わないが、成分として次の含有範囲を必須の
ものとする。
【0025】Siは本発明の目標が透磁率が最大となる
略6.5%を含有する高珪素鋼板を工業的に製造するプ
ロセスの確立を目標とすることにより、6.5%を中心
に若干の幅をもつ範囲にあればよい。Si量の下限は従
来市販されていない4.8%とし、上限値は、それを超
えると磁気特性が劣化する7.1%とする。酸可溶性A
lは、Nと結びついて析出物となり、スラブ加熱時、熱
延時、熱延板焼鈍時に結晶粒の成長を抑制し、圧延性を
改善する。また、圧延後に窒化処理を施すことにより、
二次再結晶前にAlN、(Al,Si)Nを形成して二
次再結晶に必要な量のインヒビターを確保する。圧延性
の点からは酸可溶性Alは0.15%以上必要であり、
二次再結晶の点からは0.12〜0.55%必要である
ので、両者を勘案して0.015〜0.055%を限定
範囲とする。
【0026】Nは前述のように、Alと結合して圧延性
を改善する。この効果を得るためには溶鋼の段階で0.
0045%以上含有することが必要である。また、Cに
ついては、H.C.Fiedler(Journal
of Iron and Steel Institu
te(1967)P158/160)は、添加すること
により圧延性が改善するとの報告をしているが、本発明
において、析出物の活用とスラブ加熱条件により組織の
微細化制御を行った場合に、むしろ有害であることが判
明した。Cは好ましくは0.025%以下とすることに
より圧延性が改善される。
【0027】ここでスラブ加熱をT≦1300−10t
の条件下で行うことが本発明の要件の一つである。スラ
ブ加熱をあまり低温で行うと、鋼板の形状が悪くなって
しまうので1000℃以上で行うことが望ましい。熱延
板は直ちにもしくは短時間焼鈍工程を経て圧延され、最
終板厚とされる。この短時間焼鈍を800〜1100℃
の温度域で30秒〜1時間施すことにより圧延性がさら
に改善される。
【0028】本発明において、圧延は最初の段階では1
20〜380℃の温度域で行うことが必要である。この
温間圧延を圧下率で70%程度迄施すと、以降は室温で
圧延することが可能となる。二次再結晶させるに必要な
集合組織を得るためには、一方向性電磁鋼板に対しては
基本的には特公昭40−15644号公報に開示されて
いるように最終圧下率80%以上とすること、また二方
向性電磁鋼板に対しては、基本的には特公昭35−26
57号公報もしくは特公昭38−8218号公報に開示
されている交叉圧延法を施す必要がある。
【0029】この鋼板に、700〜900℃の温度範囲
で一次再結晶焼鈍を施し、焼鈍分離剤を塗布し、二次再
結晶と純化を目的に仕上焼鈍を施す。その際、圧延加工
後から仕上焼鈍時の二次再結晶の発現前の間に窒化処理
を施すことが、本発明の要件の一つである。窒化の方法
については、特に限定しない。従来の技術として仕上焼
鈍時の雰囲気ガスに窒素ガスを混入する方法、アンモニ
ア等の窒化能のあるガスにより窒化処理を行う方法、窒
化マンガン,窒化クロム等の窒化能のある金属窒化物を
焼鈍分離剤に添加する方法等を用いることができる。
【0030】
【実施例】実施例1 重量でSi;5.5%、酸可溶性Al;0.027%、
N;0.007%、Mn;0.16%:S;0.007
%:C;0.004% を含有し、残部実質的にFeか
らなるスラブを1300℃と1150℃で3時間焼鈍
後、1.6mm厚に熱間圧延した。その後900℃で2
分間焼鈍し、220℃の温度で0.5mm迄温間圧延し
た。その後室温で0.20mmの最終板厚まで冷間圧延
した。この冷延板を800℃で2分間湿水素雰囲気中で
焼鈍し、アンモニア雰囲気中800℃で2分間焼鈍し、
窒化処理を施した。増窒素量を調べたところ0.02%
であった。焼鈍分離剤としてMgOを塗布し、1200
℃で10時間の仕上焼鈍を行った。
【0031】スラブ加熱1300℃の材料は温間圧延中
に割れが発生し試料採取ができなかった。スラブ加熱1
150℃の材料は二次再結晶し、磁束密度はB8 値で
1.65Tesla(B8 /Bs〜0.9;Bsは飽和
磁束密度)であった。 実施例2 重量でSi;6.5%、酸可溶性Al;0.035%、
N;0.006%、Mn;0.15%、S;0.007
%、C;0.02%を含有し、残部実質的にFeからな
るスラブを1200℃で1時間焼鈍後、1.6mm厚の
熱延板とした。この熱延板をそのまま、また1000℃
で2分間焼鈍した後、270℃の温度で0.7mm迄圧
延し、次いで直角方向に0.35mm迄交叉圧延を施し
た。この冷延板を780℃で2分間湿水素雰囲気中で一
次再結晶焼鈍した。その後焼鈍分離剤を塗布し、120
0℃で10時間仕上焼鈍を行った。その際、窒化を目的
に焼鈍分離剤に窒化フェロマンガンを5%添加した。そ
の結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、方向性高珪素鋼板を製
造するプロセスを設計する上で、(1)二次再結晶に必
要なインヒビターを形成すること、(2)圧延性を確保
すること、という二つの課題を解決し、かつ安価に方向
性高珪素鋼板を製造し得るプロセスを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラブ加熱温度、時間と圧延性の関係を示す図
である。
【図2】鋼中の酸可溶性Al量、N量と圧延性の関係を
示す図である。
【図3】酸可溶性Al;0.0265%、N;0.00
80%の熱延板の断面の金属組織写真である。
【図4】酸可溶性Al;0.0265%、N;0.00
80%の熱延焼鈍板(830℃焼鈍)の断面の金属組織
写真である。
【図5】酸可溶性Al;0.0265%、N;0.00
80%の熱延焼鈍板(900℃焼鈍)の断面の金属組織
写真である。
【図6】熱延板の焼鈍による集合組織変化を示す図であ
る。
【図7】酸可溶性Al0.0265%、N;0.008
0%の熱延板焼鈍後の断面の金属組織写真である。
【図8】酸可溶性Al;0.0023%、N;0.00
25%の熱延板焼鈍後の断面の金属組織写真である。
【図9】窒化処理による増窒素量と製品の磁束密度(B
8 値)の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 修司 福岡県北九州市八幡東区枝光1丁目1番1 号 新日本製鐵株式会社 第3技術研究所 内 (72)発明者 本間 穂高 福岡県北九州市八幡東区枝光1丁目1番1 号 新日本製鐵株式会社 第3技術研究所 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量でSi;4.8〜7.1%,酸可溶
    性Al;0.015〜0.055%,N≧0.0045
    %,残部Feおよび不可避的不純物からなる珪素鋼スラ
    ブを熱間圧延し、その後圧延、一次再結晶焼鈍、焼鈍分
    離剤の塗布、仕上焼鈍の各工程で処理することにより製
    品とする方向性高珪素鋼板の製造法において、熱間圧延
    前のスラブ加熱を下記の不等式で規定される温度T
    (℃)および時間t(hr)で行い、かつ冷間圧延後か
    ら仕上焼鈍時の二次再結晶開始までの間に窒化処理を施
    すことを特徴とする方向性高珪素鋼板の製造法。 T≦1300−10t
  2. 【請求項2】 熱間圧延後、800〜1100℃の温度
    範囲で30秒〜1時間焼鈍を施すことを特徴とする請求
    項1記載の方向性高珪素鋼板の製造法。
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JP2015172223A (ja) * 2014-03-11 2015-10-01 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2015172222A (ja) * 2014-03-11 2015-10-01 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法

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