JPH086130Y2 - 通水路自動開閉弁装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動水栓等における通水路自動開閉弁装置
に関する。

（従来の技術） 身体又は手を検知して弁を開き、水栓の吐水口より自
動的に吐水する自動水栓においてこの種通水路自動開閉
弁装置が用いられているが、従来の自動開閉弁装置にお
いては、電磁弁とその作動を制御するための制御回路と
が同一のボックス内に収容されており、これに起因して
次のような不具合が生じていた。

（考案が解決しようとする課題） 即ちこの場合にはボックス全体を防水構造としなけれ
ばならないのみならず、電磁弁の接続部分等で漏水が生
じた場合、制御回路に水が振り掛かかって装置の故障の
原因となるなど不具合を生ずる。

また電磁弁と制御回路とが同一ボックス内に収容され
ていることから、制御回路のメンテナンスのためにボッ
クス全体を開いたり、取り外したりしなければならず、
特にボックスを取り外すために電磁弁の上流側の止水栓
等を取り外さなければならない場合には、制御回路のメ
ンテナンスのために多大な手間を要する。

（課題を解決するための手段） 本考案はこのような課題を解決するためになされたも
のであり、その要旨は、壁面等に設けられた給水元管の
接続部に接続されて該給水元管からの給水を吐出口に導
く導水管上に設けられた電磁弁と、該電磁弁の作動を制
御する制御回路と、それら電磁弁及び制御回路を内部に
収容する本体ボックスとを有する通水路自動開閉弁装置
において、該本体ボックスを、該本体ボックスに固定的
且つ一体的に形成した隔壁にてそれぞれ独立した形態の
リヤボックスとフロントボックスとに区画した上、該リ
ヤボックスを前記導水管が通過するように該リヤボック
スを配置して該リヤボックス内に該導水管の一部を収容
するとともに前記電磁弁を該リヤボックス内の該導水管
上に設けて該電磁弁を該リヤボックス内に収容する一
方、前記制御回路を該電磁弁とは離隔状態で前記フロン
トボックス内部に収容し、且つ該フロントボックスに
は、該フロントボックスを独立して開放する開口を設け
て該開口を該開口に対応した形状の且つ前記隔壁とは別
体の着脱可能なフロントボックス専用の蓋体にて閉塞し
たことにある。

（作用及び考案の効果） このように本考案においてはフロントボックスとリヤ
ボックスとを独立に設け、フロントボックスに制御回路
を、リヤボックスに電磁弁を隔離状態で収容しているた
めに、フロントボックスのみ防水構造とすれば良いし、
電磁弁等の接続部分で漏水が生じた場合にも制御回路に
水が振り掛かる恐れがなく、従ってかかる漏水に基づく
故障を引き起こす心配もない。

また本考案ではフロントボックスがリヤボックスと別
途に設けられていて独立に開閉可能とされているため、
制御回路のメンテナンスを行う際にもフロントボックス
のみを開閉するだけで良く、作業を容易に行うことがで
きる。

本考案においては、給水元管からの給水を吐出口に導
く導水管が本体ボックスにおけるリヤボックスを通過す
るように延びており、フロントボックスは、かかる導水
管を収容するリヤボックスとは独立した形態のボックス
として設けられている。

従って制御回路を単独でメンテナンス作業する際に、
配管（導水管）の取外し，取付作業を行う必要がなく、
それら取外し，取付作業のために手間を要するといった
問題がない利点を有する。

本考案の開閉弁装置において、電源として電池を用い
る場合には、電池交換が容易なようにボックスの前面側
に電池ボックスを配置することが望ましいが、本考案で
は制御回路がフロントボックス内に収容されるため、か
かる制御回路を電池に近接して位置させ得る利点があ
る。

（実施例） 次に本考案を自動水栓の通水路自動開閉弁装置に適用
した場合の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。

第２図において、10は洗面器12に設けられた吐水口
で、洗面器下部に配設された通水路自動開閉弁装置の作
動に基づいて先端の吐出口からの吐水及び止水が行われ
る。通水路自動開閉弁装置は、電磁弁とその制御回路等
をボックス（本体ボックス）14内に収容して成るもの
で、リード線16を介して吐水口10に設けたセンサと接続
されている。ここでセンサは、吐水口下部に手を挿入し
たときこれを検知して検知信号を発する。その検知信号
は通水路自動開閉弁装置の制御回路に入力され、そして
その制御回路の制御の下に電磁弁が開かれて、吐水口10
への給水が行われる。

ボックス14は、第１図，第３図及び第４図に示してい
るように壁面34に向かって前後に位置する互いに独立な
フロントボックス20とリヤボックス18とから成ってい
る。リヤボックス18内には、後述の給水元管からの給水
を吐水口10の先端の吐出口に導く導水管の一部が収容さ
れている。そしてその導水管上に、第３図にも示してい
るように止水栓22と、これと一体の逆止弁24,主弁部26,
電磁弁28,発電機30が組み込まれている。ここで電磁弁2
8は、主弁部26とは別途に設けられたパイロット弁を開
閉することによって、通水路上に設けられた主弁部26を
開閉するものであり、また発電機30は、通水路上に配さ
れた羽根車を水勢により回転させて発電し、蓄電池に給
電するものである。電磁弁28は、通常はこの蓄電池を電
源として作動し、蓄電池の電圧が一定以下に低下したと
きに乾電池を電源として作動する。

止水栓22は、第１図に示しているようにその接続端部
がリヤボックス18の後端開口32より突き出しており、壁
面34に埋込配管された給水元管の接続部に接続される。

本例の通水路自動開閉弁装置においては、給水元管か
らの水は止水栓22,逆止弁24を経て主弁部26に至る。そ
して電磁弁28の作動により主弁部26が開かれると、かか
る主弁部26を経由して発電機30の羽根車を回しつつ出口
35へ至る。更に出口35に接続された給水エルボ36及び給
水管38を経て前記吐水口10へと至り、その先端の吐出口
より吐出される。尚これら電磁弁28,主弁部26,発電機30
の具体的構成及び作用については、本考案と直接関係が
ないのでここでは更に詳しい説明は省略する。

前記フロントボックス20は、その大部分を構成する蓋
体40を有している。蓋体40は、その基端の嵌合凸部42に
おいて、リヤボックス18側の嵌合凹部44に脱着可能に嵌
合されている。このフロントボックス20は、左右方向の
幅がリヤボックス18のそれより大きく形成されており、
同方向の一端部（図中左端部）がリヤボックス18の端よ
り突出させられていて、リヤボックス18との間に段差を
形成している。

フロントボックス20は、隔壁46によってリヤボックス
18と遮断されており、その内部に制御回路48が収容され
ている。制御回路48は、第４図に示しているようにリー
ド線16を介して電磁弁28に接続されており、また第２図
に示しているようにリード線16を介して吐水口10に設け
られた前記センサに接続されている。尚第３図において
49はコネクターの接続部である。

フロントボックス20には、第１図に示しているように
円筒部50が蓋体40と一体に形成されている。この円筒部
50は、止水栓22の栓体52を操作するための操作空間を確
保するために設けられたもので、栓体52と同心状に且つ
隔壁46を水密的に貫通する状態で設けられている。

一方フロントボックス20の前面には、第５図及び第６
図に示しているように電池ボックス54が設けられ、内部
に電池56が収容されるようになっている。電池56は、前
述したように蓄電池の電位が低下したときに電源として
使用するものである。

電池ボックス54内には、メインスイッチ58が配設され
ており、スイッチ操作により電源からの給電が停止され
て、電磁弁28が閉状態に保持されるようになっている。
従って長期間水栓を全く使用しないこととなる場合に
は、メインスイッチ58をオフにしておくことにより電力
が無駄に消費されるのを防止でき、併せて制御回路48の
誤動作等に基づいて電磁弁28が開き放しになり、水が流
れ続けるのを回避できる。尚電池ボックス54は、蓋体60
により開口を閉じられるようになっており、従ってメイ
ンスイッチ58は外部に露出せず、これによりスイッチ配
設部の外観がすっきりした感じとなってデザイン性が向
上するとともに、メインスイッチ58がいたずらにより操
作されるのを防止できる。

以上のように本例の通水路自動開閉弁装置は、フロン
トボックス20とリヤボックス18とを有し、そのフロント
ボックス20に制御回路48が収容されるとともに、フロン
トボックス20が独立に開閉可能とされているため、制御
回路48のメンテナンス作業を容易に行うことができる。

尚本例では止水栓22がリヤボックス18内に組み込まれ
ており、しかもリヤボックス18の前側にはフロントボッ
クス20が設けられているが、このフロントボックス20に
は操作空間形成のための筒状部50が設けられているた
め、止水栓22をボックス14の前面側から容易に操作する
ことができる。

以上本考案の実施例を詳述したが、本考案はその他の
形態で構成することも可能である。

例えば本考案は止水栓がボックス外部に配されている
形式の通水路自動開閉弁装置にも適用可能であるし、ま
た上例では単水栓の場合を例として説明しているが、本
考案は混合水栓に対しても適用可能であり、更に場合に
よって自動水栓以外の通水路自動開閉弁装置に本考案を
適用することも可能であるなど、その主旨を逸脱しない
範囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加え
た形態で構成可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である通水路自動開閉弁装置
の一部切欠平面図であり、第２図は同じ開閉弁装置を含
む洗面器周辺部の正面図、第３図は同じ開閉弁装置の一
部切欠正面図である。第４図は同じ開閉弁装置のフロン
トボックスを開いた状態の斜視図、第５図及び第６図は
夫々同じ開閉弁装置の前面側からの斜視図及び要部正面
図である。 14:ボックス 18:リヤボックス 20:フロントボックス 28:電磁弁 40:蓋体 48:制御回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山田 悦史 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本電 装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−76157（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】壁面等に設けられた給水元管の接続部に接
   続されて該給水元管からの給水を吐出口に導く導水管上
   に設けられた電磁弁と、該電磁弁の作動を制御する制御
   回路と、それら電磁弁及び制御回路を内部に収容する本
   体ボックスとを有する通水路自動開閉弁装置において 該本体ボックスを、該本体ボックスに固定的且つ一体的
   に形成した隔壁にてそれぞれ独立した形態のリヤボック
   スとフロントボックスとに区画した上、該リヤボックス
   を前記導水管が通過するように該リヤボックスを配置し
   て該リヤボックス内に該導水管の一部を収容するととも
   に前記電磁弁を該リヤボックス内の該導水管上に設けて
   該電磁弁を該リヤボックス内に収容する一方、前記制御
   回路を該電磁弁とは離隔状態で前記フロントボックス内
   部に収容し、且つ該フロントボックスには、該フロント
   ボックスを独立して開放する開口を設けて該開口を該開
   口に対応した形状の且つ前記隔壁とは別体の着脱可能な
   フロントボックス専用の蓋体にて閉塞したことを特徴と
   する通水路自動開閉弁装置。