JPH0860297A - ピストンリング材 - Google Patents

ピストンリング材

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JPH0860297A
JPH0860297A JP8097295A JP8097295A JPH0860297A JP H0860297 A JPH0860297 A JP H0860297A JP 8097295 A JP8097295 A JP 8097295A JP 8097295 A JP8097295 A JP 8097295A JP H0860297 A JPH0860297 A JP H0860297A
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JP
Japan
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piston ring
ring material
present
workability
less
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Application number
JP8097295A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Oba
充 大場
Ken Nakamura
憲 中村
Tsutomu Tanabe
勤 田辺
Atsushi Kumagai
敦 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性、耐熱性等、ピストンリング性能を
維持しつつ、被加工性を向上したピストンリング材の提
供。 【構成】 重量%でC 0.3〜0.5%未満,Si 0.3〜1.2
%,Mn 0.3〜1.0%,Cr 0.3〜1.0%,但し、Si+Cr 0.
6〜1.7%未満,およびMoを必須として含み、該Mo,
W,V,Nbの1種又は2種以上を2.5%以下、残部Feお
よび不可避的不純物よりなるピストンリング材、および
前記Feを0.3〜2.0%以下のAlで置換したピストンリン
グ材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に用いられる
ピストンリング材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年内燃機関は高出力高速化の一途をた
どり、益々その高性能化が要求され、加えて排ガス対策
をも具備しなければならず、内燃機関の馬力低下、燃費
増という諸問題への対策の必要性が増大してきている。
従来、内燃機関用ピストンリングとしては、鋳鉄製ピス
トンリングが用いられていたが、ピストンリング軸方向
に薄いものが製造しにくく、比較的断面積の大きな重量
のあるものになり、このため慣性が大きくなってフラッ
タリング現象を発生し易くなるという問題点がある。ま
た、鋳鉄製ピストンリングは、耐摩耗性や耐熱性が不足
し、排ガス対策に有利なようにピストンの頂点に近い位
置に取り付けることができず、かつ、ピストンリング間
隔を小さくできないため、ピストンの重量が重くなり、
高出力、高速化ができないという難点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、これらの問題を
解決すべく、種々のスチールピストンリング材が開発、
使用されている。スチールピストンリングにおいては、
線材よりリング状に巻取り加工(カーリング)を行な
い、切断して所定のピストンリング形状にするものであ
り、したがって、素材の加工性が重要となる。特に巻取
り加工の際には、折損や巻径のバラツキが起らないよう
に十分な伸び、しかも均一伸びが必要である。更に近時
ピストンリングはエンジンの高速化に適応させるため、
断面形状を異形形状とする場合がある。かかる点からも
良好な加工性を具備することが必要である。従来のスチ
ールピストンリング材は、積極的に加工性を改善しよう
とするものでなく、前述の如く耐摩耗性、耐熱性等の改
善を目的として開発されたものがほとんどである。本発
明は、特に加工性の良好なピストンリング材の提供を目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、その第1発明は重量%
で、C 0.3〜0.5%未満,Si 0.3〜1.2%,Mn 0.3〜1.0
%,Cr 0.3〜1.0%,但し、Si+Cr 0.6〜1.7%未満,お
よびMoを必須として含み、該Mo,W,V,Nbの1種
又は2種以上を2.5%以下、残部Feおよび不可避的不純
物よりなることを特徴とするピストンリング材、その第
2発明は、前記第1の発明に係るピストンリング材に更
にAl 0.3〜2.0%を含有させたピストンリング材であ
る。
【0005】次に本発明のピストンリング材の成分限定
理由について述べる。Cは、ピストンリング材に必要な
硬さおよび強度を与える重要な元素であるとともに微細
な硬質Cr炭化物を形成することにより耐摩耗性の向上
に寄与する。これらの効果を得るためには、少なくとも
0.3%以上必要である。しかし、0.5%以上となると靭性お
よびリングに成形する際の加工性を害し、本発明の目的
を達成することができなくなるので0.5%未満とした。S
iは脱酸剤として添加されるものであるが、Crと同様高
温における耐熱ヘタリ性を付与する元素である。このた
めには、0.3%以上添加する必要がある。しかし、1.2%を
越えると加工性を害するとともに靭性も低下してくるた
め上限を1.2%とした。Siの望ましい範囲は1.0%以下で
ある。
【0006】MnはSiと同様脱酸剤として添加され、ま
た強度を増す元素である。脱酸剤としては、通常0.3%以
上必要であるが、1.0%より多くなると熱間加工性やリン
グ成形時の冷間加工性を害するため上限を1.0%とした。
Mnの望ましい範囲は0.8%以下である。Crは基地に固溶
して耐熱性や耐熱ヘタリ性を付与するとともに耐食性も
向上させる。また一部は炭化物を形成し、耐焼付性、耐
摩耗性を与える重要な元素である。更に、本発明ピスト
ンリング材は、実際の使用に際しては、窒化処理を施し
て使用するが、この際Crは窒化層の形成を助ける役割
も果たす。以上の効果を得るためには、最低0.3%以上含
有させる必要があり、一方、1.0%を越えて含有させる
と、本発明の主目的である十分な加工性を得難くなる
し、窒化深さも浅くなるので上限を1.0%とする。Crの
望ましい範囲は0.4〜1.0%である。
【0007】被加工性維持のために、合金元素の含有量
は、耐摩耗性等ピストンリングとしての性能を損なわな
い範囲で制限することが必要であり、本発明のピストン
リングの合金系において、SiとCrの合計含有量を1.7%
未満に制限することが、被加工性維持に有効であること
がわかった。Si+Crが1.7%以上となると被加工性が低
下する。Si+Crの望ましい範囲は1.5%未満である。図
1に本発明のSiとCrの含有量の範囲および望ましい範
囲を示す。
【0008】Alは、窒化処理においてピストンリング
の表層部に硬質の窒化層を形成させるために含有させる
が、0.3%未満では十分な効果がなく、また2.0%を越える
と酸化物系の介在物が著しく増加し、疲労強度が低下す
る。よって0.3〜2.0%と限定した。Alの望ましい範囲は
0.5〜1.5%である。W,Mo,V,Nbは、いずれも焼戻
し軟化抵抗および高温強度を増大させる。このうち、M
oは窒化条件における焼戻し軟化抵抗に有効で母材の強
度を維持するので、本発明では必須合金とした。また、
V,Nbは窒化処理によって硬質の窒化物を形成し、表
面硬さを向上させる効果をも有する。しかし、W,M
o,V,Nbの合計量が2.5%を越えると、硬質の炭化物の
量を増し、疲労強度低下の原因になるとともに高価な元
素でもあるため2.5%以下に限定する。本発明ピストンリ
ング材は、比較的低合金であるので加工性が良好で、容
易にリング状に巻取り加工が行なえ、第2発明ではさら
に窒化特性も優れているので、ピストンリングとして十
分な表面かたさを保有させることができるものである。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。表
1に本発明ピストンリング材と従来のピストンリング材
の化学組成を示す。
【0010】
【表1】
【0011】記号A〜Eには、本発明ピストンリング
材、記号Gは特願昭58-37825号に開示されたピストンリ
ング材、記号Hは鋳鉄製のピストンリング材である。第
2表に本発明ピストンリング材と従来のピストンリング
材の特性を示す。
【0012】
【表2】
【0013】表2からわかるように、本発明ピストンリ
ング材は従来ピストンリング材に比べ、均一伸びが高
く、優れた加工性を示すことがわかる。表3に、本発明
ピストンリング材(記号A〜E)および従来のピストンリ
ング材(記号G)の窒化処理後の窒化層最高硬さを示す。
【0014】
【表3】
【0015】なお、記号A〜EおよびGともに熱処理で
硬さをHRC 41程度に調整し、アンモニア分解ガス雰囲気
中で540〜560℃ 10hrの条件でガス窒化処理をした。第
3表に示される通り、本発明ピストンリング材は、従来
ピストンリング材と同等以上の窒化層最高硬さを有し、
ピストンリングとして十分な耐摩耗性を具備するもので
ある。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ピストンリ
ング材は、その製造過程において、特に重要である加工
性に優れ、かつピストンリングとして要求させる諸特性
についても十分な効果を有するものであり工業上非常に
有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSiとCrの含有量範囲を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊谷 敦 島根県安来市安来町2107番地の2 日立金 属株式会社安来工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC 0.3〜0.5%未満,Si 0.3〜
    1.2%,Mn 0.3〜1.0%,Cr 0.3〜1.0%,但し、Si+Cr
    0.6〜1.7%未満,およびMoを必須として含み、該Mo,
    W,V,Nbの1種又は2種以上を2.5%以下、残部Feお
    よび不可避的不純物よりなることを特徴とするピストン
    リング材。
  2. 【請求項2】 重量%でC 0.3〜0.5%未満,Si 0.3〜
    1.2%,Mn 0.3〜1.0%,Cr 0.3〜1.0%,但し、Si+Cr
    0.6〜1.7%未満,Al 0.3〜2.0%,およびMoを必須とし
    て含み、該Mo,W,V,Nbの1種又は2種以上を2.5%
    以下、残部Feおよび不可避的不純物よりなることを特
    徴とするピストンリング材。
JP8097295A 1995-04-06 1995-04-06 ピストンリング材 Pending JPH0860297A (ja)

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JP2009235561A (ja) * 2008-03-04 2009-10-15 Nissan Motor Co Ltd ピストンリング

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