JPH0859580A - アミノポリカルボン酸誘導体およびキレート化剤 - Google Patents

アミノポリカルボン酸誘導体およびキレート化剤

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JPH0859580A
JPH0859580A JP6198340A JP19834094A JPH0859580A JP H0859580 A JPH0859580 A JP H0859580A JP 6198340 A JP6198340 A JP 6198340A JP 19834094 A JP19834094 A JP 19834094A JP H0859580 A JPH0859580 A JP H0859580A
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JP
Japan
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group
compound
formula
carbon atoms
acid derivative
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JP6198340A
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Akira Suzuki
亮 鈴木
Hisashi Okada
久 岡田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】チオ硫酸イオン等の分解が少なく、溶解度の高
いFe(III)錯体用の中間体として有用な新規アミノポリ
カルボン酸誘導体を提供する 【構成】下記式で表されるアミノポリカルボン酸誘導
体。(L1〜L4はアルキレン基を表す。m は0又は1を表
す。R1は無置換の単環もしくは二環のアリール基、また
はアルキル基、カルボキシル基およびニトロ基よりなる
群から選ばれた基で置換された単環もしくは二環のアリ
ール基を表す。R2は水素原子またはアルキル基を表す。
W は炭素鎖長が2のアルキレン基を表す。M1〜M4はそれ
ぞれ水素原子またはカチオンを表す。) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属イオン遮蔽剤、例
えば医療用、化粧用製剤、石鹸、洗剤、クリーニング組
成物、材料分析、金属材料への被覆、メッキ、触媒、コ
ロイド化学、写真、液晶等の分野での金属イオン遮蔽剤
として有用であり、特にハロゲン化銀写真感光材料分野
における金属イオン遮蔽剤および酸化剤(例えば感光材
料用漂白剤)の中間体として有用な新規アミノポリカル
ボン酸誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の化合物としては、化3お
よび化4で表される化合物等が知られている。
【0003】
【化3】
【0004】
【化4】
【0005】これら化合物は、写真業界においてはFe
(III)イオンと鉄錯体を形成した形で酸化剤(例えば、
ハロゲン化銀カラー写真感光材料用の漂白剤)として用
いられている。しかし化合物(化3)とFe(III) イオン
からなる鉄錯体は酸化力が弱く、また化合物(化4)と
Fe(III) イオンからなる鉄錯体は酸化力は強いものの酸
化還元電位が高いため、チオ硫酸イオンが共存する系で
は、経時でこの分解を促進し、硫黄を析出するといった
問題がある。これら問題を解決するものとして特開平5-
66527 号等には、化5で表される化合物が開示されてい
る。
【0006】
【化5】
【0007】しかし、この化合物の鉄錯体は溶解性がそ
れほど高くないので、さらなる漂白の迅速化や、環境保
護のために漂白液の低補充化を目指したときに、目標と
する高濃度化を達成することが難しい、といった問題が
あることがわかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チオ硫酸イ
オン等の分解が少なく、溶解度の高いFe(III)錯体用の
中間体として有用な新規アミノポリカルボン酸誘導体お
よびキレート化剤を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のアミノポリカル
ボン酸誘導体およびキレート剤は、下記一般式(I)で
表される。一般式(I)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、L1、L2、L3およびL4は、それぞれ
アルキレン基を表す。m は、0又は1を表す。R1は、無
置換の単環もしくは二環のアリール基、またはアルキル
基、カルボキシル基およびニトロ基よりなる群から選ば
れた基で置換された単環もしくは二環のアリール基を表
す。R2は、水素原子またはアルキル基を表す。W は、炭
素鎖長が2のアルキレン基を表す。M1、M2、M3およびM4
は、それぞれ水素原子またはカチオンを表す。)
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。L1、L2
L3およびL4で表されるアルキレン基は、同一または互い
に異なっていてもよく、直鎖状、分岐状または環状であ
ってもよい。アルキレン基として好ましくは、炭素数1
ないし4の直鎖状アルキレン基であり、より好ましく
は、炭素数1ないし2の直鎖状アルキレン基である。ア
ルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、
トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられ、より好ま
しくはメチレン基、エチレン基であり、特に好ましく
は、メチレン基である。
【0013】L1、L2、L3およびL4は置換基を有していて
もよく、置換基としては、例えばアリール基(無置換、
もしくはアルキル基、カルボキシル基、アルコキシ基ま
たはニトロ基よりなる群から選ばれた基で置換されたも
ので、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数
6〜10、特に好ましくは炭素数6〜8のアリール基であ
り、例えばフェニル、P-メチルフェニル等が挙げられ
る。)、アラルキル基(無置換、もしくはアルキル基、
カルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基およびハ
ロゲン原子よりなる群から選ばれた基で置換されたもの
で、好ましくは炭素数7〜12、より好ましくは炭素数7
〜10、特に好ましくは炭素数7または8のアラルキル基
であり、例えばフェニルメチル、フェニルエチル等が挙
げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12、よ
り好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜
8のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイル等が
挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素
数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましく
は炭素数1〜4のスルホニルアミノ基であり、例えばメ
タンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモ
イル基(好ましくは炭素数0〜10、より好ましくは炭素
数0〜6、特に好ましくは炭素数0〜4のスルファモイ
ル基であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモ
イル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは
炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、特に好ま
しくは炭素数1〜4のカルバモイル基であり、例えばカ
ルバモイル、メチルカルバモイル等が挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜8、より好まし
くは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4のアル
キルチオ基であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が
挙げられる。)、スルホ基、カルボキシル基、ヘテロ環
基(例えばイミダゾリル、ピリジル)等が挙げられる。
これらの置換基はさらに置換されてもよい。また、置換
基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。
【0014】置換基として好ましくは、アリール基(無
置換、もしくはアルキル基、カルボキシル基、無置換ア
ルコキシ基またはニトロ基よりなる群から選ばれた基で
置換されたもの)、スルホニルアミノ基、スルファモイ
ル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、カルボキシル
基、ヘテロ環基であり、より好ましくは、アリール基
(無置換、もしくはアルキル基、カルボキシル基、また
はニトロ基よりなる群から選ばれた基で置換されたも
の)、アルキルチオ基、カルボキシル基、ヘテロ環基で
ある。
【0015】m は、0または1を表し、好ましくは0で
ある。
【0016】R1は、無置換の単環もしくは二環のアリー
ル基、またはアルキル基、カルボキシル基およびニトロ
基よりなる群から選ばれた基で置換された単環もしくは
二環のアリール基を表す。R1で表される単環または二環
のアリール基は、好ましくは炭素数6〜24、より好まし
くは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリ
ール基である。R1で表されるアリール基は置換基を有し
ていてもよく、置換基としてはアルキル基(好ましくは
炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜6、特に好ま
しくは炭素数1〜4であり、例えばメチル、エチルなど
が挙げられる。)、カルボキシル基またはニトロ基より
なる群から選ばれる置換基である。置換基としてより好
ましくは、アルキル基またはカルボキシル基であり、特
に好ましくはアルキル基である。また、置換基が二つ以
上ある場合は、それぞれ同じでも、異なってもよい。ま
た、置換基の位置も限定されない。R1の好ましい具体例
としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0017】
【化7】
【0018】R1としてとくに好ましくは、フェニルであ
る。
【0019】R2は、水素原子またはアルキル基を表す。
R2で表されるアルキル基は、直鎖状、分岐状、または環
状でもよく、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは
炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜3のアルキル
基である。
【0020】R2で表されるアルキル基は置換基を有して
いてもよく、置換基としては例えばL1〜L4の置換基とし
て挙げたものが適用できる。R2として好ましくは、水素
原子または無置換アルキル基であり、より好ましくは水
素原子または炭素数1〜6の無置換アルキル基であり、
特に好ましくは水素原子である。
【0021】W は、炭素鎖長が2のアルキレン基を表
す。W で表されるアルキレン基は、置換基を有していて
もよい。置換基としては例えばL1〜L4の置換基として挙
げたものが適用できる。W で表されるアルキレン基は、
直鎖状、分岐状、または環状でもよく、好ましくは炭素
数2〜12、より好ましくは炭素数2〜6、特に好ましく
は炭素数2〜4のアルキレン基である。W の具体例とし
ては、例えば以下のものが挙げられる。
【0022】
【化8】
【0023】W として好ましくは、エチレン基、1-メチ
ルエチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、1-カルボキシ
エチレン基であり、より好ましくは、エチレン基、1-メ
チルエチレン基、1-カルボキシエチレン基であり、特に
好ましくは、エチレン基である。
【0024】M1、M2、M3、およびM4は、それぞれ水素原
子またはカチオンを表す。M1〜M4で表されるカチオン
は、有機または無機のカチオンを表し、例えばアルカリ
金属(Li、Na、K など)、アルカリ土類金属(Mg、Caな
ど)、アンモニウム(アンモニウム、トリメチルアンモ
ニウム、トリエチルアンモニウム、テトラエチルアンモ
ニウムなど)、ピリジニウムなどが挙げられる。
【0025】一般式(I)で表される化合物のうち、好
ましくは下記一般式(II)で表される化合物である。一
般式(II)
【0026】
【化9】
【0027】(式中、L1、L2、L3、L4、m 、R1、W 、
M1、M2、M3およびM4は、それぞれ一般式(I)における
それらと同義である。)一般式(I)で表される化合物
のうち、より好ましくは下記一般式(III)で表される化
合物である。一般式(III)
【0028】
【化10】
【0029】(式中、L1、L2、L3、L4、m 、R1、M1
M2、M3およびM4は、それぞれ一般式(I)におけるそれ
らと同義である。)一般式(I)で表される化合物のう
ち、さらに好ましくは下記一般式(IV)で表される化合
物である。一般式(IV)
【0030】
【化11】
【0031】(式中、L1、L2、m 、M1、M2、M3およびM4
は、それぞれ一般式(I)におけるそれらと同義であ
る。n は0または1を表し、R3はアルキル基、カルボキ
シル基もしくはニトロ基を表す。)R3のアルキル基とし
ては好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1
〜4であり、例えばメチル、エチルなどが挙げられる。
本発明の一般式(I)で表される化合物の具体例として
は、下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】
【化17】
【0038】
【化18】
【0039】
【化19】
【0040】本発明の一般式(I)で表される化合物
は、例えばInorganic Chemistry, 8(6), 1374 頁(1969)
記載の方法に準じて合成でき、例えばスキーム1に示す
ように、カルボン酸誘導体(A)とアミン化合物(B)
を反応させた後、カルボン酸誘導体(E)、(F)、
(G)を反応させることによって合成できる。 スキーム1
【0041】
【化20】
【0042】(式中、L1、L2、L3、L4、m 、R1、R2、W
、M1、M2、M3およびM4は、それぞれ一般式(I)にお
けるそれらと同義である。Y は水素原子又は保護基(例
えば、アシル基、ベンジル基などを表す。X1、 X2 、X3
及びX4はそれぞれ脱離基(例えば、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、スルホナート基
(例えば、メチルスルホナート、p−トルエンスルホナ
ート等)等)を表す。)
【0043】原料となるカルボン酸誘導体(A)は、X1
がハロゲン原子の場合は、市販の化合物を用いることが
できるほか、種々の誘導体が合成可能である。例えば、
Organic Synthesis Collective Volume4, 169 頁、Orga
nic Synthesis Collective Volume3, 538 頁を参考に、
アセトフェノン誘導体を原料に、マンデル酸誘導体を経
由して、種々のα−ハロゲンフェニル酢酸誘導体を合成
することができる。また、Jornal of Chemical Societ
y, 125 巻、2137頁を参考に、けい皮酸誘導体を原料
に、種々の3-ハロゲン-3- フェニルプロピオン酸誘導体
を合成することができる。原料となるカルボン酸誘導体
(E)、(F)、(G)は、X2、X3、X4がハロゲン原子
の場合は、市販の化合物を用いることができ、また、ア
ルキルカルボン酸のハロゲン化によって合成することが
できる。アルキルカルボン酸のハロゲン化は、例えば、
新実験化学講座第14巻、351 〜354 頁(丸善)記載の方
法に準じて合成できる。
【0044】また、X1、X2、X3、X4がスルホナート基の
場合には、ヒドロキシカルボン酸を原料とし、ヒドロキ
シ基のスルホン酸エステル化が容易にでき、例えば、新
実験化学講座第14巻、1793〜1798頁(丸善)記載の方法
に準じて合成できる。また、アミン化合物(B)は、Y
が水素原子の場合には、市販の化合物を用いることがで
きる。Yが保護基の場合には、アミンに保護基を導入す
る通常の方法が適用でき、例えば、新実験化学講座第14
巻、2555〜2568頁(丸善)記載の方法に準じて合成でき
る。
【0045】化合物(C)の合成は、溶媒を使用しても
良く、溶媒としては反応に関与しない限り限定されない
が、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エ
タノール、2-プロパノール等)、アセトニトリル、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられ
る。化合物(A)は化合物(B)に対して、通常0.1〜1
0倍モル用いるが、好ましくは0.1 〜6倍モル、より好
ましくは0.2 〜2倍モル用いる。またこの反応は、塩基
存在下で行うことが好ましく、塩基としてはアルカリ
(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等)または三級アミン(トリエチルア
ミン等)が挙げられる。塩基の量は、通常(A )に対し
て、0.5 〜10倍モル用いるが、好ましくは0.5 〜6倍モ
ル、より好ましくは0.5 〜2倍モル用いる。更に触媒量
(好ましくは化合物(B)に対して0.001 〜0.5 倍モ
ル、より好ましくは0.01〜0.5 倍モル、更に好ましくは
0.01〜0.3 倍モル)のヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウ
ム等のヨウ化物を添加すると本反応は有利に進行する。
また、本反応は、通常0〜100 ℃で行うが、好ましくは
10〜80℃、より好ましくは20〜70℃で行う。これより高
温では加水分解等の副反応が起き易くなり、これより低
温では反応の進行が遅い。
【0046】化合物(D)の合成(Yが水素原子の場合
には化合物(C)と化合物(D)は同一化合物となる)
は、用いた保護基に適した保護条件を用いることがで
き、例えば、新実験化学講座14巻、2555〜2568頁(丸
善)記載の方法が適用できる。化合物(I)の合成は、
化合物(C)を合成した際の条件が適用できる。また、
L1、L2、L3、L4がエチレン基の場合、化合物(E)、
(F)、(G)の代わりにアクリル酸またはその塩を用
いたマイケル反応を利用することもできる。また、化合
物(A)、(E)、(F)、(G)の代わりにエステル
体を用いてもよい。エステル体は市販品を用いることが
でき、またカルボン酸体、酸ハロゲン化物、酸無水物、
ニトリル体などからエステル化反応(例えば、新実験化
学講座14巻、1002〜1023頁(丸善)記載の方法が適用で
きる。)によって合成することができる。
【0047】また、スキーム2に示すように、カルボキ
シル置換されたケトン誘導体(H)を用い、化合物
(B)との反応で生成するイミン、またはインモニウム
を還元することによって化合物(J)を合成することが
でき、さらに、スキーム1に示したような、化合物
(C)から一般式(I)で表される化合物を合成する手
法で、化合物(J)から一般式(II)で表される化合物
を合成することができる。 スキーム2
【0048】
【化21】
【0049】(式中、L1、L2、L3、L4、m 、R1、W 、
M1、M2、M3およびM4は、それぞれ一般式(I)における
それらと同義である。Y は水素原子又は保護基(例え
ば、アシル基、ベンジル基などを表す。)
【0050】イミン、またはインモニウムを生成させる
反応には、溶媒を使用してもよく、溶媒としては反応に
関与しない限り限定されないが、例えば水、アルコール
(例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール
等)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジクロロメタン等が挙げられる。化合
物(H)は、化合物(B)に対して、通常0.1 〜10倍モ
ル用いるが、好ましくは0.2 〜5倍モル、より好ましく
は0.5 〜2倍モル用いる。また、この反応は塩基存在化
で行うこともできる。塩基としては、アルカリ(水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等)又は三級アミン(トリエチルアミン等)が挙
げられる。塩基の量は、通常(H)に対して、0.5 〜10
モル用いるが、好ましくは0.5 〜6倍モル、より好まし
くは0.5 〜2倍モル用いる。また、本反応は、通常0〜
130 ℃で行なうが、好ましくは10〜120 ℃、より好まし
くは20〜100 ℃で行なう。これより高い温度では副反応
が起こりやすく、低い温度では反応の進行が遅い。
【0051】還元条件としては特に限定はなく、例え
ば、新実験化学講座第14巻、1339〜1341頁(丸善)記載
の方法が適用できるが、接触水素化による方法が好まし
い。接触水素化に用いる触媒としては、特に限定はな
く、不均一系触媒(白金、パラジウム、ロジウム、ルテ
ニウム、イリジウム、ラネーニッケル等)でも均一系触
媒(クロロトリストリフェニルホスフィンロジウム等)
でもよい。不均一系触媒としては、白金は二酸化白金と
して使われることが多く、その他の金属は不活性担体
(活性炭、アルミナ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム
等)に保持された状態で使用される。触媒として好まし
くは、Pd-C、Raney Ni、PtO2 であり、より好ましく
は、Pd-C、Raney Niであり、特に好ましくは、Pd-Cであ
る。
【0052】化合物(J)の合成は、溶媒を使用しても
よく、溶媒としては反応に関与しない限り限定されない
が、例えば水、アルコール(例えばメタノール、エタノ
ール、2-プロパノール等)、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン
等が挙げられる。また、本反応の水素圧は、通常、常圧
〜300kg/cm2 で行なうが、好ましくは常圧〜100kg/c
m2 、より好ましくは常圧〜50kg/cm2で行なう。これよ
り高い水素圧を用いることは、実験操作の煩雑化や経費
を考慮するとほとんどメリットがなく、低い水素圧では
反応の進行が遅い。本反応は、通常0〜100 ℃で行なう
が、好ましくは10〜90℃、より好ましくは20〜80℃で行
なう。これより高い温度では副反応が起こりやすく、低
い温度では反応の進行が遅い。
【0053】原料となるケトン誘導体は、市販の化合物
を用いることができるほか、種々の誘導体が合成可能で
ある。例えば、Organic Synthesis Collective Volume
3, 112 頁、Organic Synthesis Collective Volume3, 1
14 頁を参考に、ハロゲン化ベンゾイル誘導体を原料
に、シアン化ベンゾイル酸誘導体を経由して、種々のベ
ンゾイルぎ酸誘導体を合成することができる。
【0054】また、この場合もエステル体を用いること
ができる。エステル体は市販品を用いることができ、ま
た、カルボン酸体、酸ハロゲン化物、酸無水物、ニトリ
ル体等からエステル化反応(例えば、新実験化学講座第
14巻、1002〜1023頁(丸善)記載の方法が適用でき
る。)によって合成することができる。
【0055】また、カルボン酸誘導体(E)、(F)、
(G)の代わりに、カルボキシル置換されたアルデヒド
またはケトン誘導体を用い、化合物(D)との反応で生
成するイミン、またはインモニウムを還元することによ
って化合物(I)を合成することもできる。この場合、
原料となるアルデヒドおよびケトン誘導体は、市販の化
合物を用いることができる。この場合の反応条件は、上
記の化合物(H)と化合物(B)から化合物(J)を合
成する際に用いる条件が適用できる。
【0056】また、この場合もエステル体を用いること
ができる。エステル体は市販品を用いることができ、ま
た、カルボン酸体、酸ハロゲン化物、酸無水物、ニトリ
ル体等からエステル化反応(例えば、新実験化学講座第
14巻、1002〜1023頁(丸善)記載の方法が適用でき
る。)によって合成することができる。また、一般式
(I)において、L1がメチレン基、m が1、R2が水素原
子である化合物(N)を合成する場合には、例えば、Jo
rnal of American Chemical Society58 巻, 299 〜303
頁(1936)記載の方法に準じて、例えば、スキーム3に
示す様に、アリールアルデヒド誘導体(K)とアミン化
合物(B)とマロン酸を反応させて化合物(M)を合成
する方法で、合成することができる。 スキーム3
【0057】
【化22】
【0058】(式中、L1、L2、L3、L4、m 、R1、R2、W
、M1、M2、M3およびM4は、それぞれ一般式(I)にお
けるそれらと同義である。Y は水素原子又は保護基(例
えば、アシル基、ベンジル基などを表す。X1、 X2 、X3
及びX4はそれぞれ脱離基(例えば、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、スルホナート基
(例えば、メチルスルホナート、p−トルエンスルホナ
ート等)等)を表す。)
【0059】原料となるアリールアルデヒド誘導体
(K)は市販の化合物を用いることができる。化合物
(M)の合成は、溶媒を用いてもよく、溶媒としては反
応に関与しないかぎり限定されないが、アルコール(例
えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール等)を
用いると有利に進行する。化合物(B)とマロン酸は、
化合物(K)に対して、通常1〜10倍モル用いるが、好
ましくは1〜6倍モル、特に好ましくは、1〜3倍モル
用いる。本反応は、通常0〜100 ℃で行なうが、好まし
くは20〜90℃、特に好ましくは、40〜80℃で行なう。こ
れより高い温度では副反応が起こりやすく、低い温度で
は反応の進行が遅い。化合物(E)、(F)、(G)の
導入は、スキーム1の説明で述べたのと同様の方法で行
なうことができる。また、M1O2C-(L1)m-CR1(R2)-、M2O2
C-L2- 、M3O2C-L3- 、M4O2C-L4- の導入順は、スキーム
1に記載した順である必要はない。さらに、合成中間体
を単離することなく各反応を連続して行なってもよい。
【0060】次に、本発明を具体的に説明するために実
施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0061】
【実施例】
実施例1(化合物1の合成法) スキーム4
【0062】
【化23】
【0063】(化合物1の合成法)ベンゾイルぎ酸ナト
リウム11.46g(0.067mol Aldrich社製)およびメタノー
ル60mlを入れた反応容器に、攪拌下、N-アセチルエチレ
ンジアミン5.67g(0.056mol東京化成製)を加え、2時
間加熱還流した。反応液を室温に戻した後、水素ガス
(水素圧30kg/cm2)と、触媒に10%パラジウムカーボン
を用いて、接触水素添加した。反応液を濾過して触媒を
除去した後、濾液を濃縮して飴状の沈殿を得た。これに
5N水酸化ナトリウム水溶液60mlを加えて、2時間加熱還
流した。反応液を氷水で冷却し、攪拌下、ブロモ酢酸2
7.76g (0.20mol)を、内温が10℃を越えないようにゆっ
くり加えた。36%塩酸で反応液をpH10〜11にした後、40
℃まで昇温し、5N水酸化ナトリウム水溶液をpH9〜11を
保つように加えながら6時間反応させた。反応液を室温
まで冷却した後、36%塩酸を加えて約pH2に調整した
後、反応液を約1/3 に減圧濃縮し、メタノールを加え、
析出した塩を濾別した。濾液を約1/3 に減圧濃縮し、メ
タノールを加え、析出した塩を濾別する操作を3回繰り
返した後、減圧濃縮して、生じた飴状物質をアセトンで
良く洗浄した。残った白色沈殿を水から再結晶すること
によって、化合物1を10.7g (0.029mol)得た。収率
52.3%。融点 190 〜191 ℃(分解)
【0064】
【0065】1H NMR(D2O/NaOD/DSS)δppm δ2.25〜2.50 (m 2H) δ2.50〜2.70 (m 2H) δ2.70〜3.35 (m 6H) δ4.45 (s 1H) δ7.20〜7.50 (m 5H)
【0066】実施例2(銀の酸化、チオ硫酸イオンの分
解に及ぼす影響の評価) 下塗を施した三酢酸セルロースフィルム上に1cm2あたり
コロイド銀が120 μgとなるようにゼラチン塗布したフ
ィルムを作成した。このフィルムを35℃で下記処理液に
1分間浸した後水洗し、フィルム中に残存した銀量を測
定した。また処理液を40℃、24時間経時した後の硫黄析
出の程度を目視した。結果を表1に示す。
【0067】[処理液] 硝酸鉄(III)九水和物 0.08モル キレート剤 0.09モル 臭化アンモニウム 0.40モル チオ硫酸アンモニウム 1.00モル 水を加えて1リットルに調整(アンモニア水でpH6に調
整)
【0068】
【表1】
【0069】
【化24】
【0070】表1から明らかなように、比較化合物aを
用いた場合は酸化力が弱く、比較化合物bを用いた場合
は酸化力はやや強いものの硫黄の析出が見られた。これ
に対し、本発明の化合物を用いた場合は酸化力が強く、
かつ硫黄の析出も見られなっかった。
【0071】実施例3(鉄錯体の溶解性) 下記のように調製した鉄錯体の溶液を、一週間、5℃で
攪拌し、析出した沈殿を濾別した後、溶液中の鉄錯体濃
度(鉄濃度)を原子吸光で測定した。結果を表2に示
す。
【0072】
【表2】
【0073】
【化25】
【0074】調液条件 [キレート剤] 0.55モル [FeCl3 0.50モル [チオ硫酸アンモニウム] 1.50モル
【0075】表2から明らかなように、本発明の化合物
の鉄錯体は、比較化合物cの鉄錯体よりも溶解性がよ
い。
【0076】
【発明の効果】本発明のアミノポリカルボン酸誘導体は
金属イオン遮蔽剤として、例えば医療用、化粧用製剤、
石鹸、洗剤、クリーニング組成物、材料分析、金属材料
への被覆、メッキ、触媒、コロイド化学、写真、液晶等
の分野での金属イオン遮蔽剤として有用であり、特にハ
ロゲン化銀写真感光材料分野における金属イオン遮蔽剤
および酸化剤(例えば感光材料用漂白剤)の中間体とし
ての使用に適しており、鉄錯体にした場合、チオ硫酸イ
オン等の分解が少なく、溶解性もよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 18/31 F C25D 5/02 D // G03C 7/42

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるアミノポリ
    カルボン酸誘導体。一般式(I) 【化1】 (式中、L1、L2、L3およびL4は、それぞれアルキレン基
    を表す。m は、0又は1を表す。R1は、無置換の単環も
    しくは二環のアリール基、またはアルキル基、カルボキ
    シル基およびニトロ基よりなる群から選ばれた基で置換
    された単環もしくは二環のアリール基を表す。R2は、水
    素原子またはアルキル基を表す。W は、炭素鎖長が2の
    アルキレン基を表す。M1、M2、M3およびM4は、それぞれ
    水素原子またはカチオンを表す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)で表されるアミノポリ
    カルボン酸誘導体キレート化剤。一般式(I) 【化2】 (式中、L1、L2、L3およびL4は、それぞれアルキレン基
    を表す。m は、0又は1を表す。R1は、無置換の単環も
    しくは二環のアリール基、またはアルキル基、カルボキ
    シル基およびニトロ基よりなる群から選ばれた基で置換
    された単環もしくは二環のアリール基を表す。R2は、水
    素原子またはアルキル基を表す。W は、炭素鎖長が2の
    アルキレン基を表す。M1、M2、M3およびM4は、それぞれ
    水素原子またはカチオンを表す。)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998016680A1 (fr) * 1996-10-15 1998-04-23 Chelest Corporation Fibre de formation de chelate metallique, procede de preparation de cette fibre, et procede de sequestration d'ions metalliques au moyen de cette derniere

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WO1998016680A1 (fr) * 1996-10-15 1998-04-23 Chelest Corporation Fibre de formation de chelate metallique, procede de preparation de cette fibre, et procede de sequestration d'ions metalliques au moyen de cette derniere

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