JPH085818A - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

カラーフィルタおよびその製造方法

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JPH085818A
JPH085818A JP13887194A JP13887194A JPH085818A JP H085818 A JPH085818 A JP H085818A JP 13887194 A JP13887194 A JP 13887194A JP 13887194 A JP13887194 A JP 13887194A JP H085818 A JPH085818 A JP H085818A
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black
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JP13887194A
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English (en)
Inventor
Keijiro Inoue
敬二郎 井上
Fumio Tomita
文雄 冨田
Tetsuya Goto
哲哉 後藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】光透過性基板上にポリイミド樹脂中に遮光剤を
分散してなるブラックマトリックスが積層されたカラー
フィルタにおいて、該光透過性基板と該ブラックマトリ
ックス間に厚み100A以上のポリイミド樹脂からなる
下地層が積層されていることを特徴とするカラーフィル
タである。 【効果】カラーフィルタ製造の後工程においてもブラッ
クマトリックスの膜剥がれなどはなく、収率が向上し、
信頼性の高いカラーフィルタを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子等に使用
されるカラーフィルタに関するものであり、さらに詳し
くは、後工程においても膜剥がれなどが生じない、信頼
性に優れたブラックマトリックスを有するカラーフィル
タに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示素子用カラーフィルタ
は、光透過性基板上に形成された赤、緑、青の三原色の
画素を一絵素として多数の絵素から構成されている。そ
して、各画素間には、表示コントラストを高めるために
一定の幅を持つ遮光領域(画面上では、一般に黒色に見
えることから、ブラックマトリックスと称されている)
が設けられている。
【0003】従来のカラーフィルタは、予めフォトリソ
グラフィ法で作製されたブラックマトリックスを利用し
ており、微細なパターンからなる金属薄膜により形成さ
れることが多い。このブラックマトリックスに用いられ
ている金属としては、Cr、Ni、Al等があり、その
形成方法としては、スパッタ法や真空蒸着法などの真空
薄膜形成法が広く用いられている。次に、微細なパター
ンを形成するために、通常フォトリソグラフィ法により
フォトレジストのパターンを形成した後、このレジスト
パターンをエッチングマスクとして金属薄膜のエッチン
グを行なう。この工程により、フォトレジストの微細パ
ターンと一致する金属薄膜の微細パターンを形成するこ
とができる。
【0004】また、画素を形成する方法としては、フォ
トリソグラフィ法を用いて形成した可染媒体を染色する
方法、感光性の顔料分散組成物を用いる方法、非感光性
の顔料分散性組成物をエッチングする方法、パターニン
グした電極を利用した電着法などの他に、低コストの製
造方法として印刷法やインクジェット法で着色部分を形
成する方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、金属薄膜に
より形成されたブラックマトリックスは、金属薄膜を形
成する工程での製造コストが高く、カラーフィルタその
ものの価格を引き上げる原因になっている。さらに、ブ
ラックマトリックス用の金属薄膜として一般に用いられ
ているCrは反射率が高いため、外光の強い場所ではC
r面からの反射光も強く、特に透過型のディスプレーに
カラーフィルタを組み込んだ場合には、表示品位を著し
く損ねるという問題があった。すなわち、表示品位の高
い高コントラストな画質を得るためには、高い遮光性と
低い反射率が必要とされている。ブラックマトリックス
の反射率を低くさせるために、Crと光透過性基板間に
酸化クロムのような層を設ける方法が提案されている
が、ブラックマトリックスの製造コストはさらに増加す
ることになり、コストダウンの点からは好ましくない。
【0006】このため、例えば遮光剤によって着色され
た樹脂をパターニングしてブラックマトリックスを形成
した後、画素を形成してカラーフィルタを製造する方法
が提案されている(特開平2−239204号公報)。
しかし、樹脂としてポリイミドを用いた場合、確かに反
射率が低く、耐熱性の高いブラックマトリックスが製造
できるが、光透過性基板とブラックマトリックスとの接
着性が低下したり、イミド化が阻害されされるために十
分な膜強度が得られず、パターニング時や後工程、特に
高い温度で熱処理を必要とする工程において膜剥がれが
多発するという問題があった。さらに、光透過性基板上
には、ブラックマトリックスの他にも、画素形成用のア
ライメントマーク、液晶表示パネル組み立て用のアライ
メントマーク、バーニアパターンなどの線幅5〜200
μmの微細なパターンが必要であり、ブラックマトリッ
クス形成時に遮光剤によって着色された樹脂により同時
に形成しておくのが好ましい。しかし、これらの微細な
パターンもブラックマトリックスと同様に膜剥がれが生
じるという問題があった。
【0007】これらの接着性低下、膜剥がれの原因につ
いて本発明者らが鋭意検討したところ、光透過性基板上
の微量なアルカリ金属またはアルカリ土類金属が原因で
あることが判明した。このアルカリ金属またはアルカリ
土類金属は、基板の洗浄不良によるもの、基板洗浄液中
に含まれているものが光透過性基板上に再付着したも
の、もともと光透過性基板中に含まれていたものであ
る。
【0008】本発明は、かかる技術の諸欠点に鑑み、創
案されたもので、その目的とするところは、後工程にお
いて膜剥がれが生じない、信頼性の高いブラックマトリ
ックスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
以下のカラーフィルタによって達成できる。すなわち、
光透過性基板上にポリイミド樹脂中に遮光剤を分散して
なるブラックマトリックスが積層されたカラーフィルタ
において、該光透過性基板と該ブラックマトリックス間
に厚み10nm以上のポリイミド樹脂からなる下地層が
積層されていることを特徴とするカラーフィルタであ
る。以下、詳細に説明する。
【0010】まず最初に、本発明に用いられる光透過性
基板としては、ホウケイ酸ガラス、表面をシリカコート
したソーダライムガラスなどの無機ガラス類、有機プラ
スチックのフィルムまたはシートなどが好ましく用いら
れる。
【0011】光透過性基板は、指紋、汗、油脂等の有機
物汚染や、切断時の断片、ほこり等のパーティクルなど
により汚れている。このため、通常これらの光透過性基
板は、洗浄して用いる。まず、ブラシ洗浄にて粗大パー
ティクルを除去した後、界面活性剤等に浸漬し、超音波
を印加した後、水洗、乾燥する。界面活性剤としては、
種々のものを用いることができるが、アルカリ性のもの
が特に洗浄力が強く、Na、Kなどのアルカリ金属塩に
なっているのが特に好ましく用いられる。さらには、N
aOH、KOHなど強アルカリを含むものも適している
(例えば、DIPOSH−A、(株)環境科学センター
製など)。このような洗浄を行なった後、従来は水洗、
乾燥するが、生産性向上のため各工程での処理時間を短
縮する方向に進んでおり、十分な洗浄が行なえないため
界面活性剤や強アルカリ中に含まれるアルカリ金属また
はアルカリ土類金属が、光透過性基板上に残留する。ま
た、洗浄が不十分な部分においては、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属を含む指紋、汗、油脂等がアルカリ
金属またはアルカリ土類金属の汚染源になる。
【0012】従来、このような光透過性基板上の微量な
アルカリ金属またはアルカリ土類金属汚染によって、ブ
ラックマトリックスの光透過性基板側近傍のアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の濃度は著しく上昇し、ブラ
ックマトリック膜剥がれの原因となっていた。このた
め、本発明のカラーフィルタは、光透過性基板上にポリ
イミド樹脂からなる下地層を積層する。下地層は、光透
過性基板との密着力が高く、さらに光透過性基板上の微
量なアルカリ金属またはアルカリ土類金属をブラックマ
トリックスまで汚染させないよう作用せしめるため、下
地層とブラックマトリックスとの密着性も向上せしめる
ことが可能である。結果的には、光透過性基板とブラッ
クマトリックスとの密着性を向上させ、後工程でのブラ
ックマトリックスの剥がれを防止する。
【0013】ポリイミド樹脂からなる下地層の厚みは、
少なくとも10nm以上、より好ましくは20nm以
上、さらに好ましくは50nm以上である。膜厚の上限
としては特に限定されないが、通常塗布・乾燥装置など
の制限から5μm以下が好ましく、より好ましくは1μ
m以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。
【0014】本発明の下地層は、アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の溶出を阻止せしめることができる。従
って、ブラックマトリックス中のアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の平均濃度が、下地層側から深さ100
nmまでの平均濃度Aと、深さ100nmから表面まで
の平均濃度Bの関係が、0.5<A/B<10であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.5<A/B<5、さ
らに好ましくは0.5<A/B<2である。ブラックマ
トリックス中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の
濃度は、例えば二次イオン質量分析装置等により、エッ
チングしながらブラックマトリックス表面から光透過性
基板までのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度
を測定することにより定量化できる。
【0015】また、ブラックマトリックス中に含まれる
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度としては、
少ない方が好ましく、好ましくは1000ppm以下、
より好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは5
0ppm以下である。
【0016】下地層用のポリイミド樹脂としては、特に
限定されないが、通常一般式(1)で表わされる構造単
位を主成分とするポリイミド前駆体(n=1〜2)を、
加熱もしくは適当な触媒によってイミド化するものが好
適に用いられ、ポリアミドイミドも含まれる。下地層
は、ポリイミド前駆体溶液を光透過性基板上に塗布して
形成せしめることができる。
【0017】
【化1】 上記一般式(1)中、R1 は少なくとも2個以上の炭素
原子を有する3価または4価の有機基である。耐熱性の
面から、R1 は環状炭化水素、芳香族環又は芳香族複素
環を含有し、かつ、炭素数6〜30の3価または4価の
基が好ましい。R1 の例として、フェニル基、ビフェニ
ル基、ターフェニル基、ナフタレン基、ペリレン基、ジ
フェニルエーテル基、ジフェニルスルホン基、ジフェニ
ルプロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェニルトリフル
オロプロパン基、シクロブチル基、シクロペンチル基な
どが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】R2 は少なくとも2個以上の炭素原子を有
する2価の有機基であるが、耐熱性の面から、R2 は環
状炭化水素、芳香族環又は芳香族複素環を含有し、かつ
炭素数6〜30の2価の基が好ましい。R2 の例とし
て、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフ
タレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェ
ニルスルホン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノ
ン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフェニル
メタン基、ジシクロヘキシルメタン基などが挙げられる
が、これらに限定されない。
【0019】構造単位(1)を主成分とするポリマは、
1 、R2 がこれらのうち各々1種から構成されていて
も良いし、各々2種以上から構成される共重合体であつ
てもよい。さらに、基板との接着性を向上させるため
に、耐熱性を低下させない範囲でジアミン成分として、
シロキサン構造を有するビス(3−アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサンを共重合せしめるのがより好ま
しい。
【0020】構造単位(1)を主成分とするポリマの具
体的な例として、ピロメリット酸二無水物、3,3´,
4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3´,4,4´−ビフェニルトリフルフォロプロパ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物などか
らなる群から選ばれた1種以上のカルボン酸二無水物
と、パラフェニレンジアミン、3,3´−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4´ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−
ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフ
ェニルスルホン、4,4´−ジアミノジシクロヘキシル
メタン、4,4´−ジアミノジフェニメタンなどの群か
ら選ばれた1種以上のジアミンから合成されたポリイミ
ド前駆体が挙げられるが、これらに限定されない。これ
らのポリイミド前駆体は公知の方法すなわち、テトラカ
ルボン酸二無水物とジアミンを選択的に組み合わせ、溶
媒中で反応させることにより合成される。必要に応じて
ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
などを共重合させても良い。また、光によって架橋等の
反応が進むような2−ヒドロキシエチルメタクリレート
等の感光基をエステル結合を介して設けたポリアミド酸
エステル等の感光性のポリイミドとしてもよい。
【0021】また、下地層としては、ブラックマトリッ
クスと同等の耐熱性を有するのが望ましく、好ましくは
250℃以上、より好ましくは300℃以上の耐熱性を
有し、かつ、透明で変色等の着色が無いことが望まれ
る。250℃以上の耐熱性とは、窒素雰囲気下で、25
0℃で30分の熱処理において、熱分解等による重量減
少率が10%以下のものを言う。
【0022】通常、溶媒としてN−メチル−2−ピロリ
ドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミドなどのアミド系極性溶媒、ラクトン系極
性溶媒、ジメチルスルフォキシドなどが用いられる。本
発明の下地層としては、アルカリ金属またはアルカリ土
類金属の拡散を防止する上で、ラクトン類が主成分もし
くはラクトン類単独からなる溶媒を用いるのがより好ま
しい。アミド系極性溶媒に比べて、ラクトン系極性溶媒
の方がアルカリ金属またはアルカリ土類金属の溶解度が
小さいためと推察される。ここでラクトン系極性溶媒が
主成分である溶媒とは、n種類の溶媒からなる混合溶媒
の場合、(1/n)×100重量%よりも多く含むこと
を言う。例えば2成分系の溶媒の場合、ラクトン系極性
溶媒が50重量%より多く含有されていることをいい、
3成分系の溶媒の場合、ラクトン系極性溶媒が33重量
%より多く含有されていることをいう。本発明における
ラクトン類とは脂肪族環状エステルで炭素数3〜12の
化合物をいう。具体的な例として、β−プロピオラクト
ン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バ
レロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクト
ンなどが挙げられるがこれらに限定されない。とくにポ
リイミド前駆体の溶解性の点で、γ−ブチロラクトンが
好ましい。さらに、これ以外の溶媒としては、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビト−ル、エ
チルカルビト−ル、エチルラクテート、エチルラクテー
トなど蒸発速度のより速い溶媒を全溶媒中5〜30重量
%混合させることによりアルカリ金属またはアルカリ土
類金属の拡散を防止ができ、さらに好ましい。
【0023】また、接着層形成後、接着層表面のアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を除去するため、純水で
洗浄するのが好ましい。好ましくは10秒から5分間洗
浄する。
【0024】ブラックマトリックスは、ポリイミド前駆
体溶液中にカーボンブラック等の遮光剤を分散した黒色
ペーストを下地層の上に塗布することにより形成でき
る。ブラックマトリックス用のポリイミド樹脂として
は、下地層に用いることのできるポリイミドの中から適
宜選ぶことができる。これらの中でも、特に、可視光域
の波長での光吸収の高いものの方がブラックマトリック
スの遮光性も高くなり、より好ましい。すなわち、膜厚
2μmのポリイミド膜において、XYZ表色系における
原刺激Yが96以下のポリイミド樹脂を用いるのが好ま
しく、より好ましくは90以下、さらに好ましくは80
以下である。これらの値は、波長400〜700nmの
可視光でのポリイミド膜の光線透過率スペクトルを測定
することにより計算できる。例えばテトラカルボン酸二
無水物としては、酸二無水物残基の電子吸引性が高い程
好ましく、ベンゾフェノン基のようなケトンタイプのも
の、ジフェニルエーテル基のようなエーテルタイプのも
の、フェニル基を有するもの、ジフェニルスルホン基の
ようなスルホン基を有するものなど好ましい。例えば、
ピロメリット酸二無水物、3,3´,4,4´−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物などである。ジアミ
ンとしてはジアミン残基の電子供与性が強い程好まし
く、ビフェニル基、p−,p−置換またはm−,p−置
換構造のジアミノジフェニルエーテル、メチレンジアニ
リンなどが好ましく、4,4´、または3、4´ジアミ
ノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンなどで
ある。
【0025】遮光剤としては、カーボンブラック、酸化
チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属硫化物粉の
他に、赤、青、緑色の顔料の混合物などを用いることが
できる。この中でも、特にカーボンブラックは遮光性が
優れており、特に好ましい。カーボンブラックは、チャ
ネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラックと
呼ばれているコンタクト法で製造されたもの、ガスファ
ーネストブラック、オイルファーネストブラックと呼ば
れているファーネスト法で製造されたもの、サーマルブ
ラック、アセチレンブラックと呼ばれているサーマル法
で製造されたものなどを用いることができるが、特にチ
ャネルブラック、ガスファーネストブラック、オイルフ
ァーネストブラックが好ましい。
【0026】ブラックマトリックスの遮光性を向上させ
るためには、遮光剤の粒径を小さくするのが好ましく、
カーボンブラックの場合、平均1次粒径が5〜50nm
が好ましい。カーボンブラック粉の構造は、微細なカー
ボンブラックが凝集してカーボンブラックの二次粒子を
形成しており、この粒子径の平均を平均二次粒径とする
と、6〜75nmが好ましく、より好ましくは7〜50
nm、さらに好ましくは8〜30nmである。これより
大きければ十分な遮光性が得られず好ましくない。平均
一次粒径の求め方としては、透過型電子顕微鏡等でカー
ボンブラックを観測し、JISR6002に準じて平均
粒径を求める。
【0027】さらに、カーボンブラック以外にもチタン
ブラック、赤、青、緑色の顔料等の遮光剤を添加しても
よいが、遮光剤中にしめる割合は50重量%以下が好ま
しく、さらに好ましくは40重量%以下、より好ましく
は重量30重量%以下である。これ以上カーボンブラッ
ク以外の遮光剤を添加すると遮光性画素が低下し、好ま
しくない。
【0028】溶媒としては、下地層積層時に使用できる
もの中から適宜選択できるが、遮光剤にカーボンブラッ
クを用いた場合は、カーボンブラック等の遮光剤の分散
効果を高めるため、アミド系極性溶媒を少なくとも含む
のが好ましく、より好ましくは主成分もしくはアミド系
極性溶媒からなる溶媒を用いるのが望ましい。
【0029】遮光剤を分散させる方法としては、公知の
技術を用いることができ、ポリイミド前駆体溶液もしく
は溶剤中に遮光剤を混合させた後、ボールミル等の分散
機中で分散させるが、分散中におけるポリイミド前駆体
の反応、遮光剤とポリイミド前駆体の反応による粘度上
昇、ゲル化等の防止のため、まず溶剤中にカーボンブラ
ックを混合して、十分な前分散を行なわせた後、ポリイ
ミド前駆体を後から混合させ、本分散させる方法が好ま
しい。高い遮光性を得るためには、遮光剤を微分散する
必要があり、分散強度、分散時間等は、適宜調整する。
また、このようにして得られたブラックマトリックス用
の黒色ペーストには、塗布性やレベリング性、分散性向
上などを目的に種々の添加剤を加えることができる。
【0030】次に、下地層、ブラックマトリックスの形
成方法を説明する。まず、光透過性基板上に、ポリイミ
ド前駆体溶液を塗布し、下地層を形成する。塗布方法
は、ディップ塗布、ロールコータ、ホエラー、スピナー
などの回転塗布法が好的に用いられる。この後、熱風オ
ーブン、ホットプレート等により乾燥する。この後、セ
ミキュアするため100〜180℃で1〜60分間程度
熱処理したり、必要に応じてイミド化するために200
〜500℃で1〜60分間程度キュアを行なう。通常、
セミキュアとは、ポリイミドポリイミド前駆体の10〜
60モル%程度部分的にイミド化せしめることをいい、
キュアとは、ポリイミド前駆体の60モル%以上をイミ
ド化せしめることをいう。これらの熱処理により、光透
過性基板上の微量なアルカリ金属またはアルカリ土類金
属は熱拡散し易くなる。このため、下地層を積層後純水
で洗浄するのも好ましい。これ以外にも、これらの金属
でブラックマトリックスを汚染させないようするため、
下地層はできるだけ低い温度で、短時間で熱処理するの
が好ましい。すなわち、好ましくは300℃以下で30
分以下、より好ましくは180℃以下で30分以下であ
る。
【0031】また、下地層をセミキュアした後、ブラッ
クマトリックスを形成する方が、下地層とブラックマト
リックスとの密着力が著しく向上し、より好ましい。こ
れは、セミキュア状態の下地層には、イミド化していな
い、カルボン酸基、アミノ基が多く残っている。このた
め、ブラックマトリックス中のポリイミド前駆体と化学
的に反応するためと考えられる。
【0032】ブラックマトリックスは、黒色ペーストを
下地層の上に塗布して設けるが、塗布方法は、下地層形
成時と同様の塗布方法が好的に用いられる。この後、熱
風オーブン、ホットプレート等により乾燥し、セミキュ
アする。この後、通常、フォトリソグラフィ法を用いて
ストライプ状、格子状などの形状にパターニングし、所
望のブラックマトリックスを得る。このブラックマトリ
ックス間隙には、通常20〜200μm程度の開口部が
設けられており、後工程でこの間隙に画素が形成され
る。
【0033】パターニング方法の一例を示す。非感光性
のポリイミド前駆体を用いた場合は、まず黒色ペースト
を塗布、乾燥した後、セミキュアするため100〜18
0℃で熱処理した後、レジストを塗布、乾燥する。マス
クを用いて露光した後、レジストを現像する。このレジ
ストパターンを用いてエッチング法にてパターニングさ
れたブラックマトリックスを得ることができる。通常
は、レジストを現像、エッチングを同時に行なう。セミ
キュア条件は、用いたポリイミド前駆体の種類や塗布量
によって若干異なるが、通常100〜180℃で1〜6
0分加熱するのが一般的である。非感光性のポリイミド
前駆体を用いた場合は、この後フォトレジストを塗布
し、プリベークし、光学マスクを用いて露光後、現像す
る。現像液としては、NaOH、KOH等の無機アルカ
リ水溶液やテトラメチルアンモニウムヒドロキシドのよ
うな有機アミン水溶液を用い、デップ、シャワー、パド
ル法等で現像するが、NaやKの汚染を防止するため、
高純度の有機アミン水溶液を用いるのがより好ましい。
また、同時に、画素形成用のアライメントマーク、液晶
表示素子組み立て用のアライメントマーク、バーニアパ
ターンなど、必要なパターンも形成しておく。よって、
これらの微細なパターンについても、光透過性基板との
間に、下地層が形成されているのが好ましい。
【0034】この様にして、レジストの現像とブラック
マトリックスのパターン化を連続して行なった後、レジ
ストを剥離する。剥離液としては、ノボラック系のレジ
ストを用いた場合、アセトン等のケトン類、エチルセル
ソルブ等のセルソルブ類、セルソルブアセテート類など
を用いて、デップ、シャワー、パドル法等で剥離する。
また、感光性のポリイミド前駆体を用いた場合は、ま
ず黒色ペーストを塗布、乾燥した後、マスクを用いて露
光し、現像することにより、パターニングされたブラッ
クマトリックスを得ることができる。
【0035】この後、熱風またはホットプレートなどで
キュアするが、その前に、純水で洗浄することにより、
ブラックマトリックス中の接着層から深さ100nmま
でのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の平均濃度A
を低減することができ、好ましい。好ましくは10秒か
ら5分間洗浄する。
【0036】さらに、本発明の下地層はポリイミド樹脂
であるためわずかに着色しており、ブラックマトリック
ス開口部に下地層があると、画素の光線透過率が低下す
る。このため、下地層はブラックマトリックスと同じパ
ターンにパターニングされている方が、画素の光線透過
率が高くなり、より好ましい。このように下地層をパタ
ーン化することによって、下地層に着色したポリイミド
樹脂も使用することができ、より好ましい。このような
カラーフィルタを得るには、例えば、あらかじめ下地層
をブラックマトリックスと同じパターンにパターン化し
た後、ブラックマトリックスを積層してもよいが、下地
層パターンとブラックマトリックスパターンのアライメ
ントが必要なため、1〜10μm程度下地層パターンを
大きくする方が好ましい。この方法においても、下地層
はイミド化率が低い方が好ましい。さらに好ましい方法
としては、光透過性基板上にポリイミド前駆体溶液を塗
布、セミキュアして下地層を積層した後、この上にブラ
ックマトリックス形成用のポリイミド前駆体溶液中に遮
光剤を分散したの黒色ペーストを塗布、セミキュアした
後、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニング
すると同時に下地層もブラックマトリックスと同じパタ
ーンにパターニングする方法を用いることができる。こ
の場合、下地層とブラックマトリックス同時に現像可能
な現像液を用いることのできるよう、下地層のセミキュ
ア条件を調整するのが好ましい。また、最終的には、ブ
ラックマトリックスをキュアする時に、ブラックマトリ
ックスと同時に下地層もイミド化できる。
【0037】また、同時に、画素形成用アライメントマ
ーク、液晶表示素子組み立て用のアライメントマーク、
バーニアマークなど、必要なマークも黒色ペーストで形
成しておくのが好ましい。これらのマークも、後工程で
の膜剥がれを防止するために、光透過性基板とこれらの
マークとの間に厚み100A以上のポリイミド樹脂から
なる下地層を積層せしめるのが好ましい。さらには、下
地層がこれらのマークと同じパターンにパターニングさ
れているのがより好ましい。
【0038】ブラックマトリックスを形成する方法とし
ては、フォトリソグラフィ法以外にも低コストの製造方
法として、印刷法やインクジェット法などで形成する方
法もある。
【0039】次に、複数色の画素を形成する。通常、各
画素の画素の色は、赤、青、緑の3色であり、着色剤に
よって着色されている。通常、各画素を形成する前後に
は、洗浄工程があり、光透過性基板上のパーティクルや
有機物汚染を除去してから行なう。洗浄方法は、通常、
光透過性基板の洗浄工程に準じて行なうことが多い。本
発明のカラーフィルタは、これらの洗浄工程や、画素形
成工程等の後工程において、ブラックマトリックスや必
要に応じて設けられた画素形成工程用アライメントマー
ク、液晶表示素子組み立て用アライメントマーク、バー
ニアマークなどの微細パターンの膜剥がれを防止するこ
とができる。
【0040】画素に用いられる着色剤としては、有機顔
料、無機顔料、染料などを好適に用いることができ、さ
らに紫外線吸収剤、分散剤、レベリング剤等、種々の添
加剤を添加してもよい。有機顔料としては、フタロシア
ニン系、アジレーキ系、縮合アゾ系、キナクリドン系、
アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系などが好適
に用いられる。また、画素に用いられる樹脂としては、
エポキシ系樹脂、アクリル系、ポリイミド系樹脂、ウレ
タン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、
ゼラチン等染色可能な動物性タンパク樹脂などの感光性
または非感光性の材料を用いることができ、着色剤をこ
れらの樹脂中に分散もしくは溶解させて着色するのが好
ましい。感光性樹脂としては、光分解型樹脂、光架橋型
感光性樹脂、光重合型樹脂などのタイプがあり、特に、
エチレン性不飽和結合を有するモノマ、オリゴマ、ポリ
マと、紫外線によってラジカルを発生する開始剤とを主
成分とする感光性組成物、感光性ポリアミック酸液など
が好適に用いられる。
【0041】着色剤を分散または溶解させる方法として
は、公知の技術を用いることができ、溶剤中に着色剤を
混合させ、ボールミル等の分散機中で分散させたり、撹
拌装置によって溶解させる。塗布方法は、ディップ塗
布、ロールコータ、ホエラー、スピナーなどの回転塗布
法が好的に用いられる。この中でもディップ塗布、ホエ
ラー、スピナーなどの回転塗布法は塗布中に画素形成用
溶液の塗布量が基板上で均一化されるため、画素の膜厚
均一性に優れ、特に好ましい。
【0042】この後、熱風またはホットプレート等で乾
燥することよって、ブラックマトリックス間に第1色目
の着色層が全面にわたって形成される。通常カラーフィ
ルタは複数色の画素からなるので、不必要な部分をフォ
トリソグラフィ法で除去し、所望の第1色目の画素パタ
ーンを形成する。不必要な部分とは、後工程で形成予定
の画素部や画素以外の光透過性基板の周辺部などであ
る。着色層が感光性を有する場合は、光学マスクを用い
て露光し、不必要な部分を現像で除去し、画素パターン
を形成する。また、着色層が非感光性の場合は、レジス
トを塗布し、光学マスクを用いて露光し、現像した後、
パターン化されたレジストをマスクとして、不必要な部
分をエッチング法で除去した後、レジストを剥離し、画
素パターンを形成する。
【0043】これを必要な色の画素だけ繰り返し、複数
の色からなる画素を形成し、カラーフィルタを製造す
る。この後、必要に応じてトップコート層、ITO透明
電極およびパターニング等を必要に応じて公知の方法に
より行なうことができる。
【0044】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0045】
【実施例】
<下地層および画素用ポリイミド前駆体溶液の製造>
3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物 147gをN−メチル−2−ピロリドン772 gと共に
仕込み、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン 49.6
g,4,4´−ジアミノジフェニルメタン 54.5 g,お
よびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキ
サン 6.20 gを添加し、60℃で3時間反応させ、粘度
120ポアズ(25℃)のポリイミド前駆体溶液を得
た。
【0046】<ブラックマトリックス用ポリイミド前駆
体溶液の製造>3,3´,4,4´−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物 147gをN−メチル−2−ピロリド
ン772 gと共に仕込み、4,4´−ジアミノジフェニル
エーテル 95.10gおよびビス(3−アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサン 6.20gを添加し、60℃で3
時間反応させ、粘度600ポアズ(25℃)のポリイミ
ド前駆体溶液を得た。
【0047】これを無アルカリガラス(日本電気ガラス
(株)製、OA−2)基板上にスピナーで仕上がり膜厚
が2μmになるように塗布、80℃10分熱風乾燥した
後、120℃で20分間セミキュア、300℃30分間
キュアした。このポリイミド膜の原刺激Yは95であっ
た。
【0048】実施例1 まず、無アルカリガラス(OA−2、日本電気ガラス
製)を、40℃の2重量%アルカリ性洗浄液(DIPO
SH−A、(株)環境科学センター製)中で3分間浸漬
洗浄後、純水で2分間水洗し、90℃で5分間乾燥し
た。
【0049】つぎに、下地層を積層した。下地層用ポリ
イミド前駆体溶液を、下記に示すように、固形分が2.
5%になるように溶媒で希釈した後、スピナーで仕上が
り膜厚が0.1μmになるよう塗布し、90℃で10分
間乾燥した後、290℃で30分間キュアした。また、
このポリイミド膜の窒素雰囲気下における耐熱性は48
0℃で、これ以上の温度に加熱すると1重量%以上のポ
リイミドの分解が生じた。
【0050】 ポリイミド前駆体溶液 10.0部 N−メチル−2−ピロリドン 76.5部 ブチルセルソルブ 13.5部 この後、ブラックマトリックスを積層した。まず、下記
の組成を有する溶液をホモジナイザーを用いて、7000rp
m で30分間分散後、ガラスビーズを瀘過し、除去し
た。
【0051】 カーボンブラック(平均1次粒径32nm,平均2次粒径60nm,ファー ネストブラック) 4g N−メチル−2−ピロリドン 30g γ−ブチロラクトン 42g ガラスビーズ 90g これに、上記ブラックマトリックス用ポリイミド前駆体
溶液を24g添加混合し、黒色ペーストを調製した。ガ
ラス基板上にスピナーで仕上がり膜厚が1μmになるよ
うに黒色ペーストを塗布、120℃で20分間セミキュ
アした。この後、ポジ型レジスト(Shipley "Microposi
t" RC100 30cp )をスピナーで塗布後、80℃20分乾
燥した。キャノン(株)製露光機PLA−501Fを用
い、フォトマスクを介して露光し、アルカリ現像液(N
MD−3、東京応化工業(株)製)でポジ型レジストの
現像およびブラックマトリックスのエッチングを同時に
行なった。また、この条件下では、下地層は、エッチン
グされなかった。この後、ポジ型レジストをメチルセル
ソルブアセテートで剥離した。さらに、300℃30分
間キュアした。このようにして、厚み1.0μmの幅約
40μmの格子状ブラックマトリックスを設けた。同時
に、幅約20μmの画素形成用アライメントマーク、幅
約10μmのバーニアパターンなどの微細パターンもパ
ターニングした。
【0052】次に、赤、緑、青の顔料として各々Color
Index No.65300 Pigment Red 177で示されるジアントラ
キノン系顔料、Color Index No.74265 Pigment Green 3
6 で示されるフタロシアニングリーン系顔料Color Inde
x No.74160 Pigment Blue 15-4で示されるフタロシアニ
ンブルー系顔料を用意した。画素用ポリイミド前駆体溶
液に上記顔料を各々混合分散させて、赤、緑、青の3種
類のペーストを得た。まず、基板を40℃の2重量%ア
ルカリ性洗浄液(DIPOSH−A、(株)環境科学セ
ンター製)中で30分間浸漬洗浄後、純水で水洗、乾燥
した。この後、光透過性のガラス基板のブラックマトリ
ックス形成面側に緑ペーストを塗布し、80℃10分熱
風乾燥した。この後、ポジ型レジスト(Shipley "Micro
posit" RC100 30cp )をスピナーで塗布後、80℃20
分乾燥した。マスクを用いて露光し、アルカリ現像液
(NMD−3、東京応化工業(株)製)でポジ型レジス
トの現像およびポリイミド前駆体のエッチングを同時に
行なった後、ポジ型レジストをメチルセルソルブアセテ
ートで剥離し、幅約90μmでピッチ300μmのスト
ライプ状の緑色画素を得た。さらに、300℃30分間
キュアした。画素層の厚さは1.5μmとした。水洗
後、同様にして、ストライプ状の赤、青色の画素を、3
色の画素間隔が10μmになるように形成した。
【0053】ブラックマトリックスのODは、波長55
0nmにおいて3.0と遮光性に優れたカラーフィルタ
が得られた。また、後工程においてブラックマトリック
スの膜剥がれがなく、ブラックマトリックスの寸法精度
は±0.2μm以下と優れたカラーフィルタが得られ
た。また、画素形成用アライメントマーク、バーニアパ
ターンなどの微細パターンも膜剥がれがなかった。ま
た、ブラックマトリックスの下地層側から100nmま
での平均濃度Aと、深さ100nmから表面までの平均
濃度Bを二次イオン質量装置にて測定したところ、A/
B=2.0であった。
【0054】実施例2 下地層用ポリイミド前駆体溶液を、スピナーで仕上がり
膜厚が0.1μmになるよう塗布し、90℃で10分間
乾燥した後、180℃で30分間セミキュアした以外は
実施例1と同様にしてカラーフィルタを得た。この条件
下では、下地層は、エッチングされなかった。ブラック
マトリックスのODは、波長550nmにおいて3.0
と遮光性に優れたカラーフィルタが得られた。また、後
工程においてブラックマトリックスの膜剥がれがなく、
ブラックマトリックスの寸法精度は±0.2μm以下と
優れたカラーフィルタが得られた。また、画素形成用ア
ライメントマーク、バーニアパターンなどの微細パター
ンも膜剥がれがなかった。また、ブラックマトリックス
の下地層側から100nmまでの平均濃度Aと、深さ1
00nmから表面までの平均濃度Bを二次イオン質量装
置にて測定したところ、A/B=1.5であった。
【0055】実施例3 実施例1と同様にして、洗浄した無アルカリガラス上に
下地層用ポリイミド前駆体溶液を塗布し、90℃で10
分間乾燥した後、120℃で20分間セミキュアし、下
地層を積層した。この後、純水シャワーで3分間洗浄
し、90℃3分間ホットプレートで乾燥した。この上
に、実施例1と同様にして、ブラックマトリックス、ア
ライメントマーク、バーニアパターンを積層した。ブラ
ックマトリックスやアライメントマーク、バーニアパタ
ーンとほぼ同じ形状で下地層もパターニングされ、ブラ
ックマトリックス内の開口部の下地層は現像時に除去さ
れていた。
【0056】さらに、実施例1と同様にして、ストライ
プ状の緑、赤、青色の画素を形成した。
【0057】ブラックマトリックスのODは、波長55
0nmにおいて3.0と遮光性に優れたカラーフィルタ
が得られた。また、後工程においてブラックマトリック
スの膜剥がれがなく、ブラックマトリックスの寸法精度
は±0.2μm以下と優れたカラーフィルタが得られ
た。また、画素形成用アライメントマーク、バーニアパ
ターンなどの微細パターンも膜剥がれがなかった。ま
た、ブラックマトリックスの下地層側から100nmま
での平均濃度Aと、深さ100nmから表面までの平均
濃度Bを二次イオン質量装置にて測定したところ、A/
B=1.1であった。
【0058】比較例1 実施例1と同様にして、無アルカリガラスを洗浄した。
下地層を積層せずに、実施例1と同様にして、ブラック
マトリックスを積層した。さらに、実施例1と同様にし
て、幅約90μmでピッチ300μmのストライプ状の
緑、赤色の画素を、3色の画素間隔が10μmになるよ
うに形成した。青色の画素形成工程前の洗浄工程におい
て、画素形成用アライメントマークが脱離し、青色の画
素は、形成できなかった。
【0059】正常部のブラックマトリックスのODは、
波長550nmにおいて3.0と遮光性に優れていた
が、緑、赤色の画素形成および各洗浄工程において、ブ
ラックマトリックスの端部に膜剥がれが生じ、所々にピ
ンホール状の欠点が形成されていた。この部分は透明
で、遮光性を示さない部分である。また、正常部のブラ
ックマトリックスの寸法精度は±0.2μm以下と優れ
ていたが、膜剥がれ部分は−5μmと、必要な寸法精度
は得られなかった。また、画素形成用アライメントマー
ク、バーニアパターンなどの微細パターンも膜剥がれが
生じた。また、ブラックマトリックスの下地層側から1
00nmまでの平均濃度Aと、深さ100nmから表面
までの平均濃度Bを二次イオン質量装置にて測定したと
ころ、A/B=12であった。
【0060】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタは、上述のよう
にブラックマトリックスの接着性が向上し、カラーフィ
ルタ製造の後工程においても膜剥がれなどはなく、収率
が向上し、信頼性の高いカラーフィルタを得ることがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性基板上にポリイミド樹脂中に遮光
    剤を分散してなるブラックマトリックスが積層されたカ
    ラーフィルタにおいて、該光透過性基板と該ブラックマ
    トリックス間に厚み10nm以上のポリイミド樹脂から
    なる下地層が積層されていることを特徴とするカラーフ
    ィルタ。
  2. 【請求項2】該ブラックマトリックス中のアルカリ金属
    またはアルカリ土類金属の平均濃度について、該下地層
    側から深さ100nmまでの平均濃度Aと、深さ100
    nmから表面までの平均濃度Bの関係が、0.5<A/
    B<10であることを特徴とする請求項1記載のカラー
    フィルタ。
  3. 【請求項3】該下地層が、該ブラックマトリックスと同
    じパターンにパターニングされていることを特徴とする
    請求項1記載のカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】光透過性基板上にポリイミド前駆体溶液を
    塗布、セミキュアして厚み10nm以上のポリイミド樹
    脂からなる下地層を積層した後、該下地層の上にポリイ
    ミド前駆体溶液中に遮光剤を分散した黒色ペーストを塗
    布、セミキュアした後、これをパターニングしてブラッ
    クマトリックス形成すると同時に下地層も該ブラックマ
    トリックスと同じパターンにパターニングせしめること
    を特徴とするカラーフィルタの製造方法。
JP13887194A 1994-06-21 1994-06-21 カラーフィルタおよびその製造方法 Pending JPH085818A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006066372A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Samsung Sdi Co Ltd 有機電界発光表示装置の製造方法

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