JPH0858121A - 記録媒体及びその記録媒体を用いた記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録紙の種類によらず、高品質な印字出力が
得られ、かつ構成が簡単な記録装置、及びその記録装置
に使用する記録媒体を提供することである。 【構成】 基材１と、該基材１の上に光硬化性インク層
２と、該光硬化性インク層２の上に剥離層３と、該剥離
層３の上に光機能層４と、該光機能層の上に保護層５と
から構成された記録媒体６を用いて、光機能層４に光エ
ネルギーを供給する記録手段と、その後記録媒体６に光
エネルギーを供給する光照射手段と、剥離層３を剥離す
る剥離手段と、記録紙に所望の画像を定着させる定着ヘ
ッドとを少なくとも有する構成の記録装置とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、高品質画像の高速出
力が要求される印刷業界から、オフィス、パーソナルな
要求に基づくプリンタ業界、多種多用な記録紙を用いる
低価格な汎用出力機器等の民生品業界までの広範なニー
ズに対応可能な出力画像を記録紙に得る為の記録媒体及
び該記録媒体を用いる記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の熱転写記録方式の一種である熱溶
融型記録では、図３に示すように熱転写記録媒体３３と
して、主成分にカルナバワックス、エステルワックス等
の天然ワックス類や熱溶融性樹脂等をバインダ材とし、
それに顔料または染料等の着色剤、柔軟剤及び調整剤等
を添加したホットメルトタイプ着色インク３１を、ポリ
エチレンテレフタレート等のベースフィルム基材３２上
に塗布したものを用いている。

【０００３】ここでベースフィルム基材３２は、搬送時
に於ける機械的強度を保つように比較的厚く、また背面
にサーマルヘッドに対して耐熱性及び潤滑性を有する処
理を施してある。そして、この熱溶融型記録装置では、
サーマルヘッドから、所望の出力印字あるいは画像に対
応する熱転写記録媒体の位置に熱エネルギを供給し、当
該位置のホットメルトタイプ着色インク３１の粘性を変
化させる。それと同時に、サーマルヘッド等から圧力を
与えて、粘性変化したホットメルトタイプ着色インク３
１、すなわち所望の出力印字あるいは画像に対応する位
置にあるホットメルトタイプ着色インク３１を熱転写記
録紙上に付着・浸透させる。その後、前記着色インクが
冷えた状態で、熱転写記録媒体と熱転写記録紙を剥離す
ることにより熱転写記録紙上に所望の出力印字あるいは
画像が得られることになる。

【０００４】このような従来の熱転写記録装置は、熱転
写記録媒体に、サーマルヘッドから熱エネルギ及び圧力
を与えるという単純な記録メカニズムを有するもので、
極めて短時間で凝縮された記録メカニズムにより、比較
的高品質な印字あるいは出力画像を記録紙上に得ること
ができる。また記録紙上に出力された印字あるいは画像
は鮮鋭度の高い、高濃度な出力印字品質であり耐久性、
対環境性も良好である。

【０００５】さらには熱転写記録装置がコンパクトでメ
ンテナンスフリーであるという特性も備えている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の熱転写
記録装置では、熱転写記録媒体、記録ヘッド仕様や記録
ヘッド回りの機構及び組立精度等に出力印字品質が依存
しているという傾向を持つ。出力印字を得る為に、記録
装置内サーマルヘッドの発熱素子が出力画像画素に応じ
て印加制御される。そこで熱転写記録媒体上のインク
は、熱転写記録紙を挟み込んだ状態で、熱転写記録媒体
背面から熱転写記録媒体ホットメルトタイプ着色インク
へ熱エネルギの供給を受けることになる。その熱エネル
ギを熱転写記録媒体の基材及びホットメルトタイプ着色
インク層に発散することなく、印加制御された出力画像
画素領域内で有効に利用する為に、ホットメルトタイプ
着色インクの一定濃度を維持した上で、熱転写記録紙へ
のインク接着力を損なわない範囲で、熱転写記録媒体の
基材またはホットメルトタイプ着色インク層自身の薄膜
化への改良が行われている。しかしホットメルトタイプ
着色インク層薄膜化により、逆に記録紙への高平滑度仕
様の要求が起き、それに伴って専用紙化、特殊仕様化が
進み、一搬的な市場要求である記録紙の普通紙化とは逆
行することになり好ましくない。

【０００７】サーマルヘッドに於いても、着色インクの
記録紙への接着性を良くし、出力印字品質を向上させる
べく種々の改良が行われている。例えばサーマルヘッド
の凸グレーズ化、発熱素子の副走査方向における保護膜
高さの均一化、発熱素子形状及び発熱素子厚みの適正
化、または発熱素子の温度上昇・下降特性の改良、副走
査方向の各発熱低抗値の均一化あるいは高抵抗値化や、
高解像度化等のサーマルヘッド材料も含めた適正化が行
われている。しかしサーマルヘッド副走査方向の隣接す
る発熱素子間、また特に連続あるいは高速出力印字時で
の主走査方向出力画像画素間において、サーマルヘッド
の蓄熱現象等が、記録紙上の出力画像画素ドット形成で
悪影響を及ぼし記録紙上の画素ドット再現性劣化を招く
という状況がある。すなわち出力印字品質の高精細化や
記録装置の高速化が立ち遅れているのが現状である。

【０００８】さらに記録装置内の熱転写記録媒体、サー
マルヘッドとプラテンローラ等の主構成要素において、
サーマルヘッドから熱転写記録媒体または記録紙への接
触状態や圧力等を実際に出力した印字サンプル等を評価
して微調整し、適正で高精度な組立を行う必要がある。

【０００９】今後予想される、さらに高精細な印字品
質、高速化、普通紙化へのニーズから、記録ヘッド材
料、熱転写記録媒体、または印字制御等の改善が行われ
ており、また通電感熱式、レーザ熱転写方式、マルチリ
ボン記録法、マイクロカプセルを用いた方法等が提案さ
れているが、充分に改善された品質を得る結果に至って
いない。 この発明の目的は、高精細で高品質な印字が
高速に行われ、かつ記録紙を選ばない出力印字が可能な
記録媒体及びその記録媒体を用いた記録装置を提供する
ことである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の記録媒体は第１の構成として、基材と、
該基材上に色材と光硬化性樹脂を混合させた熱溶融解性
インクを塗布した光硬化性インク層と、該光硬化性イン
ク層の上に形成された剥離層と、さらに剥離層の上に形
成された光機能層と、該光機能層の上に形成された保護
層と少なくとも５層を有する構成とした。

【００１１】またこの発明の記録媒体は第２の構成とし
て、基材と、該基材上に色材とバインダ材を主成分とし
たホットメルトタイプのインク層と、該インク層の上に
形成された光硬化性樹脂を主成分とした光硬化層と、さ
らに該光硬化層の上に形成された剥離層と、さらに該剥
離層の上に形成された光機能層と、該光機能層の上に形
成された保護層と少なくとも６層を有する構成とした。

【００１２】またこの発明の第１・２構成の記録媒体
で、記録手段から供給される光エネルギーを効率良く使
用するため、前記基板上と前記剥離層上の積層面側表面
に光を反射させる材質を蒸着させた構成の記録媒体も示
した。そして、この発明は、前記第１の構成の記録媒体
を用いた記録装置の第１の構成を、前記光機能層に第１
特定波長域の光エネルギーを供給する記録手段と、該光
機能層を透して記録媒体全面に第２特定波長域の光エネ
ルギーを照射させる光照射手段を少なくとも有する構成
とした。

【００１３】さらにまた、この発明は、前記第１の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第２の構成を、前記第１
の構成の記録装置に、少なくとも、前記剥離層を前記光
硬化性インク層から剥離する剥離手段と、記録紙に所望
の印字または画像を定着させる時に前記光硬化性インク
層内のホットメルトタイプ着色インク層を活性化する熱
制御を行う定着ヘッドを有する構成とした。

【００１４】さらにまた、この発明は、前記第１の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第３の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、前記光機能層が記録
手段からの第１特定波長域の光エネルギーを供給された
際に光の散乱による白濁或いは光の遮断が起きるこの光
化学反応を促進させるため熱バイアス効果が得られるよ
うに該記録媒体に熱を供給する加熱手段を設けて温度制
御が可能な構成をさらに設けた構成とした。

【００１５】さらにまた、この発明は、前記第１の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第４の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、前記光硬化性インク
層の前記記録紙への転写を促進する加圧手段をさらに設
けた構成とした。さらにまた、この発明は、前記第１の
構成の記録媒体を用いた記録装置の第５の構成を、前記
第２の構成の記録装置に、少なくとも、剥離手段時に熱
バイアスを加える剥離時加熱手段をさらに設けた構成と
した。

【００１６】さらにまた、この発明は、前記第１の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第６の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、前記光機能層が記録
手段からの第１特定波長域の光エネルギーを供給された
際に光の散乱による白濁或いは光の遮断が起きるこの光
化学反応を促進させるため熱バイアス効果が得られるよ
うに該記録媒体に熱を供給する加熱手段を設けて温度制
御が可能な構成とし、前記光硬化性インク層の前記記録
紙への転写を促進する加圧手段をさらに設けた構成とし
た。

【００１７】さらにまた、この発明は、前記第１の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第７の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、前記光機能層が記録
手段からの第１特定波長域の光エネルギーを供給された
際に光の散乱による白濁或いは光の遮断が起きるこの光
化学反応を促進させるため熱バイアス効果が得られるよ
うに該記録媒体に熱を供給する加熱手段を設けて温度制
御が可能な構成とし、剥離手段時に熱バイアスを加える
剥離時加熱手段をさらに設けた構成とした。

【００１８】さらにまた、この発明は、前記第１の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第８の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、剥離手段時に熱バイ
アスを加える剥離時加熱手段と、前記光硬化性インク層
の前記記録紙への転写を促進する加圧手段をさらに設け
た構成とした。

【００１９】さらにまた、この発明は、前記第１の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第９の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、該光機能層が記録手
段からの第１特定波長域の光エネルギーを供給された際
に光の散乱による白濁或いは光の遮断が起きるこの光化
学反応を促進させるため熱バイアス効果が得られるよう
に該記録媒体に熱を供給する加熱手段を設けて温度制御
が可能な構成とし、剥離時に熱バイアスを加える剥離時
加熱手段と、前記光硬化性インク層の前記記録紙への転
写を促進する加圧手段をさらに設けた構成とした。

【００２０】そして、この発明は、前記第２の構成の記
録媒体を用いた記録装置の第１の構成を、前記光機能層
に第１特定波長域の光エネルギーを供給する記録手段
と、該光機能層を透して記録媒体全面に第２特定波長域
の光エネルギーを照射させる光照射手段を少なくとも有
する構成とした。

【００２１】さらにまた、この発明は、前記第２の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第２の構成を、前記第１
の構成の記録装置に、少なくとも、前記光硬化層の光エ
ネルギー照射部と共に前記剥離層を前記インク層上から
剥離する剥離手段と、記録紙に所望の印字または画像を
定着させる時に前記インク層内のホットメルトタイプの
着色インク層を活性化する熱制御を行う定着ヘッドを有
する構成とした。

【００２２】さらにまた、この発明は、前記第２の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第３の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、前記光機能層が記録
手段からの第１特定波長域の光エネルギーを供給された
際に光の散乱による白濁或いは光の遮断が起きるこの光
化学反応を促進させるため熱バイアス効果が得られるよ
うに該記録媒体に熱を供給する加熱手段を設けて温度制
御が可能な構成をさらに設けた構成とした。

【００２３】さらにまた、この発明は、前記第２の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第４の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、前記光硬化層の微細
孔より染みだした着色インクが記録紙へ転写するのを促
進する加圧手段をさらに設けた構成とした。

【００２４】さらにまた、この発明は、前記第２の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第５の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、剥離手段時に熱バイ
アスを加える剥離時加熱手段をさらに設けた構成とし
た。さらにまた、この発明は、前記第２の構成の記録媒
体を用いた記録装置の第６の構成を、前記第２の構成の
記録装置に、少なくとも、前記光機能層が記録手段から
の第１特定波長域の光エネルギーを供給された際に光の
散乱による白濁或いは光の遮断が起きるこの光化学反応
を促進させるため熱バイアス効果が得られるように該記
録媒体に熱を供給する加熱手段を設けて温度制御が可能
な構成とし、前記光硬化性層の微細孔より染みだした着
色インクが記録紙へ転写するのを促進する加圧手段をさ
らに設けた構成とした。

【００２５】さらにまた、この発明は、前記第２の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第７の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、前記光機能層が記録
手段からの第１特定波長域の光エネルギーを供給された
際に光の散乱による白濁或いは光の遮断が起きるこの光
化学反応を促進させるため熱バイアス効果が得られるよ
うに該記録媒体に熱を供給する加熱手段を設けて温度制
御が可能な構成とし、剥離手段時に熱バイアスを加える
剥離時加熱手段をさらに設けた構成とした。

【００２６】さらにまた、この発明は、前記第２の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第８の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、剥離手段時に熱バイ
アスを加える剥離時加熱手段と、前記光硬化性層の微細
孔より染みだした着色インクが記録紙へ転写するのを促
進する加圧手段をさらに設けた構成とした。

【００２７】さらにまた、この発明は、前記第２の構成
の記録媒体を用いた記録装置の第９の構成を、前記第２
の構成の記録装置に、少なくとも、該光機能層が記録手
段からの第１特定波長域の光エネルギーを供給された際
に光の散乱による白濁或いは光の遮断が起きるこの光化
学反応を促進させるため熱バイアス効果が得られるよう
に該記録媒体に熱を供給する加熱手段を設けて温度制御
が可能な構成とし、剥離時に熱バイアスを加える剥離時
加熱手段と、前記光硬化性層の微細孔より染みだした着
色インクが記録紙へ転写するのを促進する加圧手段をさ
らに設けた構成とした。

【００２８】

【作用】上記のような第１の構成の記録媒体に於いて
は、所望の文字或いは画像を記録媒体に記録させる記録
プロセスで、記録装置内の記録手段から供給された第１
特定波長域の光エネルギーに応じて光機能層に光の散乱
による白濁或いは光の遮断が起き、それにより光の透過
率の違いによる二次元の画像が形成され、その後この光
機能層を透して記録媒体全面に第２特定波長域の光エネ
ルギーを照射することにより、光硬化性インク層が照射
部と未照射部に分かれ硬化部と未硬化部による画像を形
成することとなる。さらに剥離手段により前記剥離層を
前記光硬化性インク層から剥離し、該記録紙とこの記録
媒体とを重ね合わせ、基材の裏面からの加熱・加圧手段
により前記光硬化性インク層の未硬化部から活性化され
た溶融状態のホットメルトタイプ着色インクが記録紙に
移動し、浸透して付着するので、所望の印字或いは画像
が記録紙に得られることとなる。

【００２９】次に第２の構成の記録媒体に於いては、所
望の文字或いは画像を記録媒体に記録させる記録プロセ
スで、記録装置内の記録手段から供給された第１特定波
長域の光エネルギーに応じて光機能層に光の散乱による
白濁或いは光の遮断が起き、それにより光の透過率の違
いによる二次元の画像が形成され、その後この光機能層
を透して記録媒体全面に第２特定波長域の光エネルギー
を照射することにより、光硬化層が照射部と未照射部に
分かれ接着性の違いによる画像が形成される。さらに剥
離手段により前記剥離層と前記光硬化層とを剥離させる
と、該光硬化層の光エネルギー照射部は該剥離層側に接
着されるので、そのまま剥離層とともに剥離され、未照
射部はインク層側に残留することとなる。したがって、
光硬化層においては、剥離層とともに除去された部分が
微細なスルーホールとなる。記録紙とこの記録媒体とを
重ね合わせ基材の裏面からの加熱・加圧手段により前記
光硬化層のスルーホール加工部から活性化されたホット
メルトタイプ着色インクが記録紙に移動・浸透して付着
するので、所望の印字或いは画像が記録紙に得られるこ
ととなる。

【００３０】この時に、第１・２の構成の記録媒体に第
１特定波長域の光エネルギーを供給する記録手段として
は、レーザ光等を照射するタイプのものを使用できる。
この記録手段を用いると非接触に潜像を形成できるとい
う特徴から極めて高速に記録処理が行える。

【００３１】また記録手段から記録媒体までの結像光学
系、記録手段から照射される光の波長、あるいは記録手
段の出力、照射回数、または照射光のパルス変調時のパ
ルス幅及び変調強度を適正に設定することにより、真円
の照射領域等の適正な微細加工形状を得ることができ
る。すなわち出力画像画素を構成する微小面積領域を得
ることができるので、極めて高解像度な記録処理が可能
となる。

【００３２】さらに記録プロセスでの第１・２の構成の
記録媒体に第２特定波長域の光エネルギーを供給する光
照射手段としては、ＵＶランプ等による照射するタイプ
のものを使用できる。この第２特定波長域は、前記第１
特定波長域を含まないこととする。

【００３３】さらにまた、第１の構成の記録媒体に於い
て、記録プロセスでの光硬化性インク層の光硬化部残存
領域ではホットメルトタイプ着色インクの記録紙転写は
発生しない。さらにまた、第２の構成の記録媒体に於い
て、記録プロセスでの光硬化層の未照射部の下にあるイ
ンク層はホットメルトタイプ着色インクの記録紙転写に
寄与しない。

【００３４】その後、第１・２の構成の記録媒体は記録
紙とを剥離することで記録紙上に所望の印字あるいは画
像が得られる。その際、ホットメルトタイプ着色インク
自身の粘度特性や定着ヘッドからのインク活性化転移点
の適切な設定でホットメルトタイプ着色インクの流動性
が管理され、記録紙側への浸透度が決定される。同様に
記録媒体と記録紙との圧着力、圧着時間を管理すること
で、ホットメルトタイプ着色インクの記録紙への転写性
を促進することが可能となる。

【００３５】ここでは各種記録紙に高品質な出力印字を
得るべく、低溶融粘度状態のインクを用いたので、ラフ
紙の表面凸部にのみ付着しインク分散されたためにボイ
ドを伴っていた印字品質や、あるいはＯＨＰ等樹脂系の
記録紙上でのインク過冷却特性違いから生じる印字品質
差等を、この定着プロセスでホットメルトタイプ着色イ
ンク転写量と転写時のインク粘度を適性管理することで
改善することが可能である。

【００３６】また従来、熱転写記録装置では記録紙に転
写されたインクの冷時状態で、記録媒体内の非転写領域
のインクと転写領域のインクとの分離性を促進する為の
手段として記録媒体と記録紙の剥離を行ってきた。ここ
では第１・２の構成の記録媒体と記録装置を用いて、各
種記録紙の表面状態に応じた適性なインクの状態で転写
し、記録装置内の剥離手段を通じて記録紙上の適性なイ
ンク状態で剥離することができるため所望の文字あるい
は画像を忠実に再現し定着管理することが可能となる。

【００３７】本発明の第１・２の構成の記録媒体は、イ
ンク層を加熱して溶融させる従来の熱転写記録方式とは
異なり、記録媒体自身の粘度特性を変化させるものであ
る。したがって、従来の熱転写記録装置のように、本来
印字すべきでない部分のインクが熱の影響を受けて一部
溶融し、記録紙に転写されてしまうという不都合はな
い。つまり、本発明の第１・２の構成の記録媒体を用い
ることによって、より高精細な出力印字や画像が得られ
ることになる。

【００３８】また、第１・２の構成の記録媒体を用いた
記録装置を構成する際に於いては、記録手段で光機能層
に所望の印字や画像を書き込む記録処理と、インクを活
性化させて記録紙に転写する定着処理をそれぞれ独立に
最適化することができ、印字品質をより向上させること
が可能である。また、インクを熱制御により活性化させ
た状態で記録手段で記録媒体上に所望の印字や画像を書
き込むことが、記録手段と定着ヘッド等の記録装置要素
の構成で可能であることから、記録処理時に熱バイアス
効果を与えることができ、出力印字の高速化も行える。

【００３９】さらに、記録処理と定着処理を記録媒体上
で行えるので、この記録装置の簡素化、構成要素の小型
化が進み、メンテナンスフリー、消費エネルギのロスの
少ない、記録装置が得られる。また、記録紙へ出力印字
を行わず、記録手段と光照射手段によって記録処理され
た第１・２の構成の記録媒体自身をそのまま出力印字物
とすることもできる。

【００４０】

【実施例】以下図面に基づいて本発明の一実施例を説明
する。図１（ａ）は本発明の第１構成の記録媒体６の断
面構成図である。記録媒体６は、基材１、光硬化性イン
ク層２、剥離層３、光機能層４、及び保護層５の積層構
造になっている。

【００４１】基材１はポリエチレンテレフタレート等の
ベースフィルムに耐熱性、潤滑性を盛り込んだ背面処理
を施したものである。前記基材１の上に形成された光硬
化性インク層２は、光照射手段による第２特定波長域の
光エネルギーを前記光機能層４を透して記録媒体６全体
に照射することによって融点上昇或いは粘性特性変化す
る機能性インクで、カーボンブラック等の着色剤となる
顔料または染料と、熱融解性樹脂、光硬化性のモノマ
ー、オリゴマー、ケント溶剤、炭化水素系溶剤、分散
剤、光重合開始剤、さらに熱重合禁止剤等の添加剤を配
合したものである。

【００４２】前記光硬化性インク層２の上に形成された
剥離層３は、前記光機能層４と前記光硬化性インク層２
とを剥離するために設けられた層である。剥離層３は、
前記基材１と同様の材料で構成することができる。前記
剥離層３の上に形成された光機能層４は、記録手段から
の第１特定波長域の光エネルギーを照射すると光の散乱
等による白濁、或いは光の遮断が起き、その結果この光
機能層４には光の透過率違いによる二次元の画像が形成
されるものである。光機能層４は、熱可塑性樹脂（熱融
解性樹脂）、光硬化性のモノマー、オリゴマーを主成分
とし、ケトン溶剤、炭化水素系溶剤、分散剤、光重合開
始剤、光増感剤、さらに熱重合禁止剤等の添加剤を配合
したものである。

【００４３】また、前記光機能層４の上に形成された保
護層５は、前記光機能層内の光硬化性樹脂の酸素（空
気）による暗反応等を防ぎ保護するために設けられた層
である。保護層は、カルナバワックス，エステルワック
ス等の天然ワックスを有した材料で構成されたものであ
る。

【００４４】また図１（ｂ）は、記録手段から供給され
る光エネルギーを効率良く使用するため、前記剥離層３
上の表面に保護層５と光機能層４を通過した光を反射さ
せる、アルミ蒸着等の反射材７を施した剥離基材を使用
した記録媒体の断面構成図である。

【００４５】さらに図１（ｃ）は、前記光硬化性インク
層２に光エネルギーを効率良く照射するため、基材１の
表面に光を反射させるアルミ蒸着等の反射材７を施した
基材を使用した記録媒体の断面構成図である。反射材７
は、アルミ蒸着以外でも光を反射し同等の機能及び効果
を有するものであれば、鉄・ニッケル・コパルト・金あ
るいはその各合金等でもよい。

【００４６】さらにまた図１（ｄ）は、記録手段から第
１特定波長域の光エネルギーを照射された光機能層４に
光の散乱等による白濁、或いは光の遮断が起き、光の透
過率違いによる二次元の画像が形成された記録媒体の断
面構成図である。さらにまた図１（ｅ）は、光機能層４
に光透過率違いの二次元の画像が形成された前記記録媒
体全面に、光照射手段から第２特定波長域の光エネルギ
ーを照射された光硬化性インク層２が光照射部と未光照
射部に分けられ、硬化部と未硬化部の二次元の画像が形
成された記録媒体の断面構成図である。

【００４７】図２（ａ）は、本発明の第２構成の記録媒
体１０の断面構成図である。図１の第１構成の記録媒体
６と同一部分は同じ符号で示してある。記録媒体１０
は、基材１、インク層８、光硬化層９、剥離層３、光機
能層４、及び保護層５の積層構造になっている。

【００４８】基材１は前記第１構成の記録媒体６と同様
の材料で構成することができる。前記基材１の上に形成
されたインク層８は、カーボンブラック等の着色剤とな
る顔料を熱溶融性樹脂などのバインダ材に添加しさらに
柔軟剤を配合したものである。

【００４９】前記インク層８の上に形成された光硬化層
９は、光照射手段から第２特定波長域の光エネルギーを
前記光機能層４を透して記録媒体１０全体に照射するこ
とにより照射部と未照射部とに分かれ、その接着性の違
いによる画像が形成されるものである。光硬化層９は、
光硬化性のモノマー、オリゴマーを主成分とし、ケトン
溶剤、炭化水素系溶剤、分散剤、光重合開始剤、光増感
剤、さらに熱重合禁止剤等の添加剤を配合したものであ
る。

【００５０】前記光硬化層９の上に形成された剥離層３
は、該剥離層３と前記光硬化層９とを剥離させることに
より該光硬化層９の光エネルギー照射部が該剥離層３側
に接着され、未照射部は前記インク層８側に残留するこ
ととなり該光硬化層９には微細孔のスルーホールが加工
されるものである。剥離層３は、前記第１構成の記録媒
体６と同様の材料で構成することができる。

【００５１】前記剥離層３の上に形成された光機能層４
は、記録手段からの第１特定波長域の光エネルギーを照
射すると光の散乱等による白濁、或いは光の遮断が起
き、この光機能層４には光の透過率違いによる二次元の
画像が形成されるものである。光機能層４は、前記第１
構成の記録媒体６と同様の材料で構成することができ
る。

【００５２】また、前記光機能層４の上に形成された保
護層５は、前記光機能層内の光硬化性樹脂の酸素（空
気）による暗反応等を防ぎ保護するために設けられた層
である。保護層５は、前記第１構成の記録媒体６と同様
の材料で構成することができる。

【００５３】また図２（ｂ）は、記録手段から供給され
る光エネルギーを効率良く使用するため、前記剥離層３
上の表面に保護層５と光機能層４を通過した光を反射さ
せる、アルミ蒸着等の反射材７を施した剥離基材を使用
した記録媒体の断面構成図である。

【００５４】さらに図２（ｃ）は、前記光硬化層９に光
エネルギーを効率良く照射するため、基材１の表面に光
を反射させるアルミ蒸着等の反射材７を施した基材を使
用した記録媒体の断面構成図である。反射材７は前記第
１構成の記録媒体６と同様の材料で構成することができ
る。

【００５５】さらにまた図２（ｄ）は、記録手段から第
１特定波長域の光エネルギーを照射された光機能層４に
光の散乱等による白濁、或いは光の遮断が起き、光の透
過率違いによる二次元の画像が形成された記録媒体の断
面構成図である。さらにまた図２（ｅ）は、光機能層４
に光透過率違いの二次元の画像が形成された前記記録媒
体全面に、光照射手段から第２特定波長域の光エネルギ
ーを照射された光硬化層９が光照射部と未光照射部に分
けられ、接着性の違いによる画像が形成された記録媒体
の断面構成図である。

【００５６】図４は本発明の第１構成の記録媒体６を用
いた記録装置の構成を示す説明図である。また、図６，
図７は第１構成の記録媒体６を用いた記録装置に於ける
記録処理手段を拡大した説明図である。図４に於いて、
記録媒体供給ローラ１１は所望の出力画像画素に対応す
る位置に記録手段１３からレーザ光１２が照射するよう
に記録媒体６を送出する。レーザ光１２が照射された部
分の光機能層４に光の散乱等による白濁、或いは光の遮
断が起き、該光機能層４には光透過率違いによる二次元
の画像が形成される。この二次元の画像は、出力画像画
素に対応する微細なドット形状によって表されている。
ここでレーザ光１２の発振波長（第１特定波長域）と光
機能層４の吸光係数とを整合させて、レーザ光１２を効
率的に使用していることは言うまでもない。また、記録
手段１３は、半導体レーザ等のレーザ発振装置から照射
されたレーザ光に対し、光学レンズ等により照射光強度
分布や結像光スポット形状等の最適化を行うと供にポリ
ゴンミラー等から構成されるレーザ光走査機構から構成
することができる。

【００５７】本記録装置では、記録手段１３からレーザ
光１２を照射するので、非接触でかつ高速に、所望の出
力画像画素に対応した位置の光機能層４に光透過率違い
による画像を潜像させることができる。また、本実施例
ではレーザ光１２を照射する際に光化学反応を促進させ
るため光機能層４に熱バイアス効果が得られるよう、ヒ
ートローラ１５により記録媒体の基材１側より加熱制御
を行う構成とした。もちろん、記録装置を簡素化するた
めにこのヒートローラ１５を省略しても本発明の記録装
置を構成できるが、ヒートローラ１５を設けた方がより
効果的である。なお、熱バイアス効果を得るための加熱
手段は、ヒートローラ１５に限らず、記録媒体に熱を供
給するものであれば限定されない。

【００５８】さらにＵＶランプ１４は、前記光機能層４
を透して記録媒体６全面に光エネルギーを照射させ光硬
化性インク層２に硬化部と未硬化部の二次元の画像を形
成させる。ここでＵＶランプ１４からの光波長（第２特
定波長域）と光硬化性インク層２の吸光係数とを整合さ
せてＵＶランプ１４を効率的に使用している。また、Ｕ
Ｖランプ１４からの光波長（第２特定波長域）は、レー
ザ光１２の発振波長（第１特定波長域）を含まないもの
とする。

【００５９】剥離層巻取りローラ１７は、剥離層３と一
緒に光機能層４・保護層５を剥離させ、所望の出力画像
画素に対応する位置に光硬化性インク層２の未硬化部が
残るようにする。また、本実施例では剥離過程にヒート
ローラ１６を設け、より高速かつ効率的に剥離が行える
構成とした。もちろん、記録装置を簡素化するために、
このヒートローラ１６を省略しても本発明の記録装置を
構成できるが、ヒートローラ１６を設けた方が効率的に
剥離が行える。

【００６０】さらに転写を行うため、記録媒体巻取りロ
ーラ２２または記録媒体供給ローラ１１によって記録媒
体６を駆動搬送し、定着ヘッド１９に搬入する。さらに
また記録媒体６の光硬化性インク層２側と別の搬送経路
から搬入された記録紙２１とが密着するように定着ロー
ラ２０（プラテンローラ）によって圧接されるととも
に、定着ヘッド１９によって基材１側から加熱される。
また転写面に均一な加圧を行う為、ここでは定着ヘッド
１９を加圧ローラ１８により加圧する。本実施例では定
着ヘッド１９としてヒートローラを用いているが、これ
に限定されるものではない。

【００６１】定着ヘッド１９は光硬化性インク層２内の
ホットメルトタイプ着色インクの転移点以上の温度に設
定されており、ここでは該ホットメルトタイプ着色イン
クは活性化される。活性化されたホットメルトタイプ着
色インクは定着ローラ２０と加圧ローラ１８の押圧によ
り、光硬化性インク層２の未硬化部からのホットメルト
タイプ着色インクが記録紙２１に流動し、浸透し、そし
て付着する。すなわち、所望の出力画像画素に対応した
記録紙２１上の位置にホットメルトタイプ着色インクが
転写される。ここで、記録装置を簡素化するために、こ
の加圧ローラ１８を省略しても本発明の記録装置を構成
できるが、加圧ローラ１８を設けた方がより良好な定着
が可能となる。

【００６２】その後、密着した記録媒体６と記録紙２１
とを、該記録紙２１の種類に応じたインク定着状態を実
現させる手段の記録装置剥離部で、安定に剥離させるこ
とにより、所望の出力印字或いは画像が連続出力時に於
いても得られる。図６は、本発明の第１構成の記録媒体
６を用いた前記記録装置の記録手段１３からのレーザ光
１２による潜像過程と光硬化性インク層２と剥離層３と
を剥離処理する記録処理部を拡大した機構構成図であ
る。図４と同一部分は同じ符号で示してある。記録手段
１３から照射されたレーザ光１２により光機能層４に光
の散乱による白濁或いは光の遮断が起き、光透過率の違
いにより二次元の画像が形成される。

【００６３】本実施例は前述のごとく、レーザ光１２を
照射するさいに光化学反応を促進させるため光機能層４
に熱バイアス効果が得られるよう、ヒートローラ１５に
より記録媒体の基材１側より加熱制御を行う構成とし
た。その後、ＵＶランプ１４により光エネルギーを光機
能層４を透して記録媒体６全面に照射させると、光硬化
性インク層２は照射部と未照射部に分けられ、硬化部と
未硬化部による画像が形成される。剥離層巻取りローラ
１７により巻き取られる剥離層３と一緒に光機能層４、
保護層５が剥離されるので、記録媒体６には、基材１上
に所望の出力画像画素に対応する位置に光硬化性インク
層２のＵＶランプ１４未照射部すなわち未硬化部が存在
する状態となっている。

【００６４】ここで剥離過程にヒートローラ１６を設
け、より高速かつ効率的に剥離が行える構成とした。図
７は、本発明の第１構成の記録媒体６を用いた前記記録
装置の定着ヘッド１９での転写処理部と、記録紙２１と
該記録媒体６とを剥離させる剥離部を拡大した機構構成
図である。図４と同一部分は同じ符号で示してある。

【００６５】前記記録処理部によって所望の出力画像画
素に対応する位置に光硬化性インク層２の未硬化部７１
が形成された記録媒体６は定着ヘッド１９に搬入され
る。別の搬送経路から搬入された記録紙２１と記録媒体
６が密着するように定着ローラ２０（プラテンローラ）
によって圧接されるとともに、定着ヘッド１９によって
基材１側から加熱される。

【００６６】定着ヘッド１９は光硬化性インク層２内の
ホットメルトタイプ着色インクの転移点以上の温度に設
定されており、ここでは該ホットメルトタイプ着色イン
クは活性化される。活性化された該ホットメルトタイプ
着色インクは、定着ローラ２０と加圧ローラ１８の押圧
により、光硬化性インク層２の未硬化部７１のホットメ
ルトタイプ着色インク７３が記録紙２１に流動し、浸透
し、そして付着する。すなわち、所望の出力画像画素に
対応した記録紙２１上の位置にホットメルトタイプ着色
インク７３が転写される。その後、密着した記録媒体６
と記録紙２１とを、該記録紙２１の種類に応じたインク
定着状態を実現させる手段の記録装置剥離部で、安定に
剥離させることにより、所望の出力印字或いは画像が連
続出力時に於いても得られる。

【００６７】記録装置剥離部に関しては、記録媒体６と
記録紙２１の剥離時間、剥離角度を管理することによ
り、記録紙２１の表面状態や所望する出力印字品質に応
じて、記録媒体６からの記録紙２１側へのインク流動、
浸透、付着等の転写状態とインクの粘度状況に対し、そ
の記録紙２１上に適性な最終印字品質を得られる。その
ために、普通紙、ＯＨＰ、さらに樹脂系の記録紙等の広
範囲にわたる各種記録紙の選択が可能である。

【００６８】本発明の第１構成の記録媒体６を用いた記
録装置のインク定着処理に於いては、定着ヘッド１９の
加熱温度、またはホットメルトタイプ着色インク自身の
粘性特性により、光硬化性インク層２の転写時粘度状態
が決められる。すなわち、加熱温度を高く設定すること
によりインクがより液状化され、記録紙２１側への流
動、浸透性が加速され、また逆に加熱温度を低く設定す
るとインク粘度が高くなるので、所望の出力画像画素に
対応した位置及び形状に忠実に転写され、より各種記録
紙２１に応じたインク状態で行われることとなる。ま
た、定着ヘッド１９からの加熱温度だけでなく、該記録
媒体６と記録紙２１との密着性を決める定着ローラ２０
からの圧着力すなわち加圧ローラ１８の押圧や、記録媒
体６と記録紙２１との搬送速度（すなわち圧着時間）も
インク転写状態を左右する。

【００６９】また、上記のパラメータを設定することに
より、この第１構成の記録媒体６を用いた記録装置は、
インクの記録紙２１への転写量、換言すると、記録媒体
６内のインクの残存量を把握できる。これにより、規定
以上のインクが記録媒体６内に残存している場合には、
その記録媒体６を使用して複数回印字できるのでランニ
ングコストの低減が可能である。これは前記記録紙搬送
に対する記録媒体６の搬送速度・量を制御することで得
られ、記録媒体６の有効利用にもつながるものである。

【００７０】なお、本実施例では、光照射時に熱バイア
ス効果を得るためのヒートローラ１５、剥離過程を効率
的に行うためのヒートローラ１６、及び定着過程を効率
的に行うための加圧ローラ１８を用いているが、これら
の手段を採用するか、しないかは、記録装置の構成の簡
素化との兼ね合い、及び、出力印字品質あるいは印字時
間との兼ね合いで決定される。すなわち、これらを用い
なくとも本発明の記録装置を構成できるし、また上記の
要求条件に応じて１つ以上を適宜単独で、または組み合
わせて用いても良い。

【００７１】また、記録紙へ出力印字を行わずに、記録
手段と光照射手段により記録処理された記録媒体６自身
をそのまま出力印字物として活用することもできる。図
５は本発明の第２構成の記録媒体１０を用いた記録装置
の構成を示す説明図である。図４と同一部分は同じ等号
で示してある。また、図８，図９は第２構成の記録媒体
１０を用いた記録装置に於ける記録処理手段を拡大した
説明図である。

【００７２】図４に於いて、記録媒体供給ローラ１１は
所望の出力画像画素に対応する位置に記録手段１３から
レーザ光１２が照射するように記録媒体１０を送出す
る。レーザ光１２が照射された部分の光機能層４には光
の散乱等による白濁、或いは光の遮断が起き、光透過率
違いによる二次元の画像が形成される。この二次元の画
像は、出力画像画素の反転に対応する微細なドット形状
によって表されている。ここでレーザ光１２の発振波長
（第１特定波長域）と光機能層４の吸光係数とを整合さ
せて、レーザ光１２を効率的に使用していることは言う
までもない。また、記録手段１３は、半導体レーザ等の
レーザ発振装置から照射されたレーザ光に対し、光学レ
ンズ等により照射光強度分布や結像光スポット形状等の
最適化を行うと供にポリゴンミラー等から構成されるレ
ーザ光走査機構から構成することができる。

【００７３】本記録装置では、記録手段１３からレーザ
光１２を照射するので、非接触でかつ高速に、所望の出
力画像画素に対応した位置の光機能層４上に光透過率違
いによる画像を潜像させることができる。また、本実施
例ではレーザ光１２を照射する際に光化学反応を促進さ
せるため光機能層４に熱バイアス効果が得られるよう、
ヒートローラ１５により記録媒体の基材１側より加熱制
御を行う構成とした。もちろん、記録装置を簡素化する
ためにこのヒートローラ１５を省略しても本発明の記録
装置を構成できるが、ヒートローラ１５を設けた方がよ
り効果的である。なお、熱バイアス効果を得るための加
熱手段は、ヒートローラ１５に限らず、記録媒体に熱を
供給するものであれば限定されない。

【００７４】さらにＵＶランプ１４は、前記光機能層４
を透して記録媒体１０全面に光エネルギーを照射させ光
硬化層９に接着性の違いによる画像を形成させる。ここ
でＵＶランプ１４からの光波長（第２特定波長域）と光
硬化層９の吸光係数とを整合させてＵＶランプ１４を効
率的に使用している。また、ＵＶランプ１４からの光波
長（第２特定波長域）は、レーザ光１２の発振波長（第
１特定波長域）を含まないものとする。

【００７５】剥離層巻取りローラ１７は、剥離層３と光
硬化層９とを剥離させ、光硬化層９の光エネルギー照射
部は剥離層３に接着され、未照射部はインク層８上に残
留することとなる。したがって、光硬化層９において
は、剥離層３と供に除去された部分が微細なスルーホー
ルとなり、この微細孔のスルーホールは、所望の出力画
像画素に対応する位置にあけられることになる。また、
本実施例では剥離過程にヒートローラ１６を設け、より
高速かつ効率的に剥離が行える構成とした。もちろん、
記録装置を簡素化するために、このヒートローラ１６を
省略しても本発明の記録装置を構成できるが、ヒートロ
ーラ１６を設けた方が効率的に剥離が行える。

【００７６】さらに転写を行うため、記録媒体巻取りロ
ーラ２２または記録媒体供給ローラ１１によって記録媒
体１０を駆動搬送し、定着ヘッド１９に搬入させる。さ
らにまた記録媒体１０の光硬化層９側と、別の搬送経路
から搬入された記録紙２１とが密着するように定着ロー
ラ２０（プラテンローラ）によって圧接されるととも
に、定着ヘッド１９によって基材１側から加熱される。
また転写面に均一な加圧を行う為、ここでは定着ヘッド
１９を加圧ローラ１８により加圧する。本実施例では定
着ヘッド１９としてヒートローラを用いているが、これ
に限定されるものではない。定着ヘッド１９はインク層
８内のホットメルトタイプ着色インクの転移点以上の温
度に設定されており、ここでは該ホットメルトタイプ着
色インクは活性化される。活性化された該ホットメルト
タイプ着色インクは、定着ローラ２０と加圧ローラ１８
の押圧により、光硬化層９のスルーホール加工部から記
録紙２１に流動し、浸透し、そして付着する。すなわ
ち、所望の出力画像画素に対応した記録紙２１上の位置
にホットメルトタイプ着色インクが転写される。ここ
で、記録装置を簡素化するために、この加圧ローラ１８
を省略しても本発明の記録装置を構成できるが、加圧ロ
ーラ１８を設けた方がより良好な定着が可能となる。

【００７７】その後、密着した記録媒体１０と記録紙２
１とを、該記録紙２１の種類に応じたインク定着状態を
実現させる手段の記録装置剥離部で、安定に剥離させる
ことにより、所望の出力印字或いは画像が連続出力時に
於いても得られる。図８は、本発明の第２構成の記録媒
体１０を用いた前記記録装置の記録手段１３からのレー
ザ光１２による潜像過程と光硬化層９と剥離層３とを剥
離処理する記録処理部を拡大した機構構成図である。図
５と同一部分は同じ符号で示してある。

【００７８】記録手段１３から照射されたレーザ光１２
により光機能層４には光の散乱による白濁或いは光の遮
断が起き、光透過率の違いにより二次元の画像が形成さ
れる。本実施例では前述のごとく、レーザ光１２を照射
するさいに光化学反応を促進させるため光機能層４に熱
バイアス効果が得られるよう、ヒートローラ１５により
記録媒体の基材１側より加熱制御を行う構成とした。

【００７９】その後、ＵＶランプ１４により光エネルギ
ーを光機能層４を透して記録媒体１０全面に照射させる
と光硬化層９は照射部と未照射部に分けられ、接着性の
違いによる画像が形成される。剥離層巻取りローラ１７
により剥離層３を巻き取り、光硬化層９と剥離させる。
この時、光硬化層９の光エネルギー照射部は剥離層３に
接着され未照射部はインク層８に残留することとなり、
光硬化層９には所望の出力画像画素に対応する位置に微
細孔のスルーホールが形成される。

【００８０】ここで剥離過程にヒートローラ１６を設
け、より高速かつ効率的に剥離が行える構成とした。図
９は、本発明の第２構成の記録媒体１０を用いた前記記
録装置の定着ヘッド１９での転写処理部と記録紙２１と
該記録媒体１０とを剥離させる剥離部を拡大した機構構
成図である。図５と同一部分は同じ符号で示してある。

【００８１】前記記録処理部によって、所望の出力画像
画素に対応する位置に光硬化層９の微細なスルーホール
が形成された記録媒体１０は定着ヘッド１９に搬入され
る。別の搬送経路から搬入された記録紙２１と記録媒体
１０が密着するように定着ローラ２０（プラテンロー
ラ）によって圧接されるとともに、定着ヘッド１９によ
って基材１側から加熱される。

【００８２】定着ヘッド１９はインク層８内のホットメ
ルトタイプ着色インクの転移点以上の温度に設定されて
おり、ここでは該ホットメルトタイプ着色インクは活性
化される。活性化された該ホットメルトタイプ着色イン
クは、定着ローラ２０と加圧ローラ１８の押圧により、
光硬化層９のスルーホールから記録紙２１に流動し、浸
透し、そして付着する。すなわち、所望の出力画像画素
に対応した記録紙２１上の位置にホットメルトタイプ着
色インクが転写される。その後、密着した記録媒体１０
と記録紙２１とを、該記録紙２１の種類に応じたインク
定着状態を実現させる手段の記録装置剥離部で、安定に
剥離させることにより、所望の出力印字或いは画像が連
続出力時に於いても得られる。

【００８３】記録装置剥離部に関しては、記録媒体１０
と記録紙２１の剥離時間、剥離角度を管理することによ
り、記録紙２１の表面状態や所望する出力印字品質に応
じて、記録媒体６からの記録紙２１側へのインク流動、
浸透、付着等の転写状態とインクの粘度状況に対し、そ
の記録紙２１上に適性な最終印字品質を得られる。その
ために、普通紙、ＯＨＰ、さらに樹脂系の記録紙等の広
範囲にわたる各種記録紙の選択が可能である。

【００８４】本発明の第２構成の記録媒体１０を用いた
記録装置のインク定着処理に於いては、定着ヘッド１９
の加熱温度、またはホットメルトタイプ着色インク自身
の粘性特性により、インク層８の転写時粘度状態が決め
られる。すなわち、加熱温度を高く設定することにより
インクがより液状化され、記録紙２１側への流動、浸透
性が加速され、また逆に加熱温度を低く設定するとイン
ク粘度が高くなるので、所望の出力画像画素に対応した
位置及び形状に忠実に転写され、より各種記録紙２１に
応じたインク状態で行われることとなる。また、定着ヘ
ッド１９からの加熱温度だけでなく、該記録媒体１０と
記録紙２１との密着性を決める定着ローラ２０からの圧
着力すなわち加圧ローラ１８の押圧や、記録媒体１０と
記録紙２１との搬送速度（すなわち圧着時間）もインク
転写状態を左右する。

【００８５】また、上記のパラメータを設定することに
より、この第２構成の記録媒体１０を用いた記録装置
は、インクの記録紙２１への転写量、換言すると、記録
媒体１０内のインクの残存量を把握できる。これによ
り、規定以上のインクが記録媒体１０内に残存している
場合には、その記録媒体１０を使用して複数回印字でき
るのでランニングコストの低減が可能である。これは前
記記録紙搬送に対する記録媒体１０の搬送速度・量を制
御することで得られ、記録媒体１０の有効利用にもつな
がるものである。

【００８６】なお、本実施例では、光照射時に熱バイア
ス効果を得るためのヒートローラ１５、剥離過程を効率
的に行うためのヒートローラ１６、及び定着過程を効率
的に行うための加圧ローラ１８を用いているが、これら
の手段を採用するか、しないかは、記録装置の構成の簡
素化との兼ね合い、及び、出力印字品質あるいは印字時
間との兼ね合いで決定される。すなわち、これらを用い
なくとも本発明の記録装置を構成できるし、また上記の
要求条件に応じて１つ以上を適宜単独で、または組み合
わせて用いても良い。

【００８７】また、記録紙へ出力印字を行わずに、記録
手段と光照射手段により記録処理された記録媒体１０自
身をそのまま出力印字物として活用することもできる。
さらに、図１ｂ及び図１ｃ、あるいは図２ｂ及び図２ｃ
に示した反射材を有する構成の第１・第２の構成の記録
媒体を用いれば、その記録媒体自体が光エネルギーを効
率的に利用するので、より高速にかつ、ヒートローラ１
５を省略することも可能となる。

【００８８】

【発明の効果】この発明は、以上説明したように、第１
構成の記録媒体を、基材と該基材の上に塗布されたバイ
ンダ材を含むホットメルトタイプ着色インクと光硬化性
樹脂を混合させた光硬化性インク層、該光硬化性インク
層の上に形成された剥離層、該剥離層の上に形成され記
録手段から供給された光エネルギーにより透過率違いに
よる二次元画像を形成する光機能層と、該光機能層の上
に形成された保護層とから構成している。また第２構成
の記録媒体を、基材と、該基材の上に色材とバインダ材
を主成分としたホットメルトタイプのインク層と、該イ
ンク層の上に形成された光硬化性樹脂を主成分とした光
硬化層と、さらに該光硬化層の上に形成された剥離層
と、該剥離層の上に形成された光機能層と、該光機能層
の上に形成された保護層とから構成した。これにより、
次のような効果が得られる。

【００８９】この第１・２構成の記録媒体は、基材と剥
離層により光硬化性インク層や光硬化層とインク層を挟
み込む構造となっており、機械的強度が従来の記録媒体
より大きい。また記録手段、定着ヘッド等からの熱スト
レスが記録メカニズム上少ない為、該記録媒体の薄膜化
が行える。よって加熱などに於いても省エネルギー化と
なる。

【００９０】基材上に光反射させる材質のアルミ蒸着等
を施した記録媒体は、記録手段からの光エネルギーをさ
らに効率よく使用できるので、高速にかつ高精細に光機
能層への記録処理が行える。また剥離層上に光反射させ
る材質のアルミ蒸着等を施した記録媒体は、光照射手段
からの光エネルギーをさらに効率よく使用できるので、
高速にかつ高精細に光機能層への記録処理が行える。

【００９１】さらにまた、この第１・２構成の記録媒体
を用いた記録装置は、記録処理部とインク定着部とを分
離することができるので、以下に示す効果がある。定着
ヘッドによる記録媒体内着色インクの活性化状態で、記
録手段より光機能層へ所望の印字或いは画像に応じた書
き込みを行うことにより、極めて高速に出力印字が行え
る。

【００９２】従来の熱転写記録装置のように、本来印字
すべきでない部分のインクが熱の影響を受けて一部溶融
反応し記録紙に転写してしまったり、または印字部領域
の画素ドットの再現性が悪くなるといったことが排除さ
れる。つまり、より高精細な出力印字や画像が得られる
ことになる。

【００９３】記録処理と定着処理をそれぞれ独立に最適
化することができ、印字品質をより向上させるととも
に、色々な種類の記録紙に対しても高品質な印字を行う
ことが可能である。記録処理後の定着処理に於いて、記
録紙に対する記録媒体搬送速度制御や記録紙側へのイン
ク転写量を制御抑制することで、記録媒体消耗度合いの
低減を図ることができ、複数回印字が可能となる。

【００９４】記録処理と定着処理が記録媒体上で行える
ことから、この記録装置の構成の簡素化、調整の単純
化、メンテナンスフリー化が行える。以上説明した効果
により、この発明は、高精細で高品質な印字が高速に行
われ、かつ記録紙を選ばない出力印字が可能な記録媒体
及びその記録媒体を用いた記録装置を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の第１構成の記録媒体の断面構
成図であり、（ｂ）は本発明の第１構成の記録媒体に、
光を反射させる反射材を剥離層上表面に施した記録媒体
の断面構成図であり、（ｃ）は本発明の第１構成の記録
媒体に、光を反射させる反射材を基材上表面に施した記
録媒体の断面構成図であり、（ｄ）は本発明の第１構成
の記録媒体に、第１特定波長域の光エネルギーを照射さ
せ光機能層に光の透過率違いによる二次元の画像が形成
された記録媒体の断面構成図であり、（ｅ）は本発明の
第１構成の記録媒体に、第２特定波長域の光エネルギー
を照射させ光硬化性インク層に硬化部と未硬化部の二次
元の画像が形成された記録媒体の断面構成図である。

【図２】（ａ）は本発明の第２構成の記録媒体の断面構
成図であり、（ｂ）は本発明の第２構成の記録媒体に、
光を反射させる反射材を剥離層上表面に施した記録媒体
の断面構成図であり、（ｃ）は本発明の第２構成の記録
媒体に、光を反射させる反射材を基材上表面に施した記
録媒体の断面構成図であり、（ｄ）は本発明の第２構成
の記録媒体に、第１特定波長域の光エネルギーを照射さ
せ光機能層に光の透過率違いによる二次元の画像が形成
された記録媒体の断面構成図であり、（ｅ）は本発明の
第２構成の記録媒体に、第２特定波長域の光エネルギー
を照射させ光硬化層に接着性の違いによる二次元の画像
が形成された記録媒体の断面構成図である。

【図３】従来例の記録媒体の説明図である。

【図４】本発明の第１構成の記録媒体を用いて印字を行
う記録装置の構成を示す説明図である。

【図５】本発明の第２構成の記録媒体を用いて印字を行
う記録装置の構成を示す説明図である。

【図６】本発明の第１構成の記録媒体を用いた記録装置
に於ける記録処理部を拡大した説明図である。

【図７】本発明の第１構成の記録媒体を用いた記録装置
に於ける転写処理部を拡大した説明図である。

【図８】本発明の第２構成の記録媒体を用いた記録装置
に於ける記録処理部を拡大した説明図である。

【図９】本発明の第２構成の記録媒体を用いた記録装置
に於ける転写処理部を拡大した説明図である。

【符号の説明】

１ 基材 ２ 光硬化性インク層 ３ 剥離層 ４ 光機能層 ５ 保護層 ６、１０ 記録媒体 ７ 反射材 ８ インク層 ９ 光硬化層 １１ 記録媒体供給ローラ １２ レーザ光 １３ 記録手段 １４ ＵＶランプ １５、１６ ヒートローラ １７ 剥離層巻取りローラ １８ 加圧ローラ １９、２０ 定着ヘッド ２１ 記録紙 ２２ 記録媒体巻取りローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４１Ｍ 5/26 5/30 7267−2Ｈ Ｂ４１Ｍ 5/26 Ｖ 7267−2Ｈ Ｌ (72)発明者 池野 広重 東京都江東区亀戸６丁目31番１号 セイコ ー電子工業株式会社内

Claims (24)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材と、該基材の上に色材と光硬化性樹
   脂を混合させたインクを塗布した光硬化性インク層と、
   該光硬化性インク層の上に形成された剥離層と、さらに
   剥離層の上に形成された光機能層と、該光機能層の上に
   形成された保護層とから構成され、前記光機能層は記録
   手段からの第１特定波長域の光エネルギー照射時に光の
   透過率の違いによる二次元の像が形成され、その後第２
   特定波長域の光エネルギーを前記光機能層を透して該記
   録媒体全体に照射することにより前記光硬化性インク層
   が照射部と未照射部に分かれ硬化部と未硬化部による画
   像を形成されることを特徴とする記録媒体。
2. 【請求項２】 基材と、該基材の上に色材とバインダ材
   を主成分としたホットメルトタイプのインク層と、該イ
   ンク層の上に形成された光硬化性樹脂を主成分とした光
   硬化層と、さらに該光硬化層の上に形成された剥離層
   と、該剥離層の上に形成された光機能層と、該光機能層
   の上に形成された保護層とから構成され、前記光機能層
   は記録手段からの第１特定波長域の光エネルギー照射時
   に光の透過率の違いによる二次元の像が形成され、その
   後第２特定波長域の光エネルギーを前記光機能層を透し
   て該記録媒体全体に照射することにより前記光硬化層が
   照射部と未照射部に分かれ接着性の違いによる画像が形
   成され、さらに前記剥離層と前記光硬化層との剥離時に
   該光硬化層の光エネルギー照射部は該剥離層に接着され
   未照射部はインク層側に残留することとなり該光硬化層
   には微細孔が発生して二次元画像を形成されることを特
   徴とする記録媒体。
3. 【請求項３】 前記基材は、前記光硬化性インク層との
   積層面側の表面に光を反射する手段を設けたことを特徴
   とする請求項１に記載の記録媒体。
4. 【請求項４】 前記剥離層は、前記光機能層との積層面
   側の表面に光を反射する手段を設けたことを特徴とする
   請求項１に記載の記録媒体。
5. 【請求項５】 前記基材は、前記光硬化層との積層面側
   の表面に光を反射する手段を設けたことを特徴とする請
   求項２に記載の記録媒体。
6. 【請求項６】 前記剥離層は、前記光機能層との積層面
   側の表面に光を反射する手段を設けたことを特徴とする
   請求項２に記載の記録媒体。
7. 【請求項７】 請求項１に記載の記録媒体に、前記光機
   能層の光透過率違いによる二次元画像を形成させる第１
   特定波長域の光エネルギーを供給する記録手段と、該光
   機能層を透して記録媒体全面に第２特定波長域の光エネ
   ルギーを照射させる光照射手段を少なくとも有する記録
   装置。
8. 【請求項８】 請求項７に記載の記録装置であって、該
   記録装置はさらに、前記剥離層を前記光硬化性インク層
   上から剥離する剥離手段と、記録紙に所望の画像を定着
   させる時に前記光硬化性インク層内の着色インクを活性
   化する熱制御を行う定着ヘッドを有することを特徴とす
   る記録装置。
9. 【請求項９】 請求項８に記載の記録装置であって、該
   記録装置はさらに、前記記録手段から第１特定波長域の
   光エネルギーが供給されている時に、該記録媒体に熱エ
   ネルギーを供給する加熱手段を有することを特徴とする
   記録装置。
10. 【請求項１０】 請求項８に記載の記録装置であって、
    該記録装置はさらに、前記光硬化性インク層の記録紙へ
    の転写を促進する加圧手段を有することを特徴とする記
    録装置。
11. 【請求項１１】 請求項８に記載の記録装置であって、
    該記録装置はさらに、剥離手段時に熱バイアスを加える
    剥離時加熱手段を有することを特徴とする記録装置。
12. 【請求項１２】 請求項８に記載の記録装置であって、
    該記録装置はさらに、前記記録手段から第１特定波長域
    の光エネルギーが供給されている時に、該記録媒体に熱
    エネルギーを供給する加熱手段と、前記光硬化性インク
    層の記録紙への転写を促進する加圧手段を有することを
    特徴とする記録装置。
13. 【請求項１３】 請求項８に記載の記録装置であって、
    該記録装置はさらに、前記記録手段から第１特定波長域
    の光エネルギーが供給されている時に、該記録媒体に熱
    エネルギーを供給する加熱手段と、剥離手段時に熱バイ
    アスを加える剥離時加熱手段を有することを特徴とする
    記録装置。
14. 【請求項１４】 請求項８に記載の記録装置であって、
    該記録装置はさらに、剥離手段時に熱バイアスを加える
    剥離時加熱手段と、前記光硬化性インク層の記録紙への
    転写を促進する加圧手段を有することを特徴とする記録
    装置。
15. 【請求項１５】 請求項８に記載の記録装置であって、
    該記録装置はさらに、前記記録手段から第１特定波長域
    の光エネルギーが供給されている時に、該記録媒体に熱
    エネルギーを供給する加熱手段と、剥離手段時に熱バイ
    アスを加える剥離時加熱手段と、前記光硬化性インク層
    の記録紙への転写を促進する加圧手段を有することを特
    徴とする記録装置。
16. 【請求項１６】 請求項２に記載の記録媒体に、前記光
    機能層の光透過率違いによる二次元画像を形成させる第
    １特定波長域の光エネルギーを供給する記録手段と、該
    光機能層を透して記録媒体全面に第２特定波長域の光エ
    ネルギーを照射させる光照射手段を少なくとも有するこ
    とを特徴とする記録装置。
17. 【請求項１７】 請求項１６に記載の記録装置であっ
    て、該記録装置はさらに、前記光硬化層の光エネルギー
    照射部と共に前記剥離層を前記インク層上から剥離し、
    前記光硬化層に微細孔を形成する剥離手段と、記録紙に
    所望の画像を定着させる時に前記インク層内の着色イン
    クを活性化する熱制御を行う定着ヘッドを有することを
    特徴とする記録装置。
18. 【請求項１８】 請求項１７に記載の記録装置であっ
    て、該記録装置はさらに、前記記録手段から第１特定波
    長域の光エネルギーが供給されている時に、該記録媒体
    に熱エネルギーを供給する加熱手段を有することを特徴
    とする記録装置。
19. 【請求項１９】 請求項１７に記載の記録装置であっ
    て、該記録装置はさらに、前記光硬化層の微細孔から着
    色インクを記録紙へ転写することを促進する加圧手段を
    有することを特徴とする記録装置。
20. 【請求項２０】 請求項１７に記載の記録装置であっ
    て、該記録装置はさらに、剥離手段時に熱バイアスを加
    える剥離時加熱手段を有することを特徴とする記録装
    置。
21. 【請求項２１】 請求項１７に記載の記録装置であっ
    て、該記録装置はさらに、前記記録手段から第１特定波
    長域の光エネルギーが供給されている時に、該記録媒体
    に熱エネルギーを供給する加熱手段と、前記光硬化層の
    微細孔から着色インクを記録紙へ転写することを促進す
    る加圧手段を有することを特徴とする記録装置。
22. 【請求項２２】 請求項１７に記載の記録装置であっ
    て、該記録装置はさらに、前記記録手段から第１特定波
    長域の光エネルギーが供給されている時に、該記録媒体
    に熱エネルギーを供給する加熱手段と、剥離手段時に熱
    バイアスを加える剥離時加熱手段を有することを特徴と
    する記録装置。
23. 【請求項２３】 請求項１７に記載の記録装置であっ
    て、該記録装置はさらに、剥離手段時に熱バイアスを加
    える剥離時加熱手段と、前記光硬化層の微細孔から着色
    インクを記録紙へ転写することを促進する加圧手段を有
    することを特徴とする記録装置。
24. 【請求項２４】 請求項１７に記載の記録装置であっ
    て、該記録装置はさらに、前記記録手段から第１特定波
    長域の光エネルギーが供給されている時に、該記録媒体
    に熱エネルギーを供給する加熱手段と、剥離手段時に熱
    バイアスを加える剥離時加熱手段と、前記光硬化層の微
    細孔から着色インクを記録紙へ転写することを促進する
    加圧手段を有することを特徴とする記録装置。