JP3483335B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP3483335B2
JP3483335B2 JP04766695A JP4766695A JP3483335B2 JP 3483335 B2 JP3483335 B2 JP 3483335B2 JP 04766695 A JP04766695 A JP 04766695A JP 4766695 A JP4766695 A JP 4766695A JP 3483335 B2 JP3483335 B2 JP 3483335B2
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聡 大浜
和夫 谷
広重 池野
樹 佐藤
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セイコーインスツルメンツ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高品質画像の高速出
力が要求される印刷業界から、オフィス、パーソナルな
要求に基づくプリンタ業界、多種多用な記録紙を用いる
低価格な汎用出力機器等を求める民生品業界までの広範
なニーズに対応可能な出力画像を記録紙に得る為の記録
媒体を用いる記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱転写記録方式の一種である熱溶
融型記録では、図2に示す様に熱転写記録媒体103と
して、主成分にカルナバワックス、エステルワックス等
の天然ワックス類や熱溶融性樹脂等をバインダ材とし、
それに顔料又は染料等の着色剤、柔軟剤及び調整剤等を
添加したホットメルトタイプ着色インク102を、ポリ
エチレンテレフタレート等の基材101上に塗布したも
のを用いている。
【0003】ここで基材101は、搬送時に於ける機械
的強度を保つように比較的厚く、又背面にサーマルヘッ
ドに対して耐熱性及び潤滑性を有する処理を施してあ
る。そして、この熱溶融型記録装置では、サーマルヘッ
ドから、所望の出力印字あるいは画像に対応する熱転写
記録媒体の位置に熱エネルギを供給し、当該位置のホッ
トメルトタイプ着色インク102の粘性を変化させる。
それと同時に、サーマルヘッド等から圧力を与えて、粘
性変化したホットメルトタイプ着色インク102、すま
わち所望の出力印字あるいは画像画素に対応する位置に
あるホットメルトタイプ着色インク102を熱転写記録
紙上に付着・浸透させる。その後、前記着色インクが冷
えた状態で、熱転写記録媒体と熱転写記録紙を剥離する
ことにより熱転写記録紙上に所望の出力印字あるいは画
像画素が得られることになる。
【0004】このような従来の熱転写記録装置は、熱転
写記録媒体に、サーマルヘッドから熱エネルギ及び圧力
を与えるという単純な記録メカニズムを有するもので、
極めて短時間で凝縮された記録メカニズムにより、比較
的高品質な印字あるいは出力画像を記録紙上に得ること
ができる。また記録紙上に出力された印字あるいは画像
は鮮鋭度の高い、高濃度な出力印字品質であり耐久性、
対環境性も良好である。更には熱転写記録装置がコンパ
クトでメンテナンスフリーであるという特性も備えてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の熱転写
記録装置では、熱転写記録媒体、記録ヘッド仕様及び記
録ヘッド回りの機構及び組立精度等に出力印字品質が依
存しているという傾向を持つ。出力印字を得る為に、記
録装置内サーマルヘッドの発熱素子が出力画像画素に応
じて印加制御される。そこで熱転写記録媒体上のインク
は、熱転写記録紙を挟み込んだ状態で、熱転写記録媒体
背面から熱転写記録媒体ホットメルトタイプ着色インク
へ熱エネルギの供給を受けることになる。その熱エネル
ギを熱転写記録媒体の基材およびホットメルトタイプ着
色インク層全面に発散することなく、印加制御された出
力画像画素領域内で有効に利用する為に、ホットメルト
タイプ着色インクの一定濃度を維持しかつ、熱転写記録
紙へのインク接着力を損なわない範囲で、熱転写記録媒
体の基材またはホットメルトタイプ着色インク層自身の
薄膜化への改良が行われている。しかしホットメルトタ
イプ着色インク層薄膜化により、逆に記録紙への高平滑
度仕様の要求が起き、それに伴って専用紙化、特殊仕様
化が進み、一般的な市場要求である記録紙の普通紙化と
は逆行することになり好ましくない。
【0006】サーマルヘッドに於いても、着色インクの
記録紙への接着性を良くし、出力印字品質を向上させる
べく種々の改良が行われている。例えばサーマルヘッド
の凸グレーズ化、発熱素子の副走査方向における保護膜
高さの均一化、発熱素子形状および発熱素子厚みの適正
化、または発熱素子の温度上昇・下降特性の改良、副走
査方向の各発熱抵抗値の均一化あるいは高抵抗値化や高
解像度化等のサーマルヘッド材料も含めた適正化が行わ
れている。しかしサーマルヘッド副走査方向の隣接する
発熱素子間、又特に連続あるいは高速出力印字時での主
走査方向出力画像画素間において、サーマルヘッドの蓄
熱現象等が、記録紙上の出力画像画素ドット形成で悪影
響を及ぼし記録紙上の画素ドット再現性劣化を招くとい
う状況がある。すなわち出力印字品質の高精細化や記録
装置の高速化が立ち遅れているのが現状である。
【0007】更に記録装置内の熱転写記録媒体、サーマ
ルヘッドとプラテンローラ等の主構成要素を、サーマル
ヘッドから熱転写記録媒体または記録紙への接触状態や
圧力等を実際に出力した印字サンプル等を評価して微調
整し、適正で高精度な組立を行う必要がある。今後予想
される、更に高精細な印字品質、高速化、普通紙化への
ニーズから、記録ヘッド材料、熱転写記録媒体、又は印
字制御等の改善が行われており、又通電感熱式、レーザ
熱転写方式、マルチリボン記録法、マイクロカプセルを
用いた方法等が提案されているが、充分に改善された品
質を得る結果に至っていない。
【0008】この発明の目的は、高精細で高品質な印字
が高速に行われ、かつ記録紙を選ばない出力印字が可能
な記録媒体を用いた記録装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の記録媒体は、基材と、該基材上に色材と
バインダ材を主成分としたホットメルトタイプの着色イ
ンクを塗布してなる着色インク層と、該着色インク層の
上に形成された薄膜機能層とから構成され、前記薄膜機
能層が外部から供給された光または熱エネルギにより微
細加工あるいは粘度特性変化することを特徴とする。
【0010】そして、この発明は、前記記録媒体を用い
た記録装置の第1構成を、少なくとも、前記薄膜機能層
上に微細加工あるいは粘度特性変化させる光または熱エ
ネルギを供給する記録手段と、該記録手段動作時に記録
媒体に熱バイアスを与える熱発生源と記録紙に所望の画
像画素を定着させる時に着色インクを活性化させる熱発
生源とを一体化あるいは共通化させた定着手段と、着色
インクの記録紙への転写を促進する加圧手段と、記録紙
上への着色インク定着後、記録紙と記録媒体とを剥離さ
せる手段とを有する構成とした。
【0011】更にまた、この発明は、前記記録媒体を用
いた記録装置の第2構成として、前記薄膜機能層上に微
細加工あるいは粘度特性変化させる光または熱エネルギ
を供給する記録手段と、記録紙に所望の画像画素を定着
する時に着色インクを活性化させる熱発生源である定着
ヘッドと、該定着ヘッドの熱エネルギを伝熱させる伝熱
ベルトと、該伝熱ベルトを駆動させ所望の位置に記録媒
体を移動させる駆動ローラとからなり、該記録媒体を基
材側から伝熱ベルト上に付着させ、前記記録手段動作時
に定着ヘッドの加熱による伝熱ベルト上の予熱により熱
バイアスを得る定着手段と、着色インクの記録紙への転
写を促進する加圧手段と、記録紙上への着色インク定着
後、記録紙と記録媒体とを剥離させる手段とを有する構
成とした。
【0012】更にまた、この発明は、前記記録媒体を用
いた記録装置の第3構成として、第2の構成の定着手段
が、前記定着ヘッドの熱エネルギを制御管理する熱制御
手段をさらに有し、該熱制御手段により記録媒体への記
録手段動作時に熱バイアスを得る適温度に設定されるよ
うに定着ヘッドの熱エネルギ量を制御管理し、その後記
録紙に所望の画像画素を定着する時に、定着ヘッドの熱
エネルギ量を熱制御手段により着色インクが活性化する
温度に設定される構成とした。
【0013】更にまた、この発明は、前記記録媒体を用
いた記録装置の第4構成として、第3の構成の定着手段
が、さらに、伝熱ベルト上の温度を検出する温度検出手
段を具備し、記録媒体に与える熱バイアスを均一化させ
る構成とした。
【0014】
【作用】上記のような構成による記録媒体に於いては、
記録媒体基材上に塗布された天然ワックスなどを主成分
バインダ材とし、顔料または染料の着色剤と柔軟剤を添
加したホットメルトタイプ着色インク層上に、オーバー
コート処理で施された薄膜機能層を設けている。この記
録媒体の薄膜機能層の形成材料が記録手段から供給され
た光または熱エネルギ量に応じて化学変化を起こし、微
細加工あるいは粘度特性変化させられる。
【0015】微細加工させる特性を有する薄膜機能層の
場合、光または熱エネルギは薄膜機能層の所望の出力印
字あるいは画像画素に対応した位置に選択的に与えられ
る。この時、記録手段から光の照射を受けたりまたは記
録手段と接触して熱をうけた薄膜機能層領域が、その光
または熱エネルギ量に応じて、溶融蒸発、爆蝕、あるい
は背面流動によるホール加工等の微細加工が行われる。
【0016】また、粘性特性変化を有する薄膜機能層の
場合は、溶融状態の表面張力と凝集力とのバランスによ
り薄膜機能層の材料がドライアウトし薄膜機能層にホー
ル加工が行われる。このホールを通して、記録媒体のホ
ットメルトタイプ着色インクが記録紙に移動し、浸透し
て付着するので、所望の出力印字あるいは画像画素が記
録紙に得られることになる。ここで光エネルギが最終的
には熱エネルギとして作用していることはいうまでもな
い。
【0017】この時、光を照射する記録手段を使用する
場合には、非接触に潜像を形成できるという特徴から極
めて高速に記録処理を行える。また記録手段から記録媒
体までの結像光学系、記録手段から照射される光の波
長、あるいは記録手段の出力、照射回数、または照射光
のパルス変調時のパルス幅及び変調強度を適正に設定す
ることにより照射領域の真円化等の適正な微細加工形状
を得ることができる。即ち出力画像画素を構成する微小
面積領域を得ることができるので、極めて高解像度に記
録処理が可能となる。また熱を供給する記録手段を用い
る場合は、直接に薄膜機能層に接触することで伝熱効率
の良好な加工が行われる。
【0018】本発明の記録装置に於いて、記録媒体に熱
バイアスを与える処理では、記録手段の要素である半導
体レーザダイオード等による特定波長光の照射時に、ヒ
ートローラ等の熱発生源を熱バイアスとして記録媒体に
与えることにより、該記録媒体内の薄膜機能層自体が発
熱を起こし、記録手段から薄膜機能層に照射供給される
エネルギ量を削減することが可能となり記録感度を向上
させることができる。この熱発生源を所望の出力印字あ
るいは画像画素を記録紙に定着させる時に着色インクを
活性化させる熱発生源の定着ヘッドと一体化あるいは共
通化させた構成にすることにより、記録装置の小型化・
コストダウン、また記録速度高速化などが可能になる。
【0019】さらに、記録媒体に熱バイアスを与える処
理としては、記録紙に所望の出力印字あるいは画像画素
を定着させる時に着色インクを活性化させる熱発生源と
して定着ヘッドと、定着ヘッドの熱エネルギを伝熱させ
る伝熱ベルトと、該伝熱ベルトを駆動させ所望の位置に
記録媒体を移動させる駆動ローラとを用い、記録媒体を
基材側から伝熱ベルト上に付着させることにより、定着
ヘッドの加熱による伝熱ベルト上の予熱により熱バイア
スを与えることになる。これにより、該記録媒体内の薄
膜機能層自体が発熱を起こし記録手段から薄膜機能層に
照射供給されるエネルギ量を削減することが可能とな
り、記録感度が向上し記録速度が短縮される。この時、
定着ヘッドの熱エネルギは、着色インクを記録紙に定着
させるためホットメルトタイプ着色インクを活性化させ
溶融状態になるように設定されている。この熱エネルギ
を伝熱ベルトに伝熱させ、伝熱効率によって熱エネルギ
が低下し、記録媒体のホットメルトタイプ着色インクの
転移点以下の温度により記録媒体に熱バイアスを与える
ことができる。さらに、記録紙への定着処理と熱バイア
スによる記録手段とがリアルタイムで処理が可能であり
印字時間は大幅に短縮される。また、伝熱ベルトに記録
媒体を基材側から付着させることより、記録媒体に熱エ
ネルギを与える時間あるいは領域が拡大し熱バイアスが
安定し常に均一化される。
【0020】本発明の記録媒体を用いた記録装置に於い
て、着色インクを記録紙へ転写・定着する処理では、定
着ヘッドで記録媒体の基材上のホットメルトタイプ着色
インクを転移点以上に加熱活性化する。その際、記録紙
印字面と記録手段時に加工された記録媒体の薄膜機能層
側とを、加圧手段により向かい合わせ密着させる。これ
より活性化された溶融状態のホットメルトタイプ着色イ
ンクが薄膜機能層の微細加工指定されたスルーホールか
ら所望する出力画像画素構成分の微細転写領域だけ記録
紙上に移動、浸透、付着することになる。
【0021】また逆に記録手段にて加工されない薄膜機
能層残存領域ではホットメルトタイプ着色インクの記録
紙への転写は発生しない。その後記録媒体と記録紙とを
剥離することで記録紙上に所望の出力印字あるいは画像
画素が得られる。
【0022】本発明に於いて定着ヘッドの熱エネルギを
管理制御する処理では、記録紙への着色インク定着時で
は、ホットメルトタイプ着色インク自身の粘度特性やイ
ンク活性化転移点を定着ヘッドの熱制御手段に設定する
ことによりホットメルトタイプ着色インクの流動性が管
理され、記録紙側への浸透度が決められる。同様に記録
媒体に与える熱エネルギを定着ヘッドの熱制御手段に設
定することにより、記録媒体の最適温度による熱バイア
スを与えることが容易に可能となる。また、熱制御手段
により記録手段と定着手段との定着ヘッド熱エネルギを
管理することから、所望の画像画素を薄膜機能層に一画
面分照射後に、記録紙に定着させる処理工程となる。こ
こで、記録手段を複数または一画面分全面照射型にする
ことにより、記録媒体の薄膜機能層上への微細加工処理
時間が短縮されると共に熱バイアス効果のバラツキも減
少される。
【0023】更にまた、記録紙との圧着力、圧着時間を
加圧手段により管理することで、ホットメルトタイプ着
色インクの記録紙への転写性を促進することが可能とな
る。ここでは各種記録紙に高品質な出力印字を得るべ
く、低溶融粘度状態のインクによりラフ紙の表面凸部に
のみインク分散し付着され、ボイドを伴っていた印字品
質、あるいはOHP等の樹脂系の記録紙上でのインク過
冷却性の違いから起きる印字品質差等を、この加圧手段
でホットメルトタイプ着色インク転写量と転写時のイン
ク粘度を適性管理することで改善することが可能であ
る。
【0024】また従来の熱転写記録装置では、記録媒体
内の転写領域と非転写領域のインクをうまく分離する為
に記録紙に転写されたインクが冷えた状態で記録媒体と
記録紙の剥離を行ってきた。しかしここでは本発明の記
録媒体と記録装置により、着色インクは各種記録紙の表
面状態に応じた適性なインク条件下で記録紙側に転写浸
透されているので、記録装置内の剥離手段を介すること
で記録処理された薄膜機能層のホール形状を忠実に再現
した出力印字を行うことが可能となる。ここで、記録紙
上に定着されたホットメルトタイプ着色インクは、記録
媒体と記録紙の剥離を行うタイミングとしては着色イン
クの冷時状態または熱時状態のいずれかで剥離されるこ
とになる。剥離時には、記録紙上の着色インク厚み方向
における転写量のバラツキを生み易く、更に色差ズレを
起こさせる原因となることもある。
【0025】そこで、記録媒体と記録紙の剥離後に記録
紙上に転写浸透及び付着した着色インクを、熱及び圧力
を管理し適正な定着状態を確保することで解決されるこ
ととなる。上記の手段を用いることにより、特に減法混
色によるカラー出力印字の安定な高品質化が行える。
【0026】更に記録紙へのインク転写量を制御するこ
とで記録媒体内ホットメルトタイプ着色インクの使用量
を抑制することができ複数回出力印字化が可能となる。
また記録媒体と記録紙の搬送方法において相対速度を制
御することで出力印字量を、数に対する記録媒体使用量
削減等が可能になる。
【0027】また、記録紙へ出力印字を行わず、記録ヘ
ッドによって記録媒体の薄膜機能層を記録処理すること
により得られる記録媒体自身をそのまま利用した出力印
字物とすることもできる。本発明は、インク層を加熱し
て溶融させる従来の熱転写記録方式とは異なり、薄膜機
能層を微細加工したり、粘度特性変化させるものであ
る。したがって、従来の熱転写記録装置のように、本来
印字すべきでない部分のインクが熱の影響を受けて一部
溶融し、記録紙に転写されてしまうという不都合はな
い。つまり、本発明の記録媒体を用いることによって、
より高精細な出力印字や画像が得られることになる。
【0028】記録媒体自身に於いては、ホットメルトタ
イプ着色インク層を基材、薄膜機能層双方で挟み込む構
成から、記録媒体の機械的強度が増し記録媒体内の薄膜
化が行われても、搬送時に強度不足になることはない。
その記録媒体の薄膜化によって、多量に出力印字される
記録装置おいては、要求される印字枚数を備える記録媒
体自身の占有容積度は従来熱転写記録媒体に対し改善さ
れる。
【0029】また、この記録媒体を用いた記録装置を構
成する際に於いては、記録手段で薄膜機能層に所望の印
字や画像を書き込む記録処理と、インクを活性化させて
記録紙に転写する定着処理をそれぞれ独立に最適化する
ことができ、印字品質をより向上させることが可能であ
る。またインクを活性化させた状態を保ち、記録手段で
薄膜機能層に所望の印字や画像を書き込む熱バイアス効
果が得られる記録装置の構成が可能であることから、出
力印字の高速化も行える。
【0030】さらに、記録処理と定着処理を記録媒体上
で行えるので、この記録装置の簡素化、構成要素の小型
化が進み、メンテナンスフリー、消費エネルギのロスの
少ない、記録装置が得られる。
【0031】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の一実施例を説明
する。図1は本発明の記録装置に用いる記録媒体の断面
構成図である。記録媒体4は、基材1、ホッツトメルト
タイプ着色インク層2、および薄膜機能層3の積層構造
になっている。基材1はポリエチレンテレフタレート等
のベースフィルムに耐熱性、潤滑性を盛り込んだ背面処
理を施したものである。前記基材1上に形成されたホッ
トメルトタイプ着色インク層2は、カーボンブラック等
の着色剤となる顔料または染料を、主成分のカルナバワ
ックス、エステルワックス等の天然ワックスまたは熱溶
融性樹脂のバインダ材に添加し、さらに柔軟剤、調整剤
等を配合したものである。
【0032】前記ホットメルトタイプ着色インク層2の
上に形成された薄膜機能層3は、記録手段からの光また
は熱エネルギによって微細加工あるいは粘度特性変化す
るものである。薄膜機能層3には、カルコゲン系のテル
ル材料、カルコゲナイト材料、セレンを添加したカルコ
ゲナイト材料、テルルと有機樹脂の複合による合金系膜
か、シアニン色素、フタロシアニン色素、アントラキノ
ン色素、アズレニウム色素、ナフトキノン色素等を含む
有機材料を用い、記録手段から供給される特定波長光に
対しては高い吸収係数を有するようにして光熱変換率を
向上させるとともに、低熱伝導度、成膜性と膜安定性を
兼ね備えるように構成している。
【0033】図3は、上記の記録媒体4を用いる記録装
置の第1の実施例の構成を示す説明図である。図3に於
いて、記録媒体供給ローラ5から送出された記録媒体4
上の所望の出力画像画素に対応する位置に、記録手段7
からレーザ光6を矢印方向に照射する。記録媒体4上の
薄膜機能層3では、レーザ光6が照射された部分の薄膜
機能層3が溶融するので、所望の画像画素に対応する位
置にスルーホールが形成される。ここでレーザ光6の発
振波長と薄膜機能層3の吸光係数とを整合させて、レー
ザ光6の光熱変換効率を向上させている。また、記録手
段7は、レーザ光を照射する半導体レーザ等のレーザ発
振装置、そのレーザ光の照射光強度分布や結像光スポッ
ト形状の最適化を行う光学レンズ系及びポリゴンミラー
等から構成されるレーザ光走査機構から構成することが
できる。
【0034】本記録装置では、記録媒体に光エネルギを
与える記録手段としては上記のレーザ光等を照射するタ
イプのものを使用でき、非接触でかつ高速に、所望の出
力画像画素に対応した位置の薄膜機能層3に画像を潜像
させることができる。また、記録媒体に熱エネルギを与
える記録手段としては、従来の熱転写記録に使用されて
いるタイプのサーマルヘッドを使用することができる。
【0035】本記録装置では、記録手段7より記録媒体
の薄膜機能層3へ所望の出力印字あるいは画像画素に応
じた書き込みを行う際に、記録媒体4は定着ヘッド10
からの加熱によって、薄膜機能層3が加熱されているの
で、記録手段7から薄膜機能層3に照射供給されるべき
エネルギ量の削減を行うことが可能となり記録感度が向
上し、極めて効率の良い記録処理が行える。またこの記
録装置構成では、記録媒体4を定着ヘッド10に巻き付
けるように搬送しているので、定着ヘッド10から熱エ
ネルギを充分供給することができる。したがって記録媒
体4内ホットメルトタイプ着色インク2は充分活性化す
るので、記録手段7より薄膜機能層3へ、所望の印字あ
るいは画像に応じた書き込みを行うと同時に記録紙側へ
の転写定着が極めて短時間に行え、極めて高速な出力印
字が行える。また、記録紙に転写定着させる熱発生源
と、記録媒体4の記録感度を向上させる熱バイアスの熱
発生源とが一体化され、構成が簡単であり、記録装置の
小型化と低コスト化ができる。
【0036】その後、薄膜機能層3上に微細なスルーホ
ールが形成された記録媒体4は、記録媒体供給ローラ5
または記録媒体巻取りローラ11によって駆動搬送さ
れ、定着ヘッド10と加圧ローラ9の狭隙部に搬入され
る。ここで記録媒体4のスルーホールを形成された薄膜
機能層3と矢印14方向の搬送経路から搬入された記録
紙8とが密着するように加圧ローラ9によって圧力Fで
矢印13方向に加圧するとともに、定着ヘッド10によ
って基材1側から記録媒体4を加熱させる。
【0037】本実施例では定着ヘッド10としてヒート
ローラを用いているが、これに限定されるものではな
い。この時定着ヘッド10は、ホットメルトタイプ着色
インク2の転移点以上の温度に設定されており、ここで
ホットメルトタイプ着色インク2は活性化される。活性
化されたホットメルトタイプ着色インク2は、加圧ロー
ラ9の矢印13方向の加圧により、薄膜機能層3のスル
ーホールを通過して記録紙8上に流動し、浸透し、そし
て付着する。すなわち、所望の出力画像画素に対応した
位置にホットメルトタイプ着色インク2が記録紙に転写
される。
【0038】その後、加圧ローラ9を矢印12方向に移
動させて密着した記録媒体4と記録紙8とを剥離させ
る。この時前記記録紙8の種類に応じたインク定着状態
を実現させ、安定に剥離することにより、所望の出力印
字あるいは画像画素が連続出力時に於いても得られる。
【0039】本発明の記録媒体4を用いた記録装置のイ
ンク定着処理に於いては、定着ヘッド10の加熱温度、
または着色インク自身の粘性特性により、ホットメルト
タイプ着色インク2の転写時の粘度状態が決められる。
すなわち、定着ヘッド10の加熱温度を高く設定するこ
とによりホットメルトタイプ着色インク2がより液状化
され、記録紙8側への流動、浸透性が加速され、また逆
に加熱温度を低く設定するとインク粘度が高くなるの
で、所望の出力画像画素に対応した位置及び形状に忠実
に転写され、インク定着処理はより各種記録紙に応じた
インク状態で行われることとなる。また、定着ヘッド1
0からの加熱温度だけでなく、記録媒体4と記録紙8と
の密着性を決める加圧ローラ9からの圧着力Fや、記録
媒体4と記録紙8との搬送速度(すなわち圧着時間)も
インク転写挙動を左右する。
【0040】したがって、上記のパラメータを設定する
ことにより、この記録装置は、ホットメルトタイプ着色
インク2の記録紙8への転写量、換言すると、記録媒体
4内の残存インク量を把握している。これにより、規定
以上のホットメルトタイプ着色インク2が記録媒体4内
に残存している場合には、その記録媒体4を使用して複
数回印字できるのでランイングコストの低減が可能であ
る。これは前記記録紙8の搬送に対する記録媒体4の搬
送速度・量を抑制することで得られる記録媒体4の有効
利用にもつながるものである。
【0041】さらに剥離処理に関しては、記録媒体4か
らの記録紙8側へのインク流動、浸透、付着等の転写状
態とインクの粘度状況に対し、記録紙8の表面状態や所
望する出力印字品質に応じて、その記録紙8上に適性な
最終印字品質を得られる様に、記録媒体4と記録紙8の
剥離時間、剥離角度を管理する事ができる。そのため
に、普通紙上、OHP、更に樹脂系の記録紙等の広範囲
にわたる各種記録紙の選択が可能である。
【0042】図4は、上記の記録媒体4を用いる記録装
置の第2の実施例の構成を示す説明図である。図3に示
す記録装置と同一部分及び同一機能を示す部分は同じ符
号で示してある。図4に於いて、記録媒体供給ローラ5
から送出された記録媒体4は、伝熱ベルト16上に基材
1側から付着され、所望の出力画像画素に対応する位置
に、記録手段7からレーザ光6を矢印方向に照射され
る。伝熱ベルト16上に付着された記録媒体4上の薄膜
機能層3では、レーザ光6が照射された部分の薄膜機能
層3が溶融し、所望の画像画素に対応する位置にスルー
ホールが形成されることは図3に示した記録装置と同じ
である。また、レーザ光6の発振波長と薄膜機能層3の
吸光係数とを整合させて、レーザ光6の光熱変換効率を
向上させていること、及び記録手段7の構成も図3に示
した記録装置と同じである。
【0043】したがって本実施例においても記録手段7
として上記のレーザ光等を照射するタイプのものを使用
し、非接触でかつ高速に、所望の出力画像画素に対応し
た位置の薄膜機能層3に画像を潜像させることができ
る。また、記録媒体に熱エネルギを与える記録手段とし
ては、従来の熱転写記録に使用されているタイプのサー
マルヘッドを使用することができる。
【0044】本記録装置において、記録手段7より記録
媒体4上の薄膜機能層3へ所望の出力印字あるいは画像
画素に応じた書き込みを行う際に、記録媒体4に熱バイ
アスを与えることにより記録感度を向上させることがで
きる。これは定着ヘッド10を加熱させることによっ
て、該定着ヘッド10に巻き付けられた伝熱ベルト16
に熱エネルギが伝熱される。この伝熱ベルト16上に記
録媒体4を基材1側から付着させることにより、記録媒
体4が伝熱ベルト16の予熱によって記録媒体4上の薄
膜機能層3に熱バイアスが与えられるので、記録手段7
から薄膜機能層3に照射供給されるべきエネルギ量の削
減を行うことが可能となり記録感度が向上し、極めて効
率の良い記録処理が行える。
【0045】またこの記録装置構成では、定着ヘッド1
0に巻き付けられた伝熱ベルト16を、駆動ローラ15
により駆動させエンドレスベルト形状になっている。よ
って記録媒体4をエンドレスベルト形状の伝熱ベルト1
6に付着させ、巻き付けるように搬送しているので、伝
熱ベルト16から予熱エネルギを充分供給することがで
きる。この時、記録媒体4内ホットメルトタイプ着色イ
ンク2は伝熱ベルト16上にて活性化されるが、記録時
における伝熱ベルト16上の温度は、伝熱効率によりホ
ットメルトタイプ着色インク2の転移点以下となってい
る。
【0046】したがって、記録手段7より薄膜機能層3
へ、所望の出力印字あるいは画像画素に応じた書き込み
を行う手段と記録紙側への転写・定着がリアルタイムに
極めて短時間に行うことが可能となり、極めて高速な出
力印字が行える。本実施例で定着ヘッド10は、図3に
示した記録装置と同じヒートローラを用いている。また
駆動ローラ15には、金属コア状表面にフッ素樹脂やシ
リコーンゴム等の低表面エネルギ材料にて被覆し、シリ
コーンオイルなどの離型剤を供給させたドラム状を用い
ることができる。さらにまた伝熱ベルト16には、金属
フィルム形状の表面にフッ素樹脂やシリコーンゴム等を
被覆し、シリコーンオイルなどの離型剤を供給されたエ
ンドレスベルト形状を用いることができる。
【0047】金属フィルム材料としては、熱伝導率の良
いニッケル,アルミニュウムなどを利用することができ
る。金属フィルムの厚さは40μm程度が好ましく、効
率良く定着ヘッド10の熱エネルギを伝熱できる。また
フッ素樹脂・シリコーンゴムの厚さは、150μm程度
が好ましく、定着プロセスでの高品質・高画質化のため
に記録紙表面の凹凸に接触追従できるようにフッ素樹脂
・シリコーンゴムなどの弾性材料を金属フィルムに被覆
させる。また被覆されるフッ素樹脂・シリコーンゴム厚
が厚くなった場合にゴム層の温度勾配が大きくなり、金
属フィルムとシリコーンゴムの界面温度が上昇し、伝熱
ベルト16の寿命が短くなる。したがってシリコーンゴ
ム材質の熱伝導率を大きくする必要性が生じる。このた
めに、熱伝導率を大きくするためにシリコーンゴムの中
にアルミナやシリカなどの高熱伝導フィラーを塗布する
ことで抑える事ができる。
【0048】その後、薄膜機能層3上に微細なスルーホ
ールが形成された記録媒体4は、伝熱ベルト16を駆動
ローラ15によって矢印19方向へ駆動搬送され、定着
ヘッド10と加圧ローラ9の狭隙部に搬入される。ここ
で記録媒体4のスルーホールを形成された薄膜機能層3
と矢印14方向の搬送経路から搬入された記録紙8とが
密着するように、加圧ローラ9を圧力Fで矢印13方向
に加圧するとともに、定着ヘッド10によって基材1側
から記録媒体4を加熱させる。ここで定着ヘッド10は
ホットメルトタイプ着色インク2の転移点以上の温度に
設定されており、ここでホットメルトタイプ着色インク
2は活性化される。
【0049】活性化されたホットメルトタイプ着色イン
ク2は、加圧ローラ9の矢印13方向の加圧により、薄
膜機能層3のスルーホールを通過して記録紙8上に流動
し、浸透し、そして付着する。すなわち、所望の出力画
像画素に対応した位置にホットメルトタイプ着色インク
2が記録紙8に転写される。その後、加圧ローラ9を矢
印12方向に移動させて密着した記録媒体4と記録紙8
とを剥離させる。この時前記記録紙8の種類に応じたイ
ンク定着状態を実現させ、安定するように剥離すること
により、所望の出力印字あるいは画像画素が連続出力時
に於いても得られる。最後に剥離された記録媒体4は、
伝熱ベルト16を矢印20方向に駆動することによって
記録媒体巻取りローラ11に巻取られる。
【0050】本発明の記録媒体4を用いた記録装置のイ
ンク定着処理に於いては、定着ヘッド10の加熱温度、
または着色インク自身の粘性特性により、ホットメルト
タイプ着色インク2の転写時の粘度状態が決められる。
すなわち、加熱温度を高く設定することによりインクが
より液状化され、記録紙8側への流動、浸透性が加速さ
れ、また逆に加熱温度を低く設定するとインク粘度が高
くなるので、所望の出力画像画素に対応した位置及び形
状に忠実に転写され、インク定着処理はより各種記録紙
8に応じたインク状態で行われることとなる。
【0051】本実施例では、記録紙へのホットメルトタ
イプ着色インク2の定着を伝熱ベルト16上にて処理す
るため、記録媒体4と記録紙8との密着性を決める加圧
ローラ9からの圧着力Fや、圧着時間、剥離手段等の管
理が従来のサーマルヘッドを用いる以上に容易である。
【0052】さらに剥離処理に関しては、記録媒体4か
らの記録紙8側へのインク流動、浸透、付着等の転写状
態とインクの粘度状況に対し、記録紙8の表面状態や所
望する出力印字品質に応じて、その記録紙8上に適性な
最終印字品質を得られる様に、記録媒体4と記録紙8の
剥離時間、剥離角度を管理する事ができる。そのため
に、普通紙上、OHP、更に樹脂系の記録紙等の広範囲
にわたる各種記録紙の選択が可能である。
【0053】更に図4に説明した記録装置において、該
記録装置はさらに第3構成として、第2の実施例に示し
た、記録手段7より記録媒体4上の薄膜機能層3へ所望
の出力印字あるいは画像画素に応じた書き込みを行う際
に、記録媒体4に熱バイアスを与えることにより記録感
度を向上させることの他に、定着ヘッド10に熱制御手
段17を設けた。これにより、記録紙8に転写・定着さ
せるために、ホットメルトタイプ着色インク2を活性化
させて転移点以上の熱エネルギ量の設定と、記録媒体4
が伝熱ベルト16の加熱によって薄膜機能層3に熱バイ
アスを得る適切な熱エネルギ量とを制御管理する。この
熱制御手段17によって、記録媒体4の熱バイアス効果
を得るに当たって、大気接触などの外部的要因による熱
伝導率変化を管理・補正することができるので、極めて
効率の良い記録処理が行える。
【0054】よってこの実施例の記録装置構成では、記
録媒体4の記録感度が向上する適切な熱エネルギを与え
るために、定着ヘッド10に熱制御手段17を設けて、
熱エネルギ量を切り換えている。したがって、記録手段
7より薄膜機能層3へ所望の出力印字あるいは画像画素
に応じた書き込みを行う手段と記録紙側への転写・定着
手段が別々のプロセスで行われる。また書き込みプロセ
スにおいて、記録手段7を複数または駆動させることが
容易に可能になり、所望の画像画素の記録媒体4の薄膜
機能層3への書き込みが瞬時に行え、極めて高速な出力
印字が行える。
【0055】更に、スペース的に余裕のある伝熱ベルト
16上で記録媒体4の薄膜機能層3への書き込みを行う
ことになるので、記録手段7の要素である半導体レーザ
ダイオードを多数設けることが可能となる。たとえば、
記録手段7の要素である半導体レーザダイオードを記録
画像画素に相当する数だけ設け、その特定波長光を記録
画像画素領域で発光させ、所望の画像画素における一画
面領域を全面照射させることにより、記録媒体4の薄膜
機能層3への記録速度を高速化させることができる。さ
らに、多数個の半導体レーザダイオードが集積され、そ
のパッケージにレンズが装着された市販の半導体レーザ
ダイオード製品を使用すれば、記録手段7のレンズ等の
光学系構成の簡略化となり小型化・低コスト化が可能と
なる。
【0056】更に図4に説明した記録装置において、該
記録装置はさらに第4構成として、熱制御手段17によ
り、記録紙8への転写時と熱バイアス時との熱エネルギ
量を制御管理を行うことの他に、伝熱ベルト16上の温
度を検知する温度検出手段18を設けた。これにより、
伝熱ベルト16上の温度分布を均一化させ、記録媒体4
の熱バイアス効果のバラツキを管理・補正することがで
きる。温度検出手段18としては、サーミスタを用いる
ことができる。そして、熱制御手段17は温度検出手段
18の出力信号を受け、定着ヘッド10をON,OFF
させて制御する。
【0057】更に伝熱ベルト16,定着ヘッド10の安
全対策として、温度検出手段18の断線を検知して、温
度の暴走を防止する。この断線の検知は、たとえば、温
度検出手段18の信号を受ける熱制御手段17が、ある
一定時間以上温度検出手段18から信号を受けない場
合、あるいは、所定の温度範囲からはずれた情報が温度
検出手段18から送られてくる場合を断線と定義するこ
とによって得られる。
【0058】更に、定着ヘッド10からの伝熱時間を測
定させ、温度検出手段18により設定時間より長いと検
出された時には異常と判断し定着ヘッド10からの伝熱
を切る手段等にも活用できる。以上、本発明の記録媒体
4を用いた記録装置は、今後市場から予想されるニー
ズ、例えば種々な記録紙8上で、高解像度、高印字品
質、高速印字、エコロジ性及びカラー化等の要求を達成
することを可能とし、電子写真記録法等の複雑な記録メ
カニズムや構成要素を必要としない、簡単な装置構成で
得られることになる。
【0059】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、記録
媒体を、基材と、該基材上に塗布され、バインダ材を含
むホットメルトタイプ着色インク層と、該着色インク層
の上に形成され、記録ヘッドから供給された光、または
熱エネルギにより微細加工または粘度特性変化する薄膜
機能層とから構成したので、次の効果がある。
【0060】(1)着色インク層を基材と薄膜機能層で
挟み込む構成となっており、機械的強度が従来の記録媒
体より大きい。また記録手段、定着ヘッド等からの熱ス
トレスが記録メカニズム上少ない為、記録媒体の薄膜化
が行える。また、上記の記録媒体を用いた記録装置は、
記録処理部とインク定着部とを分離することができるの
で、以下に示す効果がある。
【0061】(2)伝熱ベルトからの熱エネルギにより
記録媒体内着色インクは半活性化状態にあるので、定着
処理時間が短縮され、極めて高速に出力印字が行える。 (3)記録手段より薄膜機能層へ所望の印字あるいは画
像画素に応じた書き込みを伝熱ベルト上にて行うことに
より、熱エネルギの供給時間・領域が拡大し、常に高速
出力印字が行える。
【0062】(4)伝熱ベルト上にて記録処理を行うの
で、記録手段を複数あるいは駆動させることが容易にな
り高速に記録処理できる。 (5)従来の熱転写記録装置の様に、本来印字すべきで
ない部分のインクが熱の影響を受けて一部溶融反応して
記録紙に転写してしまったり、印字部領域の画素ドット
の再現性が悪くなるという影響が排除される。つまり、
より高精細な出力印字や画像が得られることになる。
【0063】(6)記録処理と定着処理をそれぞれ独立
しているので、定着ヘッドの熱エネルギを管理制御する
ことで、印字品質をより向上させるとともに、高速に出
力印字が行える。 (7)記録処理と定着処理がそれぞれ独立しているの
で、記録媒体の基材やインク層あるいは各機能層は、そ
の材料設計上自由度があり、製造コストが下がる。
【0064】(8)記録処理後の定着処理に於いて、記
録紙に対する記録媒体搬送速度制御や記録紙側へのイン
ク転写量を制御抑制することで、記録媒体消耗度合いの
低減、または複数回印字ができる。 (9)記録処理と定着処理が記録媒体上で行え、複雑な
熱に関わる補正を必要としないことから、この記録装置
の構成の簡素化、調整の単純化、メンテナンスフリー化
が行える。
【0065】(10)記録紙上の着色インク転写量(ま
たは厚み)のバラツキを成形ローラの熱または圧力で均
一化することにより、特に減法混色によるカラー出力印
字の安定な高品質化が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体の断面構成図である。
【図2】従来の記録媒体の断面構成図である。
【図3】本発明の記録媒体を用いた記録装置の第1の実
施例の構成を示す説明図である。
【図4】本発明の記録媒体を用いた記録装置の第2の実
施例の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基材 2 ホットメルトタイプ着色インク層 3 薄膜機能層 4 記録媒体 5 記録媒体供給ローラ 6 レーザ光 7 記録手段 8 記録紙 9 加圧ローラ 10 定着ヘッド 11 記録媒体巻き取りローラ 12 剥離層巻き取りローラ 15 駆動ローラ 16 伝熱ベルト 17 熱制御手段 18 温度検出手段
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 樹 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−301488(JP,A) 特開 平3−10852(JP,A) 特開 平3−275361(JP,A) 特開 平5−107795(JP,A) 特開 平5−270022(JP,A) 特開 平5−293998(JP,A) 特開 平6−79889(JP,A) 特開 平6−336088(JP,A) 特開 平7−156424(JP,A) 特開 平7−172059(JP,A) 特開 平8−207328(JP,A) 特開 平8−207459(JP,A) 特開 昭63−35387(JP,A) 実開 昭63−106642(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/325 B41J 2/32 B41J 17/30 B41M 5/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材上に色材とバインダ材を
    主成分としたホットメルトタイプの着色インクを塗布し
    てなる着色インク層と、該着色インク層の上に形成され
    た薄膜機能層とから構成され、前記薄膜機能層が外部か
    ら供給された光または熱エネルギにより微細加工あるい
    は粘度特性変化する少なくとも1つの記録媒体と、所望
    の画像画素に対応する位置の薄膜機能層上に微細加工あ
    るいは粘度特性変化させる光または熱エネルギを供給す
    る記録手段と、記録紙上の所望の画像画素位置に前記着
    色インク層の着色インクを定着する時に前記着色インク
    を活性化させる熱発生源を含む定着ヘッドと、該定着ヘ
    ッドの熱エネルギを伝熱させる伝熱ベルトと、該伝熱ベ
    ルトを駆動し、所望の位置に移動させる駆動ローラとを
    有し、前記記録媒体を前記基材側から前記伝熱ベルト上
    に付着させ、前記記録手段動作時に前記定着ヘッドの加
    熱による前記伝熱ベルト上の予熱により前記記録媒体が
    熱バイアスを得る定着手段と、前記着色インクの前記記
    録紙への転写を促進する加圧手段と、前記記録紙上への
    前記着色インク定着後、前記記録紙と前記記録媒体とを
    剥離させる手段とを具備することを特徴とする記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記定着手段は、さらに、前記定着ヘッ
    ドの熱エネルギを制御管理する熱制御手段を含み、該熱
    制御手段は前記記録媒体への記録手段動作時に熱バイア
    スを得る適温度に設定され、その後、前記記録紙に所望
    の画像画素を定着する時に、前記定着ヘッドの熱エネル
    ギ量を前記着色インクが活性化する温度に設定させる
    とを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記定着手段は、さらに、前記伝熱ベル
    ト上の温度を検出する温度検出手段を含み、該温度検出
    手段により伝熱ベルト上の記録媒体に与える熱バイアス
    の均一化させることを特徴とする請求項2に記載の記録
    装置。
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