JPH085731B2 - セラミック三次元網目構造体の製造方法 - Google Patents

セラミック三次元網目構造体の製造方法

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JPH085731B2
JPH085731B2 JP26682087A JP26682087A JPH085731B2 JP H085731 B2 JPH085731 B2 JP H085731B2 JP 26682087 A JP26682087 A JP 26682087A JP 26682087 A JP26682087 A JP 26682087A JP H085731 B2 JPH085731 B2 JP H085731B2
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/04Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by dissolving-out added substances

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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は無数の気孔を有するセラミック三次元網目構
造体の製造方法に関する。
(2) 従来の技術 従来、この種構造体を製造する場合、三次元網目構造
を有する有機質発泡体をセラミック泥漿に浸漬してその
有機質発泡体の表面にセラミック泥漿を付着させると共
にその発泡体の空孔をセラミック泥漿により埋め、次い
でセラミック泥漿を乾燥固化し、その後有機質発泡体を
燃焼させると共にセラミック成分を焼結する手法が用い
られている。
(3) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前記手法を採用すると下記のような問
題がある。
(a) 有機質発泡体が前記構造体の気孔に対応するの
で、気孔が大きくなり、したがって微細な気孔を全体に
亘って略均一に分布させた前記構造体を得ることができ
ない。
(b) セラミック成分の焼結は、有機質発泡体が、燃
焼除去された後行われるので、前記構造体の寸法精度を
確保するためには、有機質発泡体の除去後直ちにセラミ
ック成分の焼結を開始しなければならない。この要求を
満たすために、低温にて焼結促進機能を発揮する焼結助
剤を用い、低温下でセラミック成分の焼結を行っている
ので、前記構造体の強度が低い。
(c) 三次元網目構造の有機質発泡体を製作するため
に多くの工数を要する。
本発明は前記問題を解決し得る前記構造体の製造方法
を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明は、セラミック粉末に、酸により溶出し得る粉
末状気孔形成物質および該気孔形成物質の溶出処理を促
進する添加剤を分散させた混合粉末を用いて成形体を得
る工程;前記成形体に焼結処理を施して焼結体を得る工
程;および前記焼結体に溶出処理を施して前記気孔形成
物質を溶出する工程;を用いることを特徴とする。
(2) 作用 前記手法によれば、焼結体中に分散している気孔形成
物質を酸により溶出するので、微細な気孔を全体に亘っ
て略均一に分布させた三次元網目構造体を得ることがで
きる。
またセラミック粉末を通常の焼結条件にて焼結し得る
ので、高強度な焼結体、延いては三次元網目構造体を得
ることができる。一般にセラミック粉末には、前記構造
体の強度低下の一因となる不純物が含まれているが、前
記不純物は前記溶出処理によって焼結体より除去される
ので、前記溶出処理は前記構造体の強度を向上させる上
にも有効である。
さらに添加剤により溶出処理が促進されるので、その
処理時間を短縮して前記構造体の生産性を向上させるこ
とができる。
(3) 実施例 セラミック粉末は三次元網目構造体を構成するもの
で、この種粉末としては、平均直径20μm以下のSi
3N4、SiC、ZrO2等の単独粉末およびこれらの混合粉末が
該当する。この場合、セラミック粉末の焼結性を向上さ
せるため、必要に応じて焼結助剤粉末が用いられるが、
この種粉末としては、平均直径0.1〜1.0μmのAl2O3、Y
2O3、MgO、SiO2等の単独粉末およびこれらの混合粉末が
該当する。
また酸により溶出し得る粉末状気孔形成物質は、焼結
体に積極的に微細な気孔を形成して所定の気孔率を持つ
三次元網目構造体を得るために用いられ、この種物質と
しては以下のものが該当する。
即ち、 SiO2 20〜40重量% B2O3 30〜65重量% Al2O3 0〜20重量% MgO 0〜15重量% K2O 0〜40重量% Na2O 8〜40重量% TiO2またはLi2O 0〜5重量% MnO2 0〜5重量% の各粉末を混合し、その混合粉末に、溶融、粉砕の各工
程を施して得られた、平均直径1〜100μmのガラス質
粉末である。
前記のように各粉末の配合量を限定する理由は、前記
配合量を逸脱すると、気孔形成物質に結晶が析出して不
均一組織となり、酸による溶出が不可能になるからであ
る。
前記気孔形成物質の溶出処理を促進する添加剤として
は、ホウ素系化合物およびリン酸系化合物から選択駆さ
れる少なくとも一種が用いられる。この場合、ホウ素系
化合物にはホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウム等の
ホウ酸塩、無水ホウ酸(B2O3)等が包含され、またリン
酸系化合物にはヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性メタ
リン酸ナトリウム等のメタリン酸塩、オルトリン酸、無
水リン酸(P2O5)等が包含される。
この添加剤は、セラミック粉末の焼結プロセスにはほ
とんど関与することはなく、したがって焼結体中に存在
して気孔形成物質の酸による溶出処理を促進する機能を
果し、その後焼結体中より気孔形成物質と共に溶出され
る。
なお、三次元網目構造体の強度向上を狙ってアルミナ
繊維、炭化ケイ素繊維(ウイスカを含む)、窒素ケイ素
繊維、炭素繊維等を配合することもある。
前記セラミック粉末、焼結助剤粉末、気孔形成粉末お
よび添加剤の配合量は、 セラミック粉末 20〜80重量% 焼結助剤粉末 10重量%以下 気孔形成物質 5〜40重量% 添加剤 1〜40重量% である。
焼結助剤粉末の配合量を前記のように限定する理由
は、それを10重量%を上回って配合しても、セラミック
粉末の焼結性にはそれ程変化が現れないからである。
また気孔形成物質の配合量は、前記構造体の、目標と
する気孔率によって異なるもので、前記配合量にて気孔
率3〜80%に調節することが可能である。
さらに添加剤は、三次元網目構造体とアルミニウム合
金、鋼等よりなる金属製部材とを接合する際に、相互の
拡散性を良好にすると共に前記構造体に対する金属の接
触角を小さくしてその濡れ性を大幅に改善し、これによ
り両者の接合強度を高める効果を有するので、この効果
を狙う場合には添加剤をやゝ過剰に配合して前記溶出処
理後も前記構造体の気孔内面に薄肉状に残留させる。こ
のときの添加剤の配合量は10〜40重量%が適当である。
前記セラミック粉末、焼結助剤粉末、気孔形成物質お
よび添加剤よりなる混合粉末を用いて成形体を得る場合
は、スリップキャスティング法、加圧成形法、射出成形
法等の各種成形法が用いられる。この場合、成形圧力は
80〜150MPaが適当である。
前記成形体の焼結に当っては、その成形体を1500〜18
50℃に0.5〜5時間保持して1回の焼結処理でセラミッ
ク成分の焼結を完了する1段焼結法か、または成形体を
1000〜1200℃に0.5〜12時間保持する1次焼結処理およ
び1500〜1850℃に0.5〜5時間保持する2次焼結処理を
経てセラミック成分の焼結を完了する2段焼結法が採用
される。1段焼結法を採用した場合は、その焼結処理後
前記溶出処理が行われるのは当然であるが、2段焼結法
を採用した場合には1次焼結処理後または2次焼結処理
後前記溶出処理が行われる。
前記1次焼結処理後の焼結体は適当な硬度を有するの
で、その焼結体にレース加工等の機械加工を施すことが
可能である。この場合、機械加工により生じた欠陥を、
次工程の溶出処理が持つ化学研摩的作用により除去する
ことができる。
前記溶出処理に用いられる酸は、HCl、HNO3、HF等の
単一酸またはこれらの混酸が主として用いられ、場合に
よっては前記酸にCH3COOH、HCOOH等のカルボン酸といっ
た有機酸が少量添加される。溶出処理は焼結体を酸溶液
中に所定時間浸漬することにより行われる。その際、酸
溶液を流通させながらそれに8〜24MHzの超音波振動を
付与すると、酸溶液がセラミック成分、溶融後固化した
気孔形成物質および焼結助剤成分に行渡り、また前記添
加剤の溶出処理促進作用もあって短時間のうちに気孔形
成物質ならびにセラミック成分および焼結助剤成分に含
まれた不純物の溶出処理を完了することができる。
第1図は、前記1次焼結処理後の焼結体に体する溶出
処理時間と気孔形成物質の除去率との関係を示し、線a
が前記添加剤を用いた本発明に該当し、線bが前記添加
剤を用いない比較例に該当する。
本発明および比較例において溶出処理には超音波振動
が併用され、また酸溶液は流通状態にある。本発明にお
ける焼結体の組成は、窒化ケイ素(セラミック粉末)82
重量%、3重量%のY2O3および2重量%のAl2O3(焼結
助剤粉末)5重量%、気孔形成物質10重量%、ホウ酸ア
ンモニウム(添加剤)3重量%である。比較例の場合は
前記と略同様の組成を有するが、添加剤は含まれていな
い。
第1図から明らかなように、気孔形成物質を略100%
除去するためには、線aの本発明の場合は4〜5分間程
度でよいが、線bの比較例の場合は7〜8分間を要す
る。
第2図は、本発明において前記焼結体に溶出処理を施
した場合における溶出処理時間と三次元網目構造体の抗
折力との関係を示す。第2図から明らかなように短時間
において前記構造体の抗折力のばらつき幅が減少し、し
かも溶出処理を30分間行うと、90〜95kg/mm2の抗折力が
得られる。
第2図において、溶出処理時間が2〜3分間程度の領
域では気孔形成物質の除去が完全でないので、それに起
因して抗折力のばらつきがやゝ大きい。一方、5分間以
上の領域では気孔形成物質が完全に除去されているの
で、抵抗力のばらつきは不純物に起因するものになる
が、溶出処理により不純物の除去も効率良く行われるの
で、抗折力のばらつき幅は小さくなる。
なお、前記1次焼結処理後前記溶出処理を行うと、焼
結助剤も溶出するが、それが完全に溶出することはな
い。これは、2次焼結処理により焼結体がさらに収縮し
て緻密化することから、この段階でも焼結助剤がその焼
結促進機能を発揮していることより確かめられている。
〔実施例I〕
気孔形成物質として、 SiO2 28.6重量% B2O3 40.2重量% Al2O3 3.8重量% MgO 7.5重量% K2O 3.2重量% Na2O 14.6重量% TiO2 0.8重量% MnO2 1.3重量% を用いて、最大直径10μm、平均直径4μmのガラス質
粉末を得る。
セラミック粉末 最大直径6μm、 平均直径0.7μmの Si3N4 58重量% 焼結助剤粉末 平均直径0.8μmのY2O3 および平均直径0.5μmの Al2O3を各1重量% 2重量% 気孔形成物質 20重量% 添加剤 ホウ酸アンモニウム 20重量% に、有機系ワックス、分散剤等を加え十分に混合して混
合粉末を得、この混合粉末を用いて乾式加圧成形法を適
用し、成形圧力150MPaにて外径35mm、内径23.5mm、長さ
57.5mmの筒状成形体を得る。
成形体を乾燥した後、その成形体N2雰囲気下、1200
℃、90分間の条件の下で1次焼結処理を施して焼結体を
得る。この1次焼結処理の昇温段階で成形体中の有機成
分が除去される。前記焼結体の線収縮率は3%である。
焼結体を、25%HNO3および0.1%HFよりなる酸溶液中
に浸漬し、その酸溶液に16MHzの超音波振動を付与しな
がら30分間保持して気孔形成物質および不純物を溶出し
て三次元網目構造体を得る。
前記構造体に十分洗浄処理を施した後乾燥し、次いで
前記構造体に300bar、1700℃、60分間の条件の下にHIP
処理(2次焼結処理)を施して高度に焼結が進行した前
記構造体を得る。このようにHIP処理を適用するのは、
前記構造体の目詰まりを抑制するためである。
さらに前記構造体に、10%HNO3よりなる酸溶液を用い
て、前記同様の溶出処理を10分間に亘り施し、HIP処理
中の蒸発、凝縮に起因した目詰まりを排除する。
前記構造体は外径31.3mm、内径21.0mm、長さ50mmであ
り、収縮率は12%である。また光学顕微鏡観察および水
銀法による孔径分布では、気孔のうち最大のものが直径
約15μmであり、さらに比重法による気孔率は42.3%で
ある。第3図は、気孔の直径とその存在比との関係を示
し、微細な気孔が無数に存在することが明らかである。
さらにまたSEM(走査型電子顕微鏡)観察によれば、
セラミック成分は直径略1μm、長さ略5μmの柱状晶
であり、十分粒成長していることが確認されている。
次に前記構造体の気孔が連通していることを確認する
ため第3A図に示すテストを行う。
即ち、前記構造体より、縦5mm、横4mm、長さ40mmの2
本の細長いテストピースTを切出し、各テストピートT
の外周面に接着剤を塗布した後そのテストピースTを両
端面Ta,Tbが露出するように円柱状合成樹脂体R内に埋
設する。
合成樹脂体Rの外周面に接着剤を塗布してその合成樹
脂体Rをガラス管G内に接着し、そのガラス管Gを基板
B上に立設してガラス管G内に水Wを入れ、その水Wを
ピストンPにより押圧する。
前記テストの結果、テストピースTの下部端面Tbから
水滴Wdが落下するのが見られ、これにより前記構造体の
気孔が連通していることが確認される。
その後、以下に述べるようなテストピースと金属との
接合テストを行う。
先ず、第1テストピースを600℃に加熱した後金型に
設置し、次いで700℃のAl−Si系合金の溶湯を200kg/cm2
の圧力下で鋳込み、複合体を得る。
この複合体においては、前記合金が第1テストピース
の気孔全体に充填されていることが確認された。
次に、第2テストピースを立てゝその上部端面上に前
記と同種合金片を載せ、それを800℃の炉中に静止状態
にて30分間設置し、第2テストピースに対する前記合金
の浸入度合を調べたところ、前記合金が第2テストピー
スの下部端面から3mmの位置まで浸入していることが確
認された。
比較例として、他の方法で製造された、気孔率50%、
気孔の平均直径50〜100μmのテストピースについて、
前記第2テストピースと同一条件の下で前記合金の浸入
度合を調べたところ、前記合金がほとんど浸入していな
いことが確認された。
上記テスト結果から明らかなように、本発明により得
られた三次元網目構造体は、前記添加剤の配合に伴い金
属との濡れ性が大幅に改善されており、金属との複合性
および接合性に優れているものである。
〔実施例II〕
気孔形成物質として、 SiO2 27.1重量% B2O3 39.8重量% Al2O3 6.0重量% MgO 6.4重量% K2O 3.5重量% Na2O 13.4重量% Li2O 3.5重量% MnO2 0.3重量% を用いて、最大直径10μm、平均直径4μmのガラス質
粉末を得る。
セラミック粉末 最大直径4μm、 平均直径0.4μm のSi3N4 87.8重量% 焼結助剤粉末 平均直径0.7μmのY2O3 2重量%および平均直径0.4 μmのAl2O33重量% 5重量% 気孔形成物質 5重量% 添加剤 ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.2重量%およびホウ酸アン モニウム2重量% 2.2重量% に、有機系ワックス、分散剤等を加え十分に混合して粉
末混合を得、この混合粉末を用いてスリップキャスティ
ング法を適用し、第4図に示す成形体としてのタービン
羽根車1を成形する。このタービン羽根車1は羽根部2
と、それに連設された軸部3とよりなり、軸部3は羽根
部2側の大径部分4と、その大径部分4から突出する小
径部分5とを有する。小径部分5は、後述するするよう
に回転軸との接合部分となる。
タービン羽根車1を乾燥した後、そのタービン羽根車
1にN2雰囲気下、1200℃、90分間の条件の下に1次焼結
処理を施す。この1次焼結処理の昇温段階でタービン羽
根車1中の有機成分が除去される。
タービン羽根車1の羽根部2および大径部分4を、15
%HNO3および0.1%HFよりなる酸溶液中に浸漬し、その
酸溶液に16MHzの超音波振動を付与しながら15分間保持
して羽根部2および大径部分4の気孔形成物質および不
純物を溶出する。
タービン羽根車1に十分洗浄処理を施した後乾燥し、
次いでN2雰囲気下、1750℃、3時間の2次焼結処理を施
し、その後タービン羽根車1全体に前記と同一手法で溶
出処理を施す。
前記タービン羽根車1の各部よりテストピースを切出
し、それらについてSEMおよび光学顕微鏡により気孔率
および気孔の直径を調べたところ、気孔率は羽根部2お
よび大径部分4で3.2%、小径部分5の外周区域で8.5
%、および小径部分5の中心区域で2.8%である。また
気孔の直径は羽根部2および大径部分4で0.1〜0.4μ
m、小径部分5で2〜6μmである。
前記溶出処理は、1次焼結処理後の方が効率良く行わ
れるが、小径部分5にも1次焼結処理後において溶出処
理を施した場合、その処理で得られた気孔が2次焼結処
理によって縮径されるおそれがあり、このような事態が
生じると、次工程で行われる回転軸との接合に不都合を
来たす。これが、前記1次焼結処理後において小径部分
5に溶出処理を施さなかった理由である。
次に第5図によりタービン羽根車1と回転軸6との接
合について説明する。
Al−Si系合金よりなる回転軸6の角筒部7を約700℃
に加熱し、その孔8に、予熱されたタービン羽根車1の
小径部分5を嵌合し、両者5,7をプレス機9に設置す
る。そして真空下において上、下部パンチ10,11により
角筒部7を圧力1000kg/cm2を以て加圧し、孔8の溶融状
態にある表層部を小径部分5の気孔に充填する。第5図
中、12,13はヒータである。
前記接合作業後、回転軸6の角筒部7に仕上げ加工を
施して、第6図に示すタービン羽根車1および回転軸6
の接合体を得る。
タービン羽根車1と回転軸6との接合部より、小径部
分5と角筒部7との接合面を含むようにテストピースを
切出して、その小径部分5側における切断面を観察した
ところ、セラミック成分は直径0.5〜1.0μm、長さ5〜
7μmの柱状晶に成長していることが確認されている。
一方、前記合金はそれら柱状晶を包み込み、またセラミ
ック成分と前記合金との接合界面では相互に拡散が生じ
ており、したがってタービン羽根車1と回転軸6とが機
械的にも化学的にも接合されていることが確認されてい
る。
また前記テストピースに常温下で三点曲げテストを施
したところ、曲げ強さ64kg/mm2といった大きな値を示
し、この値は前記合金を充填された小径部分5の中心区
域における曲げ強さ75kg/mm2の約85%に相当する。
〔実施例III〕
セラミック粉末 最大直径4μm、 平均直径0.4μm のSi3N4 90重量% 結晶助剤粉末 平均直径0.7μmのY2O3 および平均直径0.4μmの Al2O3を各5重量% 10重量% に、有機系ワックス、分散剤等を加え十分に混合して混
合粉末を得、この混合粉末を用いてスリップキャスティ
ング法を適用し、第7図に示すタービン羽根車本体1aを
成形する。このタービン羽根車本体1aは羽根部2と、そ
れに連設された軸部3とよりなり、軸部3は羽根部2側
の大径部分4と、その大径部分4から突出する細径部分
5aとを有する。
気孔形成物質として、 SiO2 28.1重量% B2O3 34.2重量% Al2O3 4.2重量% MgO 2.4重量% K2O 17.1重量% Na2O 11.2重量% Li2O 1.8重量% MnO2 1.0重量% を用いて、最大直径10μm、平均直径4μmのガラス質
粉末を得る。
セラミック粉末 最大直径4μm、 平均直径0.4μm のSi3N4 85重量% 焼結助剤粉末 平均直径0.7μmのY2O3 4重量%および平均直径0.4 μmのAl2O33重量% 7重量% 気孔形成物質 5重量% 添加剤 ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1重量%およびホウ酸アン モニウム2.9重量% 3重量% に有機系ワックス、分散剤等を加え十分に混合して混合
粉末を得、この混合粉末を用いてスリップキャスティン
グ法を適用し、第7図に示すようにタービン羽根車本体
1aの細径部分5a外周に筒体(厚さ約2mm)5bを一体に成
形し、これによりタービン羽根車1の成形を完了する。
この場合、筒体5bが本発明における成形体に該当する。
タービン羽根車1を乾燥した後、そのタービン羽根車
1にN2雰囲気下、1200℃、90分間の条件の下に1次焼結
処理を施す。この1次焼結処理の昇温段階でタービン羽
根車1中の有機成分が除去される。
タービン羽根車1を、15%HNO3および0.1%HFよりな
る酸溶液中に浸漬し、その酸溶液に16MHzの超音波振動
を付与しながら10分間保持して筒体5bの気孔形成物質お
よび不純物を溶出する。
タービン羽根車1に十分洗浄処理を施した後乾燥し、
次いでN2雰囲気下、1700℃にて2時間の2次焼結処理を
施す。
前記タービン羽根車1の筒部5bよりテストピースを切
出し、それについてSEMおよび光学顕微鏡により気孔率
および気孔の直径を調べたところ、気孔率は11%で、ま
た気孔の直径は約3μmである。
次に第8図によりタービン羽根車1と回転軸6との接
合について説明する。
実施例IIと同種Al−Si系合金よりなる回転軸6の角筒
部7を約700℃に加熱し、その孔8に、予熱されたター
ビン羽根車1の筒体5bを嵌合し、両者5b,7をプレス機9
に設置する。そして真空下において上、下部パンチ10,1
1により角筒部7を圧力1000kg/cm2を以て加圧し、孔8
の溶融状態にある表層部を筒体5bの気孔に充填する。
前記接合作業後、回転軸6の角筒部7に仕上げ加工を
施して、第9図に示すタービン羽根車1および回転軸6
の接合体を得る。
タービン羽根車1と回転軸6との接合部より、筒体5b
と角筒部7との接合面を含むようにテストピースを切出
してその筒体5b側における切断面を観察したところ、セ
ラミック成分は直径0.5〜1.0μm、長さ5〜7μmの柱
状晶に成長していることが確認されている。一方、前記
合金はそれら柱状晶を包み込み、またセラミック成分と
前記合金との接合界面では相互に拡散が生じており、し
たがってタービン羽根車1と回転軸6とが機械的にも化
学的にも接合されていることが確認されている。
また前記テストピースに常温下で三点曲げテストを施
したところ、曲げ強さ73kg/mm2といった大きな値を示
し、この値は細径部分5aにおける曲げ強さ3kg/mm2の約8
8%に相当する。
本発明は前記タービン羽根車の製造に限らず、各種部
材の製造に適用される。例えば、内燃機関のロッカアー
ムにおいて、そのスリッパ面構成体をセラミックスより
構成し、それのロッカアーム本体に鋳ぐるまれる接合部
を三次元網目構造体にするといった場合である。
C.発明の効果 本発明によれば、焼結体中に分散している気孔形成物
質を酸により溶出するので、微細な気孔を全体に亘って
略均一に分布させた三次元網目構造体を得るこができ
る。
またセラミック粉末を通常の焼結条件にて焼結し得る
ので、高強度な焼結体、延いては三次元網目構造体を得
ることができる。この場合、前記酸による溶出処理によ
って、セラミック粉末に含有されて前記構造体の強度低
下の一因となる不純物をも除去し得るので、前記溶出処
理は前記構造体の強度を向上させる上で有効である。
さらに、各粉末の混合、成形、焼結および溶出の各工
程を経て三次元網目構造体を得ることができ、しかも前
記添加剤により溶出処理時間を短縮し得るので、従来の
有機質発泡体を用いる場合に比べて生産性が良い。
【図面の簡単な説明】
第1図は溶出処理時間と気孔形成物質の除去率との関係
を示すグラフ、第2図は溶出処理時間と三次元網目構造
体の抗折力との関係を示すグラフ、第3図は気孔の直径
と存在比との関係を示すグラフ、第3A図は三次元網目構
造体の気孔連通確認テストを示す断面図、第4ないし第
6図はタービン羽根車と回転軸との接合体を得るための
工程図で、第4図はタービン羽根車の断面図、第5図は
接合作業を示す断面図、第6図は接合体の断面図、第7
ないし第9図はタービン羽根車と回転軸との接合体を得
るための他の工程図で、第4ないし第6図に対応する。 1……タービン羽根車、6……回転軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック粉末に、酸により溶出し得る粉
    末状気孔形成物質および該気孔形成物質の溶出処理を促
    進する添加剤を分散させた混合粉末を用いて成形体を得
    る工程;前記成形体に焼結処理を施して焼結体を得る工
    程;および前記焼結体に溶出処理を施して前記気孔形成
    物質を溶出する工程;を用いることを特徴とするセラミ
    ック三次元網目構造体の製造方法。
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