JPH0857246A - 酸性排ガスの処理方法 - Google Patents

酸性排ガスの処理方法

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JPH0857246A
JPH0857246A JP7121261A JP12126195A JPH0857246A JP H0857246 A JPH0857246 A JP H0857246A JP 7121261 A JP7121261 A JP 7121261A JP 12126195 A JP12126195 A JP 12126195A JP H0857246 A JPH0857246 A JP H0857246A
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acidic
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fluorine
gas
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Ryuichi Oyama
隆一 大山
Yutaka Kamata
裕 鎌田
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Tama Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 周囲の環境を汚染することのないクリーンな
条件下で排ガス中の酸性成分を容易にかつ効率的に処理
することができる酸性排ガスの処理方法を提供する。 【構成】 排ガスをアルカリ性のガス処理液と接触させ
てこの排ガス中の酸性成分を分離除去する酸性排ガスの
処理方法において、酸性排ガスを第四アンモニウム化合
物の水溶液からなるガス処理液と接触させ、この酸性排
ガスから酸性成分を分離除去する酸性排ガスの処理方法
である。 【効果】 周囲の環境を汚染することのないクリーンな
条件下で酸性成分、特に弗素及び/又は弗素化合物を含
む酸性排ガスを容易にかつ効率的に処理することがで
き、それ故に、半導体製造プロセスのクリーンルーム内
で実施することも可能であり、特に半導体製造プロセス
で発生する弗素及び/又は弗素化合物を含む酸性排ガス
の処理に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酸性成分を含有する
排ガスの処理方法に係り、特に限定するものではない
が、半導体製造プロセスにおいてウエハ表面の自然酸化
膜を除去する洗浄工程等で発生する弗素ガス、弗化水素
酸、珪弗化水素酸、弗化アンモニウム等の弗素及び/又
は弗素化合物や、シリコンウエハの洗浄工程等で使用さ
れる塩化水素、硝酸、硫酸、過酸化水素等の種々の酸性
成分を含む酸性排ガスの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体製造プロセスにおいて
は、その製造工程における種々の工程で各種の酸が使用
されており、そこで発生する酸性ガスは、それがクリー
ンルーム内の雰囲気を汚染すると、半導体デバイスの中
に浸透し、製品性能に重大な悪影響を及ぼして、歩留り
の低下を引き起こす原因となるほか、クリーンルーム内
の各種の機械設備を腐食させ、これが雰囲気の重金属汚
染の原因やパーティクルの発生原因となり、これらの重
金属イオンが半導体デバイスの中に浸透し、この面から
も製品性能に重大な悪影響を及ぼす。
【0003】そこで、半導体製造プロセスの種々の工程
で発生する酸性ガスについては、それがクリーンルーム
内の雰囲気を汚染しないように、換気ダクト等の換気設
備で吸引し、この換気設備でクリーンルーム外に導いて
スクラバー等の吸収装置に導入し、この吸収装置内で水
や、苛性ソーダ水溶液や苛性カリ水溶液等の苛性アルカ
リ水溶液や、更にはアルカリ土類金属水酸化物の水溶液
からなるガス処理液中に吸収せしめ、吸収装置から排出
される老化処理液については消石灰で処理した後、更に
凝集沈澱処理等の手段で無害化処理し、その後に放流す
ることが行われている。
【0004】しかしながら、このような半導体製造プロ
セスにおいては、例えばウエハ表面の自然酸化膜を除去
する洗浄工程で弗化水素酸や弗化アンモニウム等が使用
されており、酸性成分として弗素ガス、弗化水素酸、珪
弗化水素酸、弗化アンモニウム(NH4 F)等の弗素及
び/又は弗素化合物を含む排ガス、すなわち弗素を含む
酸性排ガスが発生する。そして、このような弗素を含む
酸性排ガスについては、特に弗素及び/又は弗素化合物
が環境に及ぼす悪影響を考慮して特別に厳しい廃棄処理
基準が定められており、通常はこのような弗素含有排ガ
スを処理して得られた弗素及び/又は弗素化合物を含む
廃液を二次処理し、その弗素及び/又は弗素化合物をカ
ルシウム塩等の形に代えて分離除去することが行われて
いる。
【0005】しかも、このような弗素を含む酸性排ガス
は、他の排ガス、例えばアンモニアガス等を含む排ガス
と一緒に換気設備内に吸引すると、この換気設備内で結
晶が析出し、その除去に多大な手間を必要とし、また、
ウエハの弗化水素酸処理の際に発生する珪弗化水素酸
(H2 SiF6 )の蒸気は加水分解を受け易く、加水分
解を受けると換気設備内でシリカの結晶が析出し、この
析出したシリカの結晶の除去にも多大な手間を必要とす
る、等の問題を引き起こす。
【0006】このため、特に半導体製造プロセスで発生
する弗素を含む酸性排ガスについては、その他の酸性排
ガスとは別系統の換気設備やスクラバー等の吸収装置を
用意し、この弗素を含む酸性排ガスのみを単独で処理す
るのが好ましいが、通常はこのような弗素を含む酸性排
ガスの発生源は各所に分散しているのが普通であり、こ
れをそれ単独の換気設備や吸収装置で処理するには配管
工事等に多大の設備費用が嵩み、現実的でない。
【0007】また、このような弗素を含む酸性排ガスの
発生現場であるクリーンルーム内にスクラバー等の吸収
装置を設置し、その場でガス処理液中に酸性排ガス中の
酸性成分を吸収せしめて処理することも考えられるが、
この吸収装置ではガス処理液として通常水酸化ナトリウ
ム水溶液等の苛性アルカリ水溶液やアルカリ土類金属水
酸化物の水溶液等が用いられており、これを半導体製造
プロセスのクリーンルーム内に持ち込むと、アルカリ金
属やアルカリ土類金属によって半導体デバイスが汚染さ
れる恐れがあり、結局この方法も現実的な方法ではない
として採用されていない。
【0008】加えて、スクラバー等の吸収装置の苛性ア
ルカリ水溶液やアルカリ土類金属水酸化物の水溶液から
なるガス処理液中に弗素を含む酸性排ガスが導入される
と、このガス処理液中に弗化ナトリウムや弗化カリウム
等の溶解度の低い弗化物が生成し、これが吸収装置内で
結晶として析出し、これがガス処理液の循環路や酸性排
ガスのガス流路等を閉塞する等の自己の原因になってい
る。
【0009】ところで、このような弗素を含む酸性排ガ
スをガス処理液に吸収させ、吸収装置から排出される弗
素及び/又は弗素化合物を含む老化処理液を処理するた
めの方法については、従来より幾つかの方法が提案され
ている。
【0010】例えば、特開昭61−220787号公報
には、廃液中の弗素及び/又は弗素化合物を石灰又は消
石灰等により弗化カルシウムとして沈澱させる方法のほ
か、陰イオン交換樹脂を用いて吸着除去する方法、アル
ミニウム化合物等を添加した後に陰イオン交換樹脂を用
いて吸着除去する方法(特開昭58−64181号公
報)、金属イオンを吸着させたイミノジ酢酸型キレート
樹脂で除去する方法(特開昭50−44649号公報や
特開昭51−115058号公報)、金属イオンを吸着
したアミノアルキレンリン酸型キレート樹脂を用いて吸
着除去する方法(特開昭57−107287号公報)が
紹介されており、また、鉄化合物、アルミニウム化合
物、ランタン化合物又はジルコニウム化合物を添加して
キレート樹脂で処理する方法が提案されている。
【0011】また、特開昭61−192385号公報に
は、特定の金属水和酸化物や金属水和弗化物を樹脂マト
リックスに担持させた弗素吸着剤を用いてpH7以下で
弗素及び/又は弗素化合物を吸着させ、アルカリ液で溶
離させた後にこの溶離液にカルシウム塩を添加して弗素
及び/又は弗素化合物をカルシウム化合物として分離す
る方法が提案されている。
【0012】しかしながら、これら何れの方法において
も、結局はスクラバー等の吸収装置で弗素を含む酸性排
ガス中の酸性成分を吸収するために用いられるガス処理
液が水酸化ナトリウム水溶液等の苛性アルカリ水溶液で
あり、これを半導体製造プロセスのクリーンルーム内に
持ち込むことはできず、上述した酸性排ガスを処理する
際の問題を解決できるものではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、周囲の環境を汚染することのないクリーンな条件下
で弗素ガス、弗化水素酸、珪弗化水素酸、弗化アンモニ
ウム等の弗素及び/又は弗素化合物や、塩化水素、硝
酸、硫酸、過酸化水素等の酸性成分を含む酸性排ガスを
容易にかつ効率的に処理することができ、必要により半
導体製造プロセスのクリーンルーム内にも持ち込むこと
が可能な酸性排ガスの処理方法について鋭意研究を重ね
た結果、ガス処理液として特定の第四アンモニウム化合
物の水溶液を用いることによりこの課題を達成できるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0014】従って、本発明の目的は、周囲の環境を汚
染することのないクリーンな条件下で排ガス中の酸性成
分を容易にかつ効率的に処理することができる酸性排ガ
スの処理方法を提供することにある。
【0015】また、本発明の他の目的は、特に酸性成分
として弗素ガス、弗化水素酸、珪弗化水素酸、弗化アン
モニウム等の弗素及び/又は弗素化合物を含む酸性排ガ
ス中の酸性成分を容易にかつ効率的に処理することがで
きる弗素含有排ガスの処理方法を提供することにある。
【0016】更に、本発明の他の目的は、半導体製造プ
ロセスのクリーンルーム内にも持ち込むことができ、特
に半導体製造プロセスで発生する酸性排ガスの処理に好
適な酸性排ガスの処理方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、排
ガスをアルカリ性のガス処理液と接触させてこの排ガス
中から酸性成分を分離除去する酸性排ガスの処理方法に
おいて、酸性排ガスを下記一般式(1)
【化4】 (但し、式中R1 〜R4 は互いに同一又は異なる炭素数
1〜3のアルキル基又はヒドロキシ置換アルキル基を示
し、XはOH- 又は1/2CO3 2- を示す)で表される
第四アンモニウム化合物の水溶液からなるガス処理液と
接触させ、この酸性排ガスから酸性成分を分離除去する
酸性排ガスの処理方法である。
【0018】また、本発明は、排ガス中の酸性成分をカ
ルシウム塩として分離除去する酸性排ガスの処理方法に
おいて、酸性排ガスを上記一般式(1)で表される第四
アンモニウム化合物の水溶液からなるガス処理液と接触
させてこのガス処理液中に排ガス中の酸性成分を吸収せ
しめ、この酸性成分を吸収した老化処理液と炭酸カルシ
ウムとを接触させてこの老化処理液中の酸性成分をカル
シウム塩として析出させ、次いでこの析出したカルシウ
ム塩を分離除去する酸性排ガスの処理方法である。
【0019】更に、本発明は、排ガス中の酸性成分をカ
ルシウム塩として分離除去する酸性排ガスの処理方法に
おいて、酸性排ガスを上記一般式(1)で表される第四
アンモニウム化合物の水溶液からなるガス処理液と接触
させ、このガス処理液中に酸性成分を吸収せしめる接触
吸収工程と、この接触吸収工程から抜き出され、酸性成
分を吸収している老化処理液と炭酸カルシウムとを接触
させ、この老化処理液中の酸性成分をカルシウム塩とし
て析出させる析出工程と、析出したカルシウム塩を分離
除去する固液分離工程と、この固液分離工程から回収さ
れるカルシウム塩除去後の処理液をガス処理液として接
触吸収工程に循環させる循環工程とを有する酸性排ガス
の処理方法である。
【0020】本発明方法において、処理の対象となる排
ガスは、例えばその酸性成分として弗素ガス、弗化水素
酸及び珪弗化水素酸等の弗素及び/又は弗素化合物や、
塩素ガス、塩化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、無水硫酸、
過酸化水素、二酸化窒素等を含む酸性排ガスであり、こ
れらの酸性成分はその何れかが単独で排ガス中に存在し
ていてもよいほか、その何れか2種以上が排ガス中に混
在していてもよい。
【0021】なお、半導体製造プロセスの洗浄工程等で
発生する弗素ガス、弗化水素酸、珪弗化水素酸、弗化ア
ンモニウム等の弗素及び/又は弗素化合物を含む酸性排
ガスを処理し、この排ガス中の弗素原子を固定化してこ
の弗素原子を可及的にかつ効率的に分離除去したい場合
には、この弗素及び/又は弗素化合物のみを含む酸性排
ガスを他の酸性成分を含む酸性排ガスとは別に処理する
のがよい。また、この酸性排ガス中には、半導体製造プ
ロセスで排出される少量のアンモニアガス等が混入して
きても支承がない。
【0022】そして、このような酸性成分を含む排ガス
と接触させ、この排ガス中の酸性成分を吸収させる接触
吸収工程では、そのガス処理液として上記一般式(1)
で表される第四アンモニウム化合物の水溶液が用いられ
る。ここで、第四アンモニウム化合物の具体例として
は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(T
MAH)、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムハ
イドロオキサイド(コリン)、メチルトリヒドロキシエ
チルアンモニウムハイドロオキサイド、ジメチルジヒド
ロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラ
エチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチルエ
チルアンモニウムハイドロオキサイド等の水酸化第四ア
ンモニウム化合物や、炭酸ジ(テトラメチルアンモニウ
ム)(TMAC)等の炭酸第四アンモニウム化合物を挙
げることができる。これらのうち、TMAHやコリンあ
るいはTMACが高純度で取り扱い易く、価格も安価で
あり、また、半導体用現像液としても使用されていてク
リーンルーム内での使用も可能であるので特に好まし
い。
【0023】また、この接触吸収工程でガス処理液とし
て使用する第四アンモニウム化合物の濃度については、
排ガスと気液接触させた際にこの排ガス中の酸性ガスを
確実に捕捉できる濃度であれば特に制限はないが、取扱
い易さの点から通常0.01〜30重量%程度、より好
ましくは10〜25重量%の範囲であるのがよい。ガス
処理液を構成する第四アンモニウム化合物水溶液の濃度
が0.01重量%より低いと酸性ガスの吸収速度が遅く
なって酸性成分を吸収しきれず、除去率の低下という問
題が生じ、また、濃度が30重量%より高くなると第四
アンモニウム化合物の水溶液の粘度が高くなりすぎて固
化したり、吸収し難くなるという問題が生じる。
【0024】更に、この接触吸収工程で上記ガス処理液
に排ガスを接触させてこの排ガス中の弗素含有酸性ガス
を吸収させる方法としては、その吸収装置として充填塔
式、棚段式、ベンチュリー式、回転体式、ネットスプレ
ー式等のスクラバー等を用いた湿式処理方法のほか、バ
グフィルターにガス処理液を含浸させ、これに排ガスを
接触させて酸性成分を吸収させる乾式処理方法等の従来
公知の方法を適宜選択して採用することができる。この
うち、充填塔式スクラバーによる接触処理方法は、装置
が簡単で効果的であり、しかも、少スペースでも可能で
あることから、半導体製造プロセスのクリーンルーム内
に設置してそこで発生する弗素含有酸性ガスを捕捉して
処理するのに好適である。なお、この接触吸収工程で使
用する吸収装置はそれがバッチ式であっても、また、連
続式であってもよい。
【0025】そして、接触吸収工程でガス処理液中にど
の程度の酸性ガスを吸収させるかについては、使用する
ガス処理液の液量や第四アンモニウム化合物濃度、更に
は接触方法等によって異なるが、ガス処理液のpHが中
性付近、好ましくはpH7.1〜8.0となったところ
で老化処理液として抜き出すのがよい。
【0026】本発明方法においては、上記接触吸収工程
で弗素含有酸性ガスを吸収し、この接触吸収工程から抜
き出された老化処理液は、例えば、焼却等の適当な方法
で処理してもよく、また、必要により、炭酸カルシウム
と接触させ、この老化処理液中の酸性成分をカルシウム
塩として析出させる。そして、この際に、スクラバー等
の吸収装置が半導体製造プロセスのクリーンルーム内に
設置されている場合には、老化処理液をクリーンルーム
から他の場所に移送し、そこで焼却等の適当な方法で処
理するか、あるいは、炭酸カルシウムと接触させて老化
処理液中の酸性成分をカルシウム塩として析出させるの
がこのましい。
【0027】更に、本発明において、接触吸収工程から
抜き出された老化処理液の処理方法として、これを炭酸
カルシウムと接触させ、この老化処理液中の酸性成分を
カルシウム塩として析出させる方法を採用する場合に
は、その析出工程では、攪拌機で攪拌接触させる方法
や、スタティックミキサーを用いた回分式又は連続式の
接触方法等、従来公知の方法を採用することができる。
【0028】そして、このようにして析出工程で老化処
理液中の弗素及び/又は弗素化合物を弗化カルシウムと
して析出させた後、析出したカルシウム塩は次の固液分
離工程で分離除去される。この固液分離工程でカルシウ
ム塩を分離する方法については、濾過、遠心分離、液体
サイクロン等の方法を採用することができる。
【0029】また、この析出工程で分離されたカルシウ
ム塩が弗化カルシウムである場合には、常法に従って、
例えば、濃硫酸と反応させて弗化水素を回収する等のよ
うに処理される。また、この析出工程でカルシウム塩を
分離除去して回収されたカルシウム塩除去後の処理液
は、勿論「使用済み処理液」として適当な方法で廃棄処
理したり、再生処理したり、あるいは、他の用途に用い
たりしてもよいが、炭酸カルシウムと接触させ、老化処
理液中の弗素及び/又は弗素化合物をカルシウム塩とし
て析出させた際に生成するものが炭酸第四アンモニウム
化合物であり、本発明のガス処理液を構成する成分の1
つであるので、好ましくは回収された処理液の炭酸第四
アンモニウム化合物濃度に応じて、そのまま再びガス処
理液として接触吸収工程に循環させたり、電解再生させ
て水酸化第四アンモニウム化合物として利用する。
【0030】
【作用】また、本発明方法によれば、弗素含有酸性ガス
を含む排ガスと接触してこの弗素含有酸性ガスを吸収す
るガス処理液が、蒸気圧が極めて低く、しかも、アルカ
リ金属やアルカリ土類金属とは異なって、半導体デバイ
スに何らの悪影響も及ぼさない強アルカリとして半導体
製造プロセスの現像工程で現像液として使用されている
第四アンモニウム化合物の水溶液であり、同時に弗素含
有酸性ガスを吸収させた際に生成する弗化第四アンモニ
ウム塩や珪弗化水素酸の加水分解生成物であるシリカに
対しても優れた溶解性を有し、この排ガスを接触させる
接触吸収工程を完全な溶液系で操作できるので、そのメ
ンテナンスも極めて容易である。
【0031】また、排ガス中の酸性成分をカルシウム塩
として分離除去する場合の本発明方法は、理論的には、
次のような反応式で考察することができる。 酸性排ガス中の酸性成分が弗化水素であって、一般
式(1)で表される第四アンモニウム化合物がテトラア
ルキルアンモニウムハイドロキサイドである場合 [R4 N]OH+HF→[R4 N]F+H2 O 2[R4 N]F+CaCO3 →[R4 N]2 CO3 +C
aF2
【0032】 酸性排ガス中の酸性成分が珪弗化水素
であって、一般式(1)で表される第四アンモニウム化
合物がテトラアルキルアンモニウムハイドロキサイドで
ある場合 2[R4 N]OH+H2 SiF6 →[R4 N]2 SiF
6 +2H2 O [R4 N]2 SiF6 +CaCO3 →[R4 N]2 CO
3 +CaSiF6
【0033】 酸性排ガス中の酸性成分が硼弗化水素
であって、一般式(1)で表される第四アンモニウム化
合物がテトラアルキルアンモニウムハイドロキサイドで
ある場合 [R4 N]OH+HBF4 →[R4 N]BF4 +H2 O 2[R4 N]BF4 +CaCO3 →[R4 N]2 CO3
+Ca[BF4 2
【0034】 酸性排ガス中の酸性成分が酸性イオン
Y(但し、YはCl- 、NO3 - 又は1/2-SO4 2- 若し
くはこれらの組合せ)であって、一般式(1)で表され
る第四アンモニウム化合物がテトラアルキルアンモニウ
ムハイドロキサイドである場合 [R4 N]OH+HY→[R4 N]Y+H2 O 2[R4 N]Y+CaCO3 →[R4 N]2 CO3 +C
aY2 [R4 N]2 CO3 +H2 O→[R4 N]OH+H2
3
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
方法を具体的に説明する。
【0036】実施例1 酸性排ガスとして3.8%弗化水素濃度の排ガスを使用
し、この排ガスを、40m3 /分能力の充填搭式スクラ
バー内でガス処理液としての10%TMAH水溶液1m
3 と接触させ、このガス処理液中の弗素濃度が5%にな
ったところで停止した。
【0037】この間、スクラバーを通過して排出される
排ガスのpHは中性の値7を維持しており、この排ガス
中の弗素濃度をランタン・アリザリン・コンプレキソン
法で分析した結果は0.1mg/リットル以下であっ
て、ほぼ100%の弗化水素除去率が達成された。
【0038】実施例2 上記実施例1の酸性排ガス処理を経て、その弗素濃度が
5%になった老化処理液を攪拌翼付攪拌槽に移送し、こ
の攪拌槽内の老化処理液中に純度99.5%、平均粒径
2.2μmの炭酸カルシウム170kgを加え、2時間
攪拌した。攪拌終了後、析出した結晶をスラリー状態の
まま濾布を敷いた濾過槽に導入し、そこで自然濾過を行
った。回収された濾液中の弗素濃度は2.1mg/リッ
トルだった。この濾過液は、無色透明の11%TMAC
水溶液であり、濾過分離して得られた固体は炭酸カルシ
ウムが混じった弗化カルシウムであって、140kgが
回収された。
【0039】実施例3 ガス処理液として上記実施例2で回収された11%TM
AC水溶液を用いた以外は、上記実施例1と同様に酸性
排ガスの処理を行った。結果は、スクラバーを通過して
排出される排ガスのpHは中性の値7を維持しており、
この排ガス中の弗素濃度をランタン・アリザリン・コン
プレキソン法で分析した結果は0.1mg/リットル以
下であって、ほぼ100%の弗化水素除去率が達成され
た。また、上で得られた老化処理液を実施例2と同様に
して処理した。この操作終了後に回収された濾過液は無
色透明の11%TMAC水溶液であってその弗素濃度は
2.7mg/リットルであり、また、濾過分離して得ら
れた固体は炭酸カルシウム混入の弗化カルシウムであっ
てその回収量は140kgであった。
【0040】実施例4 酸性排ガスとして2.5%珪弗化水素濃度の排ガスを用
い、また、ガス処理液中の弗素濃度が3%になったとこ
ろで停止した以外は、上記実施例1と同様に酸性排ガス
の処理を行い、更に引き続いて、炭酸カルシウムの使用
量を50kgとした以外は、上記実施例2と同様に酸性
排ガスの処理を行った。結果は、スクラバーを通過して
排出される排ガスのpHは中性の値7を維持しており、
この排ガス中の弗素濃度をランタン・アリザリン・コン
プレキソン法で分析した結果は0.1mg/リットル以
下であって、ほぼ100%の弗化水素除去率が達成され
た。また、上で得られた老化処理液を実施例2と同様に
して処理した。この操作終了後に回収された濾過液は無
色透明の11%TMAC水溶液であってその弗素濃度は
3.2mg/リットルであり、また、濾過分離して得ら
れた固体は炭酸カルシウム混入の弗化カルシウムであっ
てその回収量は70kgであった。
【0041】実施例5 酸性排ガスとして0.1%HF、0.1%H2 Si
6 、0.05%HBF4、0.1%HCl、0.1%
HNO3 、0.1%H2 SO4 及び0.1%H2 2
含む排ガスを用い、また、ガス処理液中の弗素濃度が3
%になったところで停止した以外は、上記実施例1と同
様に、ガス処理液と接触させた。
【0042】この間、スクラバーを通過して排出される
排ガスのpHは中性の値7を維持しており、この排ガス
中の弗素濃度をランタン・アリザリン・コンプレキソン
法で分析した結果は0.1mg/リットル以下であっ
て、ほぼ100%の弗化水素除去率が達成された。ま
た、その他の酸性イオンをイオンクロマトグラフィーで
分析したところ、Cl- 、NO3 - 及びSO4 2- はその
何れも0.1mg/リットル以下であり、ほぼ100%
の酸性イオン除去率だった。
【0043】このようにして回収された老化処理液を、
実施例2と同様にして、炭酸カルシウム100kgと接
触させ、濾過して固液分離した。回収された濾液中の弗
素濃度は2.5mg/リットルだった。この濾過液は、
無色透明の11%TMAC水溶液であり、電解すること
により再び10%TMAH水溶液となった。また、回収
された固体は炭酸カルシウム、弗化カルシウム、珪弗化
カルシウム、ホウ弗化カルシウム、塩化カルシウム、硝
酸カルシウム、硫酸カルシウムの混合物(含水率20
%)であって、その回収量は150kgであった。
【0044】実施例6 酸性排ガスとして0.1%HCl、0.1%HNO3
0.1%H2 SO4 及び0.1%H2 2 を含む排ガス
を用い、また、ガス処理液のpHが8になったところで
停止した以外は、上記実施例1と同様に、ガス処理液と
接触させた。
【0045】この間、スクラバーを通過して排出される
排ガスのpHは中性の値7を維持しており、この排ガス
中の酸性イオンをイオンクロマトグラフィーで分析した
ところ、Cl- 、NO3 - 及びSO4 2- はその何れも
0.1mg/リットル以下であり、ほぼ100%の酸性
イオン除去率だった。
【0046】次に、回収された老化処理液を、実施例2
と同様にして、炭酸カルシウム100kgと接触させ、
濾過して固液分離した。得られた濾液を電解槽に移送
し、電解することにより10%TMAH水溶液と酸性廃
液とに分離した。得られた10%TMAH水溶液はその
ままガス処理液として再利用することができ、また、酸
性廃液は、10%カセイソーダ水溶液でpH調整して廃
液とした。
【0047】実施例7 酸性排ガスとしてHF、H2 SiF6 、HBF4 、HC
l、NO2 、HNO3、NH3 、PH3 、SO2 、SO
3 、H2 SO4 、H2 S、H2 2 等の無機のガス成分
や、メタノール、アセトン、イソプロパノール、テトラ
エチルシリケート、トリエチルボレート、トリメチルボ
レート、トリメチルホスフェート、トリメチルホスファ
イト等の有機のガス成分を含む排ガスを使用し、また、
ガス処理液中の弗素濃度が3%になったところで停止し
た以外は、上記実施例1と同様に処理した。更に引き続
いて、回収された老化処理液を、炭酸カルシウム118
kgを用いた以外は上記実施例2と同様に、処理した。
【0048】スクラバーを通過して排出される排ガスの
pHは中性の値7を維持しており、また、処理操作終了
後に回収された濾過液は無色透明であってその弗素濃度
は2.2mg/リットルであり、また、濾過分離して得
られた固体はの回収量は200kg(含水率20%)で
あった。
【0049】実施例8 スクラバー内のアルカリ溶液を10%コリン水溶液に変
えた以外は、実施例7と同様に酸性排ガスの処理を行っ
た。結果は、スクラバーを通過して排出される排ガスの
pHは中性の値7を維持しており、また、処理操作終了
後に回収された濾過液は無色透明であってその弗素濃度
は3.4mg/リットルであり、また、濾過分離して得
られた固体はの回収量は約200kg(含水率20%)
であった。
【0050】実施例9 平均粒径5mmの炭酸カルシウムを用いた以外は、上記
実施例7と同様に酸性排ガスの処理を行った。結果は、
スクラバーを通過して排出される排ガスのpHは中性の
値7を維持しており、また、処理操作終了後に回収され
た濾過液は無色透明であってその弗素濃度は0.3mg
/リットルであり、また、濾過分離して得られた固体は
の回収量は約140kg(含水率20%)であった。
【0051】比較例1 スクラバー内のガス処理液として10%カセイソーダ水
溶液を用いた以外は、上記実施例1と同様に行った。結
果は、ガス処理液中の弗素濃度が0.1%程度になった
ところでスクラバー内に結晶が析出し、その後の酸性排
ガス処理が不可能になった。
【0052】比較例2 スクラバー内のガス処理液として10%カセイカリ水溶
液を用いた以外は、上記実施例4と同様に行った。結果
は、ガス処理液中の弗素濃度が0.1%程度になったと
ころでスクラバー内に結晶が析出し、その後の酸性排ガ
ス処理が不可能になった。
【0053】比較例3 炭酸カルシウムに代えて塩化バリウムを用いた以外は、
実施例6と同様に行った。結果は、回収された濾液の弗
素濃度が20mg/リットルであった。
【0054】比較例4 炭酸カルシウムに代えて塩化カルシウムを使用した以外
は、実施例6と同様に行った。結果は、生成した粒子が
細かすぎて凝集剤を入れないと濾過が不可能であった。
また、凝集剤を用いて濾過処理した後に得られた濾液の
弗素濃度は15mg/リットルであった。更に、回収さ
れた固体は約400kg(含水率40%)であり、含有
弗素量に対して回収された固体量が多くなり過ぎ、この
固体から弗素を回収するのは効率が悪すぎて困難だっ
た。
【0055】実施例10 32m3 /分の処理能力を有する充填塔式スクラバー内
にガス処理液として7.4%TMAH水溶液(pH9.
20)300リットルを充填し、これに約180mg/
3 濃度の弗化水素を含む酸性排ガスを接触させ、9時
間経過後及び12時間経過後におけるスクラバー内のガ
ス処理液のpH、スクラバーを通過した後の排ガス中の
弗化水素濃度及び弗化水素除去率を調べた。
【0056】結果は、9時間経過後において、ガス処理
液のpHは8.20であり、排ガス中の弗化水素濃度は
0.03mg/m3 以下であり、また、弗化水素除去率
は100%であった。また、12時間経過後において
は、ガス処理液のpHは5.30であり、排ガス中の弗
化水素濃度は0.11mg/m3 以下であり、また、弗
化水素除去率は99.9%であった。
【0057】実施例11 上記実施例10において、ガス処理液のpHが5.10
になった時点でこのガス処理液を老化処理液として充填
塔式スクラバーから抜き出した。この老化処理液は弗素
として4.86kgを含有していた。次に、スクラバー
から抜き出した老化処理液を攪拌翼付攪拌槽に移送し、
この攪拌槽内の老化処理液中に純度99.5%、平均粒
径2.2μmの炭酸カルシウム12.8kgを加え、2
時間攪拌した。
【0058】攪拌終了後、析出した結晶をスラリー状態
のまま濾布を敷いた濾過槽に導入し、そこで吸引濾過を
行った。回収された濾液中の弗素濃度は1,400mg
/リットルであった。この濾過液は、無色透明の7.2
%TMAC水溶液であってTMAC回収率は95.5%
であった。また、濾過分離して得られた固体は炭酸カル
シウムが混じった弗化カルシウムであって、10.9k
gが回収された。
【0059】実施例12 上記実施例11で回収された7.2%TMAC水溶液
(pH9.80)を用い、これを実施例10で用いた充
填塔式スクラバー内にガス処理液として充填し、これに
約39mg/m3 濃度の弗化水素を含む酸性排ガスを接
触させ、33時間経過後におけるスクラバー内のガス処
理液のpH、スクラバーを通過した後の排ガス中の弗化
水素濃度及び弗化水素除去率を調べた。結果は、ガス処
理液のpHが8.50であり、排ガス中の弗化水素濃度
は0.01〜0.53mg/m3 であり、また、弗化水
素除去率は99%以上であった。
【0060】実施例13 上記実施例12において、ガス処理液のpHが5.10
になった時点でこのガス処理液を老化処理液として充填
塔式スクラバーから抜き出した。この老化処理液は弗素
として2.88kgを含有していた。次に、スクラバー
から抜き出した老化処理液を攪拌翼付攪拌槽に移送し、
この攪拌槽内の老化処理液中に純度99.5%、平均粒
径2.2μmの炭酸カルシウム7.2kgを加え、2時
間攪拌した。
【0061】攪拌終了後、析出した結晶をスラリー状態
のまま濾布を敷いた濾過槽に導入し、そこで吸引濾過を
行った。回収された濾液中の弗素濃度は1,000mg
/リットルであった。この濾過液は、無色透明の6.6
%TMAC水溶液であってTMAC回収率は93.0%
であった。また、濾過分離して得られた固体は炭酸カル
シウムが混じった弗化カルシウムであって、8.0kg
が回収された。
【0062】実施例14 上記実施例13で回収された6.6%TMAC水溶液
(pH9.82)を用い、これを実施例10で用いた充
填塔式スクラバー内にガス処理液として充填し、これに
約36mg/m3 濃度の弗化水素を含む酸性排ガスを接
触させ、33時間経過後におけるスクラバー内のガス処
理液のpH、スクラバーを通過した後の排ガス中の弗化
水素濃度及び弗化水素除去率を調べた。結果は、ガス処
理液のpHが4.30であり、排ガス中の弗化水素濃度
は0.0067〜0.053mg/m3 であり、また、
弗化水素除去率は99%以上であった。
【0063】実施例15 32m3 /分の処理能力を有する充填塔式スクラバー内
にガス処理液として7.4%TMAH水溶液(pH9.
20)300リットルを充填し、これに約26mg/m
3 濃度の弗化水素を含む酸性排ガスを接触させ、75時
間経過後におけるスクラバー内のガス処理液のpH、ス
クラバーを通過した後の排ガス中の弗化水素濃度及び弗
化水素除去率を調べた。結果は、ガス処理液のpHが
7.89であり、排ガス中の弗化水素濃度は0.017
〜0.030mg/m3 であり、また、弗化水素除去率
は99%以上であった。
【0064】比較例5 ガス処理液として水(pH7.00)を用い、これに約
14mg/m3 濃度の弗化水素を含む酸性排ガスを接触
させた以外は、上記実施例10と同様にして酸性排ガス
の処理を行い、1時間経過後及び12時間経過後におけ
るスクラバー内のガス処理液のpH、スクラバーを通過
した後の排ガス中の弗化水素濃度及び弗化水素除去率を
調べた。結果は、1時間経過後にガス処理液のpHが
2.40になり、12時間経過後においては、ガス処理
液のpHが2.05に下がり、排ガス中の弗化水素濃度
は1.84mg/m3 以下であり、また、弗化水素除去
率は91.5%であった。
【0065】
【発明の効果】本発明方法によれば、周囲の環境を汚染
することのないクリーンな条件下で酸性成分、特に弗素
及び/又は弗素化合物を含む酸性排ガスを容易にかつ効
率的に処理することができる。従って、本発明の処理方
法は半導体製造プロセスのクリーンルーム内で実施する
ことが可能であり、特に半導体製造プロセスで発生する
弗素及び/又は弗素化合物を含む酸性排ガスの処理に好
適な処理方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/68 B01D 53/34 134 D 134 B (72)発明者 鎌田 裕 大分県大分市大字松岡3500、東芝大分工場 内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガスをアルカリ性のガス処理液と接触
    させてこの排ガス中から酸性成分を分離除去する酸性排
    ガスの処理方法において、酸性排ガスを下記一般式
    (1) 【化1】 (但し、式中R1 〜R4 は互いに同一又は異なる炭素数
    1〜3のアルキル基又はヒドロキシ置換アルキル基を示
    し、XはOH- 又は1/2CO3 2- を示す)で表される
    第四アンモニウム化合物の水溶液からなるガス処理液と
    接触させ、この酸性排ガスから酸性成分を分離除去する
    ことを特徴とする酸性排ガスの処理方法。
  2. 【請求項2】 排ガス中の酸性成分をカルシウム塩とし
    て分離除去する酸性排ガスの処理方法において、酸性排
    ガスを下記一般式(1) 【化2】 (但し、式中R1 〜R4 は互いに同一又は異なる炭素数
    1〜3のアルキル基又はヒドロキシ置換アルキル基を示
    し、XはOH- 又は1/2CO3 2- を示す)で表される
    第四アンモニウム化合物の水溶液からなるガス処理液と
    接触させてこのガス処理液中に排ガス中の酸性成分を吸
    収せしめ、この酸性成分を吸収した老化処理液と炭酸カ
    ルシウムとを接触させてこの老化処理液中の酸性成分を
    カルシウム塩として析出させ、次いでこの析出したカル
    シウム塩を分離除去することを特徴とする酸性排ガスの
    処理方法。
  3. 【請求項3】 酸性排ガス中の酸性成分が弗素及び/又
    は弗素化合物であり、この弗素及び/又は弗素化合物を
    弗化カルシウムとして分離除去する請求項1又は2記載
    の酸性排ガスの処理方法。
  4. 【請求項4】 ガス処理液中の第四アンモニウム化合物
    の濃度が、0.01〜30重量%である請求項1〜3の
    何れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
  5. 【請求項5】 ガス処理液が、水酸化第四アンモニウム
    化合物の水溶液である請求項1〜4の何れかに記載の酸
    性排ガスの処理方法。
  6. 【請求項6】 ガス処理液が、テトラメチルアンモニウ
    ムハイドロオキサイドの水溶液である請求項5記載の酸
    性排ガスの処理方法。
  7. 【請求項7】 ガス処理液が、炭酸第四アンモニウム化
    合物の水溶液である請求項1〜4の何れかに記載の酸性
    排ガスの処理方法。
  8. 【請求項8】 排ガス中の酸性成分をカルシウム塩とし
    て分離除去する酸性排ガスの処理方法において、酸性排
    ガスを下記一般式(1) 【化3】 (但し、式中R1 〜R4 は互いに同一又は異なる炭素数
    1〜3のアルキル基又はヒドロキシ置換アルキル基を示
    し、XはOH- 又は1/2CO3 2- を示す)で表される
    第四アンモニウム化合物の水溶液からなるガス処理液と
    接触させ、このガス処理液中に酸性成分を吸収せしめる
    接触吸収工程と、この接触吸収工程から抜き出され、酸
    性成分を吸収している老化処理液と炭酸カルシウムとを
    接触させ、この老化処理液中の酸性成分をカルシウム塩
    として析出させる析出工程と、析出したカルシウム塩を
    分離除去する固液分離工程と、この固液分離工程から回
    収されるカルシウム塩除去後の処理液をガス処理液とし
    て接触吸収工程に循環させる循環工程とを有することを
    特徴とする酸性排ガスの処理方法。
  9. 【請求項9】 酸性排ガス中の酸性成分が弗素及び/又
    は弗素化合物であり、この弗素及び/又は弗素化合物を
    弗化カルシウムとして分離除去する請求項8記載の酸性
    排ガスの処理方法。
  10. 【請求項10】 排ガスが、半導体製造プロセスで発生
    する弗素ガス、弗化水素酸、珪弗化水素酸及び弗化アン
    モニウムから選ばれた1種又は2種以上を主体とする酸
    性排ガスである請求項1〜9の何れかに記載の酸性排ガ
    スの処理方法。
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