JPH0855776A - パターン形成方法およびパターン形成装置 - Google Patents

パターン形成方法およびパターン形成装置

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JPH0855776A
JPH0855776A JP18939194A JP18939194A JPH0855776A JP H0855776 A JPH0855776 A JP H0855776A JP 18939194 A JP18939194 A JP 18939194A JP 18939194 A JP18939194 A JP 18939194A JP H0855776 A JPH0855776 A JP H0855776A
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resist film
pattern
developing solution
resist
pattern forming
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JP18939194A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Yoshimura
俊之 吉村
Hiroshi Shiraishi
洋 白石
Jiro Yamamoto
治朗 山本
Shinji Okazaki
信次 岡崎
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】レジストパターンの表面における凹凸発生を抑
制して、レジストパターン寸法の変動を抑制する。 【構成】エネルギ線を照射されたレジスト膜52の上方
に対向電極57を配置して、両者の間に現像液56が挾
まれた形態とし、対向電極57に、電源58から正電位
を印加して上記レジスト膜52の現像を行なう。 【効果】レジスト膜52の突起部分に電界が集中するた
め、当該突起部分が自己整合的に除去されて、表面の凹
凸によるパターン寸法の変動が効果的に低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパターン形成方法に関
し、特にレジストパターン寸法の変動を効果的に抑制す
ることができ、高い精度で各種パターンを形成すること
のできるパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種半導体装置を形成する際に、電極や
配線など、各種パターンの形成に用いられる技術は、一
般にリソグラフィと呼ばれている。このリソグラフィ技
術を用いた微細パターン形成方法において、現在、図1
に示した方法が、主に用いられている。
【0003】まず、所定のパターンを形成すべき半導体
基板11上に疎水化処理を施して、レジスト膜と基板1
1との接着性を向上させる。次にレジスト溶液を上記半
導体基板11上に滴下した後、回転塗布法などの方法を
用いて、レジストを半導体基板11上に塗布して、図1
(a)に示すように、レジスト膜12を形成する。レジ
ストを塗布した後、一般に加熱処理(ベーク)を行っ
て、レジスト膜12中の溶媒を飛散させる。このベーク
は、上記レジストが表面に塗布された半導体基板11
を、一定温度に設定されたホットプレート上に、一定時
間静置することにより行なわれる。
【0004】次に、図1(b)に示すように、例えば紫
外線や電子線などのエネルギー線13を、形成すべき所
望パターンにもとづいて選択的に照射し、上記レジスト
膜12にパターンの潜像14を形成した後、現像液中に
基板11を浸漬して現像処理を行う。上記エネルギー線
13の照射によって生じた潜像14の部分と、照射され
なかった部分の間には、現像液に対する溶解速度に差が
生じるので、上記現像によって溶解度が小さい部分を残
し、溶解度が大きい部分を除去すれば、所望のパターン
が形成される。潜像14の溶解度が大きくなってこの部
分が溶解する場合は、図1(c)に示すように、ポジ型
のレジストパターンが得られる。一方、潜像14部の溶
解度が小さくなって、現像処理後にこの部分が残る場合
は、図1(d)に示すように、ネガ型のレジストパター
ン12が得られる。
【0005】このようにしてレジストパターンを形成し
た後に、ドライエッチングによる半導体基板11の加工
や、イオン打ち込みによる不純物領域の基板への選択的
な導入など、各種処理が行われる。
【0006】上記現像液を用いる現像処理は湿式現像
(ウェット現像)と呼ばれ、従来の半導体装置形成方法
においては、操作が簡便なためにウェット現像が一般に
用いられてきた。ウェット現像に一般的に用いられる装
置の概略を図2に示した。レジスト膜22が表面上に形
成された半導体基板21は、支持台23に置かれ、真空
チッャク(図示せず)などで固定される。支持台23は
回転軸24に接続されており、高速回転が可能になって
いる。現像液は現像液用ノズル25から滴下されてレジ
スト膜22を覆い、そのまま静置される。一定時間経過
後に、純水などの洗浄液が洗浄液用ノズル26から滴下
されて、現像液が除去される。この際に回転軸24を回
転させ、半導体基板21およびレジスト膜22を回転さ
せることもできる。洗浄終了後、回転軸24を高速回転
させ、洗浄液を遠心分離して除去し、レジスト膜22を
乾燥させて現像処理が終了する。このようにしてレジス
トパターンを形成した後、半導体基板21およびレジス
ト膜22は、次の工程に転送される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、パターン寸法
が微細化されるにともなって、上記従来のウェット現像
では、レジストパターンの寸法制御性が不十分な場合が
多いことが明らかになってきた。すなわち、上記従来の
方法では、純粋に化学的な反応によってレジスト膜の所
定部分を溶解させて、レジストパターンを形成している
ため、レジストパターンの表面に凹凸が発生し、特に突
起部の発生に起因するパターン寸法の変動が発生してし
まう。
【0008】このような障害は、レジスト、エネルギー
線の照射およびプロセスなどによって起るものと考えら
れる。まず、レジストによるものしては、レジストの成
分の不均一性やレジスト構成分子の有限な大きさがあげ
られる。エネルギー線照射によるものとしては、照射エ
ネルギー線強度の変動(ノイズ)や、下地基板からの反
射波が、下地基板の構造を反映することによって生ずる
潜像の揺らぎ(これはエネルギー線が光の場合に起る)
があげられ、エネルギー線として電子線が用いられた場
合は、各ショットの相対的な位置ずれ等があげられる。
また、プロセスによる障害としては、現像が等方的に進
行するため、レジストパターンの表面に生じた上記凹凸
は減少されないことがあげられる。
【0009】レジストパターンの表面に生じた上記凹凸
は、幅や高さが数十nm程度であおって、パターンの寸
法が大きい場合には問題とならない程度のものである。
しかし、半導体装置が高集積化されるとともにパターン
寸法が微細化し、パターン幅が約200nm以下になっ
た場合、あるいはさらに高い寸法制御性が要求される場
合は、レジストパターンの表面に生じた上記凹凸に起因
するパターン寸法の変動は、無視できなくなる。特に高
い寸法制御性が要求される高機能な論理素子では、大き
な問題となる。従って、レジストパターン表面に形成さ
れた凹凸に起因するパターン寸法の変動を抑制すること
が、高集積あるいは高機能の半導体装置を形成する際の
大きな問題になっている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、少なくとも処理すべき半導体基板と同じ
大きさを有する電極を上記半導体基板の上方に配置し、
上記半導体基板の表面に形成されたレジスト膜と現像液
の間に電圧を印加しながら、上記レジスト膜の現像を行
うものである。
【0011】
【作用】一般に、金属などの完全導体に電位が印加され
た場合、導体表面は同電位となり、電界の方向は表面に
垂直となることが知られている。このような現象は、電
気担体である電子が再配列することによって、導体表面
に形成される電位差が打ち消されるために起る。電気担
体が電子である場合に限らず、イオンである場合にも、
この現象は同様に起る。
【0012】一方、完全導体ではなく誘電体の場合であ
っても、電位が付加された場合は、少なくとも誘電体の
表面が導電性を有していれば、この表面を同電位と見做
すことができる。このような電気的性質を有する物質の
表面に、突起部が存在した場合、突起部付近で等電位面
が密になり、電界の集中が発生する。このため、物質の
外部に導電性の可動物質が存在する場合には、上記の突
起部周辺に可動物質が偏在する確率が向上する。
【0013】リソグラフィに用いられる高分子レジスト
の主な構成要素は、高分子樹脂からなる基底樹脂および
この基底樹脂の現像液への溶解性を、照射されたエネル
ギー線によって変化させる感応性化合物である。感応性
化合物はエネルギー線照射によって、基底樹脂の溶解抑
制作用を消失して溶解性を上昇させる(ポジ型レジス
ト)か、あるいは基底樹脂間の架橋反応を進行させて溶
解性を低下させる(ネガ型レジスト)機能を有する。こ
の他に、感応性化合物の感度を向上させるための反応触
媒を発生させる物質が含まれる場合もある。あるいは感
応性化合物を含まない系もあり、この場合は、基底樹脂
中に含まれる基が、基底樹脂の溶解抑制作用を有してお
り、この溶解抑制作用は、エネルギー線照射によって失
なわれる。
【0014】現在の半導体装置製造工程で用いられる基
底樹脂は、主に図3に示すクレゾールノボラックのよう
にベンゼン環を含むフェノール性の高分子である。この
樹脂は、最も一般的な現像液である水性アルカリ現像液
に膨潤なしで溶解する、およびパターン形成後に行なわ
れるドライエッチングに対する耐性が高い、という顕著
な特長を有している。
【0015】レジストに含まれる構成要素の内で、分子
の大きさは基底樹脂が最も大きく、レジストパターンは
基底樹脂から構成されているということもできる。上記
フェノール性の基底樹脂の水性アルカリ現像液への溶解
機構としては、次の過程が考えられている。 (1)現像液中のイオンの高分子レジスト表面部分への
浸透。 (2)現像液中のイオンによる基底樹脂のイオン化。 (3)現像液中の水分子による基底樹脂イオンの水和イ
オン化。 (4)水和イオンの現像液中への脱離。
【0016】このように、水性アルカリ現像液中におい
て、レジスト表面ではイオン化が進行すると考えられ
る。このイオン化の程度によって溶解性は異なるが、溶
解性が低い領域においてもイオン化は生じる。従って、
水性アルカリ現像液中においてフェノール性高分子レジ
ストの表面は、イオン導電性を有している。
【0017】基板に接する電極を設け、現像中にこの電
極に電位を印加して、現像液とレジスト膜の間に電位差
を生じさせると、上記のように、誘電体であるレジスト
膜の表面は同電位と見做すことができる。
【0018】この際、図4(a)に示したように、レジ
スト膜41の表面に突起部42が存在すると、上記のよ
うに突起部42の付近で等電位面43が密となり、電界
集中が起る。広く用いられている水性アルカリ現像液で
あるテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド溶液
には、正電荷のテトラメチルアンモニウムイオンと負電
荷の水酸イオンが含まれる。このように通常の水性アル
カリ現像液中には、正電荷の現像液イオンと負電荷の水
酸イオンが混在する。
【0019】現像液に対してレジスト膜側に負の電位が
付与されると、電界集中によって正電荷のテトラメチル
アンモニウムイオン44が突起部42に集中し、突起部
42のイオン化反応の確率が上昇する。そのため、突起
部42の溶解が促進されて、図4(b)に示したよう
に、突起部42が選択的に除去されて、レジスト膜41
の表面は平坦になり、電界集中も緩和される。
【0020】また、巨視的には基板表面に対して垂直方
向の電界が存在するために、イオンの入射方向が基板表
面に垂直方向に制御され、現像に異方性が付加されると
いう効果もある。
【0021】なお、図4(a),(b)は、突起部42
がレジスト膜41の上面に生じた場合が示されている
が、上面のみではなく、レジスト膜41の側面にも同様
に突起が生ずるのは、いうまでもないことであり、この
ような側面に生じた突起部も、本発明によって同様に除
去され、良好なレジストパターンが形成される。
【0022】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
る。 〈実施例1〉本実施例では、クレゾールノボラックから
なる基底樹脂、およびこの基底樹脂の現像液への溶解を
抑制するための感応性化合物である溶解抑止物質とし
て、ポリ(2−メチルペンテン−1−スルホン)(以下
PMPSと記す)を15重量%含むレジストを用いた。
このレジストにエネルギー線を照射して現像を行うと、
エネルギー線を照射された部分のPMPSが分解して、
溶解抑制作用が低下した潜像部が形成され、この潜像部
における基底樹脂であるクレゾールノボラックが現像液
に溶解して、ポジ型パターンが形成される。なお、本実
施例では、上記エネルギー線として電子線を用いた。
【0023】上記レジストを、周知の回転塗布法を用
い、毎分2、000回転、60秒間という条件で塗布
し、厚さ200nmのレジスト膜をシリコン基板上に形
成した。レジスト膜の膜厚は200nmに限らず、適宜
設定できることは言うまでもないことであり、膜厚を薄
くすれば解像性が向上して高度の微細加工が可能にな
る。
【0024】上記レジスト膜が形成されたシリコン基板
を、周知の電子線直接描画装置内に入れ、所望パターン
にもとづいて、加速電圧30kVの電子線を、上記レジ
スト膜の所望部分に選択的に照射した。電子線照射量は
30μC/cm2とした。
【0025】次に、図5に示したように、電子線照射後
のシリコン基板51およびレジスト膜52を、金属性の
支持台53上に置き、周知の真空チャック等の手段によ
って支持台53に固定した。シリコン基板51およびレ
ジスト膜52は、金属性の固定部54によって、支持台
53に固定してもよい。支持台53は金属性の回転軸5
5に接続されており、高速回転可能となっている。支持
台53、固定部54および回転軸55は互いに接触して
同電位であり、例えば接地されている。固定部54はレ
ジスト膜52の表面部の電位を制御する機能も有してい
る。
【0026】テトラメチルアンモニウムハイドロオキサ
イド(以下TMAHと記す)2.38%水溶液からなる
アルカリ性の現像液56をレジスト膜52上に滴下した
後、対向電極57を移動させて、図5に示すように、現
像液56が、レジスト膜52と対向電極57の間に挾ま
れるようにした。この際におけるレジスト膜52と対向
電極57の間隔は1mmであった。なお、支持台53、
固定部54、回転軸55および対向電極57は、現像液
による腐食に耐性を有する材質からなることが望まし
い。
【0027】電位を印加した際に、電位差の大きさによ
っては陽極側に電気分解によって酸素が発生する場合が
あるので、対向電極57は酸化されにくい金属を用いる
ことが望ましい。また、陰極側のレジスト膜52または
固定部54の表面に、電気分解によって水素が発生する
場合があるので、過酸化水素水のような酸化剤を、復極
剤(消極剤)として現像液56中に例えば0.1%添加
して、水素を消失させるようにしてもよい。
【0028】上記対向電極57に、電源58から例えば
直流2Vの正電位を印加した。この状態を保持して、1
20秒間の現像処理を行った。
【0029】上記正電位の印加を終了した後、対向電極
57を移動させ、純水を30秒間流して、上記レジスト
膜52から現像液を除去した。洗浄終了後、回転軸55
を高速回転し、洗浄液を遠心分離乾燥させて現像処理を
終了した。
【0030】上記説明から明らかなように、現像液56
中の、レジスト膜52の表面付近における電位の変化を
緩やかにして、現像を安定化させるために、支持台53
および対向電極57の大きさは、少なくともシリコン基
板51と同じであるか、より大きいものが望ましい。
【0031】本実施例では、レジスト膜52と対向電極
の間の間隔を1mmとし、対向電極に印加される電位を
2Vにしたが、本発明はこれらの値に限定されるもので
はなく、それぞれ、例えば、1μm〜10mm、1mV
〜10Vの範囲から適宜選択して使用できる。また、印
加される電位の大きさは、必ずしも一定でなくてもよ
く、時間とともに変化させても、あるいは間歇的に電位
を印加してもよい。
【0032】上記処理によって形成されたパターンを、
走査型電子顕微鏡や原子間力顕微鏡によって観察したと
ころ、表面の凹凸が10nm以下の、幅100nmの良
好な微細パターンが形成されたことが確認された。一
方、上記電位の印加を行わず、通常の現像処理を行なっ
た場合は、レジストパターン表面の凹凸を10nm以下
とすることはできず、従って、形成されたレジストパタ
ーンは、上記電位を印加した場合よりもはるかに不良で
あった。
【0033】レジストの基底樹脂としては、クレゾール
ノボラックのみではなく、水性アルカリ可溶性樹脂であ
るプロピルフェノールノボラックなどのフェノール樹
脂、またはその2種類以上の混合系など、各種樹脂を使
用できる。
【0034】現像液としては、上記TMAH水溶液に限
定されることはなく、各種水性アルカリ現像液の水溶液
を使用することができ、さらに、水性アルカリ現像液以
外にも、高分子レジストを溶解できるイオン性の各種水
溶液を使用することが可能であり、この場合は、構成イ
オンの極性によって、上記電位の極性を選択すればよ
い。
【0035】〈実施例2〉上記実施例1は、ポジ型レジ
ストを使用した例を示したが、ネガ型レジストを用いた
場合にも、同様に適用できる。周知のビニル重合によっ
て得られたポリビニルフェノールを基底樹脂とし、これ
に感応性化合物である3、3’−ジアジドジフェニルス
ルホンを25重量%混合したものをレジストとし用い
た。このレジストは、電子線等の粒子線および紫外線や
X線等の電磁波に感応性があり、これらのエネルギー線
が照射された部分において基底樹脂間の架橋反応が進
み、樹脂の高分子化が進行して、潜像が形成される。潜
像部の現像液への溶解性は低下して、ネガ型レジストと
して用いられる。このレジストを、周知の回転塗布法に
よってシリコン基板上に塗布し、厚さ300nmのレジ
スト膜を形成した。
【0036】波長365nmの紫外線を、露光量100
mJ/cm2でレジスト膜の所望領域に選択的に照射し
た後、実施例1と同様に、TMAH現像液に正の電位を
印加しながら現像処理を行なった。その結果、表面の凹
凸が10nm以下、幅400nmの良好な微細パターン
を形成することができた。
【0037】レジストの基底樹脂としては、ポリビニル
フェノールのみではなく、水性アルカリ可溶性樹脂であ
るプロピルフェノールノボラック等のフェノール樹脂、
またはこれら2種類以上の混合系でもよい。
【0038】〈実施例3〉レジストを構成する基底樹脂
と感応性化合物は、上記実施例1および実施例2に記載
されたものに限定されるものではなく、その他の基底樹
脂や基底樹脂の現像液への溶解性を変化させる感応性化
合物、およびエネルギー線照射時に酸または塩基を発生
する感応性化合物も、同様に使用できる。
【0039】クレゾールノボラック、基底樹脂の現像液
への溶解を抑制する溶解抑制物質としてテトラヒドロピ
ラニル化ポリ(p−ビニルフェノール)および酸を発生
する化合物としてトリ(メタンスルホニルオキシ)ベン
ゼンを、重量比で20対15対1で混合した系からなる
レジストを形成した。このレジストを周知の回転塗布法
によってシリコン基板上に塗布し、厚さ200nmのレ
ジスト膜を形成した。
【0040】次に、加速電圧20kVの電子線を、照射
量1μC/cm2で、上記レジスト膜の所望部分に選択
的に照射した後、120℃に設定されたホットプレート
上に2分間静置してベークを行ない、レジスト反応を進
行させた。
【0041】その後、実施例1と同様に、現像液に正の
電位を印加しながら現像処理を行ない、その結果、パタ
ーンの表面の凹凸が10nm以下である、幅100nm
の微細パターンを得ることができた。
【0042】本実施例では、ポジ型レジストを用いた例
を示したが、ポジ型レジストのみではなく、ネガ型レジ
ストを同様に用いることができることはいうまでもな
い。また、エネルギー線照射によって酸が発生する化合
物のみではなく、塩基が発生する化合物も使用すること
ができる。
【0043】上記各実施例では、レジスト膜の形成は、
周知の回転塗布法によって行った場合を示したが、他の
方法、例えば蒸着法、化学的気相成長法、ラングミュア
−ブロジェット法もしくは液相成長法等、周知の各種方
法によってレジスト膜を基板上に形成してもよい。
【0044】また、上記各実施例では、エネルギー線と
して電子線や紫外線を用いたが、イオン線等の粒子線
や、遠紫外線、X線、ガンマ線を含む電磁波を用いても
よいことは、いうまでもない。さらに、上記各実施例で
は、現像液との接触によってレジスト膜の表面部が導電
性になる系を示したが、ポリチオフェンやポリアニリン
のように樹脂自体が導電性を有する系を用いてもよい。
あるいはポリビニルカルバゾールのように、光の照射に
よって導電性を帯びる樹脂を用いることもできる。この
ように、外部からのエネルギー付与によって導電性を得
る樹脂を用いた場合は、現像処理の際に同時にエネルギ
ー付与が可能となるようにすればよい。
【0045】〈実施例4〉本実施例は、本発明を半導体
装置の電極の形成に適用した例である。半導体装置の電
極は、一般に図6に示す方法によって形成される。ここ
では、酸化膜上の多結晶シリコンからなる電極を形成す
る場合について説明するが、他の材料を用いた場合に
も、同様な方法を適用できる。
【0046】まず、図6(a)に示したように、半導体
基板64上に酸化膜63および多結晶シリコン膜62を
積層して形成した後、周知の方法を用いてレジストパタ
ーン61を形成した。次に、図6(b)に示したよう
に、レジストパターン61をマスクとして用いた周知の
ドライエッチング法により、上記多結晶シリコン膜62
を所定の形状に加工した。その後、図6(c)に示すよ
うにレジストパターン61を除去してゲート電極62を
形成した。
【0047】このように、レジストパターン61を多結
晶シリコン膜62に直接転写してもよいが、薄い酸化膜
にレジストパターン61を転写した後、得られた酸化膜
のパターンを多結晶シリコン膜62に転写してもよい。
いずれの方法を用いるかは、ドライエッチングに対する
耐性の大小によって適宜選択される。
【0048】図6(a)に示したレジストパターン61
の表面に、凹凸が形成されてていると、この凹凸が多結
晶シリコン膜62に転写されてしまう。一般に、半導体
装置の形成においては、特性の安定化のために、パター
ン寸法の変動量は10%程度以下とする必要がある。こ
のため、電極幅が100nm程度となると、レジストパ
ターンの表面に形成される上記数10nm程度の凹凸の
影響を無視することはできない。
【0049】しかし、本発明によってレジストパターン
を形成すると、レジストパターンの表面における凹凸を
抑制し、微細な電極パターンを高い精度で形成できるの
で、特性が安定した半導体装置を形成できる。
【0050】本発明を用いた電極形成方法は、100n
m以下の寸法、あるいは高精度の寸法制御性が必要とさ
れる半導体装置の形成に特に有用である。本実施例は、
例えばMOS(金属−酸化膜−半導体)トランジスタ、
バイポーラ(両極性)トランジスタ、バイポーラ−CM
OS(相補性−金属−酸化膜−半導体)トランジスタ、
単一電子トランジスタ、超伝導トランジスタおよび量子
効果トランジスタなど、各種半導体装置の形成に用いる
ことができる。
【0051】また、半導体装置に限らず、光ディスク、
光磁気ディスク等の無機材料を加工する場合にも本実施
例は適用できる。このように、レジストパターンを転写
して所定のパターンを形成する際に、加工寸法が100
nm以下の領域や高精度の寸法制御性が要求される場合
に、すべて適用できる。
【0052】〈実施例5〉上記本発明による現像処理を
行なうための装置について説明する。シリコン基板71
およびその上に形成されたレジスト膜72は、所定のエ
ネルギー線照射を行った後、図7(a)に示したよう
に、前処理室74において所定のベークなどの処理を行
い、周知の搬送系75を介して金属性の支持台73上に
搬送され、周知の真空チャック等の手段によって固定さ
れる。金属性の固定部76によって、支持台73に固定
してもよい。
【0053】支持台73は金属性の回転軸77に接続さ
れており、モータ78によって高速回転可能となってい
る。支持台73、固定部76および回転軸77は互いに
接触しているので同電位であり、例えば接地されてい
る。
【0054】周知のアルカリ水溶液である例えばテトラ
メチルアンモニウムハイドロオキサイド(以下TMAH
とする)の2.38%水溶液からなる現像液79を、現
像液用ノズル80からレジスト膜72上に滴下する。こ
の際、複数の現像液を用いることができるように、現像
液数に対応して現像液用ノズル80は複数本あってもよ
い。
【0055】対向電極81を電極駆動部82によって移
動させて、図7(b)に示すように現像液79がレジス
膜72と対向電極81の間に挾まれた状態とする。支持
台73、固定部74、回転軸75および対向電極81
は、現像液と接触するので、現像液による腐食されない
ものからなっていることが望ましい。また対向電極81
は酸化されにくい金属であることが望ましい。本実施例
では、これらをいずれもステンレススチールによって形
成した。また、現像液79には、水素の発生を抑制する
酸化剤を、復極剤(消極剤)として加えてもよい。
【0056】対向電極81に、電源83から直流の正電
位を印加し、この状態で静止して現像処理を行う。正電
位の印加を終了し、対向電極57を移動させた後に、純
水等の洗浄液を洗浄液用ノズル84からレジスト膜72
に滴下して洗浄し、現像液79を除去する。洗浄終了
後、回転軸77を高速回転させて、洗浄液を遠心分離し
てレジスト膜72を乾燥させて現像処理は終了する。現
像処理の際に生じた現像液および洗浄液からなる廃液
は、廃液タンク85に貯蔵される。
【0057】レジスト膜72表面付近における現像液7
9中の電位の変化を緩やかにして、現像工程を安定化さ
せるために、支持台73および対向電極81の大きさ
は、少なくともシリコン基板71と同じであるか、より
大きいことが望ましい。
【0058】現像処理が終了したシリコン基板71およ
びレジスト膜72は、周知の搬送系86を介して、現像
後のベーク処理等を行なう後処理室87へ搬送される。
【0059】上記現像処理が行われる部分は、カバー8
8で覆われ、温度、圧力や湿度が制御されていることが
望ましい。また現像液用ノズル80や洗浄液用ノズル8
4は可動となっており、滴下時の不均一性を抑制する構
造となっていてもよい。
【0060】また、図7(b)では、現像液79がレジ
スト膜72と対向電極81の間に挾まれる形態が示され
ているが、シリコン基板71、レジスト膜72および対
向電極81が現像液79中に浸漬されていてもよい。
【0061】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よれば、レジストパターンの表面における凹凸の発生を
効果的に抑制できるので、レジスト膜表面の凹凸に起因
するパターン寸法の変動は著しく低減され、低いコスト
で高性能の半導体装置を形成するのに極めて有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】レジストパターン形成を説明するための工程
図。
【図2】従来の現像装置を説明するための模式図。
【図3】クレゾールノボラックの分子構造を示す図。
【図4】本発明の原理を説明するための図。
【図5】本発明による現像方法を説明するための図。
【図6】半導体装置の電極の形成方法を示す工程図。
【図7】本発明による現像装置を説明するための図。
【符号の説明】
11、21、64……基板、 12、22、41、5
2、72……レジスト膜、13……エネルギー線、 1
4……潜像、 23、53、73……支持台、24、5
5、77……回転軸、 25、80……現像液用ノズ
ル、26、84……洗浄液用ノズル、 42……突起
部、 43……等電位面、44……テトラメチルアンモ
ニウムイオン、 51、71……シリコン基板、54、
76……固定部、 56、79……現像液、 57、8
1……対向電極、58、83……電源、 61……レジ
ストパターン、62……多結晶シリコン膜、63……酸
化膜、 74……前処理室、 75、86……搬送系、
78……モータ、 82……電極駆動部、85……廃液
タンク、87……後処理室、 88……カバー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 信次 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物上に形成されたレジスト膜の所望
    部分にエネルギー線を選択的に照射する工程と、上記レ
    ジスト膜を所望の現像液によって現像して所望のレジス
    トパターンを形成する工程を含み、上記レジスト膜を現
    像する工程は、上記レジスト膜と上記現像液の間に所定
    の電位差を印加して行われることを特徴とするパターン
    形成方法。
  2. 【請求項2】上記電位差の印加は、上記レジスト膜に所
    定の間隔を介して上記現像液中に配置された電極に、所
    定の電位を印加することによって行われることを特徴と
    する請求項1記載のパターン形成方法。
  3. 【請求項3】上記電極は、上記被加工物の寸法以上の寸
    法を有していることを特徴とする請求項2記載のパター
    ン形成方法。
  4. 【請求項4】上記レジスト膜の表面が導電性を有してい
    ることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載
    のパターン形成方法。
  5. 【請求項5】上記現像液に対して負の電位が、上記レジ
    スト膜に印加されることを特徴とする請求項1から4の
    いずれか一に記載のパターン形成方法。
  6. 【請求項6】上記現像液は水性アルカリ現像液であるこ
    とを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載のパ
    ターン形成方法。
  7. 【請求項7】上記レジスト膜は、ベンゼン環を有するフ
    ェノール性の高分子樹脂からなる基底樹脂を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一に記載の
    パターン形成方法。
  8. 【請求項8】上記基底樹脂はクレゾールノボラック樹脂
    であることを特徴とする請求項7記載のパターン形成方
    法。
  9. 【請求項9】上記電位は1ミリボルト以上10ボルト以
    下の範囲から選ばれることを特徴とする請求項1から8
    のいずれか一に記載のパターン形成方法。
  10. 【請求項10】上記電極と上記レジスト膜の距離は1μ
    m以上10mm 以下の範囲から選ばれることを特徴と
    する請求項1から9いずれか一に記載のパターン形成方
    法。
  11. 【請求項11】上記エネルギ線は、電子線、紫外線、遠
    紫外線、イオン線、X線およびガンマ線からなる群から
    選ばれることを特徴とする請求項1から10のいずれか
    一に記載のパターン形成方法。
  12. 【請求項12】被加工物を支持すべき支持台と、上記被
    加工物上に形成されたレジスト膜を現像するための現像
    液を供給する手段と、上記レジスト膜を洗浄する手段
    と、上記支持台の上面と所定の間隔を介して対向して設
    けられた対向電極と、当該電極に所定の電位を印加する
    手段を少なくとも具備することを特徴するパターン形成
    装置。
  13. 【請求項13】上記支持台は、当該支持台の上面とは垂
    直な方向を回転軸として、上記支持台を回転させる手段
    をさらに具備していることを特徴する請求項12記載の
    パターン形成装置。
  14. 【請求項14】上記現像液を供給する手段は、上記レジ
    スト膜上に上記現像液を滴下する手段であることを特徴
    する請求項12若しくは13記載のパターン形成装置。
  15. 【請求項15】上記支持台、被加工物および対向電極
    は、上記現像液中に浸漬されることを特徴する請求項1
    2若しくは13記載のパターン形成装置。
  16. 【請求項16】上記対向電極は、上記被加工物の寸法よ
    り大きな寸法を有していることを特徴する請求項12か
    ら15のいずれか一に記載のパターン形成装置。
  17. 【請求項17】上記対向電極と上記レジスト膜の間の距
    離は、1μm以上10mm以下であることを特徴する請
    求項11から15のいずれか一に記載のパターン形成装
    置。
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Cited By (4)

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KR100650892B1 (ko) * 2005-12-28 2006-11-28 동부일렉트로닉스 주식회사 포토레지스트막패턴 형성방법
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