JPH0855339A - 磁気記録媒体製造装置 - Google Patents
磁気記録媒体製造装置Info
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- JPH0855339A JPH0855339A JP19243994A JP19243994A JPH0855339A JP H0855339 A JPH0855339 A JP H0855339A JP 19243994 A JP19243994 A JP 19243994A JP 19243994 A JP19243994 A JP 19243994A JP H0855339 A JPH0855339 A JP H0855339A
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- gas
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 冷却キャン6の周面を走行する非磁性支持体
5に対し、酸化性ガスを導入しながら、入射角が規制さ
れた金属磁性材料10の蒸気を被着させて磁性層を形成
する真空蒸着装置において、前記酸化性ガスを導入する
ためのガス放出部14は、ガス放出口14aと最小入射
角θmin にて入射する蒸気流との距離dが25mm以内
となる位置にて、マスク13の内側に配設されている。
また、ガス放出口14aから放出される酸化性ガスの角
度θGTは、前記非磁性支持体5の走行方向に対して、1
80°〜270°に設定される。 【効果】 製造された磁気記録媒体の磁気特性および電
磁変換特性が大幅に向上する。このため、さらなる高密
度記録化を図ることも可能となる。
5に対し、酸化性ガスを導入しながら、入射角が規制さ
れた金属磁性材料10の蒸気を被着させて磁性層を形成
する真空蒸着装置において、前記酸化性ガスを導入する
ためのガス放出部14は、ガス放出口14aと最小入射
角θmin にて入射する蒸気流との距離dが25mm以内
となる位置にて、マスク13の内側に配設されている。
また、ガス放出口14aから放出される酸化性ガスの角
度θGTは、前記非磁性支持体5の走行方向に対して、1
80°〜270°に設定される。 【効果】 製造された磁気記録媒体の磁気特性および電
磁変換特性が大幅に向上する。このため、さらなる高密
度記録化を図ることも可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空蒸着法によって非
磁性支持体上に磁性層となる金属磁性薄膜を形成する磁
気記録媒体製造装置に関し、特に、酸化性ガスを導入す
るための放出口の配設位置および角度に関する。
磁性支持体上に磁性層となる金属磁性薄膜を形成する磁
気記録媒体製造装置に関し、特に、酸化性ガスを導入す
るための放出口の配設位置および角度に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の
粉末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等の
有機バインダー中に分散せしめた磁性塗料を塗布、乾燥
することにより作成される塗布型の磁気記録媒体が広く
使用されている。
性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の
粉末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等の
有機バインダー中に分散せしめた磁性塗料を塗布、乾燥
することにより作成される塗布型の磁気記録媒体が広く
使用されている。
【0003】これに対して、高密度磁気記録への要求の
高まりと共に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co
−O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段
(例えば、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレ
ーティング法等)によってポリエステルフィルムやポリ
アミド、ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接
被着した、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提
案され注目を集めている。
高まりと共に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co
−O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段
(例えば、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレ
ーティング法等)によってポリエステルフィルムやポリ
アミド、ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接
被着した、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提
案され注目を集めている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は抗磁
力や角形比等に優れ、磁性層の厚みを極めて薄くできる
ため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さく短波
長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層中に
非磁性材であるそのバインダーを混入する必要が無いた
め磁性材料の充填密度を高めることができることなど、
数々の利点を有している。
力や角形比等に優れ、磁性層の厚みを極めて薄くできる
ため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さく短波
長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層中に
非磁性材であるそのバインダーを混入する必要が無いた
め磁性材料の充填密度を高めることができることなど、
数々の利点を有している。
【0005】さらに、この種の磁気記録媒体の電磁変換
特性を向上させ、より大きな出力を得ることができるよ
うにするために、該磁気記録媒体の磁性層を形成時、金
属磁性材料を斜めに蒸着するいわゆる斜方蒸着法が提案
され実用化されている。
特性を向上させ、より大きな出力を得ることができるよ
うにするために、該磁気記録媒体の磁性層を形成時、金
属磁性材料を斜めに蒸着するいわゆる斜方蒸着法が提案
され実用化されている。
【0006】この斜方蒸着法では、金属磁性材料の蒸気
をシャッターやマスクで遮って斜め入射の蒸着成分のみ
を被着させる。なお、蒸着時に酸化性ガスを同時に導入
すると、磁性層中の磁性粒子を微細化できるために、さ
らに優れた磁気特性及び電磁変換特性が実現できる。ま
た、酸化性ガスを導入することにより、金属磁性薄膜表
面に非磁性の酸化膜が形成されることとなるため、耐久
性も大きく向上する。
をシャッターやマスクで遮って斜め入射の蒸着成分のみ
を被着させる。なお、蒸着時に酸化性ガスを同時に導入
すると、磁性層中の磁性粒子を微細化できるために、さ
らに優れた磁気特性及び電磁変換特性が実現できる。ま
た、酸化性ガスを導入することにより、金属磁性薄膜表
面に非磁性の酸化膜が形成されることとなるため、耐久
性も大きく向上する。
【0007】ここで、酸化性ガスを導入しながら斜方蒸
着を行う真空蒸着装置について、図1を参照しながら説
明する。
着を行う真空蒸着装置について、図1を参照しながら説
明する。
【0008】この真空蒸着装置は、排気口1から排気さ
れて内部が真空状態となされた真空室2内に、非磁性支
持体5を走行させるための走行系と、該非磁性支持体5
に金属磁性薄膜を成膜するための成膜系が設けられてな
る。
れて内部が真空状態となされた真空室2内に、非磁性支
持体5を走行させるための走行系と、該非磁性支持体5
に金属磁性薄膜を成膜するための成膜系が設けられてな
る。
【0009】走行系は、同図中の矢印aで示す方向に定
速回転する送りロール3、同様に同図中の矢印bで示す
方向に定速回転する巻取りロール4、これらより大径と
され、同図中の矢印cで示す方向に定速回転する冷却キ
ャン6、非磁性支持体5に所定のテンションをかけ該非
磁性支持体5を円滑に走行させるために、上記送りロー
ル3と上記冷却キャン6との間及び該冷却キャン6と上
記巻取りロール4との間にそれぞれ設けられるガイドロ
ール7、8よりなる。
速回転する送りロール3、同様に同図中の矢印bで示す
方向に定速回転する巻取りロール4、これらより大径と
され、同図中の矢印cで示す方向に定速回転する冷却キ
ャン6、非磁性支持体5に所定のテンションをかけ該非
磁性支持体5を円滑に走行させるために、上記送りロー
ル3と上記冷却キャン6との間及び該冷却キャン6と上
記巻取りロール4との間にそれぞれ設けられるガイドロ
ール7、8よりなる。
【0010】そして、送りロール3から順次送り出さ
れ、巻取りロール4に巻取られるテープ状の非磁性支持
体5を図中側方に引き出すようにして冷却キャン6の周
面に走行させ、その中途部にて該非磁性支持体5に所定
の成膜がなされる。
れ、巻取りロール4に巻取られるテープ状の非磁性支持
体5を図中側方に引き出すようにして冷却キャン6の周
面に走行させ、その中途部にて該非磁性支持体5に所定
の成膜がなされる。
【0011】一方、成膜系は、上記冷却キャン6の下方
に配設され、金属磁性材料10が充填されたルツボ9、
上記ルツボ9内の金属磁性材料10を加熱蒸発させるた
めの電子銃11、上記冷却キャン6の周面の所定領域を
覆い、非磁性支持体5に被着する金属磁性材料10の蒸
気の入射角を規制するシャッタ12およびマスク13、
該マスク13の内側に設けられ、酸化性ガスを放出する
ガス放出部14よりなる。 なお、上記シャッタ12は
ルツボ9内の金属磁性材料10の溶解時には冷却キャン
6を保護する目的で開口部を閉め、蒸気量が安定した時
点で開口部を開けるように移動可能となされているが、
上記マスク13は、該シャッタ12よりも冷却キャン6
に近い位置に固定され、その先端にて、蒸気の最小入射
角θminを規制している。
に配設され、金属磁性材料10が充填されたルツボ9、
上記ルツボ9内の金属磁性材料10を加熱蒸発させるた
めの電子銃11、上記冷却キャン6の周面の所定領域を
覆い、非磁性支持体5に被着する金属磁性材料10の蒸
気の入射角を規制するシャッタ12およびマスク13、
該マスク13の内側に設けられ、酸化性ガスを放出する
ガス放出部14よりなる。 なお、上記シャッタ12は
ルツボ9内の金属磁性材料10の溶解時には冷却キャン
6を保護する目的で開口部を閉め、蒸気量が安定した時
点で開口部を開けるように移動可能となされているが、
上記マスク13は、該シャッタ12よりも冷却キャン6
に近い位置に固定され、その先端にて、蒸気の最小入射
角θminを規制している。
【0012】また、該マスク13の冷却キャン6に対向
する面に設けられたガス放出部14は、図示しないガス
供給管を介してガス供給源に接続され、酸化性ガスを真
空室2内に放出させるものであり、マスク13の幅方向
に合わせて設けられている。そして、このガス放出部1
4におけるガス放出口14aは、該ガス放出部14の幅
方向に沿ってスリット状に形成されている。
する面に設けられたガス放出部14は、図示しないガス
供給管を介してガス供給源に接続され、酸化性ガスを真
空室2内に放出させるものであり、マスク13の幅方向
に合わせて設けられている。そして、このガス放出部1
4におけるガス放出口14aは、該ガス放出部14の幅
方向に沿ってスリット状に形成されている。
【0013】そして、該ガス放出口14aは、図7に示
されるように、該ガス放出口14aにおける非磁性支持
体5の走行方向Tと酸化性ガスの放出方向(ガス放出方
向G)とがなす角をガス放出角度θGTとするとき、該ガ
ス放出角度θGTが180°未満となるように設けられい
る。なお、上記ガス放出角度θGTは、上記走行方向Tを
0°とし、冷却キャン6に近づく方向をプラス(+)の
角度、冷却キャン6から離れる方向をマイナス(−)の
角度としている。
されるように、該ガス放出口14aにおける非磁性支持
体5の走行方向Tと酸化性ガスの放出方向(ガス放出方
向G)とがなす角をガス放出角度θGTとするとき、該ガ
ス放出角度θGTが180°未満となるように設けられい
る。なお、上記ガス放出角度θGTは、上記走行方向Tを
0°とし、冷却キャン6に近づく方向をプラス(+)の
角度、冷却キャン6から離れる方向をマイナス(−)の
角度としている。
【0014】以上のような構成を有する真空蒸着装置を
用いて金属磁性材料の蒸着を行うには、先ず、真空室2
内を一定の真空度に保ち、送りロール3から送り出され
た非磁性支持体5を順次、冷却キャン6の周面に走行さ
せておく。また、電子銃11から放出される電子線Xを
ルツボ9内の金属磁性材料10に照射して、該金属磁性
材料10の蒸気を発生させるとともに、ガス放出口14
aから、ガス放出角度θGTを180°未満に制御された
酸化性ガスを一定の割合で放出させる。そして、蒸気量
が安定したらシャッタ12を開放し、マスク13にて最
小入射角θminが規制された蒸気を走行する非磁性支持
体5へ被着させたら、順次、巻取りロール4に巻き取れ
ばよい。
用いて金属磁性材料の蒸着を行うには、先ず、真空室2
内を一定の真空度に保ち、送りロール3から送り出され
た非磁性支持体5を順次、冷却キャン6の周面に走行さ
せておく。また、電子銃11から放出される電子線Xを
ルツボ9内の金属磁性材料10に照射して、該金属磁性
材料10の蒸気を発生させるとともに、ガス放出口14
aから、ガス放出角度θGTを180°未満に制御された
酸化性ガスを一定の割合で放出させる。そして、蒸気量
が安定したらシャッタ12を開放し、マスク13にて最
小入射角θminが規制された蒸気を走行する非磁性支持
体5へ被着させたら、順次、巻取りロール4に巻き取れ
ばよい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにして酸
化性ガスを導入しながら斜方蒸着を行うと、磁気テープ
の磁気特性や電磁変換特性、さらには耐久性をも大きく
向上させることができる。しかしながら、この酸化性ガ
スが過剰に導入された場合には、磁気テープの磁気特性
および電磁変換特性が劣化してしまうといった現象も起
こる。
化性ガスを導入しながら斜方蒸着を行うと、磁気テープ
の磁気特性や電磁変換特性、さらには耐久性をも大きく
向上させることができる。しかしながら、この酸化性ガ
スが過剰に導入された場合には、磁気テープの磁気特性
および電磁変換特性が劣化してしまうといった現象も起
こる。
【0016】これは、磁気テープの種々の特性は磁性層
の酸化度や表面の酸化膜層の厚みに大きく依存すること
を示しており、酸化性ガスの導入条件によって、磁気テ
ープの特性を向上させることも、劣化させることもでき
ることを示している。
の酸化度や表面の酸化膜層の厚みに大きく依存すること
を示しており、酸化性ガスの導入条件によって、磁気テ
ープの特性を向上させることも、劣化させることもでき
ることを示している。
【0017】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、酸化性ガスの導入条件を最適
化することによって、磁気記録媒体の磁気特性、電磁変
換特性、耐久性といった種々の特性を一層向上させるこ
とが可能な磁気記録媒体製造装置を提供することを目的
とする。
て提案されたものであり、酸化性ガスの導入条件を最適
化することによって、磁気記録媒体の磁気特性、電磁変
換特性、耐久性といった種々の特性を一層向上させるこ
とが可能な磁気記録媒体製造装置を提供することを目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録媒
体製造装置は、上述の目的を達成するために提案された
ものであり、走行する非磁性支持体に対し、酸化性ガス
を導入しながら、入射角が規制された金属磁性材料の蒸
気を被着させて磁性層を形成するものであり、前記酸化
性ガスを放出するガス放出口が、該ガス放出口と最小入
射角θmin にて入射する蒸気流との距離(ガス放出口蒸
気間距離)dが25mm以内となる位置に配設されてい
るものである。
体製造装置は、上述の目的を達成するために提案された
ものであり、走行する非磁性支持体に対し、酸化性ガス
を導入しながら、入射角が規制された金属磁性材料の蒸
気を被着させて磁性層を形成するものであり、前記酸化
性ガスを放出するガス放出口が、該ガス放出口と最小入
射角θmin にて入射する蒸気流との距離(ガス放出口蒸
気間距離)dが25mm以内となる位置に配設されてい
るものである。
【0019】即ち、本発明は、冷却キャン周面を走行す
る非磁性支持体に金属磁性薄膜を成膜するに際して用い
られる真空蒸着装置に関するものであり、酸化性ガスを
放出するためのガス放出口の配設位置を規制することに
より、磁気記録媒体の保磁力Hcを向上させるものであ
る。なお、ガス放出口蒸気間距離dは、ガス放出口から
放出される酸化性ガスの方向(ガス放出方向)Gにおけ
る、ガス放出口から最小入射角θmin にて入射する蒸気
流までの距離と定義する。そして、このガス放出口蒸気
間距離dが25mmを越えると、製造された磁気記録媒
体のHcが著しく劣化してしまう。
る非磁性支持体に金属磁性薄膜を成膜するに際して用い
られる真空蒸着装置に関するものであり、酸化性ガスを
放出するためのガス放出口の配設位置を規制することに
より、磁気記録媒体の保磁力Hcを向上させるものであ
る。なお、ガス放出口蒸気間距離dは、ガス放出口から
放出される酸化性ガスの方向(ガス放出方向)Gにおけ
る、ガス放出口から最小入射角θmin にて入射する蒸気
流までの距離と定義する。そして、このガス放出口蒸気
間距離dが25mmを越えると、製造された磁気記録媒
体のHcが著しく劣化してしまう。
【0020】さらに、上述の磁気記録媒体製造装置にお
いては、前記ガス放出口から放出される酸化性ガスの角
度(ガス放出角度)θGTが、前記非磁性支持体の走行方
向に対して、180°〜270°に設定されて好適であ
る。なお、該ガス放出角度θGTとは、非磁性支持体の走
行方向T(ガス放出口の配設位置における冷却キャンの
接線方向)とガス放出方向Gとがなす角にて表されるも
のであり、上記走行方向Tを0°とし、冷却キャン6に
近づく方向をプラス(+)の角度、冷却キャン6から離
れる方向をマイナス(−)の角度として数値化されたも
のと定義する。
いては、前記ガス放出口から放出される酸化性ガスの角
度(ガス放出角度)θGTが、前記非磁性支持体の走行方
向に対して、180°〜270°に設定されて好適であ
る。なお、該ガス放出角度θGTとは、非磁性支持体の走
行方向T(ガス放出口の配設位置における冷却キャンの
接線方向)とガス放出方向Gとがなす角にて表されるも
のであり、上記走行方向Tを0°とし、冷却キャン6に
近づく方向をプラス(+)の角度、冷却キャン6から離
れる方向をマイナス(−)の角度として数値化されたも
のと定義する。
【0021】このようにガス放出角度θGTの範囲を規定
すると、製造される磁気記録媒体のHcをより一層の向
上させることができる。なお、該ガス放出角度θGTは大
きいほど、製造された磁気記録媒体のHcを向上させる
効果が高いが、270°より大きくすると、酸化性ガス
を金属磁性材料の蒸気に向かって放出させることを物理
的に困難にするため好ましくない。
すると、製造される磁気記録媒体のHcをより一層の向
上させることができる。なお、該ガス放出角度θGTは大
きいほど、製造された磁気記録媒体のHcを向上させる
効果が高いが、270°より大きくすると、酸化性ガス
を金属磁性材料の蒸気に向かって放出させることを物理
的に困難にするため好ましくない。
【0022】なお、上述のガス放出口は、冷却キャンの
周面の所定領域を覆うシャッタまたはマスクに配設され
ればよい。但し、シャッタよりも冷却キャン側に設けら
れ、金属磁性材料の蒸気の最小入射角θmin を規制する
マスクの内側(冷却キャンと対向する側面)に設けられ
た方が、最終的に非磁性支持体に被着する蒸気だけに対
して直接酸化性ガスを導入することができるため効果的
である。
周面の所定領域を覆うシャッタまたはマスクに配設され
ればよい。但し、シャッタよりも冷却キャン側に設けら
れ、金属磁性材料の蒸気の最小入射角θmin を規制する
マスクの内側(冷却キャンと対向する側面)に設けられ
た方が、最終的に非磁性支持体に被着する蒸気だけに対
して直接酸化性ガスを導入することができるため効果的
である。
【0023】また、上述のガス放出口から放出される酸
化性ガスの供給量は、蒸発源の大きさや蒸着レート、シ
ャッタ又はマスクの取り付け位置によっても異なるが、
少なすぎると磁気特性や電磁変換特性が劣化し、多すぎ
ても磁気特性を劣化させるため、適宜に最適量を選ぶ必
要がある。
化性ガスの供給量は、蒸発源の大きさや蒸着レート、シ
ャッタ又はマスクの取り付け位置によっても異なるが、
少なすぎると磁気特性や電磁変換特性が劣化し、多すぎ
ても磁気特性を劣化させるため、適宜に最適量を選ぶ必
要がある。
【0024】ところで、本発明の磁気記録媒体製造装置
を用いて製造される磁気記録媒体は、非磁性支持体上に
磁性層として金属磁性薄膜が設けられてなる金属薄膜型
の磁気テープ(いわゆる蒸着テープ)であるが、これを
構成する材料は、何等限定されるものでなく、従来公知
のものがいずれも使用できる。
を用いて製造される磁気記録媒体は、非磁性支持体上に
磁性層として金属磁性薄膜が設けられてなる金属薄膜型
の磁気テープ(いわゆる蒸着テープ)であるが、これを
構成する材料は、何等限定されるものでなく、従来公知
のものがいずれも使用できる。
【0025】上述した磁気記録媒体製造装置を用いて非
磁性支持体上に磁性層として形成される金属磁性材料と
しては、通常の蒸着テ−プに使用されるものであれば如
何なるものであってもよい。例示すれば、Fe,Co,
Ni等の強磁性金属材料、Fe−Co,Co−Ni,F
e−Co−Ni,Fe−Cu,Co−Cu,Co−A
u,Co−Pt,Mn−Bi,Mn−Al,Fe−C
r,Co−Cr,Ni−Cr,Fe−Co−Cr,Co
−Ni−Cr,Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金
材料等が挙げられる。
磁性支持体上に磁性層として形成される金属磁性材料と
しては、通常の蒸着テ−プに使用されるものであれば如
何なるものであってもよい。例示すれば、Fe,Co,
Ni等の強磁性金属材料、Fe−Co,Co−Ni,F
e−Co−Ni,Fe−Cu,Co−Cu,Co−A
u,Co−Pt,Mn−Bi,Mn−Al,Fe−C
r,Co−Cr,Ni−Cr,Fe−Co−Cr,Co
−Ni−Cr,Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金
材料等が挙げられる。
【0026】また、磁性層は、上記金属磁性材料よりな
る単層膜であってもよいし多層膜であってもよい。さら
には、非磁性支持体と磁性層間に下地層を設けたり、磁
性層が多層膜よりなる場合には、各薄膜間の付着力向
上、並びに抗磁力の制御等のために中間層を設けてもよ
い。なお、本発明においては、酸化性ガスを導入しなが
ら蒸着を行うため、成膜された磁性層中には、磁性粒子
間に酸化物粒子が点在することとなり、該磁性層の表層
部には酸化物が形成されることとなる。
る単層膜であってもよいし多層膜であってもよい。さら
には、非磁性支持体と磁性層間に下地層を設けたり、磁
性層が多層膜よりなる場合には、各薄膜間の付着力向
上、並びに抗磁力の制御等のために中間層を設けてもよ
い。なお、本発明においては、酸化性ガスを導入しなが
ら蒸着を行うため、成膜された磁性層中には、磁性粒子
間に酸化物粒子が点在することとなり、該磁性層の表層
部には酸化物が形成されることとなる。
【0027】なお、上記磁性層の上には保護膜が形成さ
れていてもよいがこの材料としては、通常の金属磁性薄
膜用保護膜として一般に使用されるものであればいかな
るものであってもよい。例示すれば、カーボン,CrO
2 ,Al2 O3 ,BN,Co酸化物,MgO,Si
O2 ,Si3 O4 ,SiNx ,SiC,SiNx −Si
O2 ,ZrO2 ,TiO2 ,TiC等が挙げられる。ま
た、かかる保護膜はこれらの単層膜であってもよいし多
層膜や金属との複合膜であってもよい。
れていてもよいがこの材料としては、通常の金属磁性薄
膜用保護膜として一般に使用されるものであればいかな
るものであってもよい。例示すれば、カーボン,CrO
2 ,Al2 O3 ,BN,Co酸化物,MgO,Si
O2 ,Si3 O4 ,SiNx ,SiC,SiNx −Si
O2 ,ZrO2 ,TiO2 ,TiC等が挙げられる。ま
た、かかる保護膜はこれらの単層膜であってもよいし多
層膜や金属との複合膜であってもよい。
【0028】もちろん、製造される磁気テープの構成は
これに限定されるものではなく、必要に応じてバックコ
ート層を形成したり、非磁性支持体上に下塗層を形成し
たり、潤滑剤、防錆剤などの層を形成することは何等差
し支えない。この場合、バックコート層に含まれる非磁
性顔料、樹脂結合剤あるいは潤滑剤、防錆剤層に含まれ
る材料としては従来公知のものがいずれも使用できる。
これに限定されるものではなく、必要に応じてバックコ
ート層を形成したり、非磁性支持体上に下塗層を形成し
たり、潤滑剤、防錆剤などの層を形成することは何等差
し支えない。この場合、バックコート層に含まれる非磁
性顔料、樹脂結合剤あるいは潤滑剤、防錆剤層に含まれ
る材料としては従来公知のものがいずれも使用できる。
【0029】
【作用】本発明に係る磁気記録媒体製造装置において
は、酸化性ガスを導入するに際して、ガス放出口の配設
位置および角度が最適化されているため、これを用いて
製造された磁気記録媒体は、優れた磁気特性を有するも
のとなる。
は、酸化性ガスを導入するに際して、ガス放出口の配設
位置および角度が最適化されているため、これを用いて
製造された磁気記録媒体は、優れた磁気特性を有するも
のとなる。
【0030】具体的には、酸化性ガスを適正な条件にて
導入すると、磁性層中に金属磁性材料の酸化物粒子を点
在させることになるため、金属磁性材料粒子が微細化さ
れ、磁気記録媒体の磁気特性及び電磁変換特性が向上す
る。また、磁性層の表面には、非磁性の酸化膜が形成さ
れるために耐久性も向上する。
導入すると、磁性層中に金属磁性材料の酸化物粒子を点
在させることになるため、金属磁性材料粒子が微細化さ
れ、磁気記録媒体の磁気特性及び電磁変換特性が向上す
る。また、磁性層の表面には、非磁性の酸化膜が形成さ
れるために耐久性も向上する。
【0031】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明がこの実施例に限定されるものではな
い。
するが、本発明がこの実施例に限定されるものではな
い。
【0032】本実施例に係る磁気記録媒体製造装置は、
酸化性ガスを導入しながら斜方蒸着を行って、金属磁性
薄膜よりなる磁性層を成膜する真空蒸着装置である。以
下、図1、図2を参照しながら、この真空蒸着装置の構
成について説明する。
酸化性ガスを導入しながら斜方蒸着を行って、金属磁性
薄膜よりなる磁性層を成膜する真空蒸着装置である。以
下、図1、図2を参照しながら、この真空蒸着装置の構
成について説明する。
【0033】図1に示されるように、該真空蒸着装置
は、排気口1から排気されて内部が真空状態となされた
真空室2内に、非磁性支持体5を走行させるための走行
系と、該非磁性支持体5に金属磁性薄膜を成膜するため
の成膜系が設けられてなる。
は、排気口1から排気されて内部が真空状態となされた
真空室2内に、非磁性支持体5を走行させるための走行
系と、該非磁性支持体5に金属磁性薄膜を成膜するため
の成膜系が設けられてなる。
【0034】走行系は、同図中の矢印aで示す方向に定
速回転する送りロール3、同様に同図中の矢印bで示す
方向に定速回転する巻取りロール4、これらより大径と
され、同図中の矢印cで示す方向に定速回転する冷却キ
ャン6、上記送りロール3と上記冷却キャン6との間及
び該冷却キャン6と上記巻取りロール4との間にそれぞ
れ設けられるガイドロール7、8よりなる。
速回転する送りロール3、同様に同図中の矢印bで示す
方向に定速回転する巻取りロール4、これらより大径と
され、同図中の矢印cで示す方向に定速回転する冷却キ
ャン6、上記送りロール3と上記冷却キャン6との間及
び該冷却キャン6と上記巻取りロール4との間にそれぞ
れ設けられるガイドロール7、8よりなる。
【0035】なお、上記送りロール3、巻取りロール
4、冷却キャン6は、それぞれ非磁性支持体5の幅と略
同じ長さからなる円筒状をなすものであり、上記冷却キ
ャン6には、内部に図示しない冷却装置が設けられ、上
記非磁性支持体5の温度上昇による変形等を抑制し得る
ようになされている。また、該冷却キャン6の近傍に
は、ボンバード電極15が設けられ、非磁性支持体5の
表面に成膜される金属磁性薄膜の密着性を高める処理が
行えるようになされている。
4、冷却キャン6は、それぞれ非磁性支持体5の幅と略
同じ長さからなる円筒状をなすものであり、上記冷却キ
ャン6には、内部に図示しない冷却装置が設けられ、上
記非磁性支持体5の温度上昇による変形等を抑制し得る
ようになされている。また、該冷却キャン6の近傍に
は、ボンバード電極15が設けられ、非磁性支持体5の
表面に成膜される金属磁性薄膜の密着性を高める処理が
行えるようになされている。
【0036】そして、上記走行系においては、テープ状
の非磁性支持体5が、送りロール3から順次送り出さ
れ、巻取りロール4に巻取られる中途部で、図中側方に
引き出されるようにして冷却キャン6の周面を走行す
る。なお、ガイドロール7、8によって、上記送りロー
ル3から冷却キャン5、該冷却キャン6から巻取りロー
ル4にわたって走行する非磁性支持体5に所定のテンシ
ョンがかけられ、該非磁性支持体5が円滑に走行するよ
うになされている。
の非磁性支持体5が、送りロール3から順次送り出さ
れ、巻取りロール4に巻取られる中途部で、図中側方に
引き出されるようにして冷却キャン6の周面を走行す
る。なお、ガイドロール7、8によって、上記送りロー
ル3から冷却キャン5、該冷却キャン6から巻取りロー
ル4にわたって走行する非磁性支持体5に所定のテンシ
ョンがかけられ、該非磁性支持体5が円滑に走行するよ
うになされている。
【0037】一方、成膜系は、上記冷却キャン6の下方
に設けられたルツボ9、上記ルツボ9内に充填された金
属磁性材料10を加熱蒸発させるための電子銃11、上
記冷却キャン6の周面の所定領域を覆い、非磁性支持体
5に被着する金属磁性材料10の蒸気の入射角を規制す
るシャッタ12およびマスク13、該マスク13の内側
に設けられ、酸化性ガスを放出するガス放出部14より
なる。
に設けられたルツボ9、上記ルツボ9内に充填された金
属磁性材料10を加熱蒸発させるための電子銃11、上
記冷却キャン6の周面の所定領域を覆い、非磁性支持体
5に被着する金属磁性材料10の蒸気の入射角を規制す
るシャッタ12およびマスク13、該マスク13の内側
に設けられ、酸化性ガスを放出するガス放出部14より
なる。
【0038】なお、上記ルツボ9は、上記冷却キャン6
のロール長さと略同一長さとされた容器であり、上記電
子銃11は、該ルツボ9内の金属磁性材料10に対して
電子線Xを照射できるような位置に配設され、この電子
線Xの照射によって金属磁性材料10を蒸気化するよう
になされている。そして、この蒸気が上記冷却キャン6
の周面を定速走行する非磁性支持体5上に被着すること
によって金属磁性薄膜よりなる磁性層が成膜されるので
ある。
のロール長さと略同一長さとされた容器であり、上記電
子銃11は、該ルツボ9内の金属磁性材料10に対して
電子線Xを照射できるような位置に配設され、この電子
線Xの照射によって金属磁性材料10を蒸気化するよう
になされている。そして、この蒸気が上記冷却キャン6
の周面を定速走行する非磁性支持体5上に被着すること
によって金属磁性薄膜よりなる磁性層が成膜されるので
ある。
【0039】また、上記シャッタ12、マスク13は、
上記冷却キャン6と上記ルツボ9との間に配設され、上
記冷却キャン6の周面を定速走行する非磁性支持体5の
所定領域を覆う形で形成されている。そして、これらシ
ャッタ12とこのマスク13は、先端側の鋭角になった
先端部にて、蒸発せしめられた金属磁性材料10を上記
非磁性支持体5に対して所定の角度範囲で斜めに蒸着す
るように規制する働きをする。なお、上記シャッタ12
はルツボ9内の金属磁性材料10の溶解時には冷却キャ
ン6を保護する目的で開口部を閉め、蒸気量が安定した
時点で開口部を開けるように移動可能となされている
が、上記マスク13は、該シャッタ12よりも冷却キャ
ン6に近い位置に固定され、その先端にて、蒸気の最小
入射角θmin を規制している。また、マスク13には蒸
着源の熱により該マスク13が溶け出さないようにする
ために、その内部に冷却水が循環するようになされてい
る。
上記冷却キャン6と上記ルツボ9との間に配設され、上
記冷却キャン6の周面を定速走行する非磁性支持体5の
所定領域を覆う形で形成されている。そして、これらシ
ャッタ12とこのマスク13は、先端側の鋭角になった
先端部にて、蒸発せしめられた金属磁性材料10を上記
非磁性支持体5に対して所定の角度範囲で斜めに蒸着す
るように規制する働きをする。なお、上記シャッタ12
はルツボ9内の金属磁性材料10の溶解時には冷却キャ
ン6を保護する目的で開口部を閉め、蒸気量が安定した
時点で開口部を開けるように移動可能となされている
が、上記マスク13は、該シャッタ12よりも冷却キャ
ン6に近い位置に固定され、その先端にて、蒸気の最小
入射角θmin を規制している。また、マスク13には蒸
着源の熱により該マスク13が溶け出さないようにする
ために、その内部に冷却水が循環するようになされてい
る。
【0040】該マスク13の冷却キャン6に対向する面
には、該マスク13の幅方向に合わせてガス放出部14
が設けられており、図示しないガス供給管を介してガス
供給源に接続され、酸化性ガスを真空室2内に放出する
ようになされている。そして、このガス放出部14にお
けるガス放出口14aは、該ガス放出部14の幅方向に
沿ってスリット状に形成されている。
には、該マスク13の幅方向に合わせてガス放出部14
が設けられており、図示しないガス供給管を介してガス
供給源に接続され、酸化性ガスを真空室2内に放出する
ようになされている。そして、このガス放出部14にお
けるガス放出口14aは、該ガス放出部14の幅方向に
沿ってスリット状に形成されている。
【0041】本実施例においては、該ガス放出口14a
は、図2に示されるように、最小入射角θmin にて入射
する蒸気流との距離(ガス放出口蒸気間距離)dが25
mm以下となる位置に設けられた。また、該ガス放出口
14aにおける非磁性支持体5の走行方向Tとガス放出
方向Gとがなす角をガス放出角度θGTとするとき、該ガ
ス放出角度θGTが180°以上となるように設けられ
た。なお、上記ガス放出角度θGTは、上記走行方向Tを
0°とし、冷却キャン6に近づく方向をプラス(+)の
角度、冷却キャン6から離れる方向をマイナス(−)の
角度としている。
は、図2に示されるように、最小入射角θmin にて入射
する蒸気流との距離(ガス放出口蒸気間距離)dが25
mm以下となる位置に設けられた。また、該ガス放出口
14aにおける非磁性支持体5の走行方向Tとガス放出
方向Gとがなす角をガス放出角度θGTとするとき、該ガ
ス放出角度θGTが180°以上となるように設けられ
た。なお、上記ガス放出角度θGTは、上記走行方向Tを
0°とし、冷却キャン6に近づく方向をプラス(+)の
角度、冷却キャン6から離れる方向をマイナス(−)の
角度としている。
【0042】以上のような真空蒸着装置による磁性層の
成膜は、真空室2を一定の真空度に保ち、これらの真空
室2内にガス放出口14aにより酸化性ガスを一定の割
合で導入しながら行った。そして、走行する非磁性支持
体5に対して金属磁性材料10の蒸気の入射角を規制し
ながら、一定の厚さに金属磁性薄膜を蒸着して磁性層を
形成した。
成膜は、真空室2を一定の真空度に保ち、これらの真空
室2内にガス放出口14aにより酸化性ガスを一定の割
合で導入しながら行った。そして、走行する非磁性支持
体5に対して金属磁性材料10の蒸気の入射角を規制し
ながら、一定の厚さに金属磁性薄膜を蒸着して磁性層を
形成した。
【0043】この真空蒸着装置においては、マスク13
に配設されたガス放出部14が、そのガス放出口14a
の配設位置および角度が規制されているため、酸化性ガ
スを適正な条件にて非磁性支持体5に被着する直前の蒸
気に対して供給することができる。したがって、金属磁
性薄膜の中に酸素を効率良く取り込ませることができ、
少ないガス導入量でより大きな磁気特性を確保しながら
成膜することができる。
に配設されたガス放出部14が、そのガス放出口14a
の配設位置および角度が規制されているため、酸化性ガ
スを適正な条件にて非磁性支持体5に被着する直前の蒸
気に対して供給することができる。したがって、金属磁
性薄膜の中に酸素を効率良く取り込ませることができ、
少ないガス導入量でより大きな磁気特性を確保しながら
成膜することができる。
【0044】なお、本装置において、ガス放出口14a
の近傍に放電電極を設け、酸化性ガスを活性化する等の
変形が可能である。また、ガス放出口蒸気間距離dを2
5mm以下、ガス放出角度θGTを180°以上に設定で
きるならば、ガス放出部14をシャッタ12に設けても
よい。また、マスク13を設けずにシャッタ12もしく
はガス放出部14の先端部にて蒸着粒子の入射角規制も
行うことも可能であり、装置の大きさや構造等によって
選択すればよい。なお、本装置は、従来のガス放出口の
配設位置および角度を改善するのみであるので、既存の
設備にも容易に導入することができるものである。
の近傍に放電電極を設け、酸化性ガスを活性化する等の
変形が可能である。また、ガス放出口蒸気間距離dを2
5mm以下、ガス放出角度θGTを180°以上に設定で
きるならば、ガス放出部14をシャッタ12に設けても
よい。また、マスク13を設けずにシャッタ12もしく
はガス放出部14の先端部にて蒸着粒子の入射角規制も
行うことも可能であり、装置の大きさや構造等によって
選択すればよい。なお、本装置は、従来のガス放出口の
配設位置および角度を改善するのみであるので、既存の
設備にも容易に導入することができるものである。
【0045】ところで、上述のような真空蒸着装置を用
いて実際に磁気テープを作製するには、例えば以下のよ
うにすればよい。
いて実際に磁気テープを作製するには、例えば以下のよ
うにすればよい。
【0046】先ず、上述の真空蒸着装置を用い、下記に
示す条件にて、非磁性支持体5に対して、酸素雰囲気中
でCo−Ni合金を斜め蒸着した。
示す条件にて、非磁性支持体5に対して、酸素雰囲気中
でCo−Ni合金を斜め蒸着した。
【0047】 非磁性支持体 ベース :ポリエチレンテレフタレート 620mm幅 下塗 :アクリル酸エステルを主成分とする水溶性ラテッ クスを塗布 突起密度 約1000万個/mm2 蒸着条件 インゴット :Co80重量%,Ni20重量% 入射角 :50〜90° テープ速度 :50m/分 磁性層厚 :180〜200nm 真空度 :1×10-1Pa その後、下記の条件にてバックコート、トップコートを
施し、所定のテープ幅に裁断して磁気テープが完成し
た。
施し、所定のテープ幅に裁断して磁気テープが完成し
た。
【0048】 バックコート :カーボン、及びウレタンバインダ
ーを混合したものを0.6μm厚塗布 トップコート :パーフルオロポリエーテルを塗布 スリット幅 :8mm幅特性の評価 ここで、金属磁性薄膜成膜時の酸化性ガスの導入条件が
違なる磁気テープについて、磁気特性および電磁変換特
性を調べることにした。
ーを混合したものを0.6μm厚塗布 トップコート :パーフルオロポリエーテルを塗布 スリット幅 :8mm幅特性の評価 ここで、金属磁性薄膜成膜時の酸化性ガスの導入条件が
違なる磁気テープについて、磁気特性および電磁変換特
性を調べることにした。
【0049】先ず、真空蒸着装置におけるガス放出口蒸
気間距離dを変化させて磁気テープを作製し、保磁力H
cの変化を調べた。
気間距離dを変化させて磁気テープを作製し、保磁力H
cの変化を調べた。
【0050】具体的には、上述した真空蒸着装置におけ
るガス放出角度θGT=210°、酸素ガスの流量=30
00cc/分に設定し、ガス放出口蒸気間距離dを種々
に変化させて酸素ガスの放出を行った。なお、これ以外
は、上述した実施例と同様にして磁気テープを作製し、
各磁気テープについて保磁力HcをVSM(試料振動式
磁気特性測定装置)を用いて測定した。この結果を図3
に示す。
るガス放出角度θGT=210°、酸素ガスの流量=30
00cc/分に設定し、ガス放出口蒸気間距離dを種々
に変化させて酸素ガスの放出を行った。なお、これ以外
は、上述した実施例と同様にして磁気テープを作製し、
各磁気テープについて保磁力HcをVSM(試料振動式
磁気特性測定装置)を用いて測定した。この結果を図3
に示す。
【0051】図3より、ガス放出口蒸気間距離dを25
mmより大きくすると、保磁力Hcが著しく劣化してし
まうことがわかる。
mmより大きくすると、保磁力Hcが著しく劣化してし
まうことがわかる。
【0052】次に、上述した真空蒸着装置において、ガ
ス放出角度θGTを種々に変化させて磁気テープを作製
し、保磁力Hcの変化を調べた。なお、酸素ガスの流量
は3000cc/分に設定した。そして、これ以外は、
上述した実施例と同様にして磁気テープを作製し、各磁
気テープについて保磁力Hcを測定した。この結果を図
4に示す。
ス放出角度θGTを種々に変化させて磁気テープを作製
し、保磁力Hcの変化を調べた。なお、酸素ガスの流量
は3000cc/分に設定した。そして、これ以外は、
上述した実施例と同様にして磁気テープを作製し、各磁
気テープについて保磁力Hcを測定した。この結果を図
4に示す。
【0053】図4より、ガス放出角度θGTを180°以
上とすることにより、保磁力Hcが著しく向上すること
がわかる。
上とすることにより、保磁力Hcが著しく向上すること
がわかる。
【0054】さらに、上述した真空蒸着装置におけるガ
ス放出口蒸気間距離d=18mm、ガス放出角度θGT=
200°に規定した場合(設定A)、ガス放出口蒸気間
距離d=25mm、ガス放出角度θGT=200°に規定
した場合(設定B)、ガス放出口蒸気間距離d=43m
m、ガス放出角度θGT=180°に規定した場合(設定
C)、ガス放出角度θGT=160°に規定した場合(設
定D)について、酸素ガスの流量を種々に変化させて磁
気テープを作製し、各磁気テープの保磁力Hcおよび7
MHzにおける再生出力をそれぞれ測定した。この結果
を図5、図6に示す。なお、上記再生出力はソニー社製
8mmVTR,商品名:EV−S900改造機を用いて
測定し、ガス放出口蒸気間距離d=25mm、ガス放出
角度θGT=200°、酸素ガスの流量=1630cc/
分なる条件にて金属磁性薄膜の成膜がなされた磁気テー
プにおける出力を0dBとして、これとの相対値で示し
た。
ス放出口蒸気間距離d=18mm、ガス放出角度θGT=
200°に規定した場合(設定A)、ガス放出口蒸気間
距離d=25mm、ガス放出角度θGT=200°に規定
した場合(設定B)、ガス放出口蒸気間距離d=43m
m、ガス放出角度θGT=180°に規定した場合(設定
C)、ガス放出角度θGT=160°に規定した場合(設
定D)について、酸素ガスの流量を種々に変化させて磁
気テープを作製し、各磁気テープの保磁力Hcおよび7
MHzにおける再生出力をそれぞれ測定した。この結果
を図5、図6に示す。なお、上記再生出力はソニー社製
8mmVTR,商品名:EV−S900改造機を用いて
測定し、ガス放出口蒸気間距離d=25mm、ガス放出
角度θGT=200°、酸素ガスの流量=1630cc/
分なる条件にて金属磁性薄膜の成膜がなされた磁気テー
プにおける出力を0dBとして、これとの相対値で示し
た。
【0055】図5より、設定A〜設定Dにて作製された
いずれの磁気テープにおいても、酸素ガスの流量が多い
ほど、保磁力Hcが増大することがわかる。そして、同
じ流量にて設定A〜設定Dを比較すると、ガス放出角度
θGTが大きいほど、ガス放出口蒸気間距離dが小さいほ
ど、保磁力Hcが向上することがわかった。
いずれの磁気テープにおいても、酸素ガスの流量が多い
ほど、保磁力Hcが増大することがわかる。そして、同
じ流量にて設定A〜設定Dを比較すると、ガス放出角度
θGTが大きいほど、ガス放出口蒸気間距離dが小さいほ
ど、保磁力Hcが向上することがわかった。
【0056】また、図6からも、同じ流量にて設定A〜
設定Dを比較すると、ガス放出角度θGTが大きいほど、
ガス放出口蒸気間距離dが小さいほど、出力も増大する
ことがわかった。
設定Dを比較すると、ガス放出角度θGTが大きいほど、
ガス放出口蒸気間距離dが小さいほど、出力も増大する
ことがわかった。
【0057】さらに、同じ保磁力Hcを有する磁気テー
プ同士を比較しても、ガス放出角度θGTが大きいほど、
ガス放出口蒸気間距離dが小さいほど、出力が増大する
ことがわかる。
プ同士を比較しても、ガス放出角度θGTが大きいほど、
ガス放出口蒸気間距離dが小さいほど、出力が増大する
ことがわかる。
【0058】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、酸化
性ガスを放出するガス放出口14aの配設位置および角
度を最適化することにより、製造される磁気記録媒体の
磁気特性および電磁変換特性を大幅に向上させることが
できる。
性ガスを放出するガス放出口14aの配設位置および角
度を最適化することにより、製造される磁気記録媒体の
磁気特性および電磁変換特性を大幅に向上させることが
できる。
【0059】したがって、非常に高品質で信頼性の高い
磁気記録媒体を提供でき、さらなる高密度記録化を図る
ことも可能となるため、工業的価値が極めて高い。
磁気記録媒体を提供でき、さらなる高密度記録化を図る
ことも可能となるため、工業的価値が極めて高い。
【図1】磁気記録媒体製造装置の一構成例を示す模式図
である。
である。
【図2】本発明の磁気記録媒体製造装置における要部を
示す模式図である。
示す模式図である。
【図3】ガス放出口蒸気間距離dと保磁力Hcとの関係
を示す特性図である。
を示す特性図である。
【図4】ガス放出角度θGTと保磁力Hcとの関係を示す
特性図である。
特性図である。
【図5】酸素ガスの流量と保磁力Hcとの関係を示す特
性図である。
性図である。
【図6】酸素ガスの流量と7MHzでの再生出力との関
係を示す特性図である。
係を示す特性図である。
【図7】従来の磁気記録媒体製造装置における要部を示
す模式図である。
す模式図である。
1 排気口 2 真空室 3 送りロール 4 巻取りロール 5 非磁性支持体 6 冷却キャン 7,8 ガイドロール 9 ルツボ 10 金属磁性材料 11 電子銃 12 シャッタ 13 マスク 14 ガス放出部 14a ガス放出口 d ガス放出口蒸気間距離 θGT ガス放出角度
Claims (2)
- 【請求項1】 走行する非磁性支持体に対し、酸化性ガ
スを導入しながら、入射角が規制された金属磁性材料の
蒸気を被着させて磁性層を形成する磁気記録媒体製造装
置において、 前記酸化性ガスを放出するガス放出口が、該ガス放出口
と最小入射角にて入射する蒸気との距離が25mm以内
となる位置に配設されていることを特徴とする磁気記録
媒体製造装置。 - 【請求項2】 前記放出口のガス放出角度が、前記放出
口の配設位置における非磁性支持体の走行方向に対し
て、180°〜270°に設定されていることを特徴と
する請求項1記載の磁気記録媒体製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19243994A JPH0855339A (ja) | 1994-08-16 | 1994-08-16 | 磁気記録媒体製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19243994A JPH0855339A (ja) | 1994-08-16 | 1994-08-16 | 磁気記録媒体製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0855339A true JPH0855339A (ja) | 1996-02-27 |
Family
ID=16291329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19243994A Pending JPH0855339A (ja) | 1994-08-16 | 1994-08-16 | 磁気記録媒体製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0855339A (ja) |
-
1994
- 1994-08-16 JP JP19243994A patent/JPH0855339A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020625 |