JPH0855221A - 移動物体認識方法及びそれを用いた移動物体検出装置 - Google Patents

移動物体認識方法及びそれを用いた移動物体検出装置

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JPH0855221A
JPH0855221A JP6212043A JP21204394A JPH0855221A JP H0855221 A JPH0855221 A JP H0855221A JP 6212043 A JP6212043 A JP 6212043A JP 21204394 A JP21204394 A JP 21204394A JP H0855221 A JPH0855221 A JP H0855221A
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Tsunehiko Nakanishi
恒彦 中西
Nakatsugu Yoshikawa
仲次 吉川
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Seiwa Electric Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より素早く移動物体を検出することができる
ようにする。 【構成】 検出すべき車両及びこの車両が移動する道路
を捉える撮像装置100と、この撮像装置100からの
画像信号110のうち任意に設定された検出エリアにお
ける明度分布を注出する明度注出部200と、この明度
注出部200で注出された明度分布を矩形波を用いて近
似フーリエ変換し、前記近似フーリエ変換によって得ら
れたスペクトル分布のうち、物体幅寸法の2倍を基本周
期とする2次、3次、4次の高調波成分を検出するデジ
タルシグナルプロセッサ300と、高調波成分の比較演
算を行う演算制御部400と、検出エリアを設定するた
めのグラフィックス信号を生成するディスプレイコント
ローラー410とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動物体とこの移動物
体の背景との明度差に基づいて、前記移動物体を認識す
る移動物体認識方法と、それを用いた移動物体検出装置
とに関する。
【0002】
【従来の技術】移動物体検出装置の一種である交通計測
装置に用いられる従来の移動物体認識方法について図2
を参照しつつ説明する。この移動物体認識方法は、移動
物体としての車両Cと、この車両Cの背景としての道路
Rとの明度差を検出することによって、車両Cを認識す
るようになっている。具体的には、道路Rを見下ろした
状態で設けられた汎用のビデオカメラである撮像装置の
画像信号から車両Cの検出を行う。
【0003】例えば、図2に示すように、撮像装置が捉
えた画像中に車両Cの進行方向と直角に設定した検出エ
リアAを設け、当該検出エリアAを通過する車両Cと道
路Rとの明度差、すなわち検出エリアAにおける明度分
布を検出する。
【0004】ここで、図2に示すように、車両Cの幅寸
法をW、画像の端部と検出エリアAの一端部との間の距
離をa、画像の端部と検出エリアAの他端部との間の距
離をb、検出エリアAの一端部と車両Cの中心部までの
距離をdとする。前記dは、車両Cの位置を与える位置
情報として扱われる。
【0005】汎用のビデオシステムにおいては、画像の
明るさは被写体の平均明度に応じて自動的に調整される
ため、検出エリアAの明度分布も平均明度の変化に追従
して変化する。ここで、例えば屋外であれば、天候、時
刻等による照度の変化が道路Rの明度に大きな影響を与
えるため、正確に車両Cを検出することができなくな
る。特に、薄暮時には、道路Rの明度と車両Cの明度と
の差が小さくなるので、単なる明度の振幅のみの検出で
は、道路Rの明度の雑音が無視できなくなるため、検出
確度が低下する。
【0006】そこで、フーリエ変換を用いて車両Cをよ
り確実に検出することができる方法が創案された。以下
ではこのフーリエ変換を用いて車両Cを検出する方法を
理想的なモデルで説明する。ここで、幅寸法がWであ
り、道路Rより明るく、かつ道路Rとの明度差がHであ
る車両Cが検出エリアAを通過することによって生じる
検出エリアAでの明度分布g(x)は、図8(A)のよ
うにあらわされる
【0007】すなわち、明度分布g(x)を式であらわ
すと、 g(x)={H (d−W/2<x≦d+W) R その他の領域 }・・・(1)式 のようになる。
【0008】かかる明度分布g(x)に正弦波直交関数
を乗じて積分を行うと、明度分布g(x)の周波数スペ
クトルが得られる。
【0009】 のようにあらわされる。ただし、G(f)は明度分布g
(x)のフーリエ変換である。
【0010】なお、このフーリエ変換を行うたびに必ず
以下に示す余弦成分a(n)と、正弦成分b(n)とを
各データ毎に別個に演算する必要がある。 ただし、0≦k≦N−1であり、n=1、2、3・・・
である。また、Nはサンプル点数、g(k)は各サンプ
ル点の明度である。
【0011】また、求めるパワースペクトルP(n)
は、 P(n)={a(n)2 +b(n)2 }・・・(5)式 であらわされる。
【0012】ここで、認識対象としての車両Cの幅寸法
Wの2倍を基本周期とする高調波成分について整理する
と、 G(m/2W)=WHsinc(m/2)exp{−j2π(m/2W)d} ・・・(6)式 となる。なお、m/2Wは車両Cの幅寸法Wの2倍を基
本周期とするm次高調波数である。また、dは車両Cの
位置を与える位置情報であり、検出エリアAの端部から
車両Cの中心位置までの距離である。
【0013】次に、明度分布g(x)のパワースペクト
ルP(m/2W)を求めると、 P(m/2W)={Hsinc(m/2)}2 ・・・(7)式 となり、車両Cの幅寸法Wに対応する高調波成分に特徴
を有するようになる。この結果を周波数とパワーとの関
係としてあらわしたものが図9である。なお、図9は、
mは連続値として作図されている。
【0014】図9の特徴は、奇数次の高調波成分は、車
両Cと道路Rとの明度差Hに依存した値をとるが、偶数
次の高調波成分は明度差Hにかかわらず、常に0とな
る。従って、車両Cの検出は、基本的には奇数次高調波
成分の検出によって可能となる。
【0015】ここで、道路Rの明度に雑音が含まれる場
合には、スペクトル全体が大きくなる可能性があるの
で、単なる明度差によらず、奇数次高調波成分と偶数次
高調波成分との相対評価によって車両Cの検出を行うよ
うにしている。
【0016】第3次高調波成分を検出量とし、第2次高
調波成分と第4次高調波成分との平均値を参照量とする
ρを特徴量とし、この特徴量の大きさによって車両Cの
検出を行うようにしているのである。ここで、特徴量ρ
は、 であらわされる。
【0017】この特徴量ρは、図10に示すように、検
出エリアAの幅寸法が車両Cの幅寸法Wと一致する場合
には無限大となるが、車両Cの幅寸法Wが検出エリアA
の幅寸法と異なる場合には小さくなる。例えば、車両C
の幅寸法Wが検出エリアAの幅寸法の90%である場合
には、特徴量ρは約4程度にまで減少する。
【0018】このようにして、道路Rの明度より明るい
車両Cの検出も可能となり、車線境界線のように明度雑
音が含まれている場合にも車両Cの検出が可能となっ
た。
【0019】また、図8(B)に示すような道路Rの明
度より暗い車両Cであっも上述したものと同様の結果を
得ることができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の移動物体認識方法には以下のような問題点があ
る。すなわち、得られるデータ量に対して演算処理が多
大であるため、演算時間も増加し、車両のリアルタイム
での検出が困難になっているのである。上述したよう
に、検出エリアを画像の上下方向に設定した場合、画像
のラスタスキャンと同期してサンプリングを行うため、
明度分布は離散的なデータとなる。データとデータとの
間の時間間隔は、ラスタスキャンの1ライン走査時間、
すなわち約63.5μsec に相当する。仮に、検出エリ
アを画面の上端から下端までに設定すると、得られるデ
ータ数は走査線の数と等しい525個であり、最初のデ
ータから最後のデータを得るのに必要な時間は1/30
sec となる。この間に得られる離散的な各明度データに
対して、現在の高速型パーソナルコンピュータを用いて
フーリエ変換を行ったとしても約0.4秒を必要とす
る。これでは、リアルタイムの解析は困難である。
【0021】このようにリアルタイムの解析が困難な原
因は、フーリエ変換を行うたびに余弦、正弦を演算し、
その後に残りの演算を行うことにある。すなわち、前記
(2)式では、必ず(3)式及び(4)式で示した余弦
成分a(n)と、正弦成分b(n)とを各データ毎に別
個に演算するからである。
【0022】本発明は、上記事情に鑑みて創案されたも
ので、より素早く移動物体の検出を可能とする移動物体
認識方法及びそれを用いた移動物体検出装置を提供する
ことを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明に係る移動物体認
識方法は、移動物体とこの移動物体の背景との明度差に
基づいて、前記移動物体を認識する移動物体認識方法で
あって、予め設定された検出エリアを移動物体が通過す
ることによって生じる明度分布を矩形波を用いて近似フ
ーリエ変換し、これによって得られたスペクトル分布の
うち、物体幅寸法の2倍を基本周期とする奇数次の高調
波成分を検出することによって移動物体を認識する移動
物体認識方法において、前記矩形波は、その面積が正規
の余弦、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1で
あり、かつ線分長の中点は正弦、余弦波の波形の頂点と
なっている。
【0024】また、本発明に係る移動物体検出装置は、
検出すべき移動物体及びこの移動物体の背景を捉える撮
像装置と、この撮像装置からの画像信号のうち任意に設
定された検出エリアにおける明度分布を抽出する明度抽
出部と、この明度抽出部で抽出された明度分布を矩形波
を用いて近似フーリエ変換するデジタルシグナルプロセ
ッサと、前記近似フーリエ変換によって得られたスペク
トル分布の奇数次の高調波成分を検出する演算制御部と
を備えており、前記矩形波は、その面積が正規の余弦、
正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1であり、か
つ線分長の中点は正弦、余弦波の波形の頂点となってい
る。
【0025】
【実施例】図1は本発明に係る移動物体検出装置の概略
的ブロック図、図2は移動物体である車両と検出エリア
との関係を示すビデオモニター上の画像の概略図、図3
はこの移動物体検出装置における近似フーリエ変換に用
いられる矩形波の波形図、図4は車両が通過した検出エ
リアにおける明度分布を示すグラフ、図5は図4に示し
た明度分布に対して近似フーリエ変換を行った結果とし
てのスペクトル分布を示すグラフ、図6はデジタルシグ
ナルプロセッサの説明図、図7は理想的な明度分布(図
8参照)に対して近似フーリエ変換を行った結果として
のスペクトル分布を示すグラフである。
【0026】まず、本実施例に係る移動物体検出装置に
ついて説明する。この移動物体検出装置は、移動物体と
しての車両Cを検出するものであり、検出すべき車両C
及びこの車両Cが移動する背景としての道路Rを捉える
撮像装置100と、この撮像装置100からの画像信号
110のうち任意に設定された検出エリアAの明度分布
を抽出する明度抽出部200と、この明度抽出部200
で抽出された明度分布を近似フーリエ変換し、前記近似
フーリエ変換によって得られたスペクトル分布のうち、
物体幅寸法の2倍を基本周期とする2次、3次、4次の
高調波成分を検出するデジタルシグナルプロセッサ30
0(以下、『DSP300』とする)と、高調波成分の
比較演算を行う演算制御部400と、検出エリアを設定
するためのグラフィックス信号を作成するディスプレイ
コントローラー410とを有している。
【0027】まず、撮像装置100は、汎用のビデオカ
メラであって、道路Rを見下ろすように設置されてい
る。かかる撮像装置100は、少なくとも道路の1車線
を捉えることができる視野を有している。また、この撮
像装置100は、屋外に設置されるものであるので、直
射日光や雨風に耐えられるようにしておく必要がある。
なお、この撮像装置100には、移動物体検出装置に専
用のものであってもよいし、高速道路や主要幹線道路等
において現在使用されている交通管制用テレビモニター
システムのものを用いることも可能である。
【0028】この撮像装置100の画像は、図2に示す
ようになり、この画像の一部を検出エリアAとして設定
する。この検出エリアAの設定は、ディスプレイコント
ローラー410から出力されるグラフィックス信号に撮
像装置100からの画像信号110をスーパーインポー
ザー500により重ね合わせることによって設定する。
本実施例では、前記検出エリアAは、図2に示すよう
に、車両Cの進行方向に対して直角に設定されている。
【0029】ここで、車両Cの幅寸法をW、画像の端部
と検出エリアAの一端部との間の距離をa、画像の端部
と検出エリアAの他端部との間の距離をb、検出エリア
Aの一端部と車両Cの中心部までの距離をdとする。前
記dは、車両Cの位置を与える位置情報として扱われ
る。
【0030】前記撮像装置100からの画像信号110
のうち任意に設定された検出エリアAにおける明度分布
を抽出する明度抽出部200は、画像信号110に検出
エリアAを設定するグラフィックス信号を同期させるシ
ンクロナイザ210と、前記グラフィックス信号と画像
信号110とが同期した部分、すなわち検出エリアAに
おける明度分布を抽出するA/D変換器220と、これ
らのタイミングをとるタイミングコントローラー230
とから構成されている。
【0031】すなわち、この明度抽出部200は、検出
エリアAをグラフィックス信号で定義し、このグラフィ
ックス信号でA/D変換器220を制御して信号の抽出
を行うのである。明度抽出部200をこのように構成す
ると、膨大な画像信号110のうち一部分のみを抽出す
ることによって冗長な情報を破棄することでメモリ容量
を大幅に軽減でき、パーソナルコンピュータや簡単なシ
ステムであっても情報処理が容易という利点がある。
【0032】A/D変換器220で抽出された検出エリ
アAにおける明度分布(図4参照)は、量子化されてD
SP300に入力される。
【0033】一方、撮像装置100からの画像信号11
0は、前記明度抽出部200のみならず、スーパーイン
ポーザー500にも出力されている。このスーパーイン
ポーザー500は、ビデオモニター510に画像信号1
10に前記検出エリアAを重畳して表示するものであ
る。
【0034】また、前記明度抽出部200によって量子
化された明度が入力されるDSP300は、図3に示す
ような矩形波によって、前記明度を近似フーリエ変換す
る。この矩形波は、正弦関数、余弦関数を1、0、−1
の3値で近似させたものであり、その面積が正規の余弦
波、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1であ
り、かつ線分長の中点は正弦波、余弦波の波形の頂点と
なっている。
【0035】このような矩形波を用いるのは、データの
取り扱いを簡略化するためである。このような矩形波を
用いることにより、0〜1の中間値を取り扱う必要がな
く、1なら加算、0なら演算不履行、−1なら減算の操
作を行うことで演算が可能であり、演算時間の短縮化が
実現できる。
【0036】このDSP300は、第3次高調波と、第
2次高調波と、第4次高調波とのスペクトル分布を演算
する。ここで、第3次高調波のみならず第2次高調波及
び第4次高調波まで演算するのは以下の理由による。す
なわち、背景としての道路Rが雑音のない理想的なもの
であれば、偶数次高調波(ここでは、第2次高調波及び
第4次高調波)は0となるのであるが、実際の道路Rに
は雑音が含まれるので偶数次高調波は0とならない。こ
のため、実際には第2次高調波と、第4次高調波も必要
となるのである。
【0037】このようなDSP300では、以下のよう
にして各高調波のスペクトル分布が演算される。まず、
図6に示すように、A/D変換器220で量子化された
明度分布が3つの周波数成分毎の加減算フィルター31
0に導かれる。この加減算フィルター310は、従来の
正弦波、余弦波関数との乗算に代わるものであって、前
記(3)〜(4)式に代わるものである。すなわち、こ
の加減算フィルター310は、前記矩形波での近似フー
リエ変換に相当するものである。また、各加減算フィル
ター310に続くレジスター320は、積分計算、すな
わち前記(2)式に相当しており、1フレームごとの検
出エリアA上のスペクトル分布を演算制御部400に出
力するようになっている。
【0038】このDSP300で近似フーリエ変換され
ることによって得られたスペクトル分布は、演算制御部
400に出力される。
【0039】この演算制御部400は、通常のパーソナ
ルコンピュータを使用している。かかる演算制御部40
0では、第3次高調波成分を検出量とし、第2次及び第
4次高調波成分の平均値を参照量として得られる特徴量
ρの大きさによって移動物体を検出する。すなわち、前
記(8)式によって特徴量ρを算出し、この特徴量ρに
基づいて車両Cが存在するか否かを判定するのである。
【0040】以下に実際に実験した場合に得られた結果
について図4及び図5を参照しつつ説明する。この実験
は、名神高速道路下り車線の大津トンネル入口で白色の
車両Cを昼間時に撮像した。
【0041】図4は、明度抽出部200のA/D変換器
220からの出力、すなわち検出エリアAにおける明度
分布を示すグラフである。ただし、A/D変換器220
からの実際の出力は、サンプリングされているので離散
的な値を有するものであるが、図4では見やすさのため
に包絡線で結んである。
【0042】すなわち、高原状に高くなった部分は車両
Cの明度であり、その両側の低くなった部分は道路Rの
明度を示している。図4を見ると道路Rより車両Cの明
度の方が大きいことが判る。
【0043】このA/D変換器220からの出力をDS
P300に入力した結果が図5である。ここでは、車両
Cの幅寸法Wは小型車に準じて1.7mとしている。図
5を検討すると、データに若干の乱れは生じるが、特徴
量ρの演算に用いられる第3次高調波付近での極大値、
第2次及び第4次高調波付近での極小値をとる傾向はそ
のままである。従って、上述したような矩形波を用いた
近似フーリエ変換によって車両Cを検出することは十分
可能であることが理解できる。
【0044】このようなスペクトル分布が演算制御部4
00に対して出力され、演算制御部400は、前記
(8)式に基づいて特徴量ρを算出し、車両Cを検出す
るのである。
【0045】特に、従来の技術の欄で用いた図8のよう
な理想的な明度分布に対して矩形波を用いた近似フーリ
エ変換を行った結果が図7に実線に示されており、図5
と比較しても車両Cを検出することは十分可能であるこ
とがわかる。
【0046】背景より暗い車両、すなわち道路Rより黒
色の車両Cであっても、白色の車両Cと同様の結果を得
ることができた。
【0047】なお、上述した実施例では、移動物体検出
装置としての車両検出装置を例としたが、本発明がこれ
に限定されるわけではない。例えば、平行な検出エリア
を複数個設け、各検出エリアを通過する時間差に基づい
て移動物体の移動速度を検出することができる。
【0048】
【発明の効果】上述したように本発明に係る移動物体認
識方法は、移動物体とこの移動物体の背景との明度差に
基づいて、前記移動物体を認識する移動物体認識方法で
あって、予め設定された検出エリアを移動物体が通過す
ることによって生じる明度分布を矩形波を用いて近似フ
ーリエ変換し、これによって得られたスペクトル分布の
奇数次の高調波成分を検出することによって移動物体を
認識するようになっている。ここで、矩形波を用いた近
似フーリエ変換を行い、正弦関数及び余弦関数を演算す
る必要がないので、演算を高速化することができる。特
に、前記矩形波として、その面積が正規の余弦、正弦波
の各半周期の面積と等しく、振幅が1であり、かつ線分
長の中点は正弦、余弦波の波形の頂点となっているもの
を用いると、より高速化が可能となる。
【0049】また、前記奇数次の高調波成分の検出に
は、第3次高調波成分を検出量とし、第2次及び第4時
高調波成分の平均値を参照量として得られる特徴量の大
きさに基づいて行うようになっている。このようにする
と、背景に雑音があってもより正確に移動物体を検出す
ることができる。
【0050】一方、本発明に係る移動物体検出装置は、
検出すべき移動物体及びこの移動物体の背景を捉える撮
像装置と、この撮像装置からの画像信号のうち任意に設
定された検出エリアにおける明度分布を抽出する明度抽
出部と、この明度抽出部で抽出された明度分布を矩形波
を用いて近似フーリエ変換し、前記近似フーリエ変換に
よって得られたスペクトル分布のうち、物体幅寸法の2
倍を基本周期とする2次、3次、4次の高調波成分を検
出するデジタルシグナルプロセッサと、高調波成分の比
較演算を行う演算制御部と、検出エリアを設定するため
のグラフィックス信号を生成するディスプレイコントロ
ーラーとを備えており、前記矩形波は、その面積が正規
の余弦、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1で
あり、かつ線分長の中点は正弦、余弦波の波形の頂点と
なっている。このようにすると、フーリエ変換における
正弦関数及び余弦関数を演算する必要がないので、演算
を高速化することができる。特に、近似フーリエ変換を
行う専用のデジタルシグナルプロセッサを用いたので、
演算の高速化を図ることができる。
【0051】また、前記演算制御部では、第3次高調波
成分を検出量とし、第2次及び第4次高調波成分の平均
値を参照量として得られる特徴量の大きさによって移動
物体を検出するようになっているので、背景に雑音があ
ってもより正確に移動物体を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動物体検出装置の概略的ブロッ
ク図である。
【図2】移動物体である車両と検出エリアとの関係を示
すビデオモニター上の画像の概略図である。
【図3】この移動物体検出装置における近似フーリエ変
換に用いられる矩形波の波形図である。
【図4】車両が通過した検出エリアにおける明度分布を
示すグラフである。
【図5】図4に示した明度分布に対して近似フーリエ変
換を行った結果としてのスペクトル分布を示すグラフで
ある。
【図6】デジタルシグナルプロセッサの説明図である。
【図7】理想的な明度分布に対して近似フーリエ変換を
行った結果としてのスペクトル分布を示すグラフであ
る。
【図8】検出エリアにおける理想的な明度分布を示すグ
ラフである。
【図9】図8で示した明度分布に対してフーリエ変換を
行った結果としてのスペクトル分布を示すグラフであ
る。
【図10】車両の幅寸法と検出エリアの幅寸法との比率
と、特徴量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100 撮像装置 200 明度抽出部 300 デジタルシグナルプロセッサ(DSP) 400 演算制御部 C 車両(移動物体) R 道路(背景)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 7/18 K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動物体とこの移動物体の背景との明度
    差に基づいて、前記移動物体を認識する移動物体認識方
    法であって、予め設定された検出エリアを移動物体が通
    過することによって生じる明度分布を矩形波を用いて近
    似フーリエ変換し、これによって得られたスペクトル分
    布のうち、物体幅寸法の2倍を基本周期とする奇数次の
    高調波成分を検出することによって移動物体を認識する
    移動物体認識方法において、前記矩形波は、その面積が
    正規の余弦、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が
    1であり、かつ線分長の中点は正弦、余弦波の波形の頂
    点となっているものであることを特徴とする移動物体認
    識方法。
  2. 【請求項2】 前記奇数次の高調波成分の検出には、第
    3次高調波成分を検出量とし、第2次及び第4時高調波
    成分の平均値を参照量として得られる特徴量の大きさに
    基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の移動物体
    認識方法。
  3. 【請求項3】 検出すべき移動物体及びこの移動物体の
    背景を捉える撮像装置と、この撮像装置からの画像信号
    のうち任意に設定された検出エリアにおける明度分布を
    抽出する明度抽出部と、この明度抽出部で抽出された明
    度分布を矩形波を用いて近似フーリエ変換するデジタル
    シグナルプロセッサと、前記近似フーリエ変換によって
    得られたスペクトル分布の奇数次の高調波成分を検出す
    る演算制御部とを具備しており、前記矩形波は、その面
    積が正規の余弦、正弦波の各半周期の面積と等しく、振
    幅が1であり、かつ線分長の中点は正弦、余弦波の波形
    の頂点となっていることを特徴とする移動物体検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記演算制御部では、第3次高調波成分
    を検出量とし、第2次及び第4次高調波成分の平均値を
    参照量として得られる特徴量の大きさによって移動物体
    を検出することを特徴とする請求項3記載の移動物体検
    出装置。
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