JP3557252B2 - 移動物体認識方法及びそれを用いた移動物体検出装置 - Google Patents

移動物体認識方法及びそれを用いた移動物体検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、移動物体とこの移動物体の背景との明度差に基づいて、前記移動物体を認識する移動物体認識方法と、それを用いた移動物体検出装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動物体検出装置の一種である交通計測装置に用いられる従来の移動物体認識方法について図2を参照しつつ説明する。
この移動物体認識方法は、移動物体としての車両Cと、この車両Cの背景としての道路Rとの明度差を検出することによって、車両Cを認識するようになっている。具体的には、道路Rを見下ろした状態で設けられた汎用のビデオカメラである撮像装置の画像信号から車両Cの検出を行う。
【0003】
例えば、図2に示すように、撮像装置が捉えた画像中に車両Cの進行方向と直角に設定した検出エリアAを設け、当該検出エリアAを通過する車両Cと道路Rとの明度差、すなわち検出エリアAにおける明度分布を検出する。
【0004】
ここで、図2に示すように、車両Cの幅寸法をW、画像の端部と検出エリアAの一端部との間の距離をa、画像の端部と検出エリアAの他端部との間の距離をb、検出エリアAの一端部と車両Cの中心部までの距離をdとする。前記dは、車両Cの位置を与える位置情報として扱われる。
【0005】
汎用のビデオシステムにおいては、画像の明るさは被写体の平均明度に応じて自動的に調整されるため、検出エリアAの明度分布も平均明度の変化に追従して変化する。ここで、例えば屋外であれば、天候、時刻等による照度の変化が道路Rの明度に大きな影響を与えるため、正確に車両Cを検出することができなくなる。特に、薄暮時には、道路Rの明度と車両Cの明度との差が小さくなるので、単なる明度の振幅のみの検出では、道路Rの明度の雑音が無視できなくなるため、検出確度が低下する。
【0006】
そこで、フーリエ変換を用いて車両Cをより確実に検出することができる方法が創案された。以下ではこのフーリエ変換を用いて車両Cを検出する方法を理想的なモデルで説明する。
ここで、幅寸法がWであり、道路Rより明るく、かつ道路Rとの明度差がHである車両Cが検出エリアAを通過することによって生じる検出エリアAでの明度分布g(x)は、図8(A)のようにあらわされる
【0007】
すなわち、明度分布g(x)を式であらわすと、
Figure 0003557252
のようになる。
【0008】
かかる明度分布g(x)に正弦波直交関数を乗じて積分を行うと、明度分布g(x)の周波数スペクトルが得られる。
【0009】
Figure 0003557252
のようにあらわされる。ただし、G(f)は明度分布g(x)のフーリエ変換である。
【0010】
なお、このフーリエ変換を行うたびに必ず以下に示す余弦成分a(n)と、正弦成分b(n)とを各データ毎に別個に演算する必要がある。
Figure 0003557252
ただし、0≦k≦N−1であり、n=1、2、3・・・である。また、Nはサンプル点数、g(k)は各サンプル点の明度である。
【0011】
また、求めるパワースペクトルP(n)は、
P(n)={a(n)+b(n)}・・・(5)式
であらわされる。
【0012】
ここで、認識対象としての車両Cの幅寸法Wの2倍を基本周期とする高調波成分について整理すると、
Figure 0003557252
となる。
なお、m/2Wは車両Cの幅寸法Wの2倍を基本周期とするm次高調波数である。また、dは車両Cの位置を与える位置情報であり、検出エリアAの端部から車両Cの中心位置までの距離である。
【0013】
次に、明度分布g(x)のパワースペクトルP(m/2W)を求めると、
P(m/2W)={Hsinc(m/2)}・・・(7)式
となり、車両Cの幅寸法Wに対応する高調波成分に特徴を有するようになる。この結果を周波数とパワーとの関係としてあらわしたものが図9である。なお、図9は、mは連続値として作図されている。
【0014】
図9の特徴は、奇数次の高調波成分は、車両Cと道路Rとの明度差Hに依存した値をとるが、偶数次の高調波成分は明度差Hにかかわらず、常に0となる。従って、車両Cの検出は、基本的には奇数次高調波成分の検出によって可能となる。
【0015】
ここで、道路Rの明度に雑音が含まれる場合には、スペクトル全体が大きくなる可能性があるので、単なる明度差によらず、奇数次高調波成分と偶数次高調波成分との相対評価によって車両Cの検出を行うようにしている。
【0016】
第3次高調波成分を検出量とし、第2次高調波成分と第4次高調波成分との平均値を参照量とするρを特徴量とし、この特徴量の大きさによって車両Cの検出を行うようにしているのである。ここで、特徴量ρは、
Figure 0003557252
であらわされる。
【0017】
この特徴量ρは、図10に示すように、検出エリアAの幅寸法が車両Cの幅寸法Wと一致する場合には無限大となるが、車両Cの幅寸法Wが検出エリアAの幅寸法と異なる場合には小さくなる。例えば、車両Cの幅寸法Wが検出エリアAの幅寸法の90%である場合には、特徴量ρは約4程度にまで減少する。
【0018】
このようにして、道路Rの明度より明るい車両Cの検出も可能となり、車線境界線のように明度雑音が含まれている場合にも車両Cの検出が可能となった。
【0019】
また、図8(B)に示すような道路Rの明度より暗い車両Cであっも上述したものと同様の結果を得ることができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の移動物体認識方法には以下のような問題点がある。
すなわち、得られるデータ量に対して演算処理が多大であるため、演算時間も増加し、車両のリアルタイムでの検出が困難になっているのである。上述したように、検出エリアを画像の上下方向に設定した場合、画像のラスタスキャンと同期してサンプリングを行うため、明度分布は離散的なデータとなる。データとデータとの間の時間間隔は、ラスタスキャンの1ライン走査時間、すなわち約63.5μsec に相当する。仮に、検出エリアを画面の上端から下端までに設定すると、得られるデータ数は走査線の数と等しい525個であり、最初のデータから最後のデータを得るのに必要な時間は1/30sec となる。この間に得られる離散的な各明度データに対して、現在の高速型パーソナルコンピュータを用いてフーリエ変換を行ったとしても約0.4秒を必要とする。これでは、リアルタイムの解析は困難である。
【0021】
このようにリアルタイムの解析が困難な原因は、フーリエ変換を行うたびに余弦、正弦を演算し、その後に残りの演算を行うことにある。すなわち、前記(2)式では、必ず(3)式及び(4)式で示した余弦成分a(n)と、正弦成分b(n)とを各データ毎に別個に演算するからである。
【0022】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたもので、より素早く移動物体の検出を可能とする移動物体認識方法及びそれを用いた移動物体検出装置を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る移動物体認識方法は、移動物体とこの移動物体の背景との明度差に基づいて、前記移動物体を認識する移動物体認識方法であって、予め設定された検出エリアを移動物体が通過することによって生じる明度分布を矩形波を用いて近似フーリエ変換し、これによって得られたスペクトル分布のうち、物体幅寸法の2倍を基本周期とする奇数次の高調波成分を検出することによって移動物体を認識する移動物体認識方法において、前記矩形波は、その面積が正規の余弦、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1であり、かつ線分長の中点は正弦、余弦波の波形の頂点となっている。
【0024】
また、本発明に係る移動物体検出装置は、検出すべき移動物体及びこの移動物体の背景を捉える撮像装置と、この撮像装置からの画像信号のうち任意に設定された検出エリアにおける明度分布を抽出する明度抽出部と、この明度抽出部で抽出された明度分布を矩形波を用いて近似フーリエ変換するデジタルシグナルプロセッサと、前記近似フーリエ変換によって得られたスペクトル分布の奇数次の高調波成分を検出する演算制御部とを備えており、前記矩形波は、その面積が正規の余弦、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1であり、かつ線分長の中点は正弦、余弦波の波形の頂点となっている。
【0025】
【実施例】
図1は本発明に係る移動物体検出装置の概略的ブロック図、図2は移動物体である車両と検出エリアとの関係を示すビデオモニター上の画像の概略図、図3はこの移動物体検出装置における近似フーリエ変換に用いられる矩形波の波形図、図4は車両が通過した検出エリアにおける明度分布を示すグラフ、図5は図4に示した明度分布に対して近似フーリエ変換を行った結果としてのスペクトル分布を示すグラフ、図6はデジタルシグナルプロセッサの説明図、図7は理想的な明度分布(図8参照)に対して近似フーリエ変換を行った結果としてのスペクトル分布を示すグラフである。
【0026】
まず、本実施例に係る移動物体検出装置について説明する。
この移動物体検出装置は、移動物体としての車両Cを検出するものであり、検出すべき車両C及びこの車両Cが移動する背景としての道路Rを捉える撮像装置100と、この撮像装置100からの画像信号110のうち任意に設定された検出エリアAの明度分布を抽出する明度抽出部200と、この明度抽出部200で抽出された明度分布を近似フーリエ変換し、前記近似フーリエ変換によって得られたスペクトル分布のうち、物体幅寸法の2倍を基本周期とする2次、3次、4次の高調波成分を検出するデジタルシグナルプロセッサ300(以下、『DSP300』とする)と、高調波成分の比較演算を行う演算制御部400と、検出エリアを設定するためのグラフィックス信号を作成するディスプレイコントローラー410とを有している。
【0027】
まず、撮像装置100は、汎用のビデオカメラであって、道路Rを見下ろすように設置されている。かかる撮像装置100は、少なくとも道路の1車線を捉えることができる視野を有している。また、この撮像装置100は、屋外に設置されるものであるので、直射日光や雨風に耐えられるようにしておく必要がある。なお、この撮像装置100には、移動物体検出装置に専用のものであってもよいし、高速道路や主要幹線道路等において現在使用されている交通管制用テレビモニターシステムのものを用いることも可能である。
【0028】
この撮像装置100の画像は、図2に示すようになり、この画像の一部を検出エリアAとして設定する。この検出エリアAの設定は、ディスプレイコントローラー410から出力されるグラフィックス信号に撮像装置100からの画像信号110をスーパーインポーザー500により重ね合わせることによって設定する。本実施例では、前記検出エリアAは、図2に示すように、車両Cの進行方向に対して直角に設定されている。
【0029】
ここで、車両Cの幅寸法をW、画像の端部と検出エリアAの一端部との間の距離をa、画像の端部と検出エリアAの他端部との間の距離をb、検出エリアAの一端部と車両Cの中心部までの距離をdとする。前記dは、車両Cの位置を与える位置情報として扱われる。
【0030】
前記撮像装置100からの画像信号110のうち任意に設定された検出エリアAにおける明度分布を抽出する明度抽出部200は、画像信号110に検出エリアAを設定するグラフィックス信号を同期させるシンクロナイザ210と、前記グラフィックス信号と画像信号110とが同期した部分、すなわち検出エリアAにおける明度分布を抽出するA/D変換器220と、これらのタイミングをとるタイミングコントローラー230とから構成されている。
【0031】
すなわち、この明度抽出部200は、検出エリアAをグラフィックス信号で定義し、このグラフィックス信号でA/D変換器220を制御して信号の抽出を行うのである。明度抽出部200をこのように構成すると、膨大な画像信号110のうち一部分のみを抽出することによって冗長な情報を破棄することでメモリ容量を大幅に軽減でき、パーソナルコンピュータや簡単なシステムであっても情報処理が容易という利点がある。
【0032】
A/D変換器220で抽出された検出エリアAにおける明度分布(図4参照)は、量子化されてDSP300に入力される。
【0033】
一方、撮像装置100からの画像信号110は、前記明度抽出部200のみならず、スーパーインポーザー500にも出力されている。このスーパーインポーザー500は、ビデオモニター510に画像信号110に前記検出エリアAを重畳して表示するものである。
【0034】
また、前記明度抽出部200によって量子化された明度が入力されるDSP300は、図3に示すような矩形波によって、前記明度を近似フーリエ変換する。この矩形波は、正弦関数、余弦関数を1、0、−1の3値で近似させたものであり、その面積が正規の余弦波、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1であり、かつ線分長の中点は正弦波、余弦波の波形の頂点となっている。
【0035】
このような矩形波を用いるのは、データの取り扱いを簡略化するためである。このような矩形波を用いることにより、0〜1の中間値を取り扱う必要がなく、1なら加算、0なら演算不履行、−1なら減算の操作を行うことで演算が可能であり、演算時間の短縮化が実現できる。
【0036】
このDSP300は、第3次高調波と、第2次高調波と、第4次高調波とのスペクトル分布を演算する。ここで、第3次高調波のみならず第2次高調波及び第4次高調波まで演算するのは以下の理由による。すなわち、背景としての道路Rが雑音のない理想的なものであれば、偶数次高調波(ここでは、第2次高調波及び第4次高調波)は0となるのであるが、実際の道路Rには雑音が含まれるので偶数次高調波は0とならない。このため、実際には第2次高調波と、第4次高調波も必要となるのである。
【0037】
このようなDSP300では、以下のようにして各高調波のスペクトル分布が演算される。まず、図6に示すように、A/D変換器220で量子化された明度分布が3つの周波数成分毎の加減算フィルター310に導かれる。この加減算フィルター310は、従来の正弦波、余弦波関数との乗算に代わるものであって、前記(3)〜(4)式に代わるものである。すなわち、この加減算フィルター310は、前記矩形波での近似フーリエ変換に相当するものである。また、各加減算フィルター310に続くレジスター320は、積分計算、すなわち前記(2)式に相当しており、1フレームごとの検出エリアA上のスペクトル分布を演算制御部400に出力するようになっている。
【0038】
このDSP300で近似フーリエ変換されることによって得られたスペクトル分布は、演算制御部400に出力される。
【0039】
この演算制御部400は、通常のパーソナルコンピュータを使用している。かかる演算制御部400では、第3次高調波成分を検出量とし、第2次及び第4次高調波成分の平均値を参照量として得られる特徴量ρの大きさによって移動物体を検出する。すなわち、前記(8)式によって特徴量ρを算出し、この特徴量ρに基づいて車両Cが存在するか否かを判定するのである。
【0040】
以下に実際に実験した場合に得られた結果について図4及び図5を参照しつつ説明する。この実験は、名神高速道路下り車線の大津トンネル入口で白色の車両Cを昼間時に撮像した。
【0041】
図4は、明度抽出部200のA/D変換器220からの出力、すなわち検出エリアAにおける明度分布を示すグラフである。ただし、A/D変換器220からの実際の出力は、サンプリングされているので離散的な値を有するものであるが、図4では見やすさのために包絡線で結んである。
【0042】
すなわち、高原状に高くなった部分は車両Cの明度であり、その両側の低くなった部分は道路Rの明度を示している。図4を見ると道路Rより車両Cの明度の方が大きいことが判る。
【0043】
このA/D変換器220からの出力をDSP300に入力した結果が図5である。ここでは、車両Cの幅寸法Wは小型車に準じて1.7mとしている。図5を検討すると、データに若干の乱れは生じるが、特徴量ρの演算に用いられる第3次高調波付近での極大値、第2次及び第4次高調波付近での極小値をとる傾向はそのままである。従って、上述したような矩形波を用いた近似フーリエ変換によって車両Cを検出することは十分可能であることが理解できる。
【0044】
このようなスペクトル分布が演算制御部400に対して出力され、演算制御部400は、前記(8)式に基づいて特徴量ρを算出し、車両Cを検出するのである。
【0045】
特に、従来の技術の欄で用いた図8のような理想的な明度分布に対して矩形波を用いた近似フーリエ変換を行った結果が図7に実線に示されており、図5と比較しても車両Cを検出することは十分可能であることがわかる。
【0046】
背景より暗い車両、すなわち道路Rより黒色の車両Cであっても、白色の車両Cと同様の結果を得ることができた。
【0047】
なお、上述した実施例では、移動物体検出装置としての車両検出装置を例としたが、本発明がこれに限定されるわけではない。例えば、平行な検出エリアを複数個設け、各検出エリアを通過する時間差に基づいて移動物体の移動速度を検出することができる。
【0048】
【発明の効果】
上述したように本発明に係る移動物体認識方法は、移動物体とこの移動物体の背景との明度差に基づいて、前記移動物体を認識する移動物体認識方法であって、予め設定された検出エリアを移動物体が通過することによって生じる明度分布を矩形波を用いて近似フーリエ変換し、これによって得られたスペクトル分布の奇数次の高調波成分を検出することによって移動物体を認識するようになっている。ここで、矩形波を用いた近似フーリエ変換を行い、正弦関数及び余弦関数を演算する必要がないので、演算を高速化することができる。特に、前記矩形波として、その面積が正規の余弦、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1であり、かつ線分長の中点は正弦、余弦波の波形の頂点となっているものを用いると、より高速化が可能となる。
【0049】
また、前記奇数次の高調波成分の検出には、第3次高調波成分を検出量とし、第2次及び第4時高調波成分の平均値を参照量として得られる特徴量の大きさに基づいて行うようになっている。このようにすると、背景に雑音があってもより正確に移動物体を検出することができる。
【0050】
一方、本発明に係る移動物体検出装置は、検出すべき移動物体及びこの移動物体の背景を捉える撮像装置と、この撮像装置からの画像信号のうち任意に設定された検出エリアにおける明度分布を抽出する明度抽出部と、この明度抽出部で抽出された明度分布を矩形波を用いて近似フーリエ変換し、前記近似フーリエ変換によって得られたスペクトル分布のうち、物体幅寸法の2倍を基本周期とする2次、3次、4次の高調波成分を検出するデジタルシグナルプロセッサと、高調波成分の比較演算を行う演算制御部と、検出エリアを設定するためのグラフィックス信号を生成するディスプレイコントローラーとを備えており、前記矩形波は、その面積が正規の余弦、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1であり、かつ線分長の中点は正弦、余弦波の波形の頂点となっている。このようにすると、フーリエ変換における正弦関数及び余弦関数を演算する必要がないので、演算を高速化することができる。特に、近似フーリエ変換を行う専用のデジタルシグナルプロセッサを用いたので、演算の高速化を図ることができる。
【0051】
また、前記演算制御部では、第3次高調波成分を検出量とし、第2次及び第4次高調波成分の平均値を参照量として得られる特徴量の大きさによって移動物体を検出するようになっているので、背景に雑音があってもより正確に移動物体を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動物体検出装置の概略的ブロック図である。
【図2】移動物体である車両と検出エリアとの関係を示すビデオモニター上の画像の概略図である。
【図3】この移動物体検出装置における近似フーリエ変換に用いられる矩形波の波形図である。
【図4】車両が通過した検出エリアにおける明度分布を示すグラフである。
【図5】図4に示した明度分布に対して近似フーリエ変換を行った結果としてのスペクトル分布を示すグラフである。
【図6】デジタルシグナルプロセッサの説明図である。
【図7】理想的な明度分布に対して近似フーリエ変換を行った結果としてのスペクトル分布を示すグラフである。
【図8】検出エリアにおける理想的な明度分布を示すグラフである。
【図9】図8で示した明度分布に対してフーリエ変換を行った結果としてのスペクトル分布を示すグラフである。
【図10】車両の幅寸法と検出エリアの幅寸法との比率と、特徴量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100 撮像装置
200 明度抽出部
300 デジタルシグナルプロセッサ(DSP)
400 演算制御部
C 車両(移動物体)
R 道路(背景)

Claims (4)

  1. 移動物体とこの移動物体の背景との明度差に基づいて、前記移動物体を認識する移動物体認識方法であって、予め設定された検出エリアを移動物体が通過することによって生じる明度分布を矩形波を用いて近似フーリエ変換し、これによって得られたスペクトル分布のうち、物体幅寸法の2倍を基本周期とする奇数次の高調波成分を検出することによって移動物体を認識する移動物体認識方法において、前記矩形波は、その面積が正規の余弦、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1であり、かつ線分長の中点は正弦、余弦波の波形の頂点となっているものであることを特徴とする移動物体認識方法。
  2. 前記奇数次の高調波成分の検出には、第3次高調波成分を検出量とし、第2次及び第4時高調波成分の平均値を参照量として得られる特徴量の大きさに基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の移動物体認識方法。
  3. 検出すべき移動物体及びこの移動物体の背景を捉える撮像装置と、この撮像装置からの画像信号のうち任意に設定された検出エリアにおける明度分布を抽出する明度抽出部と、この明度抽出部で抽出された明度分布を矩形波を用いて近似フーリエ変換するデジタルシグナルプロセッサと、前記近似フーリエ変換によって得られたスペクトル分布の奇数次の高調波成分を検出する演算制御部とを具備しており、前記矩形波は、その面積が正規の余弦、正弦波の各半周期の面積と等しく、振幅が1であり、かつ線分長の中点は正弦、余弦波の波形の頂点となっていることを特徴とする移動物体検出装置。
  4. 前記演算制御部では、第3次高調波成分を検出量とし、第2次及び第4次高調波成分の平均値を参照量として得られる特徴量の大きさによって移動物体を検出することを特徴とする請求項3記載の移動物体検出装置。
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