JPH0853A - コンバイン - Google Patents

コンバイン

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JPH0853A
JPH0853A JP14131194A JP14131194A JPH0853A JP H0853 A JPH0853 A JP H0853A JP 14131194 A JP14131194 A JP 14131194A JP 14131194 A JP14131194 A JP 14131194A JP H0853 A JPH0853 A JP H0853A
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Kazuhiro Takahara
高原  一浩
Suezo Ueda
末蔵 上田
Toshio Tominaga
俊夫 富永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 選別処理物量の過大状態を発生させないよう
な状態で車速制御を実行して3番ロスの増加や穀粒の損
傷等の不具合発生を回避させ、併せて、車速を極力高速
状態に維持して刈取作業能率の低下をも回避させる。 【構成】 処理物量検出手段S5にて検出される扱室A
から漏下する選別処理物の量が多いほど選別装置の処理
能力を大きくすべく処理能力変更手段M1,M2を調節
作動させる選別制御と、負荷検出手段S7,Hにて検出
されるエンジン負荷を目標負荷範囲に維持すべく車速変
速用の変速装置12を変速操作する車速制御とを実行す
る制御手段Hが、車速検出手段S6による検出車速の最
大値を設定上限車速として記憶する最大車速記憶手段1
00の情報に基づいて、検出車速が設定上限車速を超え
ない状態で車速制御を実行し、選別処理物量が選別装置
の処理能力の上限値を超えると、設定上限車速を設定量
低速の車速値に補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、扱室から漏下する選別
処理物の量を検出する処理物量検出手段の情報に基づい
て、その選別処理物量が多いほど選別装置の処理能力が
大きくなるように、前記選別装置の処理能力変更手段を
調節作動させる選別制御と、負荷検出手段によって検出
されるエンジン負荷が目標負荷範囲に維持されるよう
に、車速変速用の変速装置を変速操作する車速制御とを
実行する制御手段が設けられたコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】上記コンバインでは、選別制御におい
て、処理物量検出手段として例えば扱室から選別装置の
揺動選別板上に漏下した選別処理物層の層厚を検出する
層厚センサを用い、その検出層厚つまり処理物量が多い
ほど、例えば揺動選別板における処理物の漏下開度(例
えば、チャフシーブの開度)を大きくする等して選別装
置の処理能力が大きくなるように、その処理能力変更手
段としての開度変更手段(チャフシーブの開度変更用の
モータ等)を調節作動させる制御を行い、同時に、車速
制御において、例えばエンジン回転数の基準回転数から
の低下量として求めたエンジン負荷が目標負荷範囲に維
持される、つまりエンジン回転数が目標回転数に維持さ
れるように、エンジン回転数が目標回転数より低下すれ
ば油圧式の変速装置等で構成した車速変速用の変速装置
を減速操作する一方、エンジン回転数が目標回転数より
高くなれば増速操作する制御を行うことになる。そし
て、従来では、選別制御と車速制御とが、単に独立して
実行されるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
は、車速制御により車速が速くなり過ぎて、揺動選別板
上の選別処理物量(層厚)が過大になり、選別装置の処
理能力がその上限値まで大きく(具体的には、上記チャ
フシーブ開度を上限開度まで大きくする等)調節されて
も不足する場合がある。このような状態では、揺動選別
板で漏下されずに機外に放出される3番ロスの増加や、
2番還元量が増えすぎることによる穀粒の損傷等を発生
させ、最悪の場合には選別装置において処理物の詰まり
を発生させて刈取作業ができなくなるおそれがある。も
ちろん、このような状況では、脱穀負荷の増大によりエ
ンジン回転数が目標回転数より低下する結果、前記変速
装置が減速操作されて刈取穀稈量が減少されることにな
り、選別装置において処理物の詰りを発生することは極
力回避されるものとなる。
【0004】しかしながら、車速の減速操作によって刈
取穀稈量が減少して選別処理物が適正な量になり、選別
処理物量の過大状態がいったん解消されても、同一の圃
場条件の下では再び車速が速くなり過ぎて選別処理物量
が過大になる可能性が大であり、その場合には、同様な
減速操作が繰り返されることになる。そして、上記減速
操作してから刈取穀稈量の減少を経て選別処理物が適正
な量になるまでの間は、選別処理物量の過大状態が継続
して適正な選別処理が行われないものとなるので、選別
処理物量の過大状態を頻発させることは好ましいもので
はない。従って、選別処理物量の過大状態に対して単純
な減速操作を行うだけでは必ずしも充分な対策とはなっ
ていなかった。
【0005】尚、従来、上限車速をボリューム等の手段
にて所定値に手動設定し、その上限車速を超えない状態
で車速制御を行っているが、この場合の上限車速は、選
別装置の処理能力とは無関係に、作業者が例えば地面の
凹凸や湿田等の圃場条件から刈取走行可能と判断した最
高車速値として設定され、これによって、走行時のエン
ジン出力の極端な低下やエンスト等の発生を回避して前
記負荷に応じた車速制御を円滑に行うようにするための
ものであった。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みて為されたもの
であって、その目的は、前記従来技術の不具合を解消さ
せるべく、上記選別処理物量の過大状態を発生させない
ような状態で車速制御を実行するとともに、併せて、車
速を極力高速状態に維持して作業能率の低下をも回避さ
せるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のコンバインは、
扱室から漏下する選別処理物の量を検出する処理物量検
出手段の情報に基づいて、その選別処理物量が多いほど
選別装置の処理能力が大きくなるように、前記選別装置
の処理能力変更手段を調節作動させる選別制御と、負荷
検出手段によって検出されるエンジン負荷が目標負荷範
囲に維持されるように、車速変速用の変速装置を変速操
作する車速制御とを実行する制御手段が設けられたもの
であって、その第1の特徴構成は、車速検出手段によっ
て検出される検出車速の最大値を設定上限車速として記
憶する最大車速記憶手段が設けられ、前記制御手段は、
前記最大車速記憶手段の情報に基づいて、前記検出車速
が前記設定上限車速を超えない状態で前記車速制御を実
行するとともに、前記選別処理物量が前記選別装置の処
理能力の上限値を超えた場合に、前記設定上限車速を設
定量低速の車速値に補正するように構成されている点に
ある。
【0008】第2の特徴構成は、第1の特徴構成におい
て、補助車速上限値を人為的に設定する上限車速設定手
段が設けられ、前記制御手段は、前記検出車速が前記上
限車速設定手段で設定された補助車速上限値を超えない
状態で前記車速制御を実行するように構成されている点
にある。
【0009】第3の特徴構成は、第1又は第2の特徴構
成において、前記処理物量検出手段が、前記選別装置の
揺動選別板の上に存在する前記選別処理物の層厚を検出
する層厚検出手段で構成され、前記処理能力変更手段
が、前記選別装置の揺動選別板における漏下開度を変更
する開度変更手段で構成され、前記制御手段は、前記開
度変更手段がその開度変更範囲の上限開度位置まで操作
されている状態で、前記層厚検出手段にて検出された前
記選別処理物の層厚が選別能力限界判別用の設定層厚値
を超える状態が設定時間以上継続したときに、前記選別
処理物量が前記選別装置の処理能力の上限値を超えたと
判別するように構成されている点にある。
【0010】第4の特徴構成は、第3の特徴構成におい
て、前記制御手段は、前記開度変更手段がその開度変更
範囲の上限開度よりも小さい開度位置に操作されている
とき、及び、前記層厚検出値が前記選別能力限界判別用
の設定層厚値よりも小さい層厚値であるときに、前記設
定上限車速を設定量高速の車速値に補正するように構成
されている点にある。
【0011】第5の特徴構成は、第3又は第4の特徴構
成において、前記制御手段は、前記選別能力限界判別用
の設定層厚値を大小2段階に設定して、前記開度変更手
段がその開度変更範囲の上限開度位置まで操作されてい
る状態で、前記層厚検出値が前記2段階の選別能力限界
判別用の設定層厚値のうちの大側の値を超えていると
き、及び、前記開度変更手段がその開度変更範囲の上限
開度位置まで操作されている状態で、前記層厚検出値が
前記2段階の選別能力限界判別用の設定層厚値の間にあ
って且つその層厚検出値の増加率が設定率以上のとき
に、前記選別処理物量が前記選別装置の処理能力の上限
値を超えたと判別するように構成されている点にある。
【0012】第6の特徴構成は、第5の特徴構成におい
て、前記制御手段は、前記開度変更手段がその開度変更
範囲の上限開度よりも小さい開度位置に操作されている
とき、及び、前記層厚検出値が前記2段階の選別能力限
界判別用の設定層厚値のうちの小側の値よりも小さい層
厚値であるときに、前記設定上限車速を設定量高速の車
速値に補正するように構成されている点にある。
【0013】第7の特徴構成は、第1〜第6の特徴構成
において、前記選別装置の処理能力の上限値を変更設定
する上限値変更手段が設けられている点にある。
【0014】
【作用】本発明の第1の特徴構成によれば、扱室から漏
下する選別処理物量が多いほど選別装置の処理能力が大
きくなるように選別装置の処理能力が調節されている条
件において、選別処理物量が選別装置の処理能力の上限
値を超えていない場合は、車速がそれまでの検出車速の
最大値で設定される設定上限車速を超えない状態で、エ
ンジン負荷を目標負荷範囲に維持するように車速変速用
の変速装置を変速操作する車速制御が行われる一方、選
別処理物量が選別装置の処理能力の上限値を超えた場合
は、車速がそれまでの検出車速の最大値よりも所定量低
速側に補正された車速値で設定される設定上限車速を超
えない状態で、エンジン負荷を目標負荷範囲に維持する
ように上記車速制御が行われる。
【0015】又、第2の特徴構成によれば、扱室から漏
下する選別処理物量が多いほど選別装置の処理能力が大
きくなるように選別装置の処理能力が調節されている条
件において、選別処理物量が選別装置の処理能力の上限
値を超えていない場合は、車速がそれまでの検出車速の
最大値で設定される設定上限車速、及び、人為的に設定
された補助車速上限値のいずれをも超えない状態で、エ
ンジン負荷に基づく前記車速制御が行われる一方、選別
処理物量が選別装置の処理能力の上限値を超えた場合
は、車速がそれまでの検出車速の最大値よりも所定量低
速側に補正された車速値で設定される設定上限車速、及
び、人為的に設定された補助車速上限値のいずれをも超
えない状態で、エンジン負荷に基づく前記車速制御が行
われる。
【0016】又、第3の特徴構成によれば、揺動選別板
上の選別処理物の層厚が厚いほど揺動選別板における漏
下開度を大きくする開度調節を行っている条件におい
て、揺動選別板の漏下開度がその開度変更範囲の上限開
度まで操作されている状態で、選別処理物の層厚が選別
能力限界判別用の設定層厚値を超える状態が設定時間以
上継続すると、車速がそれまでの検出車速の最大値より
も所定量低速側に補正された車速値で設定される設定上
限車速を超えない状態で、エンジン負荷に基づく前記車
速制御が行われる。
【0017】又、第4の特徴構成によれば、揺動選別板
上の選別処理物の層厚が厚いほど揺動選別板における漏
下開度を大きくする開度調節を行っている条件におい
て、揺動選別板の漏下開度がその開度変更範囲の上限開
度よりも小さい開度に操作されているとき、及び、選別
処理物の層厚が選別能力限界判別用の設定層厚値よりも
小さい層厚値であるときに、車速がそれまでの検出車速
の最大値よりも所定量高速側に補正された車速値で設定
される設定上限車速を超えない状態で、エンジン負荷に
基づく前記車速制御が行われる。
【0018】又、第5の特徴構成によれば、揺動選別板
上の選別処理物の層厚が厚いほど揺動選別板における漏
下開度を大きくする開度調節を行っている条件におい
て、揺動選別板の漏下開度がその開度変更範囲の上限開
度まで操作されている状態で、選別処理物の層厚が大小
2段階に設定された選別能力限界判別用の設定層厚値の
うちの大側の値を超えているとき、及び、揺動選別板の
漏下開度がその開度変更範囲の上限開度まで操作されて
いる状態で、選別処理物の層厚が大小2段階の選別能力
限界判別用の設定層厚値の間にあってその層厚の増加率
が設定率以上のときに、車速がそれまでの検出車速の最
大値よりも所定量低速側に補正された車速値で設定され
る設定上限車速を超えない状態で、エンジン負荷に基づ
く前記車速制御が行われる。
【0019】又、第6の特徴構成によれば、揺動選別板
上の選別処理物の層厚が厚いほど揺動選別板における漏
下開度を大きくする開度調節を行っている条件におい
て、揺動選別板の漏下開度がその開度変更範囲の上限開
度よりも小さい開度に操作されているとき、及び、選別
処理物の層厚が大小2段階の選別能力限界判別用の設定
層厚値のうちの小側の値よりも小さい層厚値であるとき
に、車速がそれまでの検出車速の最大値よりも所定量高
速側に補正された車速値で設定される設定上限車速を超
えない状態で、エンジン負荷に基づく前記車速制御が行
われる。
【0020】又、第7の特徴構成によれば、選別装置の
処理能力の上限値が変更設定され、選別処理物量がその
変更された選別処理能力の上限値を超えているか否かが
判別され、その判別に基づいて、それまでの検出車速の
最大値やその検出車速の最大値よりも所定量低速側ある
いは高速側に補正された車速値で設定される設定上限車
速を超えない状態で、前記車速制御が行われる。
【0021】
【発明の効果】本発明の第1の特徴構成によれば、選別
処理物量が選別装置の処理能力の上限値を超えると、従
来のように単純に変速装置を減速操作するのではなく、
車速制御における上限車速を低速側に変更するので、以
後、この低速側に変更された上限車速の制限の下で車速
制御が行われる結果、従来のように車速が速くなり過ぎ
て選別処理物量の過大状態が再発することが有効に回避
され、もって、揺動選別板で漏下されずに機外に放出さ
れる3番ロスの増加や、2番還元量が増えすぎることに
よる穀粒の損傷等の選別作業の不具合発生を防止するこ
とができる。同時に、選別処理物量が選別装置の処理能
力の上限値を超えないときは、上限車速がそれまでの車
速値の最大値に設定されるので、車速を極力高速状態に
維持できて刈取作業の能率低下が回避される。
【0022】又、第2の特徴構成によれば、上述のよう
に設定される言わばメインの上限車速に加えて、例えば
圃場面の凹凸や湿田等の圃場条件に応じて手動式のボリ
ューム等にて人為設定される補助上限車速値の両方の制
限の下で車速制御が行われるので、上記3番ロスの増加
や穀粒の損傷等の選別作業の不具合が防止されるのに加
えて、地面の凹凸や湿田等の圃場条件に合わせて最高車
速を低くして、走行時のエンジン出力の極端な低下やエ
ンストの発生等を回避して前記負荷に応じた車速制御を
円滑に行うことができ、もって、上記第1の特徴構成を
実施する際の好適な手段が得られる。
【0023】又、第3の特徴構成によれば、揺動選別板
上の選別処理物層の層厚を層厚センサ等の比較的簡便な
センサからなる層厚検出手段にて検出して、選別処理物
量を良好に検出できるとともに、選別装置の揺動選別板
における漏下開度を変更するモータ等の開度変更手段に
て、選別装置の処理能力を適切に調節することができ、
同時に、その揺動選別板の漏下開度及び選別処理物層の
層厚検出値の情報に基づいて、選別処理物量が選別装置
の処理能力の上限値を超えたことが適切に判別でき、も
って、上記第1又は第2の特徴構成による効果を実現す
るための好適な手段が得られる。
【0024】又、第4の特徴構成によれば、揺動選別板
の漏下開度及び選別処理物層の層厚検出値の情報に基づ
いて、選別処理物量が選別装置の処理能力の上限値を超
えていないことが適切に判別され、この判別に基づい
て、車速制御における上限車速が高速側に変更されて、
車速を極力高速状態に維持して刈取作業の能率低下を回
避することができ、もって、上記第3の特徴構成を実施
する際の好適な手段が得られる。
【0025】又、第5の特徴構成によれば、揺動選別板
上の選別処理物層の層厚値として設定される選別能力限
界判別用の値を大小2段階に設定することで、1段階の
層厚値によって選別処理物量が選別装置の処理能力の上
限値を超えたか否かを判別するものに比べて、選別処理
物量が選別装置の処理能力の上限値を超えたことがより
きめ細かくより的確に判別でき、もって、上記第3又は
第4の特徴構成による効果を実現するための好適な手段
が得られる。
【0026】又、第6の特徴構成によれば、揺動選別板
の漏下開度の情報及び大小2段階の選別能力限界判別用
の値に対する層厚検出値の情報に基づいて、選別処理物
量が選別装置の処理能力の上限値を超えていないことが
よりきめ細かくより的確に判別され、この判別に基づい
て、車速制御における上限車速が高速側に変更され、車
速を極力高速状態に維持して刈取作業の能率低下を回避
することができ、もって、上記第5の特徴構成を実施す
る際の好適な手段が得られる。
【0027】又、第7の特徴構成によれば、例えば稲、
麦、大豆等の作物種類に応じて、例えば稲、麦、大豆の
順に選別装置の処理能力の上限値が大きくなるように変
更する、即ち、選別処理物量が過大になり易い条件では
処理能力の上限値を小さくする一方で、選別処理物量の
過大状態が発生しにくい条件では処理能力の上限値を大
きくして不必要に車速を遅くすることを回避することが
でき、もって、上記第1〜第6の特徴構成を実施する際
の好適な手段が得られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2に示すように、コンバインは、左右一対のク
ローラ走行装置1、脱穀装置2、操縦部3、刈取装置4
等を備える。刈取装置4は、分草具5、引き起こし装置
6、刈り刃7を備え、刈り取られた穀稈は、補助搬送装
置8とその後方の縦搬送装置9とによって機体後方上部
側に係止搬送された後、脱穀装置2のフィードチェーン
16の始端部に渡される。尚、縦搬送装置9の始端部
に、刈取穀稈の有無を検出するために、刈取穀稈が有る
ときにオンし、無いときにオフするスイッチからなる株
元センサS4が設けられている。
【0029】脱穀装置2は、図4に示すように、扱胴1
5を収納する扱室A、刈取装置4から供給される穀稈を
扱室Aに供給搬送するフィードチェーン16、排塵用の
横断流ファン17、脱穀後の処理物を選別するための選
別装置Bを備える。選別装置Bは、トウミ18、揺動選
別板19、選別後の処理物を回収するための一番物回収
部(以下、一番口という)20及び二番物回収部(以
下、二番口という)21を備えている。
【0030】フィードチェーン16の上部には、図5に
示すように、搬送される穀稈を下方に押圧してフィード
チェーン16とで挟持する機構が設けられている。即
ち、枢支軸Pにて搬送方向に連結された複数の押圧部材
16a,16bがコイルバネ16cにて各別に弾性付勢
されている。そして前から一番目の押圧部材16aと二
番目の押圧部材16bとの枢支軸Pの上方への変位を検
出するポテンショメータS1が設けられている。このポ
テンショメータ(以下、稈厚センサという)S1によっ
てフィードチェーン16と押圧部材16a,16bとの
間に挟持される穀稈の厚さが検出され、フィードチェー
ン16の搬送速度はほぼ一定に保たれるので、稈厚セン
サS1の検出値は扱室Aへの穀稈供給量に比例する。
【0031】フィードチェーン16にて扱室Aに供給搬
送される穀稈は扱胴15の回転により脱穀される。扱室
Aの下部には受網22が設けられ、脱穀後の処理物のう
ち単粒化した穀粒は受網22から揺動選別板19に漏下
する。受網22から漏下できなかった処理物は受網22
の後端部より揺動選別板19に落下する。
【0032】揺動選別板19は、トウミ18の上方に位
置するグレンパン23、その後方に位置するチャフシー
ブ24、その下方に位置するグレンシーブ25等からな
り、一定周期の揺動により処理物を後方に移送しながら
比重選別する。一番口20及び二番口21は、それぞれ
スクリューコンベアを備え、チャフシーブ24及びグレ
ンシーブ25から漏下した穀粒は一番口20から回収さ
れてタンク等に貯溜される。チャフシーブ24の後端や
グレンシーブ25の後端から落下した穀粒と藁屑との混
合物は二番口21から回収されて揺動選別板19に還元
される。
【0033】チャフシーブ24は、図6に示すように、
複数の板状部材24aが所定間隔毎に前後方向に並設さ
れたものである。各板状部材24aは左右軸芯周りに回
動自在に左右の側板に枢着され、下端部がリンク24b
にて枢支連結されている。従って、リンク24bを前後
方向に移動操作すると、各板状部材24aが同時に回動
し、各板状部材24aの隣接間隔tが変化する。この間
隔tが揺動選別板19における漏下開度(以下、チャフ
開度という)に相当し、このチャフ開度の変更は、シー
ブモータM1を正逆方向に回転駆動することによって行
われる。そのシーブモータM1の回転動作はギヤ式の連
係機構26、揺動アーム27、ワイヤ28によってリン
ク24bの前後移動動作に変換されて、上記の如くチャ
フ開度が変更される。以上より、シーブモータM1に
て、揺動選別板19における漏下開度を変更する開度変
更手段が構成される。尚、揺動アーム27の回動角度か
らチャフ開度を検出するためのポテンショメータ式のチ
ャフ開度センサS2が設けられている。
【0034】トウミ18は、選別風を発生するためのも
のであり、その風力は図4に示すように、トウミケース
カバー18aの開度を変えることによって行われる。つ
まり、開度を大きくするほど風力(以下、トウミ風力と
いう)が小さくなる。トウミ風力の変更は、図7に示す
ように、トウミモータM2によって行われる。トウミモ
ータM2は、連係機構30、揺動アーム31、リンク3
2,33を介してトウミケースカバー18aを開閉操作
する。尚、揺動アーム31の回転角度からトウミ風力を
検出するためのポテンショメータ式のトウミ風力センサ
S3が設けられている。
【0035】上記揺動選別板19の構成において、シー
ブモータM1を駆動してチャフ開度を大きくするほど、
チャフシーブ24において下方側に漏下する穀粒量が増
加して、選別装置Bの処理能力が大きくなる。このと
き、一番口20にて回収される穀粒に藁屑が混入するの
を防止すべく、漏下穀粒量の増加に応じてトウミ風力が
大きくなるようにトウミモータM2を駆動する。以上よ
り、選別装置Bの処理能力変更手段が、前記シーブモー
タM1及びトウミモータM2にて構成されることにな
る。
【0036】又、図4及び図8に示すように、チャフシ
ーブ24の上の選別処理物(穀粒等)の層厚を検出する
層厚センサS5が、揺動選別板19の左右の側板の上辺
に架設されたロッド40に取り付けられている。層厚セ
ンサS5は、横軸芯周りに揺動自在に垂下された板状部
材T1,T2と、その板状部材T1,T2の後方(処理
物の搬送方向)への回動角度Iを抵抗値に変換するポテ
ンショメータPMからなる。処理物の層厚が小さいとき
は板状部材T1が処理物に接当して後方へ回動し、層厚
が大きくなると板状部材T2が処理物に接当して後方へ
回動するように構成されている。
【0037】上記構成により、選別処理物の量が多くな
ってその層厚が大きくなるほどセンサバーT1,T2の
回動角度Iが大きくなるので、ポテンショメータPMの
抵抗値から処理物の層厚即ち処理物量を検出することが
できる。従って、揺動選別板19(実際はチャフシーブ
24)の上に存在する選別処理物の層厚を検出する層厚
検出手段が、上記層厚センサS5によって構成されると
ともに、扱室Aから漏下する選別処理物の量を検出する
処理物量検出手段が、上記層厚検出手段(即ち層厚セン
サS5)にて構成されることになる。又、図8のIma
xは、選別処理物量が選別装置Bの処理能力の上限値を
超えたか否かを判別するための選別能力限界判別用の設
定層厚値(実際はその層厚値のときの回動角度)を示
す。
【0038】動力伝達系は図3に示すように構成されて
いる。エンジンEの動力は、脱穀クラッチ10を介して
脱穀装置2に伝達されると共に、走行クラッチ11及び
車速変速用の変速装置としての油圧式の無段変速装置1
2を介してクローラ走行装置1のミッション13に伝達
され、刈取装置4には、ミッション13から刈取クラッ
チ14を介して動力が伝達される。ミッション13に
は、クローラ走行装置1の駆動輪の回転数から車速を検
出する車速検出手段としての車速センサS6が設けら
れ、エンジンEには、その回転数を検出するエンジン回
転数センサS7が設けられている。又、脱穀装置2が動
作中か否かを検出するために、脱穀クラッチ10の入切
状態を検出する脱穀スイッチSW1が設けられている。
【0039】前記無段変速装置12は、可変容量型の油
圧ポンプと定容量型油圧モータからなる静油圧トランス
ミッションであって、油圧ポンプ内の可変斜板の角度を
変えることにより吐出量と方向を変化させて、油圧モー
タ出力軸の回転数と回転方向を変化させる。そして、上
記油圧ポンプ内の可変斜板の角度を変えるための電動式
の車速変更用モータM3(図1参照)が設けられ、その
車速変更用モータM3を正逆転駆動することで、車速が
増減速される。
【0040】図1に示すように、マイクロコンピュータ
等で構成される制御手段Hが設けられ、この制御手段H
には、前述の脱穀スイッチSW1、稈厚センサS1、チ
ャフ開度センサS2、トウミ風力センサS3、株元セン
サS4、層厚センサS5、車速センサS6、及び、エン
ジン回転数センサS7の各検出情報が入力されている。
一方、制御手段Hからは、前述のシーブモータM1、ト
ウミモータM2、及び車速変更用モータM3に対する各
駆動信号が出力されている。
【0041】又、前記操縦部3の操縦パネルには、圃場
面の凹凸や湿田状態等の圃場条件等に応じて判断した車
速の上限値(以下、補助車速上限値V2と呼ぶ)を人為
的に設定する上限車速設定手段としての上限車速設定ボ
リュームVRと、自動車速制御を実行するか否かを設定
するための車速オートスイッチSW2と、刈取作物の種
類を稲、麦、大豆の中から選択して切り換える作物切換
スイッチSW3とが設けられ、これらの各設定情報も制
御手段Hに入力されている。そして、上限車速設定ボリ
ュームVRによって、車速の上限値V2が0.3m/s
から2.0m/sの範囲で設定される。又、上記作物切
換スイッチSW3にて切り換えられた作物種類に応じ
て、層厚センサSにおける前記選別能力限界判別用の設
定層厚値Imaxが、稲、麦、大豆の順で大きくなるよ
うに変更設定され、従って、上記作物切換スイッチSW
3が、選別装置Bの処理能力の上限値を変更設定する上
限値変更手段を構成する。
【0042】前記エンジン回転数センサS7と制御手段
Hを利用して、エンジンEの負荷(エンジン負荷)Lを
検出する負荷検出手段S7,Hが構成される。具体的に
は、車速が0.1m/s未満のときのエンジン回転数の
最大値を基準回転数Rとして記憶しておき、その基準回
転数Rと現在のエンジン回転数rとの差R−rをエンジ
ン負荷Lとして算出する。つまり、刈取・脱穀作業中に
おいて、エンジンEに対する負荷の増大に応じてエンジ
ン回転数が低下するので、エンジン回転数の低下量から
エンジン負荷を求める。
【0043】前記制御手段Hは、扱室Aから漏下する選
別処理物の量を検出する前記層厚センサS5の情報に基
づいて、その選別処理物量が多いほど選別装置Bの処理
能力が大きくなるように、選別装置Bの処理能力変更手
段(シーブモータM1及びトウミモータM2)を調節作
動させる選別制御と、前記負荷検出手段S7,Hによっ
て検出されるエンジン負荷Lが目標負荷範囲に維持され
るように、つまり、エンジン回転数rが目標回転数に維
持されるように、前記無段変速装置12を変速操作する
車速制御とを実行するように構成されている。尚、上記
選別制御を行うのに、制御手段Hは、記憶されている関
係テーブルに基づいて、層厚センサS5の検出値に対応
するチャフ開度及びトウミ風力の目標値を求め、各目標
値とチャフ開度センサS2又はトウミ風力センサS3の
検出値との偏差をゼロにするように制御する。
【0044】又、前記制御手段Hを利用して、前記車速
センサS6によって検出される検出車速の最大値を設定
上限車速として記憶する最大車速記憶手段100が構成
されている。具体的には、記憶用のメモリー内の値とし
て保持される。そして、制御手段Hは、前記最大車速記
憶手段100の情報に基づいて前記検出車速が前記設定
上限車速V1を超えない状態で、且つ、前記検出車速が
前記上限車速設定ボリュームVRで設定された補助車速
上限値V2を超えない状態で前記車速制御を実行すると
ともに、前記選別処理物量が前記選別装置Bの処理能力
の上限値を超えた場合に、前記設定上限車速V1を設定
量低速の車速値に補正するように構成されている。
【0045】具体的には、制御手段Hは、前記シーブモ
ータM1がその開度変更範囲の上限開度位置まで操作さ
れている状態で、前記層厚センサS5にて検出された前
記選別処理物の層厚が選別能力限界判別用の設定層厚値
Imaxを超える状態が設定時間(例えば2秒)以上継
続したときに、前記選別処理物量が前記選別装置Bの処
理能力の上限値を超えたと判別する。そして、制御手段
Hは、前記シーブモータM1がその開度変更範囲の上限
開度よりも小さい開度位置に操作されているとき、及
び、前記層厚センサS5の層厚検出値が前記選別能力限
界判別用の設定層厚値Imaxよりも小さい層厚値であ
るときに、前記設定上限車速V1を設定量高速の車速値
に補正するように構成されている。
【0046】次に、図9〜図13に示すフローチャート
に基づいて、制御手段Hによる脱穀及び車速複合制御の
流れを説明する。メインフロー(図9)では、先ず、各
種制御パラメータを初期設定する初期化処理を行った
後、脱穀スイッチSW1がオンしているかどうかを調
べ、オンのときのみ、以後のデータ処理、脱穀制御、及
び、車速制御を行う。
【0047】データ処理(図10及び図11)では、株
元センサS4がオンしているときだけ、以後の処理を行
う。先ず、チャフ開度を調べ、チャフ開度が全開状態
(シーブモータM1が開度変更範囲の上限開度位置まで
操作されている状態)であれば、層厚センサS5の層厚
検出値Iが前記選別能力限界判別用の設定層厚値Ima
x以上かどうかを調べる。層厚検出値Iが設定層厚値I
max以上の場合には、その状態が2秒以上継続したと
きだけ減速フラグをセットする。一方、上記チャフ開度
が全開状態でない(シーブモータM1が開度変更範囲の
上限開度よりも小さい開度位置に操作されている)と
き、及び、層厚検出値Iが設定層厚値Imax未満の状
態が2秒以上継続したときには、増速フラグをセットす
る。
【0048】次に、現在の車速値を、それまでの検出車
速の最大値を記憶しているメモリー内の値と比較し、そ
の値より現在の検出車速値が大きいときだけ、現在の車
速値を検出車速の最大値として上記メモリーMAXSP
Dに更新記憶させる。
【0049】次に、所定タイマー時間(例えば15秒)
の減速タイマーのタイマー時間が経過している場合にだ
け、前記減速及び増速フラグの状態に応じて、車速制御
における設定上限車速V1の設定を行う。尚、この減速
タイマーは、車速制御において減速操作がなされたとき
(尚、このことは車速制御用減速フラグのセット状態か
ら確認される)、及び、後述のように設定上限車速の変
更設定がなされたときにスタートされる。減速フラグが
セット状態であれば、前記メモリーMAXSPDに記憶
されている車速の最大値よりも0.1m/s低速の車速
値を設定上限車速V1としてから、減速フラグをリセッ
トする。減速フラグがリセット状態で増速フラグがセッ
ト状態であれば、現在の設定上限車速V1より0.1m
/s高速の車速値を設定上限車速としてから、増速フラ
グをリセットする。減速フラグ及び増速フラグが共にリ
セット状態であれば、設定上限車速の変更は行わない。
尚、設定上限車速V1は、初期値として大きな車速値が
設定される。
【0050】脱穀制御(図12)では、先ず、株元セン
サS4がオン状態である等の起動条件が成立しているこ
とを確認してから、層厚センサS5の層厚検出値を入手
する。そして、チャフ開度及びトウミ風力が、上記層厚
検出値に対応するチャフ開度及びトウミ風力の目標値に
なるように、シーブモータM1及びトウミモータM2を
自動調節する。
【0051】車速制御(図13)では、車速オートスイ
ッチSW2がオン、車速が0.1m/s以上、及び、株
元センサS4がオンしていることで起動条件の成立を確
認すると、現在の車速と前記設定上限車速V1及び補助
車速上限値V2とを比較し、そのいずれかよりも高速で
あれば、両方よりも低速になるまで減速操作する。次
に、現在のエンジン回転数rと予め記憶した基準回転数
Rとの差であるエンジン負荷Lを求め、その負荷Lが目
標負荷範囲(目標回転数)にあるかどうかを調べる。負
荷Lが目標負荷範囲よりも大きい場合には、所定量減速
操作し、負荷Lが目標負荷範囲よりも小さい場合には、
現在の車速が前記設定上限車速V1及び補助車速上限値
V2のいずれかよりも低速であるときだけ、所定量増速
操作し、負荷Lが目標負荷範囲即ち不感帯内にあるとき
には、変速操作は行わない。
【0052】[別実施例]以下、別実施例を列記する。
上記実施例では、層厚検出手段(層厚センサS5)にお
ける選別能力限界判別用の設定層厚値を1つ(図8のI
max)設定する場合を示したが、これに限るものでは
なく、例えば、図8に示すように、大側の値を前記Im
axとし、これより小側に設定された値Imax2の大
小2段階に設定してもよい。尚、上記大側の値は前記I
maxにする必要はなく、Imaxよりも大きい値、あ
るいは小さい値にすることができる。そして、前記制御
手段Hは、前記開度変更手段(シーブモータM1)がそ
の開度変更範囲の上限開度位置まで操作されている状態
で、前記層厚検出値が前記2段階の選別能力限界判別用
の設定層厚値のうちの大側の値Imaxを超えていると
き、及び、前記開度変更手段M1がその開度変更範囲の
上限開度位置まで操作されている状態で、前記層厚検出
値が前記2段階の選別能力限界判別用の設定層厚値Im
ax,Imax2の間にあって且つその層厚検出値の増
加率が設定率以上のときに、前記選別処理物量が前記選
別装置Bの処理能力の上限値を超えたと判別して、上記
実施例と同様に、車速制御における設定上限車速を設定
量低速の車速値に補正する。一方、前記開度変更手段M
1がその開度変更範囲の上限開度よりも小さい開度位置
に操作されているとき、及び、前記層厚検出値が前記小
側の値Imax2よりも小さい層厚値であるときに、前
記設定上限車速を設定量高速の車速値に補正する。
【0053】扱室Aから漏下する選別処理物の量を検出
する処理物量検出手段は、上記実施例のような層厚検出
手段(層厚センサS5)に限らず、例えば、扱室Aから
揺動選別板19上に漏下する処理物をテレビカメラ等の
撮像手段で撮像し、その画像情報を処理して処理物量を
検出することもできる。又、層厚検出手段も、上記実施
例のような接触式の層厚センサS5以外に、透過型の光
センサの検出光を処理物層に対して横方向に投射し、そ
の透過光の状態から層厚を検出したり、あるいは、処理
物層表面に向けて上方側から超音波を投射し、その反射
波から処理物層表面までの距離を測定して層厚を検出す
る等、種々の手段で構成できる。
【0054】上記実施例では、選別装置Bの処理能力変
更手段M1,M2を、シーブモータM1及びトウミモー
タM2にて構成したが、これに限るものではなく、例え
ば、トウミモータM2を所定回転位置に固定した状態
で、シーブモータM1だけを正逆方向に回転駆動させる
ようにしてもよい。
【0055】揺動選別板19において処理物を漏下開度
を変えながら漏下させる手段は、上記実施例のようなチ
ャフシーブに限らず、例えば、網状又はスリット状の開
口部をスライドグレンパンといわれる遮蔽板で遮蔽し、
スライドグレンパンをスライドさせてその開口部の遮蔽
面積つまり開度を変えるように構成してもよく、この場
合、開度変更手段は、上記実施例のシーブモータM1で
はなく、スライドグレンパンをスライドさせるためのモ
ータ等で構成される。
【0056】負荷検出手段S7,Hは、上記実施例のよ
うに、エンジン回転数センサS7と制御手段Hを利用し
て構成するものに限らない。
【0057】車速変速用の変速装置は、上記実施例のよ
うに、静油圧トランスミッションを用いた無段変速装置
12に限らない。
【0058】車速検出手段は、上記実施例のように、ク
ローラ走行装置1の駆動輪の回転数を検出する状態でミ
ッション13に設けた車速センサS6に限らず、例え
ば、前記無段変速装置12からミッション13への入力
軸の回転数を検出するセンサでもよい。
【0059】上限車速設定手段は、上記実施例のような
上限車速設定ボリュームVRに限らず、例えば、表示画
面にて数値を確認しながら入力する手段等でもよい。
【0060】上限値変更手段は、上記実施例のような
稲、麦、大豆等の作物種類を切り換える作物切換スイッ
チSW3に限るものではない。例えば、作物種類の外
に、作物の濡れ状態等の作物条件を加えるようにしても
よい。
【0061】本発明は、上記実施例のようなコンバイン
(自脱型コンバイン)に限らず、普通型コンバイン等の
他のコンバインに適用することもできる。
【0062】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るコンバインの制御構成の
ブロック図
【図2】自脱型コンバインの側面図
【図3】動力伝達機構の模式図
【図4】脱穀装置の側面透視図
【図5】フィードチェーンと稈厚センサを示す図
【図6】チャフシーブとその開度変更手段を示す図
【図7】トウミとその風力変更手段を示す図
【図8】層厚センサの構造を示す側面図
【図9】制御作動のフローチャート
【図10】制御作動のフローチャート
【図11】制御作動のフローチャート
【図12】制御作動のフローチャート
【図13】制御作動のフローチャート
【符号の説明】
A 扱室 S5 処理物量検出手段 S5 層厚検出手段 B 選別装置 M1,M2 処理能力変更手段 M1 開度変更手段 S7,H 負荷検出手段 12 変速装置 H 制御手段 S6 車速検出手段 100 最大車速記憶手段 VR 上限車速設定手段 19 揺動選別板 SW3 上限値変更手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扱室(A)から漏下する選別処理物の量
    を検出する処理物量検出手段(S5)の情報に基づい
    て、その選別処理物量が多いほど選別装置(B)の処理
    能力が大きくなるように、前記選別装置(B)の処理能
    力変更手段(M1,M2)を調節作動させる選別制御
    と、 負荷検出手段(S7,H)によって検出されるエンジン
    負荷が目標負荷範囲に維持されるように、車速変速用の
    変速装置(12)を変速操作する車速制御とを実行する
    制御手段(H)が設けられたコンバインであって、 車速検出手段(S6)によって検出される検出車速の最
    大値を設定上限車速として記憶する最大車速記憶手段
    (100)が設けられ、 前記制御手段(H)は、前記最大車速記憶手段(10
    0)の情報に基づいて、前記検出車速が前記設定上限車
    速を超えない状態で前記車速制御を実行するとともに、
    前記選別処理物量が前記選別装置(B)の処理能力の上
    限値を超えた場合に、前記設定上限車速を設定量低速の
    車速値に補正するように構成されているコンバイン。
  2. 【請求項2】 補助車速上限値を人為的に設定する上限
    車速設定手段(VR)が設けられ、 前記制御手段(H)は、前記検出車速が前記上限車速設
    定手段(VR)で設定された補助車速上限値を超えない
    状態で前記車速制御を実行するように構成されている請
    求項1記載のコンバイン。
  3. 【請求項3】 前記処理物量検出手段(S5)が、前記
    選別装置(B)の揺動選別板(19)の上に存在する前
    記選別処理物の層厚を検出する層厚検出手段(S5)で
    構成され、 前記処理能力変更手段(M1,M2)が、前記選別装置
    (B)の揺動選別板(19)における漏下開度を変更す
    る開度変更手段(M1)で構成され、 前記制御手段(H)は、前記開度変更手段(M1)がそ
    の開度変更範囲の上限開度位置まで操作されている状態
    で、前記層厚検出手段(S5)にて検出された前記選別
    処理物の層厚が選別能力限界判別用の設定層厚値を超え
    る状態が設定時間以上継続したときに、前記選別処理物
    量が前記選別装置(B)の処理能力の上限値を超えたと
    判別するように構成されている請求項1又は2記載のコ
    ンバイン。
  4. 【請求項4】 前記制御手段(H)は、前記開度変更手
    段(M1)がその開度変更範囲の上限開度よりも小さい
    開度位置に操作されているとき、及び、前記層厚検出値
    が前記選別能力限界判別用の設定層厚値よりも小さい層
    厚値であるときに、前記設定上限車速を設定量高速の車
    速値に補正するように構成されている請求項3記載のコ
    ンバイン。
  5. 【請求項5】 前記制御手段(H)は、前記選別能力限
    界判別用の設定層厚値を大小2段階に設定して、前記開
    度変更手段(M1)がその開度変更範囲の上限開度位置
    まで操作されている状態で、前記層厚検出値が前記2段
    階の選別能力限界判別用の設定層厚値のうちの大側の値
    を超えているとき、及び、前記開度変更手段(M1)が
    その開度変更範囲の上限開度位置まで操作されている状
    態で、前記層厚検出値が前記2段階の選別能力限界判別
    用の設定層厚値の間にあって且つその層厚検出値の増加
    率が設定率以上のときに、前記選別処理物量が前記選別
    装置(B)の処理能力の上限値を超えたと判別するよう
    に構成されている請求項3又は4記載のコンバイン。
  6. 【請求項6】 前記制御手段(H)は、前記開度変更手
    段(M1)がその開度変更範囲の上限開度よりも小さい
    開度位置に操作されているとき、及び、前記層厚検出値
    が前記2段階の選別能力限界判別用の設定層厚値のうち
    の小側の値よりも小さい層厚値であるときに、前記設定
    上限車速を設定量高速の車速値に補正するように構成さ
    れている請求項5記載のコンバイン。
  7. 【請求項7】 前記選別装置(B)の処理能力の上限値
    を変更設定する上限値変更手段(SW3)が設けられて
    いる請求項1、2、3、4、5又は6記載のコンバイ
    ン。
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