JP2949033B2 - 脱穀選別制御装置 - Google Patents

脱穀選別制御装置

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JP2949033B2
JP2949033B2 JP17635394A JP17635394A JP2949033B2 JP 2949033 B2 JP2949033 B2 JP 2949033B2 JP 17635394 A JP17635394 A JP 17635394A JP 17635394 A JP17635394 A JP 17635394A JP 2949033 B2 JP2949033 B2 JP 2949033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱穀後の処理物を選別
する選別装置に備えられた揺動選別板上の処理物の層厚
を検出する層厚検出手段と、前記処理物の層厚が適正範
囲となるように、前記層厚検出手段の層厚検出値及びそ
の変化率に基づいて決定した操作量で、前記揺動選別板
の漏下開度を変更する開度変更手段を作動させる制御手
段とが設けられた脱穀選別制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記脱穀選別制御装置においては、揺動
選別板上の処理物の層厚値及びその変化率の検出情報か
ら、例えばファジィ推論等を用いて決定した操作量で、
揺動選別板の漏下開度を変更調節して、揺動選別板上の
処理物層の層厚を適正範囲に維持することにより、上記
処理物層が薄過ぎる場合における1番物への藁屑混入
や、逆に上記処理物層が厚過ぎる場合における3番ロス
の増加、及び2番還元量の増え過ぎによる穀粒の損傷等
の不具合を防止するようにしていた(例えば、特開平5
‐21号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によれ
ば、例えば扱室への穀稈供給量が多いために、扱室から
選別装置に漏下する処理物量が多い場合には、その処理
物量に対応して、揺動選別板の漏下開度が開き側に操作
されて、揺動選別板において適正な状態で穀粒成分が漏
下する一方、2番物として小枝梗付穀粒等が回収され
る。この状態では、例えば穀粒等が固着した処理物の塊
や小枝梗付穀粒等が一時的に供給されても、それらは2
番物として安定して回収され、処理物層厚の変動も小さ
い。しかしながら、逆に、扱室への穀稈供給量が少ない
ために、扱室から選別装置に漏下する処理物量が少ない
場合には、その処理物量に対応して、揺動選別板の漏下
開度が閉じ側に操作されるが、その状態で、処理物の塊
や小枝梗付穀粒等が供給されると、それらの処理物の塊
や小枝梗付穀粒等は揺動選別板の漏下部(チャフシー
ブ)に詰まって滞留したり、又、その滞留状態から急に
移動して2番物に回収されたりする。従って、扱室から
選別装置に漏下する処理物量が少ない場合には、処理物
の層厚及び2番還元量の変動が大きくなり、適正な状態
で選別処理が行われないおそれがあった。
【0004】本発明は、上記実情に鑑みて為されたもの
であって、その目的は、前記従来技術の不具合を解消す
べく、扱室から選別装置に漏下する処理物量の状態(量
の多少)に応じて、揺動選別板の漏下開度の変更調節の
ための操作量を異ならせることにより、扱室から選別装
置に漏下する処理物量が少ない場合においても極力適正
な状態で選別処理を行わせるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の脱穀選別制御装
置は、脱穀後の処理物を選別する選別装置に備えられた
揺動選別板上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段
と、前記処理物の層厚が適正範囲となるように、前記層
厚検出手段の層厚検出値及びその変化率に基づいて決定
した操作量で、前記揺動選別板の漏下開度を変更する開
度変更手段を作動させる制御手段とが設けられたもので
あって、その第1の特徴構成は、扱室から前記揺動選別
板に漏下する処理物の量を検出する処理物量検出手段が
設けられ、前記制御手段は、前記処理物量検出手段の情
報に基づいて、前記処理物量が少ないときの方が、前記
処理物量が多いときよりも、前記層厚検出手段の層厚検
出値及びその変化率に基づいて決定する前記操作量を大
きくするように構成されている点にある。
【0006】第2の特徴構成は、前記処理物量検出手段
が、前記処理物の多少を、前記揺動選別板における漏下
開度の大小によって検出する漏下開度検出手段にて構成
されている点にある。
【0007】第3の特徴構成は、前記処理物量検出手段
が、前記処理物の多少を、前記扱室への穀稈供給量の多
少によって検出する穀稈供給量検出手段にて構成されて
いる点にある。
【0008】第4の特徴構成は、前記制御手段は、前記
操作量をファジィ推論に基づいて予め求めた操作量デー
タを記憶して、その操作量データに基づいて前記操作量
を決定するように構成されている点にある。
【0009】第5の特徴構成は、前記ファジィ推論にお
いて、前記処理物量の多少に対応して設定した複数種の
制御規則のうちの1つを、前記処理物量に基づいて選択
して、前記操作量データを求めるように構成されている
点にある。
【0010】
【作用】本発明の第1の特徴構成によれば、扱室から揺
動選別板に漏下する処理物の量が少ないときには、扱室
から揺動選別板に漏下する処理物の量が多いときより
も、処理物層の層厚検出値及びその変化率に基づいて決
定する揺動選別板の漏下開度変更用の操作量を大きく
し、そのより大きい操作量で揺動選別板の開度が変更調
節される。従って、扱室から揺動選別板に漏下する処理
物の量が少ないために、それに対応して揺動選別板の漏
下開度が閉じ側(小側)に操作されている状態で、例え
ば扱室から穀粒等が固着した処理物の塊や小枝梗付穀粒
等が供給され、それらが揺動選別板の漏下部に詰まって
滞留したりして、処理物の層厚値が急に大きくなり又そ
の増加率が大きくなると、それに合わせて、揺動選別板
の漏下開度がより速く開き側(大側)になるように操作
される一方、上記滞留状態の処理物の塊等がその滞留状
態から急に移動したりして、処理物の層厚値が急に小さ
くなり又その減少率が大きくなると、それに合わせて、
揺動選別板の漏下開度がより速く閉じ側(小側)になる
ように操作される。
【0011】又、第2の特徴構成によれば、上記第1の
特徴構成において、扱室から揺動選別板に漏下する処理
物の量が多いときには、それに対応して揺動選別板の漏
下開度が大側に操作され、扱室から揺動選別板に漏下す
る処理物の量が少ないときには、それに対応して揺動選
別板の漏下開度が小側に操作されることから、扱室から
揺動選別板に漏下する処理物の量を揺動選別板の漏下開
度の大小によって検出し、その揺動選別板の漏下開度の
大小に応じて、その漏下開度が小さいときの方が、その
漏下開度が大きいときよりも、処理物層の層厚検出値及
びその変化率に基づいて決定する揺動選別板の漏下開度
変更用の操作量を大きくして、そのより大きい操作量で
揺動選別板の開度が変更調節される。
【0012】又、第3の特徴構成によれば、上記第1の
特徴構成において、扱室から揺動選別板に漏下する処理
物の量が多いのは扱室への穀稈供給量が多いためであ
り、扱室から揺動選別板に漏下する処理物の量が少ない
のは、扱室への穀稈供給量が少ないためであるので、扱
室から揺動選別板に漏下する処理物の量を扱室への穀稈
供給量の多少によって検出し、その扱室への穀稈供給量
の多少に応じて、その穀稈供給量が少ないときの方が、
その穀稈供給量が多いときよりも、処理物層の層厚検出
値及びその変化率に基づいて決定する揺動選別板の漏下
開度変更用の操作量を大きくし、そのより大きい操作量
で揺動選別板の開度が変更調節される。
【0013】又、第4の特徴構成によれば、上記第1〜
第3の特徴構成において、前記揺動選別板の漏下開度変
更用の操作量が、揺動選別板上の処理物の層厚検出値、
その変化率、及び扱室から揺動選別板に漏下する処理物
の量をファジィ変数とするファジィ推論に基づいて予め
求めて記憶された操作量データに基づいて決定され、そ
の決定された操作量で揺動選別板の開度が変更調節され
る。
【0014】又、第5の特徴構成によれば、上記第4の
特徴構成において、前記層厚検出値及びその変化率をフ
ァジィ変数とするファジィ推論に基づいて予め求めて記
憶される操作量データとして、扱室から揺動選別板に漏
下する処理物の量の多少に対応して複数種の制御規則が
設定されており、その漏下処理物量の多少に応じて、上
記複数種の制御規則のうちの対応する1つの制御規則が
選択され、その選択された1つの制御規則に基づいて決
定された前記操作量で揺動選別板の漏下開度が変更調節
される。
【0015】
【発明の効果】本発明の第1の特徴構成によれば、扱室
から揺動選別板に漏下する処理物の量が少ない場合にお
いても揺動選別板上の処理物の層厚変動を抑制すること
ができ、もって、扱室から揺動選別板に漏下する処理物
の多少にかかわらず極力適正な状態で選別処理を行わせ
ることが可能になった。
【0016】又、第2の特徴構成によれば、扱室から揺
動選別板に漏下する処理物の量を、揺動選別板の漏下開
度の変更調節を行うために本来的に備わっているポテン
ショメータ等の漏下開度検出手段によって、装置構成の
複雑化を避けながら簡便に検出することができ、もっ
て、上記第1の特徴構成を実施する際の好適な手段が得
られる。
【0017】又、第3の特徴構成によれば、扱室から揺
動選別板に漏下する処理物量の増減を、扱室への穀稈供
給量として事前に検出し、その穀稈供給量情報に基づい
て揺動選別板の漏下開度の変更調節を制御遅れなく行う
ことができ、もって、上記第1の特徴構成を実施する際
の好適な手段が得られる。
【0018】又、第4の特徴構成によれば、揺動選別板
の漏下開度変更用の操作量が、ファジィ推論に基づいて
予め求めて記憶された操作量データにより決定されるの
で、例えば前記操作量をPID制御等によって決定する
ものに比べて、制御構成を複雑にすることなく、より滑
らかで適切な選別制御が可能となり、もって、上記第
1、第2、第3の特徴構成を実施する際の好適な手段が
得られる。
【0019】又、第5の特徴構成によれば、揺動選別板
の漏下開度や扱室への穀稈供給量等によって検出される
扱室から揺動選別板に漏下する処理物量の多少に応じ
て、揺動選別板上の層厚検出値及びその変化率をファジ
ィ変数とするファジィ推論によって求めた複数の制御規
則の中からより適切な制御規則を選択して前記操作量を
決定するので、例えば、上記層厚検出値及びその変化率
に加えて、上記扱室から揺動選別板に漏下する処理物量
もファジィ変数とするものに比べて、記憶データ量をよ
り少なくすることができ、もって、上記第4の特徴構成
を実施する際の好適な手段が得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明をコンバインの脱穀装置に適用
した場合の実施例を図面に基づいて説明する。図2〜図
4に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走
行装置1、脱穀装置2、操縦部3、刈取部4等を備え
る。
【0021】刈取部4には、分草具5、植立穀稈を引き
起こす引き起こし装置6、引き起こされた穀稈の株元を
切断する刈り刃7、及び、刈取穀稈を係止搬送して機体
後方側の脱穀装置2のフィードチェーン16に渡す縦搬
送装置9等が順次並ぶ状態で設けられている。尚、縦搬
送装置9の始端部には、刈取穀稈の有無を検出するため
に、刈取穀稈が有るときにオンし、無いときにオフする
スイッチからなる株元センサS4が設けられている。
【0022】脱穀装置2は、図4に示すように、扱胴1
5を収納する扱室A、刈取部4から供給される穀稈を扱
室Aに供給搬送するフィードチェーン16、排塵用の横
断流ファン17、脱穀後の処理物を選別するための選別
装置Bを備える。選別装置Bは、トウミ18、揺動選別
板19、選別後の処理物を回収するための一番物回収部
(以下、一番口という)20及び二番物回収部(以下、
二番口という)21を備えている。
【0023】フィードチェーン16にて扱室Aに供給搬
送される穀稈は扱胴15の回転により脱穀される。扱室
Aの下部には受網22が設けられ、脱穀後の処理物のう
ち単粒化した穀粒は受網22から揺動選別板19に漏下
する。受網22から漏下できなかった処理物は受網22
の後端部より揺動選別板19に落下する。
【0024】揺動選別板19は、トウミ18の上方に位
置するグレンパン23、その後方に位置するチャフシー
ブ24、その下方に位置するグレンシーブ25等からな
り、一定周期の揺動により処理物を後方に移送しながら
比重選別する。一番口20及び二番口21は、それぞれ
スクリューコンベアを備え、チャフシーブ24及びグレ
ンシーブ25から漏下した穀粒は一番口20から回収さ
れてタンク等に貯溜される。チャフシーブ24の後端や
グレンシーブ25の後端から落下した穀粒と藁屑との混
合物は二番口21から回収されて揺動選別板19に還元
される。
【0025】チャフシーブ24は、図5に示すように、
複数の板状部材24aが所定間隔毎に前後方向に並設さ
れたものである。各板状部材24aは左右軸芯周りに回
動自在に左右の側板に枢着され、下端部がリンク24b
にて枢支連結されている。従って、リンク24bを前後
方向に移動操作すると、各板状部材24aが同時に回動
し、各板状部材24aの隣接間隔tが変化する。この間
隔tが揺動選別板19における漏下開度(以下、チャフ
開度という)に相当し、このチャフ開度の変更は、シー
ブモータM1を正逆方向に回転駆動することによって行
われる。そのシーブモータM1の回転動作はギヤ式の連
係機構26、揺動アーム27、ワイヤ28によってリン
ク24bの前後移動動作に変換されて、上記の如くチャ
フ開度が変更される。以上より、シーブモータM1に
て、揺動選別板19の漏下開度を変更する開度変更手段
が構成される。尚、揺動アーム27の回動角度からチャ
フ開度を検出するポテンショメータ式のチャフ開度セン
サS2が設けられている。
【0026】トウミ18は、選別風を発生するためのも
のであり、その風力の変更は、トウミ18の回転数を変
えることによって行われる。つまり、回転数を大きくす
るほど、トウミ風力が大きくなる。トウミ回転数の変更
は、後述の割りプーリ式のベルト変速装置8(図3参
照)をトウミモータM2によって変速操作することによ
って行われる。尚、トウミ18の回転数を検出するトウ
ミ回転数センサS3がトウミ18の回転軸18aに設け
られている。
【0027】上記揺動選別板19の構成において、シー
ブモータM1を駆動してチャフ開度を大きくするほど、
チャフシーブ24において下方側に漏下する穀粒量が増
加して、選別装置Bの処理能力が大きくなる。このと
き、一番口20にて回収される穀粒に藁屑が混入するの
を防止するために、チャフ開度の増加に応じてトウミ風
力が大きくなるつまりトウミ回転数を大きくするように
トウミモータM2を駆動する。
【0028】又、図6に示すように、チャフシーブ24
上の選別処理物(穀粒等)の層厚を検出する層厚センサ
S1が設けられている。層厚センサS1は、横軸芯周り
に揺動自在に垂下された板状部材T1,T2と、その板
状部材T1,T2の後方(処理物の搬送方向)への回動
角度Iを抵抗値に変換するポテンショメータPMからな
る。処理物の層厚が小さいときは板状部材T1が処理物
に接当して後方へ回動し、層厚が大きくなると板状部材
T2が処理物に接当して後方へ回動するように構成され
ている。
【0029】上記構成により、選別処理物の量が多くな
ってその層厚が厚くなるほどセンサバーT1,T2の回
動角度Iが大きくなるので、ポテンショメータPMの抵
抗値から処理物の層厚を検出することができる。従っ
て、揺動選別板19(実際はチャフシーブ24)上の処
理物の層厚を検出する層厚検出手段が、上記層厚センサ
S1によって構成されることになる。
【0030】動力伝達系は図3に示すように構成されて
いる。エンジンEの動力は、脱穀クラッチ10を介して
脱穀装置2に伝達されると共に、走行クラッチ11及び
車速変速用の油圧式の無段変速装置12を介して、左右
一対のクローラ走行装置1のミッションケース13に伝
達され、刈取部4には、ミッションケース13から刈取
クラッチ14を介して動力が伝達される。脱穀装置2に
伝達された動力は、割りプーリ式のベルト変速装置8を
介して前記トウミ18の回転軸18aに伝動され、又、
図示しないが、前記扱胴15、フィードチェーン16、
揺動選別板19等の駆動動力として伝動される。エンジ
ンEには、その回転数を検出するエンジン回転数センサ
S6が設けられ、ミッションケース13には、クローラ
走行装置1への駆動軸の回転数を検出して車速を検出す
る車速センサS5が設けられ、脱穀装置2が動作中か否
かを検出するために、脱穀クラッチ10の入切状態を検
出する脱穀スイッチSW1が設けられている。
【0031】図1に示すように、マイクロコンピュータ
等で構成される制御手段Hが設けられ、この制御手段H
には、前述の層厚センサS1、チャフ開度センサS2、
トウミ回転数センサS3、株元センサS4、車速センサ
S5、エンジン回転数センサS6、及び、脱穀スイッチ
SW1からの各検出情報が入力されている。又、前記操
縦部3の操縦パネルには、作物条件を麦、稲、濡れの3
条件の中から選択して切り換える作物切換スイッチSW
2と、トウミ調節ボリュームVRとが設けられ、これら
の情報も制御手段Hに入力されている。尚、上記センサ
等からの入力情報は、A/D変換されて0〜255の8
ビットデジタルデータになる。一方、制御手段Hから
は、前述のシーブモータM1、及び、トウミモータM2
に対する各駆動信号が出力されている。
【0032】前記制御手段Hは、前記処理物の層厚が適
正範囲となるように、前記層厚センサS1の層厚検出値
及びその変化率に基づいて決定した操作量で、前記シー
ブモータM1を作動させるように構成されている。尚、
後述のように、上記シーブモータM1の作動量に応じて
トウミモータM2も作動される。そして、制御手段H
は、上記操作量をファジィ推論に基づいて予め求めた操
作量データを数値テーブルとして記憶して、その操作量
データに基づいて即ち上記数値テーブル内のデータを選
択して前記操作量を決定するとともに、そのファジィ推
論において、前記扱室Aから揺動選別板19に漏下する
処理物の量の多少に対応して設定した複数種の制御規則
(例えば2つの数値テーブル)のうちの1つを、前記処
理物量に基づいて選択して、前記操作量データを求める
ように構成されている。そして、上記扱室Aから揺動選
別板19に漏下する処理物量が多くなると、それに対応
して揺動選別板19の漏下開度(チャフ開度)が大側に
調節されることから、その処理物量検出手段が、その処
理物の多少を揺動選別板19における漏下開度の大小に
よって検出する漏下開度検出手段としての前記チャフ開
度センサS2にて構成される。尚、制御手段Hは、上記
決定した操作量からチャフ開度及びトウミ回転数の目標
値を求め、各目標値とチャフ開度センサS2又はトウミ
回転数センサS3の検出値との偏差をゼロにするように
制御する。
【0033】前記ファジィ推論における制御規則につい
て説明する。図24に示すファジィマップの配列要素と
して、処理物の層厚目標値(後述のシーブ目標値)に対
する層厚検出値の偏差であるシーブ偏差と、所定時間内
での層厚検出値の変化量であるシーブ変化量(従って、
これが層厚検出値の変化率に対応する)とを求める。こ
こで、層厚検出値が層厚目標値よりも大きければシーブ
偏差は正の値になり、逆であれば、負の値になる。又、
層厚検出値が増加傾向にあればシーブ変化量は正の値に
なり、減少傾向にあれば負の値になる。次に、チャフ開
度が所定開度(例えば19mm)よりも小さい場合に
は、2つ用意されているファジィマップのうちの主マッ
プ(図24(イ))を選択し、所定開度よりも大きい場
合には、補助マップ(図24(ロ))を選択して、上記
シーブ偏差及びシーブ変化量を前件部のファジィ変数と
するファジィ推論により、チャフ開度の操作量即ちシー
ブモータM1に対する出力を求める。
【0034】つまり、シーブ偏差及びシーブ変化量のメ
ンバーシップ関数が、図23(イ)及び(ロ)に示さ
れ、又、図24に示すルールの後件部のファジィ変数で
あるチャフ開度に対する操作量のメンバーシップ関数
が、図23(ハ)に示すように、離散的なシングルトン
の集合として表される。そして、シーブ偏差及びシーブ
変化量の各メンバーシップ関数に対するグレード(適合
度ともいう)に応じて、図24の各マップに示す25個
のルールのうちの1個又は複数のルールからの出力が得
られ、適合するルールから得られる出力にシーブ偏差又
はシーブ変化量のグレードの小さい方の値を掛けた値が
そのルールから得られる出力となる。複数のルールから
複数の出力が得られる場合はそれらの平均値が最終的な
出力になる。尚、上記出力も正負の8ビットデジタル値
で表され、正の値はチャフ開度を大きくする方向に操作
することを表し、負の値はチャフ開度を小さくする方向
に操作することを表す。
【0035】上記制御ルール(図24)からも判るよう
に、チャフ開度が所定開度よりも小さい場合に選択され
る主マップ(図24(イ))では、チャフ開度が所定開
度よりも大きい場合に選択される補助マップ(図24
(ロ))に比べて、チャフ開度の操作量が大きくなる。
特に、シーブ偏差及びシーブ変化量が共に大きい条件に
おいて、チャフ開度の操作量が大きくなるように設定さ
れている。これにより、揺動選別板19における漏下開
度が小さいときの方が、揺動選別板19における漏下開
度が大きいときよりも、層厚センサS1の層厚検出値及
びその変化率に基づいて決定する操作量を大きくするよ
うに構成されることになる。
【0036】次に、図7〜図22に示すフローチャート
に基づいて、制御手段Hによる脱穀制御の流れを説明す
る。メインフロー(図7)では、先ず、初期設定処理を
行った後、層厚センサS1による層厚検出データの処理
を行うシーブ検出処理と、共通データの設定処理を行
う。そして、脱穀スイッチSW1がオフ状態のときは、
各種制御用のフラグやカウンタをクリアしてから、セン
サ類や各部の異常を調べる自己診断処理を行う。一方、
脱穀スイッチSW1がオフ状態からオン状態に変化して
脱穀作業が開始されると、所定の制御周期(250m
s)ごとに脱穀制御処理を行い、その後、上記自己診断
処理を行う。
【0037】初期設定処理(図8)では、メモリー(E
EPROM)内に記憶されているチャフシーブ24の全
開位置及び全閉位置のデータが正常かどうかを調べる。
正常であれば、それに基づいてチャフ開度調節の上限位
置を上記データの全開位置よりも少し閉じ側の位置とし
て、又、下限位置を上記データの全閉位置よりも少し開
き側の位置としてそれぞれ設定する。さらに、その上限
位置と下限位置の差が所定値(適正開度量)よりも大き
いときだけ、上限位置を下限位置にその所定値(適正開
度量)を加えた位置として再設定する。一方、メモリー
(EEPROM)内のチャフシーブ24の全開位置及び
全閉位置のデータが正常でなければ(例えば、共に
0)、異常として処理する。
【0038】シーブ検出処理(図9〜図11)では、層
厚センサS1の検出値を所定周期(5ms)でサンプリ
ングし、その最小値及び最大値検出用の処理時間(12
5msに設定)の最初のときだけ上記サンプリングデー
タを最小値及び最大値データとして記憶する。以後、順
次サンプリングする層厚センサS1の検出値が最小値デ
ータよりも小さいときにはその検出値で最小値データを
更新し、検出値が最大値データよりも大きいときにはそ
の検出値で最大値データを更新する処理を、上記処理時
間(125ms)が経過するまで続ける。上記処理時間
(125ms)が経過すると、最小値及び最大値データ
の平均値を求めるとともに、1つ前の処理時間での平均
値との和Wを求める。そして、上記処理を2回行うと
(つまり250ms経過後)、各処理時点での層厚デー
タ、即ち、最新のシーブ検出値、250ms前のシーブ
検出値、及び、500ms前のシーブ検出値を夫々記憶
するためにメモリー内に設けた250msデータ
(2)、250msデータ(1)及び250msデータ
(0)について、250msデータ(2)及び250m
sデータ(1)の記憶内容を、夫々250msデータ
(1)及び250msデータ(0)に移すとともに、上
記求めた和Wの1/2つまり最新のシーブ検出値を25
0msデータ(2)に記憶させる。
【0039】次に、シーブ偏差を、予め設定されている
シーブ目標値と最新のシーブ検出値(上記250msデ
ータ(2)の内容)との差として求め、シーブ微分値
(変化量)を、500ms前のシーブ検出値(上記25
0msデータ(0)の内容)と最新のシーブ検出値(上
記250msデータ(2)の内容)との差として求め
る。尚、上記シーブ目標値は、後述の麦及び稲の各作物
切換条件について異なる値が設定される。そして、シー
ブ偏差が大小2段階に設定された設定値のうちの大側の
設定値以上のとき、及び、シーブ偏差が大側の設定値と
小側の設定値との間にあってシーブ微分値が設定値以上
のときには、後述のように、原則として3秒間隔で行う
脱穀制御処理を連続して(実際には、制御周期250m
sで)実行することを許可する連続制御許可フラグをオ
ンする。一方、上記以外のときは、連続制御許可フラグ
をオフする。
【0040】次に、最新のシーブ検出値(上記250m
sデータ(2)の内容)を5段階のシーブ値、つまり検
出値が小さい方から順番に、0,1,2,3,4のラン
クに分ける。そして、上記ランク分けしたシーブ値が、
以前のシーブ値を記憶しているメモリー内のシーブ値デ
ータと異なる状態が、250msの制御周期で連続して
5回(つまり、少なくとも250ms×4=1秒以上)
続いた場合だけ、新たに求めたシーブ値で上記シーブ値
データを更新する。
【0041】共通データ設定処理(図12)では、前記
トウミ調節ボリュームVRの検出値が、その検出データ
を記憶するメモリー内のトウミボリュームデータの値か
ら不感帯幅を超えて変化したときだけ、その検出値がト
ウミボリュームデータ内の値として更新される。次に、
前記作物切換スイッチSW2の状態を調べて、麦、稲、
及び濡れの各切換位置に応じて、モード(mode)値
を夫々0、1、2とし、更に、麦及び稲モード時におい
て、前記シーブ値が0及び1のときに、後述のように開
度設定用に使用するシーブ値0用及びシーブ値1用のチ
ャフ最低開度を夫々設定する。
【0042】脱穀制御処理(図13)では、先ず、モー
ド(mode)値より作物条件を判断し、濡れモードの
ときはヌレモード制御(図14)を実行する。一方、麦
及び稲モードのときは、株元センサS4の状態及び前記
シーブ値の内容に応じて、以下のように、層厚センサS
1が故障の場合に車速に応じてチャフ開度及びトウミ風
力を調節する車速感応型制御(図15)と、ファジィル
ールに基づいてチャフ開度調節を行うファジィ制御(図
16及び図17)のいずれかを実行する。そして、上記
各制御において設定された調節作動量で、実際にシーブ
モータM1及びトウミモータM2を作動させるチャフ出
力処理及びトウミ出力処理を行う。
【0043】つまり、麦及び稲モード時に、株元センサ
S4がオン状態のときは、それがオフからオンに変化後
所定時間(6秒)経過すると、6秒フラグをセットする
(尚、この6秒フラグは株元センサS4がオフ状態にな
るとリセットされる)一方、株元センサS4がオフ状態
のときは、それがオンからオフに変化後に、前記シーブ
値が0の状態が8秒継続したときにだけ8秒フラグをセ
ットする(尚、この8秒フラグは株元センサS4がオン
状態になるとリセットされる)。次に、層厚センサS1
の検出値が正常であるか否かを調べて、例えば、断線等
のために検出値が0Vあるいは電源電圧に相当する値で
ある等から、層厚センサS1の故障が判断されると、車
速感応型制御を行う。層厚センサS1が正常であれば、
所定の制御周期(3秒)が経過したとき、及び、制御周
期(3秒)は経過していないが前記連続制御許可フラグ
がオンしているときに、ファジィ制御を行う。
【0044】ヌレモード制御(図14)では、チャフ開
度の目標値を全開位置に設定し、前記トウミボリューム
データに基づいてトウミ回転数を算出する。つまり、ト
ウミ調節ボリュームVRが標準位置のときにトウミ回転
数が標準回転数(例えば、1300rpm)になり、ト
ウミ調節ボリュームVRが標準位置から強側又は弱側に
回されるに従って、トウミ回転数が上記標準回転数から
大側又は小側に変更される。そして、その算出したトウ
ミ回転数がトウミ最小回転数(例えば、1000rp
m)より小さいときはその最小回転数をトウミ目標回転
数とし、トウミ最大回転数(例えば、1500rpm)
より大きいときはその最大回転数をトウミ目標回転数と
し、上記トウミ最小回転数とトウミ最大回転数の間のと
きは算出したトウミ回転数をトウミ目標回転数とする。
【0045】車速感応型制御(図15)では、先ず、車
速を、例えば、0〜0.35m/s,0.35〜0.5
5m/s,0.55〜0.75m/s,0.75〜0.
95m/s,0.95m/s〜の5段階に分け、その車
速の各段階に対して予め用意した車速対チャフ開度の算
出マップに基づいて、図26に示すように、麦、稲モー
ド別にチャフ開度目標値を求める。そして、後述のトウ
ミ回転数設定処理(図18及び図19)により、上記チ
ャフ開度目標値に基づいてトウミ目標回転数を算出す
る。
【0046】ファジィ制御(図16及び図17)では、
ファジィマップの配列要素として、シーブ目標値に対す
るシーブ検出値(上記250msデータ(2)の内容)
の偏差であるシーブ偏差と、500ms前のシーブ検出
値(上記250msデータ(0)の内容)に対する最新
のシーブ検出値(上記250msデータ(2)の内容)
の変化量であるシーブ変化量とを求める。次に、前述の
ように、現在のチャフ開度が所定開度(19mm)より
も小さい場合には、主マップ(図24(イ))にて、
又、所定開度よりも大きい場合には、補助マップ(図2
4(ロ))にて、上記シーブ偏差及びシーブ変化量を前
件部のファジィ変数とするファジィ推論により、シーブ
モータM1に対する出力を求める。
【0047】次に、株元センサS4の状態を調べて、そ
れがオン状態のときは、現在のチャフ開度に上記求めた
操作量を加算してチャフ開度目標値とする。さらに、前
記6秒フラグがセットされている場合、即ち、株元セン
サS4のオン後6秒経過しているときは、前記車速感応
型制御と同様に車速を5段階分けして、各車速段階に対
するチャフ最低開度を予め用意したマップより求め、そ
のチャフ最低開度よりも上記チャフ開度目標値が小さい
ときはそのチャフ最低開度をチャフ開度目標値とする。
【0048】一方、株元センサS4がオフ状態のとき
は、チャフ開度の開き側への変更を禁止するために、上
記求めた操作量が正かどうかを調べて、正の場合は操作
量をゼロにする。さらに、前記8秒フラグがセットされ
ている場合、即ち、株元センサS4がオンからオフに変
化後に前記シーブ値0の状態が8秒継続したときには、
チャフ開度目標値を前記設定したシーブ値0用のチャフ
最低開度とする。8秒フラグがリセット状態の場合につ
いては、シーブ値が1以下(0及び1)のときは、チャ
フ開度目標値を前記設定したシーブ値1用のチャフ最低
開度とし、シーブ値が2以上(2、3、4)のときは、
チャフ開度目標値を現在のチャフ開度とする。そして、
上記求めた各チャフ開度目標値に基づいて、後述のトウ
ミ回転数設定処理(図18及び図19)によりトウミ目
標回転数を算出する。
【0049】トウミ回転数設定処理(図18及び図1
9)では、チャフ開度値に対して直線変換式によってト
ウミ回転数を計算するが、この計算は、図25に示す、
前記トウミ調節ボリュームVRが標準位置のときの麦モ
ード及び稲モードについての変換式を用いる。尚、チャ
フ開度の全閉側及び全開側に対応して、トウミ回転数の
最小回転数tmin及び最大回転数tmaxが設定さ
れ、又、参考として、稲モードについて、トウミ調節ボ
リュームVRが標準位置よりも1目盛強側又は弱側に回
されたときの変換式が示されている。次に、上記計算し
たトウミ回転数が、前述のトウミ最小回転数(1000
rpm)より小さいときはその最小回転数をトウミ目標
回転数とし、トウミ最大回転数(1500rpm)より
大きいときはその最大回転数をトウミ目標回転数とす
る。その後、前記トウミ調節ボリュームVRの位置によ
るトウミ目標回転数の増減補正を行い、その補正後の回
転数がトウミ調節ボリュームVRで変更した変換式にお
ける上記最小回転数tminより小さいときはその最小
回転数tminをトウミ目標回転数とし、最大回転数t
maxより大きいときはその最大回転数tmaxをトウ
ミ目標回転数とする。
【0050】次に、前記6秒フラグがオフ状態であるか
どうかにより、刈り終わりのトウミ回転数制御を行うか
どうかを判断するが、前記6秒フラグがオンのときは、
その時点での前記トウミ目標回転数を、刈り終わりのト
ウミ回転数制御で使用する刈り終わり時のトウミ回転数
として記憶しておく。株元センサS4がオフして6秒フ
ラグがオフ状態に変化すると、刈り終わりトウミ回転数
制御に入り、シーブ値に応じてトウミ回転数を次のよう
に設定する。つまり、シーブ値が3以上(3、4)のと
きは、上記刈り終わり時のトウミ回転数に設定し、シー
ブ値が2のときは、上記刈り終わり時のトウミ回転数か
ら所定回転数(例えば100rpm)少ない回転数に設
定し、シーブ値が1のときは、前記トウミ調節ボリュー
ムVRで変更した前記変換式における前記最小回転数t
min(図25参照)に設定し、シーブ値が0の状態が
8秒継続したとき(前記8秒フラグがオンしていると
き)は、前記最低回転数(1000rpm)に設定す
る。
【0051】チャフ出力処理(図20)では、今回のチ
ャフ開度目標値が前回のチャフ開度目標値と異なる場合
だけ、次回のために今回のチャフ開度目標値を前回のチ
ャフ開度目標値として記憶してから、上記チャフ開度目
標値と現在のチャフ開度を比較する。チャフ開度目標値
が現在のチャフ開度よりも大きいときは、シーブモータ
M1が閉じ側に出力中かどうか調べ、閉じ側に出力中の
ときはその閉じ側への出力を停止し、さらに、上記チャ
フ開度目標値と現在のチャフ開度との差が所定値よりも
大きいときだけ開き方向に出力する。尚、チャフ開度目
標値と現在のチャフ開度との差が所定値よりも小さいと
きは、所定期間(例えば、500ms程度)閉じ方向へ
の出力を停止する。一方、チャフ開度目標値が現在のチ
ャフ開度以下のときは、シーブモータM1が開き側に出
力中かどうか調べ、開き側に出力中のときはその開き側
への出力を停止し、さらに、上記チャフ開度目標値と現
在のチャフ開度との差が所定値よりも大きいときだけ閉
じ方向に出力する。尚、チャフ開度目標値と現在のチャ
フ開度との差が所定値よりも小さいときは、所定期間
(例えば、500ms程度)開き方向への出力を停止す
る。そして、最後に、チャフ開度変更制御用のタイマー
(3秒)をスタートさせる。
【0052】トウミ出力処理(図21及び図22)で
は、現在のトウミ回転数が500rpmを超えている状
態で、且つ、トウミモータM2のオンオフ駆動周期(5
00ms)におけるオフ時間の終了即ちモータ駆動周期
の終了を確認したときに、目標回転数から現在の回転数
を引いて求まるトウミ回転数偏差の値に基づいて、以下
の処理を行う。つまり、上記回転数偏差が−100rp
mよりも小さいときは、トウミモータM2が強方向に出
力中かどうか調べ、強方向に出力中のときはその強方向
への出力を停止した後、弱方向に連続出力する。具体的
には、弱方向へのモータオン時間を500ms(従って
モータオフ時間は0)にする。上記回転数偏差が100
rpmよりも大きいときは、トウミモータM2が弱方向
に出力中かどうか調べ、弱方向に出力中のときはその弱
方向への出力を停止した後、強方向に連続出力する。具
体的には、強方向へのモータオン時間を500ms(従
ってモータオフ時間は0)にする。上記回転数偏差が−
15rpmと15rpmの間にあるときは、不感帯内に
あるとして、モータ出力を停止する。具体的には、モー
タオン時間を0(従ってモータオフ時間は500ms)
にする。
【0053】一方、上記回転数偏差が−100rpmと
−15rpmの間、及び、15rpmと100rpmの
間にあるときは、モータを間欠駆動させるのモータオン
時間Tonを、上記回転数偏差Hr及び前記エンジン回
転数センサS6によるエンジン回転数Erに基づいて下
式のように計算する。尚、a1は所定のゲイン係数であ
る。
【0054】
【数1】Ton=a1・Hr/Er
【0055】ここで、計算したオン時間Tonが250
msを超えるときはモータオン時間を250msに、8
0msより小さいときは80msに、250msと80
msの間のときは計算したオン時間に夫々設定し、又、
モータオフ時間を500msから上記設定したモータオ
ン時間を引いた時間として設定する。そして、上記回転
数偏差が正のときは、上記設定したモータオン時間を強
方向オン時間とする一方、上記回転数偏差が負のとき
は、上記設定したモータオン時間を弱方向オン時間とす
る。最後に、上記設定したモータオン及びオフ時間でト
ウミモータM2を駆動することになる。
【0056】〔別実施例〕以下、別実施例を列記する。
上記実施例では、扱室Aから揺動選別板19に漏下する
処理物の量を検出する処理物量検出手段を、その処理物
の多少を揺動選別板19における漏下開度の大小によっ
て検出する漏下開度検出手段(チャフ開度センサS2)
にて構成したが、これに限るものではない。つまり、上
記扱室Aから揺動選別板19に漏下する処理物量が多い
のは、その扱室Aへの刈取部等からの穀稈供給量が多い
ためであると考えられるので、上記処理物量検出手段
を、その処理物の多少を扱室Aへの穀稈供給量の多少に
よって検出する穀稈供給量検出手段にて構成することも
できる。穀稈供給量検出手段は、具体的には、穀稈供給
量が刈取速度が速くなるほど多くなり、車速と比例関係
にあることから、前記車速センサS5にて構成すること
ができ、あるいは、フィードチェーン16にて扱室Aに
供給搬送される刈取穀稈のわら厚さを検出するポテンシ
ョメータ等の稈厚センサによる稈厚情報と、フィードチ
ェーン16の搬送速度情報とから穀稈供給量を検出して
もよい。
【0057】又、上記処理物量検出手段を、漏下開度検
出手段で構成する場合も、上記実施例に示すチャフ開度
センサS2に限るものではなく、例えば、前記制御手段
H内に、予め、揺動選別板19の漏下開度変更手段であ
るシーブモータM1の基準駆動状態からの駆動量と、揺
動選別板19の漏下開度との対応データを記憶させ、こ
の対応データと実際のシーブモータM1の駆動量とから
揺動選別板19の漏下開度を検出するようにすることも
できる。
【0058】上記実施例では、処理物の層厚検出値及び
その変化率に基づく揺動選別板19の漏下開度変更用の
操作量の決定をファジィ推論によって行うようにした
が、前記操作量の決定はファジィ推論によるものに限ら
ず、例えば、PID制御等によって行うようにしてもよ
い。
【0059】上記実施例では、前記操作量の決定をファ
ジィ推論によって行う場合に、予め演算して求めた操作
量データを数値テーブルとして記憶するようにしたが、
このような数値テーブルではなく演算用のテーブルを記
憶し、その演算用のテーブルを用いて、層厚検出値及び
その変化率の情報から前記操作量を演算して求めるよう
にしてもよい。この演算テーブル方式によれば、記憶情
報量が数値テーブル方式に比べて少なくて済むというメ
リットがある。
【0060】又、上記実施例では、前記操作量データを
求めるためのファジィ推論における複数個の制御規則と
して2つの制御規則を、扱室Aから揺動選別板19に漏
下する処理物量の多少に対応して、具体的には、揺動選
別板19における漏下開度(チャフ開度)の大小に対応
して設定するようにしたが、より適切な制御を行うため
に、上記複数個の制御規則を2つではなく、例えば、上
記漏下開度の大中小に対応して3つ設定するようにして
もよい。
【0061】上記実施例では、扱室Aから揺動選別板1
9に漏下する処理物量が小さい(揺動選別板19の漏下
開度が小さい)ときの方が、上記処理物量が多い(揺動
選別板19の漏下開度が大きい)ときよりも、層厚検出
手段(層厚センサS1)の層厚検出値及びその変化率に
基づいて決定する操作量を大きくするのに、特にシーブ
偏差及びシーブ変化量が共に大きい条件において、操作
量が大きくなるようにしたものを示したが、これに限る
ものではない。例えば、上記シーブ偏差及びシーブ変化
量が共に大きい条件に加えて、シーブ偏差及びシーブ変
化量が共に小さい条件においても操作量が大きくなるよ
うにしてもよい。
【0062】上記実施例では、チャフシーブ24の後端
やグレンシーブ25の後端から落下した穀粒と藁屑との
混合物を二番口21で回収して、揺動選別板19に還元
するものを示したが、二番口21で回収された上記混合
物を扱室Aに還元するようにしてもよい。
【0063】揺動選別板19上の処理物の層厚を検出す
る層厚検出手段は、上記実施例のような接触式の層厚セ
ンサS1に限らず、例えば、透過型の光センサや、超音
波センサ等の非接触式のセンサを利用する等、種々の手
段で構成できる。
【0064】上記実施例では、揺動選別板19の漏下開
度変更手段を、シーブモータM1にて構成したが、これ
に限るものではない。例えば、揺動選別板19において
処理物を漏下開度を変えながら漏下させる手段を、上記
実施例のようなチャフシーブ24ではなく、例えば、網
状又はスリット状の開口部をスライドグレンパンといわ
れる遮蔽板で遮蔽し、スライドグレンパンをスライドさ
せてその開口部の遮蔽面積つまり開度を変えるように構
成してもよく、この場合、開度変更手段は、スライドグ
レンパンをスライドさせるためのモータ等で構成され
る。
【0065】上記実施例では、揺動選別板19の漏下開
度の変更に応じて、トウミ回転数を変更させるように構
成したが、これに限るものではなく、例えば、トウミ回
転数を所定回転数に固定(つまりトウミモータM2を所
定回転位置に固定)した状態で、シーブモータM1だけ
を正逆方向に回転駆動させるようにしてもよい。
【0066】本発明は、上記実施例のような自脱型コン
バインに限らず、普通型コンバイン等の他のコンバイン
に適用することもでき、又、コンバイン以外の脱穀装置
にも適用することもできる。
【0067】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るコンバインの制御構成の
ブロック図
【図2】自脱型コンバインの側面図
【図3】動力伝達機構の模式図
【図4】脱穀装置の側面透視図
【図5】チャフシーブとその開度変更手段を示す図
【図6】層厚センサの構造を示す側面図
【図7】制御作動のフローチャート
【図8】制御作動のフローチャート
【図9】制御作動のフローチャート
【図10】制御作動のフローチャート
【図11】制御作動のフローチャート
【図12】制御作動のフローチャート
【図13】制御作動のフローチャート
【図14】制御作動のフローチャート
【図15】制御作動のフローチャート
【図16】制御作動のフローチャート
【図17】制御作動のフローチャート
【図18】制御作動のフローチャート
【図19】制御作動のフローチャート
【図20】制御作動のフローチャート
【図21】制御作動のフローチャート
【図22】制御作動のフローチャート
【図23】ファジィ推論における各変数のメンバーシッ
プ関数を示す図
【図24】ファジィ推論におけるルールを示すテーブル
【図25】チャフ開度値からトウミ回転数を求める変換
式を示すグラフ
【図26】車速感応型制御における車速対チャフ開度値
を示すグラフ
【符号の説明】
B 選別装置 19 揺動選別板 S1 層厚検出手段 M1 開度変更手段 A 扱室 H 制御手段 S2,S5 処理物量検出手段 S2 漏下開度検出手段 S5 穀稈供給量検出手段

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱穀後の処理物を選別する選別装置
    (B)に備えられた揺動選別板(19)上の処理物の層
    厚を検出する層厚検出手段(S1)と、前記処理物の層
    厚が適正範囲となるように、前記層厚検出手段(S1)
    の層厚検出値及びその変化率に基づいて決定した操作量
    で、前記揺動選別板(19)の漏下開度を変更する開度
    変更手段(M1)を作動させる制御手段(H)とが設け
    られた脱穀選別制御装置であって、 扱室(A)から前記揺動選別板(19)に漏下する処理
    物の量を検出する処理物量検出手段(S2,S5)が設
    けられ、 前記制御手段(H)は、前記処理物量検出手段(S2,
    S5)の情報に基づいて、前記処理物量が少ないときの
    方が、前記処理物量が多いときよりも、前記層厚検出手
    段(S1)の層厚検出値及びその変化率に基づいて決定
    する前記操作量を大きくするように構成されている脱穀
    選別制御装置。
  2. 【請求項2】 前記処理物量検出手段(S2,S5)
    が、前記処理物の多少を、前記揺動選別板(19)にお
    ける漏下開度の大小によって検出する漏下開度検出手段
    (S2)にて構成されている請求項1記載の脱穀選別制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記処理物量検出手段(S2,S5)
    が、前記処理物の多少を、前記扱室(A)への穀稈供給
    量の多少によって検出する穀稈供給量検出手段(S5)
    にて構成されている請求項1記載の脱穀選別制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段(H)は、前記操作量をフ
    ァジィ推論に基づいて予め求めた操作量データを記憶し
    て、その操作量データに基づいて前記操作量を決定する
    ように構成されている請求項1、2又は3記載の脱穀選
    別制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ファジィ推論において、前記処理物
    量の多少に対応して設定した複数種の制御規則のうちの
    1つを、前記処理物量に基づいて選択して、前記操作量
    データを求めるように構成されている請求項4記載の脱
    穀選別制御装置。
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