JPH0853894A - 押出成形セメント板床の留付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 押出成形セメント板床を梁材にその上面側か
ら効率よく留付けることができる押出成形セメント板床
の留付構造を得ること。 【構成】 押出成形セメント板床１の適所に中空部２か
ら下面に貫通するＺ型金物装着用穴３及びＺ型金物装着
用穴３に対応して中空部２の上面側に作業穴４を設け、
Ｚ型金物装着用穴３に一端に上方へ延出しその上部にＺ
型金物の方向を示す特定方向のカット面９を有するボル
ト１０及び同ボルト１０のＺ型金物装着用穴３からの抜
け止め片１１を設けたＺ型金物８を押し込み装着し、ボ
ルト１０に対して作業穴４からＺ型金物８の廻り止め台
座１２を挿入すると共に、ナット１８をボルト１０に螺
合してＺ型金物８を締め付けてなる押出セメント成形板
床の留付構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉄骨住宅や共同住宅等
において使用される、中空部を持つパネル状の押出成形
セメント板床を梁材に留付けるための押出成形セメント
板床の留付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】鉄骨住宅や共同住宅等において、床材と
して使用されている押出成形セメント板床は、中空部を
持つパネル状の形状を有しており、予め工場において必
要な穴明けをすると共に、角型ナットが挿入設置され
る。この押出成形セメント板床を現場に搬入し、梁材の
上に上面から順次敷きつめた後、押出成形セメント板床
の下面側から留付け金物を使用して押出成形セメント板
床を梁材に留付けている。図７及び図８はその留付構造
を示す構成図、図９は留付けに使用する留付け金物の構
成図である。

【０００３】押出成形セメント板床１の中空部２内に
は、押さえバネ２１によってボルト２３をねじ込むため
の角型ナット２２が予め挿入設置されており、この押出
成形セメント板床１は梁材６の上面に順次敷きつめられ
る。押出成形セメント板床１を梁材６に留付けるため、
梁材６の構造に対応した形状のＺ型金物２４やフック金
物２５等の留付け具が使用される。図５に示すように梁
材６がＨ型鋼の場合、Ｚ型金物２４が使用され、押出成
形セメント板床１の下面側からボルト２３を挿入し、ス
プリングワッシャ２６及びワッシャ２７を介して角型ナ
ット２２にねじ込み、Ｚ型金物２４を締付け固定するこ
とによって押出成形セメント板床１を梁材６に留付けて
いる。また、図６に示すように梁材６がリップを有する
チャンネル材の場合、フック金物２５が使用され、梁材
６のリップにフック金物２５を引っ掛けてボルト２３に
より締付け固定することによって押出成形セメント板床
１を梁材６に留付けている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の留付構
造によると、押出成形セメント板床１の梁材６への留付
け作業を押出成形セメント板床１の下面側から足場等を
使用した上向き作業で行わなければならない。このた
め、押出成形セメント板床１の敷きつめ作業と留付け作
業とを別々に行わなければならず、作業工程が多く効率
低下の要因となっていると共に、押出成形セメント板床
１の留付け作業が押出成形セメント板床下面側での上向
き作業となるため、作業がしずらい等の問題がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、本発明に係る押出成形セメント板床の留付構造
は、中空部を持つパネル状の押出成形セメント板床を留
付け金物を介して梁材に留付ける押出成形セメント板床
の留付構造において、前記押出成形セメント板床の適所
に中空部から下面に貫通するＺ型金物装着用穴及び同Ｚ
型金物装着用穴に対応して中空部の上面側に作業穴を設
け、前記Ｚ型金物装着用穴に、一端に上方の延出しその
上部にＺ型金物の方向を示す特定方向のカット面を有す
るボルト及び同ボルトのＺ型金物装着用穴からの抜け止
め片を設けたＺ型金物を押し込み装着し、同Ｚ型金物の
ボルトに対して前記作業穴から廻り止め台座を挿入する
と共に、前記ボルトにナットを螺合し、該ナットで前記
Ｚ型金物を締め付けることで、前記押出成形セメント板
床を梁材に留付けてなることを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】本発明に係る押出成形セメント板床の留付構造
は、上記のように構成されているので、予めボルトをＺ
型金物装着用穴に押し込み、抜け止め片を介して抜け落
ちないようにＺ型金物を装着した押出成形セメント板床
を梁材上の所定位置に敷きつめた後、作業穴からボルト
のカット面を目印にＺ型金物を廻して同Ｚ型金物が梁材
を挟み込むように位置決めし、この状態でボルトに廻り
止め台座を挿入してＺ型金物の廻り止めをした後、前記
ボルトにナットをねじ込んで締め付け、Ｚ型金物と押出
成形セメント板床との間に梁材を挟み込むことによっ
て、押出成形セメント板床を梁材に留付けることができ
る。

【０００７】

【実施例】以下に本発明の実施例を図１乃至図６に基づ
いて説明する。図１は本発明の実施例に係る押出成形セ
メント板床の留付構造の構成を示す断面図、図２は図１
におけるＡーＡ断面相当図、図３はその押出成形セメン
ト板床の留付構造に使用する留付け金物の構成を示す斜
視図、図４はその留付け金物の押出成形セメント板床へ
の装着状態を示す説明図である。

【０００８】本実施例において使用される押出成形セメ
ント板床１は、中空部２を持つパネル状の形状を有し、
その適所に中空部２から下面に貫通するＺ型金物装着用
穴３を設けると共に、同Ｚ型金物装着用穴３に対応して
中空部２の上面側に作業穴４を設けている。この押出成
形セメント板床１は、建物側の梁材６の上面上に敷きつ
められ、留付け金物７を介して梁材６に留付けられる。

【０００９】押出成形セメント板床１を梁材６に留付け
る留付け金物７は、図３に示すように、一端上面に上方
へ延出するように設けられ、上部にＺ型金物の方向を示
す特定方向のカット面９を設けたボルト１０を有すると
共に、同ボルトの中程に下方へ開くように設けられ、ボ
ルト１０を押出成形セメント板床１のＺ型金物装着用穴
３に挿入するとき弾性変形し、挿入後にその抜け落ちを
防止する複数の抜け止め片１１を有し、押出成形セメン
ト板床１の下面との間で梁材６を挟み込むＺ型金物８
と、押出成形セメント板床１の中空部２の幅と略同じ幅
を有すると共に、ボルト１０のカット面９に対応するカ
ット面１３を有するカット面付の穴１４を有し、Ｚ型金
物８のボルト１０に対して押出成形セメント板床１の作
業穴４から挿入され、Ｚ型金物８の廻り止め作用をなす
廻り止め台座１２と、押出成形セメント板床１の上面の
作業穴４周辺に係合すると共に、その中央部に後記のナ
ット１８の頭部が押出成形セメント板床１の上面より突
出しないよう凹面１６を有し、Ｚ型金物８との間で押出
成形セメント板床１と梁材６を挟み込む押え板１５及び
ワッシャ１７と、同押え板１５及びワッシャ１７を介し
て押出成形セメント板床１の上面側からボルト１０にね
じ込まれ、梁材６を挟んでＺ型金物８を締め付けるナッ
ト１８とから構成される。

【００１０】次に、上記留付ける留付け金物７を用いて
押出成形セメント板床１を梁材６に留付ける装着作業を
説明する。先ず、予め押出成形セメント板床１のＺ型金
物装着用穴３にＺ型金物８のボルト１０を押し込み、抜
け止め片１１を介して抜け落ちないようにＺ型金物８を
押出成形セメント板床１に装着しておく。Ｚ型金物８が
装着された押出成形セメント板床１を梁材６上の所定位
置に順次敷きつめた後、押出成形セメント板床１の作業
穴４からボルト１０のカット面９を目印にしてＺ型金物
８を廻し、Ｚ型金物８が梁材６を挟み込む方向に向ける
ことによって、Ｚ型金物８を確実に梁材６を挟み込む位
置に位置決めをすることができる。

【００１１】この状態でボルト１０に廻り止め台座１２
を挿入し、廻り止めワッシャ１２を中空部２の内面に係
合させることによりＺ型金物８の廻り止めをした後、押
出成形セメント板床１の上面に押え板１５及びワッシャ
１７を配置し、この押え板１５及びワッシャ１７を介し
てボルト１０にナット１８をねじ込んで締め付けること
によって、押え板１５とＺ型金物８との間に押出成形セ
メント板床１と梁材６とを挟み込んで、押出成形セメン
ト板床１を梁材６に留付ける。

【００１２】以下同様に、梁材６上に敷きつめられた押
出成形セメント板床１を順次留付けていくことによっ
て、押出成形セメント板床１をその上面側から梁材６に
留付けすることができる。なお、押え板１５はその上面
に凹面１６を設け、ナット１８によって押え板１５締め
付けた状態でもナット１８の頭部が押出成形セメント板
床１の上面から突出しないようにしている。

【００１３】一方図５は他の実施例の留付構造を示す断
面図であり、図６は、この留付構造に用いられる台座の
斜視図である。本実施例においては、前例と異なり、
「押え板」を用いることなくＺ金物８を押出成形セメン
ト板床１に止着することで梁材６に留付けるものであ
る。

【００１４】すなわち、ボルト１０を、押出成形セメン
ト板床の装着用穴１３から中空部２内に突出させる。そ
の際Ｚ型金物８のクリップ部分と床との間で梁材６を挟
む。

【００１５】斯る状態で図６に示す台座１２を作業穴４
から、そのカット面付の穴１４をボルト１０に嵌装す
る。台座１２の幅Ｗは前例の台座と同様に廻り止めの作
用を働かす為、中空部２の幅と略同じ幅となっている。
次いで作業穴４からナット１８をボルト１０に螺合して
締め付ける。これによりＺ型金物８は台座１２を介して
ナット１８により押出成形セメント板床１に止着される
とともに、そのクリップ部分で梁材６を挟み込むことに
なる。尚ボルト１０のカット面９，カット面付の穴１
４，抜け止め片１１の役割や働きは、前例と同じであ
る。

【００１６】以上の如く上記実施例では、押出成形セメ
ント板床１を梁材６上に敷きつめた後、順次押出成形セ
メント板床１をその上面側から梁材６に留付けすること
ができるため、押出成形セメント板床１の留付け作業を
効率よく行うことができると共に、留付け作業を押出成
形セメント板床１の上面側から下向きで行うことができ
るため、その作業性を向上させることができる。

【００１７】特に第２の実施例においては、図例の如く
ボルト１０，ナット１８は中空部２内に収まるので、押
出成形セメント板床１の上面からは突出することなく、
床仕上げ等において極めて好都合となる。

【００１８】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る押
出成形セメント板床の留付構造によると、予めＺ型金物
を装着した押出成形セメント板床を梁材上に敷きつめた
後、押出成形セメント板床の上面側からＺ型金物のボル
トに作業穴より押え板を介してナットをねじ込んで締め
付けることにより、Ｚ型金物と押え板との間に押出成形
セメント板床と梁材を挟み込んで押出成形セメント板床
を留付けることができるため、押出成形セメント板床の
留付け作業を押出成形セメント板床の上面側から効率よ
く行うことができると共に、その作業性を向上させるこ
とができる等実用上有益な効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る押出成形セメント板床の
留付構造の構成を示す断面図である。

【図２】本発明の実施例に係る押出成形セメント板床の
留付構造の構成を示す図１におけるＡ−Ａ断面相当図で
ある。

【図３】本発明の実施例に係る押出成形セメント板床の
留付構造に使用する留付け金物の構成を示す斜視図であ
る。

【図４】本発明の実施例に係る押出成形セメント板床の
留付構造に使用する留付け金物の押出成形セメント板床
への装着状態を示す説明図である。

【図５】第２の実施例に係る留付構造を示す断面図であ
る。

【図６】第２の実施例に用いられる台座の斜視図であ
る。

【図７】従来の押出成形セメント板床の留付構造の構成
図である。

【図８】従来の他の押出成形セメント板床の留付構造の
構成図である。

【図９】従来の押出成形セメント板床の留付構造に使用
する留付け金物の構成を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 押出成形セメント板床 ２ 中空部 ３ 装着用穴 ４ 作業穴 ６ 梁材 ７ 留付け金物 ８ Ｚ型金物 ９ カット面 １０ ボルト １１ 抜け止め片 １２ 台座 １３ カット面 １４ カット面付穴 １８ ナット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空部を持つパネル状の押出成形セメン
   ト板床を留付け金物を介して梁材に留付ける押出成形セ
   メント板床の留付構造において、 前記押出成形セメント板床の適所に中空部から下面に貫
   通するＺ型金物装着用穴及び同Ｚ型金物装着用穴に対応
   して中空部の上面側に作業穴を設け、前記Ｚ型金物装着
   用穴に、一端に上方へ延出しその上部にＺ型金物の方向
   を示す特定方向のカット面を有するボルト及び同ボルト
   のＺ型金物装着用穴からの抜け止め片を設けたＺ型金物
   を押し込み装着し、該Ｚ型金物に対して中空部からナッ
   トを締付けるものであって、前記Ｚ型金物のボルトに対
   しては前記作業穴から廻り止め台座を挿入すると共に、
   前記ナットを前記ボルトに螺合して、前記Ｚ型金物を締
   め付けることで、前記押出成形セメント板床を梁材に留
   付けてなることを特徴とする押出成形セメント板床の留
   付構造。
2. 【請求項２】 前記廻り止めワッシャは押出成形セメン
   ト板床の中空部の幅と略同じ幅を有すると共に、前記ボ
   ルトのカット面に対応するカット面付穴を有してなるこ
   とを特徴とする請求項１記載の押出成形セメント板床の
   留付構造。