JPH0853776A - 金属酸化物被覆方法および金属酸化物被覆物 - Google Patents

金属酸化物被覆方法および金属酸化物被覆物

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JPH0853776A
JPH0853776A JP18750294A JP18750294A JPH0853776A JP H0853776 A JPH0853776 A JP H0853776A JP 18750294 A JP18750294 A JP 18750294A JP 18750294 A JP18750294 A JP 18750294A JP H0853776 A JPH0853776 A JP H0853776A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゾルゲル法を用いて、高温の環境下において
高い絶縁性を有し、かつ厚い絶縁被膜を有する材料を提
供する。 【構成】 ゾルゲル法に従って調製される、金属酸化物
の前駆体微粒子が分散されたゾルを調製する。このゾル
に銅などの導体を浸漬し、10μm以下の波長を有する
光線を照射しながら導体を陰極として通電する。これに
より、導体上に金属酸化物の被膜を形成させる。得られ
る被膜の厚みはたとえば20〜100μmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高真空や高温で使用さ
れる機器などにおいて用いられる配線用電線や巻線用電
線等の絶縁被覆を形成するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱設備や火災報知器などの高温下にお
いて安全性が要求される設備において、絶縁電線が使用
されることがある。また、絶縁電線は、自動車内の高温
度に加熱された環境下においても用いられる。このよう
な環境に用いられる絶縁電線としては、従来から、導体
にポリイミドやフッ素樹脂等の耐熱性有機樹脂が被覆さ
れた絶縁電線が使用されている。
【0003】一方、高い耐熱性が要求される用途や、高
い真空度が要求される環境下で使用される電線の場合、
上述した有機樹脂の被覆では、耐熱性やガス放出性等の
点で不十分である。そこで、セラミックス製碍子管に導
体が通された形式の絶縁電線や、酸化マグネシウムなど
の金属酸化物微粒子が詰められたステンレス合金等から
なる管に導体が通された形式のMIケーブル(Mine
ral Insulated Cable)などが、そ
のような用途に使用されてきた。
【0004】また、耐熱性とともに可撓性が要求される
絶縁電線については、ガラス繊維が紡織されたものを絶
縁部材として使用するガラス編組絶縁電線や、特開平3
−95809号公報に開示されるような、導体である線
材上に蒸着法によって電気的絶縁被覆層を形成したもの
もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】セラミックス製の碍子
管を用いて耐熱性が高められた絶縁電線は、可撓性に乏
しい等の欠点を有する。MIケーブルは、耐熱性の合金
管と導体とによって構成されているため、ケーブルの外
径は大きい。すなわち、MIケーブルは、耐熱性の合金
管内に通される導体が許容する電力量に対して、相対的
に大きな断面積を有するケーブルである。また、MIケ
ーブルをボビン等にコイル状に巻いて巻線用電線として
用いるためには、耐熱合金製の管を所定の曲率で曲げる
必要がある。しかし、この際の曲げ加工は困難である。
また、コイル状に巻く場合、MIケーブルはその径が太
いので、巻線密度を向上させることは困難である。
【0006】ガラス編組絶縁電線では、比較的厚く編組
を被覆して絶縁保証としている。これは、用途に応じて
所定の形状に配置しようとするとき、ガラス編組の網目
にずれを起こす場合があるからである。また、ガラス編
組における素線は、400℃以上の高温では脆くなり、
被覆に損傷を生じることがある。このため、ガラス編組
絶縁電線をより高温で使用する場合は、セメント質の材
料でガラス編組絶縁電線を固めるといった手法を用い
る。
【0007】特開平3−95809号公報に開示される
ように、アルミナ等からなる電気的絶縁被覆層を蒸着法
により線材の表面に施す場合、絶縁被覆線材の製造速度
は、蒸着法による成膜速度によって制限される。蒸着法
の成膜速度は、一般に1μm/分以下であり、10μm
以上の厚みを有する被膜を形成しようとすると、非常に
長い時間がかかり製造コストも高くつく。このように厚
い絶縁被膜を形成してより高い絶縁破壊電圧を得たい場
合、蒸着による成膜は実用性に乏しい。また、蒸着にお
いて被膜の密着性を十分なものとするため、一般に、基
材を900℃以上の温度で予備加熱し、成膜中でも基材
を高温に保持しておく必要がある。長時間、高温で加熱
することにより、基材が酸化または合金化を受け、電気
抵抗の増加が起こることを考えると、銅、ニッケルめっ
き銅等、一般的に導体として好ましい材料を基材として
用いることはできない。また上述したとおり、蒸着法で
は、短時間で形成した被覆は非常に薄く、十分な電気絶
縁性を導体に付与することができない。
【0008】本発明の目的は、以下の特徴を有する金属
酸化物被覆材料を提供することにある。
【0009】(a) 高温度の環境下において高い絶縁
性を有すること。 (b) 比較的厚い被膜を有し、優れた絶縁特性を示す
こと。
【0010】(c) 被膜の基材に対する密着性が優れ
ること。 (d) 低コストで製造できること。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に従う金属酸化物
被覆方法は、導体上に金属酸化物を被覆するための方法
であって、ゾルゲル法に従って調製される、金属酸化物
の前駆体微粒子が分散されたゾルに導体を浸漬し、この
ゾルに10μm以下の波長を有する光線を照射しかつ導
体を陰極として通電することにより、導体上に金属酸化
物の被膜を形成させることを特徴とする。
【0012】本発明に従う金属酸化物被覆物は、導体
と、導体を覆いかつ金属酸化物からなる電気絶縁被膜と
を備え、この被膜の厚みは20〜100μmであり、直
径30〜80mmの円筒体に沿って巻き付けても、この
被膜は導体から剥がれ落ちることなく電気絶縁性を導体
に対して付与することができ、室温における絶縁破壊電
圧が1.0kV以上であり、かつ直径30〜80mmの
円筒体に巻き付けたコイルの状態で室温において400
V以上の絶縁破壊電圧を有することを特徴とする。
【0013】ゾル−ゲル法では、一般に、金属の有機ま
たは無機化合物の溶液から、化合物の加水分解および重
合によりゾルを生成させ、さらに反応を進ませてゲルを
生成する。生成するゾルには、金属の有機または無機化
合物の加水分解および重合反応によって生成した微粒子
(金属酸化物の前駆体微粒子)が分散、溶解している。
このゾルにおいて、反応がさらに進行するとゲルが生成
する。生成した多孔質のゲルを加熱することによって、
非晶質、ガラスまたは多結晶の金属酸化物を生成させる
ことができる。
【0014】ゾル−ゲル法において原料溶液は、一般
に、金属化合物、加水分解のための水、溶媒、触媒とし
ての酸またはアンモニアから構成され、必要に応じてそ
の他の添加物がこれに添加される。金属化合物には、金
属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、ならびに
金属酢酸塩および金属シュウ酸塩などの金属カルボン酸
塩(金属有機酸塩)などの有機金属化合物、金属硝酸
塩、金属塩化物、金属オキシ塩化物などの金属無機化合
物、などが用いられる。
【0015】本発明において、ゾルは特に、金属アルコ
キシドを金属化合物として含有する溶液から好ましく調
製することができる。金属アルコキシドとして、たとえ
ば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、
イソプロポキシチタン、イソプロポキシアルミニウム、
テトラメトキシジルコニウム、などがある。また、ゾル
に、アルミニウム、マグネシウム、カリウムおよびジル
コニウムの硝酸塩、硫酸塩、塩化物ならびに水酸化物、
ならびにそれらの組合せからなる群から選択される金属
化合物の少なくとも1つを添加することができる。これ
により、2種以上の金属を含む複合酸化物を生成させる
ことができる。また、必要に応じて、ゾルには、マイ
カ、酸化硅素、窒化硅素、炭化硅素、酸化アルミニウ
ム、窒化アルミニウムおよびそれらの組合せからなる群
から選択される材料の粉末を添加してもよい。粉末の粒
径は、たとえば0.5〜20μm、好ましくは1〜10
μmである。粉末の添加により、導体上に形成される被
膜を嵩高くし、より厚い被膜を形成することができる。
【0016】本発明において導体は、たとえば、銅(融
点約1030℃)、銅合金、アルミニウム(融点約66
0℃)、アルミニウム合金、銀(融点約1064℃)、
銀合金、金(融点約1064℃)、金合金およびそれら
の組合せからなる群から選択される金属から好ましく形
成することができる。さらに、ニッケルめっき銅などめ
っきされた導電性材料や、ステンレス嵌合銅線などの複
合導体も好ましく用いることができる。
【0017】本発明の方法において、導体はゾルに浸漬
される。このとき、ゾルには波長10μm以下の光が照
射される。効果的な照射のため、光はゾルに接触する導
体または導体近傍にあるゾルに照射される。照射のため
の光源には、たとえば、Arレーザ(351〜528で
数本、主として488および514.5nm)、He−
Neレーザ(543、594、604、633、115
2、1523、3391nm)、YAGレーザ(1.0
64μm、1.32μmも発振可能)、水銀ランプ(1
84.9、253.7、313、366、405、43
6、546nm)、水銀紫外線ランプ(184.9、2
53.7nm)等を用いることができる。本発明の方法
において、さらに導体は、陰極として通電される。通電
では、たとえば、1V〜2000Vの直流電圧を10秒
〜300秒印加することができる。通電において、ゾル
中の粒子を電気泳動させ、導体に付着させることができ
る。この工程では、光線を照射しながら同時に導体を陰
極として通電することが好ましいが、光線の照射後、導
体を陰極として通電する工程を断続的に繰返してもよ
い。
【0018】本発明において、光の照射および通電によ
り、導体上には金属酸化物前駆体から誘導された金属酸
化物が堆積される。この堆積物を電気絶縁被膜として用
いることができる。また、得られた堆積物についてたと
えば40〜200℃の温度で乾燥を行なうか、または3
00〜900℃好ましくは400〜600℃の温度で加
熱を行なうことにより、導体表面に強固に結合した金属
酸化物被膜を得ることができる。真空下で用いる絶縁電
線を製造するには、この加熱処理を施す必要がある。
【0019】以上に示した本発明の方法によれば、金属
酸化物の被膜の厚みが20〜100μm、好ましくは2
0〜50μmであり、直径30〜80mmの円筒体に沿
って巻き付けても、被膜が導体から剥がれ落ちることな
く電気絶縁性を導体に付与することができる金属酸化物
被覆物、たとえば電気絶縁電線を提供することができ
る。この金属酸化物被覆物において、室温における絶縁
破壊電圧は1.0kV以上であり、直径30〜80mm
の円筒体に巻き付けたコイルの状態での絶縁破壊電圧は
室温において400V以上である。
【0020】本発明において、金属酸化物には、たとえ
ば、シリコン酸化物、ジルコニウム酸化物、アルミニウ
ム酸化物、チタニウム酸化物およびそれらの組合せから
なる群から選択される化合物を挙げることができる。シ
リコン酸化物の融点は、たとえば約1700℃、ジルコ
ニウム酸化物の融点はたとえば約2760℃、アルミニ
ウム酸化物の融点はたとえば約2060℃、チタニウム
酸化物の融点はたとえば約1640℃である。したがっ
て、本発明に従い、導体の融点が1200℃以下であ
り、金属酸化物の融点が1600℃以上である耐熱絶縁
電線を提供することができる。さらに、本発明におい
て、たとえば導体の融点よりも500〜1200℃高い
融点を有するかまたは導体の融点の1.2〜1.5倍の
融点を有する金属酸化物を導体の表面に密着させること
ができる。
【0021】
【発明の作用効果】ゾル中に存在する金属酸化物の前駆
体微粒子を導体に付着させる工程では、導体を陰極とし
て通電することにより、微粒子を電気泳動させて強制的
に導体に付着させることができる。
【0022】また、ゾル溶液中の微粒子には、金属−酸
素−有機基の結合が存在する。この結合は、波長10〜
8μm程度の光線を吸収し活性化される。光吸収量が増
大すれば、この結合において酸素−有機基間の結合が解
離し、微粒子はイオン化された状態でゾル中に存在する
ことができる。結合における吸収波長は原子間の振動に
よるものであるため、上記範囲の波長の整数分の1の波
長も吸収され、活性化をもたらす。したがって、10μ
mより短い波長の光線によっても活性化は引き起こされ
る。イオン化されたゾルは、正に帯電しており、導体基
材に負の電圧を印加しておけば、基材の方向に粒子を泳
動させることができる。そして、基材表面での電気化学
反応により、金属−酸素−金属の結合を生成させること
ができる。このようにゾル粒子のイオン化および電気泳
動により、粒子をより積極的に導体上に堆積させ、厚い
被膜を形成させることができる。また、電気化学反応に
よる結合の生成において、基材と被膜は強固に密着す
る。導体をゾルに浸漬し電圧を印加すれば、導体の表面
に均質な金属酸化物の被膜を堆積することができる。
【0023】電気泳動および光の照射を行なわず、基材
をゾルに浸漬塗布する方法では、1回の浸漬塗布工程の
後形成される膜厚は1μm以下である。したがって、よ
り厚い膜を形成しようとすると、浸漬塗布および膜の生
成の工程を何度も繰返さなければならず、膜の均質性お
よび密着性も損なわれていく。また、厚く被覆するた
め、ゾルに増粘剤を添加したり、加水分解された金属ア
ルコキシドの重合度を増加することにより、1回の工程
で形成できる膜厚を増加させる試みも可能である。しか
しながら、このような試みでは、被膜の緻密性が低下
し、しかも塗布溶液のゲル化に達するまでの時間が極め
て短くなる。これに対し、本発明では、イオン化された
ゾルを基材に電気的に析出させることにより、高い析出
速度で被膜を付着させ、1回の工程でより厚い膜を形成
できる。
【0024】さらに、ゾルに金属の無機塩を添加するこ
とにより、ゾルの電気泳動率を上昇させ、より低い印加
電圧および/またはより短い通電時間で粒子を導体に付
着させることができる。金属の無機塩には、上述したア
ルミニウム、マグネシウム、カリウムもしくはジルコニ
ウムの硝酸塩、硫酸塩、塩化物または水酸化物等を用い
ることができる。また、ゾル中にセラミックスの微粉末
を混合すれば、導体に付着する被膜を嵩高くし、より厚
い膜を得ることができる。セラミックスの微粉末には、
上述したようなマイカ、酸化硅素、窒化硅素、炭化硅
素、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムを用いる
ことができる。
【0025】本発明の方法によって製造される金属酸化
物被覆物は、従来より厚い金属酸化物の被膜を有し、被
膜の基材への密着性に優れている。厚い被膜を有する本
発明は、耐熱性に優れ、より高い絶縁破壊電圧を有す
る。また、本発明では、より少ない回数の塗布工程にお
いてより厚い膜を形成することができる。したがって、
被膜形成に要する時間も短縮され、製造コストも低く抑
えることができる。本発明は、たとえば高真空や高温で
使用される機器の配線用電線や巻線用電線の提供に有用
である。
【0026】
【実施例】
実施例1 直径1.0mmのニッケルめっき銅線を導体として用い
た。テトラエチルオルトシリケート4モル%、水40モ
ル%、エチルアルコール56モル%の混合溶液に、硝酸
をテトラエチルオルトシリケートのモル数に対して10
0分の1の量だけ滴下し、温度80℃において2時間反
応させてゾルを調製した。
【0027】調製したゾル液に導体を浸漬し、ゾルに3
0Wの水銀ランプから光を照射しつつ導体を陰極として
60Vの直流電圧を30秒間印加した。ゾル液中から導
体を取り出したところ、35μm程度の白色の被膜が生
成していた。コーティングが施された導体を大気中15
0℃で10分間乾燥することにより、厚さ20μmのシ
リカ膜を得た。
【0028】得られた金属酸化物被覆電線から、長さ3
0cmのサンプルを採取した。このサンプルにおいて、
約50mmの間隔を隔てた4箇所でそれぞれ約10mm
の長さの部分に、厚さ0.02mmの白金箔を密着して
巻き付けた。導体−金属箔間に60Hzの交流電圧を印
加したところ、1.2kVで絶縁破壊した。また、試験
片を直径30mmのマンドレルに巻き付けたところ、被
膜は脱落しなかった。さらに試験片を巻き付けたものに
ついて、上述した絶縁破壊試験を行なったところ、1.
0kVで絶縁破壊した。このように、曲げても被膜の密
着性は良く、良好な絶縁性を備える絶縁電線を作製する
ことができた。なお、このプロセスにおいて成膜速度は
60μm/分と高く、低コストで絶縁電線が製造できる
と考えられる。
【0029】実施例2 直径1.0mmのステンレスを嵌合した銅線を導体とし
て用いた。テトラブチルオルトシリケート4モル%、水
40モル%、エチルアルコール56モル%の混合溶液
に、硝酸をテトラブチルオルトシリケートのモル数に対
して100分の1の量だけ滴下し、温度80℃において
2時間反応させてゾルを調製した。このゾル溶液100
mlに対し、硝酸アルミニウム6水和物を3g、硝酸マ
グネシウム9水和物、硝酸カリウムをそれぞれ1gだけ
室温で混合し、さらに公称粒径14μmのマイカ粉末を
5g混合して電解液を調製した。
【0030】得られた電解液に導体を浸漬し、30Wの
水銀ランプから光を照射しつつ導体を陰極として60V
の直流電圧を30秒間印加した。電解液から導体を取り
出したところ、50μm程度の白色の膜が生成してい
た。コーティングを有する導体を大気中150℃で10
分間乾燥することにより、厚さ50μmのシリカ−アル
ミナ−ポタジア−マイカ複合酸化物膜を形成した。
【0031】得られたセラミックス被覆電線から、長さ
30cmのサンプルを採取した。このサンプルにおい
て、約50mmの間隔を隔てた4箇所でそれぞれ約10
mmの長さの部分に、厚さ0.02mmの白金箔を密着
させて巻き付けた。導体−金属箔間に60Hzの交流電
圧を印加したところ、1.9kVで絶縁破壊した。ま
た、試験片を直径80mmのマンドレルに巻き付けたと
ころ、被膜は脱落しなかった。このように巻き付けられ
た電線について、上述した絶縁破壊試験を行なったとこ
ろ、1.5kVで絶縁破壊した。このように、曲げても
密着性が良く良好な絶縁特性を有する厚い被膜を導体上
に形成することができた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に金属酸化物を被覆するための方
    法であって、 ゾルゲル法に従って調製される、前記金属酸化物の前駆
    体微粒子が分散されたゾルに前記導体を浸漬し、 前記ゾルに10μm以下の波長を有する光線を照射しか
    つ前記導体を陰極として通電することにより、前記導体
    上に金属酸化物の被膜を形成させることを特徴とする、
    金属酸化物被覆方法。
  2. 【請求項2】 前記ゾルが、金属アルコキシドの加水分
    解により生成されることを特徴とする、請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム、マグネシウム、カリウム
    およびジルコニウムの硝酸塩、硫酸塩、塩化物ならびに
    水酸化物、ならびにそれらの組合せからなる群から選択
    される金属化合物の少なくとも1つを前記ゾルに添加す
    ることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 マイカ、酸化硅素、窒化硅素、炭化硅
    素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムおよびそれら
    の組合せからなる群から選択される材料の粉末を前記ゾ
    ル中にさらに添加することを特徴とする、請求項1〜3
    のいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ゾルから誘導される金属酸化物の被
    膜をさらに加熱することを特徴とする、請求項1〜4の
    いずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 導体と、前記導体を覆いかつ金属酸化物
    からなる電気絶縁被膜とを備える金属酸化物被覆物であ
    って、 前記被膜の厚みは20〜100μmであり、 直径30〜80mmの円筒体に沿って巻き付けても、前
    記被膜は前記導体から剥がれることなく電気絶縁性を前
    記導体に対して付与することができ、 室温における絶縁破壊電圧が1.0kV以上であり、か
    つ直径30〜80mmの円筒体に巻き付けたコイルの状
    態で室温において400V以上の絶縁破壊電圧を有する
    ことができることを特徴とする、金属酸化物被覆物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002151078A (ja) * 2000-11-14 2002-05-24 Toda Kogyo Corp 非水電解質二次電池用正極活物質及びその製造法
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