JPH05182526A - 融着電線 - Google Patents

融着電線

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JPH05182526A
JPH05182526A JP146192A JP146192A JPH05182526A JP H05182526 A JPH05182526 A JP H05182526A JP 146192 A JP146192 A JP 146192A JP 146192 A JP146192 A JP 146192A JP H05182526 A JPH05182526 A JP H05182526A
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JP
Japan
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electric wire
conductor
wire
insulating layer
layer
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP146192A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Inasawa
信二 稲澤
Kazuo Sawada
和夫 澤田
Koichi Yamada
浩一 山田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温度の環境下において絶縁性を有し、ガス
を放出せず、巻き加工を行ないやすく、かつ自己融着性
を備える電線を提供する。 【構成】 導体1と、導体1を被覆し、かつセラミック
スから本質的になる絶縁層2と、絶縁層2を覆うよう形
成された、融点またはガラス転移点を有し、かつ主鎖が
化学式[Si(R1 2 −N(R2 )]n 、(式中、n
>0であり、R1 、R2 はそれぞれ炭化水素基を表わ
す)で表わされる化合物から本質的になるポリマー層3
とを備える、融着電線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ソレノイド、トラン
スおよびモータなどの巻線用電線等に用いられる融着電
線に関し、特に、高真空中および/または高温で使用す
ることができる融着電線に関する。
【0002】
【従来の技術】ソレノイド、トランス、モータなどに使
用される巻線用電線では、電線を巻線加工した後にコイ
ル全体を含浸剤に浸漬し、コイル全体を固める加工を必
要としてきた。含浸剤には、多くの場合、有機樹脂系ワ
ニスが用いられている。
【0003】これに対し、特開昭50−39831は、
絶縁電線の最外層にポリブチルビニラール、ナイロン系
またはポリエーテルエステル系等の樹脂を焼き付けた自
己融着電線を開示している。この電線は、コイル巻き
後、ワニスを含浸しないで加熱処理のみによりその皮膜
に融着性を生ぜしめ、自己融着させてコイルを固化成形
できるものである。
【0004】一方、電線について高い耐熱性が要求され
る用途や、高い真空度が要求される環境下で使用される
場合には、上述のような有機系被覆だけでは耐熱性やガ
ス放出性等の点で不十分である。そこで、コイルとして
の使用ではないが、セラミックス製碍子管に導体が通さ
れた形式の電線や、酸化マグネシウムなどの金属酸化物
微粒子が詰められた、ステンレス合金等からなる耐熱合
金性の管に導体が通された形式のMIケーブル(Min
eral Insulated Cable)などが、
そのような用途に使用されてきた。また、耐熱性ととも
に可撓性が要求される電線としては、ガラス繊維が紡織
されたものを導体の被覆剤として使用するガラス編組絶
縁電線などが挙げられる。
【0005】さらに、ヨーロッパ特許No.01883
69および0188370は、銅などの金属基材上に、
耐火性キーイング層と呼ばれる金属層を真空蒸着法など
で形成し,その上にキーイング層形成手段より相対的に
速い付着法により別の電気絶縁性耐火層を形成した絶縁
電線を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】有機樹脂が被覆された
自己融着電線では、絶縁性が保たれ得る最高の温度は、
たかだか300℃程度である。このため、300℃以上
の高い温度において絶縁性の保証が要求される用途に
は、このような有機物絶縁被覆電線を使用することはで
きなかった。
【0007】一方、セラミックスなど耐熱性を有する絶
縁材料を用いた従来の電線でコイル巻き可能なものは、
MIケーブルやガラス編組絶縁電線が挙げられるであろ
う。しかし、これらをコイルとして巻き加工した後、コ
イル固定する手法は現状において知られていない。
【0008】また、MIケーブルは耐熱性の合金管と導
体とによって構成されているため、ケーブルの外径が大
きくなる。このため、MIケーブルは、耐熱性の合金管
内に通される導体が許容する電力量に対して、相対的に
大きな断面を有するケーブルとなっている。さらに、M
Iケーブルをボビン等にコイル状に巻く巻線用電線とし
て用いるためには、耐熱合金性の管を所定の曲率で曲げ
る必要があるが、この際の曲げ加工は困難であるという
問題を有している。もし、コイル状に巻いたとしても、
MIケーブルはその径が太いので、巻線密度を向上させ
ることは困難である。
【0009】ガラス編組電線の場合には、用途に応じて
所定の形状に配置しようとするとき、ガラス繊維からガ
ラスの粉塵が発生するという問題がある。この粉塵は、
ガスの吸着源となり得るため、高い真空度が要求される
環境下でガラス編組電線を用いると、ガラス粉塵によっ
て提供されるガス吸着源のために高い真空度を保つこと
は不可能であった。
【0010】また、上述したヨーロッパ特許に開示され
る絶縁電線は、可撓性等の特性について不明であるが、
ある程度の可撓性を有しコイル化できたとしても、コイ
ルを固定する必要があり、現在のところこのような電線
を効率よくコイル固定できる手段は開示されていない。
【0011】この発明は、上述した従来の電線の問題点
を解消するためになされたものであり、以下の性能を備
えた融着電線を提供することを目的とする。
【0012】(a) 高温度の環境下において絶縁性を
有すること。 (b) 自己融着性を備え、コイル固定が可能なこと。
【0013】(c) 巻き加工を施しやすいこと。 (d) ガスを放出しないこと。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に従う融着電線
は、導体と、導体を覆いかつセラミックスから本質的に
なる絶縁層と、絶縁層を覆うよう形成された、融点また
はガラス転移点を有し、かつ主鎖が化学式 [Si(R1 2 −N(R2 )]n (式中、n>0であり、R1 、R2 はそれぞれ炭化水素
基を表わす)で表わされる化合物から本質的になるポリ
マー層とを備える。
【0015】この発明に従う電線において、導体として
は、導電性、信頼性およびコストの点から、銅もしくは
銅合金、またはそれらの表面にニッケル、クロムもしく
はステンレスをめっきもしくは嵌合法により施したもの
が好ましい。
【0016】主鎖が上式で表わされる化合物として、ポ
リシラザンを挙げることができる。式中、炭化水素基が
メチル基であるポリメチルシラザンは、特に好ましい化
合物である。
【0017】また、振動などの機械的な衝撃を受ける用
途に関しては、特に導体の外表面上に酸化クロム含有層
を設けることが好ましい。この酸化クロム含有層を介し
て、セラミックス絶縁層は、より強固に導体に付着する
ことができる。
【0018】
【発明の作用効果】この発明に従う電線は、導体の周囲
に融点が非常に高いセラミックスからなる絶縁層を有し
ているので、従来の有機樹脂系ワニスを用いた電線に比
べてより高い温度でも絶縁性を保持することができる。
また、セラミックス絶縁層の周囲に設けられるポリマー
層も耐熱性および難燃性の点で優れている。
【0019】この発明に従う電線において、セラミック
ス絶縁層は電線の可撓性を損なわないよう設けることが
でき、さらに上式で表わされるポリマーは塑性を有する
ものであるため、導体がセラミックス絶縁層およびポリ
マー層で被覆された電線は巻き加工を容易に施すことが
できる。
【0020】また、この発明に従う電線において、融点
またはガラス転移点を有するポリマー層同士は、所定の
温度で融着させることができる。したがって、この発明
に従いポリマー層で被覆された電線をたとえば巻き加工
した後、所定の温度で自己融着させればコイル固定が達
成される。
【0021】さらに、この発明に従う融着電線はガスを
放出しないので、高真空の環境でも使用することができ
る。
【0022】以上説明したように、この発明は、高温で
も絶縁性を保持でき、巻き加工を行ないやすく、自己融
着させることができ、しかもガスを放出しない電線であ
る。したがって、この発明に従う電線は、高真空中や高
温で使用される巻き線用電線に特に有用である。
【0023】
【実施例】
実施例1 (a) セラミックス絶縁層を有する電線の準備 まず、線径1.8mmのニッケルめっき銅線を準備し
た。次に、ポリシラン、(C6 5 CH3 Si)x (C
3 Si)y 、y/x=3/1を10重量%となるよう
トルエンに溶解してコーティング溶液を調製した。ニッ
ケルめっき銅線をコーティング溶液に浸漬して外表面に
溶液を塗布した後、線材に大気中、温度700℃で10
分間加熱する工程を2回施した。
【0024】(b) 融着層の形成 窒素気流下で1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジ
シラザン50gとメチルトリクロロシラン20gを混合
し、70℃で5時間攪拌した。さらに、180℃で蒸留
を行ない副生成物を蒸留除去した。次に180℃、5m
mHgで真空ストリッピングすることにより完全に副生
成物を除去し、15gのポリシラザンを得た。
【0025】ポリシラザンをp−キシレンで5倍に希釈
して熱可塑性ポリマーを含む塗布溶液を得た。なお、こ
こで得られたポリマーば分子量300〜20万に分布す
る多重分布形状を有し、重量平均分子量が約8700で
あるポリシラザンを含む。
【0026】(a)によって得られた線材を塗布溶液に
浸漬した。このようにしてコーティング溶液が外表面に
塗布された線材に、温度150℃で10分間加熱する工
程を2回施した。
【0027】以上のようにして得られた融着電線の横断
面を図1に示す。図1を参照して、ニッケルめっき銅線
1の外表面上にセラミックス絶縁層2が形成され、その
外表面上に融着層3が形成されている。
【0028】得られた融着電線について、ASRM−D
2519に基づく測定により絶縁性の評価を行なった。
融着電線を外径30mmのマンドレルに緊密に巻付け7
0mm長のヘリカルコイルとし、これを加熱炉で徐々に
加熱した。融着は約150℃から起こり、180℃で加
熱を終了した。冷却後、コイルより電線を円周方向に引
っ張って融着力を確認した。このときの融着力は約35
0gであった。
【0029】実施例2 (a) セラミックス絶縁層を有する電線の準備 線径1.0mmφの銅線の外表面上に酸化クロム含有層
を下記のような処理で形成した。電気めっき液として、
無水クロム酸を200g/l、氷酢酸を6.5g/l、
塩化ニッケルを80g/l、硝酸ナトリウムを5g/l
の濃度で含有する水溶液を用いた。めっきに際しては、
導体を陰極として用い、浴温40℃、電流密度100A
/dm2 において、2分間めっき処理を行なった。この
ようにして導体の外表面にめっき処理層が約1μmの厚
さで形成された。次に、n−ブトキシジルコニウム5m
mol、n−ブトキシアルミニウム15mmolおよび
エタノールアミン45mmolを含有するジエチレング
リコールモノメチルエーテル溶液100mmを準備し
た。この溶液に、n−ブチルシリケイト80mmol、
水100mmol、硝酸1.6mmolおよびジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル100mlを混合し
た。この混合溶液を80℃で5時間加熱攪拌したものを
室温まで放冷した後、先程準備したジルコニウムとアル
ミニウムアルコキシドが混合された溶液を徐々に滴下し
た。滴下の際には、シリコンアルコキシドを含む溶液を
氷冷する必要があった。滴下終了後、温度30℃、湿度
50%の恒湿恒温槽中で10時間攪拌してコーティング
液を得た。線材をこのコーティング液に浸漬した後、1
mm/秒の引上げ速度で基材を引き上げた。このように
してコーティング溶液が外表面に塗布された基材につい
て、温度500℃で10分間加熱する工程を3回施し、
セラミックス絶縁層を形成した。
【0030】(b) 融着層の形成 窒素気流下でフェニルクロロジシラン60gとヘキサメ
チレンジシラザン20gを混合し、280℃で2時間攪
拌した。生成物をp−キシレンで10倍に希釈し、熱可
塑製ポリマーを含む塗布溶液を得た。なお、ここで得ら
れたポリマーは分子量800〜10000に分布する多
重分布形状を有し、重量平均分子量が約3600である
ポリシラザンを含む。
【0031】(a)によって得られた線材を塗布溶液に
浸漬した。このようにしてコーティング溶液が外表面に
塗布された線材に、温度200℃で10分間加熱する工
程を2回施した。
【0032】以上のようにして得られた融着電線の横断
面を図2に示す。図2を参照して、銅線4の外表面上に
は酸化クロム含有層5が形成され、さらにその外方にセ
ラミックス絶縁層6および融着層7が順に形成されてい
る。
【0033】得られた融着電線の絶縁性について、AS
TM−D2519に基づく測定により評価した。融着電
線を外径30mmのマンドレルに緊密に巻付け70mm
長のヘリカルコイルとし、これを加熱炉で徐々に加熱し
た。融着は250℃程度から起こり、300℃で加熱を
終了した。冷却後、コイルより電線を円周方向に引っ張
って融着力を確認した。このときの融着力は約350g
であった。
【0034】また、得られた融着電線の絶縁性を評価す
るために、外径5cmの円筒に張力500g重で巻付け
コイルとした。このコイルを加熱炉で徐々に加熱した。
融着は150℃程度から起こり、250℃で加熱を終了
した。冷却後、コイルより電線を円周方向に引っ張って
融着力を確認した。このときの融着力は約420gであ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う実施例1の融着電線を示す断面
図である。
【図2】この発明に従う実施例2の融着電線を示す断面
図である。
【符号の説明】
1、4 銅線 2、6 セラミックス絶縁層 3、7 融着層 5 酸化クロム含有層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体と、 前記導体を覆い、かつセラミックスから本質的になる絶
    縁層と、 前記絶縁層を覆うよう形成された、融点またはガラス転
    移点を有し、かつ主鎖が化学式 [Si(R1 2 −N(R2 )]n (式中、n>0であり、R1 、R2 はそれぞれ炭化水素
    基を表わす)で表わされる化合物から本質的になるポリ
    マー層とを備える、融着電線。
  2. 【請求項2】 前記導体と前記絶縁層の間に、酸化クロ
    ムを主成分とする層をさらに備える、請求項1の融着電
    線。
JP146192A 1992-01-08 1992-01-08 融着電線 Withdrawn JPH05182526A (ja)

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JP146192A JPH05182526A (ja) 1992-01-08 1992-01-08 融着電線

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007227266A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Mitsubishi Cable Ind Ltd 集合導体
CN103295677A (zh) * 2013-06-18 2013-09-11 江苏亚威变压器有限公司 变压器用聚脂复合双绝缘漆包线

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Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990408