JPH0853468A - 蒸気圧の高い有機金属化学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物 - Google Patents
蒸気圧の高い有機金属化学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物Info
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- JPH0853468A JPH0853468A JP18834794A JP18834794A JPH0853468A JP H0853468 A JPH0853468 A JP H0853468A JP 18834794 A JP18834794 A JP 18834794A JP 18834794 A JP18834794 A JP 18834794A JP H0853468 A JPH0853468 A JP H0853468A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 MOCVD法による銅薄膜の形成に際し、気
化速度が均一で、気化の際の熱安定性に優れる銅薄膜形
成用有機銅化合物を提供する。 【構成】 下記式(I)で表されるMOCVD法銅薄膜
形成用有機銅化合物。 【化5】 (R1 はC1 〜C8 のアルキル基又はH,R2 はC1 〜
C4 のアルキル基,R3,R4 はC1 〜C8 のフッ化ア
ルキル基,nは1〜3) 【効果】 Si(R2 )3 基の存在により、安定した気
化速度を示す。アセチレン基とSi(R2 )3 基との間
の−(CH2 )n −基の存在により、優れた揮発性、熱
安定性を示す。
化速度が均一で、気化の際の熱安定性に優れる銅薄膜形
成用有機銅化合物を提供する。 【構成】 下記式(I)で表されるMOCVD法銅薄膜
形成用有機銅化合物。 【化5】 (R1 はC1 〜C8 のアルキル基又はH,R2 はC1 〜
C4 のアルキル基,R3,R4 はC1 〜C8 のフッ化ア
ルキル基,nは1〜3) 【効果】 Si(R2 )3 基の存在により、安定した気
化速度を示す。アセチレン基とSi(R2 )3 基との間
の−(CH2 )n −基の存在により、優れた揮発性、熱
安定性を示す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸気圧の高い有機金属化
学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物に係り、特に、
半導体装置のコンタクト及び配線等の銅薄膜を有機金属
化学蒸着法(Metalorganic Chemical Vapor Depositio
n:以下「MOCVD法」と称す。)により形成するに
際して、蒸着原料として用いるのに適した有機銅化合物
に関する。
学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物に係り、特に、
半導体装置のコンタクト及び配線等の銅薄膜を有機金属
化学蒸着法(Metalorganic Chemical Vapor Depositio
n:以下「MOCVD法」と称す。)により形成するに
際して、蒸着原料として用いるのに適した有機銅化合物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置のコンタクト及び配線
等の各種銅薄膜をMOCVD法により形成するに際して
用いられる蒸着原料としては、下記構造式(II)で表さ
れる(η2−2−ブチン)(1,1,1,5,5,5−
ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅(I)
(以下「(2−Bu)(hfac)Cu」と略記す
る。)からなる有機銅化合物が知られている。
等の各種銅薄膜をMOCVD法により形成するに際して
用いられる蒸着原料としては、下記構造式(II)で表さ
れる(η2−2−ブチン)(1,1,1,5,5,5−
ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅(I)
(以下「(2−Bu)(hfac)Cu」と略記す
る。)からなる有機銅化合物が知られている。
【0003】
【化2】
【0004】このような蒸着原料を用いてMOCVD法
により銅薄膜を形成するには、例えば、図1の概略説明
図に示す如く、反応炉7内に設けたヒーター6上に基板
5を置き、一方、この反応炉7と連接して設けた加熱炉
3内で、気化容器2内の上記有機銅化合物からなる蒸着
原料1を気化させ、得られた蒸気を配管4から導入され
るAr等のキャリアガスで反応炉7内に送給して拡散さ
せ、加熱基板5上に銅を析出させる。なお、図中、8は
真空引配管である。この方法は熱分解型MOCVD法と
称される。
により銅薄膜を形成するには、例えば、図1の概略説明
図に示す如く、反応炉7内に設けたヒーター6上に基板
5を置き、一方、この反応炉7と連接して設けた加熱炉
3内で、気化容器2内の上記有機銅化合物からなる蒸着
原料1を気化させ、得られた蒸気を配管4から導入され
るAr等のキャリアガスで反応炉7内に送給して拡散さ
せ、加熱基板5上に銅を析出させる。なお、図中、8は
真空引配管である。この方法は熱分解型MOCVD法と
称される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の熱分解
型MOCVD法の蒸着原料として従来用いられている前
記構造式(II)で示される有機銅化合物は、気化の際の
加熱温度に対する気化速度が不均一で、気化速度の正確
な制御が困難であるために、基板表面上に形成される銅
薄膜の堆積速度が不均一となるという欠点がある。
型MOCVD法の蒸着原料として従来用いられている前
記構造式(II)で示される有機銅化合物は、気化の際の
加熱温度に対する気化速度が不均一で、気化速度の正確
な制御が困難であるために、基板表面上に形成される銅
薄膜の堆積速度が不均一となるという欠点がある。
【0006】このため、近年の半導体装置の高集積化の
ための薄膜化の傾向とも相まって、銅薄膜の均一かつ緻
密な膜厚の制御が難しくなっているのが現状である。
ための薄膜化の傾向とも相まって、銅薄膜の均一かつ緻
密な膜厚の制御が難しくなっているのが現状である。
【0007】また、上記従来の有機銅化合物は、気化に
おける加熱の際、図1の気化容器3内にて気化のみなら
ず分解反応も生起し、その熱安定性にも問題があった。
おける加熱の際、図1の気化容器3内にて気化のみなら
ず分解反応も生起し、その熱安定性にも問題があった。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決し、熱分
解型MOCVD法等のMOCVD法による銅薄膜の形成
に際し、気化速度が均一で、しかも気化の際の熱安定性
に優れる銅薄膜形成用有機銅化合物を提供することを目
的とする。
解型MOCVD法等のMOCVD法による銅薄膜の形成
に際し、気化速度が均一で、しかも気化の際の熱安定性
に優れる銅薄膜形成用有機銅化合物を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸気圧の高い有
機金属化学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物は、下
記一般式(I)で表されることを特徴とする。
機金属化学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物は、下
記一般式(I)で表されることを特徴とする。
【0010】
【化3】
【0011】(ただし、上記(I)式中、R1 は水素或
いは炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキル基を示
し、R2 は炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のアルキル基
を示し、R3 及びR4 は炭素数1〜8の直鎖フッ化アル
キル基を示す。nは1〜3の整数である。) 即ち、本発明者らは上述の観点から、熱分解型MOCV
D法を含め、その他のMOCVD法により銅薄膜を作製
するに際して、気化速度が均一で、かつ気化の際の熱安
定性に優れた高純度な銅薄膜形成用蒸着原料を見出すべ
く研究を行った結果、上記一般式(I)で表される有機
銅化合物を蒸着原料として用いると、この蒸着原料は室
温付近で液体で、かつ配位子としてアセチレン誘導体部
分に導入されたトリアルキルシリル基により、前記構造
式(II)で表される従来の有機銅化合物よりも、安定し
た気化速度を得ることが可能になると共に、三重結合上
の炭素原子とアルキルシリル基上の珪素原子間に直鎖の
アルキル基を有することで優れた揮発性及び熱安定性を
示すという知見を得、本発明を完成させた。
いは炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキル基を示
し、R2 は炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のアルキル基
を示し、R3 及びR4 は炭素数1〜8の直鎖フッ化アル
キル基を示す。nは1〜3の整数である。) 即ち、本発明者らは上述の観点から、熱分解型MOCV
D法を含め、その他のMOCVD法により銅薄膜を作製
するに際して、気化速度が均一で、かつ気化の際の熱安
定性に優れた高純度な銅薄膜形成用蒸着原料を見出すべ
く研究を行った結果、上記一般式(I)で表される有機
銅化合物を蒸着原料として用いると、この蒸着原料は室
温付近で液体で、かつ配位子としてアセチレン誘導体部
分に導入されたトリアルキルシリル基により、前記構造
式(II)で表される従来の有機銅化合物よりも、安定し
た気化速度を得ることが可能になると共に、三重結合上
の炭素原子とアルキルシリル基上の珪素原子間に直鎖の
アルキル基を有することで優れた揮発性及び熱安定性を
示すという知見を得、本発明を完成させた。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の有機銅化合物を示す前記一般式
(I)において、R1 としては、好ましくは水素、メチ
ル基、エチル基、t−ブチル基、イソプロピル基等が挙
げられる。
(I)において、R1 としては、好ましくは水素、メチ
ル基、エチル基、t−ブチル基、イソプロピル基等が挙
げられる。
【0014】また、R2 としては、好ましくはメチル
基、エチル基等が挙げられる。
基、エチル基等が挙げられる。
【0015】R3 ,R4 としては、好ましくはトリフル
オロメチル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられ
る。なお、R3 ,R4 は同一であっても異なっていても
良いが、好ましくはR3 とR4 は同一の置換基であるこ
とが望ましい。
オロメチル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられ
る。なお、R3 ,R4 は同一であっても異なっていても
良いが、好ましくはR3 とR4 は同一の置換基であるこ
とが望ましい。
【0016】また、nは1,2,3であることが好まし
い。
い。
【0017】本発明の有機銅化合物の具体例としては、
後述の実施例の項に例示される(ブチニルトリメチルシ
リルメチルアセチレン)(1,1,1,5,5,5−ヘ
キサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅(I)が
挙げられる。
後述の実施例の項に例示される(ブチニルトリメチルシ
リルメチルアセチレン)(1,1,1,5,5,5−ヘ
キサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅(I)が
挙げられる。
【0018】このような有機銅化合物は、後掲の実施例
に示されるように、例えば次のような反応に従って合成
される。
に示されるように、例えば次のような反応に従って合成
される。
【0019】R1-C≡CH + (R2)3SiCH2Cl → R1-C≡
C-CH2Si(R2)3 + HCl 1/2Cu2O + R1-C≡C-CH2Si(R2)3 + R3COCH2COR4 → 一
般式(I) の化合物 このような本発明の有機銅化合物は、従来の有機銅化合
物と同様の操作で熱分解型MOCVD法等のMOCVD
法による銅薄膜蒸着原料として用いることができる。
C-CH2Si(R2)3 + HCl 1/2Cu2O + R1-C≡C-CH2Si(R2)3 + R3COCH2COR4 → 一
般式(I) の化合物 このような本発明の有機銅化合物は、従来の有機銅化合
物と同様の操作で熱分解型MOCVD法等のMOCVD
法による銅薄膜蒸着原料として用いることができる。
【0020】
【作用】本発明の銅薄膜形成用有機銅化合物は、アセチ
レン誘導体部分に導入されたトリアルキルシリル基の存
在により、前記構造式(II)で表される従来の有機銅化
合物よりも安定した気化速度で気化し、また、三重結合
上の炭素原子とアルキルシリル基上の珪素原子との間に
挿入された直鎖のアルキル基の存在により優れた揮発性
及び熱安定性を示す。
レン誘導体部分に導入されたトリアルキルシリル基の存
在により、前記構造式(II)で表される従来の有機銅化
合物よりも安定した気化速度で気化し、また、三重結合
上の炭素原子とアルキルシリル基上の珪素原子との間に
挿入された直鎖のアルキル基の存在により優れた揮発性
及び熱安定性を示す。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
説明する。
【0022】実施例1 有機銅化合物の合成 tert−ブチルアセチレン26.7gに乾燥テトラヒ
ドロフラン中で冷却下、ブチルリチウム200mlを添
加し、30分間攪拌した。次いで、この溶液にクロロメ
チルトリメチルシラン34.7gを加え、攪拌後加熱還
流した。この溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液160
mlを加え、さらにジエチルエーテル130mlを加え
た後、有機層を減圧濃縮(60℃,400torr)
し、微黄色の液体としてブチニルトリメチルシリルメチ
ルアセチレン(以下「BuTMSMA」と略記する。)
15.2gを得た。得られた有機化合物の同定は、下記
NMRの結果により行った。
ドロフラン中で冷却下、ブチルリチウム200mlを添
加し、30分間攪拌した。次いで、この溶液にクロロメ
チルトリメチルシラン34.7gを加え、攪拌後加熱還
流した。この溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液160
mlを加え、さらにジエチルエーテル130mlを加え
た後、有機層を減圧濃縮(60℃,400torr)
し、微黄色の液体としてブチニルトリメチルシリルメチ
ルアセチレン(以下「BuTMSMA」と略記する。)
15.2gを得た。得られた有機化合物の同定は、下記
NMRの結果により行った。
【0023】1H−NMR(CDCl3 );δ2.81(S、2
H)、1.54(S、9H)、1.21(S、9H) 次いで、酸化銅(I)8.20gに十分に窒素脱気を行
った乾燥塩化メチレン150mlを注ぎ、サスペンジョ
ン溶液とした。これにブチニルトリメチルシリルメチル
アセチレン4.65gを激しく攪拌しながら添加し、更
に、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4
−ペンタンジオン8.47gを1滴づつ滴下ロートより
滴下した。反応系を4時間攪拌した後、窒素気流下で濾
過し、濾液を35℃減圧下で留去し、濃緑色の液体を得
た。精製は、カラムクロマトグラフィーにより行い、明
黄色の液体である下記構造式(III) で示される本発明の
有機銅化合物:(ブチニルトリメチルシリルメチルアセ
チレン)(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−
2,4−ペンタンジオナト)銅(I)(以下「(BuT
MSMA)(hfac)Cu」と略記する。)を7.2
g得た。
H)、1.54(S、9H)、1.21(S、9H) 次いで、酸化銅(I)8.20gに十分に窒素脱気を行
った乾燥塩化メチレン150mlを注ぎ、サスペンジョ
ン溶液とした。これにブチニルトリメチルシリルメチル
アセチレン4.65gを激しく攪拌しながら添加し、更
に、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4
−ペンタンジオン8.47gを1滴づつ滴下ロートより
滴下した。反応系を4時間攪拌した後、窒素気流下で濾
過し、濾液を35℃減圧下で留去し、濃緑色の液体を得
た。精製は、カラムクロマトグラフィーにより行い、明
黄色の液体である下記構造式(III) で示される本発明の
有機銅化合物:(ブチニルトリメチルシリルメチルアセ
チレン)(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−
2,4−ペンタンジオナト)銅(I)(以下「(BuT
MSMA)(hfac)Cu」と略記する。)を7.2
g得た。
【0024】
【化4】
【0025】得られた有機銅化合物の同定は、下記NM
Rの結果により行った。
Rの結果により行った。
【0026】1H−NMR(CDCl3 );δ2.62(S、2
H)、6.10(S、1H)、1.51(S、9H)、1.61(S、9H) また、比較のため上記のブチニルトリメチルシリルメチ
ルアセチレンの代わりに、2−ブチンを用いたこと以外
は同一の条件で、前記構造式(II)で示される従来の有
機銅化合物(2−Bu)(hfac)Cuを合成した。
H)、6.10(S、1H)、1.51(S、9H)、1.61(S、9H) また、比較のため上記のブチニルトリメチルシリルメチ
ルアセチレンの代わりに、2−ブチンを用いたこと以外
は同一の条件で、前記構造式(II)で示される従来の有
機銅化合物(2−Bu)(hfac)Cuを合成した。
【0027】図2,3に、得られた本発明有機銅化合物
(BuTMSMA)(hfac)Cu(図2)及び従来
有機銅化合物(2−Bu)(hfac)Cu(図3)の
気化特性を評価する目的で熱重量曲線(昇温速度10℃
/min,乾燥アルゴン雰囲気)を示した。
(BuTMSMA)(hfac)Cu(図2)及び従来
有機銅化合物(2−Bu)(hfac)Cu(図3)の
気化特性を評価する目的で熱重量曲線(昇温速度10℃
/min,乾燥アルゴン雰囲気)を示した。
【0028】 銅薄膜の蒸着 本発明有機銅化合物及び従来有機銅化合物を各々用い
て、図1に示す装置により、熱分解型MOCVD法に従
って、下記条件にて銅薄膜の作製を行い、10分毎の膜
厚を測定した。膜厚は、膜の断面SEM像から測定し
た。この測定結果を表1に示した。
て、図1に示す装置により、熱分解型MOCVD法に従
って、下記条件にて銅薄膜の作製を行い、10分毎の膜
厚を測定した。膜厚は、膜の断面SEM像から測定し
た。この測定結果を表1に示した。
【0029】基板;25mm角のSi基板上にTiNを
100nm厚さにスパッタ法により蒸着した基板 基板温度;250℃ 気化温度;50℃ 圧力;2torr キャリアガスの流量;100ccmのAr
100nm厚さにスパッタ法により蒸着した基板 基板温度;250℃ 気化温度;50℃ 圧力;2torr キャリアガスの流量;100ccmのAr
【0030】
【表1】
【0031】 考察 図2,3に示される結果から次のことが明らかである。
即ち、本発明有機銅化合物は室温から約140℃までの
温度で完全に気化させることが可能であるが、一方、従
来有機銅化合物は気化終了の際、約10%程の残留物が
生成している。このことから、本発明有機銅化合物は、
気化の際の熱安定性に優れることが明らかである。
即ち、本発明有機銅化合物は室温から約140℃までの
温度で完全に気化させることが可能であるが、一方、従
来有機銅化合物は気化終了の際、約10%程の残留物が
生成している。このことから、本発明有機銅化合物は、
気化の際の熱安定性に優れることが明らかである。
【0032】また、表1より、次のことが明らかであ
る。即ち、本発明有機銅化合物は、成膜時間に対しほぼ
一定の割合で膜厚が増加し、かつ、その成膜速度も従来
有機銅化合物に比べて速いのに対し、従来有機銅化合物
の場合は、成膜時間において30分を超えた頃から成膜
量の減少傾向が顕著になる。
る。即ち、本発明有機銅化合物は、成膜時間に対しほぼ
一定の割合で膜厚が増加し、かつ、その成膜速度も従来
有機銅化合物に比べて速いのに対し、従来有機銅化合物
の場合は、成膜時間において30分を超えた頃から成膜
量の減少傾向が顕著になる。
【0033】なお、本発明有機銅化合物を用いた場合
は、図1に示す装置の気化容器内には分解銅の生成が見
られなかったのに対し、従来有機銅化合物の場合には分
解銅の生成が認められた。これより、本発明有機銅化合
物は、気化容器内で分解することなしに成膜時間に対し
一定の速度で気化し、また、従来有機銅化合物より気化
の際の熱安定性、揮発性に優れた有機銅化合物であるこ
とを示している。
は、図1に示す装置の気化容器内には分解銅の生成が見
られなかったのに対し、従来有機銅化合物の場合には分
解銅の生成が認められた。これより、本発明有機銅化合
物は、気化容器内で分解することなしに成膜時間に対し
一定の速度で気化し、また、従来有機銅化合物より気化
の際の熱安定性、揮発性に優れた有機銅化合物であるこ
とを示している。
【0034】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の蒸気圧の高
い有機金属化学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物
は、室温付近で液体で、安定な気化速度を有し、かつ気
化の際の熱安定性に優れているので、MOCVD法によ
る均一かつ緻密な銅薄膜成膜原料として極めて有用であ
り、半導体装置の配線材料等として有用な銅薄膜の製造
に有効に利用することができる。
い有機金属化学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物
は、室温付近で液体で、安定な気化速度を有し、かつ気
化の際の熱安定性に優れているので、MOCVD法によ
る均一かつ緻密な銅薄膜成膜原料として極めて有用であ
り、半導体装置の配線材料等として有用な銅薄膜の製造
に有効に利用することができる。
【図1】熱分解型MOCVD法を説明する装置の概略断
面図である。
面図である。
【図2】本発明有機銅化合物の熱重量曲線を示すグラフ
である。
である。
【図3】従来有機銅化合物の熱重量曲線を示すグラフで
ある。
ある。
1 蒸着原料 2 気化容器 3 加熱炉 4 キャリアガス導入配管 5 基板 6 ヒーター 7 反応炉 8 真空引配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 正光 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内 (72)発明者 小木 勝実 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表される蒸気圧の高
い有機金属化学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物。 【化1】 (ただし、上記(I)式中、R1 は水素或いは炭素数1
〜8の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、R2 は炭素
数1〜4の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、R3 及
びR4 は炭素数1〜8の直鎖フッ化アルキル基を示す。
nは1〜3の整数である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18834794A JP3282392B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | 蒸気圧の高い有機金属化学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18834794A JP3282392B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | 蒸気圧の高い有機金属化学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0853468A true JPH0853468A (ja) | 1996-02-27 |
JP3282392B2 JP3282392B2 (ja) | 2002-05-13 |
Family
ID=16222037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18834794A Expired - Fee Related JP3282392B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | 蒸気圧の高い有機金属化学蒸着による銅薄膜形成用有機銅化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3282392B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000063461A1 (en) * | 1999-04-15 | 2000-10-26 | Postech Foundation | Novel organocuprous precursors for chemical vapor deposition of a copper film |
US6838573B1 (en) | 2004-01-30 | 2005-01-04 | Air Products And Chemicals, Inc. | Copper CVD precursors with enhanced adhesion properties |
WO2022141354A1 (zh) * | 2020-12-29 | 2022-07-07 | 光华临港工程应用技术研发(上海)有限公司 | 用于形成铜金属层的方法及半导体结构 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001021354A (ja) | 1999-07-09 | 2001-01-26 | Topcon Corp | 光学位置検出装置 |
-
1994
- 1994-08-10 JP JP18834794A patent/JP3282392B2/ja not_active Expired - Fee Related
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