JPH0853369A - タンパク質マイクロスフェアを生産する方法 - Google Patents

タンパク質マイクロスフェアを生産する方法

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JPH0853369A
JPH0853369A JP7080618A JP8061895A JPH0853369A JP H0853369 A JPH0853369 A JP H0853369A JP 7080618 A JP7080618 A JP 7080618A JP 8061895 A JP8061895 A JP 8061895A JP H0853369 A JPH0853369 A JP H0853369A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御された、あるいは標的となる全身的ある
いは局所的薬物送達のために用い得る生分解性のタンパ
ク質マイクロスフェアを作製するための方法およびその
タンパク質マイクロスフェアを提供する。 【構成】プロラミンのようなタンパク質マイクロスフェ
アが、以下の工程:a)少なくとも1種類のタンパク質
を含むタンパク質溶液を、第二の液体と接触させてタン
パク質−非−溶媒混合物を形成する工程であって、該第
二の液体は、タンパク質溶媒と制限された混和性であ
り、そしてタンパク質を溶解しない液体である、工程;
b)該タンパク質−非−溶媒混合物を攪拌して第二の液
体中にタンパク質溶液の分散体を形成する工程;および
c)タンパク質溶媒を除去してタンパク質マイクロスフ
ェアを形成する工程、によって得られる。ここで、該タ
ンパク質マイクロスフェアは、50nmから100ミク
ロンの間の直径を持ち、該マイクロスフェアは、アミド
結合によりまたはタンパク質の熱変性により形成されな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御された薬物送達の
ために用い得る生分解性のタンパク質マイクロスフェア
を作製するための方法およびそのタンパク質マイクロス
フェアに関する。
【0002】
【従来の技術】本出願はEdith Mathiowitz、 Howard Be
rnstein、 Eric Morrelおよび Kirsten Schwallerによ
り、1989年、11月6日に出願された "Method for
Producing Protein Particles and Coatings" と題す
る米国特許出願第No.07/432,785号の一部継続出願であ
る。
【0003】種々の用途に用いるマイクロスフェアおよ
びマイクロカプセルを作製するために多くのプロセスが
利用されている。多くのマイクロスフェアは、ポリ(乳
酸)あるいはポリオルトエステルのような合成ポリマー
で作製され、溶媒蒸発、噴霧乾燥、または、相分離によ
り形成される。マイクロスフェアあるいはマイクロカプ
セルが薬物送達のために使用される時は、このプロセス
によって、小さく、大きさおよび薬物分配が均一な、そ
して制御された分解性を有する生産物が回収されるべき
である。
【0004】タンパク質もまた、薬物送達のためのマイ
クロパーティクルまたはマイクロスフェアを形成するた
めに用いられている。R.C.Oppenheim、Polymeric Nanop
articles and Microspheres Guiot and Couveur編集、
第1章、pp.1-25(CRC Press,1986)には、タンパク質を
用いた形成、性質、および薬物送達を総説している。大
部分はグルタルアルデヒドを用いた溶液中で架橋されて
いるか、あるいは高温で堅められている。残念ながら、
取り込まれた物質の生物学的活性の顕著な損失および制
御された大きさの欠如およびin vivo分解速度の問題が
ある。例えば、Suzukiら、Chem. Pharm. Bull. 37(4),1
051-1054(1989)で報告されているように、薬物を含むゼ
イン溶液を架橋することにより化学療法剤のキャリアー
として調製されたゼイン(zein)マイクロスフェアは、
大きさが極めて不均一で、しかも薬物の30%より少な
い取り込みしか示さなかった。同グループは、Chem. Ph
arm. Bull. 37,757-759(1989)において収量と大きさの
範囲は、触媒量のdl-カンフルスルホン酸の添加、なら
びにポリビニルピロリドン、界面活性剤およびバインダ
ーの急速な添加により改善されたことを報告した。しか
しながら、薬物の取り込みはなお35%より少なかっ
た。Clinical Technologies Associates,Inc.によるPCT
US87/02025では、混合アミノ酸の熱凝縮ポリマーであ
る「プロテノイド(protenoids)」から作製されたマイク
ロスフェアの薬物送達のための調製と使用を報告してい
る。これらの物質は有用な性質を持っており、特定用途
のため、およびpHの作用によって標的付けした放出を
するように設計されている。
【0005】同様のプロセスで、タンパク質は、農業の
用途に細菌を取り込んだ、グルタルアルデヒドで架橋さ
れたビーズを作るために用いられている。
【0006】タンパク質はまた、薬物送達のためのイン
プラント、ならびに薬剤を含む重合体マイクロカプセル
のためのコーティング剤および可塑剤を作製するために
用いられている。例えば、Hoechst AGのEPO 158277には
ペプチドbuserelinを制御して放出するためのインプラ
ント可能な調製物が記載されている。この中でゼインを
キャリアーとして用い、これはペプチドおよびゼインを
アルコールに溶解し、得られた混合物を噴霧乾燥および
成形することにより形成している。田辺製薬(株)によ
るEPO 077956には、コーティングの標準手法、即ち噴霧
コーティングまたは浸漬を用いて形成される、マイクロ
カプセルの腸溶コーティングのためのゼインおよび他の
タンパク質の使用について述べている。住友化学KKのJP
80137936号は、ゼインおよび他のタンパク質ならびに材
料のエチルセルロースおよびメチルセルロースマイクロ
カプセルにおける可塑剤としての使用を概説している。
【0007】WO 90/03123として国際公開されたPCT/US8
9/03991には、有機溶剤中で疎水性タンパク質を溶解
し、次にこのタンパク質を水中で沈澱させることにより
形成されるマイクロスフェアについて述べられている。
得られるマイクロスフェアは極めて多孔性で、アイスク
リームやマヨネーズなどの食品中で脂肪の代替品として
非常に有効であることが報告されている。
【0008】タンパク質薬物送達デバイスを生産するこ
れらの方法はいずれも、生物学的に活性な物質(特に不
安定な物質)を高い割合で、経口的に投与された時血流
中を直接に通過するのに充分な程小さいか、あるいは一
定の遊離速度と大きさである均一なマイクロスフェア中
に取り込ませるためには用い得ない。他のプロセスのい
ずれによっても、バインダーまたは架橋剤が存在しない
ような、天然タンパク質のみからなる物質を得られな
い。
【0009】それ故に、本発明の目的は、制御された、
あるいは標的された全身的あるいは局所的薬物送達のた
めに用い得る生分解性のタンパク質マイクロスフェアで
あって、特に不安定な物質および疎水性化合物の送達の
ためのマイクロスフェアを作製するための方法およびそ
の生産物を提供することにある。
【0010】本発明のもう一つの目的は、診断剤として
のおよび放射線画像における使用のための生分解性のタ
ンパク質マイクロスフェアを提供することである。
【0011】さらに、本発明のもう一つの目的は、環境
中へ薬剤を制御して遅延放出するための送達システムを
作製する方法およびその産物を提供することにある。こ
の薬剤には、酵素、ホルモン、農薬、および栄養分が包
含される。
【0012】
【発明の要旨】タンパク質マイクロスフェアは、非溶媒
中における相分離、その後の抽出または蒸発による溶媒
除去により形成される。好適なタンパク質は、疎水性か
つ生分解性のゼインのようなプロラミンであって、生体
中でペプチドおよび/またはアミノ酸に代謝され、タン
パク質分解的にまたは化学的に容易に修飾され得る。例
えば、架橋化されもしくは誘導体化され、選択的な分解
速度のような所望の性質が付与するされ得る。マイクロ
スフェアは、タンパク質の混合物、またはタンパク質と
一つ以上のポリ乳酸のような、生分解性の合成重合物質
との混合物から、タンパク質被覆物と同じように調製さ
れ得る。マイクロスフェアを形成する本プロセスの利点
には、通常45℃以下の低温の使用、グルタルアルデヒ
ドのような架橋剤の非存在が含まれる。
【0013】化合物はマイクロスフェアに容易に取り込
まれ、その後放出される。マイクロスフェアは、薬物送
達ならびに農薬、栄養分、および環境浄化のための薬剤
の遅延放出を含む多くの用途用にサイズを変えて形成さ
れ得る。薬物送達は局所的にまたは全身的に達成し得
る。5ミクロン以下の範囲のマイクロスフェアサイズお
よび投与方法の選択は、マイクロパーティクルを細網内
皮系の細胞へ、あるいは口もしくは胃腸管の粘膜へ標的
付けするのに使用し得る。マイクロスフェアにより形成
されるより大きなインプラントはまた、特に農業用途に
使用し得る。
【0014】
【発明の構成】本発明のプロラミンマイクロスフェアを
生産するための方法は、以下の工程を包含する: a)少なくとも1種類のプロラミンを含むプロラミン溶
液を第二の液体と接触させてプロラミン−非−溶媒混合
物を形成する工程であって、この第二の液体はプロラミ
ン溶媒と制限された混和性であり、そしてプロラミンを
溶解しない液体である、工程; b)プロラミン溶液に、マイクロスフェアに取り込まれ
る化合物を添加する工程; c)このプロラミン−非−溶媒混合物を攪拌して第二の
液体中にプロラミン溶液の分散体を形成する工程;およ
び d)プロラミン溶媒を除去して、プロラミンを架橋しな
いで、プロラミンマイクロスフェアを形成する工程、 ここで、このマイクロスフェアは、拡散および酵素的分
解により、取り込まれた化合物を放出する。
【0015】好適な実施態様においては、上記プロラミ
ンは、ゼイン、グリアジン、ホルデイン、およびカフィ
リンからなる群から選択される。
【0016】好適な実施態様においては、上記プロラミ
ン溶液を作成する前に、上記プロラミンを修飾する工程
をさらに包含する。
【0017】好適な実施態様においては、上記プロラミ
ンは、化学的に修飾される。
【0018】好適な実施態様においては、上記プロラミ
ンは、酸で脱アミデートされる。
【0019】好適な実施態様においては、上記プロラミ
ンは、脂肪族アルコールでエステル化されることで化学
的に修飾される。
【0020】好適な実施態様においては、上記プロラミ
ンは、脂肪酸無水物でアシル化されることで化学的に修
飾される。
【0021】好適な実施態様においては、上記プロラミ
ンは、上記プロラミンに対してアミノ酸、ペプチド、ま
たはタンパク質をカップリングすることで化学的に修飾
される。
【0022】好適な実施態様においては、上記プロラミ
ンは、より小さな分子量のフラグメントに酵素的に切断
される。
【0023】好適な実施態様においては、上記プロラミ
ン溶媒は、アルコール、ケトン、ならびにアミド溶媒、
60%を越えない水を含むアルコール、ケトン、および
アミド溶媒の水溶性混合液、pH10以上の溶液、pH
2以下の溶液、約1.0から約6N濃度の無機塩の水溶
液、および二元性のアルコールとハロゲン化炭化水素、
または二元性のアルコールとポリオール、およびそれら
の組み合わせからなる群から選択される。
【0024】好適な実施態様においては、上記第二液体
は、オイル、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン、高沸点石
油エーテル、およびそれらの組み合わせからなる群から
選択される。
【0025】好適な実施態様においては、界面活性剤お
よびバインダーからなる群から選択される化合物をさら
に包含する。
【0026】好適な実施態様においては、非タンパク質
ポリマーを溶液中の上記プロラミンと混合し、コンポジ
ットのポリマー−プロラミンマイクロスェアを形成する
工程をさらに包含する。
【0027】好適な実施態様においては、上記ポリマー
は、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ酸無水
物、ポリオルトエステル、ポリカプロラクトン、ポリホ
スファゼン、ポリヒドロキシブチレート、ポリアミド、
それらの混合物、およびそれらの共重合物からなる群か
ら選択される。
【0028】好適な実施態様においては、上記プロラミ
ン溶液に溶けない粒子を添加してタンパク質でコートさ
れた粒子を形成する工程をさらに包含する。
【0029】好適な実施態様においては、上記粒子は、
マイクロスフェアおよびマイクロカプセルからなる群か
ら選択される。
【0030】好適な実施態様においては、上記粒子は、
タンパク質、無機塩、多糖類、金属および非タンパク質
ポリマーからなる群から選択される物質から形成され
る。
【0031】好適な実施態様においては、上記化合物
は、薬剤、農薬、栄養物、造影剤、およびキレート剤か
らなる生物学的に活性な化合物の群から選択される。
【0032】好適な実施態様においては、上記化合物
は、上記プロラミン溶液に可溶性である。
【0033】好適な実施態様においては、上記化合物
は、上記プロラミン溶液に不溶性である。
【0034】本発明のタンパク質マイクロスフェアは、
以下の工程により生産される: a)少なくとも1種類のタンパク質を含むタンパク質溶
液を、第二の液体と接触させてタンパク質−非−溶媒混
合物を形成する工程であって、この第二の液体はタンパ
ク質溶媒と制限された混和性であり、そしてタンパク質
を溶解しない液体である、工程; b)このタンパク質−非−溶媒混合物を攪拌して第二の
液体中にタンパク質溶液の分散体を形成する工程;およ
び c)タンパク質溶媒を除去してタンパク質マイクロスフ
ェアを形成する工程、 ここで、このタンパク質マイクロスフェアは、50nm
から100ミクロンの間の直径を有し、このマイクロス
フェアは、アミド結合によりまたはタンパク質の熱変性
により形成されない。
【0035】好適な実施態様においては、上記タンパク
質は、疎水性タンパク質である。
【0036】好適な実施態様においては、上記疎水性タ
ンパク質は、プロラミン、コラーゲン、カゼイン、およ
びケラチンからなる群から選択される。
【0037】好適な実施態様においては、上記タンパク
質は、ゼイン、グリアジン、ホルデイン、およびカフィ
リンからなる群から選択されるプロラミンである。
【0038】好適な実施態様においては、上記タンパク
質は修飾されている。
【0039】好適な実施態様においては、上記タンパク
質は、化学的に修飾されている。
【0040】好適な実施態様においては、上記タンパク
質は、酸で脱アミデートされている。
【0041】好適な実施態様においては、上記タンパク
質は、脂肪族アルコールでエステル化されることで化学
的に修飾されている。
【0042】好適な実施態様においては、上記タンパク
質は、脂肪酸無水物でエステル化されることで化学的に
修飾されている。
【0043】好適な実施態様においては、上記タンパク
質は、上記タンパク質に対してアミノ酸、ペプチド、ま
たはタンパク質をカップリングすることにより化学的に
修飾されている。
【0044】好適な実施態様においては、上記タンパク
質は、より小さな分子量のフラグメントに酵素的に切断
される。
【0045】好適な実施態様においては、タンパク質と
共に、さらに非タンパク質ポリマーを含む。
【0046】好適な実施態様においては、上記ポリマー
は、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ酸無水
物、ポリオルトエステル、ポリカプロラクトン、ポリホ
スファゼン、ポリヒドロキシブチレート、ポリアミド、
それらの混合物、およびそれらの共重合物からなる群か
ら選択される。
【0047】好適な実施態様においては、少なくとも1
つのタンパク質マイクロスフェアは、非タンパク質ポリ
マーで被包されている。
【0048】好適な実施態様においては、上記タンパク
質溶液に溶けない粒子をさらに含む。
【0049】好適な実施態様においては、1つより多い
粒子は、タンパク質マイクロスフェア中に含まれてい
る。
【0050】好適な実施態様においては、上記粒子は、
マイクロスフェアおよびマイクロカプセルからなる群か
ら選択される。
【0051】好適な実施態様においては、上記粒子は、
タンパク質、無機塩、多糖類、金属および非タンパク質
ポリマーからなる群から選択される物質で形成される。
【0052】好適な実施態様においては、さらに取り込
まれた化合物を含む。
【0053】好適な実施態様においては、上記化合物
は、薬剤、農薬、栄養物、造影剤、およびキレート剤か
らなる生物学的に活性な化合物の群から選択される。
【0054】好適な実施態様においては、上記化合物
は、上記タンパク質溶液に可溶性である。
【0055】好適な実施態様においては、上記化合物
は、上記タンパク質溶液に不溶性である。
【0056】好適な実施態様においては、さらに気泡を
含む。
【0057】本明細書の用語「マイクロ」は、ナノメー
ターからマイクロメーターの直径を持つ粒子のことをい
う。マイクロスフェアは固体の球状の粒子である;マイ
クロパーティクルは不規則なまたは非球状形の粒子をい
う。マイクロスフェアはマイクロスフェアを形成するた
めに使用したもとの物質とは異なる組成の外膜を持ち得
る。別に特記しなければ、用語マイクロスフェアは、マ
イクロカプセルを包含するように用いられ得、そして用
語マイクロパーティクルは、マイクロパーティクル、マ
イクロスフェア、およびマイクロカプセルを包含するよ
うに用いられ得る。「コンポジットマイクロスフェア」
は、タンパク質およびポリマーまたは2種のタンパク質
のいずれかの、少なくとも2種の異なる物質から形成さ
れたマイクロスフェアである。「コンポジット」は、本
明細書では、作製されたマイクロスフェアが、この目的
のために当業者に知られた物質と結合している集合体を
いう。
【0058】本明細書に述べられている方法を用いて、
タンパク質マイクロスフェアは相分離、溶媒除去プロセ
スにより調製される。マイクロスフェアの形成は、水と
混和し得る有機溶媒、塩溶液、あるいは酸もしくはアル
カリ溶液中のタンパク質の溶解度を非極性有機溶媒ある
いはオイルのような非混和相中の溶解度と比べた時の差
に依存する。大部分のタンパク質はオイルに溶けない。
従って、タンパク質は、水と混和し得る有機、有機/水
系、または二元性有機溶媒、酸、塩基または塩溶液(被
包相)である第一溶媒に溶ける。懸濁液、エマルジョ
ン、溶液あるいは粒子の形態の、取り込まれる化合物
は、タンパク質溶液に添加される。次にこの混合物は、
タンパク質を溶解せずかつ第一溶媒との混和性が制限さ
れている第二液相(連続相)と接触される。この連続相
は好ましくは植物油、シリコンオイルまたは鉱油のよう
なオイルである。激しく攪拌され、そして第一溶媒は、
通常蒸発あるいは抽出により、マイクロスフェアを形成
するのに十分な条件下で除去される。
【0059】コーティングはまた、タンパク質または非
タンパク質ポリマーから作られるマイクロパーティクル
の上に作製され得る。コーティングを作るために、
(1)タンパク質はまず溶媒に溶解される;(2)被覆
される粒子またはマイクロパーティクルがその溶液に添
加される;(3)タンパク質コーティングのためにタン
パク質/マイクロパーティクル混合物が、第一溶媒と混
和しないそして非溶剤である第二液相に添加される;
(4)混合物は攪拌される;そして(5)粒子またはマ
イクロパーティクルがタンパク質コーティングで被覆さ
れるのに十分な条件下で、第一溶媒が除去される(通常
蒸発によりまたは抽出により)。
【0060】本明細書で述べるプロセスによって、ナノ
メーターとマイクロメーターの間の直径(平均直径が
0.01ミクロンから約100ミクロンより小さい)を
持ち、その中に所望の時間でおよび/または部位に送達
または放出される化合物を取り込んでいるタンパク質マ
イクロスフェアが得られる。好適な方法においては、マ
イクロスフェアは長期間に渡って取り込まれた化合物の
安定性を高めるために凍結される。
【0061】タンパク質マイクロスフェアを含む組成物
は、分解性あるいは非分解性でも、天然あるいは合成で
も、ポリマー中にタンパク質マイクロスフェアを被包す
る標準手法を用いて形成され得る。これらの物質は当業
者によく知られている。タンパク質マイクロスフェアは
また、当業者に知られた他の技術により圧縮または成形
される。
【0062】[マイクロスフェアを形成するために有用
なタンパク質]好適な実施態様において、タンパク質は
プロラミン、好ましくはゼインのような、疎水性のタン
パク質である。本明細書で使用される場合、タンパク質
は、単一種のタンパク質、タンパク質の組合わせ、また
はタンパク質とポリマーの組み合わせであり得る。タン
パク質は天然であり、性質が多種多様であり、そしてin
vivoで無害のアミノ酸または小ペプチドに分解されるの
で、マイクロスフェアを作製するのに用いられる。疎水
性タンパク質は水中における溶解度が制限されており、
有機溶媒、有機溶媒の水系混合物、および有機溶媒の二
元性混合物に可溶性である。プロラミン以外の他の有用
なタンパク質の例としてはコラーゲン、カゼイン、ケラ
チンがある。
【0063】プロラミンは、グルタミン、アスパラギン
およびプロリンなどの疎水性アミノ酸を多く持つことに
よって特徴づけられる。プロラミンは水に不溶性である
が、多くの有機溶媒、特に、少なくとも1%、しかし6
0%を越えない水を含むアルコール類、または極性有機
溶媒に溶ける。
【0064】プロラミンは、例えば穀類加工の副産物と
して得られ、容易に利用でき、安価である。代表的なプ
ロラミンには、グリアジン、カフィリン、ゼインおよび
ホルデインが包含される。マイクロスフェアを作る用途
に好適なプロラミンは、ゼインである。市販の等級およ
び精製された形態のゼインの両方が使用され得る。ゼイ
ンの性質は詳細にL.C.Swallenの "Zein - A New Indust
rial Protein"、Ind.and Eng. Chem.,33:394-398(1941)
中に記載されている。
【0065】[マイクロスフェアの作製に使用するタン
パク質のための溶媒]タンパク質は適切な溶媒に溶解さ
れる。タンパク質は、0.5%(W/V)を超えて溶媒
に溶け、室温(約20−25℃)で可視的に透明な溶液
となれば「可溶性」である。プロラミンは、例えば、そ
れぞれ5%と60%との間の水を含むアルコール(エタ
ノール)、幾つかのケトン類(例えばメチルエチルケト
ン、アセトン)およびアミド溶媒(例えば、アセトアミ
ド);極端に高い(例えばpH10以上)または極端に低
い(pH2以下)pH溶液;および約1.0から約6N無機
塩(例えば、NaCl、KBr)の水溶液に可溶性であ
る。ゼインのための多くの二元性溶媒系が知られてお
り、主成分は特に低級脂肪族アルコール、ケトン、また
はグリコールなどポリオールであり、副成分は、水、芳
香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、特に塩素化炭化水
素、ニトロパラフィン、アルデヒドおよび環状エステル
である。特殊な例には、アルコールおよびハロゲン化炭
化水素の混合物ならびにアルコールおよびエチレングル
コールおよびプロピレングルコールの混合物が含まれ
る。ゼインのようなプロラミンに対する二元溶媒系は、
ManleyおよびEvans,Industrial and Engineering Chemi
stry 36,661-665(1943)に報告されている。
【0066】[連続相に好適な物質]取り込まれるべき
化合物がタンパク質溶液に添加される。化合物は懸濁
液、溶液(オイル、有機溶媒または水)、エマルジョ
ン、または粒子の形態であり得る。次に化合物/タンパ
ク質混合物は、次のような性質を持つ第二液相に導入さ
れる:(1)タンパク質溶媒と混和しない、または混和
しにくい、および(2)タンパク質を溶解しない。溶媒
は、もしそれらが混合なしで、作用温度で安定な均一溶
液を形成するように互いに混合しない場合、「非混和
性」である。非混和相は、これらの条件下では分離相を
形成する傾向にある。鉱油、シリコンオイル、または植
物性油などのオイルは有用な非混合相である。ヘキサ
ン、ヘプタン、ドデカン、および高沸点の石油エーテル
なども含まれる。
【0067】一種またはそれ以上の界面活性剤が、タン
パク質/第一溶媒混合物、または連続相に加えられ得、
タンパク質マイクロスフェアの大きさを減少させ得る。
適切な界面活性剤、およびその使用法は当業者に自明で
ある。
【0068】[マイクロスフェアを形成するプロセス]
タンパク質溶液は連続相に添加され、混合物は激しく攪
拌され、そして第一溶媒は、例えば、好ましくは蒸発に
よりまたは溶媒抽出により、マイクロスフェアを形成す
る条件下で除去される。効果的な混合は、ホモジナイザ
ーを用いた急速な機械的攪拌によりおよび/または層流
を妨げる邪魔板反応器を用いることによって達成され得
る。もし必要なら、混合物は約15分と45分の間の時
間、22℃と約45℃の間の温度に加熱され得る。加熱
された場合、混合物は最初室温まで冷却され、次に化合
物を取り込んだマイクロスフェアは洗浄され、混合物か
ら分離され、そして乾燥される。もし取り込まれた親水
性薬剤が水系溶媒で不安定なら、マイクロスフェアは凍
結乾燥され得る。
【0069】親水性化合物がマイクロパーティクル以外
のマイクロスフェアに取り込まれる場合の別の実施態様
においては、二重エマルジョン手法が用いられる。例え
ば、取り込まれる化合物は最初に水溶液に溶解される。
ゼインは適切な低い水混和性の二元性有機混合物に溶解
される。ゼイン用の多くの二元性有機溶剤が知られてお
り、例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロパ
ノールのようなアルコールとハロゲン化炭化水素の混合
物でハロゲン化炭化水素を主要成分とする混合物があ
る。水溶液がゼインの有機溶液に添加され、油中水エマ
ルジョンが作製される。次にこのエマルジョンは、連続
相である、第二の有機液体相であって、オイルのような
ゼイン用の有機溶媒と非混和性または混和しにくい有機
液体相に添加され、二重の油中水エマルジョンを形成さ
せる。次にこの溶媒は上記で述べたように除去され、マ
イクロスフェアが形成される。
【0070】[マイクロスフェアの改変]マイクロスフ
ェアの性質は所与の用途のために改変され得る。例え
ば、マイクロスフェアを形成する前に化学的におよび/
または酵素的に出発タンパク質は改変される。そのよう
な改変によって、熱安定性、表面反応性、脂溶性、分子
量、荷電、せん断安定性およびプロテアーゼ耐性が高め
られたり、あるいは変えられたりしたタンパク質が生産
され得る。
【0071】[タンパク質の酵素的改変]タンパク質の
機能性、表面特性、および分子量の分布は、酵素処理に
よって改変され得る。例えば、約38,000ダルトン
の分子量をもつ二量体のゼインの酵素的加水分解が、9
0%エタノール中でパパインまたはキモトリプシンなど
のプロテアーゼを用いて行われた場合、完全なタンパク
質に特徴的な溶解性を保持している、約1,000ダル
トンの分子量を持つポリペプチドが得られる。すなわ
ち、ポリペプチドはなお水に不溶であるが、90%エタ
ノールに溶ける。加水分解の程度は、使用酵素の量また
はタンパク質が酵素に接する反応時間を変えることによ
り制御され得る。
【0072】タンパク質の安定性は、相分離プロセス中
の使用に先立ってタンパク質を架橋することにより高め
られる。このことは、トランスグルタミナーゼ、または
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼのようなタンパク
質の分子内および/または分子間の架橋を触媒する酵素
の添加によりなされる。トランスグルタミナーゼ、およ
びタンパク質ジスルフィドイソメラーゼは、それぞれ、
アミノ酸グルタミンおよびシステインを介してタンパク
質の分子内および分子間架橋を引き起こす。トランスグ
ルタミナーゼは、アミノ酸グルタミンのアミド基がアシ
ル供与体である、アシル転移反応を触媒する。マイクロ
スフェアの形成前後でタンパク質の性質を変える、他の
酵素的プロセスが知られている。
【0073】[タンパク質の化学的改変]マイクロスフ
ェアの性質はまた、その調製で用いられるタンパク質の
化学的改変により、マイクロスフェアの形成の前か後の
いずれかで改変され得る。このような改変には、タンパ
ク質を、ひとつまたはそれ以上のアミノ酸側鎖の構造を
変え、そのことによりタンパク質の性質を変える、酸、
塩基、あるいは他の物質で処理することが含まれ得る。
例えば、プロラミン、特にゼインの高グルタミンおよび
アスパラギン含量によって、脱アミデーションによりタ
ンパク質の荷電性、そしてそれ故、疎水性を操作する手
段が提供される。好適な脱アミデーション法には、上昇
温度(25℃および65℃の間)で、所望の程度の脱ア
ミデーションが成されるのに十分な時間、温和な酸に触
媒された脱アミデーション(約pH1で)を行うことが含
まれる。脱アミデーションプロセスの後にアンモニア電
極でアンモニアの放出を測定し得る。脱アミデーション
は炭酸アンモニウムまたはその他の塩基の添加により停
止され得る。
【0074】化学的改変の他の例には、タンパク質生産
物の酸(または塩基)感受性を変え得る高級アルコール
によるタンパク質のエステル化、または脂肪族無水物に
よるタンパク質のアシル化が含まれる。例えば、ゼイン
またはゼインペプチドは上記のように脱アミデートされ
得、次に脱アミデートされたゼインはタンパク質の脂肪
酸エステルを形成するために脂肪酸と反応され得る。脱
アミデートされないまたは脱アミデートされたゼインペ
プチドはまた、高級アルコールと反応し、脂肪族エステ
ルゼインまたはゼインペプチドが形成され得る。次にこ
れらの脂肪酸で改変したタンパク質またはペプチドは、
マイクロスフェアを形成する出発物質として使用し得
る。
【0075】タンパク質の電荷はまた、グルタルアルデ
ヒドまたはカルボジイミドを用いてタンパク質にアミノ
酸またはポリアミノ酸を架橋することにより改変され得
る。タンパク質はマイクロスフェアの形成前あるいは後
で改変され得る。しかし、相分離プロセスの有利な点
は、マイクロスフェアの形成後のタンパク質の苛酷な化
学物質処理または熱処理が要求されない点である。従っ
て、グルタルアルデヒドのような架橋のための物質を使
用してタンパク質を改変することが望ましい場合、タン
パク質は送達されるべき化合物の取り込みおよびマイク
ロスフェアの形成の前に処理される。
【0076】[タンパク質−ポリマーマイクロスフェア
の形成]タンパク質は非タンパク質ポリマーと結合し、
コンポジットマイクロスフェアを形成し得る。生侵食性
の合成または天然ポリマーが好適である。本明細書の用
語「生侵食性(bioerodible)」、または「生分解性(biod
egradable)」は、酵素的または化学的にin vivoでより
単純な化学物質に分解される物質をいう。天然ポリマー
の例には、多糖類である。in vivoで無害な産物に分解
する合成ポリマーは、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ
(グリコール酸)(PGA)およびPLAとPGAのコ
ポリマー、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリホ
スファゼン、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチ
レート、およびその混合物、共重合体が包含される。
【0077】PLA、PGA、およびPLA/PGA共
重合体は、プロラミンコンポジットマイクロスフェアを
形成するのに特に有用である。PLAポリマーは、通常
乳酸の環状エステルから調製される。L(+)およびD
(−)型の乳酸の両方およびD(−)およびL(+)乳
酸の混合物である光学不活性DL−乳酸混合物が、PL
Aポリマーを調製するのに使用し得る。ポリラクチドを
調製する方法は特許文献に良く記載されている。以下の
米国特許の教示は、本明細書に参考として援用され、適
切なポリラクチド、それらの性質および調製を詳細に記
載している:Doroughの第1,995,970号、Schneiderの第
2,703,316号、Salzbergの第2,758,987号、Zeileの第2,9
51,828号、Higginsの第2,676,945号;およびTrehuの第
2,683,136号;第3,531,561号。
【0078】PGAはグリコール酸(ヒドロキシ酢酸)
のホモポリマーである。グリコール酸のポリ(グリコー
ル酸)への転換において、グリコール酸は最初はそれ自
身で反応し環状エステルグリコリドを生じ、加熱および
触媒の存在下で、高分子量の直鎖状のポリマーに転換さ
れる。PGAポリマーおよびその性質は、"CyanamidRes
earch Develops World's First Synthetic Absorbable
Suture", Chemistryand Industry,905(1970)に、より詳
細に記載されている。
【0079】取り込まれた化合物の放出およびマトリッ
クスの生分解の両者はPLA、PGAまたはPLA/P
GAの分子量に関係する。分子量が大きいほど(重量平
均分子量が90,000以上)、より長い期間、構造保
全を保持するポリマーマトリックスが得られる;一方、
より低い分子量(重量平均分子量が30,000以下)
では、より遅い放出およびより短いマトリックス寿命と
なる。
【0080】タンパク質混合物、またはプロラミン/P
LA、プロラミン/PGAあるいはプロラミン/PLA
−PGAのようなタンパク質−ポリマー混合物から作ら
れるマトリックスは、種々の分解速度および拡散速度に
設計され得る。一般的に、分解はタンパク質およびポリ
マー組成の関数である。拡散はマトリックス組成、形、
および取り込まれる物質の性質の関数である。マトリッ
クスは取り込まれる化合物の放出期間より短い、等し
い、あるいはより長い期間にわたって分解されるように
合成され得る。化合物は拡散により、マトリックスの分
解により、またはマトリックスを介する拡散とマトリッ
クス分解としての放出との組み合わせにより放出され得
る。
【0081】これらのコンポジットマトリックスはいく
つかの形態のうちのいずれかをとり得る:ポリマーコー
ティングされたタンパク質マイクロスフェア;タンパク
質により被包されたポリマーマイクロパーティクルまた
はマイクロカプセル;ポリマーにより被包された生物活
性の化合物およびタンパク質マイクロスフェア;または
取り込まれた生物活性の化合物および生物活性化合物の
存在あるいは非存在下での、ポリマーで被包されたタン
パク質マイクロスフェア。
【0082】[取り込まれ得る化合物]疎水性および親
水性化合物の両者がマイクロスフェアに取り込まれ得
る。疎水性化合物は、通常タンパク質と共に水/有機相
溶液中で共溶解される。親水性化合物は、通常粒子状物
質としてタンパク質中に分散されるが、上記の二重エマ
ルジョンプロセスまたは二元溶媒系も化合物を溶解する
ために使用し得る。粒子状物質の使用によって初期に放
出される化合物が、タンパク質溶液中に溶解している時
に比べて、より多くバーストする。
【0083】薬物送達のため、治療、予防、または診断
活性を持つ生物学的に活性な物質が送達され得る。これ
らは有機または無機化合物、タンパク質、またはビタミ
ン、ミネラル、アミノ酸および脂肪などの栄養物を含む
広汎な種類の他の化合物であり得る。物質の例には、ホ
ルモン、抗原、抗体、ステロイド、うっ血除去薬、神経
活性剤および麻酔薬もしくは鎮静剤が包含される。作用
物質は、非荷電分子、分子複合体の成分、または薬学的
に受容可能な塩化水素、臭化水素、硫酸塩、リン酸塩、
硝酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩(maleat
e)、酒石酸塩およびサリチル酸塩等の塩類など種々の
形態であり得る。酸性薬剤には、金属塩、アミンまたは
有機カチオン(例えば第四アンモニウム)が使用し得
る。薬剤の単純誘導体(エーテル、エステル、およびア
ミド等)であって、所望の保持および放出特性をもつも
のもまた、使用し得る。
【0084】金属、放射性同位体、バリウム等放射線不
透過性の作用物質を含む造影剤、および空気を包含する
放射線透過性の作用物質もまた取り込まれ得る。空気は
マイクロスフェア作製前にタンパク質溶液を超音波処理
または攪拌することにより被包され得る。空気で満たさ
れたボイドを含むマイクロスフェアは放射線像で非常に
有用である。
【0085】色素、香料、芳香剤など種々の他の生物学
的に活性でない作用物質もまた、単独または生物学的に
活性な作用物質との組み合わせで取り込まれ得る。
【0086】取り込まれる他の化合物には、農薬、栄養
分、フェロモン、および環境浄化に使用される作用物質
(細菌、キレート剤、およびリパーゼおよびプロテアー
ゼなどの酵素)が含まれ得る。
【0087】送達デバイスに取り込まれる化合物の量
は、広く多様であって、特定の作用物質、所望の効果お
よびマトリックスが化合物を放出するのにかかる時間に
依存する。デバイスに取り込まれる化合物の量に関する
上限および下限は、ある範囲の化合物を包むマイクロス
フェアと比較することにより、経験的に決定され得る。 [本法により生産されるマイクロスフェアの大きさ]マ
イクロスフェアは、ナノメーターサイズのマイクロパー
ティクルから約100ミクロンの平均粒子サイズまでに
渡り、種々の大きさで生産され得る。約50〜100n
mから約20ミクロンの平均粒子サイズを持つマイクロ
スフェアが好ましい。約100nmから約5ミクロンの
平均粒子サイズを持つマイクロスフェアが、薬物送達の
用途には特に好適である。なぜならば、このサイズ範囲
のマイクロスフェアは、血流および/またはリンパ系に
吸収され、または食作用を受け得るからである。
【0088】マイクロスフェアの大きさおよび他の特性
は、走査電子顕微鏡、(SEM)、光散乱および差動走
査熱量計(DSC)を用いて決定し得る。本発明の方法
により生産されるマイクロスフェアのサイズ範囲は図1
および図2に示される。
【0089】[タンパク質コーティングの調製]タンパ
ク質コーティングは、マイクロスフェアを作る方法の変
法を用いて作られる。被覆される粒子(一様の形態でな
い粒子、マイクロスフェアおよびマイクロカプセルを含
む)は任意の重合体物質、通常、非タンパク質性物質も
しくは修飾タンパク質、または単に放出されるべき物質
から作られ得る。コーティングを形成するため、タンパ
ク質は溶解され、コートされる粒子が添加され、そして
タンパク質/マイクロパーティクル混合物が連続相に添
加され、混合物は攪拌され、そして溶媒が好ましくは蒸
発により、または溶媒抽出によりタンパク質コーティン
グで被覆される粒子を生ずる条件下で除去される。
【0090】[マイクロスフェアのコンポジットの調
製]マイクロスフェアは、もっぱらタンパク質で形成さ
れるか、あるいは、ポリマーとの組み合わせで形成さ
れ、またはタンパク質で被覆され、単独または生物活性
な作用物質との組み合わせで、当業者に知られた技術を
用いてコンポジットに成形され得る。好適な方法では、
マイクロスフェアを鋳型中で圧縮する。結合剤または界
面活性剤がコンポジットの形成を容易にするために添加
され得る。マイクロスフェアはまた、溶媒の除去または
温度低下により固化するポリマー溶液中に投入され得
る。
【0091】本発明の方法は、特に薬物送達用途のため
のユニークなタンパク質マイクロスフェアおよびタンパ
ク質コーティングを提供する。この方法は、再現性良く
そして効果的に、均一なの大きさまたは直径範囲のタン
パク質マイクロスフェアを生産する。この方法は、所望
の直径またはサイズ分布、放出速度または分解速度など
所望の特性を持つマイクロスフェアを生産することにお
いてかなりの柔軟性を持つ。さらに、この方法では、生
物学的に活性な化合物を効率的に取り込む(例えば、多
くの場合90%より多く取り込む)、安定なマイクロス
フェアが生産される。マイクロスフェアおよびコーティ
ングは安全で、毒性がなく、そしてin vivoでアミノ酸
または小ペプチドに分解される。この方法はまた、基質
上に保護的な毒性のないタンパク質コーティングを提供
するのに使用し得る。この方法およびその生産物は、さ
らに特定の限定しない実施態様に沿って記載される。
【0092】
【実施例】
[実施例1:タンパク質インシュリンの粒子を含むプロ
ラミンマイクロスフェアの調製]本発明の好適な実施態
様において、プロラミンマイクロスフェアの懸濁液は、
プロラミンを第一溶媒である90%エタノールに溶解し
て、被包相を形成し、取り込まれる化合物を添加し、そ
して混合物を攪拌させてプロラミン溶液を非混和連続相
であるコーンオイルに分散させることにより生産され
る。次に第一溶媒は好適な温度範囲20℃と65℃との
間で蒸発により除去される。プロラミンは非混和相に不
溶性であり、そして第一溶媒の蒸発後に沈澱し、マイク
ロスフェアの懸濁液を形成する。混合物は室温まで冷却
され、オイルを除去するために石油エーテルなどのよう
な溶媒で洗浄され、濾過される。洗浄および濾過工程は
オイルを除去するために必要なだけ繰り返される。一般
的には約3〜5回の洗浄が必要である。次に洗浄された
マイクロスフェアは、通常、減圧下または凍結乾燥によ
り乾燥される。この方法は、固体の亜鉛インシュリン
を、2種の異なった含有量(4.8%および9%(W/
W))で取り込んでいるゼインマイクロスフェアを作る
のに使用された。0.4gのゼインを90%エタノール
(Pharmco Products,Inc., Norwalk,CT)の8.0ml中
に溶かし、5%(W/V)ゼイン(Type F-5000, Freema
n Ind., Tuckahoe,NY)溶液を作成した。0.02gのイ
ンシュリン(Calbiochem, Inc., La Jolla, CA)を8.0
mlゼイン溶液に添加し4.8%含有量のマイクロスフ
ェアを作成した。0.04gのインシュリンを8.0m
lのゼイン溶液に溶かし、9%含有量のマイクロスフェ
アを作成した。インシュリンは、90%エタノールに溶
けないので小さな粒子として添加された。このインシュ
リン粒子の平均直径は3.2ミクロンであった。
【0093】ゼイン/アルコール/インシュリン混合物
は150mlの冷コーンオイル(Mazola Corn Oil)に
導入され、そして約1.5分間ホモジナイズ(Virtis Homog
enizer, Virtis Corp.)され、次に200mlの冷コー
ンオイルを入れた大きいビーカーに移され、ライトニン
グミキサー(Lightning Mixer)で800rpmで混合され
た。混合物は約45分間45℃に加熱され、次に室温に
まで冷却された。得られたマイクロスフェアは繰り返し
石油エーテルでオイルを除去するために洗浄され、濾過
された。次にマイクロスフェアは、一晩、室温で減圧下
乾燥された。
【0094】SEM研究によって、この方法で生産され
たゼインマイクロスフェアは半多孔性の構造を持つこと
が示される。それらは通常形態が球状で、表面に小孔を
持つ。断面図により、内部が多孔性構造であることが示
される。マイクロスフェアは1ミクロンと20ミクロン
の間の直径を持っている。DSC研究によって、被包化
のプロセスはゼインの変性を引き起こさないことが示さ
れる。しかし、連続相として使用されるオイルの型は9
5℃付近で起こる融合(変性)の熱に影響を与え得る。
【0095】[実施例2:ゼイン溶液に溶ける小さな有
機分子のローダミンBを含むゼインマイクロスフェアの
調製]蛍光色素ローダミンBを取り込んだゼインマイク
ロスフェアは、0.008gのローダミンB(Sigma Che
mical Co.)をインシュリンの代わりに用いたことを除い
て、実施例1に記載の手法に従って調製された。ローダ
ミンBは、ゼイン溶液に可溶性である。
【0096】[実施例3:可溶性インシュリンを含むゼ
インマイクロスフェアの調製]インシュリンを含むゼイ
ンマイクロパーティクルは、取り込まれるインシュリン
の最終量が17%、30%または42%(W/W)で、
そしてインシュリンが5%ゼイン(W/V)を含む90
%エタノール−10%水、pH2.5-3.0(1NHClで調
整)であることを除いて、実施例1で説明した手法に従
って調製された。このpHでは、インシュリンはゼイン
と共に溶液中に残る。次にこの混合液は実施例1に記載
されたように、コーンオイル混合物に添加され、インシ
ュリンを含むゼインマイクロスフェアが作製された。S
EMによってマイクロスフェアが密な構造を持つことが
示された。
【0097】[実施例4:ローダミンBを含む、ゼイン
で被包されたPLAマイクロスフェアの調製]PLAマ
イクロスフェアは、以下のように調製された:PLAの
1gをメチレンクロライドの10ml中に溶かし、そし
て0.02gのローダミンBを溶液に添加した。PLA
/ローダミンB溶液は、1%ポリビニルアルコール(DuP
ont; Wilmington, DE)を含む400mlの水溶液に、Vi
rtis 23高剪断ミキサー(The Virtis Co., Gardiner, N
Y)を用いて分散された。分散は、ライトニングミキサー
を1000rpmで用い、すべてのメチレンクロライドが
蒸発してマイクロスフェアが形成されるまで一晩中攪拌
した。得られたマイクロスフェアは水で洗浄され、濾過
されそして減圧オーブンで乾燥された。約1ミクロンか
ら約10ミクロンの範囲の直径を持つローダミンマイク
ロパーティクルを含むPLAマイクロスフェアは、この
方法によって形成された。
【0098】PLA/ローダミンマイクロスフェアは、
次の手法でコートされた:0.4gのPLA/ローダミ
ンマイクロスフェアを90%エタノール(エタノール:
水の比は90:10)の10ml中に溶かした0.5gのゼ
インを含む、ゼイン溶液10mlに添加した。そして高
剪断ミキサーで分散体を作るように攪拌された。分散体
は高剪断攪拌でコーンオイル中に導入され、そしてコー
ンオイルは実施例1で概略を記載した手順に従って、加
熱された。得られたマイクロスフェアは冷却され、石油
エーテルで洗浄され、そして実施例1に記載されたよう
に乾燥させた。このマイクロスフェアを蛍光顕微鏡で観
察した時、ゼインコーティングされたPLAマイクロス
フェアが観察された。ある例では、いくつかのPLAミ
クロスフェアがそれぞれのゼインマイクロスフェアの内
側に観察された。「コンポジット」マイクロスフェアの
直径は、10ミクロンから50ミクロンの間である。
【0099】[実施例5:ゼイン/インシュリンマイク
ロスフェアのin vitro放出カイネティクス]2つの異な
るインシュリンの含有量(4.8%および9%(重量
で))をもつマイクロスフェアは、実施例1に記載され
たように粒子状インシュリンを用いて生産され、そして
3つの異なる含有量(17%、30%、および42%)
をもつマイクロスフェアは実施例3に記載されたように
可溶性のインシュリンを用いて生産された。
【0100】in vitroの放出カイネティクスは、ゼイン
/インシュリンマイクロスフェア10〜20mgを、2.
0mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁し、懸
濁液を37℃でインキュベートして測定された。種々の
時間間隔で、PBSの1mlをデカントし、1mlの新
鮮なPBSで置き換えた。インシュリン濃度は、逆相H
PLCによりC18 Radial pak column(Waters, Milfo
rd, MA)を用いて水アセトニトリル勾配で測定された。
【0101】9%粒子状インシュリン含有量のマイクロ
スフェアは、約10時間の間に薬物の20%を初期放出
し、引き続き40時間に渡り直線的な放出を続けた。
4.8%粒子状インシュリン含有量のマイクロスフェア
は、薬物の約5%の初期放出そして引き続き50時間に
渡る直線的な放出を示した。
【0102】17%可溶性インシュリンのマイクロスフ
ェアは、初期に約5%の放出を起こし、放出は24時間
後7%に上昇し、in vitroでは少なくとも続く90時間
の間はさらなる放出はなかった。30%可溶性インシュ
リンを含むマイクロスフェアは、最初の1時間の間約8
%放出を、そして次の20時間に約15%まで直線的な
放出を示し、放出は少なくとも次の70時間続いた。4
2%可溶性インシュリンを含むマイクロスフェアは、初
期に約10%放出を示し、続く90時間に渡り直線的な
放出が続いた。
【0103】種々の時間に集められた試料は、インシュ
リンの分解を調べるためSDS−PAGE上で泳動し
た。分解は観察されなかった。
【0104】[実施例6:in vivoにおけるゼイン/イ
ンシュリンマイクロスフェアの生物活性]インシュリン
放出の再現性あるバイオアッセイは、マイクロスフェア
の皮下注射後に糖尿病ラットの血中グルコースを測定す
ることである。雌のSprague-Dawleyラット(Taconic Far
ms, NY)は、65mg/kgのストレプトゾトシン(Upjohn Co.,
Kalamazoo,MI)(0.1Mクエン酸緩衝液、pH4.5中)を静脈
注射されることにより糖尿病を誘発される。
【0105】17%(W/W)含有量ゼイン/インシュ
リンマイクロスフェア12.0mgが、実施例3に記載
のように、1ml通常生理食塩水中に調製され、ラット
に投与された。可溶性(被包されていない)インシュリ
ンの等量投与量が、対照として他のラットに注射され
た。この実験の結果から、皮下注射されたゼイン/イン
シュリンマイクロスフェアと可溶性インシュリンの間
で、生物学的活性の長さにおいて、いくらかの違いがあ
ることが示された。マイクロスフェアは、より長期間に
渡りインシュリンを放出した。したがって、可溶性イン
シュリンに比べ、より長期間に渡る生物活性を示した。
【0106】[実施例7:脂肪酸修飾ゼインマイクロス
フェアの調製およびin vitro放出カイネティクス]ゼイ
ンは無水ヘキサン酸(C6)、無水オクタン酸(C
8)、無水デカン酸(C10)、または無水ドデカン酸
(C12)のいずれかで修飾された。ゼインおよび特定
の無水物は、80%エタノールおよび20%ホウ酸ナト
リウム(20mM pH9.0)から成る媒体に添加され、37℃
で2時間、無水物が5倍モル過剰の状態で攪拌すること
で反応させた。pHは反応中、水酸化ナトリウムをゆっく
り添加することにより維持された。2時間後、溶液は3
7%HClの添加によりpH3.0に酸性化され、次に数
倍量の石油エーテルで5回抽出し、遊離の脂肪酸を除い
た。この物質は、2×15Lの蒸留水に対して一晩透析
し、−80℃に凍結され凍結乾燥された。
【0107】インシュリンを含む修飾ゼインマイクロス
フェアは、実施例3に記載された手順で調製された。取
り込まれたインシュリンの総量は17%(W/W)であ
った。修飾ゼインは90%エタノール、10%水、pH
2.5−3.0中に最終濃度5%に溶解した。
【0108】ゼイン−C6、ゼイン−C8、ゼイン−C
10およびゼイン−C12マイクロスフェアからのイン
シュリンのin vitro放出カイネティクスが測定された。
実施例5に記載されたように放出カイネティクスが測定
され、図3に示されている。 [実施例9:脱アミデートされたゼインおよび脂肪酸で
修飾された脱アミデートゼインのマイクロスフェア溶液
調合物の調製およびin vitroでの放出]脱アミデートゼ
インは、以下のように調製された:70%エタノール水
溶液中の5%(W/V)ゼイン(Freeman Ind., Inc.)
混合物は、37%HCl(最終HCl濃度は約0.12
N)でpH1.0に滴定され、37℃で96時間インキュベ
ートされた。反応はアンモニア電極でモニターされ、そ
して脱アミデーションの程度が測定された。96時間
後、反応混合物は1M炭酸アンモニウムで中和し脱アミ
デーションを停止した。脱アミデートゼインは、分子量
6000でカットオフする透析チューブ(Spectrum)中
で、水に対して透析することにより回収した。脱アミデ
ートゼインは透析中に沈澱した。この物質は、−80℃
で凍結され、そして棚型凍結乾燥機(The Virtis,Co.,G
ardiner,N.Y.)で凍結乾燥した。
【0109】脱アミデートゼインは、無水ヘキサン酸
(C6)、無水オクタン酸(C8)、無水デカン酸(C
10)、または無水ドデカン酸(C12)のいずれかで
修飾された。脱アミデートゼインおよび特定の無水物
は、80%エタノールおよび20%ホウ酸ナトリウム
(20mM pH9.0)から成る媒体に添加され、無水物5倍モ
ル過剰で37℃で2時間、攪拌して反応させた。pHは反
応中水酸化ナトリウムをゆっくり添加することにより維
持された。2時間後、溶液は37%HClの添加により
pH3.0に酸性化し、そして次に数倍量の石油エーテル
で5回、遊離の脂肪酸を除くために抽出した。この物質
は2×15Lの蒸留水に対して一晩透析し、−80℃に
凍結され凍結乾燥された。
【0110】インシュリンを含む脱アミデートゼインお
よび脂肪酸修飾脱アミデートゼインマイクロスフェア
は、実施例3に記載された手順で調製された。取り込ま
れたインシュリンの量は17%(W/W)であった。脱
アミデートゼインおよび脂肪酸修飾脱アミデートゼイン
は、90%エタノール水溶液に最終濃度5%(W/W)
に溶解した。インシュリンが加えられ、pHは2.5-3.0に
調整した。
【0111】脱アミデートゼイン、脱アミデートゼイン
−C6、脱アミデートゼイン−C8、脱アミデートゼイ
ン−C10、および脱アミデートゼイン−C12からの
インシュリンのin vitro放出カイネティクスが、測定さ
れた。放出カイネティクスは、実施例5のようにモニタ
ーされ、そして図4に示される。
【0112】[実施例10:ゼイン−C6および脱アミ
デートゼインインシュリンマイクロスフェアのin vivo
活性]実施例8および9で調製されたゼイン−C6およ
び脱アミデートゼインから形成されたインシュリンを含
むマイクロスフェアは、実施例6に記載のように生物学
的活性を試験された。皮下注射されたラットの血中グル
コースレベルは、放出が延長された期間に渡って起こ
り、血中グルコースレベルを減少させることを示した。
【0113】[実施例11:PLA/ゼインコンポジッ
トマイクロスフェアの調製]蛍光色素ローダミンBを取
り込んだゼインマイクロスフェアは、実施例2に記載さ
れたように調製された。マイクロスフェアは1ミクロン
から12ミクロンの間の範囲の直径を持っていた。これ
らのマイクロスフェアは、PLAマイクロスフェアに以
下のように取り込まれた:0.5gPLA(L−10
4、BoerhingerIngelheim, FRG)が10mlのメチレン
クロライドに溶解された。52mgのローダミンBゼイ
ンマイクロスフェアがそのポリマー溶液に添加された。
ゼインは純粋メチレンクロライドには不溶性である。こ
の混合物を氷上でVirsonic 300Ultrasonic probe (Virt
is Inc.,Gardiner,NY)を用いて1分間超音波処理した。
次に懸濁液を10mlのガス密閉シリンジに移した。1
00mlの100%エタノールは、円形容器(8cm × 6
cm)に添加され、液体窒素浴中で凍結された。次に凍結
エタノールを液体窒素の層によって覆った。ポリマー懸
濁液は、シリンジからシリンジポンプを経由して2ml
/分の速度で、液体窒素/凍結エタノール溶液の8cm
上に置かれた超音波ノズル(Model 8700-48MS, Sonotek
Corp.,Poughkeepsie,NY)に押し出される。このノズル
は、懸濁液を、霧状にして、液体窒素に接触するやいな
や直ちに凍結するように粒状にする。
【0114】その後、容器は液体窒素を蒸発させそして
凍結エタノールを溶かすために、−80℃のフリーザー
に移された。メチレンクロライドは、マイクロスフェア
を固化しながら冷エタノール中に抽出された。24時間
後、あらかじめ−80℃に冷却された200mlのヘキ
サンが、メチレンクロライドをさらに抽出するために容
器に添加された。マイクロスフェアは、さらに24時間
フリーザーの中に保持され、その後濾過され100ml
の冷ヘキサンで洗浄された。次にマイクロスフェアは、
室温で24時間減圧乾燥された。
【0115】光学顕微鏡の下、スフェアは丸く、そして
30−35ミクロンの範囲の直径であった。マイクロス
フェアはOlympus (Lake Success,NY) BH2顕微鏡で観
察された。この顕微鏡は、ローダミンBを可視化するた
めに、適切なフィルターを持つ100W高圧水銀ランプ
付きのエピ−イルミネーション蛍光マイクロスコピーが
装備されている。
【0116】粒子は、背景より強く蛍光を発した。個々
のPLAマイクロスフェアの内部で明確な蛍光粒子を検
出することが可能であった。次にPLAマイクロスフェ
アは、メチレンクロライドに再溶解され、そしてこの溶
液の試料が試験された。明確なゼインローダミンBマイ
クロスフェアが観察され、PLAマイクロスフェア中の
蛍光は、完全なゼインローダミンBマイクロスフェアに
よるものであり、調製手順の間にゼインからPLA中に
漏れたローダミンBによるものでないことが示された。
【0117】[実施例12:インシュリンを含むゼイン
および脱アミデートゼイン50:50混合物のマイクロスフ
ェアの調製]インシュリンを含むマイクロスフェアは、
0.2gのゼインおよび0.2gの脱アミデートゼイン
が8.0mlの90%エタノール−10%水中(1.0Nの
HClでpH2.5-3.0に調整された)に溶かされたことを
除いて、実施例3に記載のように調製された。取り込ま
れたインシュリンの量は17%(W/W)であった。
【0118】図5に示されたin vitroの放出カイネティ
クスは、インシュリンの約10%が最初の10時間で、
そして次の60時間でさらに5%が放出されたことを示
している。
【0119】[実施例13:水中の沈澱により作られた
マイクロスフェアと相分離および溶媒蒸発により作られ
たマイクロスフェアの比較]マイクロスフェアは、PCT/
US89/03991の実施例11および12に記載されたように
調製された。この出願は、脂質置換物の調製について記
載しているが、これらの例は、他の高分子のマイクロス
フェアへの被包を開示しているようである。次の実験
は、高分子がこの方法で効率的に被包されるかどうか、
および得られたマイクロスフェアが本明細書に記載の相
分離、溶媒蒸発プロセスにより作られたマイクロスフェ
アと違っているかどうかを測定するために行われた。
【0120】ゼイン(6g)は90%エタノール(94
g)中に溶かされた。100mgのインシュリンナトリ
ウムが、0.9gのNaClと0.12gのトリズマTM
ベースを含む水100mlに溶解された。pHは塩酸で
7.4に調整された。33mlのゼイン溶液を3ml/
分の速度で水溶液に添加し、急速に攪拌した。
【0121】ゼインの大部分が凝集体を形成した。いく
らかのマイクロスフェアが形成された。被包されたイン
シュリンの量はHPLCを用いて水溶液中に残存するイ
ンシュリンの量を測定することにより決定された。水溶
液中に残った遊離のインシュリンの総量を測定した結
果、インシュリンの明白な被包はなかった。
【0122】走査電子顕微鏡(SEM)により、このプ
ロセスでつくられたわずかのマイクロスフェアが、本明
細書に記載の相分離、溶媒蒸発手法で作られたマイクロ
スフェアと比較された。水沈澱により形成されたスフェ
アの方がより多孔性であり、そしてそれ故より密度が小
さかった。
【0123】結局、このプロセスは高分子の効率的な被
包に有用でなく、得られたマイクロスフェアは、本明細
書に記載の相分離、溶媒蒸発法により形成されたマイク
ロスフェアと同じ外観または特性を持たない。インシュ
リンが被包されなかったので放出特性を測定することは
不可能であったが、これらの特性はまた、水沈澱により
作られたマイクロスフェアがかなり多孔性であるので、
かなり異なるものと推定される。
【0124】本発明の改良および変法は、前述の詳細記
載から当業者にとって明らかである。そのような改良お
よび変法は請求の範囲の技術範囲に含まれることとす
る。
【0125】
【発明の効果】本発明のマイクロスフェアは、制御され
た、あるいは標的となる全身的あるいは局所的薬物送達
のために有用であり、特に不安定な物質および疎水性化
合物の送達のために有用である。さらに、本発明のマイ
クロスフェアは、診断剤としてのおよび放射線画像にお
ける使用、ならびに環境中への薬物送達のために有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ナノメーター範囲の直径を持つ粒子の百分率サ
イズ分布である。
【図2】マイクロメーター範囲の直径を持つ粒子の百分
率サイズ分布である。
【図3】マイクロスフェアでのインシュリンのPBSへ
の%累積放出の時間(hr)に対するグラフである。こ
こで、ゼイン(17%W/Wインシュリン)
([−]);Z−C6(塗りつぶし[]);Z−C8
([]);Z−C10(塗りつぶし△);Z−C12
(△)である。
【図4】マイクロスフェアでのインシュリンのPBSへ
の%累積放出の時間(hr)に対するグラフである。こ
こで、脱アミデートゼイン([−]);脱アミデートゼ
イン(DA−Z)−C6(塗りつぶし<>);DA−Z
−C8(塗りつぶし[]);DA−Z−C10(<
>);DA−Z−C12(塗りつぶし[])である。
【図5】ゼインおよび脱アミデートしたゼインのブレン
ド(50:50)から形成されたマイクロスフェアから
のインシュリンの%累積放出の時間(hr)に対するグ
ラフである。
フロントページの続き (72)発明者 マシオウィッツ,エディス アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02146 ブルックライン,ロウソン ロー ド 184 (72)発明者 バーンスタイン,ハワード アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02139 ケンブリッジ,センター ストリ ート 5,アパートメント 41 (72)発明者 モレル,エリック アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02194 ニーダム,ウェブスター ストリ ート 573 (72)発明者 シュワラー,カーステン アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02332 ダックスベリー,テンプルウッド ドライブ 110

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程を包含する、プロラミンマイ
    クロスフェアを生産するための方法: a)少なくとも1種類のプロラミンを含むプロラミン溶
    液を第二の液体と接触させてプロラミン−非−溶媒混合
    物を形成する工程であって、該第二の液体がプロラミン
    溶媒と制限された混和性であり、そしてプロラミンを溶
    解しない液体である、工程; b)プロラミン溶液に、マイクロスフェアに取り込まれ
    る化合物を添加する工程; c)該プロラミン−非−溶媒混合物を攪拌して第二の液
    体中にプロラミン溶液の分散体を形成する工程;および d)プロラミン溶媒を除去して、プロラミンを架橋しな
    いで、プロラミンマイクロスフェアを形成する工程、 ここで、該マイクロスフェアは、拡散および酵素的分解
    により、取り込まれた化合物を放出する。
  2. 【請求項2】 前記プロラミンが、ゼイン、グリアジ
    ン、ホルデイン、およびカフィリンからなる群から選択
    される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記プロラミン溶液を作成する前に、前
    記プロラミンを修飾する工程をさらに包含する、請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記プロラミンが、化学的に修飾され
    る、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記プロラミンが、酸で脱アミデートさ
    れる、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記プロラミンが、脂肪族アルコールで
    エステル化されることで化学的に修飾される、請求項4
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記プロラミンが、脂肪酸無水物でアシ
    ル化されることで化学的に修飾される、請求項4に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 前記プロラミンが、前記プロラミンに対
    してアミノ酸、ペプチド、またはタンパク質をカップリ
    ングすることで化学的に修飾される、請求項4に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 前記プロラミンが、より小さな分子量の
    フラグメントに酵素的に切断される、請求項3に記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 前記プロラミン溶媒が、アルコール、
    ケトン、ならびにアミド溶媒、60%を越えない水を含
    むアルコール、ケトン、およびアミド溶媒の水溶性混合
    液、pH10以上の溶液、pH2以下の溶液、約1.0
    から約6N濃度の無機塩の水溶液、および二元性のアル
    コールとハロゲン化炭化水素、または二元性のアルコー
    ルとポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群
    から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記第二液体が、オイル、ヘキサン、
    ヘプタン、ドデカン、高沸点石油エーテル、およびそれ
    らの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 界面活性剤およびバインダーからなる
    群から選択される化合物をさらに包含する、請求項1に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 非タンパク質ポリマーを溶液中の前記
    プロラミンと混合し、コンポジットのポリマー−プロラ
    ミンマイクロスェアを形成する工程をさらに包含する、
    請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記ポリマーが、ポリ(乳酸)、ポリ
    (グリコール酸)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステ
    ル、ポリカプロラクトン、ポリホスファゼン、ポリヒド
    ロキシブチレート、ポリアミド、それらの混合物、およ
    びそれらの共重合物からなる群から選択される、請求項
    13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記プロラミン溶液に溶けない粒子を
    添加してタンパク質でコートされた粒子を形成する工程
    をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記粒子が、マイクロスフェアおよび
    マイクロカプセルからなる群から選択される、請求項1
    5に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記粒子が、タンパク質、無機塩、多
    糖類、金属および非タンパク質ポリマーからなる群から
    選択される物質から形成される、請求項15に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 前記化合物が、薬剤、農薬、栄養物、
    造影剤、およびキレート剤からなる生物学的に活性な化
    合物の群から選択される、請求項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記化合物が、前記プロラミン溶液に
    可溶性である、請求項1に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記化合物が、前記プロラミン溶液に
    不溶性である、請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 以下の工程により生産されるタンパク
    質マイクロスフェア: a)少なくとも1種類のタンパク質を含むタンパク質溶
    液を、第二の液体と接触させてタンパク質−非−溶媒混
    合物を形成する工程であって、該第二の液体がタンパク
    質溶媒と制限された混和性であり、そしてタンパク質を
    溶解しない液体である、工程; b)該タンパク質−非−溶媒混合物を攪拌して第二の液
    体中にタンパク質溶液の分散体を形成する工程;および c)タンパク質溶媒を除去してタンパク質マイクロスフ
    ェアを形成する工程、 ここで、該タンパク質マイクロスフェアは、50nmか
    ら100ミクロンの間の直径を有し、該マイクロスフェ
    アは、アミド結合によりまたはタンパク質の熱変性によ
    り形成されない。
  22. 【請求項22】 前記タンパク質が、疎水性タンパク質
    である、請求項21に記載のマイクロスフェア。
  23. 【請求項23】 前記疎水性タンパク質が、プロラミ
    ン、コラーゲン、カゼイン、およびケラチンからなる群
    から選択される、請求項22に記載のマイクロスフェ
    ア。
  24. 【請求項24】 前記タンパク質が、ゼイン、グリアジ
    ン、ホルデイン、およびカフィリンからなる群から選択
    されるプロラミンである、請求項22に記載のマイクロ
    スフェア。
  25. 【請求項25】 前記タンパク質が修飾されている、請
    求項21に記載のマイクロスフェア。
  26. 【請求項26】 前記タンパク質が、化学的に修飾され
    ている、請求項25に記載のマイクロスフェア。
  27. 【請求項27】 前記タンパク質が、酸で脱アミデート
    されている、請求項26に記載のマイクロスフェア。
  28. 【請求項28】 前記タンパク質が、脂肪族アルコール
    でエステル化されることで化学的に修飾されている、請
    求項26に記載のマイクロスフェア。
  29. 【請求項29】 前記タンパク質が、脂肪酸無水物でエ
    ステル化されることで化学的に修飾されている、請求項
    26に記載のマイクロスフェア。
  30. 【請求項30】 前記タンパク質が、前記タンパク質に
    対してアミノ酸、ペプチド、またはタンパク質をカップ
    リングすることにより化学的に修飾されている、請求項
    26に記載のマイクロスフェア。
  31. 【請求項31】 前記タンパク質が、より小さな分子量
    のフラグメントに酵素的に切断される、請求項25に記
    載のマイクロスフェア。
  32. 【請求項32】 タンパク質と共に、さらに非タンパク
    質ポリマーを含む、請求項21に記載のマイクロスフェ
    ア。
  33. 【請求項33】 前記ポリマーが、ポリ(乳酸)、ポリ
    (グリコール酸)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステ
    ル、ポリカプロラクトン、ポリホスファゼン、ポリヒド
    ロキシブチレート、ポリアミド、それらの混合物、およ
    びそれらの共重合物からなる群から選択される、請求項
    32に記載のマイクロスフェア。
  34. 【請求項34】 少なくとも1つのタンパク質マイクロ
    スフェアが、非タンパク質ポリマーで被包されている、
    請求項32に記載のマイクロスフェア。
  35. 【請求項35】 前記タンパク質溶液に溶けない粒子を
    さらに含む、請求項22に記載のマイクロスフェア。
  36. 【請求項36】 1つより多い粒子が、タンパク質マイ
    クロスフェア中に含まれている、請求項35に記載のマ
    イクロスフェア。
  37. 【請求項37】 前記粒子が、マイクロスフェアおよび
    マイクロカプセルからなる群から選択される、請求項3
    5に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記粒子が、タンパク質、無機塩、多
    糖類、金属および非タンパク質ポリマーからなる群から
    選択される物質で形成される、請求項35に記載のマイ
    クロスフェア。
  39. 【請求項39】 さらに取り込まれた化合物を含む、請
    求項21に記載のマイクロスフェア。
  40. 【請求項40】 前記化合物が、薬剤、農薬、栄養物、
    造影剤、およびキレート剤からなる生物学的に活性な化
    合物の群から選択される、請求項39に記載のマイクロ
    スフェア。
  41. 【請求項41】 前記化合物が、前記タンパク質溶液に
    可溶性である、請求項39に記載のマイクロスフェア。
  42. 【請求項42】 前記化合物が、前記タンパク質溶液に
    不溶性である、請求項39に記載のマイクロスフェア。
  43. 【請求項43】 さらに気泡を含む、請求項21に記載
    のマイクロスフェア。
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