JPH085162A - 地熱抽出装置 - Google Patents

地熱抽出装置

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JPH085162A
JPH085162A JP6159167A JP15916794A JPH085162A JP H085162 A JPH085162 A JP H085162A JP 6159167 A JP6159167 A JP 6159167A JP 15916794 A JP15916794 A JP 15916794A JP H085162 A JPH085162 A JP H085162A
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JP
Japan
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heat
pipe
heat transfer
excavation hole
ground
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JP6159167A
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Masataka Mochizuki
正孝 望月
Koichi Masuko
耕一 益子
Mikiyuki Ono
幹幸 小野
Michio Takaoka
道雄 高岡
Yuji Saito
祐士 斎藤
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24TGEOTHERMAL COLLECTORS; GEOTHERMAL SYSTEMS
    • F24T10/00Geothermal collectors
    • F24T10/10Geothermal collectors with circulation of working fluids through underground channels, the working fluids not coming into direct contact with the ground
    • F24T10/13Geothermal collectors with circulation of working fluids through underground channels, the working fluids not coming into direct contact with the ground using tube assemblies suitable for insertion into boreholes in the ground, e.g. geothermal probes
    • F24T10/17Geothermal collectors with circulation of working fluids through underground channels, the working fluids not coming into direct contact with the ground using tube assemblies suitable for insertion into boreholes in the ground, e.g. geothermal probes using tubes closed at one end, i.e. return-type tubes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適用される地熱資源に制約を受けることな
く、優れた熱抽出能力を確保し、さらに環境を汚染しな
い地熱抽出装置を提供する。 【構成】 地下14に向けて形成された堀削孔15に、
熱媒体Aを封入しかつ循環させる閉構造の熱回収管19
が遊嵌されている。また堀削孔15の内部に熱伝達流体
22を注入する注入手段21と、熱回収管18と堀削孔
15との間の空間部と地中との間で、熱伝達流体22を
圧力差によって出し入れする流体出し入れ手段27とが
備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、採取した地熱を融雪
や発電などに利用する場合に採用される地熱抽出装置に
関し、特に、坑井と同軸状に挿入されたヒートパイプや
二重管型熱交換チューブ等の熱回収管によって地熱を汲
み上げる構成の地熱抽出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地熱エネルギーを利用した融雪シ
ステムおよび発電システムなどの開発が進められている
ことは周知のとおりである。これらのシステムにおいて
地熱エネルギーを採取する方法として、雨水や還元井か
ら送り込んだ水などを地熱によって加熱し、その結果生
じた熱水あるいは水蒸気を地上側に導き出して利用する
方法が知られている。そのような方法のうち自然界に存
在する水を利用するのであれば、その全量を汲み上げて
しまうことによりその地熱帯の利用寿命が尽きてしま
い、また低熱量の地熱帯では、熱水の自噴を期待できな
いので、採熱は実用上困難である。さらに還元井から水
を供給する場合には、不透水層の存在が不可欠となる。
そしてこれら熱水あるいは水蒸気として採熱する方法で
は、地中の鉱毒をも運び出してしまい、また熱回収設備
にスケールを付着させてしまうおそれもある。
【0003】また従来、高温岩帯にフラクチャーを形成
し、ここに水などの熱媒体を供給し、昇温あるいは蒸発
した熱媒体を地上側に導き出して採熱する方法が知られ
ている。しかしながらこのような方法であっても、適用
可能な地熱帯が不透水性の岩帯に限られるうえに、鉱毒
の搬出やスケールの付着など、上述した方法と同様な不
都合がある。
【0004】上述したいずれの方法も熱媒体を高温熱源
に直接接触させるために各種の不都合を招来するのであ
り、そこで従来、ヒートパイプや二重管型熱交換器を利
用して熱媒体と熱源とを直接接触させずに採熱する方法
が開発されている。図3はその一例としてヒートパイプ
式地熱抽出装置を示しており、図において、地上から地
下に向けてほぼ垂直に掘削孔1が形成され、この堀削孔
1は高温乾燥岩帯2を貫通し、熱水や蒸気等の熱流体3
が豊富な地層に至っている。また、この掘削孔1には例
えば有底筒状のケーシング管4が、その底部を下方にし
た状態で緊密に嵌め込まれている。なお、このケーシン
グ管4は地盤の圧力に対する掘削孔1の強度を向上させ
て、その崩壊を防止するものである。そしてケーシング
管4の内部には、熱輸送手段であるヒートパイプ5の一
端部分、すなわち蒸気管6が地上側から挿入されてい
る。
【0005】一方、蒸気管6のうち地上に延出する端部
には、凝縮器7が取付けられている。この凝縮器7は流
量調整弁8が介設された戻り管9と接続している。戻り
管9は蒸気管6の途中でその内部に挿入され、蒸気管6
の下端の蒸発部10に液相の作動流体Aを供給するよう
に連通されている。すなわち、全体として密閉した循環
路をなしており、その内部には真空脱気した状態で、目
的温度内で蒸発および凝縮する水やアルコール等の流体
が作動流体Aとして封入され、ループ型のヒートパイプ
5とされている。また前記凝縮器7は、ポンプ11が介
設された管路12を介して発電装置13と接続してい
る。すなわち、作動流体Aが凝縮器7に輸送した熱によ
って水蒸気を得て、この水蒸気を発電装置13に強制循
環する構成となっている。なお、図示しないがヒートパ
イプ5は適宜の手段によって地表に固定されている。
【0006】したがって、上記のような構成の地熱抽出
装置により地熱を汲上げて発電する場合、まず、流量調
節弁8を所定開度に開いて凝縮器7に滞留する液相作動
流体Aを蒸気管6の底部に供給する。その作動流体Aが
ケーシング管4を介して伝達される地熱によって蒸発
し、内部圧力の低い凝縮器7に向けて上昇する。その作
動流体蒸気Aは凝縮器7において熱を奪われて凝縮す
る。このようにして凝縮器7に集められた熱により水が
暖められて水蒸気に変換される。そして、この水蒸気が
管路12を介して発電装置13に導かれ、発電に利用さ
れる。なお、凝縮器7の内部で液化した作動流体Aは戻
り管9を経由して再度蒸発部10に供給され、以降、流
量調整弁8が閉じられるまで上述の熱輸送サイクルを継
続する。このように、作動流体Aの状態変化によって熱
抽出する構成であるから、地中の有害鉱物を含まずに地
熱のみを抽出することができ、したがって環境汚染を未
然に防止することができるとともに、発電装置13や管
路12内などにスケールが付着しない利点もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のヒートパイプを
用いた地熱抽出装置あるいはこれに近似した二重管熱交
換器型の地熱抽出装置では、熱輸送を媒介する流体が地
熱源に直接接触しないので、上述した利点を得ることが
できるが、その反面、ヒートパイプもしくは二重管熱交
換器の内部の熱輸送媒体への熱伝達を行うための手段が
必要である。その一例として前記ヒートパイプあるいは
二重管熱交換器をケーシングもしくは地熱源に直接接触
させることが考えられるが、これらは熱交換を目的とし
たものであって強度が低いから、地盤から変形荷重を受
けて損傷するおそれが多分にある。そこで地下水などの
流体を前記ケーシングの内部に溜め、その流体によって
熱伝達を媒介することが考えられるが、このような方法
では、前述した各方法と同様に、不透水層の存在が不可
欠となり、また高温熱源で加熱された前記流体がケーシ
ング内に必ずしも還流するとは限らないので、熱回収能
力が劣る問題がある。
【0008】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、適用する地熱資源に制約を受けることなく、
常時良好な熱抽出能力を維持し、しかも環境を汚染しな
い地熱抽出装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するために、地下に向けて形成された堀削孔と、そ
の堀削孔に遊嵌されるとともに、熱媒体を封入しかつ循
環させる閉構造の熱回収管と、前記堀削孔の内部に熱伝
達流体を注入する注入手段と、前記熱回収管と前記堀削
孔との間の空間部と地中との間で、前記熱伝達流体を圧
力差によって出し入れする流体出し入れ手段とが備えら
れていることを特徴とするものである。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、地下に向
けて形成された堀削孔に、熱媒体を封入しかつ循環させ
る閉構造の熱回収管が遊嵌されるとともに、前記堀削孔
の近傍に少なくとも一つの補助坑井が形成され、その補
助坑井と前記堀削孔の両方もしくはどちらか一方の内部
に熱伝達流体を注入する注入手段と、前記補助坑井と前
記堀削孔との内部圧力差によって、前記補助坑井内から
前記堀削孔内に地中を通して前記熱伝達媒体を還流させ
る流体循環手段とが備えられていることを特徴とするも
のである。
【0011】
【作用】この発明によれば、まず注入手段により堀削孔
の内部に所定量の熱伝達流体が注入されるとともに、流
体出し入れ手段により堀削孔内が高圧状態にされる。す
ると熱伝達流体が堀削孔から押し出されて近傍の地中に
浸出し、その熱伝達流体は地熱を奪って高温になる。つ
ぎに、その状態で流体出し入れ手段により堀削孔内を低
圧状態にすると、地中に浸出した熱伝達流体が堀削孔に
戻される。この熱伝達流体の有する熱が熱回収管内部の
熱媒体に伝達され、その結果、地熱が地上に汲上げられ
る。このように熱伝達流体を堀削孔から周囲の土壌に出
し入れすることにより、熱回収管への地熱の伝達が促進
される。
【0012】また、請求項2に記載の発明によれば、注
入手段により補助坑井と前記堀削孔の両方もしくはどち
らか一方に所定量の熱伝達流体が注入される。ついで流
体循環手段によって補助坑井に対する堀削孔の内部圧力
が下げられる。この圧力差によって補助坑井内から地中
に熱伝達流体が浸出するとともに、堀削孔の内部に浸入
する。熱伝達場体は地中を通過する際にその熱を奪って
高温となっており、この熱伝達流体の有する熱が熱回収
管内部の熱媒体に伝達され、その結果、地熱が地上に輸
送される。
【0013】
【実施例】つぎに、この発明の一実施例を図面を参照し
て説明する。図1は、この発明の地熱抽出装置を発電に
利用するよう構成した例を示す概略図である。地上から
透水性の高い地層を貫通して低温岩帯14に向けて掘削
孔15が形成されている。この掘削孔15には、例えば
有底筒状でかつ長さ方向および周方向に亘って小孔16
が多数形成されたケーシング管17が、その底部を下方
にした状態で緊密に嵌め込まれている。なお、このケー
シング管17は地盤の圧力に対する掘削孔15の強度を
向上させて、その崩壊を防止するものであり、必要に応
じて備えられる。そしてケーシング管17の内部には、
熱回収管18の一例としてヒートパイプ19の一端部
分、すなわち蒸気管20が地上側から隙間を有して挿入
されており、さらにこの実施例ではケーシング管17上
部の開口部分が適宜の手段により密閉されている。
【0014】一方、地上のヒートパイプ19の近傍には
注入排出手段21が備えられている。この注入排出手段
21は、一例として熱伝達流体22を一時的に貯溜する
タンク23と、そのタンク23に連通する2本の管路2
4,25とから構成され、それらの管路24,25には
ポンプ26とバルブ27とが介設されている。そして、
それぞれの管路24,25の開口端部は蒸気管20とケ
ーシング管17との間に挿入されており、それらの間に
熱伝達流体22を任意に注入および排出できるよう構成
されている。また、熱伝達流体22としては、それ自体
が熱伝導性に優れ、かつ長期に亘って使用しても蒸気管
20およびケーシング管17を腐食させないものが好ま
しく、一例として水などが挙げられる。また、ここでは
流体出し入れ手段の一例として、ケーシング管17内部
の空気圧を任意に調整する空気圧縮機28が地上に備え
られている。
【0015】前記蒸気管20のうち地上に延出する端部
には、凝縮器29が取付けられている。この凝縮器29
は流量調整弁30が介設された戻り管31と接続してい
る。戻り管31は蒸気管20の途中でその内部に挿入さ
れ、蒸気管20の下端の蒸発部32に液相の作動流体A
を供給するように連通されている。すなわち、全体とし
て密閉した循環路をなしており、その内部には真空脱気
した状態で、目的温度内で蒸発および凝縮する水やアル
コール等の流体が作動流体Aとして封入され、ループ型
のヒートパイプ19とされている。また前記凝縮器29
は、ポンプ33が介設された管路34を介して発電装置
35と接続している。すなわち、作動流体Aが凝縮器2
9に輸送した熱によって水蒸気を得て、この水蒸気を発
電装置35に強制循環する構成となっている。なお、図
示しないがヒートパイプ19は適宜の手段によって地表
に固定されている。
【0016】つぎに上記のように構成された地熱抽出装
置の作用を説明する。まず流量調整弁30が開かれて、
凝縮器29に溜められた液相の作動流体Aが蒸気管19
の底部に供給される。また一方で、注入排出手段21を
動作させてケーシング管17の内部に所定量の熱伝達流
体22を注入するとともに、空気圧縮機28を駆動して
ケーシング管17内の空気に所定の圧力が加えられる。
するとケーシング管17に形成されている各小孔16か
ら熱伝達流体22が周囲近傍の地中に浸出し、その熱伝
達流体22は地熱に加熱されて高温になる。つぎに、そ
の状態で空気圧縮機28によってケーシング管17内を
減圧する。すると、ケーシング管17内外の圧力差によ
って地中に浸出した熱伝達流体22が各小孔16を介し
てケーシング管17内に還流する。なお、ケーシング管
17の内部に還流した熱伝達媒体22は、地熱によって
昇温されているうえにケーシング管17の内部が低圧で
あるから、ここでフラシュ蒸発する場合がある。特に、
その場合には熱伝達流体22蒸気が蒸気管20の上方に
も及ぶ広い面積に亘って均一に噴射されるため、熱伝達
流体22から作動流体Aへの熱伝達が効率的に行われ
る。このように地中に浸出した熱伝達流体22の回収は
自然対流によって行われるものではないから、地層全体
の透水性が高い場合にも注入した熱伝達流体22を逃す
ことなく確実に回収することができる。
【0017】蒸気管20の内部の液相作動流体Aが高温
の熱伝達流体22によって加熱されて、その全量が速や
かに蒸発する。すなわち、熱伝達流体22をケーシング
管17から出し入れすることにより地中の有する熱を効
率よく作動流体Aに伝達することができる。その作動流
体蒸気Aは内部圧力の低い地上側の凝縮器29に流入
し、そこで熱を奪われて凝縮する。なお、ヒートパイプ
19の構成がループ型であり、作動流体Aの蒸気流と液
流とが互いに干渉しないため地熱の輸送が効率的に行わ
れる。
【0018】前記凝縮器29に集められた熱により水が
暖められて水蒸気に変換される。そして、この水蒸気が
管路34を介して発電装置35に導かれ、発電に利用さ
れる。なお、凝縮器29の内部で液化した作動流体Aは
戻り管31を経由して再度蒸発部32に供給され、以
降、流量調整弁30が閉じられるまで上述の熱輸送サイ
クルを継続する。
【0019】このように、積極的に熱伝達流体22を地
中に供給し、地熱を奪い高温化させた後に回収して、そ
の熱をヒートパイプ19に伝達させるため、従来、好適
に適用し得なかった透水性の高い地層や天然熱流体が存
在しない低温岩帯14からも良好に熱抽出することがで
き、すなわち、適用する地熱資源の温度に拘らず高効率
な地熱抽出装置を得ることができる。また、作動流体A
の潜熱として熱輸送するヒートパイプ19を熱回収管1
8に採用しているから、有害な鉱物を汲上げるおそれが
なく環境を汚染しないばかりか、発電装置35やバルブ
33等にスケールが付着しない利点もある。
【0020】なお、上記実施例では、熱回収管としてル
ープ型のヒートパイプを採用したが、この発明は上記の
実施例に限定されるものではなく、熱回収管として二重
管型熱交換チューブや単管タイプのヒートパイプ等を用
いても、同様に良好な効果を得ることができる。
【0021】図2は、この発明の第二実施例を示す図で
ある。ここに示す例は上記の実施例に対して、より地熱
抽出能力を向上した例である。なお、上記第一実施例と
同様の部材には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略
する。
【0022】地上からは、透水性の高い地層を貫通して
低温岩帯14に至る堀削孔15が掘られており、また、
この堀削孔15には、一例として長さ方向および周方向
に多数の小孔16が形成された有底円筒状のケーシング
管17が緊密に嵌め込まれている。そして、その上部か
ら発電装置35と接続したヒートパイプ19の蒸気管2
0が挿入されており、また後述する補助坑井37に熱伝
達流体22を供給するためのポンプ38が内底部に備え
られている。この実施例においては、このポンプ38が
流体循環手段の一例として採用されている。さらにケー
シング管17の上部開口部分は適宜の手段により密閉さ
れている。
【0023】ケーシング管17の周囲の地盤には、複数
箇所に亘って(図2においては2箇所)の補助坑井37
が形成されており、それらの内部にはポンプ38と接続
した管路39が挿入され、かつ上部が適宜手段により密
閉されている。この補助坑井37は、一例として有底円
筒状で、かつケーシング管17側に向けられる面に複数
の孔36が形成された金属管を埋設することにより構成
されている。また、地上にはケーシング管17に熱伝達
流体22を注入し、かつ排出する注入排出手段21が備
えられている。
【0024】つぎに上記のように構成された装置の作用
を説明する。まず流量調整弁30が開かれるとともに、
注入排出手段21を動作させてケーシング管17に所定
量の熱伝達流体22が一旦注入される。つぎに、ポンプ
38の駆動によりケーシング管17内に溜められた熱伝
達流体22が各補助坑井37に送られる。前述のように
ケーシング管17および全ての補助坑井37の上端部分
は密閉されているから、この場合、熱伝達流体22の汲
上げに伴ってケーシング管17の内部圧力が次第に低下
し、これに対して各補助坑井37内の圧力は高くなる。
したがって、各補助管37に注入された熱伝達流体22
が各孔36から地中に浸出するとともに、地中を低圧の
ケーシング管17に向けて移動し、そしてついには各小
孔16からケーシング管17の内部に浸入する。特に、
その場合、フラッシュ蒸発が生じれば、熱伝達流体22
蒸気が蒸気管20の上方にも及ぶ広い面積に亘って均一
に噴射されるため、熱伝達流体22から作動流体Aへの
熱伝達が効率的に行われ、その結果、装置全体としての
地熱注出能力が向上する。このように、ケーシング管1
7と各補助坑井37との内部圧力差によって熱伝達流体
22の循環が行われる。
【0025】熱伝達流体22は地中を移動する際に地熱
を奪って高温となっており、この熱がヒートパイプ19
の蒸発部32において作動流体Aに伝達され、ヒートパ
イプ19の動作が開始される。すなわち、熱伝達流体2
2がケーシング管17の周囲の土壌から地熱を集約し、
その熱がヒートパイプ19に伝達される。そして作動流
体Aの輸送した熱により凝縮器29内で水蒸気が発生
し、これが管路34を介して発電装置35に導かれ、発
電に利用される。
【0026】このように、上記第一実施例の装置と比
べ、より広い範囲に熱伝達流体22を供給しかつ回収で
きるため、熱抽出能力の向上を図ることができる。
【0027】なお、上記の実施例では、ケーシング管の
熱伝達流体を補助坑井にポンプで汲み上げることによ
り、ケーシング管と補助坑井とに内部圧力差を生じさせ
る構成としたが、この発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば補助坑井のみに熱伝達流体を注入し
た状態で、コンプレッサーでケーシング管内部を減圧し
て熱伝達流体を循環させる構成としてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明は、圧力差
によって熱伝達流体を堀削孔内の空間と地中との間で出
し入れする構成であるから、熱回収管への地熱の伝達が
熱伝達流体により促進され、その結果、熱量の密度が低
い地熱帯であっても効率的に地熱を抽出することができ
る。また、天然の地熱流体を直接に汲み上げるものでは
ないので、環境を汚染しない利点も有する。
【0029】また、請求項2に記載した発明は、補助坑
井と堀削孔との内部圧力差によって、補助坑井内から堀
削孔内に地中を通して熱伝達媒体を還流させる構成であ
るから、熱伝達流体が広い範囲から地熱を吸収すること
ができ、したがって、装置の熱抽出能力を、より向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す概略図である。
【図2】この発明の第二実施例を示す概略図である。
【図3】従来の地熱抽出装置の一例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
14…低温岩帯、 15…堀削孔、 18…熱回収管、
19…ヒートパイプ、 21…注入排出手段、 22
…熱伝達流体、 28…空気圧縮機、 37…補助坑
井、 38…ポンプ、 A…作動流体。
フロントページの続き (72)発明者 高岡 道雄 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 斎藤 祐士 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下に向けて形成された堀削孔と、その
    堀削孔に遊嵌されるとともに、熱媒体を封入しかつ循環
    させる閉構造の熱回収管と、前記堀削孔の内部に熱伝達
    流体を注入する注入手段と、前記熱回収管と前記堀削孔
    との間の空間部と地中との間で、前記熱伝達流体を圧力
    差によって出し入れする流体出し入れ手段とが備えられ
    ていることを特徴とする地熱抽出装置。
  2. 【請求項2】 地下に向けて形成された堀削孔に、熱媒
    体を封入しかつ循環させる閉構造の熱回収管が遊嵌され
    るとともに、前記堀削孔の近傍に少なくとも一つの補助
    坑井が形成され、その補助坑井と前記堀削孔の両方もし
    くはどちらか一方の内部に熱伝達流体を注入する注入手
    段と、前記補助坑井と前記堀削孔との内部圧力差によっ
    て、前記補助坑井内から前記堀削孔内に地中を通して前
    記熱伝達媒体を還流させる流体循環手段とが備えられて
    いることを特徴とする地熱抽出装置。
JP6159167A 1994-06-17 1994-06-17 地熱抽出装置 Pending JPH085162A (ja)

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JP6159167A JPH085162A (ja) 1994-06-17 1994-06-17 地熱抽出装置

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Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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