JPH08512045A - ヒトパピローマウイルスの合成ペプチド - Google Patents

ヒトパピローマウイルスの合成ペプチド

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JPH08512045A JP7503350A JP50335095A JPH08512045A JP H08512045 A JPH08512045 A JP H08512045A JP 7503350 A JP7503350 A JP 7503350A JP 50335095 A JP50335095 A JP 50335095A JP H08512045 A JPH08512045 A JP H08512045A
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Abstract

(57)【要約】 HPV16またはヒロパピローマウイルス類似物を原因とする、又はそのようなHPVが関与する感染症、特に子宮頸部形成異常、の患者の治療に共同して用いるペプチドであって、その様なペプチドは長さ15から24のアミノ酸であり、ヒトパピローマウイルス(HPV)16L1タンパク質の内の以下のアミノ酸配列:(1)配列番号:1=アミノ酸残基311−325、またはその保存的修飾変異体;(2)配列番号:2=アミノ酸残基321−335、またはその保存的修飾変異体;(3)配列番号:3=アミノ酸残基331−345、またはその保存的修飾変異体:からなる、またはこれらの3種のペプチドそれ自体の組成物、またはその様な治療への利用は、本発明に含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトパピローマウイルスの合成ペプチド 発明の背景 (1)発明の分野 本発明は、性器いぼ、子宮頸部形成異常、および子宮頸部癌の予防および治療 に有効なヒトパピローマウイルス(human papillomavirus )(HPV)L1タンパク質内で同定された合成ペプチドを提供する。(2)関連する技術 ヒトパピローマウイルスは、動物のパピローマウイルスと共通の遺伝的生物体 に分けられ、かつ、皮膚および粘膜の落屑性上皮病変を引起こすウイルスの一群 である。65種以上の異なるHPVの型が同定されている。 異なる型のHPVは異なる病気の原因となり、体の異なる部位に表れる。数種 の型、特に6、11、16、18、31、33、35および52型は、性器領域 に感染する。HPVの6および11型は、主に、尖形(acuminata)コ ンジロームとして知られている性器いぼの原因となる。その他のHPVの型、1 6、18、31、33、35、39、51および55は、主に、組織学的に頸部 上皮内癌(cervical intraepithelial neopla sia)(CIN)と定義されている子宮頸部上皮の扁平いぼおよび形成異常病 変の原因となる。これらのCIN−病変は、さらに非侵襲性癌(その部位の癌) または侵襲性落屑性細胞癌に進行する可能性がある。全子宮頸部癌の90%以上 は、宿主ゲノム中にある型のHPVを組み込んでいると言う遺伝学的証拠を持ち 、そのうち、HPV16のみが最も共通に認められ(全子宮頸部腫瘍の60%) 、かつ、これは、本出願で最も興味あるHPVの型である。HPV感染とCIN および子宮頸部癌への進行との関係は、明らかではないが、HPVは子宮頸部発 癌のイニシエーターとして働き、かつ、悪性への形質転換は他の要素との相互作 用に依存する(Zur Hausen,H.ら、Lancet,ii:1370 ,1982)と予想されている。 特別にはHPV16、および一般的にはパピローマウイルスの形態は、よく研 究されてきた。HPV16は、7904bpの二本鎖DNAゲノムを含んでいる (Siedorf,K.ら、Virology,145,181−185,19 85)。キャプシドは50nmであり、72のキャプソメアを含む(Klug, A.,J.Mol.Biol.,11,403−423,1965)。HPV1 6の亜種の多くは、50%より大きい相同性を示す分離菌である(Coggin ,Cancer Research,39,545−546,1979)が、異 なる制限エンドヌクレアーゼを用いてサザンブロッティングを行うと制限フラグ メントの長さの多型性パターンに違いを示すことが報告されてきた。 すべてのHPVゲノムは、オープンリーディングフレーム(open rea ding frame)(ORF)から転写される多数のタンパク質をコードす る少なくとも8つの領域を持つ。これらの領域は、機能的には、複製および形質 転換のために必要なタンパク質(E1からE7)をコードすると仮定される初期 領域、並びに、2つの主なウイルスキャプシドタンパク質(L1およびL2)を コードする終期領域に分けられる。終期領域は、すべてのHPVの型に相同的領 域を示す。 HPV16およびパピローマウイルス一般による感染に対する免疫応答につい てはほとんど知られていない。HPVの検出は、例えば、子宮頸部サンプル内で は、ポリメラーゼ鎖反応(Polymerase Chain Reactio n)およびサザンブロッティング(Southern Blotting)のよ うな感度の高いDNAタイピング技術を用いて行うことができるが、ウイルスは 、分離できず、研究室では免疫試験に適した抗原性物質が適当量に達するまで増 殖させることもできない(Tichmanら、J.Invest.Derm., 83:25−65,1984)。 HPVの血清反応性エピトープが同定され、それに対する抗体が作製された。 これらの抗体はHPV感染の診断に用いられることが認められ、このことは、例 えばWO91/18294(DillnerおよびDillner)に記載され ており、この文献中ではHPV16のL1およびL2タンパク質に相当する合成 ペプチドが合成され、ヒト血清で試験された。また、これらの抗体が反応する合 成ペプチドは、HPV感染の診断に有用であると考えられた。しかしながら、こ れらの抗体またはペプチドを治療に用いることについては示唆されていない。 生物学的に重要なBおよびT細胞のエピトープについてスクリーニングを行う のに適した生体外(in vitro)バイオアッセイシステムが欠如している ので、酵素結合イムノアッセイ(Enzyme Linked Immunoa ssays)(ELISAs)においてHPV結合活性を持つこれらおよびその 他の報告されている抗体がHPVを中和する能力を持つか否かについて明らかに することはできない。 さらに、診断に用いうる可能性を持つ抗体を上昇させるであろう血清反応性エ ピトープ(B細胞エピトープ)は、それ自身、防御免疫応答を引き出す能力を持 つエピトープである。HPVのような外来抗原に感染することによって、免疫シ ステムは、抗原提示細胞(antigen presenting cells )(APCs)を通して宿主に提示される異なるHPV抗原上に認められる多数 の抗原決定基に対して応答する特異的なT細胞およびB細胞を装備すると予想さ れる。 欧州特許出願257 754(Schoolnik)、412 762(Ol iff)、451 550(Muller)およびMullerら(J.Gen .Virol.,71.2709−2717,1990)は、彼らが言うところ のHPV16型が治療に有効であると言うことも含めて、HPVのエピトープに ついて述べている。当該技術分野において記載されているこれらの全エピトープ 中、大多数は初期領域のタンパク質に関係する。また、Mullerは、ワクチ ンに有効なHPV16L1の88のアミノ酸の配列を開示している。しかしなが ら、すべての場合において、証拠は血清学的試験に基づいており、それらがB細 胞エピトープについて考察していることを示唆しており、これらのペプチドがB 細胞応答を作り出すに十分な免疫原性を持つこと、および、その結果得られたB 細胞抗体がHPVを中和する抗体であるか、そしてHPV感染を防御するか否か 、を示す証拠は提供されていない。 T細胞エピトープもまた、侵入した抗原に対する個体の免疫応答に重要である 。T細胞は、マクロファージおよび多形核白血球と共に、体の免疫防御の最も重 要 で主要な系である。 P.Shepherd(本発明者)および共同研究者らは、子宮頸部形成異常 の患者から得られたT細胞を特異的に刺激し増殖させるこれらペプチドの能力を 測定するようにデザインしたT細胞増殖アッセイで、HPV16L1から誘導さ れたあるペプチドに対する免疫応答を試験した。様々な発表会が、1992年お よび1993年に行われ、それによって、患者の細胞は、ペプチドの2つのプー ル、その内の一つのプールはアミノ酸残基305−329からの2つのペプチド を含み、他のプールはアミノ酸残基321−345からの3つのペプチドを含む 、の内の一方または両方のどちらかのペプチドによって最も良く刺激されること が示された。 エピトープを提示するペプチドを正確に定義することが難しいのは周知の事実 であるが、関連する臨床的症状、この場合は子宮頸部形成異常、を持つ患者に、 高い割合でT細胞刺激応答を共に提供するであろう比較的短いペプチドのセット を定義することは、より難しい。長いペプチドは、合成経費の観点、および患者 の抗原提示細胞によるその様なペプチドの的確な提示、の両方から避けるべきで ある。本発明は、試験グループのほとんどの患者によって認識されるペプチドの セットを定義することによって、この問題の解決を提供する。発明の概要 本発明は、HPV16あるいは同様のヒトパピローマウイルスを原因とする、 またはその様なHPVが関与する感染症、特に具体的にはヒトパピローマウイル ス詳しくは子宮頸部形成異常、の患者の治療に共同して使用する3種のペプチド を提供し、そのペプチドは長さ15から24のアミノ酸からなり、以下の配列: (1)配列番号:1=アミノ酸残基311−325: またはその保存的修飾変異体; (2)配列番号:2=アミノ酸残基321−335: またはその保存的修飾変異体; (3)配列番号:3=アミノ酸残基331−345: またはその保存的修飾変異体; からなる、または含んでいる。 また、本発明は上記の3種のペプチドからなる治療用組成物自体、または上記 の治療における使用を含む。 上記の定義のいずれもが、その他のペプチド組成物、あるいはその他の適合す る活性原理、あるいはその他の成分を治療に用いること、または共存させること を排するわけではない。さらに、ペプチドは、それぞれの場合において、遊離形 であることも、または、上記治療目的を促進する、改良する、あるいは少なくと も適合するであろう、任意のキャリヤーまたは補助分子との(一つあるいはそれ 以上の共有化学結合による結合を含む)結合形であることもできる。 本発明は、上記ペプチドの2つ、あるいは3つの全てが、2つあるいは3つの ペプチドの組み合わせによって示される配列を網羅するに必要な同じ長さのまた はそれより長い単一ペプチドによって置換される可能性を含む。しかしながら、 より短いペプチドを用いることによる利益は、この方針を魅力ないものにする。 その場合には、しかしながら、ペプチドは311−345の範囲の外側のHPV 16L1配列、すなわち、311のN末端側または345のC末端側をカバーす べきではない。望ましい実施態様の説明 本発明で用いるペプチドは、T細胞応答を引き出す能力を持つそのようなペプ チドである。最適なT細胞応答に必要な正確に作り上げられた配列は、個体ごと に変化しても良い。望ましくは、アミノ酸の長さが15から22、最も望ましく は15から20、よりさらに望ましくは15から18である、本発明のペプチド を併用することによって、ヒト母集団でのT細胞エピトープ認識の多様性を許容 することができる。上記の必須の15の長さを越える、任意のさらなるアミノ酸 には、HPV16L1の隣接するアミノ酸、特に、ペプチド(1)の305−3 11が望ましい。 本発明で用いるペプチドはヘルパーT細胞の産生を刺激し、次にヘルパーT細 胞はヘルパー機能および特異的B細胞への細胞間のシグナルを提供して、抗原/ ペプチドおよびサイトカインの放出、HPVに特異的な抗体応答を惹起し、およ び/またはウイルスあるいはウイルス感染細胞を殺すまたは非活性化する細胞障 害性T細胞の補助を行うと思われる。この様に、ヘルパーT細胞は、体の2つの 主要免疫防御機構を調整するのに重要な中枢の役割を演ずる。それ故、B細胞エ ピトープまたは細胞障害性T細胞エピトープのような抗原提示に用いられるシス テムにヘルパーT細胞エピトープを包含させると、ヘルパーT細胞の産生をさら に刺激することによって、提示されているB細胞エピトープまたは細胞障害性T 細胞エピトープとの応答を改善に導くであろう。このように、本発明の望ましい 特徴に従って、上記のペプチドは、B細胞または細胞障害性T細胞のエプトープ と連結している。 本発明で用いられるペプチドと連結しているB細胞エピトープは、望ましくは 、HPV、具体的には、16、11、および6型、より望ましくは、HPV16 からのものであるが、免疫応答を生ずることが所望される任意のその他の望まし い抗原/ペプチドでもよい。B細胞エピトープは、HPVの初期領域(E1から E7)か、より望ましくは、後期領域(L1およびL2)のどちらかからであっ て良い。本発明の一つ以上のペプチドと共に、提示されるB細胞または細胞障害 性T細胞のエピトープは一つ以上あっても良い。 本明細書で用いられる「ペプチド」という言葉は、中性(負電荷)および塩の 形を含み、かつグリコシル化、側鎖の酸化、あるいはリン酸化のような修飾を受 けていない、またはこれらの修飾を含んでいるかのいずれかである。アミノ酸配 列が酸性基および塩基性基を含むこと、並びに、ペプチドが溶液である場合、ペ プチドが示す個々のイオン化状態は周辺媒質のpHに依存すること、またはペプ チドが固体型である場合は、ペプチドの得られた媒質のそれであること、はこの 技術分野で良く理解されている。また、ペプチドの定義には、グルコシル単位、 脂質、またはリン酸塩のような無機イオン、のようなアミノ酸側鎖に結合するさ らなる置換基、並びに、スルフヒドリル基の酸化のような鎖の化学転化に関連す る修飾、によって修飾されたものを含む。このように、「ペプチド」という用語 は、その免疫原性特性を壊さないそのような上記の修飾を受けやすい、上記の適 当なアミノ酸配列の分子を含む。 本発明に用いるペプチドは、ペプチド合成の技術分野で標準的な技術を用いて 化学合成によって調製されて良い。 一つのアミノ酸を同様の性質を持ったもう一つのアミノ酸によって置き換える 、例えば、アスパラギン酸残基をグルタミン酸残基によって置き換えても、その 様な置換が起こったペプチドの性質には影響を及ぼさないであろうことは、この 技術分野では良く認識されている。それ故、本発明は、ペプチドの性質に影響を 及ぼさない、その様な置換が起こったペプチドの保存的修飾変異体に及ぶ。特に 、配列番号:1−3のアミノ酸の1、2または3を、非極性、非電荷極性、正電 荷、または負電荷のカテゴリーが同じ他のアミノ酸によって置き換えることに及 ぶ。Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Trp、およびMet は非極性であり;Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、AsnおよびGl nは非電荷極性であり;Lys、ArgおよびHisは正電荷であり、Aspお よびGluは負電荷である。 上記のペプチドは、他の様々な化学修飾を行ってもよく、それらはなお、本発 明の範囲の内にある。特に、ペプチドはC末端にアミノ基を持つ、または持たな いように調製してもよい。C末端にアミノ基を持つように調製した場合、ペプチ ドは、上記のアミノ酸残基のカルボニル部分に共有結合したカルボキシ末端のア ミド基を持つ。また、ペプチドはN末端のアミノ酸に共有結合したアセチル基を 持つ場合もある。他の化学修飾、特に環化および二量体化の形状、も可能である 。 本発明に用いられるペプチドは単独で用いてもよいが、低分子量の場合は、そ れらの抗原性をより強めるための免疫原性のキャリヤー物質に付けてもよい。本 発明のもう一つの特徴に従って、上記の結合ペプチドは、上記のようなB細胞ま たは細胞毒性T細胞に、または免疫原性キャリヤー物質と共に、結合してもよく 、本発明に用いられる。 本明細書中で用いられる「免疫原性キャリヤー物質」という言葉は、宿主動物 中に独立的に免疫原性応答を引き出す性質を持つそれらの物質、およびポリペプ チド中の遊離カルボキシル、アミノあるいはヒドロキシル基と免疫原性キャリヤ ー物質上の関連する基との間のペプチド結合あるいはエステル結合の形成を通し て直接的に、あるいは従来の二価性の連結基による結合によってペプチドに共有 結合することができるそれらの物質、を含む。そのようなキャリヤーの例には、 動物血清のアルブミン、動物血清のグロブリン、動物のチログロブリン、動物の ヘモグロビン、動物のヘモシアニン、特にキーホールリンペットヘモシアニン( Keyhole Limpet Haemocyanina)(KLH)、回虫 属から抽出したタンパク質(日本特許出願公開第16,414/81号、J.I mmunology,111,260−268,1973、J.Immunol ogy,122,302−308,1979、J.Immunology,98 ,893−900,1967およびAm.J.Physiol.,199,57 5−578,1960に記載されたような回虫抽出物、またはそれ精製生成物) ;ポリリジン、ポリグルタミン酸、リジン−グルタミン酸の共重合体、リジンま たはオルニチンなどを含む共重合体が含まれる。最近では、ワクチンは免疫原性 キャリヤー物質としてジフテリアトキソイドまたは破傷風トキソイドを用いて生 産されており(Lepow.M.L.ら、J.Infectious Dise ases,150,402−406,1984;およびCoen Beuver y,E.ら、Infection and Immunity,40,39−4 5,1983)、これらのトキソイド物質はここでもまた用いることができる。 その他の適当なキャリヤーは、例えば、米国特許第4,575,495号、に開 示されており、ワクチン、有機ポリマー等が含まれる。ツベルクリン(PPD) のタンパク質誘導体は、(1)それ自身がT細胞応答を誘発せず(即ち、それは 事実上「T細胞ハプテン」である)、さらに完全にプロセシングされた抗原とし てふるまい、それ自身T細胞によって認識される;(2)連鎖認識モードで最も 強力なハプテン「キャリヤー」の一つであることが知られている;および(3) 最も重要なことには、さらに試験することなしにヒトに用いることができる:た めに、「活性な」免疫化スキーム中での利用に特に望ましい。 ペプチドキャリヤー結合試薬として、従来から抗原の調製に用いられているそ れらは広く用いることができる。 免疫原性キャリアー物質とペプチドの共有結合は、この技術分野で良く知られ ている方法で行うことができる。このように、例えば、直接共有結合を行うため に、カップリング試薬として、カルボジイミド、最も適切にはジクロロヘキシル カルボジイミドまたは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ ジイミドを用いることが可能である。グルタルアルデヒドもまた、免疫原性キャ リヤー物質へのペプチドの共有結合の手段として用いてもよい。 上記において、ペプチド、ペプチドキャリヤー結合試薬および免疫原性キャリ ヤー物質の割合は、適当に決定することができるが、キャリヤーは、ペプチド重 量の約1−6倍、望ましくは1−5倍の量で用い、ペプチド−キャリヤー結合試 薬はペプチド量の約5から約10モル倍の量で用いることが望ましい。上記の反 応によって、キャリヤーは、ペプチド−キャリヤー結合試薬を介してペプチドに 結合し、ペプチド−キャリヤー複合体で構成される所望の抗原がえられる。 反応が完了した後、この様にして得られた接合体は、透析法、ゲル濾過法、分 画沈殿法等の手段によって、容易に分離、精製することができる。 本発明で用いるペプチドは、性器いぼ、子宮頸部癌、特に形成異常、またはH PVを原因とする男性の他の症状、によって現れるそれらの初期徴候の予防また は治療への効用が認められている。 HPVの全タイプのL1領域のアミノ酸配列は、高い保存性を持つ。本発明の 定義では、「ヒトパピローマウイルス様」という用語は、HPV16L1のアミ ノ酸311−345に関して言えば、アミノ酸配列の50%またはそれより大き い同一性、特に、65%またはそれより大きい同一性をもつそれらを含む。本発 明で用いるペプチドは、多くのHPV関連疾病、特に、HPV6および11、最 も具体的にはHPV16を原因とする疾病、の予防および治療に有効であると認 められるであろう。主な使用は子宮頸部形成異常の患者に対してであるが、それ は、この病気がしばしばHPV16感染に関連しているからである。 本発明で用いられるペプチドの宿主への直接投与は、宿主にHPVに対する防 御免疫を与えることができ、または素因者がすでに感染しており従って免疫学的 に準備されている場合は、素因者自身の特異的なHPVの免疫応答への追加免疫 として機能し、HPVまたはHPV関連疾患の進行に対してより効果的に防御を 強めることができる。本発明のペプチドは、HPVを含む疾病の治療または予防 のための薬剤組成物に含まれてよい。 薬剤組成物中には治療上有効量のペプチド、B細胞あるいは細胞毒性T細胞エ ピトープに結合したペプチド若しくは上記のようなペプチド結合体、またはその 薬剤として許容しうる塩を薬剤として許容しうる希釈剤あるいは担体と共に含む 。薬剤組成物中にはその他の治療成分もまた含まれてよい。「薬剤として許容し うる塩」という用語は、薬剤として許容しうる無毒の有機および無機の塩基から 調製された塩を指す。組成物は、経口、局所(腟を含む)または非経口(皮下、 粘液下、筋肉内、静脈内、および動脈内を含む)投与に適当な組成物を含むが、 任意に与えられる場合に最も適当な経路は、治療される側の性質及び状態の重症 度並びに活性成分の種類に依存する。それらは単位投与量の形で与えられるのが 都合がよく、薬剤の技術分野で良く知られた任意の方法によって調製することが できる。 実際的に用いる場合には、本発明で用いられるペプチドは、従来の薬剤化合物 の技術による薬剤キャリヤーと共に、混合物中に活性成分として一緒にすること ができる。キャリヤーは、投与に適した調製物の形によって、いろいろな形を取 ってよい。経口投薬形の組成物の調製では、例えば、水グリコール、油脂、アル コール、香味剤、防腐剤、カップリング剤等のような任意の通常の薬剤媒質は、 例えば、懸濁液、エリキシル、溶液のような経口液体調製物に;または、デンプ ン、砂糖、ミクロクリスタリンセルロース、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤 、分解剤等のキャリヤーは、例えば、パウダー、カプセルおよび錠剤のような経 口固 体調製物に、用いられてよい。それらの投与の容易さのために、錠剤及びカプセ ルは、最も好都合な経口投薬単位の形を代表しており、その場合、明らかに固体 の薬剤キャリヤーが用いられる。所望するならば、錠剤は砂糖コーティングまた は標準的技術による腸コーティングであってよい。 経口投与に適した本発明の薬剤組成物は、予想量の活性成分を粉末あるいは粒 剤としてそれぞれ含む、カプセル、薬用オブラートあるいは錠剤といったような 分離単位として、または水性液体、非水性液体、水中油脂エマルジョンあるいは 油脂中水液体エマルジョン中の溶液あるいは懸濁液として、存在してもよい。 適切な局所調合物は、経皮用装置、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション 剤、散粉末等を含む。 しかしながら、望ましくは、ペプチドは、非経口で、より望ましくはワクチン として投与されるべきである。所望するならば、ワクチンは抗原物質への応答を 強めるためのある形のアジュバンド含む。アジュバンド物質の例には、水酸化ア ルミニウムおよびサポニンが含まれる。 活性成分としてペプチド配列を含むワクチンの調製物は、この技術分野で良く 知られている。望ましくは、ワクチンは、注入可能な形で調製され、望ましくは 、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、表皮内、または皮内、望ましくは筋肉内に投 与される。 組成物は、単位投薬形、または単位投薬の倍数あるいは約数に調合されてよい 。さらに、ワクチンは、時間にともなってペプチドの遊離を遅滞させるペプチド を提供する形であってよい。 ワクチンは、投薬調合物と適合する方式で、治療上効果的で免疫原性をもつで あろう量を投与する。治療するための量、素因者が抗体を合成する免疫システム の能力、および所望する防御の程度等、適格な量は様々な要因に依存する。得ら れた活性化合物の投薬は、様々な要因に依存するであろうが、指標として、投薬 量は、体重1kg当り通常0.1mgから20mgであろう。国内特許法が許可 する様に、本発明はまた、ヒトの体のHPVの感染の予防または治療法を含み、 本発明で用いるペプチドをヒトの患者に治療上有効な投薬量を投与することから なり、例えば、体重1kg当り0.1−20mM、望ましくは1−2mM/kg の範囲を、治療過程の間、毎日または日に二回投与する。あるいは、本発明は、 該治療に用いるために本発明の化合物、およびそのような目的の薬剤製造にそれ らを用いること、を含む。 上記の一般の投薬形に加えて、ペプチドはまた、放出制御手段および/または 放出装置によって投与されてよい。 以下の実施例は本発明を具体的に説明するものである。実施例 HPV16L1の合成ペプチドの合成 合成ペプチドは、ペプチド合成の標準的方法なF−moc法によって合成した 。それらは、HPV16L1からの以下のアミノ酸配列: (4)301−315; (5)305−319; (6)311−319; (7)311−325; (8)314−329; (9)321−335; (10)325−335; (11)331−345; および(12)335 −345: をもつ。PHV16L1融合蛋白質の合成/調製 HPV16L1融合タンパク質はPatelら、J.Gen.Viol., ,69−77,1989に記載の方法によって調製した。子宮頸部形成異常の患者からの短期系の誘導 (a)材料及び方法 試薬: Hanks BSS(HBSS)(042−04060H;Life Te chnologies Ltd.,Paisley,Scotland) Lymphoprep(Nycomed,Oslo,Norway) ジメチルスルホキシド(10323;BDH,Poole,UK) 組織培養培地;1mM−ピルビン酸ナトリウム(16−820−49;Fl ow Laboratories,Irvine,Scotland)、2mM L−グルタミン(043−05030H;Life Technologies ,Paisley,Scotland)、10mM−HEPES(44285; BDH、Poole、UK)、100μg/mlのペニシリン、25μg/ml のゲンタマイシン(16−762−45;Flow Laboratories ,Irvine,Scotland)、50μMの2−メルカプトエタノール( M−6250;Sigma,Poole,UK)、および0.25μg/ml“ Fungizone”(登録商標)(16−723−46;Flow Labo ratories)を追加したL−グルタミンを含むRPMI1640(041 − 01875M:Life Technologies Ltd,Paisley ,Scotland)。 熱で不活性化しプールしたヒトの血清(n=20)患者のリンパ球の調製 50mlの静脈血液を個々の患者から採取し、15のガラスボール(3321 24G;BDH,Poole,UK)を含む50mlの遠心管(Cel−Cul t;)中、室温で5分間回転させることによって、脱繊維素した。血液は、新た な50ml遠心管中にデカントし、1642gで10分間、室温で遠心分離した 。血清を集め、パックした血液細胞を100mlのHBSS中に再懸濁した。リ ンパ球沈殿物の15mlのアリコートを、4x50mlの遠心管内に置き、それ ぞれの上に25mlの希釈した血液を注意深く積層させた。942gで30分間 、室温で遠心分離したのち、界面の細胞を集め、同容量のHBSSで洗浄し、3 50gで10分間、室温で遠心分離した。細胞ペレットを10mlのHBSS中 に再懸濁し、患者当りの収量4.5x107から6x107の細胞を数えた。これ らの細胞は、350gで10分間、室温で遠心分離し、次いで、10%のジメチ ルスルホキシドを含む4.5mlの自己血清に再懸濁した。この混合物の1.5 mlのアリコートを液体窒素保管庫に移した。短期系 これらは、貯蔵した患者の細胞の3つのバイアル中の一つを用いて行った。細 胞は、37℃の水浴中に迅速に投げ入れ、次いで、培養液25mlで希釈し、さ らに、350gで10分間、室温で遠心分離した。次いで、ペレット状の細胞を 、10%の自己血清を含む2mlの培養液に再懸濁し、計数し、細胞数を2x1 06/mlに調整した。HPV16L1の融合タンパク質(アミノ酸残基199 −409)を10%の自己血清を含む培養液で希釈し、100μl(1μg/m l)を96穴の丸底のミクロタイタープレートの30穴に分配した。100μl の細胞懸濁液(2x105細胞)を各々の穴に加え、プレートは、加湿した5% CO2大気中で14日間37℃にインキュベーションした。細胞培養液は、3日 目および7日目に100μlの上澄液を除去し、それを5%自己血清および組換 え型IL4(25単位/ml,Sandoz)および組換え型IL−4(4単位 /m l,Glaxo)を含む培地に、11日目に5%の血清のみを含む培地に、取換 えることによって栄養補給した。短期系での特異性アッセイ 抗原特異性アッセイは、14日目に行った。25の短期系を調製し、一人の患者 当り20を試験した。20の短期系のそれぞれを、上に示した、HPV16L1 融合タンパク質(1μg/ml);β−ガラクトシダーゼ(G−6008,Si gma,UK)10μg/ml;(4)から(12)の9種のHPV16L1合 成ペプチドのそれぞれ及び培養液に対して、試験した。ペプチドは、全アッセイ において10μMを用いた。細胞の計数は5つのプールした細胞系で行い、計数 の平均を用いて、系当たりの細胞数(±2x105細胞)を概算した。各々の細 胞系は、自己由来の抗原提示細胞(antigen−presenting c ells)(APC)存在下、96穴の丸底ミクロタイタープレートに、上記の 11の抗原およびひとつの培地対照を重複させて準備した。後者は、液体窒素中 に貯蔵した患者の細胞の残り2バイアルを溶解し、洗浄し、放射線照射(400 0ラド)した、溶解から2時間以内のものである。APC数は患者によって(± 2x107細胞)異なり、アッセイでは2.5x155mlを用いた。 ペプチドを培養液(100μl/穴)に分配し、100μlの培養液中にAP Cs(2.5x105ml)および細胞系(2−5x10ml)を加えた。プレ ートは5%のCO2存在下、37℃で3日間インキュベーションし、次いで、2 0μlの[メチル−3H]チミジン(TRA120、Amersham;9.2 5KBq/穴)を加え、さらに18時間インキュベーションした。標識したチミ ジンの取り込みは、収集した細胞を液体シンチレーションβ−スペクトロメータ ー(LKB)で計数することによって測定した。データはそれぞれの細胞系にお ける全抗原および対照培地での一分間当たりの壊変(disintegrati ons per minute)(dpm)でプロットし、正の応答は、それぞ れの系の対照培地の刺激指標(stimulation indes)(SI) が>2.5であり、Δdpm(the difference in dpmo ver background)(dpmのバックグラウンドとの差)が>50 0であることとした。正の応答は、短期系の10%またはそれより多い、即ち 20の系の内2またはそれより多く、が抗原に対して正に応答する場合に、有意 であると考えられた。 β−galHPV16L1融合タンパク質(アミノ酸199−409)および 合成ペプチド(4)から(12)に対する24人の患者からの短期系のT細胞増 殖応答を試験し、8人の未疾患の素質者の対照と比較した。結果を以下の表1に 示した。 表の結果は、16/24の患者のそれが、ペプチド311−325、321−3 35および331−345の一つあるいはそれより多くで増殖する事を示してい る。これらの3種のペプチドは、アミノ酸321−325および331−335 で重複しているが、明らかに、これらは、それぞれ、それより前の配列及びそれ に続く配列との前後関係において存在しなければならない。一人の患者のみが、 単独のペプチド321−335に応答した。311−325と331−345と の組み合わせは適当ではない:5人の患者のみが311−325単独、331− 345単独またはその組み合わせに応答した。明らかに、何人かの患者は321 −325付近のエピトープとの前後関係、即ち同じペプチドでは、331−33 5付近のエピトープと応答した。ペプチド321−335は24人の患者のうち 11人に増殖を誘導した。他の患者(12/24)は、ペプチド331−345 を通して、続く配列との前後関係において同じ331−335エピトープに応答 した。ペプチド321−335および331−345の単純な組み合わせでは、 8/24のみに応答が誘導された。他の8人の正に応答する患者は、311−3 25ペプチドの提示を必要とした。これらの結果は、適度に短いペプチドを用い る場合、3種のペプチドの組み合わせが必要であるという本発明の発見の基礎を 説明している。 さらに、子宮頸部に疾患のある41人の患者を試験し、11人の疾病に罹って いない対照と比較した。結果を次の表2に示す。 全患者は、10またはそれより多いそれらの細胞系でHPV16L1に応答し 、全ペプチドへの応答が検出された。患者一人当たり応答する細胞系の最も大き い数は、ペプチド(11)次いでペプチド(9)で検出された。 子宮頸部生体組織検査用組織は、上記のアッセイに用いる血液サンプルを集め たように、同じコルプスコピー診療所での41人の患者から、医療診断の目的で 得た。これらの生体組織検査は、独立に、そして前に得られた上記のT細胞デー タの知識を伴わずに組織学的に等級付けされた。さらなる生体組織検査断片を、 疾病活性の証拠を持つ選択された塊から後程切り出し、存在する任意のHPVD NAをPCRによって検出およびタイプ分けした。 結果を以下の表3に示す。 41人の生体組織検査のHPV DNAタイピングの結果、13人(31.7 %)患者はHPV DNAが検出されず、12人(29.3%)は同定できない (タイプXの)HPV DNA(即ち、HPV DNA陽性であるがHPV6、 11、16、18、31または33型でない)であり、さらに、12人(29. 3%)はHPV16陽性(一人は、HPV16及び18に混合感染していた)で あった。残りの4人の患者のうち、3人(7.3%)はHPV18陽性であり、 一人(2.4%)はHPV33陽性であった。また、患者の生体組織検査は、三 種の組織学的カテゴリー、即ち不定型,CIN I及びIIまたはCIN II Iと名付けられたカテゴリーのうちの一つに分類された。不定型群(n=10) のうち、同定された最も有力なHPVの型はタイプX(60%)であったが、こ れに対して生体組織検査の33%がHPV陰性であることが分かった。同様のパ ターンはCIN I/II級の生体組織検査でも認められ、その内の42%はH PV陰性であり、35%はHPV−X型であった。高いグレードのCIN II I群(n=17)のうち、患者の大多数はHPV16(64%)を保持していた 。それ故、HPV16DNA陽性患者とCIN III級の病変の間には強い関 連性(P=0.0001)がある。しかしながら、このグループのうちにもHP V DNAを全く認めることの出来ない患者が(23%)いる。(HPVの型に 関係なく)HPV DNA陽性のそれらの患者と組織学的級分けとの間には、明 らかな相関関係は認められなかった。HPV18が認められる患者には、3つの 組織学的クレードのすべてが認められ、HPV33を持つ只一人の患者はCIN IIグレードの病変が認められるが、患者数は少ない(n=4)。 また、表3では、HPV16L1ペプチドへの患者のT細胞増殖応答、それら の子宮頸部の生体組織検査の組織学およびHPVのDNAタイピングの結果につ いて示している。患者のHPV DNA陰性グループでは子宮頸部病変の3種の 全カテゴリーに応答者(n=8)が認められ、そのうち7/8が不定形で低いグ レードのCIN I/II病変に関連した。HPV DNA陽性の応答者は、4 種のHPV型のカテゴリーのうち3種;HPV X(n=5)、HPV16(n =12)およびHPV33(n=1);に認められた。T細胞増殖応答は、HP V18陽性グループの内には検出されなかった。最も著しい発見は、HPV16 陽性の患者のすべては、一つまたはそれより多いペプチドに応答し、それらの9 2%はCIN III病変をもっている事である。残りの応答者は、CIN I /II病変を持ち、患者は不定型のグループにはまったく認められなかった。カ イ自乗試験による統計学的分析では、応答者とHPV16DNAの存在との間の 関連性に高い有意性(p=0.0004)を示した。HPV16DNA陽性の個 人のT細胞応答とそれらの組織学的グレードとの間の関係は、非応答者が不在の ために、示すことはできなかった。しかしながら、HPV DNA陽性の個々の T細胞応答とそれらの病変の組織学的グレードとの間には関連があった(p=0 .004)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. HPV16あるいはヒトパピローマウイルス類似物を原因とする、または その様なHPVが関係している、感染症の患者の治療に共同して用いるペプチド であって、長さ15から24のアミノ酸からなり、ヒトパピローマウイルス(h uman papillomavirus)(HPV)L1タンパク質の以下の アミノ酸配列: (1)配列番号:1=アミノ酸残基311−325: またはその保存的修飾変異体; (2)配列番号:2=アミノ酸残基321−335: またはその保存的修飾変異体;および (3)配列番号:3=アミノ酸残基331−345: またはその保存的修飾変異体: からなる、あるいは含むペプチド。 2. 請求項1記載のペプチドであって、その内の任意の一つまたはそれより多 くが、長さ15から22のアミノ酸である、該ペプチド。 3. 請求項2記載のペプチドであって、その内の任意の一つまたはそれより多 くが、長さ15から18のアミノ酸である該ペプチド。 4. 請求項1記載した以外のさらなる任意の配列がHPV16L1タンパク質 に隣接する配列である、請求項1、2または3記載のペプチド。 5. キャリヤーまたは補助分子に結合させた形の、請求項1−4のいずれか1 項に記載のペプチド。 6. 子宮頸部形成異常のヒトの患者の治療に共同して用いるための、請求項1 −5のいずれか1項に記載のペプチド。 7. 請求項1−5のいずれか1項に定義したペプチドのそれぞれからなる治療 組成物。 8. さらに治療に適当なキャリヤーまたは補助剤を含む、請求項7記載の組成 物。 9. 請求項1に定義したような治療に用いるための、請求項7または8記載の 組成物。 10. 子宮頸部形成異常のヒトの患者の治療に用いるための、請求項7または 8に記載の組成物。 11. 子宮頸部形成異常の患者の治療に単独でまたは共同で用いるための1つ から3つのペプチドであって、それのまたはそれぞれのペプチドは個々に長さ1 5から35のアミノ酸であり、ヒトパピローマウイルス(HPV)16L1タン パク質、ペプチド、あるいは共同して用いうると考えられるペプチド類のアミノ 酸配列からなる、または含む、(HPV16L1の311あるいは345から、 それぞれ隣接するN末端側あるいはC末端側配列をのぞく)アミノ酸311−3 45の全配列からなるHPV16L1配列を提供するペプチド。
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