JPH08510750A - トリ(白金)錯体 - Google Patents

トリ(白金)錯体

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Abstract

(57)【要約】 3個の白金配位球を含み、その白金原子がジアミンまたはトリアミン橋かけ剤によって結合されているトリ(白金)錯体とその製造方法を記載している。これらの錯体は、医薬組成物、例えば腫瘍や寄生障害(parasitic diseases)の治療用に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】 トリ(白金)錯体 発明の概要 本発明は、新規なトリ(白金)錯体、その製造方法、及び、特に癌治療におけ る薬理学的物質としてのそれらの使用方法に関する。 発明の背景 シスプラチン及びカルボプラチンのような白金錯体を癌化学療法で臨床使用す ることは当業界では当然のこととなっている。ブリストルマイヤーズ(Bristol Meyers,Co.,)によって製造されるシスプラチンの登録商標であるプチノール(P latinol)のような多数の白金錯体が、精巣、卵巣、頭頚部及び小細胞肺癌腫を 治療するために使用されている。しかしながら、シスプラチンによる治療は深刻 な腎毒性を与える可能性がある。臨床上のいま1つの欠点は、薬剤耐性が獲得さ れ、その結果としてその薬剤による治療に対して腫瘍が治療抵抗性になることで ある。 シスプラチンの腎毒性効果を克服するために、第2世代の類縁体、カルボプラ チンが開発された。パラプラチン(Paraplatin)はブリストルマイヤーズ(Bris tol Meyers,Co.,)によって製造されたカルボプラチンの登録商標である。カル ボプラチン、即ち〔Pt(NH3)2(CBDCA)〕(式中、CBDCAは1,1'シクロブタンジカル ボキシレートを示す)はシスプラチンと同じスペクトルの癌腫に有効であるが、 腎毒性効果は顕著に減少している。 種々の腫瘍または癌腫を治療する目的で多くの異なる白金化合物が開発された 。例えば、米国特許第4,225,529号は、ハライド、スルフェート、ホスフェート 、ニトレート、カルボキシレート、及び、同じまたは異なる直鎖状アミンからな るグループから選択され窒素原子を介して白金に配位された4個の配位子を有す る白金のシス配位化合物の使用を開示している。これらの錯体は、マウスのL-12 10白血病を治療するために使用されている。 また、米国特許第4,250,189号、第4,553,502号及び第4,565,884号は、抗腫瘍 活性を有する種々のPt(II)及びPt(IV)錯体を開示している。これらのビス( 白金)錯体はカルボキシレート結合によって結合されており、これらの錯体を患 者に投与すると、錯体は速やかに加水分解して2つのシスモノ白金部分を生じ、 これらの部分が活性部位に移送されるようになっている。 さらに、米国特許第4,797,393号は、活性部位にそのまま移送されるビス(白 金)錯体を開示している。このビス(白金)錯体は橋かけジアミンまたはポリア ミン配位子を有し、白金錯体に結合した第一もしくは第二アミンまたはピリジン 型の窒素を有し、更に、ハライド、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、 カルボキシレート、置換カルボキシレートまたはジカルボキシレートからなり得 る2種類の異なるかまたは同じ配位子を有している。また、同一の譲受人に譲渡 された米国特許出願第07/713,105号は、白金部分がジアミン橋かけ剤によって結 合されたビス(白金)錯体に関するものであり、2つの白金配位球(cordinatio nsphere)の正味電荷が2+または1+となるように白金部分がイオン性及び中 性の基に結合されている。 しかしながら、治療薬としての白金錯体の有効使用を制限する重要な問題、特 に、種々の腫瘍に対する活性のスペクトルが狭いこと、シスプラチンの細胞毒性 効果に耐性の腫瘍細胞が発達することなどの問題は依然として存在する(Loehre r et al.,Ann.Intern.Med.,(1984),100,704-711)。入手可能な白金類縁体の 概観に関してはChristian,Michael,Seminars in Oncology,1992,19,720-73 3を参照されたい。 一般には、シスプラチンのような白金錯体はDNAとの共有相互作用を介して それらの生物活性を発現すると考えられている。特に、シスプラチンは単座付加 物、二座付加物のような一連のDNA付加物、例えばGGまたはAG及びGNG 鎖内架橋結合の形成を誘発する(Reedijk et al.,Structure and Bonding,(19 87),67,53-89)。より低度にではあるがシスプラチンも鎖間GG架橋結合及 びDNA-タンパク質架橋結合を生じる。(Rahmouni et al.,Biochemistry,(1 987),26,7229-7234)。これらのDNA損傷の結果として立体配座の変化が生 じ、DNAのベンディング(bending)または局部的巻き戻し(local unwinding ) として現れる。 これらのDNA損傷が種々のDNAポリメラーゼの活性を阻害することが報告 されている(Vallan et al.,Nucl.Acid.Res.,(1988),16,4407-4418;Pinto etal.,Proc.Natl.Acad.Sci.,(1985),82,4616-4619;及びGralla et al. ,Cancer Res.,(1987),47,5092-5096)。隣り合う2個のグアニン塩基間の 鎖間架橋結合がRNAポリメラーゼ機能を阻害することも証明されている。(Le maire et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,(1991),88,1982-1985)。従って、シ スプラチンの細胞毒性効果の極めて有力な原因は、何らかの特定の損傷イベント の結果というよりも、個別のDNA損傷の合併効果であろうと考えられる。 1個または2個の白金原子をそれぞれ含有するモノ(白金)及びビス(白金) 錯体は当業界で知られている。(例えば、米国特許第4,225,529号、第4,250,189 号、第4,533,502号、第4,565,884号、第4,571,335号及び第4,797,393号を参照さ れたい)。例えば、モノ(白金)錯体は、4配位である単量体クロラミンの平面 正方形Pt(II)化合物を含む。このような化合物中のクロリド基及びアンモニア 基の相対数は多様であり、従ってこれらの化合物は一般式:〔PtClm(NH3)4-m( 2-m)+ で示される。従って、これらの化合物の構造は、m=0の場合の〔Pt(NH3)42+からm=4の場合の〔PtCl42-まで変わり得る。Clはアンモニアに比べて より置換しやすいので、錯体〔PtCl2(NH3)2〕及び〔PtCl(NH3)3〕Clはそれぞれ ジ官能性及びモノ官能性であると考えられ、この場合の「ジ」及び「モノ」とい う接頭辞は脱離配位子の数を示す。錯体の電荷は、Pt(II)カチオンが+2の見 掛け電荷を有し、従って電荷中和のために−2の負電荷を要することを考慮して 得られる。例えば、m=0の場合、2つのクロリドアニオンの存在によって中和 が与えられる。 配位結合形成の結果としてPt-Cl結合中に電子対生成が生じる。しかしながら 、アンモニア配位子は中性であると考えられるので、結合は、NH3からPt(II) 原子上の空いた軌道への電子対供与と考えることができる。従って、PtとNH3基 との間に電子共有は全く生じない。このように電子共有が存在しないので、中性 配位子の数はPt配位球中の総電荷に影響を与えない。従って、〔Pt(NH3)42+は 見かけ上、錯体を中和するために2−の正味負電荷を有する1つもしくは複数の 非 配位アニオンまたは対アニオンを必要とする2+カチオンである。例えば、2個 の1−の負電荷を有するアニオン(例えば、NO3 -、Cl-、PF6 -、BF4 -、及び、一 般式RCOO-を有するモノカルボキシレート)または1個の2−の負電荷を有する アニオン(例えばSO4 2-、一般式(RCOO)2 2-を有するジカルボキシレート)によっ て中和し得る。従って、同じ理論によって〔PtCl2(NH3)2〕は中性錯体である。 さらに、場合によっては、Pt(II)アニオンが対アニオンの役割を果たすであろ う。その一例は周知のマグヌス塩〔Pt(NH3)42+〔PtCl42-である。 Cl-のようなアニオン性配位子が、共有結合の形成を全く要せずに、配位結合 し得る(即ちPt-Cl結合を形成する)か、または、対アニオンとして作用し得る ことが注目される。所与の白金錯体中に含まれているCl-のようなアニオンの正 確な形態は、理論的考察(動力学的効果対熱力学的効果)及び錯体の製造に使用 される実際の合成手順(例えば、反応の程度、酸度、反応混合物中に含まれるCl- のような特定アニオンの濃度)の双方に依存する。このような考え方はその他 のアニオン性あるいは中性リガンドにも適用できる。 モノ白金錯体中に含まれる中性配位子の代表例としては、エチレン(C2H4)、 プロペン及び2−ブテンのようなオレフィン類、ホスフィン類(PR3)、スルフ ィド(SR2)、スルホキシド類(R2SO)、アンモニア(NH3)、第一アミン類(RN H2)、及び、ピリジンまたはキノリンのような複素環アミン類がある。白金錯体 中に含まれる代表的なアニオン性配位子の例としては、ハライド(例えばCl-、B r-、I-)並びにSCN-、CN-及びNO3 -のような擬ハライドがある。「擬ハライド(p seudohalide)」なる用語は、Cotton及びWilkinsonによる「Advanced Inorganic Chemistry」の560頁に定義されている。代替的な適当な擬ハライドは、Cotton 及びWilkinsonによるInorganic Chemistryのような多くの標準的な無機化学書に 見出されるであろう。 モノ白金錯体の総電荷がPt(II)金属に結合している中性及びアニオン性配位 子、例えばNH3及びCl-配位子の相対数に依存するという事実は、多核錯体(2個 以上のPt(II)配位球を含む)に関しても、また、白金部分の酸化状態が4+で あるPt(IV)含有錯体に関しても、同様に事実である。例えば、均等な2個のPt (II)配位球がジアミン橋かけ剤によって結合されている二核錯体は一般式 〔{PtClm(NH3)3-m2(ジアミン)〕2(2-m)+によって示すことができる。従っ て、m=2のとき、2つの二官能配位球が存在し、化合物は中性である。これに 対して、m=1のとき、一官能配位球だけが存在し、Pt部分は2+の見掛け電荷 を有しており、2−の正味電荷を有する1つ以上の対アニオンによって釣り合わ せられなければならない。 発明の目的 上記に検討したように、モノ(白金)及びビス(白金)錯体、並びに癌治療剤 としてのその使用は、当業界で周知である。 これに対して本発明は、3個の白金配位球を含み、その白金原子がジアミンま たはトリアミン橋かけ剤によって結合されているトリ(白金)錯体の合成を記載 している。橋かけ剤の種類は、直鎖状または「ベント(bent)」 トリ(白金) ユニットが形成されるように選択される。3個の白金原子が存在するので、これ らの錯体の投与によってDNAの同一領域に3個のシスプラチンユニット、即ち 白金−アミンユニットが移送され得るが、これは、従来のモノ(白金)またはビ ス(白金)錯体では得られなかった特徴である。従って、トリ(白金)錯体はモ ノ(白金)及びビス(白金)錯体に比べてDNA付加物の形成を増進する。そし て最小で二官能のDNA付加物の形成が白金錯体の細胞毒性媒介メカニズムであ ると考えられるので、結果的には細胞毒性効果が増進されるであろう。 最も広義には、本発明の目的は、3個の白金配位球がジアミンまたはトリアミ ン橋かけ剤によって結合され、このような白金部分の酸化状態が2+もしくは4 +またはその混在であることを特徴とするトリ(白金)錯体を提供することであ る。 本発明の別の目的は、白金配位球がジアミンまたはトリアミン橋かけ剤によっ て結合されているトリ(白金)錯体を含有する医薬組成物を提供することである 。 本発明のさらに別の目的は、白金配位球がジアミンまたはトリアミン橋かけ剤 によって結合されているトリ(白金)錯体の合成方法を提供することである。 本発明の1つの特定の目的は、一般式: 及び 及び 〔式中、X、Y、Z及びTは同じまたは異なってもよい中性及び/またはアニ オン性配位子であり、但し、各Pt(b)上のX、YまたはZの少なくとも1つが アニオン性配位子であることが必要であり、Aはジアミンまたはトリアミン橋か け剤からなり、nは3個の白金配位球の正味電荷を示し、Pは3個の白金配位球 が正味電荷を有するか否かに依存して必要または不要となる1つ以上の対アニオ ンを示し、n−は対アニオン(存在する場合)の正味電荷を示し、これらの対ア ニオンの数及び電荷はトリ(白金)錯体全体が中性となるように選択される〕で 示されるトリ(白金)Pt(II)錯体を提供することである。 本発明の別の特定の目的は、その内部に含まれる白金部分がPt(IV)酸化状態 で存在するかまたはPt(II)及びPt(IV)酸化状態が混在するトリ(白金)錯体 を提供することである。より詳細には、そのようなトリ(白金)錯体は、式: 及び 及び 〔式中、X、Y、Z、A及びTは前記と同義であり、V部分はアニオン性の基 、好ましくは(OH)-、(Cl)-またはO2CRである〕で示される。 Pt(IV)錯体は当業界で公知である。例えば、テトラプラチン(オルマプラチ ン)、シス−〔(PtC4(dach)〕及びCHIPシス,シス,トランス−〔PtCl2(i-PtNH2 )2(OH)2〕は公知のPt(IV)錯体の例である。白金をPt(IV)形態に酸化するた めには、典型的にはH2O2及び/またはCl2で処理する。例えば、シス−〔(PtCl2( NH3)2〕を酸化剤としてのH2O2及び/またはCl2で処理すると、シス,シス,トラ ンス−〔PtCl2(NH3)V2〕(式中、V=OH、Cl)が得られる。V=OHのとき、OH基 をカルボキシレートによってさらに置換するとV=O2CR(式中、Rは好ましくは C1-C18の直鎖状もしくは分枝状アルキルまたはアルケニル基、芳香族基またはア ラルキル基〕が得られることは当業者には理解されよう。V=O2CRのとき、この ような白金抗癌錯体が経口投与適性を示すことが当業界で一般に認識されている 。 式(I)、(II)及び(III)のトリ(白金)錯体の場合と同様に、Pt(IV) トリ(白金)錯体中のPは、同じまたは異なってもよい1つまたは複数の対アニ オ ンであり、mはこのような対イオンの数を示し、n−は得られるトリ(白金)錯 体が中性となるような前記対アニオンの総電荷を示す。3個の白金部分が中性の 正味電荷を有する場合、対アニオンは存在しないことになる。 本発明の別の特定の目的は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)ま たは(IV)のトリ(白金)錯体を少なくとも1種含有する医薬組成物を提供する ことである。 本発明の別の目的は、例えば腫瘍または寄生障害(parasitic conditions)の 治療などの治療目的で式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(IV )のトリ(白金)錯体を使用する方法を提供することである。 本発明のさらに別の特定目的は、内在する白金カチオンの形成された変化(電 荷)が4+であるかまたは2+と4+との酸化状態の混在であるような一般式( I)、(II)、(III)または(VI)で示されるトリ(白金)錯体を合成する方 法を提供することである。 本発明のトリ(白金)錯体は、3個の白金配位球を含有することによって、現 在使用できるモノ−及びビス(白金)錯体に比べて増強された細胞毒性活性を有 するであろう。 発明の詳細な説明 本発明は、現在使用できる白金錯体よりも増強された細胞毒性活性を示す新規 なクラスのトリ(白金)錯体を提供する。特に、そのようなトリ(白金)錯体は 一般式: 及び 及び 及び 及び 及び 〔式中、X、Y、Z及びTは中性及び/またはアニオン性配位子であり、但し 、各Pt(b)上のX、YまたはZの少なくとも1つがアニオン性配位子であるこ とが必要であり、Aはジアミンまたはトリアミン橋かけ剤からなり、nは3個の 白金配位球の正味電荷であり、Pは必要に応じて存在する同じまたは異なっても よい 1つ以上の対アニオンであり、mはそのような対アニオンの数であり、n-はト リ(白金)錯体の総電荷が0になるように選択された対アニオンの正味の負電荷 である〕で示される。式(IV)、(V)または(VI)のトリ(白金)錯体中で、 Vは一価のアニオン基、例えばハライド、擬ハライド、カルボキシレート、水酸 化物からなる。好ましくは、アニオン基は(OH)-、(Cl)-またはO2CRである。 好ましくは、X、Y、Z及びTは、NH3、第一アミン、第二アミン、複素環ア ミン、スルホキシド(R'R"SO)からなるグループから選択された中性配位子であ り、アニオン性配位子は好ましくは、ハライド、擬ハライド(「擬ハライド」は Cotton及びWilkinsonによる「Advanced Inorganic Chemistry」の560頁に定義さ れている)、カルボキシレート、PF6 -、BF4 -のような一価のアニオン、アニオン 性配位子及びSO4 -2のような二価のアニオンから選択される。上記の通り、各Pt (b)上のX、YまたはZの少なくとも1つがアニオン性配位子を含み、好まし くはクロリド基を含む。 本発明のトリ(白金)錯体に含まれる第一アミンは好ましくは、式NH2-R1のア ルキルアミン(式中のR1は直鎖状もしくは分枝状C1-C8アルキル基、C3-C6シクロ アルキル基例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ シル、または-CH2O H基からなる)から構成される。 本発明のトリ(白金)錯体中の中性配位子として適当な第二アミンは、一般式 NH(R1)2を有するアルキルアミン(式中のR1はやはり好ましくは、直鎖状もしく は分枝状C1-C8アルキル基、C3-C6シクロアルキル基例えばシクロプロピル、シク ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、または-CH2OH基からなる)から構 成される。 本発明のトリ(白金)化合物中の中性配位子として有用なスルホキシドR'R"SO は、R'及びR"基の任意の組み合わせを包含し、ここでR'及びR"はアルキル基また は芳香族基、好ましくはMe、Ph、X-Ph(式中、Xは例えばハライド、メトキシま たはヒドロキシル基)、CH2Ph、Et、n-プロピル、イソ-プロピルまたはn-ブチル からなる。 本発明のトリ(白金)化合物中の中性配位子として適当な複素環アミンとして は例えば、ピリジン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、チアゾール、置 換ピリジン、置換キノリン、置換イソキノリン、置換チアゾール、ピペリジン、 ピロリドン、モルホリン及びN-アルキルまたはN-アシル-ピペラジンのような 飽和または不飽和の複素環を有する化合物がある。 本発明のトリ(白金)錯体中で使用される適当なアニオン性配位子としては例 えば、ハライド、擬ハライド、カルボキシレート、並びに、一価及び二価のアニ オンがある。好ましくは、アニオン性配位子は、ハライドからなり、極めて好ま しくは、クロリドからなる。しかしながら、ブロミド、ヨーダイドのような他の ハライドもアニオン性配位子として使用できる。 本発明のトリ(白金)錯体で使用される適当な擬ハライドとしては、例えばSC N-、CN-、NO3 -またはコットン(Cotton)及びウイルキンソン(Wilkinson)によ る「アドハンスト・インオーガニック・ケミストリー(Advanced Inorganic Che mistry)」のような標準的な無機化学書に記載されたものがある。本発明のトリ (白金)錯体中で使用され得るカルボキシレートの代表例は、例えば、アセテー ト、プロピオネート、ブチレート、クロロアセテート、ヒドロキシアセテート、 ベンゾエートであり、またオキザレート、マロネート、置換マロネート、スクシ ネート、グルタレート及びフタレートのようなキレートジカルボキシレート基が ある。 好ましくは、このような置換マロネート基は一般式: 〔式中、R3は同じまたは異なる基を示し、例えば、水素を示すか(但し双方の R3が水素になることはできない)、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロ ピル、n−ブチル、sec-ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、 n−ヘプチル、n−オクチルのようなC1-C8の直鎖状または分枝状アルキル基を 示すか、あるいは、双方の(R3)2基が一緒に、シクロプロピル、シクロブチル、 シクロペンチル、シクロヘキシルのようなC3-C6シクロアルキルを示すか、また は-CH2OH基を示す〕を有する。 上述のように、上式中のAは、ジアミンまたはトリアミン橋かけ剤からなる。 このようなジアミン橋かけ剤は一般式H2N-R-NH2(式中、Rは好ましくは、直鎖 状または分枝状のアルキルまたはアルケニル基、例えばメチル、エチル、n-プ ロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、 n-ヘキシル、n-オクチル、オレイル、リノレイルのような好ましくはC1-C18の 基;シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル 、またはシクロヘキシルのような好ましくはC3-C6のシクロアルキル基;オルト 、メタまたはパラ トリルのような置換フェニル基;好ましくはクロリド、ブロ ミドまたはフルオリドのようなモノ-またはジ-ハロゲン置換フェニル基;モノ- 及びジメトキシ置換フェニル基;アラルキル基、例えばフェニルメチル、フェニ ルエチル及びフェニルプロピルのような好ましくはC7-C10のアラルキル基;トリ フルオロメチル及びトリフルオロエチルのようなパーフルオロアルキル基である )からなる。 より好ましくは、橋かけジアミンAは一般式: NH2(CH2)q-R2-(CH2)r-(R)NH 〔式中、Rは上に挙げた基を示し、q及びrは同じまたは異なってもよく1か ら4までの整数であり、R2は好ましくは、-CH2-、-CHOH-、-CO-、-CHOR-、-OC(O )(O)、-SO2-、-OS(O2)O-及び-OP(O)(OH)O-から選択される〕からなる。 より好ましくは、ジアミン橋かけ剤は、一般式-NH2-(CH2)s-NH2からなり、式 中のsは2から9までの整数である。 トリアミン橋かけ剤は好ましくは一般式: 〔式中、R、R'及びR"は同じかまたは異なっていてもよく、直鎖状または分枝 状のアルキルまたはアルケニル基、シクロアルキル、アラルキル、パーフルオロ アルキル及び芳香族基を包含し得る〕からなる。R、R'及びR"は好ましくは、C1 -C18の直鎖状または分枝状アルキルまたはアルケニル基、例えばメチル、エチル 、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペ ンチル、n-ヘキシル、n-オクチル、オレイル、リノレイル;シクロアルキル基 、好ましくは例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシク ロヘキシルのようなC3-C6のシクロアルキル基;オルト、メタまたはパラトリル のような置換フェニル、モノ-またはジ-ハロゲン置換フェニル基、及びジメトキ シ置換フェニル基:アラルキル基、好ましくはフェニルメチル、フェニルエチル 及びフェニルプロピルのようなC7-C10のアラルキル基、トリフルオロメチル及び トリフルオロエチルのようなパーフルオロアルキル基からなる。最も好ましい実 施態様では、トリアミン橋かけ剤が、 からなる。 このような「ベント」構造を有するトリアミン橋かけ剤を選択すると、式(II I)に示すような一般構造を有するトリ(白金)錯体が得られる。 上述のように、Pは3個の白金配位球が正味電荷を有するか否かに依存して存 在してもよくしなくてもよい1つ以上の対アニオンからなる。「m」はこのよう な対アニオンの数を意味し、典型的には0から4までの値である。このような対 アニオンの電荷の数は、トリ(白金)錯体の総電荷が0となるような値である。 対アニオンの適当な例としては、Br-、Cl-及びI-のようなハライド、NO3 -、SO4 2- 、ClO4 -のような他のアニオン性配位子、上記のモノ-及びジカルボキシレート のようなカルボキシレート、PF6 -及びSbF6 -がある。上記は適当な物質を例示す るだけであって適当な物質をすべて網羅したものではない。 本発明のトリ(白金)錯体は好ましくは3段階手順で合成される。 2個の白金配位球を立体特異的に結合させるために、まず、ブロッキング剤 (例えばBoc、テトラブトキシカルボニル)またはNH3 +塩からなる1つの非錯化 末端を含む「ダングリング」ジアミン橋かけ剤H2N-R-NH2を含有する前駆モノマ ーを調製することが必要である。その後に適当なターゲットと反応させると二核 の種が与えられる。 これに対し、3個のシス-Pt(アミン)2ユニットを含有する本発明のトリ(白 金)錯体を調製するとき、この錯体の通常の調製には、2つのモノ保護ジアミン を含有する適当な前駆体を合成し(段階1)、次いで希HClのような酸で処理し て、対応するプロトン付加アミンRNH3 +Cl-を与える。次にこれを以後の金属付加 (metallation)のソースとして使用する(段階2)。次いで、2当量の適当なP t(b)ターゲット分子と反応させて所望の生成物を得る(段階3)。 2個のモノ−保護ジアミンを含有するように合成される出発Pt(a)前駆体は 、所望の「T」部分及び最終トリ(白金)錯体中のその所望の配向次第で異なる 化合物となり、Tは上述のアニオン性または中性の配位子の1つを含む。適当な Pt(a)前駆体の例としては、シスまたはトランス−〔PtCl2(H2N-R-NH3Cl)2〕、 シスまたはトランス−〔Pt(NH3)2(H2N-R-NH3Cl)22+、シスまたはトランス−〔 PtCl2(H2N-CH(CH2NH3)2Cl2〕、シスまたはトランス−〔PtCl(NH3)(H2N-R-NH3Cl)2+及びシス−〔Pt(mal)(H2N-R-NH3Cl)2〕(式中、malはマロネートまたは任意 のジカルボキシレートである)などがある。 式(III)のトリ(白金)錯体を製造するためのPt(a)前駆体は、これに結合 したトリアミン橋かけ剤を介して「ベント」構造を有するのが好ましい。特に、 Pt (a)前駆体は好ましくは一般構造: または からなる。 例えば、適当なPt(a)前駆体配位子は、 からなる。 次に、このPt(a)前駆体を2当量の適当なPt(b)ターゲット分子と反応させ て所望のトリ(白金)錯体を生成させる。また、段階2で得られたプロトン付加 アミンと反応させるべき段階3のPt(b)ターゲット分子は、所望のX、Z及び Y部分及び最終トリ(白金)錯体中のその配向に基づいて選択される。適当なPt (b)ターゲット分子の例としては、〔PtLCl3-(式中、LはNH3、RNH2、R'R"S O,py)、シス−またはトランス−〔PtCl2(NH3)2〕及びシス−またはトランス− 〔PtCl2(RNH2)2〕などがある。 例えば、シス−〔{シス-PtCl2(NH3)(μ-H2N(CH2)4NH2)}2PtCl2〕を合成する ためには、以下の段階を行う。段階1 :2個のモノ-保護されたジアミンを含有する白金(Pt(a)前駆体)の製 造 式中のXはアニオン、好ましくはハライドを示す。例えば、X=Clのとき、前駆 体は市販品として入手できるK2PtCl4である。X=BrまたはIのとき、Dharaの方 法(Dhara,Indian J.Chem.(1970),8,193)によって4当量のX-(NaXまたはKXの 単純塩の形態で)を添加することによって錯体をその場で調製する。段階2 :白金ジアミン前駆体(I)の酸処理によるプロトン付加ジアミン(II) の調製 段階3:プロトン付加ジアミン(II)とターゲットPt(b)化合物との反応によ るトリ(白金)錯体の調製 例えば、ここでは置換がNH3配位子に対してシスにおいて生じるので、選択タ ーゲット分子はK〔PtCl3(NH3)〕からなる。しかしながら、前駆体及びターゲッ ト分子は勿論、トリ(白金)の所望の構造、特にX、Y、Z及びTの所望の 選択並びに得られるトリ(白金)錯体上のそれぞれの位置に依存して変化する。 式(IV)、(V)及び(VI)のトリ(白金)錯体は、トリ(白金)錯体の製造 に使用された前駆体Pt(a)モノマーまたはPt(b)ターゲット分子がPt(IV)酸 化状態を含むことまたは前出の式(I)もしくは(II)のトリ(白金)錯体が酸 化されて対応するPt(IV)含有トリ(白金)錯体を生成することを除いて実質的 に上述のごとく調製される。3個の白金部分全部が4+酸化状態を有する式(IV )のトリ(白金)錯体の場合、式(I)、(II)または(III)のPt(II)トリ (白金)錯体を酸化して3個のPt(IV)ユニットを有する錯体とすればよい。 単一のPt(IV)ユニットを有する式(V)のトリ(白金)錯体の場合、2+酸 化状態を有するPt(a)前駆体を酸化し、4+酸化状態を有する対応するPt(a )前駆体を生成する。次にこれを記載したように2個のPt(b)ターゲット分子 と結合する。 2個のPt(IV)ユニットを有する式(VI)のトリ(白金)錯体の場合、Pt(b )ターゲット分子を酸化して4+酸化状態とし、次いで2+酸化状態を有するPt (a)前駆体に結合する。 本発明のトリ(白金)錯体は医薬としての使用目的を有している。3個の白金 配位球が存在するので、現行の使用可能な白金錯体よりも高い細胞毒性活性を示 す。本発明の錯体はシスプラチンを使用して治療する疾患及び障害と同一の疾患 及び障害の治療に使用され得る。これは、腫瘍の治療、放射線の増感または増強 (radiation sensitization or potentiation, Douple et al.,Cisplatin Curre nt Status and Developments, Eds.A.W.Prestayk et al.,Academic Press,12 5(1980);Douple et al.,Platinum Metals Res.,1985,29,118)、及び眠 り病のような寄生疾患の治療(Farrell et al.,Biochem. Pharmacol.,1984,33 ,961)を意味する。本発明の錯体は特定のトリ(白金)錯体のLD50を考慮して 、好ましくはシスプラチンと同じ薬用量レベルで投与される。通常は、トリ(白 金)錯体を、医薬として許容される担体と組み合わせる。例えば、当業界で周知 の方法によって錯体と担体とを非経口投与または経口投与に適した製剤として調 製し得る。医薬として許容される適当な担体及び製剤方法に関しては、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences を参照されたい。 それらの構造により、本発明のトリ(白金)錯体は、白金錯体の現行の治療使 用の対象である癌、寄生疾患及び他の異常の治療に用途を有する。特定のトリ( 白金)錯体の治療効果は標準方法によって評価される。例えば、特定のトリ(白 金)錯体の細胞毒性活性は、同じくL1210癌細胞、P388癌細胞、またはシスプラ チンに耐性のL1210もしくはP388癌細胞に対する細胞毒性に基づいてインビトロ で評価され得る。L1210アッセイは特に、白金錯体を治療活性に基づいてスクリ ーニングするための方法として定着している。 例えばL1210細胞に対する細胞毒性活性を示すトリ(白金)錯体を、動物体内 、例えばヒト腫瘍を移植したヌードマウス体内でインビボ試験する。実質的な副 作用(例えば腎毒性)を伴うことなくインビトロ(in vivo)活性を示すトリ( 白金)錯体が臨床試験に提供される。 本発明及びその利点を充分に理解するために、以下に具体的実施例を示すが、 これらの実施例は本発明の範囲を限定するものでなく本発明を例示するものであ ると理解されたい。実施例1 シス−〔{シス-PtCl2(NH3)(μ-H2N(CH2)4NH2)}2PtCl2〕の調製 この化合物の調製は前記に概略的に示した。この錯体を合成するために本発明 者が使用した実際の実験手順を以下に記載する。 錯体I.シス−〔PtCl2(H2N(CH2)4NH(Boc))2〕 7mlの水に溶解した0.8579gのK2PtCl4の濾過溶液に、5mlの水中の0.8371gのH2N (CH2)4NH(Boc))を滴下した。混合物を5時間撹拌すると、その間にクリーム色の 固体が沈殿した。固体を焼結ガラス漏斗に収集し、水及びアセトンで洗浄し、乾 燥した。DMF中のδ(195Pt)=−2226ppm。 C16H40N4Cl2O4Ptの元素分析: 計算値:C,33.65;H,6.27;N,8.72;Cl,10.83: 測定値:C,33.90;H,6.43;N,8.80;Cl,11.23。 錯体II.シス−〔PtCl2(H2N(CH2)4NH3)2Cl2〕 0.4516gのシス−〔PtCl2(H2N-R-NH(Boc))2〕を2mlの水と共に10mlのMeOHに懸 濁させた。撹拌した懸濁液に10mlの濃HClをゆっくりと添加した。暫く経ってか らクリーム色の固体が溶解し黄色溶液が得られた。溶液を窒素流中で乾固させ、 得られた黄色固体をアセトンで洗浄し、沸騰アセトン上方の乾燥ピストル中で乾 燥した。錯体IIは完全に水溶性であった。IIの特性測定: C8H26N4Cl4Ptの元素分析: 計算値:C,18.65;H,5.09;N,10.87,Cl,27.52: 測定値:C,18.89;H,5.40;N,10.76;Cl,27.70。 D2O中のNMR:δ(1H):3.04,2.77,1.79ppm;δ(195Pt):−2239ppm。 錯体IIIa.シス−〔{シス-PtCl2(NH3)(μ-H2N(CH2)4NH2)}2PtCl2〕 0.713gのシス−〔PtCl2(H2N-R-NH3)2Cl2〕を3mlのH2Oに溶解し、12mlのH2O中 の1.5828gのK〔PtCl3(NH3)〕の溶液を添加した。5mlのH2O中の0.18gのKOHを撹 拌しながら滴下した。3分以内に黄色沈殿物が形成され始めた。1時間後、固体 IIIaを濾別し、水及びアセトンで洗浄し、乾燥した。 C8H30N6Cl6Pt3(IIIa)の元素分析: 計算値:C,9.53;H,3.00;N,8.33;Cl,21.10; 測定値:C,9.34;H,2.90;N,8.02;Cl,20.30。 錯体IIIc.シス−〔{シス-Pt(mal)(NH3)(μ-H2N(CH2)4NH2)}2Pt(mal)〕 Krakerらの標準方法(J.Med.Chem.,(1992),35,4526)によって、IIIaのH2O 懸濁液を3当量のマロン酸銀と共に48時間撹拌することによってマロネートを調 製した。AgClを沈殿させ、濾過し、濾液を半量まで蒸発させ、生成物をアセトン で沈殿させた。次に白色錯体をH2O/アセトンから再結晶させた。 C17H36N6O12Pt3.3H2O(IIIc)の元素分析: 計算値:C,17.67;H,3.66;N,7.27; 測定値:C,17.66;H,3.72;N,6.57。 MS(FAB)+親イオン:1102(計算値1102)。実施例2 シス−〔{シス-PtCl2(NH3)(μ-H2N(CH2)4NH2)}2Pt(NH3)2〕Cl2の調製 上述のごとく、所望のX、Y、Z及びT部分並びに得られるトリ(白金)錯体 の所望の配向に従って、本発明のトリ(白金)錯体を調製するための前に詳細に 記載した合成手順を多様なPt(a)前駆体及びPt(b)ターゲット分子に応用し得 る。例えば、シス−〔PtCl2(NH3)2〕とH2N(CH2)4(Boc)とを反応させるとテトラ アミンが得られる。 段階1 及び 段階2 VとK〔PtCl3(NH3)〕とを反応させると、〔Pt(アミン)4〕ユニットを介して 結合した2個のシス−〔PtCl2(アミン)2〕基を含有するカチオンVIaが得られ る。 段階3 元素分析及び195Pt NMRピークが−1881ppmであることによって証明されるよ うに、〔PtCl3(NH3)〕対アニオンによって三量体錯体VIaが先ず沈殿する。高度 に不溶性の〔Pt(NH3)4〕〔PtCl3(NH3)〕2塩を選択的に沈殿させるH2O中の〔Pt(N H3)4〕Cl2によってVIaを処理すると、VIaのメタセシスによってVIbが形成さ れ、溶液中のトリ(白金)カチオンがクロリド塩として残る。 実施例IIの実験手順 錯体IV.シス−〔Pt(NH3)2(H2N(CH2)4NHBoc)2〕Cl2 75mlのH2Oに0.45gのシス-DDPを70〜80℃で撹拌しながら懸濁させた。0.6gのH2 N(CH2)4NHBoc(やや過剰の1:2の化学量論的量)を10mlのH2Oに溶解し、懸濁液に 添加した。70〜80℃で4時間撹拌を継続すると、無色溶液が形成された。放冷後 、セライトを通して活性炭で溶液を濾過した。次に濾液を2mlまで蒸発させ、50 mlのアセトンを添加した。3℃で一夜冷却後、白色生成物が沈殿し、これを濾別 してアセトンで洗浄した。 C16H46N6Cl2O4Ptの元素分析: 計算値:C,31.95;H,6.85;N,12.42;Cl,10.48; 測定値:C,31.75;H,6.90;N,12.12;Cl,10.29。 D2O中のNMR:δ(1H):3.08,2.72,1.74,1.54,1.43ppm;δ(195Pt):−2681p pm。 錯体V.シス−〔Pt(NH3)2(H2N(CH2)4NH3)2Cl2〕Cl2 0.8gの錯体IVを10mlのMeOH及び2mlのH2Oに懸濁させた。撹拌懸濁液にHCl(10 ml)をゆっくりと添加した。2時間後、溶液を濾過し、濾液を蒸発乾固した。Me OH(200ml)を添加して2時間撹拌し、溶液を濾過した。濾液を10mlまで蒸発さ せ、放冷すると生成物が沈殿した。 C8H32N6Cl4Ptの元素分析: 計算値:C,17.49;H,5.96;N,15.30;Cl,25.82; 測定値:C,17.20;H,5.96;N,15.01;Cl,25.53。 D2O中のNMR:δ(1H):3.02,2.75,1.73ppm;δ(195Pt):−2651ppm。 錯体VIa.シス−〔{シス-PtCl2(NH3)(μ-H2N(CH2)4NH2)}2Pt(NH3)2〕〔PtCl3 (NH3)〕2 0.1gの錯体Vを2mlのH2Oに溶解し、0.5mlの1MのKOHを添加した。この溶液 を5mlのH2O中のK〔PtCl3(NH3)〕(0.15g)の溶液に撹拌しながら2時間で滴下 した。溶液を濾過し、30mlのMeOHを添加すると、淡黄色の生成物が沈殿した。 C8H42N10Cl10Pt5の元素分析: 計算値:C,5.97;H,2.63;N,8.71;Cl,22.04; 測定値:C,6.72;H,2.57;N,8.71;Cl,20.89。 錯体VIb.シス−〔{シス-PtCl2(NH3)(μ-H2N(CH2)4NH2)}2Pt(NH3)2〕Cl2 0.3gの錯体VIaを40mlのH2Oに40〜50℃で溶解し、1mlのH2O中の0.1gの〔Pt(N H3)4〕Cl2を添加した。溶液を3℃まで一夜冷却すると、黄金色の沈殿物〔Pt(NH3 )4〕〔PtCl3(NH3)〕2が形成された。上清を傾瀉して半量まで蒸発させた。さら にテトラアミン塩の沈殿物から上清を再度傾瀉し、5mlまで蒸発させた。20mlの MeOHを添加して一夜冷却すると、少量の生成物が得られた。 C8H36N8Cl6Pt3(VIb)の元素分析: 計算値:C,9.22;H,3.48;N,10.75;Cl,20.41; 測定値:C,8.99;H,3.61;N,10.28;C1,20.25。 種々の好適実施例に関して本発明を記載してきたが、本発明の要旨を逸脱する ことなく種々の修飾、置換、削除及び変更が可能であることは当業者に容易に理 解されよう。従って、本発明の範囲は以下の請求の範囲によってのみ限定される と理解されたい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KP,K R,KZ,LK,LU,LV,MD,MG,MN,MW ,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK, TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 キュー ユン アメリカ合衆国、バーモント 05401、バ ーリントン、ピッキン ストリート 32 (72)発明者 ホェッチェル ジェームス ディー アメリカ合衆国、ミシガン 48187、キャ ントン、モントフォート ドライブ 6865

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.一般式: 及び 及び 〔式中、X、Y、Z及びTは同じまたは異なっていてもよい中性及び/またはア ニオン性配位子であり、但し、各Pt(b)上のX、YまたはZの少なくとも1つ がアニオン性配位子であることが必要であり、Aはジアミンまたはトリアミン橋 かけ剤からなり、nは3個の白金配位球の正味電荷を示し、Pは3個の白金配位 球が正味電荷を有するか否かに依存して存在してもしなくてもよい1個以上の対 イオンを示し、n−は対イオンの正味電荷を示し、得られるトリ(白金)錯体が 中性となるような値である〕で示されるトリ(白金)錯体。 2.中性配位子が、NH3、第一アミン、第二アミン、複素環アミン及びスルホキ シドからなる群から選択される、請求項1に記載のトリ(白金)錯体。 3.複素環アミンが、ピリジン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、チア ゾール、置換ピリジン、置換キノリン、置換イソキノリン、置換チアゾール、ピ ペリジン、ピロリジン、モルホリン及びN-アルキルまたはN-アシル-ピペラジ ンからなる群から選択される、請求項2に記載のトリ(白金)錯体。 4.第一アミンが、一般式NH2-R1を有しており、R1は直鎖状もしくは分枝状のC1 -C8のアルキル基、C3-C6のシクロアルキル基及び-CHOHからなる群から選択され る、請求項1に記載のトリ(白金)錯体。 5.C3-C6のシクロアルキル基が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン チル及びシクロヘキシルからなる群から選択される、請求項4に記載のトリ(白 金)錯体。 6.第二アミンが、一般式NH(R1)2を有しており、R1は直鎖状もしくは分枝状のC 1-C8のアルキル基、C3-C6のシクロアルキル基及びCHOH基からなる群から選択さ れる、請求項2に記載のトリ(白金)錯体。 7.スルホキシドが一般式R'R"SOを有しており、R'及びR"は同じでも異なってい てもよく、メチル、フェニル、置換フェニル、メチルフェニル、エチル、n-プロ ピル、イソ-プロピル及びn-ブチルからなる群から選択される、請求項2に記載 のトリ(白金)錯体。 8.アニオン性配位子が、ハライド、擬ハライド、カルボキシレート、並びに、 一価及び二価のアニオンからなる群から選択される、請求項1に記載のトリ(白 金)錯体。 9.擬ハライドが、SCN-、CN-及びNO3 -からなる群から選択される、請求項8に 記載のトリ(白金)錯体。 10.カルボキシレート基が、アセテート、プロピオネート、ブチレート、クロ ロアセテート、ヒドロ(キシ)アセテート、ベンゾエート及びキレートジカルボ キシレート基からなる群から選択される、請求項8に記載のトリ(白金)錯体。 11.キレートジカルボキシレート基が、オキザレート、マロネート、置換マロ ネート、スクシネート、グルタレート及びフタレートからなる群から選択される 、 請求項10に記載のトリ(白金)錯体。 12.置換マロネート基が一般式: 〔式中、2個のR3基は同じまたは異なっていてもよく、水素(但し双方のR3が水 素になることはできない)、C1-C8の直鎖状もしくは分枝状アルキル基からなる 群から選択されるか、または、双方の(R3)2基が一緒にC3-C6シクロアルキルまた はCHOH基を示す〕を有する、請求項11に記載のトリ(白金)錯体。 13.直鎖状もしくは分枝状アルキル基が、メチル、エチル、n-プロピル、イ ソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシ ル、n-ヘプチル及びn-オクチルからなる群から選択される、請求項12に記載 のトリ(白金)錯体。 14.ジアミン橋かけ剤が、一般式H2N-R-NH2からなり、RはC1-C18の直鎖状も しくは分枝状のアルキルまたはアルケニル基、シクロアルキル基、置換フェニル 、アラルキルまたはパーフルオロアルキル基である、請求項1に記載のトリ(白 金)錯体。 15.ジアミンAが一般式: NH(R)-(CH2)q-R2-(CH2)r-(R)NH 〔式中、Rは請求項13に記載の基を含み、q及びrは1から4までの整数であ り、R2は、-CH2-、-CHOH-、-CO-、-OC(O)(O)、-SO2-、-OS(O2)O-及び-OP(O)(OH) O-からなる群から選択される〕からなる、請求項13に記載のトリ(白金)錯体 。 16.ジアミン橋かけ剤が、一般式-NH2-(CH2)s-NH2からなり、sは2から9ま での整数である、請求項13に記載のトリ(白金)錯体。 17.対イオンPが、Br-、Cl-、I-、NO3 -、SO4 2-、ClO4 -、カルボキシ レート、PF6 -及びSbF6 -からなる群から選択される、請求項1に記載のトリ(白 金)錯体。 18.一般式(III)からなり、式中のAが一般式: 〔式中、R、R'及びR"は同じまたは異なっていてもよく、直鎖状または分枝状の アルキルまたはアルケニル基、シクロアルキル基、置換フェニル基、アラルキル 基及びパーフルオロアルキル基からなる群から選択される〕を有するトリアミン 橋かけ剤からなる、請求項1に記載のトリ(白金)錯体。 19.Aが式: である、請求項18に記載のトリ(白金)錯体。 20.一般式: または 〔式中、X、Y、Z及びTは、同じまたは異なっていてもよい中性及び/または アニオン性配位子であり、但し、各Pt(b)上のX、YまたはZの少なくとも1 つがアニオン性基を含むアニオン性配位子からなり、Aはジアミン橋かけ剤から なり、nは3個の白金配位球の正味電荷を示し、Pは3個の白金配位球が正味電 荷を有するか否かに依存して存在してもしなくてもよい1個以上の対イオンを示 し、n−は対イオンの正味電荷を示し、得られるトリ(白金)錯体が中性となる ような値に選択されている〕を有するトリ(白金)Pt(IV)錯体。 21.中性配位子が、NH3、第一アミン、第二アミン、複素環アミン及びスルホ キシドからなる群から選択される、請求項20に記載のトリ(白金)錯体。 22.複素環アミンが、ピリジン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、チ アゾール、置換ピリジン、置換キノリン、置換イソキノリン、置換チアゾール、 ピペラジン、ピロリジン、モルホリン及びN-アルキルまたはN-アシル-ピペラ ジンからなる群から選択される、請求項21に記載のトリ(白金)錯体。 23.第一アミンが、一般式NH2-R1を有しており、R1は直鎖状もしくは分枝状の C1-C8のアルキル基、C3-C6のシクロアルキル基及び-CHOHからなる群から選択さ れる、請求項21に記載のトリ(白金)錯体。 24.シクロアルキル基が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及 びシクロヘキシルからなる群から選択される、請求項23に記載のトリ(白金) 錯体。 25.第二アミンが、一般式NH(R1)2を有しており、R1は直鎖状もしくは分枝状 のC1-C8のアルキル基、C3-C6のシクロアルキル基及び-CHOH基からなる群から選 択される、請求項21に記載のトリ(白金)錯体。 26.スルホキシドが一般式R'R"SOを有しており、R'及びR"は同じでも異なって いてもよく、メチル、フェニル、置換フェニル、メチルフェニル、エチル、n-プ ロピル、イソ-プロピル及びn-ブチルからなる群から選択される、請求項21に 記載のトリ(白金)錯体。 27.アニオン性配位子が、ハライド、擬ハライド、カルボキシレート、並びに 、一価及び二価のアニオンからなる群から選択される、請求項20に記載のトリ (白金)錯体。 28.Vが、OH-、CI-及びO2CR-からなる群から選択され、Rが直鎖状もしくは 分枝状のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族基またはアラルキル基である、 請求項20に記載のトリ(白金)錯体。 29.カルボキシレート基が、アセテート、プロピオネート、ブチレート、クロ ロアセテート、ヒドロキシアセテート、ベンゾエート及びキレートジカルボキシ レート基からなる群から選択される、請求項27に記載のトリ(白金)錯体。 30.キレートジカルボキシレート基が、オキザレート、マロネート、置換マロ ネート、スクシネート、グルタレート及びフタレートからなる群から選択される 、請求項29に記載のトリ(白金)錯体。 31.置換マロネートが一般式: 〔式中、2個のR3基は同じまたは異なっていてもよく、水素(但し双方のR3が水 素になることはできない)、C1-C8の直鎖状もしくは分枝状アルキル基からなる 群から選択されるか、または、双方の(R3)2基が一緒にC3-C6シクロアルキルまた はCHOH基を示す〕を有する、請求項30に記載のトリ(白金)錯体。 32.ジアミン橋かけ剤が、一般式H2N-R-NH2からなり、RがC1-C18の直鎖状も しくは分枝状のアルキルまたはアルケニル基、シクロアルキル基、置換フェニル 、アラルキルまたはパーフルオロアルキル基である、請求項20に記載のトリ( 白金)錯体。 33.ジアミンAが一般式: NH(R)-(CH2)q-R2-(CH2)r-(R)NH 〔式中、Rは請求項32に記載の基を含み、q及びrは1から4までの整数であ り、R2は、-CH2-、-CHOH-、-CO-、-OC(O)(O)、-SO2-、-OS(O2)O-及び-OP(O)(OH) O-からなる群から選択される〕からなる、請求項32に記載のトリ(白金)錯体 。 34.ジアミン橋かけ剤が、一般式NH2-(CH2)s-NH2からなり、sは2から9まで の整数である、請求項20に記載のトリ(白金)錯体。 35.(1)2個のモノ保護ジアミン橋かけ剤を含有し、各ジアミン橋かけ剤の 一端が錯化されておらずブロッキンク剤またはHN3 +塩からなる前駆体白金Pt(a )モノマーを調製し、 (2)前記前駆体白金Pt(a)モノマーを処理して対応するプロトン付加アミン を生成させ、 (3)前記プロトン付加前駆体白金モノマーを2当量の適当なPt(b)ターゲッ ト分子と反応させる、 段階からなる請求項1のトリ(白金)錯体の製造方法。 36.前駆体白金モノマーが、シスまたはトランス−〔PtCl2(H2N-R-NH3Cl)2〕 、シスまたはトランス−〔Pt(NH3)2(H2N-R-NH3Cl)22+、シスまたはトランス− 〔PtCl2(H2N-R-NH3Cl)22+、シスまたはトランス− 〔PtCl2(H2N-CH(CH2NH2)2Cl2〕、シスまたはトランス− 〔PtCl(NH3)(H2N-R-NH3Cl)2+及びシス−〔Pt(mal)(H2N-R-NH3Cl)2〕(式中、m alはマロネートまたは任意のジカルボキシレートである)からなる群から選択さ れ、Rは直鎖状もしくは分枝状アルキルもしくはアルケニル基、シクロアルキル 基、置換フェニル基、アラルキル基またはパーフルオロアルキル基である、請求 項35に記載の方法。 37.Pt(b)ターゲット分子が一般式〔PtLCl3-からなり、式中のLはNH3、 第一アミン、スルホキシドまたはピリジンである、請求項35に記載の方法。 38.Pt(b)ターゲット分子がシスまたはトランス−〔PtCl2(NH3)2〕及びシス またはトランス−〔PtCl2(RNH2)2〕からなる群から選択され、式中のRは直鎖状 もしくは分枝状アルキルもしくはアルケニル基、シクロアルキル基、置換フェニ ル基、アラルキル基またはパーフルオロアルキル基である、請求項35に記載の 方法。 39.シス−〔{シス-PtCl2(NH3)(μ-H2N(CH2)4NH2)}2PtCl2〕からなる、請求 項1に記載のトリ(白金)錯体。 40.シス−〔{シス-Pt(mal)(NH3)(μ-H2N(CH2)4NH2)}2Pt(mal)〕からなる、 請求項1に記載のトリ(白金)錯体。 41.シス−〔{シス-PtCl2(NH3)(μ-H2N(CH2)4NH2)}2Pt(NH3)2〕Cl2からなる 、請求項1に記載のトリ(白金)錯体。
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