JP3142866B2 - 化学療法剤としての新規ビス白金錯体 - Google Patents

化学療法剤としての新規ビス白金錯体

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JP3142866B2 JP02513023A JP51302390A JP3142866B2 JP 3142866 B2 JP3142866 B2 JP 3142866B2 JP 02513023 A JP02513023 A JP 02513023A JP 51302390 A JP51302390 A JP 51302390A JP 3142866 B2 JP3142866 B2 JP 3142866B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は新規ビス(白金)錯体およびそれらを含有す
る医薬組成物に関する。
癌の化学療法における白金錯体の利用は周知である。
多数の白金錯体、例えばBristol Myers,Co.により製造
されているシスプラチンの登録商標のプラチノールは、
精巣、卵巣、頭部および頸部、並びに小細胞肺癌を処置
するのに使用されている。しかしながら、シスプラチン
での処置は深刻な腎毒性をもたらし得る。更なる臨床上
の欠点は、この剤による処置に対して治療抵抗性になる
腫瘍を生じる後天性の薬剤耐性の問題である。
シスプラチンの腎毒性作用を克服するために、二次産
物類似体であるカルボプラチンが開発された。パラプラ
チンはBristol−Myers,Co.により製造されているカルボ
プラチンの登録商標であり、カルボプラチンまたは[Pt
(NH3(CBDCA)](ここでCBDCAは1,1′−シクロブ
タンジカルボキシレートである)はシスプラチンと同じ
スペクトルの癌に対して効果的であるが、腎毒性作用の
顕著な減少を示す。
種々の腫瘍または癌を治療する試みにおいて多数の様
々な白金化合物が開発されている。例えば、米国特許第
4,225,529号は、ハライド、スルフェート、ホスフェー
ト、ニトレート、カルボキシレート、および窒素原子を
通して白金原子に配位される同一または異なる直鎖状ア
ミンから成る群から選択された4つの配位子を有する白
金のシス配位化合物の利用を開示している。それらの錯
体はマウスのL−1210白血病を治療するのに使用されて
いる。
また、米国特許第4,250,189号、第4,552,502号および
第4,565,884号は、抗腫瘍活性を有する種々のPt(II)
およびPt(IV)錯体に関する。それらのビス(白金)錯
体は、それらの錯体が患者に投与されると、該錯体が迅
速な加水分解を受けて2つのシスモノ白金成分を生じ、
次いで活性部位に運ばれるように、カルボキシレート結
合により結合される。
しかしながら、米国特許第4,797,393号では、そのま
まで活性部位に運ばれるビス(白金)錯体が開示されて
いる。このビス(白金)錯体は、橋かけするジアミンま
たはポリアミン配位子を有し、白金錯体に結合した第一
もしくは第二アミンまたはピリジン型窒素を有し、更に
ハライド、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、
カルボキシレート、置換カルボキシレートまたはジカル
ボキシレートであることができる2つの同一のもしくは
異なる配位子を有する。
今までの白金類似体の合成の大部分は、単量体白金錯
体の抗腫瘍活性にはシス配置が必要であると考えられて
いるため、[シス−Pt(アミン)2X2]構造(ここでX
はクロリドまたはアニオン脱離基である)に基づいてい
る。広範なアミンが使われているが、1,2−ジアミノシ
クロヘキサン(これはしばしば“dach"と呼ばれる)に
主要に重点が置かれている。というのは、実験室研究
(Burchenalら、Biochimie,1978,60,961)はそれらのア
ミンから誘導される錯体がシスプラスチンと非交差抵抗
性があることが示されているためである。このことは、
dach錯体がシスプラチンに耐性である腫瘍細胞系におい
てそれらの治癒活性を維持し、そのような剤の臨床的利
点が明白であろうことを意味する。シスプラチンの作用
機構は、ShermanおよびLippard,Chem.Review,1987,87,1
153並びにReedijkら、Structure and Bonding,1987,67,
53において論じられているように、DNAの全体的なコン
ホメーション変化を生じ、しばしば複製の阻害をもたら
し、従って細胞毒性作用を生じるような架橋の形成、特
にDNA上の鎖間架橋の形成によると一般に考えられる。
他の密接に関連した白金錯体、例えばトランス配置の
もの[トランス−Pt(NH32X2]、トランス−DDP、並
びに単座錯体[Pt(NH33Cl]および[Pt(ジエン)
Cl](ジエン=ジエチレントリアミン、三座アミン)
はたとえDNAに結合するとしても、それらは抗腫瘍活性
を示さない。これはトランス−[Pt(NH32Cl2]、お
よび特に[Pt(NH33Cl]のような単座種は1,2−鎖
内架橋を形成することができないからである。
米国特許第4,797,393号のビス(白金)錯体は高い細
胞毒性活性を表すことができ、シスプラチンと白金−da
ch錯体の両方と非交差抵抗性である。それらのDNA結合
は、ビス(白金)単位の各白金原子が向かい合ったDNA
鎖に結合するビス(白金)錯体のバイメタル性質のため
形成された鎖間架橋を含む。この結果、シスプラチン耐
性系においても活性を有し、従ってシスプラチンより広
範囲の活性スペクトルを有することができる構造的に新
規のビス(白金)誘導体の開発に一部至った。従って、
シスプラチン耐性系において活性である医薬化合物を製
造する要望が当業界に残っている。
発明の要約 従って、本発明の目的は、抗腫瘍および医薬用途に使
用することができる安定なビス(白金)錯体の製造方法
を提供することである。
本発明の別の目的は、DNA分子に鎖間架橋を誘導する
ビス(白金)錯体を製造することである。
本発明の更に別の目的は、ビス(白金)分子の各Pt原
子がDNAの向かい合った鎖に結合するように、各白金上
に少なくとも1つのPt−Cl結合を有するビス(白金)錯
体を提供することである。
本発明の更なる目的は、抗腫瘍活性を示すシスまたは
トランス異性体形のビス(白金)錯体を提供することで
ある。
本発明の更なる目的は、シスプラチンと同等の細胞毒
性を示し、そしてそれ自体でまたは新規ビス(白金)構
造中への組み込みにより増強された抗腫瘍活性を示すこ
とができる単量体のトランス錯体の活性化を証明するこ
とである。
更なる目的は、一端のみが白金に結合したジアミンを
含む単量体の白金錯体を前躯体として使用することによ
り、2つの白金配位範囲が異なっているビス(白金)錯
体を得る方法を説明することである。
上記の目的によれば、本発明は、下記の一般式: (上式中、X,Y,Z,X′,Y′およびZ′はアニオン基また
は中性基の組合せであることができ、そしてAは橋かけ
配位子である)を有するビス(白金)錯体を提供するこ
とである。
それらおよび他の目的、特徴および利点は、下記の好
ましい態様の詳細な説明から明らかであろう。
図面の簡単な説明 図面は、DNAの一方の鎖上の少なくとも1塩基へのビ
ス(白金)分子の一方のPtの結合とDNAの他方の鎖上の
塩基への他方のPtの付随の結合を通した鎖間架橋の形成
を描写する。
好ましい実施態様の記載 本発明は、新規ビス(白金)錯体およびそれらの錯体
の調製に関する。それらの新規白金錯体は、単座である
ことができ、よって各白金原子に結合した唯一のアニオ
ン基、例えばクロリドイオンを含むことができる配位範
囲を有し、または白金配位範囲が異なり、そして各範囲
内に例えば1もしくは2つのアニオン基、例えばクロリ
ドを含むことができる。更に、配位範囲の幾何学はシス
もしくはトランスまたはそれらの混合物であることがで
き;即ち、一方の配位範囲がシスであり、他方がトラン
スであることができる。
本発明に包含されるビス(白金)錯体の一般式は、下
記のものを含む: 上式中、X,Y,Z,X′,Y′およびZ′はアニオン基、例え
ば、ハライド、例えば塩素、臭素、ヨウ素およびフッ
素、擬ハライド、並びにスルフェート、ホスフェート、
ホスホネート、ニトレート、カルボキシレート、置換カ
ルボキシレート、ジカルボキシレートおよび置換ジカル
ボキシレート、または中性基、例えば、第一もしくは第
二アミン、スルホキシド(例えばDMSO)、ホスフィン、
ピリジン、または平面芳香族もしくは擬芳香族ピリジン
様配位子、例えば置換ピリジン、キノリン、イミダゾー
ル、チアゾール、ピリミジン、プリン、アクリジン、ピ
ラゾール、ベンズイミダゾール、ベンチアゾール等、並
びにスルホキシドおよびホスフィンの組合せであること
ができる。白金原子あたり少なくとも1つのクロリド基
を使用することが好ましい。各Pt原子に結合した唯一の
アニオン基が存在する時、各Pt原子は単座であり、錯体
は全体で2+の電荷を有する。1つのアニオン基が第一
のPt原子に結合し、そして2つのアニオン基が第二のPt
原子に結合している場合、該錯体は1+の電荷を有し、
一方のPt原子は単座であり、他方のPt原子は二座であ
る。
橋かけ配位子Aはジアミンまたはポリアミンであり、
ここで第一アミンN原子は白金がPt2+として存在するよ
うにPt原子に配位しており、そして好ましくは下記の式
を有する。
NDE−(C(R4−(R5−(C(R6
−NDE 上式中、rおよびpは1〜4(1と4を含む)の整数
であり、oは0または1であり、そしてR4およびR6基は
同一または異なり、水素、低級アルキル、アリール、シ
クロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、ハロゲ
ン、擬ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオ
キシ、カルボン酸エステルまたはカルボン酸塩である。
好ましくはR4およびR6基の全てが水素である。
R5基は任意であり、そして存在する時にはアルキレ
ン、アリーレン(例えばフェニレン)、イミノ、アルキ
ルイミノ、式: −(NH(CH2qNH)− (ここでqは1〜4(1と4を含む)の整数である) のジアミノ、ヒドロキシアルキレン、アキレンオキシ、
硫黄または酸素である。
DおよびE基は、同一または異なり、そして水素、低
級アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、アル
ケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロゲ
ン、擬ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオ
キシ、またはスルホン酸もしくはその塩から選択され
る。好ましい置換基は水素である。
特に好ましい橋かけ配位子Aとしては、直鎖ジアミン
が挙げられる。そのようなビス(白金)錯体は好ましく
は次の式を有する: 上式中、X,Y,Z,X′,Y′およびZ′は各々上述した基を
表すことができ、そしてnは2〜20(2と20を含む)、
好ましくは4〜12(4と12を含む)を表す。
スルホキシドは、好ましくは次の構造 を有し、ここで各Rは、1〜12個の炭素原子を有する直
鎖または枝分れアルキル基である。スルホキシド置換基
は、場合により、好ましくは芳香族基、例えばアリール
またはアルカリル基により置換され得る。
アミンは脂肪族であっても芳香族であってもよく、一
般にアンモニア、枝分れまたは直鎖低級アルキルアミ
ン、アリールアミン、アラルキルアミン、低級アルケニ
ルアミン、シクロアルキルアミン、シクロアルケニルア
ミンおよび多環式炭化水素アミンが挙げられる。
置換または非置換複素環式アミン、ヌクレオシド、ヌ
クレオチド、ピリジン型窒素含有化合物等を、本発明の
実施に使用することができる。適当な置換基としては、
アルキル、芳香族アリール、ヒドロキシ、低級アルコキ
シ、カルボン酸または酸エステル、ニトロおよびハロゲ
ン置換基が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の実施において適当であるプリンおよびピリミ
ジンとしては、例えば、シトシン、ウラシル、チミン、
グアニン、アデニン、キサンチン、ヒポキサンチン、プ
リン、ピリミジンおよびそれらの置換誘導体が挙げられ
る。
アニオン基がカルボキシレートまたは置換カルボキシ
レートである場合、アニオン基は次の式により表すこと
ができる: CR3(C(R3mCO2 ここでmは0〜5の整数(0と5を含む)である。R3
は、同一または異なることができ、そして水素、置換も
しくは非置換の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、アリー
ル、アルカリル、アルケニル、シクロアルキル、シクロ
アルケニル、ハロゲン、擬ハロゲン、ヒドロキシ、カル
ボニル、ホルミル、ニトロ、アミド、アミノ、アルコキ
シ、アリールオキシ、スルホン酸塩、カルボン酸エステ
ルまたはカルボン酸塩であることができる。更に、R3
は、2つのR3基が二重結合の酸素または硫黄原子を表す
ように結合することができる。
本明細書中の低級アルキルおよび低級アルケニルは、
1〜5個の炭素原子を意味する。特に指摘しない限り、
アルキルまたはアルケニルは1〜12個の炭素原子を意味
する。シクロアルキルとは3〜10個の炭素原子の鎖を意
味する。本明細書中の置換とは、他に指摘しない限り、
アルキル、アリール、3〜10個の炭素原子のシクロアル
キル、シクロアルケニル、アラルキル、ハロゲン、擬ハ
ロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアミノまたは
1〜10個の炭素原子のカルボン酸塩もしくはエステルか
ら選択された基による置換を意味する。
本明細書中での擬ハロゲンとは、CottonおよびWilkit
sonによる“Advanced Inorganic Chemistry",Interscie
nce Publishers,1966の560頁に見つかる意味を有する。
このテキストは、擬ハロゲン、即ち擬ハライドを、遊離
状態ではハロゲン原子を表す2より多くの電気陰性原子
から成る分子であると記載している。それらの分子の例
としては、シアニド、シアネート、チオシアネートおよ
びアジドが挙げられる。
好ましくは、各Pt原子上に1個または2個の塩素原子
が存在し;従って本発明の好ましい化合物上には、全部
で2〜4個の塩素原子が存在する。
本発明のビス(白金)錯体は、トランス配置において
白金成分を含むことができ、並びに単座ビス(白金)錯
体であることができる。それらの化合物は、DNAへの結
合様式が異なる点で単量体の白金錯体とは異なる。シス
プラチンの主要負荷物は、例えば、隣接グアニン(GG)
間およびグアニン−アデニン近隣ペア(GA)間での鎖内
架橋である。細胞毒性作用は、Pt結合によるDNAのコン
ホメーション変化により誘導されると考えられる。トラ
ンス−[Pt(NH32Cl2]といった錯体およびPt(NH3
3Cl]といった単座種は、それらがDNA分子に積極的に
結合するとしても、おそらくそれらの結合がいずれの鎖
内架橋も排除するため、全く細胞毒性作用を有しない。
単量体錯体に対比して、米国特許第4,797,393号のビ
ス(白金)誘導体は、2つの主たる方法によりDNA分子
に結合することができる。1つは、上記に記載と同様に
形成される鎖内架橋、もう1つはDNA分子の二本鎖に結
合するユニークな各Pt原子により生じる鎖間架橋であ
る。図面を参照のこと。この図は4つの塩基対を描写し
ているが、塩基対の距離は図式的であり、描かれた距離
に限定されるものではない。図面において、Lおよび
L′は、最初の鎖間架橋形成に直接的には関与しない白
金原子上の任意の配位子である。本発明の錯体は、それ
らの構造の性質により、両方のPt原子上で鎖内結合を形
成することができないが、この剤は特にシスプラチン耐
性系において高度に細胞毒性のままである。これは、単
座またはトランス幾何学の単量体前躯体が全く細胞毒性
作用を及ぼさないという事実を無視する。しかしなが
ら、本明細書中に開示される一般式のビス(白金)錯体
中へそれらの単位の併合は、有意な細胞毒性をもたら
す。それらの全ての新規ビス(白金)錯体の優性で且つ
兼備的な特徴は、それらがDNAの各鎖において鎖間架橋
および少なくとも1つのPt−核酸塩基結合の形成を誘導
することができることである。それらの特徴は細胞毒性
にとって重要な必要条件であると思われる。従って、DN
A鎖間に鎖間結合を形成するバイメタル性剤は、特にシ
スプラチンに耐性である腫瘍に対する優れた化学療法剤
である。
本発明のビス(白金)錯体は、医薬用途にも意図され
る。該錯体はシスプラチンと同じ患者への使用並びに同
一の病気および物理療法に有用である。この例として
は、腫瘍の治療、放射線感作または相乗作用〔Douple
ら、Cisplatin Current Status and New Developments,
A.W.Prestayko,S.T.CrookeおよびS.K.Carter編、Academ
ic Press,125(1980);Douple,Platinum Metals Rev.,1
985,29,118〕、および睡眠病などの寄生虫病(Farrell
ら、Biochem.Pharmacology,1984,33,961)が挙げられ
る。本発明の錯体は、LD50値を考慮しながらシスプラチ
ンとほぼ同じ用量レベルで投与される。該錯体は通常適
当な医薬担体と組み合わされる。例えば、当業界で既知
の方法により錯体と担体と非経口または経口投与用に製
剤することができる。例えば、適当な医薬上許容される
担体および製剤法については、Remington's Pharmaceut
ical Sciencesを参照のこと。
本発明は、一方のアミンが白金原子に結合し、その他
のアミンは錯生成していない(遊離であるかまたはぶら
下がっている)ジアミンまたはポリアミンを含む単量体
前躯体を使ってビス(白金)錯体を製造する方法も開示
する。それらの前躯体と、置換されることができる少な
くとも1つの塩素イオンを含む追加の分子との反応は、
ビス(白金)錯体を与えるだろう。ここで該錯体の構造
は、前躯体分子の正確な構造と付加しようとする分子の
両者に依存するだろう。特定例は後述の実施例3と4の
ものである。橋かけ、従ってビス(白金)錯体形成は、
付加される分子上のPt−Cl結合の前躯体分子の遊離アミ
ノ末端による置換を通して起こる。前躯体分子は最も単
純にはRNH3 +Clと表され、選ばれた分子との反応は下記
の反応を与える: ここでRNH3はPtX′Y′Z′Aを表し、ここでX′,Y′,
Z′およびA並びにX,YおよびZは上記で定義した通りで
ある。実施例3の場合には、この反応は次の通りであ
る: ここでRはトランス−[PtCl2(NH3)H2N(CH2]−
である。反応スキーム2を参照のこと。
該反応は、好ましくは塩基の存在下で水性またはメタ
ノール性溶液中で行われる。実施例3の場合、生成物は
溶液から沈澱し、濾過され、そして当業界で既知の標準
法により再結晶される。
本発明およびその利点を十分に説明するため、下記の
特定の実施例を与える。それらの実施例は、本発明の範
囲に対する限定として働くことなく、単に例示のためで
あると理解すべきである。
実施例は、それぞれシス−[PtCl2(NH3]とK
[PtCl3(NH3)]の出発物質を使った反応による、新規
ビス(白金)錯体および新規ビス(白金)錯体の前躯体
の調製を記載する。シス−[PtCl2(NH3]化合物
は、Dhara,J.Indian Chem.,1970,8,913の一般法により
調製され、一方K[PtCl3(NH3)]化合物はAbramsら、
Inorg.Chim.Acta,“A Convenient preparation of the
Amminetiri−chloroplatinate(II)Anion",1987,3,131
の一般法により調製される。
実施例 〔{トランス−PtCl(NH32H2N(CH2nNH2〕Cl2
の調製 シス−[PtCl2(NH3]を水性アンモニア(NH3
と反応させて中間体[Pt(NH3]Cl2を形成せしめる
ことにより、テトラアミン錯体から単量体トランス−
[PtCl2(NH3]を調製した。この中間体を更に水性
塩酸溶液と反応させてトランス−[PtCl2(NH3]を
形成せしめた。トランス−[PtCl2(NH3]をH2O中
で1,4−ブタンジアミンと反応させ、一晩攪拌した。次
いで透明溶液を濾過し、蒸発乾固せしめ、そしてH2O/ア
セトンまたはH2O/EtOHから再結晶し、〔{トランス−Pt
Cl(NH32H2N(CH24NH2〕Cl2を得た。この錯体
を表1に記載のような元素分析、2.74および1.79ppmに
おける1H−NMR(TMSに対して)、並びにPtCl6 2-に関す
る−2436.7ppmにおける195Pt−NMRにより特徴付けた。I
Rスペクトルは橋かけジアミンおよびv(Pt−Cl)=330
cm-1の典型的なバンドを示す。
この方法で使用することができる他のトランス錯体の
例としては、[PtCl2(ピリジン)]、 トランス−[PtCl2(ピリジン)(NH3)]、 トランス−[PtCl2(ピリジン)(DMSO)]、 [PtCl2(キノリン)(DMSO)]、 [PtCl2(イソキノリン)(DMSO)]といった種が挙げ
られる。本発明者らは、ピリジンまたはキノリンといっ
た平面配位子の存在がトランス配置の錯体の細胞毒性を
大きく改善することも発見した。表IIIは幾つかのNH3
体の比較に関する試験管内データを示す。表からわかる
ように、トランス−〔PtCl2(ピリジン)〕のような
錯体は、実際にシスプラチンと同じくらい細胞毒性であ
り、親のシスプラチンと非交差抵抗性の錯体の更なるク
ラスを意味する。
従って、本発見の更なる拡張は、NH3よりもむしろ平
面配位子を使うことによるトランス錯体の活性化の証明
である。平面配位子を有する細胞毒性トランス錯体につ
いての一般式は[PtX2(L)(L′)]であり、ここで
Xは任意のアニオン基であることができ、そしてLおよ
びL′は平面配位子、例えばピリジン、キノリン、イソ
キノリン、アクリジン、ピラゾール、チアゾール、イミ
ダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾールおよ
び他のピリジン様平面芳香族または擬芳香族複素環であ
る。ここでLがL′と同一でなくそしてLが上述のよう
な平面配位子を表す場合、L′は第一もしくは第二アミ
ン、例えばNH3、またはスルホキシド、例えばDMSOを表
すことができる。ビス(白金)錯体中へそれらの構造の
組み込みは、トランス−[PtCl2(NH3]について概
説したのと同様に起こるだろう。
実施例2 トランス−[PtCl2(NH3)(H2N(CH24NH3)]Clの調
製 この実施例は、最初に結合したジアミンの一端のみを
含む金属錯体の調製を説明する。前躯体の調製スキーム
は反応スキーム1に概略され、FarrellおよびQu,Inorg.
Chem.,Chemistry of Bis(platinum)Complexes,“Form
ation of trans derivatives from tetra−amine compl
exes",印刷中、1989年9月から応用される。スキーム1
の段階1と2により前躯体のトランス−[PtCl2(NH3
H2N(CH24NH3)]Clを調製した。前躯体錯体は生成物
2cである。生成物2cは白金に結合したジアミンの一端を
含み、他方の末端は遊離である(またはぶら下がってい
る)。次に反応スキーム2に示されるように、ジアミン
の遊離末端またはぶら下がっている末端を使って新規ビ
ス(白金)錯体を製造することができる。反応スキーム
2では、遊離アミン末端は別の白金原子に結合するのに
使われるが、それは別の金属を結合するのに使われても
よい。
調製を下記に略述する: 反応スキーム1の段階1。0.6g(2ミリモル)のシス
−[PtCl2(NH3]を20mlの水に懸濁し、0.177g(2
ミリモル)の1,4−ジアミノブタンを添加した。次いで
この混合物を60℃で1〜1.5時間攪拌した。溶液を濾過
し、1mlに蒸発濃縮した。約24時間の3℃での冷却によ
り生成物を沈澱させた。沈澱生成物を濾過し、EtOHで洗
浄し、乾燥した。更に錯体をH2O/EtOHから再結晶した。
生成物 〔{シス−Pt(NH3(H2N(CH24NH2)}〕Cl
4(化合物2a)の収率は約68%であった。
反応スキーム1の段階2。0.5g(0.64ミリモル)の錯
体2a〔{シス−Pt(NH3(H2N(CH24NH2)}〕C
l4を2mlのH2Oに溶解し、次いで50mlの6N HClを添加し
た。生じた溶液を60〜70℃で6〜8時間反応させ、その
期間の間絶えず攪拌した。黄色の固体沈澱が形成し、こ
れを濾過し、H2O/アセトンで洗浄し、更に真空乾燥し
た。濾液をDMA/0.1N HClから再結晶した。生成物 〔{トランス−PtCl2(NH3)}2H2N(CH24NH2〕の収
率は約48%であった(生成物2b)。IRスペクトルはv
(NH)=3280,3235,3195cm-1,v(Pt−Cl)=340cm-1
バンドを示した。d7−DMF中での1H−NMRは1.63,2.68ppm
にピークを与え、そして195Pt−NMRは−2167ppmにピー
クを与えた。
生成物2bを濾過した時の上記濾液をオイルに蒸発させ
ることによりトランス−[PtCl2(NH3)(H2N(CH24N
H3)]Cl錯体を単離した。次いで約30mlのEtOHを該オイ
ルに添加し、その溶液を約30分間攪拌した。黄色固体が
形成し、これを濾過した。次いで濾液をEtOHで洗浄し、
乾燥した。次いでH2O/EtOHからトランス−[PtCl2(N
H3)(H2N(CH24NH3)]Clを再結晶した(生成物2
c)。IRスペクトルは、3290(sh),3245,3200にv(N
H)に相当するバンド、そして335cm-1にv(Pt−Cl)に
相当するバンドを示した。D2O中での1H−NMRは1.8,2.72
(t)および3.1ppmにピークを与えた。D2O中での13C−
NMRは47.8,42.0,29.6および26.8ppmに4ピークを与え
た。195Pt−NMRは−2132ppmにピークを与えた。
実施例3 異なる幾何学における白金配位範囲を有するビス(白
金)錯体の形成 〔{トランス−PtCl2(NH3)}H2N(CH2nNH2{シス−
PtCl2(NH3)}〕の調製 この方法は、最初に結合したジアミンの一方の端のみ
を含む金属錯体と使用および次にビス(白金)錯体を製
造するための遊離アミンの白金化を説明する(反応スキ
ーム2)。前駆体のトランス−[PtCl2(NH3)(H2N(C
H24NH3)]Cl(化合物2c)に、トリエチルアミンの存
在下でMeOH中のK[PTCl3(NH3)]1当量を添加した。
溶液から沈澱した〔{シス−PtCl2(NH3)}H2N(CH2
4NH2{トランス−PtCl2(NH3)}〕を濾過し、水とアセ
トンで洗浄し、乾燥した。この新規錯体を元素分析、1H
−NMRおよび195Pt−NMR(−2165ppmおよび−2171ppm)
により特徴付けた。
実施例4 2つの異なる配位範囲を有するビス(白金)錯体の形成 〔トランス−{PtCl2(Me2SO)(H2N(CH24NH2)トラ
ンス−[PtCl2(NH3)〕の調製 実施例2に記載のものと同じ手順に従って、前躯体ト
ランス−[PtCl2(NH3)(H2N(CH24NH3)]Clを結合
用アミンの源として調製した。次いでこの前躯体をトリ
エチルアミンの存在下でMeOH中の1当量のK[PtCl3(M
e2SO)]アニオンと反応させた。次いで沈澱を化し、水
とアセトンで洗浄し、乾燥した。この手順から形成した
特異的構造は、〔トランス−{PtCl2(Me2SO)}(H2N
(CH24NH2)トランス−[PtCl2(NH3)]〕であっ
た。この新規錯体を元素分析、IRスペクトル:v(Pt−C
l)=330,v(SO)1115,v(NH)=3260,3200,3110cm-1
1H−NMR=3.5,1.85および2.65ppm並びに195Pt−NMR(−
2172ppmおよび−3131ppm)により特徴付けた。
新規ビス(白金)錯体の特徴の要約 上記実施例において調製した錯体は、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)に易溶
であり、カチオン錯体として単離した時は良好な水溶解
性を有した。下の表Iのデータは、上述の操作から誘導
された錯体について得られた元素分析を要約する。
実施例5 生物学的活性 実施例1の単座ビス(白金)錯体、および実施例3の
一方のPt原子上ではトランス配置そして他方のPt原子上
ではシス配置を含む白金成分を、種々のL−1210マウス
白血病細胞系における細胞毒性活性について試験した。
この試験は、M.P.HackerらによりCancer Research,198
5,45,4748において概説された方法に従って試験管内で
行った。ID50なる用語は、細胞増殖を50%阻害するのに
必要な濃度を意味し、従って特定の剤についての数値が
小さくなればなるほど効果的な細胞毒である。本発明の
ビス(白金)錯体を、シス配置のみを有する同じ鎖長の
ビス(白金)錯体、および典型的な単座単量体錯体[Pt
(ジエン)Cl]Clと比較した。表IIは得られた結果を要
約する。
実施例1=〔{トランス−PtCl(NH3)}2H2N(CH2
4NH2〕Cl2 実施例3=〔{シス−PtCl2(NH3)}H2N(CH24NH2
{トランス−PtCl2(NH3)}〕 BisPt4=〔{シス−PtCl2(NH3)}(H2N(CH24N
H2)〕 BisPtmal=〔{シス−Pt(mal)(NH3)}(H2N(C
H24NH2)〕 上記データからわかるように、本発明の錯体はシスプ
ラチンに耐性であるL−1210/DDP系において高い活性を
維持する。更に、実施例1と[Pt(ジエン)Cl]Clとの
比較は、受け入れられる理論によれば、単量体錯体は完
全に不活性であるが、実施例1におけるようなビス(白
金)錯体中への2つの一座単位の化合が高度に活切な細
胞毒性剤を生じることを示す。
py=ピリジン;quin=キノリン;isoquin=イソキノリ
ン;Meim=メチルイミダゾール。生物学的アッセイは、H
ackerら、Cancer Research,1985,45,4748により以前に
記載された通りに行った。錯体は全て10%DMSO中に溶解
した。
本発明を種々の好ましい実施態様の点から記載してき
たが、本発明の精神から逸脱することなく多数の改良、
置換、省略および変更を行い得ることは当業者に明白で
あろう。従って、本発明の範囲は下記の請求の範囲によ
ってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特表 平1−501309(JP,A) 国際公開89/5815(WO,A1) Inorg.Chem.Acta,22 (1),87−91(1977) J.am.Chem.Soc.,110 (15),5018−9(1988) Inorg.Chem.,9(5), 1233−8(1970) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 15/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の構造: (上式中、X,Y,Z,X′,Y′およびZ′は、同一または異
    なる配位子であり、そしてハライド、擬ハライド、置換
    擬ハライド、スルフェート、ホスフェート、ホスホネー
    ト、ニトレート、カルボキシレート、置換カルボキシレ
    ート、ジカルボキシレートおよび置換ジカルボキシレー
    トから成る群より選択されたアニオン基、またはアンモ
    ニア、第一もしくは第二アミン、スルホキシドおよびホ
    スフィンから成る群より選択されて非置換であるかまた
    は置換されている中性基であり、ただしY,Y′,Zおよび
    Z′がハライド、スルフェート、ホスフェート、ニトレ
    ート、カルボキシレート、置換カルボキシレートまたは
    ジカルボキシレートである場合、XおよびX′はアンモ
    ニア、第一または第二アミンであることはできず、そし
    てAは白金がPt2+として存在するように第一アミンN原
    子がPt原子に配位されているジアミンまたはポリアミン
    である) を有する荷電ビス(白金)錯体。
  2. 【請求項2】Aが次の式: NDE−(C(R4−(R5−(C(R6
    −NDE 〔上式中、rおよびpは1〜4(1と4を含む)の整数
    であり;oは0または1であり;R4およびR6は同一または
    異なり、そして水素、低級アルキル、アリール、シクロ
    アルキル、シクロアルケニル、アラルキル、ハロゲン、
    擬ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキ
    シ、カルボン酸エステルまたはカルボン酸塩であり;Dお
    よびEは同一または異なり、そして水素、低級アルキ
    ル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルケニ
    ル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロゲン、擬
    ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、
    スルホン酸またはスルホン酸塩であり;そしてR5はアル
    キレン、アリーレン、イミノ、アルキルイミノ、式: −(NH(CH2qNH)− (ここでqは1〜4(1と4を含む)の整数である) のジアミノ、ヒドロキシアルキレン、アルキレンオキ
    シ、硫黄または酸素である〕 を有する、請求項1に記載の荷電ビス(白金)錯体。
  3. 【請求項3】次の構造: 〔上式中、X,Y,Z,X′,Y′およびZ′は、同一または異
    なる配位子であり、そしてハライド、擬ハライド、置換
    擬ハライド、スルフェート、ホスフェート、ホスホネー
    ト、ニトレート、カルボキシレート、置換カルボキシレ
    ート、ジカルボキシレートおよび置換ジカルボキシレー
    トから成る群より選択されたアニオン基、またはアンモ
    ニア、第一もしくは第二アミンおよびホスフィンから成
    る群より選択されそして非置換であるかまたは置換され
    ている中性基であり、ただしY,Y′,ZおよびZ′がハラ
    イド、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、カル
    ボキシレート、置換カルボキシレートまたはジカルボキ
    シレートである場合、XおよびX′はアンモニア、第一
    または第二アミンであることはできず、そしてnは2〜
    20(2と20を含む)の整数である〕 を有する荷電ビス(白金)錯体。
  4. 【請求項4】YおよびY′が塩素であり、そしてX,X′,
    ZおよびZ′がアンモニアまたはアミンである、請求項
    3に記載の錯体。
  5. 【請求項5】XおよびX′が塩素であり、そしてY,Z,
    Y′およびZ′がアンモニアまたはアミンである、請求
    項3に記載の錯体。
  6. 【請求項6】YおよびX′が塩素であり、そしてX,Z,
    Y′およびZ′がアンモニアまたはアミンである、請求
    項3に記載の錯体。
  7. 【請求項7】X,Y,Z,X′,Y′またはZ′のいずれかが、
    式: CR3(C(R3mCO2 〔上式中、mは0〜5(0と5を含む)の整数であり;R
    3基は同一または異なり、そして水素、置換もしくは非
    置換の直鎖もしくは枝分れアルキル、アリール、アルカ
    リール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニ
    ル、ハロゲン、擬ハロゲン、ヒドロキシ、カルボニル、
    ホルミル、ニトロ、アミド、アミノ、アルコキシ、アリ
    ールオキシ、スルホン酸塩、カルボン酸エステルまたは
    カルボン酸塩である〕 のカルボキシレートまたは置換カルボキシレートであ
    る、請求項3に記載の錯体。
  8. 【請求項8】荷電ビス(白金)錯体の製造方法であっ
    て、 (a)式RNH3 +Clの化合物(式中、RNHはPtX′Y′
    Z′Aを表し、ここでX′,Y′,Z′およびAは請求項1
    において定義した通りである)を、塩基の存在下におい
    て、次の式の化合物: (上式中、X,YおよびZは請求項1において定義した通
    りである)と反応させ;そして (b)次の式の化合物: を回収することを含んで成る方法。
  9. 【請求項9】哺乳類において腫瘍の増殖を抑制するため
    に使用される医薬組成物であって、医薬上許容される担
    体中に腫瘍抑制有効量の請求項1に記載の錯体を含んで
    成る医薬組成物。
  10. 【請求項10】哺乳類において腫瘍の増殖を抑制するた
    めに使用される医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体中に腫瘍抑制有効量の請求項3に記載の錯体を含ん
    で成る医薬組成物。
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