JPH0851066A - X線マスク、x線マスクの製造方法およびx線マスクの製造装置 - Google Patents

X線マスク、x線マスクの製造方法およびx線マスクの製造装置

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JPH0851066A
JPH0851066A JP3513195A JP3513195A JPH0851066A JP H0851066 A JPH0851066 A JP H0851066A JP 3513195 A JP3513195 A JP 3513195A JP 3513195 A JP3513195 A JP 3513195A JP H0851066 A JPH0851066 A JP H0851066A
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mask
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ray absorber
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秀毅 矢部
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Koji Kichise
幸司 吉瀬
Atsushi Aya
淳 綾
Yasutsugu Matsui
安次 松井
Kei Sasaki
圭 佐々木
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 寸法精度、位置精度に優れたX線マスクを製
造し、それを用いてX線転写による高精度の回路パター
ンを得る。 【構成】 メンブレンの上方にX線吸収体、エッチング
マスク、レジストの順に形成されたX線マスクにおい
て、式 dx/r≦de≦dl×a/100 dx:X線吸収体の厚さ r:X線吸収体に対するエッチングマスクの選択比 dl:必要とされるX線吸収体のパターン寸法 a:必要とされるX線吸収体のパターン精度(%) で決定したエッチングマスクの厚さdeを用いることに
より、高精度なX線マスクを実現し、それを用いて、X
線転写による高精度の回路パターンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、X線リソグラフィに
使用するX線マスク及びその製造方法、その製造装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図32は、特開平5ー217862号公報に示され
た従来のX線マスクの概略構造を示したものである。図
において1は2mm 厚程度のシリコン(Si)基板、2は
シリコン基板上に成膜された厚さ2μm程度のメンブレ
ン(X線透過材)で通常SiC等のX線透過率のよい軽
元素セラミックスからなる。3はメンブレンを可視光の
反射や荷電粒子による帯電から防止するための保護膜で
酸化インジウムスズ(ITO)からなる。4は1〜2%
のチタン(Ti)を含むタングステン(W)膜(W−T
i)からなるX線吸収体で、所望の半導体の回路パター
ン7が形成されている。5はX線吸収体をパターニング
するためのエッチングマスクでクロム(Cr)からな
る。
【0003】次に上記X線マスクの製作プロセスを図33
に従って説明する。工程(a)ではシリコン基板1の上面
にSiC膜2を形成し、工程(b)では弗硝酸等の薬液で
シリコン基板の中心部を溶解除去し、SiCの自立膜
(メンブレン)2を形成する。この工程をバックエッチ
と称する。次に工程(c)でエッチングストッパ兼反射防
止機能を持つITO膜3、X線の吸収体であるW−Ti
膜4、エッチングマスクとしてのCr膜5、及びレジス
ト膜6を順次スパッタや回転塗布法で形成し、電子ビー
ム(図示せず)で半導体パターンを描画する。工程(d)
ではレジストが現像され、レジストパターン6’が形成
されている。工程(e)ではCl2/O2の混合ガスを用い
てCr膜をエッチングし、次にCr膜をエッチングマス
クとしてSF6/CHF3混合気を用い、シリコン基板を
底部より低温ヘリウム(He)等で−50℃程度まで冷却
し、低温エッチングによりW−Tiの回路パターン7を
形成する。底面のITO膜はW−Tiとのエッチング選
択性が大きいため、エッチング時間を長くしても安定で
あり、マスク面内で均一な垂直パターンを形成すること
ができる。
【0004】図34は、完成したX線マスクを用いてシリ
コンウエハ上にパターンを転写する原理図を示したもの
である。X線マスク38を露光材(レジスト)を塗布した
シリコンウエハ39と近接して平行に設置し(ギャップ=
10〜50μm)、シンクロトロン(SR)放射光源等から
のX線41を照射した例である。マスク上の微細半導体パ
ターン38aをシリコンウエハ39上に転写することができ
る。図において、38bはマスク上の微細半導体パターン3
8aのある領域(ウインドウ)、40はシリコンウエハ39上
に転写されたパターンを示す。
【0005】また、X線マスクは通常、X線透過層(メ
ンブレン)のX線透過領域の大きさ(ウインドウサイ
ズ)が回路パターンよりも大きいため、このX線マスク
を用いて、プロセスウエハ上に露光を繰り返してできる
だけ多数のチップパターンを形成しようとすると、X線
露光時に隣接するチップの一部を方形のウインドウの辺
に沿って、多重露光(最大4回)してしまう。また、隣
接するチップの間隔をあけて多重露光を避けようとすれ
ば、X線マスクのウインドウの大きさ毎にしか露光でき
ず、プロセスウエハに形成できるチップの数が少なくな
るという問題があった。この多重露光に関する問題をか
ぶり露光という。このかぶり露光を避けるために、X線
吸収体の厚さを4重露光でも十分なコントラストが得ら
れる程度まで厚くすることが考えられるが、X線吸収体
の厚さは転写特性から最適な値が存在し、必ずしも厚い
方がよいわけでなく、さらに高アスペクト比の吸収体を
エッチングによりパターン形成することは困難であっ
た。
【0006】図35はこの問題を避けるために用いられた
従来のX線マスクの製造方法を示す工程図である。図に
おいて、8はサポートリング、10はARコートでエッチ
ングストッパを兼ねている。4aは第1の成膜工程による
X線吸収体膜、4bは第2の成膜工程によるX線吸収体膜
である。工程を(a)〜(d)に従って説明する。まず、第1
の成膜工程(a)では予めバックエッチを完了したX線透
過層2にエッチングストッパを兼ねたARコート10、第
1のX線吸収体膜4a、レジスト膜6を成膜する。次に第
1のパターン形成(b)を行なうためにレジスト膜6をパ
ターニングし、それをエッチングマスクとして第1のX
線吸収体膜4aをエッチングする。次の工程(c)で、第1
のX線吸収体膜4aの上に第2のX線吸収体膜4bを成膜す
る。最後に工程(d)で、再塗布したレジスト膜6の回路
パターンを形成した後、それをエッチングマスクとして
第2のX線吸収体4bをエッチングしてX線吸収体回路パ
ターンの形成を行なう。このようにして、回路パターン
周辺部のかぶり露光防止用X線吸収体膜の厚さを回路用
パターンを有するX線吸収体膜の厚さをより厚くするこ
とにより、かぶり露光防止機能を形成していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のマ
スクは、吸収体とそのエッチングマスクの膜厚比(吸収
体厚/エッチングマスク)は、エッチングの際の選択比
(吸収体のエッチングレート/エッチングマスクのエッ
チングレート)より小さく設定され、一般的なエッチン
グの選択比は10〜15程度であるため、膜厚比は通常は10
以下(エッチングマスクは吸収体の厚さの10%以上)で
あった。このようにエッチングマスクが厚いと、レジス
トによるエッチングマスクのパターン形成の際寸法精度
が低下し、その結果精度の低いエッチングマスクでX線
吸収体のパターン形成を行わなければならず、X線吸収
体の寸法精度が悪くなるといった問題点があった。
【0008】また、従来は吸収体をエッチングする際
に、通常エッチングマスクを垂直に近い異方性エッチン
グを行っていたが、この状態でX線吸収体のエッチング
を行うとX線吸収体の形状がマスク形状に倣って垂直に
近くなり側壁の角度を制御するのが困難であった。
【0009】また、従来はタングステンを含むX線吸収
体のエッチングマスクとしてクロムや酸化アルミニウム
などを用いていたので、これらでは、エッチングの選択
比が不十分で適切なエッチング形状が得られない場合が
あるといった問題点があった。
【0010】また、エッチングする際に、ウエハとステ
ージを機械的に押しつけていたが、これは、ウエハとス
テージの間の密着が完全でなく、微小な隙間を通って、
低温エッチング時に使用する冷却用のガスが漏れ、冷却
効率が低下する。エッチングのパターン精度は温度依存
性があり、冷却温度のばらつきがそのまま精度に反映さ
れるため、最終的なパターン精度が低下するといった問
題があった。このガス漏れ対策が可能になったとして
も、X線マスクはエッチングの際、ウエハ状態でのエッ
チングを行ったり、メンブレン状態で行ったり、またそ
の際ウエハの厚さが異なったり、さらにメンブレン状態
のウエハにサポートリングが接着してある場合など様々
な状態が考えられるため、様々な形状のX線マスクをウ
エハとステージの密着性を確保して、1台のエッチング
装置でエッチングすることは不可能であった。
【0011】また、完成したマスクを用いて転写を行う
際、マスクの表面に金属がむき出しの場合、吸収体から
の光電子やオージェ電子等の2次電子がウエハ上のレジ
ストに当たり、その結果レジストがこれら2次電子によ
り露光されてパターンが悪くなるといった問題があっ
た。
【0012】また、エッチング時に被エッチング物が十
分に除去されないとエッチング残渣が発生する。この残
渣は後工程の成膜やパターン形成工程に悪影響を及ぼ
し、最終的に転写精度を左右する要因となる。残渣の発
生原因は多数あるが、X線吸収体とその上に配置された
エッチングマスク及びX線吸収体とその下に配置された
エッチングストッパとの選択比が大きい場合や、X線吸
収体のパターン精度を向上させるために異方性エッチン
グを行ってエッチング後の形状をできるだけ垂直にする
場合には、エッチングマスクの除去が不十分となりやす
く、エッチングマスク材が残りやすい。エッチング材が
残るとX線吸収体のエッチングの際にX線吸収体の残渣
が生じる。また、X線吸収体が十分にエッチングされず
にX線吸収体が残ると、その下に配置されたエッチング
ストッパのエッチングの際にエッチングストッパの残渣
が発生するといった問題があった。
【0013】また、従来のように吸収体の成膜後にエッ
チングマスクの成膜を行い、しかる後にアニールを行う
と、吸収体とエッチングマスクの界面で拡散層が形成さ
れるため、この拡散層はエッチングで除去しにくく、吸
収体の残渣が発生しやすいといった問題点があった。
【0014】また、従来は吸収体の凹部のエッチングマ
スクはエッチングが困難なため、エッチングマスクの材
料が残りやすく、その結果エッチングの際に吸収体の残
渣が発生しやすいといった問題があった。
【0015】また、従来はX線吸収体のエッチングの
際、エッチングの終了は例えばエッチング時間で管理す
る等十分制御されておらず、エッチングの不十分なもの
が発生したり、ロット間でエッチングの不均一が生じる
といった問題があった。
【0016】また、従来のX線マスクでは、メンブレン
としてSiC膜を用いているため、アライメント光の透
過率が低く反射防止膜が必要であった。従来例ではイン
ジウムすず酸化物(ITO)膜を反射防止膜として用い
ることによりエッチングストッパや、帯電防止機能を兼
ね備えることに成功した。しかしこのような機能を有す
る膜はITOに限定されるわけではなく、吸収体材料や
メンブレン材料に応じて選択の幅を持つことが望まれて
いた。またITOはインジウムやすずの原子量が大き
く、X線の吸収が大きくなってしまうという問題があっ
た。
【0017】また、X線マスクのパターン位置精度の向
上には、X線吸収体の低応力化(10MPaより小)が必
須である。しかし、成膜工程の再現性が不十分であるた
め、決められたプロセスに従って吸収体の成膜を行うと
その応力は例えば±50MPaの範囲でばらついてしま
う。この対策としてX線マスク工程中に吸収体の応力を
測定することが考えられる。しかし、応力計測に適した
ものしか使用することができず、制約されたものではX
線マスクとして使用できなくなる。一方、通常は、応力
計測はX線マスク用メンブレンの基板として用いるシリ
コンウエハの反りから計測するため、実際に用いられる
X線マスクとは形態が異なり、正確な応力計測と制御が
難しかった。
【0018】さらに、応力計測については次のような問
題がある。図36には最も単純なX線マスクの製造プロセ
スを、図37にはX線吸収体の上方に所望の膜が積層され
たX線マスクの構造を示す。図において、1はシリコン
基板、2はSiCからなるメンブレン、4はX線吸収
体、6はレジスト、8はサポートリング、9はCrから
なるエッチングストッパ、10はSiO2からなる反射防
止膜(ARコート)、50はSiOからなる平坦化膜
である。この平坦化膜50はこの膜の上に形成されるX
線吸収体であるWーTi膜4の結晶構造をアモルファス化
するために必要となる膜である。図37において、これら
の膜は図で示される順に成膜され、これら積層された膜
の上に電子線用レジスト(図示せず)が塗布され、電子
線リソグラフィによって形成されたレジストパターンを
マスクとしてWーTiのX線吸収体4と同時に平坦化膜50
をエッチングしてパターンを形成する。さらに、エッチ
ングストッパ9までエッチングしパターニングした後、
最後にレジストを除去し、パターンが形成されたX線マ
スクが完成する。
【0019】図36のような単純な構造であればX線吸収
体のみ応力制御し、低応力化が実現できればパターン位
置精度は確保できる。しかし、図37のように積層された
構造であれば、X線吸収体のみ応力制御しても、最終的
にX線吸収体と同じパターンを有する膜、ここではCr
からなるエッチングストッパ9とSiO2からなる平坦
化膜50、については応力制御がなされず、残った応力に
よりパターン位置精度が低下してしまうという問題があ
った。
【0020】さらに、従来のX線マスク製造工程では、
かぶり露光防止機能を発現させるために、第1の成膜工
程、第2の成膜工程におけるX線吸収体のエッチングを
するためのエッチングマスクとして単層レジストを使用
していた。しかしながら、使用するレジストとX線吸収
体膜のエッチング耐性の比が十分でない場合、厚いX線
吸収体膜の回路パターン形成を行なうには、それにみあ
う厚いレジスト膜のパターン形成を行なう必要があり、
レジスト膜のパターン形成手法として通常用いられる電
子線描画、エキシマステッパなどでは精度のよいレジス
トパターン形成が困難であった。
【0021】また、従来のX線マスク作製工程では、X
線吸収体の成膜を第1の成膜工程、第2の成膜工程にお
いてそれぞれ行なっていたが、繰り返し成膜することで
X線マスク製造時間、コスト共、要するという問題があ
り、これらの削減が課題となっていた。
【0022】また、従来のX線マスク作製工程では、第
1のパターン形成工程によって形成したX線吸収体の側
壁の角度がほぼ垂直な急峻なものであったため、その形
状の上にはレジスト膜を均一に成膜することは難しく、
パターン形成の高精度化を妨げていた。
【0023】また、従来のようなX線マスクでは、X線
マスクにかぶり露光を防止するための機構を設けようと
するならば、その作製のための工程、すなわち成膜、レ
ジスト塗布、レジストパターン形成、エッチングなどの
工程が必要であったり、X線マスクの製造時間削減、コ
スト低減に反していた。
【0024】さらに、専用のかぶり露光防止板を作製す
る場合、方形のウインドウの四隅が理想的に直角であ
る、即ち隅部で丸みのないかぶり露光防止板を作製する
ことは困難であったため、転写パターンの隅部の精度が
低かった。
【0025】本発明は、係る問題点を解決するためにな
されたもので、X線マスクの吸収体パターンを精度良く
作製することのできるX線マスク、X線マスクの製造方
法及びX線マスクの製造装置を提供することを目的とし
ている。
【0026】また、パターニングの際の残渣発生を防止
し、寸法精度、位置精度に優れたX線マスクを製造し、
それを用いてX線転写による高精度のレジストパターン
を得ることのできるX線マスク及びX線マスクの製造方
法を提供することを目的としている。
【0027】また、エッチングの終点検出を行うことで
エッチングの均一性を高めたりすることにより、寸法精
度、位置精度に優れたX線マスクを製造し、それを用い
てX線転写による高精度のレジストパターンを得ること
のできるX線マスクの製造装置を提供することを目的と
している。
【0028】また、X線の吸収が少ない反射防止膜を有
するX線マスクを提供することを目的としている。
【0029】また、工程中のX線マスク上の吸収体の応
力を知り、かつ低応力化を図る手段を有するX線マスク
の製造方法を提供することを目的としている。
【0030】さらに、回路パターンの精度に影響を与え
ない簡単な方法で、かぶり露光の防止が可能なX線マス
クおよびX線マスクの製造方法を提供するものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
X線マスクの製造方法は、X線吸収体の厚さと必要とさ
れるパターン精度とから規定された厚さのエッチングマ
スクを配置したものである。
【0032】請求項2の発明に係わるX線マスクの製造
方法は、請求項1のX線マスクにおいて厚さの規定され
たエッチングマスクを最もエッチング速度の速い層の直
下に配置することを規定したものである。
【0033】請求項3の発明に係わるX線マスクの製造
方法は、請求項2の最もエッチング速度の速い層がレジ
ストであることを規定したものである。
【0034】請求項4の発明に係わるX線マスクの製造
方法は、X線吸収体にパターンを形成するためのエッチ
ングマスクを等方的にエッチングするものである。
【0035】請求項5の発明に係わるX線マスクは、タ
ングステンもしくはタングステンを主成分とするX線吸
収体のエッチングマスクもしくはエッチングストッパと
して、白金及びその化合物もしくは、クロムの窒化物
や、クロムの窒化酸化物を用いたものである。
【0036】請求項6の発明に係わるX線マスクの製造
装置は、エッチング装置に被加工物であるX線マスクを
保持する手段と、この保持手段とX線マスクとの間の熱
伝導を向上させる手段を設けたものである。
【0037】請求項7の発明に係わるX線マスクの製造
装置は、請求項6の熱伝導を向上させる手段が金属パッ
キン等を配置することによる圧力制御であることを規定
したものである。
【0038】請求項8の発明に係わるX線マスクの製造
装置は、請求項6の熱伝導を制御する手段が、種々の形
状のマスクに応じて交換可能なホルダーやスペーサ等の
熱伝導率の高い物質を配置することを規定したものであ
る。
【0039】請求項9の発明に係わるX線マスクは、パ
ターン形成されたX線吸収体の上に2次電子発生抑制層
を備えたものである。
【0040】請求項10の発明に係わるX線マスクは、
請求項9の2次電子発生抑制層が炭素を主成分とする層
であることを規定したものである。
【0041】請求項11の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、請求項10の炭素を主成分とする2次電子発
生抑制層を、X線吸収体をエッチングガスによりエッチ
ングしパターン形成を行う工程、炭素を含有するガスの
濃度をエッチング時よりも高くして炭素を主成分とする
膜を形成する工程により形成することを規定したもので
ある。
【0042】請求項12の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、請求項11のエッチングガスがSF6または
SF6とCHF3の混合ガスであることを規定したもので
ある。
【0043】請求項13の発明に係わるX線マスクは、
エッチング時に残渣発生を抑制する手段を備えたもので
ある。
【0044】請求項14の発明に係わるX線マスクは、
請求項13の残渣発生を抑制する手段として、X線吸収
体とエッチングストッパの間またはエッチングマスクと
X線吸収体との間に、拡散抑制層を配置したものであ
る。
【0045】請求項15の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、請求項14のX線マスクにおいて、X線吸収
体の上にエッチングマスクを形成する工程の前にX線吸
収体をアニールする工程を配置することを規定したもの
である。
【0046】請求項16の発明に係わるX線マスクは、
請求項14のX線マスクにおいて、X線吸収体のエッチ
ングマスクまたはエッチングストッパと、X線吸収体膜
との間にX線吸収体のエッチング条件でエッチングされ
る層を備えたことを規定したものである。
【0047】請求項17の発明に係わるX線マスクは、
請求項16のX線吸収体のエッチング条件でエッチング
される層がSOGもしくは酸化珪素等のシリコンを含有
したものであることを規定したものである。
【0048】請求項18の発明に係わるX線マスクは、
請求項13の残渣発生を抑制する手段として、X線吸収
体の表面粗さが制御されたことを規定したものである。
【0049】請求項19の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、請求項13の残渣発生を抑制する手段とし
て、X線吸収体のエッチングの、異方性エッチングと等
方性エッチングの制御によることを規定したものであ
る。
【0050】請求項20の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、請求項13の残渣発生を抑制する手段とし
て、被エッチング面を下向きに配置したX線マスクを超
音波振動子のような手段により振動を与えることを規定
したものである。
【0051】請求項21の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、X線マスクの吸収体のエッチングの際、X線
マスクの透過光の検出値に応じてエッチングを終了させ
るものである。
【0052】請求項22の発明に係わるX線マスクは、
反射防止膜としてAlZnOxまたはSnSbOxまたは
SnOxのいずれか1種以上の膜を備えたものである。
【0053】請求項23の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、基板にX線吸収体を形成する工程、該X線吸
収体の応力を所定の条件で制御する工程を備えたX線マ
スクの製造方法において、モニタ基板上に形成したX線
吸収体の応力の計測値により基板上に形成したX線吸収
体の応力を制御する条件を決定するものである。
【0054】請求項24の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、基板上にX線吸収体を形成する工程、該X線
吸収体の上方に所定の膜を形成する工程、少なくともX
線吸収体に所定のパターンを形成する工程を備えたX線
マスクの製造方法において、X線マスク完成時点でX線
吸収体と同じパターンを有する少なくとも一層を形成す
る工程の後に、前記X線吸収体の応力と該X線吸収体と
同じパターンを有する少なくとも一層の応力の総和を計
測し、該応力を制御する工程を備えたことを規定するも
のである。
【0055】請求項25の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、請求項24において、X線吸収体の応力と該
X線吸収体と同じパターンを有する少なくとも一層の応
力の総和を計測し、該応力を制御する工程が、応力計測
とアニール処理との繰り返しで構成され、前記アニール
処理におけるアニール温度が所望のアニール温度よりも
低温で且つ、一回もしくは複数回のアニールを行うとと
もにアニール後の応力の総和を計測し、X線吸収体と同
じパターンを有する少なくとも一層を形成する工程の直
後の応力総和計測結果と上記一回もしくは複数回のアニ
ール後の応力総和計測結果とから最終アニール温度を決
定し、前記最終アニール温度でアニール処理を行う工程
であることを規定するものである。
【0056】請求項26の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、請求項24または25において、X線マスク
完成時点でX線吸収体と同じパターンを有する少なくと
も一層を形成する工程の後に、前記X線吸収体の応力と
該X線吸収体と同じパターンを有する他少なくとも一層
の応力の総和を計測し、該応力を制御する工程におい
て、基板とは別にモニタ基板を用い、上方にX線吸収体
及びX線マスク完成時点でX線吸収体と同じパターンを
有する少なくとも一層が形成されたモニタ基板を用いた
応力計測結果をもとに、前記X線吸収体及びX線マスク
完成時点でX線吸収体と同じパターンを有する少なくと
も一層の形成された基板の応力の総和を制御する条件を
決定するものである。
【0057】請求項27の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、請求項23または26において、モニタ基板
がバックエッチされた基板であることを規定するもので
ある。
【0058】請求項28の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、基板上にX線吸収体を成膜する第1の成膜工
程、前記X線吸収体の一部を除去し回路パターン形成領
域を形成する第1のパターン形成工程、基板全面に再度
X線吸収体を成膜する第2の成膜工程、前記X線吸収体
に回路パターンを形成する第2のパターン形成工程から
なるX線マスクの製造方法において、第1のパターン形
成工程に多層レジストを用いたものである。
【0059】請求項29の発明に係わるX線マスクの製
造方法は、基板上にX線吸収体を成膜する第1の成膜工
程、前記X線吸収体の一部かつ所定の厚さまで除去し回
路パターン形成領域を形成する第1のパターン形成工
程、前記X線吸収体の回路パターン形成領域に回路パタ
ーンを形成する第2のパターン形成工程からなるもので
ある。
【0060】請求項30の発明係わるX線マスクの製造
方法は、請求項28または29のX線マスクにおいて、
かぶり露光防止用X線吸収体を形成する際、形成したか
ぶり露光防止用X線吸収体側壁にテーパを設けることを
規定したものである。
【0061】請求項31の発明係わるX線マスクは、か
ぶり露光防止板をメンブレンを支持するシリコン基板に
備えたものである。
【0062】請求項32の発明係わるX線マスクは、請
求項31のかぶり露光防止板をシリコンの異方性エッチ
ングにより形成することを規定するものである。
【0063】請求項33の発明係わるX線マスクは、請
求項31のかぶり露光防止板を複数のX線吸収体からな
る板を重ね合わせることにより形成することを規定する
ものである。
【0064】
【作用】この発明の請求項1に係わるX線マスクの製造
方法は、エッチングマスクの厚さがX線吸収体の厚さと
必要とされる精度とにより規定された最低限の厚さの薄
いものであるため、エッチングマスクのエッチングの
際、エッチングが異方性、等方性に依らず、エッチング
マスクの寸法精度は維持できる。その結果X線吸収体の
エッチングの際の寸法精度を維持することができる。
【0065】また、この発明の請求項2、3に係わるX
線マスクの製造方法は、請求項1の厚さの制御されたエ
ッチングマスクを例えばレジストのような最もエッチン
グ速度の速い層の直下に配置したので、エッチングマス
ク自身のパターン精度を左右する直上の層がエッチング
されやすいため所望の精度を保ち易く、その結果パター
ン形成されたエッチングマスクの精度も高く、最終的に
X線吸収体のエッチングの際の寸法精度を維持すること
ができる。
【0066】また、この発明の請求項4に係わるX線マ
スクの製造方法は、請求項1において等方的にエッチン
グされたエッチングマスクを用いて、X線吸収体のエッ
チングを行うので、吸収体の側壁が垂直でなく斜めにエ
ッチングすることが可能となる。そのため、X線位相シ
フト効果と呼ばれる、パターンの場所により吸収体の厚
さにばらつきがある時、その場所を通過するX線の位相
が変化し、回折現象が生じ、その結果、微細パターンま
で転写可能となる。
【0067】また、この発明の請求項5に係わるX線マ
スクは、白金やその化合物は、タングステンを含むX線
吸収体とのエッチングの際エッチングの選択比が大きい
ため、X線吸収体のエッチングが容易に行われる。ま
た、クロムの窒化物やクロムの窒化酸化物はタングステ
ンを含むX線吸収体との選択比が大きいため、白金やそ
の化合物と同様にX線吸収体のパターニングの際のエッ
チングマスクやエッチングストッパとして優れている。
【0068】また、この発明の請求項6のX線マスクの
製造装置は、被加工物であるX線マスクを保持する手段
とこの保持手段とX線マスクの間に熱伝導を向上させる
手段を備えたので、エッチング時の被加工物であるX線
マスクの温度が制御され、エッチング精度が向上する。
【0069】また、この発明の請求項7のX線マスクの
製造装置は、請求項6の保持手段とX線マスクの間の熱
伝導を向上させる手段として両者の間の圧力を制御する
手法を用いたので、X線マスクの冷却用のガスがリーク
しにくく、その結果X線マスクの裏面ガス圧が上昇しX
線マスクの冷却効率が上昇する。そのため、エッチング
精度が向上する。
【0070】また、この発明の請求項8のX線マスクの
製造装置は、請求項6の保持手段とX線マスクの間の熱
伝導を向上させる手段として両者の間に熱伝達物を配置
したので、種々の形状のX線マスクのエッチングに対応
できる。
【0071】また、この発明の請求項9のX線マスク
は、パターンが形成されたX線吸収体の上に2次電子抑
制層を備えたので、完成したX線マスクを用いてパター
ンを転写する際にX線による2次電子の励起を抑制する
ことができ、2次電子の露光によるパターン精度の低下
を防止できる。
【0072】また、この発明の請求項10のX線マスク
は、請求項9の2次電子抑制層として炭素を主成分とす
る層を用いたので、X線による2次電子の励起抑制が効
率的に行われ、2次電子の露光によるパターン精度の低
下を防止できる。
【0073】また、この発明の請求項11のX線マスク
の製造方法は、請求項10の炭素を主成分とする2次電
子抑制層の形成方法として、X線マスクパターンのエッ
チングが終わった後、エッチングガスの成分を変えるこ
とで、炭素を含む膜を成膜したので、簡便に2次電子抑
制層が形成できる。
【0074】また、この発明の請求項12のX線マスク
の製造方法は、請求項11の炭素を主成分とする2次電
子抑制層の形成方法として、X線吸収体であるタングス
テンをエッチングする際、SF6もしくはSF6−CHF
3ガスを用いてエッチングし、タングステンのパターニ
ングが終了すると同時にCHF3ガスの量を多くして炭
素を主成分とする層を形成したので、エッチングと同じ
工程で、簡便に、2次電子抑制層が形成できる。
【0075】また、この発明の請求項13のX線マスク
は、X線吸収体エッチング時の残渣発生を抑制する手段
を設けたので、残渣による最終的な転写精度の低下を防
止することができる。
【0076】また、この発明の請求項14のX線マスク
は、X線吸収体とエッチングマスクまたはX線吸収体と
エッチングストッパが互いに混入しないよう独立となる
ように拡散抑制層を備えたので、拡散層部で発生し易い
エッチング残渣の発生を抑制できる。
【0077】また、この発明の請求項15のX線マスク
の製造方法は、X線吸収体上にエッチングマスクを形成
する工程の前にX線吸収体をアニールする工程を配置し
たので、X線吸収体とエッチングマスクとの間に熱によ
る拡散層の形成が防止され、残渣発生を抑制できる。
【0078】また、この発明の請求項16のX線マスク
は、X線吸収体とエッチングストッパの間、あるいはX
線吸収体とエッチングマスクの間にX線吸収体と同じ条
件でエッチングされる層を備えたので、X線吸収体とエ
ッチングストッパ、あるいはX線吸収体とエッチングマ
スクの混合が抑えられるので、残渣発生を抑制できる。
【0079】また、この発明の請求項17のX線マスク
は、タングステンまたはタングステン化合物からなるX
線吸収体と同じ条件でエッチングされる請求項16の層
として、シリコンを含有する層を用いたので、簡便な手
法で、層を形成することができ、残渣発生を抑制でき
る。
【0080】また、この発明の請求項18のX線マスク
は、X線吸収体の表面粗さを制御したので、従来のよう
に、凹部のあるエッチングマスク材のエッチングが困難
なため凹部に溜っていた残渣がなくなる。
【0081】また、この発明の請求項19のX線マスク
の製造方法は、X線吸収体のエッチングを行う工程にお
いて、異方性と等方性のエッチングを制御して行うの
で、異方性の強いエッチングにおいて形成されやすい、
針状の残渣を等方性エッチングにより側面からエッチン
グし、除去しやすくなり、結果的に残渣発生を抑制する
ことができる。
【0082】また、この発明の請求項20のX線マスク
の製造方法は、エッチングの際に被エッチング面を下向
きにし、X線マスクを震動させながらエッチングしたの
で、表面に発生した残渣を下に落して排除し易くなる。
【0083】また、この発明の請求項21のX線マスク
の製造方法は、光の透過量の変化でエッチングの終点を
検出したので、例えば、ロットが異なり膜厚の違うサン
プルでも適切なエッチング形状を得ることができ、ロッ
ト間のばらつきの少ない均一なエッチングを行うことが
できる。
【0084】また、この発明の請求項22のX線マスク
は、電気伝導性のある反射防止膜としてAlZnOxま
たはSnSbOxまたはSnOxのいずれか1種以上の膜
を備えたので、電子線によるパターンの欠陥検査時にも
帯電を生ずることがない。また、種々の反射防止膜材料
からプロセスや吸収体材料、メンブレン材料に応じた反
射防止膜材料が選択できる。
【0085】また、この発明の請求項23のX線マスク
の製造方法は、X線吸収体の成膜時に同時に配置したモ
ニタ基板を用いてX線吸収体膜の応力を評価するように
したので、工程中のX線マスクのX線吸収体の正確な応
力を知ることができ、その情報によりX線吸収体の低応
力化が図れる。
【0086】また、この発明の請求項24のX線マスク
の製造方法は、X線吸収体と同じパターンを有する膜の
応力も考慮し、一括して制御するので、パターンの位置
精度が向上する。
【0087】また、この発明の請求項25のX線マスク
の製造方法は、X線吸収体と同じパターンを有する膜の
応力も考慮し、一括して制御するので、パターンの位置
精度が向上する。さらに、所望の温度より低い温度での
アニールによる応力とアニール温度との関係から最終ア
ニール温度を決定するので、最適なアニール温度の設定
が可能となる。
【0088】また、この発明の請求項26のX線マスク
の製造方法は、請求項24または25において、応力計
測と制御のために別途モニタ基板を配置したので、工程
中のX線マスクのX線吸収体及びそれと同じパターンを
有する層と一括して正確な応力を知ることができ、その
情報により応力を一括して制御し低応力化が図れる。
【0089】また、この発明の請求項27のX線マスク
の製造方法は、請求項23または26において、モニタ
基板としてバックエッチを施した基板を用いたので、よ
り実際のプロセスに近い基板を使用することになり、よ
りプロセスに近い正確な応力を計測することが可能とな
り、低応力化が図れる。
【0090】また、この発明の請求項28のX線マスク
の製造方法は、2回のX線吸収体成膜工程と2回のパタ
ーンかぶり露光防止用X線吸収体を形成する際におい
て、多層レジストを用いているため、膜厚の厚いかぶり
露光防止用X線吸収体パターン形成が可能となる。ま
た、回路パターン形成前にかぶり露光防止用X線吸収体
が形成されているため、このかぶり露光防止用X線吸収
体膜の応力が回路パターンの位置精度に影響することな
く、それゆえ、精度の高い回路パターンが形成できる。
【0091】また、この発明の請求項29のX線マスク
の製造方法は、1回のX線吸収体成膜工程でかぶり露光
防止機能を備えたX線吸収体膜を形成するので、工程が
間略化され、さらに、回路パターン形成の前にかぶり露
光防止用X線吸収体が形成されているため、このかぶり
露光防止用X線吸収体の応力が回路パターンの位置精度
に影響することはなく、それゆえ、精度の高い回路パタ
ーンを形成することができる。
【0092】また、この発明の請求項30のX線マスク
の製造方法は、かぶり露光防止用X線吸収体を形成する
際、形成したかぶり露光防止用X線吸収体側壁にテーパ
を設けたので、回路パターン形成のためのレジスト塗布
時に均一なレジスト膜を成膜することができ、その結
果、精度のよい回路パターン形成が可能となる。
【0093】また、この発明の請求項31のX線マスク
は、シリコン基板にかぶり露光防止板をとりつけること
により、簡便な方法でかぶり露光防止が可能となり、X
線マスクの作製時間、コストの削減が図れる。
【0094】また、この発明の請求項32のX線マスク
は、かぶり露光防止板をシリコンの異方性エッチングに
よって作製したので、かぶり露光防止板の開口部の四隅
の角度が直角で丸みがなく、従って回路パターン周辺部
を隙間なくかぶり露光防止することができる。
【0095】また、この発明の請求項33のX線マスク
は、かぶり露光防止板として複数のX線吸収体からなる
板を組み合わせて作製したので、かぶり露光防止板の開
口部の四隅の角度が直角で丸みがなく、従って回路パタ
ーン周辺部を隙間なくかぶり露光防止することができ
る。
【0096】
【実施例】
実施例1.以下、本発明の一実施例について図を用いて
説明する。図1はこの発明の一実施例によるX線マスク
の構造を示す断面図である。図において、8はサポート
リング、9はエッチングストッパ、10はARコート膜
で、例ではエッチングストッパとARコートを兼ねた膜
を採用している。なお、X線吸収体4としては、WーT
iを用い、その膜厚は0.5μm(dx)、またエッチングパ
ターン寸法(dl)は0.2μmで、必要精度(a)は10%であ
る。エッチングマスク5としてCrを用い、例えばEC
Rエッチング装置を用いて、エッチングを行うと、W−
Tiに対するCrのエッチング選択比は25〜100とな
る。ここで、エッチング条件は、エッチングガスSF6
−CHF3、処理圧力約1mTorr、マイクロ波出力200W、
RF出力13〜50Wである。
【0097】まず、エッチングマスクの最小の厚さ(de
min)を決定する。X線吸収体の厚さdxが0.5μm、選択
比rが25〜100、dx/r≦deより、0.02〜0.05≦deと
なる。次にX線吸収体の厚さdxの上限(demax)を決定
する。パターンの最小寸法(dl)が0.2μm、必要精度
(a)は10%、de≦dl×a/100より、de≦0.02とな
る。従って、この場合のエッチングマスクの厚さは0.02
μmが適当となる。なお、選択比rは同一エッチング条
件において次式で定義される。 選択比r=(エッチンク゛マスク(被対象ハ゜ターニンク゛層の直上層)の
エッチング速度)/(被対象パターニング層のエッチン
グ速度)
【0098】図2はエッチングマスクの膜厚とX線吸収
体のパターン形成の関係を示す図で、図中(a)は、X線
吸収体4上にdeの厚さのエッチングマスクが形成さ
れ、その寸法変動はエッチングマスクの厚さにほぼ相当
し、deである。X線吸収体をエッチングでパターニン
グする場合、さらに、このエッチングマスクが理想的に
異方性を有し、側壁の角度が90゜で形成された場合、さ
らにこのエッチングマスクを用いてX線吸収体の側壁が
サイドエッチの影響を受けないならば、X線吸収体のエ
ッチング後の寸法精度は極めて良くなる。しかし、エッ
チングマスクが等方的にエッチングされてパターンが形
成されると、図2中(a)のような形状となり、この形状
を有したエッチングマスクを用いてX線吸収体をエッチ
ングすると、図2中(b)のように精度の劣ったX線吸収
体パターンしか得ることができない。さらに、図2中
(b)においては、X線吸収体のエッチングが完了すると
同時にエッチングマスクもエッチングされて消滅すると
いう最もエッチング条件的に厳しい場合である。この場
合、パターン寸法は最小のパターン寸法(dl)とエッチ
ングマスクの厚さdeにより、dl±deと記述され、エ
ッチングマスクの厚さdeは同時にパターンの寸法変動
を示す。ここで、許容される寸法変動はdl×a/100
(aは必要とされるパターン要求精度%)となる。従っ
て、エッチングマスクが等方的にエッチングされるとい
う最も厳しい条件より、エッチングマスクの厚さは、エ
ッチング選択比を考慮して、X線吸収体の厚さ/選択比
が最低限必要である。また、寸法精度を考慮すると、パ
ターン最小寸法×要求精度/100以下でよいことがわか
る。これは、エッチングマスクが十分厚い時、X線吸収
体のエッチングを行うことができるが、エッチングマス
クパターン自身の精度が低くなり、その精度がX線吸収
体の精度に影響を与えるため、精度の点ではできるだけ
エッチングマスクの厚さは可能な範囲で薄い方が良いと
いうことを示唆している。
【0099】また、最小パターン寸法0.1μm、必要な
精度10%、X線吸収体の厚さ0.5μmとするとエッチン
グマスクの厚さは0.01μm以下にすればよく、このと
き、エッチング選択比は少なくとも50以上必要である。
このように、エッチング選択比の最適化を行うこともで
きる。
【0100】実施例2.以下、本発明の他の実施例につ
いて図を用いて説明する。図3は、この発明の他の実施
例によるX線マスクの構造を示す断面図である。図にお
いて、5aはタングステン(W)からなるエッチングマスク
(a)で厚さは0.01μm、5bはクロム(Cr)からなるエッ
チングマスク(b)で厚さは0.03μmである。なお、ここ
では最小パターン寸法は0.1μm、寸法精度10%であ
る。なお、X線吸収体4の膜厚は0.5μmである。
【0101】このように、エッチングマスクを多層にす
ると、実施例1のような単層の場合に比べて、精度の高
いエッチングが可能となる。実施例1において、述べた
が、エッチングマスクが単層の場合はエッチングマスク
を高精度にエッチングするには薄い方がよい。しかし、
しかし、エッチングマスクを薄くすると、エッチングマ
スクとX線吸収体のエッチング選択比を大きくする必要
があり、X線吸収体のエッチングが困難になる。これに
対しエッチングマスクが多層の場合は、レジストの直下
に厚さの制御されたエッチングマスクを配置し、精度よ
くエッチングし、パターニングし、それをマスクに順次
下に配置された層をエッチングしていくと、パターン精
度が維持されたまま、X線吸収体にとって厚いエッチン
グマスクが形成されることになる。
【0102】次に、具体的な例で説明する。図3におい
て、エッチングマスク(b)5bとエッチングマスク(a)5aの
選択比は約10であり、また、X線吸収体4とエッチング
マスク(b)5bの選択比は約100である。エッチングマスク
が多層の場合最上層のエッチングマスクのX線吸収体に
対する選択比は接する層間の選択比の積で表されること
から、エッチングマスク(a)5aのX線吸収体4に対する
選択比はそれらの選択比の積となり、約1000である。す
なわち、X線吸収体の厚さと選択比1000より、エッチン
グマスク(a)5aの厚さは0.5nmであればよい。ここで、エ
ッチング条件としてパターン精度の一番劣る条件、等方
性エッチングが行われた場合を考慮しても、エッチング
マスク(a)5aの厚さの上限0.01μm以下に設定すればよ
い。このように、多層のエッチングマスクを用いること
により、レジスト直下のエッチングマスクとX線吸収体
との選択比は大きくなり、従って、精度の高いエッチン
グパターンを得ることができる。
【0103】実施例3.以下、本発明の一実施例につい
て図を用いて説明する。図4は、この発明の一実施例に
よるX線マスクのエッチング方法を示したものである。
図において、レジストパターン6’からエッチングスト
ッパ9までの構造を示しており、それより下に配置する
メンブレン等は省略してある。図中(a)はレジストパタ
ーン、(b)はエッチングマスク5を等方的にエッチング
した時の状態、(c)はX線吸収体をエッチングした時の
状態を示した図である。この図のように、エッチングマ
スク5を等方的にエッチングすると、エッチングマスク
の側壁が斜めになるため、その状態でX線吸収体をエッ
チングすると、X線吸収体の側壁も斜めになる。このよ
うに、パターンの場所によりX線吸収体の厚さが異なる
と、そこを通過するX線の位相が変化する(X線露光の
際の位相シフト効果)。そのため、パターンのエッジ部
で、X線の回折現象によりボケが緩和され、微細パター
ンが転写できるようになる。
【0104】実施例4.以下、本発明の一実施例につい
て説明する。図1において、エッチングマスク5もしく
はエッチングストッパ9として白金もしくは白金の化合
物を用いると、タングステンもしくはタングステンを主
成分とするX線吸収体のエッチングが容易になる。これ
はタングステンを含むX線吸収体のエッチングに際して
は主にフッ素系のガスを用いることになり、また、白金
を含むエッチングマスクに際しては塩素系のガスを用い
ることになり、その際、タングステンは塩素系のガスで
はエッチングされにくく、また、白金はフッ素系のガス
ではエッチングされにくいため、互いにエッチングの選
択比が大きくなるためである。なお、エッチングストッ
パとして白金系の物質を用いた場合には、最後にエッチ
ングストッパの除去を行う必要がある。白金はタングス
テンに対し、エッチングが容易になるばかりでなく、X
線吸収体として用いることができるため、エッチングマ
スクやパターン下のエッチングストッパはX線吸収体と
しての作用も有する。
【0105】実施例5.以下、本発明の別の実施例につ
いて説明する。図1において、エッチングマスク5やエ
ッチングストッパ9にクロムの窒化物やクロムの窒化酸
化物を用いると、X線吸収体のエッチングが容易にな
る。これはタングステン系がフッ素系のガス、クロム系
が塩素系のガスでエッチングされ易く、その逆のガスで
は互いにエッチングされにくいことによる。また、クロ
ムの窒化酸化膜は透明であるため、エッチングストッパ
兼ARコートとしても用いることができる。そのため、
アライメント光の透過率が上昇し、アライメントが容易
になり、また、エッチングストッパの除去は行わなくて
も良いため、工程を簡略化することができる。
【0106】実施例6.以下、本発明の一実施例につい
て図を用いて説明する。図5は、この発明の実施例によ
るX線マスクの製造装置の一つであるエッチング装置の
全体構成図である。本装置はECRエッチング装置で、
真空容器中に導入されたエッチングガスを真空容器の外
側に配置した電磁コイルにより電子に運動エネルギを与
え、サイクロトロン共鳴によりイオン化率の高いプラズ
マを生じさせ、そのプラズマにより被対象物をエッチン
グするものである。図6は、この発明の実施例によるX
線マスクの製造装置の構成の一部で、エッチングの被対
象物であるX線マスク用ウエハを搭載するステージを中
心とした構成を示したものである。図において、11は銅
やアルミニウムのような熱伝導率の高い金属材質からな
るパッキン、12は冷却ステージ、13はウエハ押え、14は
冷却用のガス穴である。また、図5中矢印はガスの流れ
を表し、a部は冷却ステージ裏面からのガスの洩れ箇所
を示す。
【0107】図6に示すように、X線マスクの冷却ステ
ージ12とウエハ押え13に接する部分にパッキン11を介在
させる。このような構成にしてX線マスクのパターニン
グを行うと冷却用ガスのリークが少なく、冷却効率が上
昇する。例えば、処理圧力1mmTorrでのエッチングの
際、従来は冷却ガスを1sccm流して冷却ガスの圧力が0.
5Torr程度しか得られなかったが、本発明のパッキンを
用いることにより冷却ガスの圧力を2Torr程度まで、向
上させることができ、その結果圧力を一定に制御できた
ので、熱伝導も一定に保たれ冷却効率が向上した。な
お、ウエハ1と冷却ステージ12との隙間が0.1mmの時、
冷却ガスを1〜2Torrに維持できれば、所望の冷却が可
能となる。
【0108】なお、本図中ではパッキン11はX線マスク
上面、すなわちウエハ押え13に接する面にまで達してい
るが、マスク裏面すなわち冷却ステージ12に接する面の
みでもよい。ただし、マスク上面にまでパッキンを回り
込ませると、パッキンのX線マスクへの固定がよく、ハ
ンドリングの際パッキンが脱離せず、毎回新しいパッキ
ンを着脱することになり、ガスがより洩れにくくなり、
さらに冷却効率が上昇する。
【0109】実施例7.以下、本発明の別の実施例につ
いて図を用いて説明する。図7はこの発明の他の実施例
によるX線マスクの製造装置であるエッチング装置の構
成の一部を示したものである。図において、15は高分子
膜である。なお、この膜はレジストなどと同様にスピナ
ー等で塗布したり、もしくはフィルム状の膜を切りとっ
て張り付けたり、グリスなどを裏面に塗ってもよい。
【0110】このような構成にしてエッチングを行う
と、高分子膜がウエハとステージ間の微妙な溝(凹凸)を
埋めるため、冷却用ガスの洩れが少なく、冷却効率を上
げることができ、X線吸収体のエッチング形状を良くす
ることができる。
【0111】実施例8.以下、本発明の一実施例につい
て図を用いて説明する。図8はこの発明の実施例による
X線マスクの製造装置であるエッチング装置の構成の一
部を示す。図において、16は冷却台、17はスペーサであ
る。図中(a)はバックエッチ済みのX線マスクを搭載し
た場合、(b)はウエハ状態のX線マスクを搭載した場合
を示している。図9はこの発明の他の実施例によるエッ
チング装置の構成の一部を示す。図9ではサポートリン
グ8が取り付けられた状態のX線マスクを搭載した場合
の構成を示している。
【0112】このようにX線マスクの裏面にスペーサ17
を配置し、冷却ステージ12とウエハ1との熱伝導を向上
させる。このような構成で、エッチングを行うと、種々
の形状のX線マスクに対応でき、スペーサ17の高さを替
えたり、また、冷却ステージ12の形状を変えるだけでエ
ッチングが可能となる。そのため、X線マスクの形状に
こだわることなく、作製プロセスを選択できる。なお、
これらのスペーサや冷却ステージは接触面積が大きい
程、熱伝達のロスが低減するので、表面は平滑な方がよ
い。また、スペーサを隙間に合致させるためには、スペ
ーサの寸法精度も高い方がよい。
【0113】実施例9.以下、本発明の一実施例につい
て図を用いて説明する。図10は、この発明の実施例によ
るX線マスクの製造方法を示す工程図である。図におい
て、18は炭素を含む膜である。なお、図中(a)はエッチ
ング前の状態、(b)はエッチングマスク5をエッチング
し、その後X線吸収体のエッチングが終った状態、(c)
はエッチングが終った時点で、炭素を含むガスを導入し
て、CVD法で成膜してもよいし、スパッタ法で形成し
てもよい。また、エッチングガスに含まれる炭素濃度を
変化させてエッチングに連続して成膜すると、工程が簡
略化できる。このような、炭素系の膜を形成し、光電子
やオージェ電子等の2次電子発生防止用の膜を簡単に形
成することができる。なお、ここでは炭素膜を用いてい
るが、X線との吸収断面積の小さな物質、例えば、軽元
素であればよい。ただし、X線の吸収波長によって吸収
断面積は大きく異なり、軽元素においても、K殻やL殻
の吸収端であれば、X線の吸収が大きくなるため、X線
の使用波長によってはその点を考慮して物質を選定すれ
ばよい。
【0114】実施例10.以下、本発明の一実施例につ
いて説明する。図10において、X線吸収体がタングステ
ンを含む場合、このX線吸収体のエッチングには、SF
6やCF4などのフッ素を含むガスが用いられる。その
際、例えば、SF6にCHF3を添加してエッチングを行
う。例えば、図5のECRエッチング装置を用い、SF
6とCHF3の流量比をSF6/CHF3=1/1〜1/10
でエッチングを行う。このとき、炭素系の析出物がパタ
ーンの側壁に付着し、エッチングに対して側壁を保護す
るため、異方性の高いエッチングを行うことができる。
このようにして、エッチングを行い、パターニングが終
了した時点でCHF3の濃度を上げる。例えば、流量比
でSF6/CHF3=1/20〜0/20にすると、炭素系の
析出物が多くなり、パターンを覆うようになる。そのた
め、光電子防止用の膜を簡単に成膜できるようになる。
【0115】実施例11.以下、本発明の一実施例につ
いて説明する。例えば、図1において、通常はエッチン
グマスク5とX線吸収体4もしくは、X線吸収体4とエ
ッチングストッパ9の界面が原子レベルの単位で互いに
混入する。互いに混入した状態で、選択比が高く、異方
性の高いエッチングを行うと、残渣発生の原因となる。
そのため、互いに混入しないようにすると残渣発生を抑
えることができる。
【0116】図1において、エッチングストッパ9、X
線吸収体4、エッチングマスク5を成膜する際、一般的
には工程の簡略化のためこれらの連続した2層以上を同
一装置で連続的に成膜している。しかし、通常は真空状
態で成膜するために、成膜が完了した時点では表面は活
性な状態であり、そのまま連続して同一装置で成膜する
と、活性な界面のため互いに拡散し、原子レベルで混合
してしまう。該混合層を有した状態で、異方性の高いエ
ッチングを行うと、残渣が発生しやすくなる。そのた
め、同一装置で連続的に成膜せず、成膜後一度大気中に
曝し、酸化や吸着等により表面の活性度の低い層(数nm)
を形成し、該活性度の低い層を拡散抑制層とすることに
より、次の成膜を行うと原子レベルでの混入がなくな
り、残渣発生を抑制できる。
【0117】実施例12.以下、本発明の一実施例につ
いて説明する。図1において、通常、X線吸収体4、エ
ッチングマスク5を成膜した後、応力制御のため200〜4
00℃でのアニールを行っている。しかし、この方法で
は、アニール工程のためX線吸収体4とエッチングマス
ク5の界面が拡散し、その結果界面が混合し、数10nmの
拡散層が形成されていた。この拡散層でエッチング条件
が変化するため、エッチング時の残渣が発生し易くな
る。そこで、応力制御のためのアニールをX線吸収体成
膜後に行い、拡散層をなくすとともに、X線吸収体の表
面にアニールによる数原子層(数nm)の表面酸化層を形成
し、これを拡散抑制層とする。これにより、しかる後に
エッチングマスクの成膜を行うと、界面が互いに混入す
るのが抑制され、残渣発生を防止することができる。
【0118】実施例13.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図11は、この発明の他の実施
例によるX線マスクの断面構造を示したものである。図
において、19は吸収体のエッチング条件と同じ条件でエ
ッチングされる薄膜で、例えば、タンタル(Ta)であ
る。この薄膜19があると、エッチングマスク5とX線吸
収体4、もしくはX線吸収体4とエッチングストッパ9
(通常ITO)が互いに混入しない。また、この薄膜19は
吸収体と同じ条件でエッチングされるため、通常の吸収
体のエッチングを行えばよい。さらに、Taは塩素系の
ガスでもフッ素系のガスでも比較的容易にエッチングさ
れるため、Taに起因する混合層が形成されても容易に
エッチング除去される。さらに、この薄膜19があること
により、残渣発生を抑えることができる。
【0119】実施例14.以下、本発明の一実施例につ
いて説明する。図11において、タングステンを含む吸収
体を用いる際、図中の薄膜19としてSOG(spin-on-gla
ss)などのシリコンを含む膜を用いると、この膜はタン
グステンと同様な条件でエッチングができ、そのエッチ
ング速度はタングステンのそれよりわずかに速い。その
ため、SOG層は等方的にエッチングされやすいためサ
イドエッチがはいりやすい。そのため、残存エッチング
マスクによる吸収体の残渣もシリコンを含む膜19のサイ
ドエッチによって、残存エッチングマスクが落ちやす
く、その結果吸収体の残渣がエッチングされる。また、
吸収体とエッチングストッパの間の薄膜19もサイドエッ
チが入るため、吸収体の残渣が倒れやすく、その結果残
渣自身が容易にエッチングされる。そのため、残渣発生
を抑えることができる。
【0120】実施例15.以下、本発明の一実施例につ
いて説明する。図1において、X線吸収体4の表面に0.
1μmRmax以上の凹凸がある時、そのX線吸収体4上に
エッチングマスク5を成膜し、レジスト6のパターニン
グ後にエッチングマスク5のエッチングを行うと、凹部
にエッチングマスク5の材料が残りやすい。その結果、
X線吸収体4のエッチングを行うと、X線吸収体4の残
渣が発生し易くなる。そのため、X線吸収体4の表面が
少なくとも0.05μmRmax以下の平滑面になるように成
膜したり、また、アモルファス状の吸収体を成膜すれば
表面は比較的平滑に成膜できる。また、通常の吸収体は
柱状構造の薄膜であるため、表面の凹凸が大きいが、こ
の状態で、等方成エッチングを行って表面を平滑にした
り、吸収体の表面を研磨して平滑にし、その後、エッチ
ングマスク5を成膜すれば、凹部に残るエッチングマス
ク5がなくなるため、X線吸収体4のエッチングの際、
残渣の発生を抑制することができる。
【0121】実施例16.以下、本発明の一実施例につ
いて説明する。図1において、エッチングマスク5がわ
ずかでも残っていると、X線吸収体4のエッチングの際
異方性の高いエッチングを行うと吸収体の残渣が発生す
る。図12は、凹部においてエッチングマスクが残り、残
渣が発生するプロセスと、発生する残渣を除去する工程
を示したものである。図において、工程(a)では凹凸の
あるX線吸収体4の上にエッチングマスク5およびパタ
ーニングされたレジスト膜6が形成されている。X線吸
収体4の凹凸にならってエッチングマスク5も凹凸が形
成されている。工程(b)で、エッチングマスク5がパタ
ーニングされると、X線吸収体4の凹部のエッチングマ
スクはエッチングされにくく、(c)工程でX線吸収体4
をエッチングするとX線吸収体4の凹部に残ったエッチ
ングマスク5はパターンの一部とみなされ、エッチング
マスク5が除去された工程(d)では残渣として現れる。
本発明のように、吸収体のエッチングの際、異方性の高
いエッチングと等方性のエッチングを制御することによ
り、残存するエッチングマスクの直下のX線吸収体部分
をサイドからエッチングし(工程(d’))、残渣発生を
抑制する(工程(e’))。
【0122】実施例17.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図13は、この発明の実施例に
よるX線マスクの製造装置であるエッチング装置の構成
の一部を示したものである。図において、20は超音波振
動子、21aはウエハ状態でのX線マスクである。
【0123】このような構成のエッチング装置でパター
ニングを行うと、ウエハが振動し、かつパターン面が下
向きのため、エッチング残渣が発生した場合でも、残渣
が落下しやすいため、最終的なパターン精度が向上す
る。なお、請求項14〜20の対策も併せて行うと残渣
発生をさらに抑えることができる。また、他の原因で発
生したゴミも除去されやすくなるという特徴もある。な
お、超音波はエッチング中およびエッチングの前後にも
与えて効率よく残渣を除去する。
【0124】実施例18.以下、本発明の他の実施例に
ついて図を用いて説明する。図14は、この発明の実施例
によるエッチング装置の構成の一部を示したものであ
る。図において、21bはメンブレン状態でのX線マス
ク、22はガスバルブである。
【0125】このような構成のエッチング装置を用い、
冷却用ガスを間欠的に流せば、メンブレン状態でのマス
ク、特にメンブレン部分が振動するため残渣が発生して
もより落ちやすくなる。そのため、寸法精度の良いパタ
ーニングを行うことができる。
【0126】実施例19.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図15はこの発明の実施例によ
るX線マスクの製造装置の構成の一部を示したものであ
る。図において、25はレーザ発振器23より発せられたレ
ーザ光24を感知するデテクタである。なお、図中(a)は
X線吸収体のエッチング前の状態、(b)はX線吸収体の
エッチングが終了した時を示している。なお、レーザ光
24の照射場所はパターン外側に設けられたアライメント
マーク等の幅広い抜きパターンがよい。また、レーザ光
24は例えば、633nmの波長を有するHe-Neレーザや780nm
の半導体レーザ等を用いる。
【0127】このような構成の装置でエッチングを行う
と、吸収体のエッチングが完了していない時は、レーザ
光24はX線吸収体4に阻まれるため透過せず、デテクタ
25には光は届かない。しかし、吸収体のパターンが形成
されるとレーザ光24がメンブレン2を透過するためデテ
クタ25にレーザ光24は感知される。同じ材質であっても
パターン幅によってエッチング速度は変化するため、予
めパターン幅とエッチング速度の関係を求めておき、所
望のパターンが得られるよう、デテクタ25に光を感知し
た後、適切なオーバエッチングを施す。これにより、微
細パターンを含む回路パターンを適切にエッチングでき
る。さらに、スパッタの際の膜厚むら等によるエッチン
グ時間のばらつきが緩和され、寸法精度のよい、X線マ
スクを作製できる。
【0128】実施例20.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図16はこの発明の実施例によ
るX線マスクの構造を示す断面図である。図において、
26はAlZnOx膜で、スパッタリングによりメンブレ
ン2の上に約0.1μmの厚さに成膜した例を示す。
【0129】このように作製されたX線マスクでは、A
lZnOx膜26は透明で、電気伝導性があるため、Si
Cからなるメンブレン2の反射防止膜として機能し、可
視光透過率を改善するとともに、帯電防止膜としても機
能する。また、AlZnOx膜26の主成分は軽元素のA
lであるため、従来用いられてきたITOに比べてX線
の透過率が高い。例えば、反射防止膜をITOからAl
ZnO3(AlZnOxのx=3の場合)に変更することに
より、約10〜30%のX線透過率の改善がなされる。ま
た、吸収体にタングステン系の材料を用いた場合、Al
ZnOxは吸収体エッチング時のエッチングストッパと
しても十分な能力を示した。
【0130】本実施例ではAlZnOx膜についての例
を示したが、AlZnOx膜と同様にSnSbOxまたは
SnOx膜用いても、X線透過率の向上が実現する。こ
の場合AlZnOxよりは重元素の構成であるが、導電
性のため、帯電防止の効果は有する。
【0131】実施例21.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図17はこの発明の実施例によ
るX線マスクの製造工程を示す図である。図において、
27aは製造工程用のX線マスクで、シリコンがバックエ
ッチされた状態にある。28aは予め反り計測がなされた
シリコンウエハであり、その片面にはメンブレンが成膜
されている応力計測用X線マスクモニタ用ウエハであ
る。これらは同一装置、同一バッチでW−Ti吸収体を
成膜し、27bは成膜後のX線マスク、28bは成膜後のシリ
コンウエハを示している。その際、同じ特性のX線吸収
体膜4が成膜されるように自公転タイプのステージを備
えたスパッタ装置を用い、また基板とターゲット間距離
が一定になるようにした。成膜後、応力計測用X線マス
クモニタウエハ28bの反りを計測し、アニールを行っ
た。アニール後再び、モニタウエハの反りを計測し、こ
れら計測結果からX線吸収体4の応力が0となる最終ア
ニール温度を決定した。WーTi吸収体膜ではアニール
温度と応力変化が比例するため最終アニール温度の決定
は容易である。そして、上記最終アニール温度で工程中
のX線マスクのアニールを行った。これにより、スパッ
タ装置のバッチ間の再現性に依存しない。低応力の吸収
体が成膜されたX線マスクを得ることができる。
【0132】上記実施例では、シリコン基板にサポート
リングが接合されていない例について示したが、図18の
X線マスクの製造工程を示す図のように、工程中のX線
マスクでメンブレン2が成膜されたシリコン基板1がサ
ポートリング8に接合されている状態においても、応力
計測用X線マスクモニタウエハを同じスパッタ装置に配
置すれば、低応力吸収体を得るためのアニール温度は同
様な方法で、決定することができる。なお、図におい
て、29aはサポートリングの接合された製造工程用X線
マスク、29bは該X線マスクにX線吸収体が成膜された
状態を示す。
【0133】さらに、上記実施例では、低応力吸収体を
得るための手法としてアニール工程を用いた例について
示したが、図19のX線マスクの製造工程を示す図のよう
に、吸収体膜の応力調整をイオン注入によって行っても
よい。この場合、モニタウエハの反り計測から最終イオ
ンドーズ量を決定し、その値のドーズ量を工程中のX線
マスクに与えることで0応力の吸収体を得る。
【0134】さらに、上記実施例では、モニタウエハと
してX線マスク製造工程用の基板と同一材料であるであ
るシリコン基板を用いた例について示したが、成膜条件
と応力の関係および、シリコン基板と応力の相関関係が
明らかな材料であれば、シリコン基板に限定されるもの
でもない。シリコン基板を用いれば、安価にモニタを実
施できるという効果がある。
【0135】実施例22.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。上記実施例21では、応力計
測用X線マスクモニタウエハとして、シリコンウエハを
用いる例について説明したが、より正確な応力モニタリ
ングにはシリコンウエハより高価になるが、製造工程用
のX線マスクと同様のバックエッチ済みのウエハを用い
ることが望ましい。図20はこの発明の実施例によるX線
マスクの製造工程を示す図である。図において、42aは
成膜前のバックエッチされたモニタウエハを、42bは成
膜後のバックエッチされたモニタウエハを示している。
バックエッチされたウエハは通常引っ張り応力により皿
状に反っている。この反った状態を基準に応力の変化を
計測してやれば、実際のプロセスに近い応力を精度良く
計測でき、従って低応力化が図れる。なお、製造用のX
線マスク基板1は、厚さ2mm程度のシリコンウエハから
なっており、モニタウエハ1’は厚さ0.4mm程度のシリ
コンウエハを用いている。ウエハは薄い方が応力を高精
度に計測できるため、吸収体成膜やアニールによる応力
変化はモニタウエハで感度良く計測できより正確な応力
制御が可能となる。
【0136】なお、図20中に応力制御プロセスとして0
応力となるアニール温度を決定することが記載されてい
るが、これは実施例21と同様である。さらに、実施例
21の図19のように吸収体膜の応力調整をイオン注入に
よって行ってもよい。この場合、バックエッチされたモ
ニタウエハの反り計測から最終イオンドーズ量を決定
し、その値のドーズ量を工程中のX線マスクに与えるこ
とで0応力の吸収体を得る。
【0137】実施例23.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。上記実施例21は、最も簡単
な構造のX線マスクに対応するもの、あるいはX線吸収
体のみに注目した低応力化である。しかし、最終的にX
線吸収体と同一のパターンを形成する膜を備えたX線マ
スクの製造工程に対しては、それらの膜を一括して応力
制御する必要がある。図21はX線吸収体と同一のパター
ンを形成する膜を備えたX線マスクの製造工程の一部を
示したものである。図中(a)は、X線吸収体を成膜する
前の基板の状態を示している。ここではシリコンウエハ
1上にメンブレン2と反射防止膜(ARコート)10のみ
が成膜されている。図中(b)はアニールする前の所望の
膜が基板上に成膜されたX線マスクの状態を示してい
る。この段階ではCrエッチングストッパ9、酸化珪素
からなる平坦化膜50、W−Ti吸収体膜4が成膜されて
いる。
【0138】つぎに、アニール工程について説明する。
アニール工程は特願平5ー233187号で記載のX線吸収体の
応力制御の原理を利用する。図22はアニール温度と応力
との関係を示す図で、アニール処理中の応力変化を図示
したものである。図において、横軸は温度、縦軸は応力
または応力と相関する物理量(例えば、反りの高さや曲
率などの測定値)を表わし、+方向は引張り応力、ー方
向は圧縮応力である。また、図中、Aは室温での成膜後
のアニール開始前のX線マスクの応力状態、Bはアニー
ル効果発現点、Cはアニール停止点、Dは室温でのアニ
ール完了時点をそれぞれ示している。
【0139】図21中(b)で示したX線マスクを加熱する
と、基板材料であるシリコンと吸収体等の膜の熱膨張率
の差により、応力は、図22中A→Bと変化する。加熱温
度をさらに上げると、点Bで、応力は直線A−Bから離
れ出す。これは、結晶構造の変化や、吸収体中に取り込
まれたガスの脱離などによりアニール効果が発現される
ためである。
【0140】ところで、目標とする状態は点Dである。
この点を求めるためには、直線A−Bが求められた時点
で、直線A−Bに平行で、かつ応力または応力と相関す
る物理量が零となる室温でのアニール完了点Dを通る直
線D−D’を予め求めておくことにより、点Bを過ぎた
後も応力をモニタし、点Dを通り、直線A−Bに平行な
直線D−D’と交差する点Cに達した時点で、アニール
を停止(加熱停止)し、基板を室温まで冷却することに
より、点Dの状態が得られる。即ち、点Dでは、図21中
(a)と同じ応力状態である。
【0141】従って、上記実施例によれば、X線吸収体
と同じパターンが形成される所望の膜全てを積層したX
線マスクをアニール工程中に応力あるいは応力に相関す
る物理量を計測しモニタすることにより、アニール完了
時点を決定できるため、再現性よくパタニングされる層
(吸収体やエッチングストッパ)の応力の総和を低減す
ることができる。
【0142】実施例24.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。実施例23と同様にX線吸収
体と同じパターンが形成される所定の層を複数積層した
X線マスクのアニール処理による低応力化の別の実施例
である。図23はアニール温度と応力との関係を示す図で
ある。図において、横軸はアニール温度、縦軸は応力ま
たは応力と相関する物理量(例えば、反りの高さや曲率
などの測定値)を表わし、+方向は引張り応力、ー方向
は圧縮応力である。図では、成膜後と比較して、アニー
ル処理の温度とその温度での応力値との関係を示してい
る。あるサンプル1〜3において、予め予想されるアニ
ール温度θよりも低い2点の温度θM1、θM2でアニ
ール処理を行い、その度に応力を計測する。この2点の
応力計測結果を結ぶ直線と応力ゼロの線との交点から、
サンプルあるいはバッチごとに最終アニール温度θaが
決定される。ここでは、サンプル1〜3に対してθa
1、θa2、θa3を決定し、その決定された温度でア
ニールを行うことにより、低応力の積層膜(吸収体を含
む)が得られる。
【0143】なお、上記実施例ではアニール温度θより
も低い温度をθM1、θM2の2点としたが、少なくと
も2点であれば3点以上であってもよい。測定点が多い
と決定温度の精度が向上することは言うまでもない。
【0144】実施例25.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図24はこの発明の実施例によ
るX線マスクの製造工程を示す図である。図において、
43aは製造工程用のX線マスクでシリコンがバックエッ
チされ、ARコート10とメンブレン2が成膜されてい
る。44aは成膜前のバックエッチされたモニタウエハ
を、44bは成膜後のバックエッチされたモニタウエハを
示している。成膜前のモニタウエハ44aでは、ARコー
ト10の成膜は省略した。次に、メンブレン2の上に、エ
ッチングストッパ9、平坦化膜50、X線吸収体4を製造
工程用X線マスク43aと同じ条件で成膜し、多層に成膜
された製造工程用X線マスク43bと同時にモニタウエハ4
4bを得る。ここで、モニタウエハ44bを用いて最終アニ
ール温度を確定し、X線マスク基板もその温度でアニー
ルを行う。なお、モニタウエハにより最終アニール温度
を求める手順は、上記実施例23や24の手法を用いれ
ばよい。
【0145】なお、上記実施例では、多数の膜が成膜さ
れた後のモニタウエハを用いて最終アニール温度を確定
し、それに基づいて工程中のX線マスク基板をアニール
処理したが、最終アニール温度でのアニールだけでな
く、モニタウエハを用いた実施例23や24の中途の温
度、例えば実施例24のθM1、θM2での処理もモニ
タウエハと同じように行ってもよい。
【0146】実施例26.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図25はこの発明によるX線マ
スクの製造方法を示す工程図である。図において、30は
X線吸収体と選択比の高い、吸収体エッチング用中間層
で、例えば、CrやAl23である。工程(a)では、予
めバックエッチ済みのX線透過性基板(例えばシリコン
基板)1にエッチングストッパ9、第1の成膜工程によ
るX線吸収体4a、レジスト膜6を成膜する。その際、選
択比の高い中間層30をレジスト膜6とX線吸収体4aの間
に挿入する。工程(b)では、第1のパターン形成を行う
ためのレジスト膜6を形成し、それをエッチングマスク
として中間層30をエッチングし、次いで、第1のパター
ン形成を行った中間層をエッチングマスクとして第1の
X線吸収体膜4aをエッチングすることにより、膜厚の厚
いかぶり露光防止用X線吸収体パターンが形成される。
工程(c)では、その上に第2のX線吸収体膜4bを成膜
し、レジスト6を再塗布する。第1のパターン形成工程
と同様にX線吸収体と選択比の高い中間層30をレジスト
膜6とX線吸収体4bの間に挿入する。最終工程(d)で
は、第2のパターン形成を行うためレジスト膜をパター
ン形成し、それをエッチングマスクとして中間層30をエ
ッチングし、次いで第2のパターン形成を行った中間層
30をエッチングマスクとして第2のX線吸収体膜4bをエ
ッチングすることにより、X線吸収体回路パターン7を
得る。
【0147】実施例27.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図26はこの発明によるX線マ
スクの製造方法を示す工程図である。図中工程(a)にお
いて、第1の成膜工程によるX線吸収体4aを成膜後、そ
の上にレジスト膜6塗布する。工程(b)で、第1の成膜
工程によるX線吸収体4aのパターン形成を行う際、所定
の厚みまでエッチングする。例えば、1μmのX線吸収
体を成膜後、0.5μmまでエッチングする。次いで、工
程(c)で、レジスト6を再塗布し、回路パターン形成を
行う。最終工程(d)で、パターン形成したレジスト膜6
をエッチングマスクとしてエッチングすることにより、
所望のX線吸収体回路パターン7を得る。
【0148】このように、予めかぶり露光防止用X線吸
収体を成膜する際、X線吸収体をある厚みまでエッチン
グした後、レジスト再塗布、転写、エッチングするX線
マスクの製造方法においては、回路パターン形成の前に
かぶり露光防止用X線吸収体が形成されているため、こ
のかぶり露光防止用X線吸収体膜の応力が回路パターン
の位置精度に影響することはなく、それゆえ、精度の高
い回路パターンが形成できるとともにX線吸収体成膜工
程が1回ですむ。
【0149】実施例28.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図27はこの発明によるX線マ
スクの製造方法を示す工程図で、実施例26の図25にお
いてX線かぶり露光防止用X線吸収体部に順テーパを設
ける例である。図において、工程(a)は予めバックエッ
チ済みのX線透過性基板1にエッチングストッパ9、第
1の成膜工程によるX線吸収体4a、レジスト膜6を成膜
する。その際、X線吸収体4aと選択比の高い中間層30を
レジスト膜6とX線吸収体4aの間に挿入する。工程(b)
では、第1のパターン形成を行うためのレジスト膜6を
形成し、それをエッチングマスクとして中間層30をエッ
チングし、次いで、第1のパターン形成を行った中間層
をエッチングマスクとして第1のX線吸収体膜4aをエッ
チングする。この際、X線吸収体の側壁を順テーパをつ
ける条件、例えば、エッチング条件を制御し、比較的等
方性のエッチングを施せばよい、でエッチングし、約60
〜70゜程度の角度を持たせることが望ましい。これによ
り、膜厚の厚いかぶり露光防止用X線吸収体パターンが
形成される。工程(c)では、その上に第2のX線吸収体
膜4bを成膜し、レジスト6を再塗布する。第1のパター
ン形成工程と同様にX線吸収体と選択比の高い中間層30
をレジスト膜6とX線吸収体4bの間に挿入する。最終工
程(d)では、第2のパターン形成を行うためレジスト膜
をパターン形成する。その際、周囲のX線吸収体は順テ
ーパを有するので、レジスト塗布時に均一なレジスト膜
を成膜でき、その結果精度の高い回路パターンが形成で
きる。次いで、中間層30をエッチングし、次いで第2の
パターン形成を行った中間層30をエッチングマスクとし
て第2のX線吸収体膜4bをエッチングすることにより、
X線吸収体回路パターン7を得る。
【0150】実施例29.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図28はこの発明によるX線マ
スクの製造方法を示す工程図である。図において、31は
かぶり露光防止板で、シリコン基板1に取付られてい
る。このような構成にすることで、簡単な手法でかぶり
露光防止が可能になり、X線マスク作成時間、X線マス
ク作成コストを削減できる。また、サポートリング下面
を越えないように張り付けることで、X線マスクをステ
ッパーに装着することが容易になる。さらに張り付ける
作業は回路パターン、アライメントパターン精度に影響
を及ぼさないため、精度のよい回路パターン、アライメ
ントパターンが形成可能になる。
【0151】実施例30.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図29はこの発明によるX線マ
スクの製造方法を示す工程図である。図において、32は
耐アルカリ性レジスト、33はヒータ、34はKOH溶液で
ある。図において、シリコン基板(ここでは(100)面を
使用)のKOHを含む溶液に対する面異方性エッチング
によって、かぶり露光防止板を作成することにより、開
口部の四隅の角度が直角なかぶり露光防止板が得られ
る。これは、シリコン基板がKOHを含む溶液に対し
て、(111)面、(110)面、(100)面の順で溶解しにくい特
性を利用するもので、かぶり露光防止板開口部の四隅を
溶解しやすい面に、開口部の各辺の中心を溶解しにくい
方向にあわせることにより、四隅の角度が直角で丸みの
ないかぶり露光防止板を作製できる。
【0152】実施例31.以下、本発明の別の実施例に
ついて図を用いて説明する。図30はこの発明によるX線
マスクの製造方法を示す工程図である。図において、35
はSiCである。工程(a)で、シリコンウエハ1の両面
にSiC35をCVD法により成膜する。次いで、工程
(b)では、片面のSiCの中央部をエッチングによって
除去する。これは光転写法とドライエッチング法を用い
た。次いで、工程(c)では上記基板1をヒータ33により8
0〜100℃に加熱された飽和KOH溶液34に浸漬すること
により、ウインドウ領域のエッチングを行なう。例えば
100μmの厚さのシリコンであれば、約30分でエッチン
グが完了する。上記プロセスによりミクロンオーダーで
正確なサイズのかぶり露光防止板を得ることができる。
【0153】実施例32.以下、本発明の一実施例につ
いて図を用いて説明する。図31はこの発明によるX線マ
スクの製造方法を示す工程図である。図において、36は
かぶり露光防止板の開口部の大きさと同じ断面を持つ角
柱、37は矩形のX線遮蔽板である。工程(a)では、例え
ば厚さ200μmのガラス製のX線遮蔽板37を4枚、角柱3
6に沿わせて組み合せ、接合する。次いで、工程(b)で、
該角柱36を抜く。最後に工程(c)で、X線マスクのサポ
ートリング8の内側に取り付ける。このように、シリコ
ンウエハ1とサポートリング8に接して取り付けるた
め、ガラス製のX線遮蔽板37はシリコンウエハ1とサポ
ートリング8と同等の表面粗さおよび平面度が必要とな
る。以上のように、簡便でしかも高精度で、開口部の隅
が完全に直角のかぶり露光防止板を得ることができる。
【0154】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、エッチングマスクの厚さがX線吸収体の厚さと必要
とされる精度により規定された最低限の厚さの薄いもの
であるため、エッチングマスクのパターンを形成するエ
ッチングの際、エッチングが異方性、等方性に依らず、
寸法精度は維持できる。その結果X線吸収体のエッチン
グの際の寸法精度を維持することができ、高精度のX線
マスクを歩留りよく提供できる。
【0155】また、以上のように請求項2、3の発明に
よれば、請求項1の厚さの制御されたエッチングマスク
を例えばレジストのような最もエッチング速度の速い層
の直下に配置したので、エッチングマスク自身のパター
ン精度を左右する直上の層がエッチングされやすいため
所望の精度を保ち易く、その結果パターン形成されたエ
ッチングマスクの精度も高く、最終的にX線吸収体のエ
ッチングの際の寸法精度を維持することができ、高精度
のX線マスクを提供できる。
【0156】また、以上のように請求項4の発明によれ
ば、請求項1において等方的にエッチングされたエッチ
ングマスクを用いて、X線吸収体のエッチングを行うの
で、吸収体の側壁が斜めにエッチングされる。そのた
め、このX線マスクを用いると、X線位相シフト効果に
よるパターンエッジ部の回折現象により、微細パターン
まで転写可能となる。
【0157】また、以上のように請求項5の発明によれ
ば、白金やその化合物は、タングステンを含むX線吸収
体とのエッチングの際エッチングの選択比が大きいた
め、X線吸収体のエッチングが容易に行われる。また、
クロムの窒化物やクロムの窒化酸化物はタングステンを
含むX線吸収体との選択比が大きいため、白金やその化
合物と同様にX線吸収体のパターニングの際のエッチン
グマスクやエッチングストッパとして優れており、高精
度のX線マスクを歩留りよく提供できる。
【0158】また、以上のように請求項6の発明によれ
ば、X線マスクの保持手段とX線マスクの間に熱伝導を
向上させる手段を備えたので、エッチング時の被エッチ
ング物であるX線マスクの温度が低温で且つ一定に制御
され、エッチング精度が向上する。その結果、精度の高
いX線マスクを提供できる。
【0159】また、以上のように請求項7の発明によれ
ば、請求項6の保持手段とX線マスクの間の熱伝導を向
上させる手段として両者の間の圧力を制御する手法を用
いたので、X線マスクの冷却用のガスがリークしにく
く、その結果X線マスクの裏面ガス圧が上昇しX線マス
クの冷却効率が上昇する。そのため、エッチング精度が
向上する。
【0160】また、以上のように請求項8の発明によれ
ば、請求項6の保持手段とX線マスクの間の熱伝導を向
上させる手段として両者の間に熱伝達物を配置したの
で、種々の形状のX線マスクにおいても熱伝導を向上さ
せたエッチングを行うことができる。
【0161】また、以上のように請求項9の発明によれ
ば、パターンが形成されたX線吸収体の上に2次電子抑
制層を備えたので、完成したX線マスクを用いてパター
ンを転写する際にX線による2次電子の励起を抑制する
ことができ、高精度のパターン転写が可能となる。
【0162】また、以上のように請求項10の発明によ
れば、請求項9の2次電子抑制層として炭素を主成分と
する層を用いたので、X線による2次電子の励起抑制が
効率的に行われ、高精度のパターン転写が可能となる。
【0163】また、以上のように請求項11の発明によ
れば、請求項10の炭素を主成分とする2次電子抑制層
の形成方法として、X線マスクパターンのエッチングが
終わった後、エッチングガスの成分を変えることで、炭
素を含む膜を成膜したので、簡便に2次電子抑制層が形
成でき、高精度のパターン転写が可能となる。
【0164】また、以上のように請求項12の発明によ
れば、請求項11の炭素を主成分とする2次電子抑制層
の形成方法として、X線吸収体であるタングステンをエ
ッチングする際、SF6もしくはSF6−CHF3ガスを
用いてエッチングし、タングステンのパターニングが終
了すると同時にCHF3ガスの量を多くして炭素を主成
分とする層を形成したので、エッチングと同じ工程で、
簡便に、2次電子抑制層が形成でき、高精度のパターン
転写が可能となる。
【0165】また、以上のように請求項13の発明によ
れば、X線吸収体エッチング時の残渣発生を抑制する手
段を設けたので、残渣による最終的な転写精度の低下を
防止することができる。
【0166】また、以上のように請求項14の発明によ
れば、X線吸収体とエッチングマスクまたはX線吸収体
とエッチングストッパの間に拡散抑制層を備えたので、
拡散層部で発生し易いエッチング残渣の発生を抑制で
き、最終的な転写精度の低下を防止することができる。
【0167】また、以上のように請求項15の発明によ
れば、X線吸収体上にエッチングマスクを形成する工程
の前にX線吸収体をアニールする工程を配置したので、
X線吸収体とエッチングマスクとの間に熱による拡散層
の形成が防止され、且つX線吸収体の表面に薄い酸化層
が形成され、残渣発生を抑制でき、最終的な転写精度の
低下を防止することができる。
【0168】また、以上のように請求項16の発明によ
れば、X線吸収体とエッチングストッパの間、あるいは
X線吸収体とエッチングマスクの間にX線吸収体と同じ
条件でエッチングされる層を備えたので、X線吸収体と
エッチングストッパ、あるいはX線吸収体とエッチング
マスクの混合が抑えられるので、残渣発生を抑制でき、
最終的な転写精度の低下を防止することができる。
【0169】また、以上のように請求項17の発明によ
れば、タングステンまたはタングステン化合物からなる
X線吸収体と同じ条件でエッチングされる請求項16の
層として、シリコンを含有する層を用いたので、簡便な
手法で、層を形成することができ、残渣発生を抑制でき
る。
【0170】また、以上のように請求項18の発明によ
れば、X線吸収体の表面粗さを制御したので、従来のよ
うに、凹部のあるエッチングマスク材のエッチングが困
難なため凹部に溜っていた残渣がなくなり、最終的な転
写精度の低下を防止することができる。
【0171】また、以上のように請求項19の発明によ
れば、X線吸収体のエッチングを行う工程において、異
方性と等方性のエッチングを制御して行うので、異方性
の強いエッチングの場合形成されやすい、針状の残渣を
除去しやすくなり、高精度名X線マスクを形成でき、最
終的な転写精度の低下を防止することができる。
【0172】また、以上のように請求項20の発明によ
れば、エッチングの際に被エッチング面を下向きにし、
X線マスクを震動させながらエッチングしたので、表面
に発生した残渣を下に落して排除し易くなり、最終的な
転写精度の低下を防止することができる。
【0173】また、以上のように請求項21の発明によ
れば、X線マスクの透過光の変化でエッチングを終了さ
せたので、ロットが異なり膜厚の違うサンプルでも適切
なエッチング形状を得ることができ、ロット間のばらつ
きの少ない均一なエッチングを行うことができ、高精度
のX線マスクを提供することができる。
【0174】また、以上のように請求項22の発明によ
れば、電気伝導性のある反射防止膜としてAlZnOx
またはSnSbOxまたはSnOxのいずれか1種以上の
膜を備えたので、電子線によるパターンの欠陥検査時に
も帯電を生ずることがない。また、種々の反射防止膜材
料からプロセスや吸収体材料、メンブレン材料に応じた
反射防止膜材料が選択でき、最適なX線マスクの材料構
成が実現できる。さらに、軽元素を含む材料を用いた場
合には、X線の透過率が向上し、転写工程のスループッ
トが改善される。
【0175】また、以上のように請求項23の発明によ
れば、X線吸収体の成膜時に同時に配置したモニタウエ
ハを用いてX線吸収体膜の応力を評価するようにしたの
で、工程中のX線マスクのX線吸収体の正確な応力を知
ることができ、その情報によりX線吸収体の低応力化が
図れ、高精度のX線マスクを提供することができる。
【0176】また、以上のように請求項24の発明によ
れば、X線吸収体と同じパターンを有する膜の応力も考
慮し、一括して制御するので、X線マスクとしてパター
ンの位置精度が向上し、高精度なX線マスクを提供する
ことができる。
【0177】また、以上のように請求項25の発明によ
れば、X線吸収体と同じパターンを有する膜の応力も考
慮し、一括して制御するので、X線マスクとしてパター
ンの位置精度が向上し、高精度なX線マスクを提供する
ことができる。さらに、所望の温度より低い温度でのア
ニールによる応力とアニール温度との関係から最終アニ
ール温度を決定するので、最適なアニール温度設定が可
能となる。
【0178】また、以上のように請求項26の発明によ
れば、請求項24または25において、応力計測と制御
のために別途モニタ基板を配置したので、工程中のX線
マスクのX線吸収体及びそれと同じパターンを有する層
と一括して正確な応力を知ることができ、その情報によ
り応力を一括して制御し低応力化が図れる。また、これ
により、高精度なX線マスクを提供することができる。
【0179】また、以上のように請求項27の発明によ
れば、請求項23または26において、モニタ基板とし
てバックエッチを施した基板を用いたので、より実際の
プロセスに近い基板を使用することになり、よりプロセ
スに近い正確な応力を計測することが可能となり、低応
力化が図れる。これにより、高精度なX線マスクを提供
することができる。
【0180】また、以上のように請求項28の発明によ
れば、2回のX線吸収体成膜工程と2回のパターンかぶ
り露光防止用X線吸収体を形成する際において、多層レ
ジストを用いているため、膜厚の厚いかぶり露光防止用
X線吸収体パターン形成が可能となる。また、回路パタ
ーン形成前にかぶり露光防止用X線吸収体が形成されて
いるため、精度の高い回路パターンが形成でき、その結
果高精度のX線マスクを提供することができる。
【0181】また、以上のように請求項29の発明によ
れば、1回のX線吸収体成膜工程でかぶり露光防止機能
を備えたX線吸収体膜を形成するので、工程が間略化さ
れ、さらに、回路パターン形成の前にかぶり露光防止用
X線吸収体が形成されているため、精度の高い回路パタ
ーンを形成することができ、その結果高精度のX線マス
クを提供することができる。
【0182】また、以上のように請求項30の発明によ
れば、かぶり露光防止用X線吸収体を形成する際、形成
したかぶり露光防止用X線吸収体側壁にテーパを設けた
ので、回路パターン形成のためのレジスト塗布時に均一
なレジスト膜を成膜することができ、その結果、精度の
よい回路パターン形成が可能となり、その結果高精度の
X線マスクを提供することができる。
【0183】また、以上のように請求項31の発明によ
れば、シリコン基板にかぶり露光防止板をとりつけるこ
とにより、簡便な方法でかぶり露光防止が可能となり、
X線マスクの作製時間、コストの削減が図れる。
【0184】また、以上のように請求項32の発明によ
れば、かぶり露光防止板をシリコンの異方性エッチング
によって作製したので、かぶり露光防止板の開口部の四
隅の角度が直角で丸みがなく、従って回路パターン周辺
部を隙間なくかぶり露光防止することができ、最終的な
転写パターンの精度が向上する。さらに、転写パターン
の歩留りが向上する。
【0185】また、以上のように請求項33の発明によ
れば、かぶり露光防止板として複数のX線吸収体からな
る板を組み合わせて作製したので、かぶり露光防止板の
開口部の四隅の角度が直角で丸みがなく、従って回路パ
ターン周辺部を隙間なくかぶり露光防止することがで
き、最終的な転写パターンの精度が向上する。さらに、
転写パターンの歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1、4、5、11、12、
15、16によるX線マスクの構造を示す断面図であ
る。
【図2】 この発明の実施例1によるエッチングマスク
の膜厚とX線吸収体パターン形成の関係を示す原理図で
ある。
【図3】 この発明の実施例2によるX線マスクの構造
を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施例3によるX線マスクの製造
方法を示す工程図である。
【図5】 この発明の実施例6によるX線マスクの製造
装置の1つであるエッチング装置の全体構成図である。
【図6】 この発明の実施例6によるX線マスクの製造
装置の構成の一部を示したものである。
【図7】 この発明の実施例7によるX線マスクの製造
装置の構成の一部を示したものである。
【図8】 この発明の実施例8によるX線マスクの製造
装置の構成の一部を示し、図中(a)はバックエッチ済の
X線マスクを搭載した場合、(b)はウエハ状態のX線マ
スクを搭載した場合を示す。
【図9】 この発明の実施例8によるX線マスクの製造
装置の構成の一部を示したものである。
【図10】 この発明の実施例9、10によるX線マス
クの製造方法を示す工程図である。
【図11】 この発明の実施例13、14によるX線マ
スクの構造を示す断面図である。
【図12】 この発明の実施例16によるX線マスクに
発生した残渣の除去工程を示す図である。
【図13】 この発明の実施例17によるX線マスクの
製造装置の構成の一部を示したものである。
【図14】 この発明の実施例18によるX線マスクの
製造装置の構成の一部を示したものである。
【図15】 この発明の実施例19によるX線マスクの
製造装置の構成の一部を示したものである。図中(a)は
X線マスクの吸収体エッチング前の状態を、(b)は吸収
体のエッチングが終了した時点を示している。
【図16】 この発明の実施例20によるX線マスクの
構造を示す断面図である。
【図17】 この発明の実施例21によるX線マスク製
造工程を示す工程図である。
【図18】 この発明の実施例21によるX線マスク製
造工程を示す工程図である。
【図19】 この発明の実施例21によるX線マスク製
造工程を示す工程図である。
【図20】 この発明の実施例22によるX線マスク製
造方法を示す工程図である。
【図21】 この発明の実施例23によるX線マスク製
造方法を示す工程図である。
【図22】 この発明の実施例23によるX線マスクの
アニール温度決定方法を説明する図である。
【図23】 この発明の実施例24によるX線マスクの
アニール温度決定方法を説明する図である。
【図24】 この発明の実施例25によるX線マスク製
造方法を示す工程図である。
【図25】 この発明の実施例26によるX線マスク製
造方法を示す工程図である。
【図26】 この発明の実施例27によるX線マスク製
造方法を示す工程図である。
【図27】 この発明の実施例28によるX線マスク製
造方法を示す工程図である。
【図28】 この発明の実施例29によるX線マスクを
示す断面図である。
【図29】 この発明の実施例30によるX線マスク用
かぶり露光防止板の製造方法を示す工程図である。
【図30】 この発明の実施例31によるX線マスク用
かぶり露光防止板の製造方法を示す工程図である。
【図31】 この発明の実施例32に係わるX線マスク
製造方法を示す工程図である。
【図32】 従来のX線マスクの構造を示す断面図であ
る。
【図33】 従来のX線マスクの製造方法を示す工程図
である。
【図34】 X線マスクを用いてパターンを転写する原
理図である。
【図35】 従来のかぶり露光防止機能を有するX線マ
スクの製造工程を示す断面図である。
【図36】 従来のX線マスクの工程を示す別の工程図
である。
【図37】 従来のX線マスクの構造を示す別の断面図
である。
【符号の説明】
1 シリコン基板、 2 メンブレン(SiC膜)、
3 保護膜(ITO膜)、 4 X線吸収体膜、 4a
第1の成膜工程により形成されたX線吸収体膜、4b 第
2の成膜工程により形成されたX線吸収体膜、5 エッ
チングマスク(Cr膜)、 5a エッチングマスク
(a)、5b エッチングマスク(b)、 6 レジスト膜、
6’ レジストパターン、7 回路パターン、 8 サ
ポートリング、 9 エッチングストッパ、10 ARコ
ート、 11 パッキン、 12 冷却ステージ、
13 ウエハ押え、 14 冷却用ガス穴、 15 高分
子膜、16 冷却台、 17 スペーサ、 18 炭
素を含む膜、19 吸収体と同じ条件でエッチングされる
薄膜、 20 超音波振動子、21a ウエハ状態でのX線
マスク、 21b メンブレン状態でのX線マスク、22
ガスバルブ、 23 レーザ発振器、 24 レーザ
光、25 デテクタ、 26 AlZnOx膜、 27a 製造
工程用のX線マスク、27b X線吸収体膜が形成された
製造工程用のX線マスク、28a 応力計測用X線マスク
モニタウエハ、28b X線吸収体膜が形成された応力計
測用X線マスクモニタウエハ、29a サポートリング付
の製造中のX線マスク、29b X線吸収体膜が形成され
たサポートリング付の製造中のX線マスク、30 吸収体
エッチング用中間層、 31 かぶり露光防止板、32 耐
アルカリレジスト、 33 ヒータ、 34 KOH溶
液、35 SiC、 36 角柱、 37 X線遮蔽板、
38 X線マスク、38a X線マスク上のパターン、
38b X線マスク上のX線透過領域、39 シリコン
基板、 40 半導体パターン、 41 X線42a 応
力計測用X線マスクモニタウエハ(バックエッチされた
ウエハ)、42b X線吸収体膜が形成された応力計測用
X線マスクモニタウエハ、43a 製造工程用X線マスク
(バックエッチされたウエハ) 43b 所望の膜が多層に形成された製造工程用X線マス
ク(バックエッチされたウエハ) 44a 応力計測用X線マスクモニタウエハ(バックエッ
チされたウエハ)、44b 所望の膜が多層に形成された
応力計測用X線マスクモニタウエハ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 1/16 E H01L 21/3065 H01L 21/302 F (72)発明者 綾 淳 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社半導体基礎研究所内 (72)発明者 松井 安次 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社半導体基礎研究所内 (72)発明者 佐々木 圭 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術センター内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線吸収体の上方に配置されたエッチン
    グマスクとレジストを用いて前記X線吸収体のパターン
    形成を行うX線マスクの製造方法において、前記X線吸
    収体に対するエッチングマスクのエッチング選択比を
    r、エッチングマスクの厚さをde、前記X線吸収体の
    厚さをdx、必要とされるX線吸収体の、パターン寸法
    をdl、必要とされるX線吸収体のパターン精度をa
    (%)とすると、下記の式で記載される厚さdeを有す
    るエッチングマスクを用いることを特徴とするX線マス
    クの製造方法。 dx/r≦de≦dl×a/100
  2. 【請求項2】 厚さの制御されたエッチングマスクを最
    もエッチング速度の速い層の直下に配置することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載のX線マスクの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 最もエッチング速度の速い層がレジスト
    であることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載のX
    線マスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 エッチングによりパターン形成されるエ
    ッチングマスクの形状が等方的になるように制御された
    特許請求の範囲第1項記載のX線マスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 エッチングストッパの上方に配置された
    タングステンまたはタングステン化合物からなるX線吸
    収体、該X線吸収体の上方に配置されたエッチングマス
    ク、該エッチングマスクの上方に配置されたレジストを
    用いて前記X線吸収体のパターンが形成されるX線マス
    クにおいて、前記エッチングストッパまたは前記エッチ
    ングマスクが、白金(Pt)、白金の化合物、クロムの
    窒化物、クロムの窒化酸化物のいずれか1つからなる層
    を少なくとも1層以上から構成されることを特徴とする
    X線マスク。
  6. 【請求項6】 X線吸収体のパターンを形成するX線マ
    スクの製造装置において、該装置に搭載された被加工物
    であるX線マスクを保持する手段とこの保持手段と前記
    X線マスクとの間の熱伝導を向上させる手段を備えたこ
    とを特徴とするX線マスクの製造装置。
  7. 【請求項7】 熱伝導を向上させる手段が圧力制御であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第6項記載のX線マ
    スクの製造装置。
  8. 【請求項8】 熱伝導を向上させる手段が熱伝達物を配
    置することによることを特徴とする特許請求の範囲第6
    項記載のX線マスクの製造装置。
  9. 【請求項9】 エッチングストッパの上方に配置された
    X線吸収体、該X線吸収体の上方に配置されたエッチン
    グマスク、該エッチングマスクの上方に配置されたレジ
    ストを用いてエッチングを行い、前記X線吸収体のパタ
    ーンが形成されるX線マスクにおいて、パターンが形成
    されたX線吸収体の上に2次電子発生抑制層を備えたこ
    とを特徴とするX線マスク。
  10. 【請求項10】 2次電子発生抑制層が炭素を主成分と
    することを特徴とする特許請求の範囲第9項記載のX線
    マスク。
  11. 【請求項11】 特許請求の範囲第10項記載のX線マ
    スクをX線吸収体をエッチングガスによりエッチングし
    パターンを形成する工程、炭素含有ガスの濃度をエッチ
    ング時よりも高くして炭素を主成分とする膜を形成する
    工程により形成することを特徴とするX線マスクの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 タングステンまたはタングステン化合
    物からなるX線吸収体用のエッチングガスがSF6また
    はSF6とCHF3の混合ガスであることを特徴とする特
    許請求の範囲第11項に記載のX線マスクの製造方法。
  13. 【請求項13】 エッチングストッパの上方に配置され
    たX線吸収体、該X線吸収体の上方に配置されたエッチ
    ングマスク、該エッチングマスクの上方に配置されたレ
    ジストを用いて前記X線吸収体のパターンが形成される
    X線マスクにおいて、X線吸収体のエッチング時に発生
    する残渣を抑制する手段を備えたことを特徴とするX線
    マスク。
  14. 【請求項14】 X線吸収体とエッチングストッパとの
    間またはエッチングマスクとX線吸収体との間に拡散抑
    制層を配置したことを特徴とする特許請求の範囲第13
    項記載のX線マスク。
  15. 【請求項15】 特許請求の範囲第14項記載のX線マ
    スクを、X線吸収体上にエッチングマスクを形成する工
    程の前にX線吸収体をアニールする工程を配置して形成
    することを特徴とするX線マスクの製造方法。
  16. 【請求項16】 X線吸収体の下に配置されたエッチン
    グストッパまたはX線吸収体の上に配置されたエッチン
    グマスクとX線吸収体とのあいだに、X線吸収体のエッ
    チング条件でエッチングされる層を備えたことを特徴と
    する特許請求の範囲第14項記載のX線マスク。
  17. 【請求項17】 タングステンまたはタングステン化合
    物からなるX線吸収体のエッチング条件でエッチングさ
    れる層がシリコンを含有することを特徴とする特許請求
    の範囲第16項記載のX線マスク。
  18. 【請求項18】 表面粗さの制御されたX線吸収体を備
    えた特許請求の範囲第13項記載のX線マスク。
  19. 【請求項19】 特許請求の範囲第13項記載のX線マ
    スクを、異方性エッチングと等方性エッチングを制御し
    てX線吸収体のパターン形成を行うことにより形成する
    ことを特徴とするのX線マスクの製造方法。
  20. 【請求項20】 特許請求の範囲第13項記載のX線マ
    スクを、被エッチング面を下向きに配置したX線マスク
    を振動させてエッチングすることにより形成することを
    特徴とするX線マスクの製造方法。
  21. 【請求項21】 X線透過層の上方にX線吸収体を配置
    し、該X線吸収体の上方に配置されたエッチングマスク
    の上方に配置されたレジストを用いて前記X線吸収体の
    パターンが形成されるX線マスクの製造方法において、
    X線吸収体のエッチング時にX線マスクの透過光に応じ
    てエッチングを終了させるX線マスクの製造方法。
  22. 【請求項22】 X線透過層の上方に配置された反射防
    止膜、該反射防止膜の上方に配置されたX線吸収体を備
    えたX線マスクにおいて、反射防止膜がAlZnOxま
    たはSnSbOxまたはSnOxのいずれか1種以上の膜
    を用いたことを特徴とするX線マスク。
  23. 【請求項23】 基板上にX線吸収体を形成する工程、
    該X線吸収体の応力を所定の条件で制御する工程を備え
    たX線マスクの製造方法において、モニタ基板上に形成
    したX線吸収体の応力の計測値により、基板上に形成し
    たX線吸収体の応力を制御する条件を決定することを特
    徴とするX線マスクの製造方法。
  24. 【請求項24】 基板上にX線吸収体を形成する工程、
    該X線吸収体の上方に所定の層を形成する工程、少なく
    ともX線吸収体に所定のパターンを形成する工程を備え
    たX線マスクの製造方法において、X線マスク完成時点
    でX線吸収体と同じパターンを有する少なくとも一層を
    形成する工程の後に、前記X線吸収体の応力と該X線吸
    収体と同じパターンを有する少なくとも一層の応力の総
    和を計測し、該応力を制御する工程を備えたことを特徴
    とするX線マスクの製造方法。
  25. 【請求項25】 X線吸収体の応力と該X線吸収体と同
    じパターンを有する少なくとも一層の応力の総和を計測
    し、該応力を制御する工程が、応力計測とアニール処理
    との繰り返しで構成され、前記アニール処理におけるア
    ニール温度が所望のアニール温度よりも低温で且つ、一
    回もしくは複数回のアニールを行うとともにアニール後
    の応力の総和を計測し、X線吸収体と同じパターンを有
    する少なくとも一層を形成する工程の直後の応力総和計
    測結果と上記一回もしくは複数回のアニール後の応力総
    和計測結果とから最終アニール温度を決定し、前記最終
    アニール温度でアニール処理を行う工程であることを特
    徴とする特許請求の範囲第24項記載のX線マスクの製
    造方法。
  26. 【請求項26】 X線マスク完成時点でX線吸収体と同
    じパターンを有する少なくとも一層を形成する工程の後
    に、前記X線吸収体の応力と該X線吸収体と同じパター
    ンを有する少なくとも一層の応力の総和を計測し、該応
    力を制御する工程において、基板とは別にモニタ基板を
    用い、上方にX線吸収体及びX線マスク完成時点でX線
    吸収体と同じパターンを有する少なくとも一層が形成さ
    れたモニタ基板を用いた応力計測結果をもとに、前記X
    線吸収体及びX線マスク完成時点でX線吸収体と同じパ
    ターンを有する少なくとも一層の形成された基板の応力
    の総和を制御する条件を決定することを特徴とする請求
    項24または25のいずれか1項に記載のX線マスクの
    製造方法。
  27. 【請求項27】 モニタ基板がバックエッチされた基板
    であることを特徴とする請求項23または26のいずれ
    か1項に記載のX線マスクの製造方法。
  28. 【請求項28】 基板上にX線吸収体を成膜する第1の
    成膜工程、前記X線吸収体の一部を除去し回路パターン
    形成領域を形成する第1のパターン形成工程、基板全面
    に再度X線吸収体を成膜する第2の成膜工程、前記X線
    吸収体に回路パターンを形成する第2のパターン形成工
    程からなるX線マスクの製造方法において、第1のパタ
    ーン形成工程に多層レジストを用いることを特徴とする
    X線マスクの製造方法。
  29. 【請求項29】 基板上にX線吸収体を成膜する第1の
    成膜工程、前記X線吸収体の一部かつ所定の厚さまで除
    去し回路パターン形成領域を形成する第1のパターン形
    成工程、前記X線吸収体の回路パターン形成領域に回路
    パターンを形成する第2のパターン形成工程からなるこ
    とを特徴とするX線マスクの製造方法。
  30. 【請求項30】 第1のパターン形成工程によって形成
    されるX線吸収体の側壁がテーパを有することを特徴と
    する特許請求の範囲第28項または第29項に記載のX
    線マスクの製造方法。
  31. 【請求項31】 シリコン基板上に形成されたX線透過
    層、上記X線透過層上に形成されたX線吸収体パターン
    からなるX線マスクにおいて、かぶり露光防止板を上記
    シリコン基板に設けたことを特徴とするX線マスク。
  32. 【請求項32】 かぶり露光防止板がシリコンを異方性
    エッチングすることにより形成されることを特徴とする
    特許請求の範囲第31項記載のX線マスク。
  33. 【請求項33】 かぶり露光防止板が複数のX線吸収体
    を組み合せて形成したことを特徴とする特許請求の範囲
    第31項記載のX線マスク。
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