【発明の詳細な説明】
発明の名称
Nα-メチルアルギニンを含有する血小板糖たんばくIIb/IIIa
抑制剤の製造方法およびそれに用いる中間体化合物
産業上の利用分野
本発明は血小板糖たんぱくIIb/IIIa抑制剤の合成のための方法およびその
方法で用いる中間体化合物に関する。
発明の背景
血小板の活性化およびその結果としての血小板の凝集および血小板による因子
類の分泌には、心臓血管および脳血管の血栓塞栓性の疾患、例えば不安定アンギ
ナを伴う血栓塞栓性疾患、心筋梗塞、一過性虚血性発作、卒中、アテローム性動
脈硬化症および糖尿病を含む種々の病理生理学的症状が伴う。これらの疾患過程
への血小板の寄与は、特に損傷後の動脈壁において、凝血または血小板血栓を形
成する能力に由来している。
血小板は止血の維持と動脈血栓の発症において必須の役割を演じていることが
知られている。血小板の活性化は、冠動脈血栓溶解の間に増強されることが知ら
れており、これは、遅延した再灌流および再閉塞の原因となる。アスピリン、チ
クロピジンおよび血小板糖たんばくIIb/IIIaに対するモノクローナル抗体を
用いた臨床試験によれば、不安定アンギナ、早期の急性心筋梗塞、一過性虚血性
発作、脳虚血および卒中に血小板が関与しているという生化学的証拠が認められ
た。
血小板は、血小板の形状の変化、顆粒分の分泌および凝血をもたらす広範囲の
種類のアゴニストにより活性化される。血小板の凝集は、一ヶ所に活性化凝固因
子を濃縮することにより、凝結体の形成を更に集中させる。アデノシンジホスフ
ェート(ADP)、セロトニン、アラキドン酸、トロンビンおよびコラーゲンを包
含する幾つかの内因性アゴニストが同定されている。血小板機能の活性化および
凝集に幾つかの内因性アゴニストが関与
しているため、全てのアゴニストに対抗して作用する抑制剤はアゴニスト特異性
の現在使用できる抗血小板剤よりも効果的な抗血小板剤となり得ると考えられる
。
現在の抗血小板剤は1種類のアゴニストに対してのみ有効であり、これらには
、アラキドン酸に対抗して作用するアスピリン、ADPに対抗して作用するチクロ
ピジン、トロンボキサンA2に対抗して作用するトロンボキサンA2合成酵素、
阻害剤または受容体拮抗剤、および、トロンビンに対抗して作用するヒルジンが
含まれる。
最近、全ての知られたアゴニストに共通する経路が発見され、これは血小板糖
たんぱくIIb/IIIa複合体(GPIIb/IIIa)と称されており、血小板凝集を媒
介する膜たんぱくである。GPIIb/IIIaに関する最近の研究は、Phillips等に
よりCell 65:359-362(1991)に記載されている。GPIIb/IIIa拮抗剤の開発
は、抗血小板療法を目的とした確実で新しい方法となっている。GPIIb/IIIa
に対するモノクローナル抗体を用いたヒトにおける最近の研究によれば、GPIIb
/IIIa拮抗剤は抗血栓症剤として有益であることが解っている。
何れのアゴニストにも応答して血小板の活性化および凝集を抑制するようなGP
IIb/IIIa特異的抗血小板剤が現在求められている。このような薬剤は現在使
用できるアゴニスト特異的血小板抑制剤よりも効果的な抗血小板剤療法をもたら
すはずである。
GPIIb/IIIaは未刺激血小板上の可溶性たんぱくには結合しないが、活性化
血小板中のGPIIb/IIIaは4つの可溶性接着たんぱく、即ちフィブリノーゲン
、von Willebrand因子、フィブロネクチンおよびビトロネクチンに結合すること
が知られている。フィブリノーゲンおよびvon Willebrand因子のGPIIb/IIIa
への結合により血小板が凝集する。フィブリノーゲンの結合は部分的にはGPIIb
/IIIaに結合する接着たんぱくに共通のArg-Gly-Asp(RGD)認識配列により媒
介される。
フィブリノーゲン結合をブロックし血小板血栓の形成を防止する幾つかのRGD
含有ペプチドおよび関連化合物が報告されている。例えば、Cadroy等(1989)の
J.Clin.Invest.84:939-944;Klein等の米国特許4,952,562号(8/28/90発行
);欧州特許出願EP 0319506A;欧州特許出願EP 0422938A1;欧州特許出願EP 0
422937A1;欧州特許出願EP 0341915A2;PCT特許出願WO 89/07609;PCT特許出
願WO 90/02751;PCT特許出願WO 91/04247;および欧州特許出願EP 0343085A1
に記載されている。
下記に示す式(I)の化合物の調製は困難である。この種の化合物の合成にお
ける特徴的な難点は、αアミノ基でのみメチル化されるArg誘導体(またはこの
アミノ酸のもう1つの類縁体)の調製である。このアミノ酸を含有するペプチド
を作成する過去の方法においては、比較的高価な出発物質と多段階の合成を必要
とするMeArgの誘導体の合成が行われている。例えば、米国特許出願07/949,085
号に記載の方法は、最初の出発物質としてN−αメチルトシル保護アルギニンを
用いている。即ち、トシル基でグアニジノ官能基において保護されているBoc-Me
Argはトシルアルギニンを出発物質として4段階の方法で調製されている。次に
この誘導体を溶液相または固相法によりペプチドに導入できる。この方法は極め
て費用がかかり、大量調製には容易に適用できない。別法として、MeArgを、Lys
誘導体についてR.M.Freidinger,J.S.Hinkle,D.S.Perlow,B.H.ArisonがJ
.Org.Chem.(1983),48:77-81に記載した一般的な方法を用いてNδ−フタ
リル保護Orn中間体を介してペプチドに導入し、Z.TianおよびR.W.RoeskeのInt
.J.Pept.Prot.Res.(1991),37:425-429およびその参考文献に記載された
合成において後の時点でグアニジノ基を導入できる。しかしながら、この方法は
多くの段階を必要とし高価な方法となっている。
即ち、安価で容易に入手できる出発物質と中間体、安価な結合試薬、除去が困
難で大量の廃棄物が生じる大量溶媒希釈を必用としない化合物の環化方法を用い
てこれらの化合物を製造することのできる方法が必用とされ
ている。本発明は脱水して2-アミノ-4-シアノ酪酸の誘導体を与えるようなGln
の保護形態の使用を包含している。このような2−アミノ−4-シアノ酪酸の誘
導体はZ.Grzonka,B.LiberekのBull.Acad.Pol.Sci.Ser.Sci.Biol.(196
9),17:219-22;T.Yoneta,S.Shibahara,S.Fukatsu,S.SekiのBull.Che
m.Soc.Jpn.(1978);およびM.Wilchek,S.Ariely,A.PatchornikのJ.Org
.Chem.(1968),33:1258-9に記載のとおり、Glnを出発物質として調製され
ており、そして、これらの誘導体はまた、I.Mezo,M.Havranek,I.Teplan,J
.Benes,B.TanacsのActaChim.Acad.Sci.Hung.(1975),85:201-13に記
載のとおりOrnを調製するためにも用いられている。しかしながら、2−アミノ
−4−シアノ酪酸の誘導体はOrnおよびArgのαアミノ基の選択的で効率的なメチ
ル化やこれらをペプチドに組み込むための合成中間体としては使用されていない
。即ち、反応過程にアルキル化反応を挿入すること(Glnからメチル-2-アミノ-
4-シアノ酪酸を介してNα−MeOrn)は、OrnおよびArgのNα-モノアルキル誘導
体への新たな導入をもたらす。本発明は、OrnまたはArgのαアミノ基を選択的に
メチル化しNα-MeArgまたはNα-MeOrnをペプチドに組み込むことの問題点に対す
る新しくよく効率的な方法を含んでいる。
発明の要旨
本発明の目的は式(I)の血小板糖たんぱくIIb/IIIa抑制剤の調製方法を
提供することである。本発明の目的は更に、血小板糖たんぱくIIb/IIIa抑制
剤の調製方法で用いる中間体化合物(式II、III、IV、VおよびVI)を提供する
ことである。本発明の目的は最後に、これらの中間体化合物の調製方法を提供す
ることである。
発明の詳述
本発明は、下記式(I)
の化合物の製造方法において、下記段階:
(a)下記式:
のアミノニトリルのα-アミノ基をアルキル化して、下記式(IV):
の化合物を形成すること;およびアミノ酸誘導体を結合させて下記式:
のニトリルトリペプチドを生成すること;
(b)段階(a)の生成物からニトリル基を還元して下記式:
の化合物を形成すること;
(c)段階(b)の生成物のアミノ基を下記式:
のグアニル化剤と反応させて下記式:
の化合物を生成すること;
(d)段階(c)の生成物のカルボキシル基およびα-アミノ基を脱保護して
下記式:
の化合物を形成すること、および、上記式の化合物を下記式:
のカルボン酸誘導体と結合させて、下記式:
の保護線状ペプチドを生成すること;
(e)段階(d)の生成物の保護基(G)を除去して下記式(III):
の脱保護線状ペプチドを生成すること;
(f)式(III)の脱保護線状ペプチドを環化して下記式(II):
の環状ペプチドを生成すること;
(g)次に、一連の脱保護および/またはアルキル化段階により、式(II)の
化合物を下記式(I):
の化合物に変換すること;
を包含する上記製造方法であって、ただし、式中、
R1は
であり、ここで、
pおよびp′は0または1であり;
R19はC6〜C14飽和、部分飽和または芳香族炭素環系または炭素原子およびN
、O、Sよりなる群から選択されるヘテロ原子の少なくとも1〜3個を有するヘ
テロ環系であり、これらの環系は全て、場合によりR70〜2個で置換されていて
よく;
R17およびR16は独立して、水素、C1〜C4アルキル(場合によりハロゲンで置
換されたもの)、C1〜C2アルコキシ、および、ベンジルよりなる群から選択され
;
R15およびR18は独立して、水素、R80〜2個で置換されたC1〜C8アルキル、
R80〜2個で置換されたC2〜C8アルケニル、R80〜2個で置換されたC2〜C8アル
キニル、R80〜2個で置換されたC3〜C8シクロア
ルキル、R80〜2個で置換されたC6〜C10ビシクロアルキル、R130〜2個で置換
されたアリール、そして、窒素、酸素またはイオウヘテロ原子1〜3個と残りの
原子として炭素を含む原子5〜10個を有するヘテロ環系(場合によりR130〜2
個で置換されたもの)よりなる群から選択され;
R15およびR17は、または、一緒になってR130〜2個で置換された5〜7員
の炭素環を形成することができ;
R18およびR16は、または、一緒になってR130〜2個で置換された5〜7員
の炭素環を形成することができ;
R7は独立して、各々、フェニル、ベンジル、フェネチル、フェノキシ、ベン
ジルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1〜C5アルキル、C3〜C6
シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C7〜C10アリールアルキル、C1
〜C4アルコキシ、-CO2R20、スルホンアミド、ホルミル、C3〜C6シクロアルコキ
シ、-OC(=O)R20、-C(=O)R20、-OC(=O)OR20a、-OR20、-CH2OR20および-NR20R21で
場合により置換されたC1〜C4アルキルよりなる群から選択され;
R8は独立して、各々、=O、F、Cl、Br、I、-CF3、-CN、-CO2R20、-C(=O)NR20
R21、-CH2OR20、-OC(=O)R20、-CH2NR20R21および-NR20R21よりなる群から選択
され;
R13は独立して、各々、フェニル、ベンジル、フェネチル、フェノキシ、ベ
ンジルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1〜C5アルキル、C3〜
C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C7〜C10アリールアルキル、C1
〜C4アルコキシ、-CO2R20、スルホンアミド、ホルミル、C3〜C6シクロアルコキ
シ、-OC(=O)R20、-C(=O)R20、-OC(=O)OR20a、-OR20、-CH2OR20および-NR20R21で
場合により置換されたC1〜C4アルキルよりなる群から選択され;
R20は独立して、各々、H、C1〜C8アルキル、アリール、-(C1〜C6ア
ルキル)アリールおよびC3〜C6アルコキシアルキルよりなる群から選択され;
R20aはR20と同じであるがHではなく;
R21は独立して、各々、H、C1〜C4アルキルおよびベンジルよりなる群から
選択され;
R12はHまたはC1〜C8アルキルであり;
R2はH、C1〜C8アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチ
ル、C1〜C6シクロアルキルエチル、フェニル、フェニルメチル、CH2OH、CH2SH、
CH2OCH3、CH2SCH3、CH2CH2SCH3、(CH2)sNH2、(CH2)sNHC(=NH)(NH2)または(CH2)s
NHR21(ここでsは3〜5)であるか;または、
R12とR2は一緒になって-(CH2)t-または-CH2SC(CH3)2−(ここでtは2〜4)
を形成することができ;
R3はHまたはC1〜C8アルキルまたはC1〜C4アルキルフェニルであり;
R9はH、C1〜C8アルキルであり;
R5はH、C1〜C8アルキルであり;
R11はHまたはC1〜C8アルキルであり;
R4は独立して、各々、
H、
C1〜C8アルキル;
C2〜C8アルケニル;
C2〜C8アルキニル;
C3〜C8シクロアルキル;
C1〜C8アルキル、ただしこれらはハロゲン、フェニル、C1〜C5アルキル、C1
〜C5アルコキシ、NO2、-S(O)0-2(C1〜C5アルキル)、OH、N(R22)2、CO2R22、CO
N(R22)2または-CvFw(ここでv=1〜3、そしてw=1〜(2v+1))よりな
る群から独立して選択された置換基1〜2個で場合
により置換されたアリール;
C3〜C8シクロアルキル;
で置換されたもの;
ハロゲン、フェニル、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、NO2、-S(O)0-2
(C1〜C5アルキル)、OH、N(R22)2、CO2R22、CON(R22)2または-CvFw(ここでv
=1〜3、そしてw=1〜(2v+1))よりなる群から独立して選択された置
換基1〜2個で場合により置換されたアリール;
C2〜C8アルキル、アルケニルまたはアルキニル(ただしこれらはC1〜C4アル
キル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C5アルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ
、ハロゲン、NO2、CN、CO2R22、CON(R22)2、N(R24)COR24、モルホリノ、2-(1
-モルホリノ)エトキシ、N(R22)2、N+(R22)3、OCOCH3、CF3、S(O)0-2R22よりな
る群から独立して選択される置換基1〜2個で置換されたもの);
-CH(R24)OR26;
-CH(R24)OC(=O)R25;
-CH(R24)OC(=O)OR26;
-CH(R24)OC(=O)N(R25)2;
-CH(R24)N(R24)C(=O)R24;
-CH(R24)CO2R25;
-CH(R24)CON(R22)2;
-CH(R24)N(R22)2;
よりなる群から選択され;ここで、
R22は独立してH、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C12アル
キルシクロアルキル、アリール、-(C1〜C10アルキル)アリール、またはC3〜C1 0
アルコキシアルキルよりなる群から選択され;
R22基2個が単一のNに結合している場合は、そのR22基はあるいは一緒にな
って-(CH2)2-5-または-(CH2)O(CH2)-を形成することができ;
R24は独立して、H、C1〜C8アルキル、C3〜C10シクロアルキル、フェニル、
またはベンジルよりなる群から選択され;
R25は、
H;
C1〜C8アルキルまたはC3〜C8シクロアルキル、ただしアルキルまたはシクロ
アルキルが、
C1〜C4アルキル;
C3〜C8シクロアルキル:
C1〜C5アルコキシ;
ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-S(C1
〜C5アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH、-N(R22
)2、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ここでv=
1〜3そしてw=1〜(2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜
2個で置換されたアリール;
から独立して選択される基1〜2個で置換されているもの;
ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-S(C1〜C5
アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH、-N(R22)2
、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ここでv=1〜3そしてw=1〜(
2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜2個で置換されたアリー
ル;
よりなる群から選択され;
R26は、
C1〜C8アルキルまたはC3〜C8シクロアルキル、ただしアルキルまたはシクロ
アルキルが、
C1〜C4アルキル;
C3〜C8シクロアルキル;
C1〜C5アルコキシ;
ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-S(C1
〜C5アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH、-N(R22
)2、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ここでv=1〜3そしてw=1
〜(2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜2個で置換されたア
リール;
から独立して選択される基1〜2個で置換されているもの;
ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-S(C1〜C5
アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH、-N(R22)2
、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ここでv=1〜3そしてw=1〜(
2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜2個で置換されたアリー
ル;
よりなる群から選択され;
R27は、
H;
C1〜C8アルキルまたはC3〜C8シクロアルキル、ただしアルキルまたはシクロ
アルキルが、
(i) C1〜C6アルキル;
(ii) C1〜C6アルコキシ;
(iii) ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-
S(C1〜C5アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH
、-N(R22)2、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ここでv=1〜3そして
w=1〜(2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜2個で置換さ
れたアリール;
から独立して選択される基1〜2個で置換されているもの;
ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-S(C1〜C5
アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH、-N(R22)2
、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ここでv=1〜3そしてw=1〜(
2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜2個で置換されたアリー
ル;
よりなる群から選択され;
R28は、H、C1〜C5アルキルまたはベンジルよりなる群から選択され;
R6はCH2CO2Yであり;
nは1〜4であり;
mは0〜3であり;
WおよびGはHまたはアミン保護基であり、そして独立して、ホルミル、トリ
フルオロアセチル、フタリルおよびp−トルエンスルホニルのようなアシル型;
ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1-(
p-ビフェニル)-1-メチルエトキシカルボニル、
および9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)のような芳香族カーバ
メート型;t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプ
ロピルメトキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニルのような脂肪族カーバ
メート型;シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニ
ルのような環状アルキルカーバメート型;トリフェニルメチルおよびベンジルの
ようなアルキル型;トリメチルシランのようなトリアルキルシラン;およびフェ
ニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルアルキルウレタンのようなチオー
ル含有型;O-ニトロフェニルスルフェニル(NPS)およびO-ニトロピリジルス
ルフェニル(NPYS)のようなスルフェニル型;よりなる群から選択され;
YはHまたは適当なカルボキシレート保護基であり、そして、C1〜C8アルキル
、C5〜C8シクロアルキルアルキルおよびt-ブチルのようなアルキルエステル;
ベンジル、置換ベンジル、トリフェニルメチル、ジフェニルメチル、ペンタメチ
ルベンジル、テトラメチルベンジルおよびトリメチルベンジルのようなアリール
エステル;またはトリクロロエチルおよびフェナシルエステルのような、アシド
リシス、穏やかな塩基処理または穏やかな還元手段により脱離できるエステルよ
りなる群から選択でき;その他の保護基はCH2CH2CN、トリアルキルシリル、フタ
ルイミドメチル、アントリルメチル、フェニルフルオレニル、4-ピコリルおよ
びフェナシルであることができ;
XXはHまたは適当なアミン保護基であり、そしてホルミル、トリフルオロアセ
チル、フタリルおよびp−トルエンスルホニルのようなアシル型;ベンジルオキ
シカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1-(p−ビフェニ
ル)-1-メチルエトキシカルボニル、および9-フルオレニルメチルオキシカル
ボニル(Fmoc)のような芳香族カーバメート型;t-ブチルオキシカルボニル(B
oc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニルおよびアリルオ
キシカルボニルのような脂肪
族カーバメート型;シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシ
カルボニルのような環状アルキルカーバメート型;トリフェニルメチルおよびベ
ンジルのようなアルキル型;トリメチルシランのようなトリアルキルシラン;お
よびフェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルアルキルウレタンのよう
なチオール含有型;O-ニトロフェニルスルフェニル(NPS)、O-ニトロピリジ
ルスルフェニル(NPYS)、2,3,6-トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンア
ミド(Mtr-NR2)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb-NR2)、2,
6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mds-NR2)、ペンタメチルベ
ンゼンスルホンアミド(Pme-NR2)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼ
ンスルホンアミド(Mte-NR2)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs-NR2
)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts-NR2)、2,6-ジメトキシ-4
-メトキシベンゼンスルホンアミド(iMds-NR2)、および2,2,5,7,8-ペンタメチ
ルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc-NR2)のようなスルフェニル型;よりなる
群から選択され;そして、
ZはSO3 -、S-アルキル、O-アルキルまたはヒドロキシルアミンのO-置換誘
導体のような脱離基であるような上記方法に関する。
本発明はまた、下記式(I):
の化合物の製造方法において、下記段階:
(a)下記式:
のアミノニトリルをアルキル化して、下記式(IV):
の化合物を生成すること、上記式(IV)の化合物を一連の脱保護段階を経て変換
すること、およびアミノ酸誘導体と結合させて下記式(V):
の保護されたニトリルトリペプチドを生成すること;
(b)式(V)の化合物を下記式:
〔式中Gは適当なアミン保護基である〕のカルボン酸誘導体と結合させて、下記
式:
の保護された線状ペプチドを生成すること;
(c)段階(b)の生成物の保護基を除去して下記式:
の脱保護された線状ペプチドを生成すること;
(d)段階(c)の生成物の脱保護された線状ペプチドを環化して下記式(VI
):
の環状ペプチドを生成すること;
(e)段階(d)の生成物からニトリルを還元して、下記式:
の化合物を形成すること;
(f)段階(e)の生成物を下記式:
のグアニル化剤と反応させて、直接式Iの化合物とするか、または、一連の脱保
護および/またはアルキル化段階を経て下記式(I):
の化合物に変換すること、
を包含する上記製造方法であって、ただし、式中、R1〜R28およびその他の全て
の基は前記したとおりであるような上記方法を提供する。
好ましい実施態様においては、上記した方法は、
nが3であり;
R19が、
よりなる群から選択され;
R15およびR18は独立して、H、C1〜C4アルキル、フェニル、ベンジル、フェ
ニル-(C2〜C4)アルキル、C1〜C4アルコキシよりなる群から選択され;
R17およびR16は独立して、HまたはC1〜C4アルキルよりなる群から選択され
;
R7はH、C1〜C8-アルキル、フェニル、ハロゲンまたはC1〜C4アルコキシで
あり;
R11はHまたはC1〜C3アルキルであり;
R12はHまたはCH3であり;
R3はH、C1〜C8アルキルであり;
R9はH、C1〜C3アルキルであり;
R5はH、C1〜C3アルキルであり;
R4は独立して、H、
C1〜C8アルキル;
C2〜C8アルケニル;
C2〜C8アルキニル;
C3〜C8シクロアルキル;
C1〜C8アルキル、ただし、
ハロゲン、フェニル、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、NO2、-S(O)0-2
(C1〜C5アルキル)、OH、N(R22)2、CO2R22、CON(R22)2または-CvFw(ただしv
=1〜3そしてw=1〜(2v+1))よりなる群から独立して選択される基1
〜2個で場合により置換されたアリール;
C3〜C8シクロアルキル;および
で置換されたもの;
ハロゲン、フェニル、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、NO2、-S(O)0-2
(C1〜C5アルキル)、OH、N(R22)2、CO2R22、CON(R22)2または-CvFw(ただしv
=1〜3そしてw=1〜(2v+1))よりなる群から独立して選択された置換
基1〜2個で場合により置換されたアリール;
C2〜C8アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ただしこれらはC1〜C4アル
キル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C5アルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ
、ハロゲン、NO2、CN、CO2R22、CON(R22)2、N(R24)COR24、モルホリノ、2-(1
-モルホリノ)エトキシ、N(R22)2、N+(R22)3、OCOCH3、CF3、S(O)0-2R22aよりな
る群から独立して選択される置換基1〜2個で置換されたもの;
-CH(R24)OR26;
-CH(R24)OC(=O)R25;
-CH(R24)OC(=O)OR26;
-CH(R24)OC(=O)N(R25)2;
-CH(R24)CO2R25;
よりなる群から選択される式(I)の化合物を提供する。
最も好ましい実施態様においては、上記した方法は、
R2はHまたはC1〜C4アルキルであり;
R5、R9、R16、R17およびR18はHであり;
R11およびR12はHまたはCH3であり;
R15はH、C1〜C4アルキル、フェニル、ベンジルまたはフェニル-(C2〜C4)ア
ルキルであり;
そして、
R3はHまたはC1〜C3アルキルであり;
R4はH、
-CH(R24)OC(=O)R25;
-CH(R24)OC(=O)OR26;
-CH2OC(=O)N(R25)2;
-CH2CH2N(R22)2;
-CH(R24)CO2R25;
よりなる群から独立して選択され;ここで、
R24はH、C1〜C8アルキル、フェニルまたはベンジルよりなる群から独立して
選択され;そして、
R27はC1〜C5アルキル、ベンジルまたはフェニルよりなる群から選択される式
(I)の化合物を提供する。
特に好ましい実施態様においては、上記した方法は、
nが3であり;
pは0であり、p′は1であり;
R19はフェニルであり、R5、R9、R11およびR12はHであり;
R2はエチルであり;
R3はメチルであり;
そして、R4は、
H;
-CH(R24)OC(=O)R25;
-CH(R24)OC(=O)OR26;および
よりなる群から選択され;ここで、
R24はC1〜C4線状アルキルまたはHであり;そして、
R27はC1〜C4アルキル、ベンジルまたはフェニルであるような式(I)の化合
物を提供する。
本発明はまた、下記式(IV):
の中間体化合物の製造方法において、下記段階:
(a)下記式:
の化合物のカルボキサミド基を脱水して相当するニトリルとすることにより下記
式:
の化合物を生成すること;
(b)次に適当なアルキル化剤を用いてα-アミノ基において段階(a)の生
成物を選択的にアルキル化して上記式(IV)の化合物を生成すること、を包含す
る上記製造方法であって、ただし式中、
R3はHまたはC1〜C8アルキルであり;
mは0〜3であり;そして、
Wは適当なアミン保護基であり、そしてホルミル、トリフルオロアセチル、フ
タリルおよびp-トルエンスルホニルのようなアシル型;ベンジルオキシカルボ
ニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフェニル)-1-
メチルエトキシカルボニル、および9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(F
moc)のような芳香族カーバメート型;t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、エ
トキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニルおよびアリルオキシカル
ボニルのような脂肪族カ
ーバメート型;シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカル
ボニルのような環状アルキルカーバメート型;トリフェニルメチルおよびベンジ
ルのようなアルキル型;トリメチルシランのようなトリアルキルシラン:および
フェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルアルキルウレタンのようなチ
オール含有型よりなる群から選択される、
上記方法を提供する。
更にまた本発明は、下記式:
の中間体化合物の製造方法において、下記式(III):
の化合物を環化する段階を包含する上記製造方法であって、ただし、式中、
R1は
であり、ここで、
pおよびp′は0または1であり;
R19はC6〜C14飽和、部分飽和または芳香族炭素環系または炭素原子およびN
、O、Sよりなる群から選択されるヘテロ原子の少なくとも1〜3個を有するヘ
テロ環系であり、これらの環系は全て、場合によりR70〜2個で置換されていて
よく;
R17およびR16は独立して、水素、C1〜C4アルキル(場合によりハロゲンで置
換されたもの)、C1〜C2アルコキシ、および、ベンジルよりなる群から選択され
;
R15およびR18は独立して、水素、R80〜2個で置換されたC1〜C8アルキル、
R80〜2個で置換されたC2〜C8アルケニル、R80〜2個で置換されたC2〜C8アル
キニル、R80〜2個で置換されたC3〜C8シクロアルキル、R80〜2個で置換され
たC6〜C10ビシクロアルキル、R130〜2個で置換されたアリール、そして、窒素
、酸素またはイオウヘテロ原子1〜3個と残りの原子として炭素を含む原子5〜
10個を有するヘテロ環系(場合によりR130〜2個で置換されたもの)よりなる
群から選択され;
R15およびR17は、または、一緒になってR130〜2個で置換された5〜7員
の炭素環を形成することができ;
R18およびR16は、または、一緒になってR130〜2個で置換された5〜7員
の炭素環を形成することができ;
R7は独立して、各々、フェニル、ベンジル、フェネチル、フェノキシ、ベン
ジルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1〜C5
アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C7〜C10アリ
ールアルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2R20、スルホンアミド、ホルミル、C3〜C6
シクロアルコキシ、-OC(=O)R20、-C(=O)R20、-OC(=O)OR20a、-OR20、-CH2OR20
および-NR20R21で場合により置換されたC1〜C4アルキルよりなる群から選択され
;
R8は独立して、各々、=O、F、Cl、Br、I、-CF3、-CN、-CO2R20、-C(=O)NR20
R21、-CH2OR20、-OC(=O)R20、-CH2NR20R21および-NR20R21よりなる群から選択
され;
R13は独立して、各々、フェニル、ベンジル、フェネチル、フェノキシ、ベ
ンジルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1〜C5アルキル、C3〜
C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C7〜C10アリールアルキル、C1
〜C4アルコキシ、-CO2R20、スルホンアミド、ホルミル、C3〜C6シクロアルコキ
シ、-OC(=O)R20、-C(=O)R20、-OC(=O)OR20a、-OR20、-CH2OR20および-NR20R21で
場合により置換されたC1〜C4アルキルよりなる群から選択され;
R20は独立して、各々、H、C1〜C8アルキル、アリール、-(C1〜C6アルキル
)アリールおよびC3〜C6アルコキシアルキルよりなる群から選択され;
R20aはR20と同じであるがHではなく;
R21は独立して、各々、H、C1〜C4アルキルおよびベンジルよりなる群から
選択され;
R12はHまたはC1〜C8アルキルであり;
R2はH、C1〜C8アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチ
ル、C1〜C6シクロアルキルエチル、フェニル、フェニルメチル、CH2OH、CH2SH、
CH2OCH3、CH2SCH3、CH2CH2SCH3、(CH2)sNH2、(CH2)sNHC(=NH)(NH2)または(CH2)s
NHR21(ここでsは3〜5)であるか;または、
R12とR2は一緒になって-(CH2)t-または-CH2SC(CH3)2-(ここでtは2〜4)を
形成することができ;
R3はHまたはC1〜C8アルキルであり;
R9はH、C1〜C8アルキルであり;
R5はH、C1〜C8アルキルであり;
R11はHまたはC1〜C8アルキルであり;
R6はCH2CO2Yであり;
Yは適当なカルボキシレート保護基であり、そして、C1〜C8アルキル、C5〜C8
シクロアルキルアルキルおよびt−ブチルのようなアルキルエステル;ベンジル
、置換ベンジル、トリフェニルメチル、ジフェニルメチル、ペンタメチルベンジ
ル、テトラメチルベンジルおよびトリメチルベンジルのようなアリールエステル
;またはトリクロロエチルおよびフェナシルエステルのような、アシドリシス、
穏やかな塩基処理または穏やかな還元手段により脱離できるエステルよりなる群
から選択でき;その他の保護基はCH2CH2CN、トリアルキルシリル、フタルイミド
メチル、アントリルメチル、フェニルフルオレニル、4-ピコリルおよびフェナ
シルであることができ;そして、
XXはHまたは適当なアミン保護基であり、そしてホルミル、トリフルオロアセ
チル、フタリルおよびp-トルエンスルホニルのようなアシル型;ベンジルオキ
シカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1-(p−ビフェニ
ル)-1-メチルエトキシカルボニル、および9-フルオレニルメチルオキシカル
ボニル(Fmoc)のような芳香族カーバメート型;t-ブチルオキシカルボニル(B
oc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニルおよびアリルオ
キシカルボニルのような脂肪族カーバメート型;シクロペンチルオキシカルボニ
ルおよびアダマンチルオキシカルボニルのような環状アルキルカーバメート型;
トリフェニルメチルおよびベンジルのようなアルキル型;トリメチルシランのよ
うなトリ
アルキルシラン;およびフェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルアル
キルウレタンのようなチオール含有型;O-ニトロフェニルスルフェニル(NPS)
、O-ニトロピリジルスルフェニル(NPYS)、2,3,6-トリメチル-4-メトキシベ
ンゼンスルホンアミド(Mtr-NR2)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミ
ド(Mtb-NR2)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mds-NR2)
、ペンタメチルベンゼンスルホンアミド(Pme-NR2)、2,3,5,6-テトラメチル-4
-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte-NR2)、4-メトキシベンゼンスルホン
アミド(Mbs-NR2)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts-NR2)、2,
6-ジメトキシ-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(iMds-NR2)、および2,2,5,
7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc-NR2)のようなスルフェニ
ル型;よりなる群から選択される、
上記方法を提供する。
好ましい実施態様においては、上記した方法は、
nが3であり;
R19が、
よりなる群から選択され;
R15およびR18は独立して、H、C1〜C4アルキル、フェニル、ベンジル、フェ
ニル-(C2〜C4)アルキル、C1〜C4アルコキシよりなる群から選択
され;
R17およびR16は独立して、HまたはC1〜C4アルキルよりなる群から選択され
;
R7はH、C1〜C8-アルキル、フェニル、ハロゲンまたはC1〜C4アルコキシで
あり;
R11はHまたはC1〜C3アルキルであり;
R12はHまたはCH3であり;
R9はH、C1〜C3アルキルであり;
R5はH、C1〜C3アルキルであり;
そして、XXはt-Boc、アシル、フタリル、O-ニトロフェニルスルフェニル、Cb
z、Fmoc、およびフルオレニルフェニルよりなる群から選択される式(II)の中
間体化合物を提供する。
より好ましい実施態様においては、上記した方法は、
R2はHまたはC1〜C4アルキルであり;
R5、R9、R16、R17およびR18はHであり;
R11およびR12はHまたはCH3であり;
あるいは、R2およびR12は一緒になって-(CH2)3-を形成し;
R15はH、C1〜C4アルキル、フェニル、ベンジルまたはフェニル-(C2〜C4)ア
ルキルであり;
そして、
R3はHまたはC1〜C3アルキルである式(II)の中間体化合物を提供する。
上記した方法は特に、
pが0、p′が1であり;
nが3であり;
R19はフェニルであり;
R5、R9、R11およびR12はHであり;
R2はエチルであり;
R3はメチルであり;
R6はCH2-OBn、CH2-OtBuまたはCH2-O-t-Bocであり;そして、
XXはCbzまたはBocである式(II)の中間体化合物を提供する。
本発明はまた、式(I)の化合物の調製のための記載した方法において用いる
中間体化合物を提供する。このような中間体化合物は、下記式:
および
〔式中、R1は
であり、ここで、
pおよびp′は0または1であり;
R19はC6〜C14飽和、部分飽和または芳香族炭素環系または炭素原子およびN
、O、Sよりなる群から選択されるヘテロ原子の少なくとも1〜3個を有するヘ
テロ環系であり、これらの環系は全て、場合によりR70〜2個で置換されていて
よく;
R17およびR16は独立して、水素、C1〜C4アルキル(場合によりハロゲンで置
換されたもの)、C1〜C2アルコキシ、および、ベンジルよりなる群から選択され
;
R15およびR18は独立して、水素、R80〜2個で置換されたC1〜C8アルキル、
R80〜2個で置換されたC2〜C8アルケニル、R80〜2個で置換されたC2〜C8アル
キニル、R80〜2個で置換されたC3〜C8シクロアルキル、R80〜2個で置換され
たC6〜C10ビシクロアルキル、R130〜2個で置換されたアリール、そして、窒素
、酸素またはイオウヘテロ原子1〜3個と残りの原子として炭素を含む原子5〜
10個を有するヘテロ環系(場合によりR130〜2個で置換されたもの)よりなる
群から選択され;
R15およびR17は、または、一緒になってR130〜2個で置換された5〜7員
の炭素環を形成することができ;
R18およびR16は、または、一緒になってR130〜2個で置換された5〜7員
の炭素環を形成することができ;
R7は独立して、各々、フェニル、ベンジル、フェネチル、フェノキシ、ベン
ジルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1〜C5アルキル、C3〜C6
シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C7〜C10アリールアルキル、C1
〜C4アルコキシ、-CO2R20、スルホンアミド、ホルミル、C3〜C6シクロアルコキ
シ、-OC(=O)R20、-C(=O)R20、-OC(=O)OR20a、-OR20、-CH2OR20および-NR20R21で
場合により置換されたC1〜C4アルキルよりなる群から選択され;
R8は独立して、各々、=O、F、Cl、Br、I、-CF3、-CN、-CO2R20、-C(=O)NR20
R21、-CH2OR20、-OC(=O)R20、-CH2NR20R21および-NR20R21よりなる群から選択
され;
R13は独立して、各々、フェニル、ベンジル、フェネチル、フェノキシ、ベ
ンジルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C1〜C5アルキル、C3〜
C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチル、C7〜C10アリールアルキル、C1
〜C4アルコキシ、-CO2R20、スルホンアミド、ホルミル、C3〜C6シクロアルコキ
シ、-OC(=O)R20、-C(=O)R20、
-OC(=O)OR20a、-OR20、-CH2OR20および-NR20R21で場合により置換されたC1〜C4
アルキルよりなる群から選択され;
R20は独立して、各々、H、C1〜C8アルキル、アリール、-(C1〜C6アルキル
)アリールおよびC3〜C6アルコキシアルキルよりなる群から選択され;
R20aはR20と同じであるがHではなく;
R21は独立して、各々、H、C1〜C4アルキルおよびベンジルよりなる群から
選択され;
R12はHまたはC1〜C8アルキルであり;
R2はH、C1〜C8アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルキルメチ
ル、C1〜C6シクロアルキルエチル、フェニル、フェニルメチル、CH2OH、CH2SH、
CH2OCH3、CH2SCH3、CH2CH2SCH3、(CH2)sNH2、(CH2)sNHC(=NH)(NH2)または(CH2)s
NHR21(ここでsは3〜5)であるか;または、
R12とR2は一緒になって-(CH2)t-または-CH2SC(CH3)2-(ここでtは2〜4)を
形成することができ;
R3はHまたはC1〜C8アルキルであり;
R9はH、C1〜C8アルキルであり;
R5はH、C1〜C8アルキルであり;
R11はHまたはC1〜C8アルキルであり;
R6はCH2CO2YまたはCH2CO2R4であり;
R4は独立して、各々、
H、
C1〜C8アルキル;
C2〜C8アルケニル;
C2〜C8アルキニル;
C3〜C8シクロアルキル;
C1〜C8アルキル、ただしこれらはハロゲン、フェニル、C1〜C5アルキル、C1
〜C5アルコキシ、NO2、-S(O)0-2(C1〜C5アルキル)、OH、N(R22)2、CO2R22、CO
N(R22)2または-CvFw(ここでv=1〜3、そしてw=1〜(2v+1))よりな
る群から独立して選択された置換基1〜2個で場合により置換されたアリール;
C3〜C8シクロアルキル;
で置換されたもの;
ハロゲン、フェニル、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、NO2、-S(O)0-2
(C1〜C5アルキル)、OH、N(R22)2、CO2R22、CON(R22)2または-CvFw(ここでv
=1〜3、そしてw=1〜(2v+1))よりなる群から独立して選択された置
換基1〜2個で場合により置換されたアリール;
C2〜C8アルキル、アルケニルまたはアルキニル(ただしこれらはC1〜C4アル
キル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C5アルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ
、ハロゲン、NO2、CN、CO2R22、CON(R22)2、N(R24)COR24、モルホリノ、2-(1
-モルホリノ)エトキシ、N(R22)2、N+(R22)3、OCOCH3、CF3、S(O)0-2R22よりな
る群から独立して選択される置換基1〜2個で置換されたもの);
-CH(R24)OR26;
-CH(R24)OC(=O)R25;
-CH(R24)OC(=O)OR26;
-CH(R24)OC(=O)N(R25)2;
-CH(R24)N(R24)C(=O)R24;
-CH(R24)CO2R25;
-CH(R24)CON(R22)2;
-CH(R24)N(R22)2;
よりなる群から選択され;ここで、
R22は独立してH、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C12アル
キルシクロアルキル、アリール、-(C1〜C10アルキル)アリール、またはC3〜C1 0
アルコキシアルキルよりなる群から選択され;
R22基2個が単一のNに結合している場合は、そのR22基はあるいは一緒にな
って-(CH2)2-5-または-(CH2)O(CH2)-を形成することができ;
R24は独立して、H、C1〜C8アルキル、C3〜C10シクロアルキル、フェニル、
またはベンジルよりなる群から選択され;
R25は、
H;
C1〜C8アルキルまたはC3〜C8シクロアルキル、ただしアルキルまたはシクロ
アルキルが、
C1〜C4アルキル;
C3〜C8シクロアルキル;
C1〜C5アルコキシ;
ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、
-S(C1〜C5アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH
、-N(R22)2、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ただしv=1〜3そして
w=1〜(2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜2個で置換さ
れたアリール;
から独立して選択される基1〜2個で置換されているもの;
ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-S(C1〜C5
アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH、-N(R22)2
、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ただしv=1〜3そしてw=1〜(
2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜2個で置換されたアリー
ル;
よりなる群から選択され;
R26は、
C1〜C8アルキルまたはC3〜C8シクロアルキル、ただしアルキルまたはシクロ
アルキルが、
C1〜C4アルキル;
C3〜C8シクロアルキル;
C1〜C5アルコキシ;
ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-S(C1
〜C5アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH、-N(R22
)2、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ただしv=1〜3そしてw=1
〜(2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜2個で置換されたア
リール;
から独立して選択される基1〜2個で置換されているもの;
ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-S(C1〜C5
アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH、-N(R22)2
、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ただしv=1〜3そしてw=1〜(
2v+1))よりなる群から独立して選択される基
0〜2個で置換されたアリール;
よりなる群から選択され;
R27は、
H;
C1〜C8アルキルまたはC3〜C8シクロアルキル、ただしアルキルまたはシクロ
アルキルが、
(i) C1〜C6アルキル;
(ii) C1〜C6アルコキシ;
(iii) ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-
S(C1〜C5アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH
、-N(R22)2、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ただしv=1〜3そして
w=1〜(2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜2個で置換さ
れたアリール;
から独立して選択される基1〜2個で置換されているもの;
ハロゲン、フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、NO2、-S(C1〜C5
アルキル)、-SO(C1〜C5アルキル)、-SO2(C1〜C5アルキル)、-OH、-N(R22)2
、-CO2R22、-C(=O)N(R22)2、または-CvFw(ただしv=1〜3そしてw=1〜(
2v+1))よりなる群から独立して選択される基0〜2個で置換されたアリー
ル;
よりなる群から選択され;
R28は、H、C1〜C5アルキルまたはベンジルよりなる群から選択され;
nは1〜4であり;
mは0〜3であり;
YはHまたは適当なカルボキシレート保護基であり、そして、C1〜C8アルキル
、C5〜C8シクロアルキルアルキルおよびt−ブチルのようなアルキルエステル:
ベンジル、置換ベンジル、トリフェニルメチル、ジフェニル
メチル、ペンタメチルベンジル、テトラメチルベンジルおよびトリメチルベンジ
ルのようなアリールエステル;またはトリクロロエチルおよびフェナシルエステ
ルのような、アシドリシス、穏やかな塩基処理または穏やかな還元手段により脱
離できるエステルよりなる群から選択でき;その他の保護基はCH2CH2CN、トリア
ルキルシリル、フタルイミドメチル、アントリルメチル、フェニルフルオレニル
、4-ピコリルおよびフェナシルであることができ;
WはHまたはアミン保護基であり、そして独立して、ホルミル、トリフルオロ
アセチル、フタリルおよびp-トルエンスルホニルのようなアシル型:ベンジル
オキシカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフ
ェニル)-1-メチルエトキシカルボニル、および9-フルオレニルメチルオキシ
カルボニル(Fmoc)のような芳香族カーバメート型;t-ブチルオキシカルボニ
ル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニルおよびア
リルオキシカルボニルのような脂肪族カーバメート型;シクロペンチルオキシカ
ルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニルのような環状アルキルカーバメー
ト型;トリフェニルメチルおよびベンジルのようなアルキル型;トリメチルシラ
ンのようなトリアルキルシラン;およびフェニルチオカルボニルおよびジチアス
クシノイルアルキルウレタンのようなチオール含有型;O-ニトロフェニルスル
フェニル(NPS)およびニトロピリジルスルフェニル(NPYS)のようなスルフェ
ニル型;よりなる群から選択され;
XXはHまたは適当なアミン保護基であり、そしてホルミル、トリフルオロアセ
チル、フタリルおよびp-トルエンスルホニルのようなアシル型;ベンジルオキ
シカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフェニ
ル)-1-メチルエトキシカルボニル、および9-フルオレニルメチルオキシカル
ボニル(Fmoc)のような芳香族カーバメート型;t-ブチルオキシカルボニル(B
oc)、エトキシカルボニル、ジイソ
プロピルメトキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニルのような脂肪族カー
バメート型;シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボ
ニルのような環状アルキルカーバメート型;トリフェニルメチルおよびベンジル
のようなアルキル型;トリメチルシランのようなトリアルキルシラン;およびフ
ェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルアルキルウレタンのようなチオ
ール含有型;O-ニトロフェニルスルフェニル(NPS)、ニトロピリジルスルフェ
ニル(NPYS)、2,3,6-トリメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr-NR2
)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb-NR2)、2,6-ジメチル-
4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mds-NR2)、ペンタメチルベンゼンスルホ
ンアミド(Pme-NR2)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンア
ミド(Mte-NR2)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs-NR2)、2,4,6-ト
リメチルベンゼンスルホンアミド(Mts-NR2)、2,6-ジメトキシ-4-メトキシベ
ンゼンスルホンアミド(iMds-NR2)、および2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-
6-スルホンアミド(Pmc-NR2)のようなスルフェニル型;よりなる群から選択さ
れる〕
の構造を有する。
式II、III、IVおよびVの好ましい中間体化合物は、
WおよびXXは独立してCbzまたはt-Bocであり;
R19が、
よりなる群から選択され;
R15およびR18は独立して、H、C1〜C4アルキル、フェニル、ベンジル、フェ
ニル-(C2〜C4)アルキル、C1〜C4アルコキシよりなる群から選択され;
R17およびR16は独立して、HまたはC1〜C4アルキルよりなる群から選択され
;
R7はH、C1〜C8-アルキル、フェニル、ハロゲンまたはC1〜C4アルコキシで
あり;
R11はHまたはC1〜C3アルキルであり;
R12はHまたはCH3であり;
R9はH、C1〜C3アルキルであり;
R5はH、C1〜C3アルキルであり;
R4は独立して、各々、
H;
C1〜C8アルキル;
C2〜C8アルケニル;
C2〜C8アルキニル;
C3〜C8シクロアルキル;
C1〜C8アルキル、ただし、ハロゲン、フェニル、C1〜C5アルキル、C1〜C5ア
ルコキシ、NO2、-S(O)0-2(C1〜C5アルキル)、OH、N(R22)2、CO2R22、CON(R22)2
、または-CvFw(ただしv=1〜3、そしてw=1〜(2v+1))よりなる群
から独立して選択される基1〜2個で場合により置換されたアリール;
C3〜C8シクロアルキル;
で置換されたもの;
ハロゲン、フェニル、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、NO2、-S(O)0-2(
C1〜C5アルキル)、OH、N(R22)2、CO2R22、CON(R22)2または-CvFw(ただしv=1
〜3、そしてw=1〜(2v+1))よりなる群から独立して選択される基1〜
2個で場合により置換されたアリール;
C2〜C8アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ただしC1〜C4アルキル、C3
〜C8シクロアルキル、C1〜C5アルコキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロゲ
ン、NO2、CN、CO2R22、CON(R22)2、N(R24)COR24、モルホリノ、2-(1-モルホ
リノ)エトキシ、N(R22)2、N+(R22)3、OCOCH3、CF3、S(O)0-2R22よりなる群から
独立して選択される置換基1〜2個で置換されたもの;
-CH(R24)OR26;
-CH(R24)OC(=O)R25;
-CH(R24)OC(=O)OR26;
-CH(R24)OC(=O)N(R25)2;
-CH(R24)CO2R25;
よりなる群から選択され、
mは2であり、そしてnが3であるような化合物である。
式II、III、IVおよびVのもっとも好ましい中間体化合物は、
R2はHまたはC1〜C4アルキルであり;
R5、R9、R16、R17およびR18はHであり;
R11およびR12はHまたはCH3であり;
R15はH、C1〜C4アルキル、フェニル、ベンジルまたはフェニル-(C2
〜C4)アルキルであり;
R3はHまたはC1〜C3であり;
R4は、
H;
-CH(R24)OC(=O)R25;
-CH(R24)OC(=O)OR26;
-CH2OC(=O)N(R25)2;
-CH2CH2N(R22)2;
-CH(R24)CO2R25;
よりなる群から選択され;ここで、
R24はH、C1〜C8アルキル、フェニルまたはベンジルであり;
R27はC1〜C5アルキル、ベンジルまたはフェニルであり;
そしてmが2であり、nが3であるような化合物である。
式II、III、IVおよびVの特に好ましい化合物は、
pは0であり、p′は1であり;
R19はフェニルであり;
R5、R9、R11、R12およびR14はHであり;
R2はエチルであり;
R3はメチルであり;
mは2であり、nは3であり; R6はCH2-OBn、CH2-OtBu、またはCH2-O-tBoc
であり;
R4は、
H;
-CH(R24)OC(=O)R25;
-CH(R24)OC(=O)OR26;
よりなる群から選択され;ここで、
R24はC1〜C4線状アルキルまたはHであり;
R27はC1〜C4アルキル、ベンジルまたはフェニルであり;そして、
XXはCbzまたはBocであるような化合物である。
式(I)の化合物は、同時係属中の、本出願人に譲渡された、米国特許出願代
理人整理番号BP6543-B、発明者:DeGrado等の本出願と同日に提出された明細書
に記載されており、その内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載した化合物は立体異性中心を有する。特段の記載が無い限り、
全てのキラル、ジアステレオマーおよびラセミ形態は、本発明に包含されるもの
とする。オレフィン、C=N二重結合等の多くの幾何異性体もまた本明細書に記載
した化合物中に存在することができ、全てこれらの安定な異性体は本発明に包含
されるものとする。ペプチド結合の2つの明らかな異性体(シスおよびトランス
)が存在することが知られているが、これらは両方とも明細書に記載した化合物
中に存在でき、全てこのような安定な異性体は本発明に包含されるものとする。
特に記載しない限り、アミノ酸のL-異性体は本発明の好ましい立体異性体であ
る。特定のアミノ酸のDおよびL-異性体は、例えばD-LeuまたはL-Leuのように
アミノ酸で従来用いられている3文字の略記方法で記載する。
変数(例えばR1〜R8、m、n、p、W、Yなど)が何れかの構成成分または何
れかの式において1つより多く存在する場合は、存在する各々につき、その定義
はその他各々のものにおける定義とは独立したものとする。また、置換基および
/または変数の組み合わせはそのような組み合わせが
安定な化合物を与える場合にのみ許されるものとする。
本明細書においては、「アルキル」とは炭素原子を特定された個数有する分枝
鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含するものであり、「アルコキ
シ」とは酸素架橋を介して連結した炭素原子を指定の数有するアルキル基を指し
、「シクロアルキル」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルのような飽和環基を包含
するものとし、そして、「ビシクロアルキル」とは、〔3.3.0〕ビシクロオクタ
ン、〔4.3.0〕ビシクロノナン、〔4.4.0〕ビシクロデカン(デカリン)、〔2.2.
2〕ビシクロオクタンなどのような飽和2環基を包含するものとする。「アルケ
ニル」とは、エテニル、プロペニル等のような、直鎖または分枝鎖の構造を有し
、そして鎖に沿っていずれかの安定な点に存在する1つ以上の不飽和炭素−炭素
結合を有するような炭化水素鎖を包含し、「アルキニル」とは、エチニル、プロ
ピニル等のような、直鎖または分枝鎖の構造を有し、そして鎖に沿っていずれか
の安定な点に存在する1つ以上の炭素-炭素3重結合を有するような炭化水素鎖
を包含する。「ハロ」または「ハロゲン」とは、本明細書においては、フルオロ
、クロロ、ブロモおよびヨードを指すものとし、そして「対イオン」とはクロリ
ド、ブロミド、ヒドロキシド、アセテート、スルフェート等のような小形の負電
荷を有する化学種を指すために用いる。
本明細書においては、「アリール」とは、フェニルまたはナフチルを意味する
ものとし、「炭素環」とはいずれかの安定な5員〜7員の単環または2環の、ま
たは、7員〜14員の2環または3環の炭素環を意味するものとし、これらはいず
れも、飽和、部分不飽和または芳香族のものであってよい。このような炭素環の
例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、
インダニルまたはテトラヒドロナフチル(テトラリン)が包含されるが、それに
限定されない。
本明細書においては、「ヘテロ環」または「ヘテロ環系」という用語は
安定な5員〜7員の単環または2環または7員〜10員の2環のヘテロ環を意味す
るものとし、これらは、飽和、部分不飽和、または芳香族のものであってよく、
そして、炭素原子および1〜3個のN、OおよびSよりなる群から選択されるヘ
テロ原子よりなり、そして、その窒素およびイオウヘテロ原子は、場合により酸
化されていてよく、そして窒素は場合により第4化合物の形態であってよく、そ
して、上記したヘテロ環がベンゼン環と縮合した2環の基も包含される。ヘテロ
環は安定な構造をもたらすような何れかのヘテロ原子または炭素原子においてそ
の懸垂基に連結していてよい。本明細書に記載するヘテロ環は生成する化合物が
安定なら炭素または窒素原子において置換されていてよい。そのようなヘテロ環
には、例えば、ピリジン、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラ
ゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、
インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニルまたはベンズイミダゾ
リル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピ
ロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソ
キノリニル、デカヒドロキノリニルまたはオクタヒドロイソキノリニルが包含さ
れるが、それに限定されない。
「安定な化合物」または「安定な構造」とは、本明細書においては、反応混合
物から有用な程度の純度までの単離工程、そして、薬効のある治療薬への製剤化
に耐えるのに十分な安定性を有する化合物を指す。
「置換された」という表現は、本明細書では、指定された原子上の水素1つ以
上が記載した群から選択されるものにより置き換えられていることを指すが、そ
の際、指定された原子の通常の原子価を超えないものとし、また置換により安定
な化合物が生じなければならないものとする。
請求の範囲を含む本明細書においては、「アミン保護基」という用語は、アミ
ン基を保護するための有機合成分野で知られた何れかの基を指す。このようなア
ミン保護基は、Greeneの「有機合成における保護基」
(“Protective Groups in Organic Synthesis”John Wiley & Sons,New
(“The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology,Vol.3,AcademicPress,N
ew York(1981))に記載されているものを包含し、その開示内容は参考のため
に本明細書に組み込まれる。当該分野で知られている何れかのアミン保護基を使
用できる。アミン保護基の例には、以下のものが包含されるがそれのみに限定さ
れない。1)ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリルおよびp−トルエンス
ルホニルのようなアシル型;2)ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換ベ
ンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフェニル)-1-メチルエトキシカルボニル
および9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)のような芳香族カー
バメート型;3)t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジ
イソプロピルメトキシカルボニルおよび、アリルオキシカルボニルのような脂肪
族カーバメート型;4)シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオ
キシカルボニルのような環状アルキルカーバメート型;5)トリフェニルメチル
およびベンジルのようなアルキル型;6)トリメチルシランのようなトリアルキ
ルシラン型;および、7)フェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルの
ようなチオール含有型。
請求の範囲を含む本明細書においては、「カルボキシレート保護基」とはカル
ボキシレート基の保護のための有機合成分野でよく知られた何れかの基を指す。
このようなカルボキシレート保護基には、R.W.Roeskeの「ペプチド、第3巻;
ペプチド合成における官能基の保護」(The Peptide,Vol.3;Protecton of fu
nctional groups in peptide synthesis,(1981),pp 1-99;Academic Press)
に記載のものが包含され、その記載内容は参考のために本明細書に組み込まれる
。当該分野で知られた何れかのカルボキシレート保護基を使用できる。カルボキ
シレート保護基の例は、C1〜C8アルキル、C5〜C8シクロアルキルおよびt-ブチ
ルのようなアルキルエス
テル;ベンジル、置換ベンジル、トリフェニルメチル、ジフェニルメチル、ペン
タメチルベンジル、テトラメチルベンジルおよびトリメチルベンジルのようなア
リールエステル;または、トリクロロエチルおよびフェナシルエステルのような
、アシドリシス、穏やかな塩基処理または穏やかな還元的手段により脱離できる
エステル類;を包含し、その他の保護基として、CH2CH2CN、トリアルキルシリル
、フタルイミドメチル、アントリルメチル、フェニルフルオレニル、4-ピコリ
ルおよびフェナシルも使用できる。
本明細書においては、「薬学的に許容される塩およびプロドラッグ」とは、酸
または塩基の塩を形成することにより、または、通常の操作によりあるいはイン
ビボで修飾が除去され親化合物となるような方法で化合物中に存在する官能基を
修飾することにより、変性される開示された化合物の誘導体を指す。これらの例
には、アミンのような塩基性残基の無機または有機酸の塩;カルボン酸のような
酸性残基のアルカリまたは有機性の塩;カルボキシレートのエステル;アルコー
ルおよびアミンのアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体などが包含
される。
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、水または有機性溶媒またはこれら
の混合物中、適切な塩基または酸の化学量論的な量と上記した化合物の遊離の酸
または塩基の形態と反応させることにより調製することができ、一般的に、非水
性の媒体、例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまた
はアセトニトリルが好ましい。適当な塩の例は、レミントンの薬剤科学(“Remi
ngton'sPharmaceutical Sciences,17版,Mack Publishing Company,Easton,
PA,1985,p 1418)に記載されており、その開示内容は参考のために本明細書に
組み込まれる。
「アミノ酸」という用語は、本明細書では塩基性のアミノ基および酸性のカル
ボキシル基の両方を有する有機化合物を意味する。この用語には、修飾された特
殊なアミノ酸、例えばRobertsとVellaccio(1983)の「ペプチド」(The Peptid
es,5:342-429)に記載されているようなものも包含
され、その記載は参考のために本明細書に組み込まれる。
「アミノ酸残基」という用語は、本明細書では、ペプチドまたは擬似ペプチド
中に存在するアミノ酸(本明細書で定義)の部分を意味するものとする。本明細
書においては「ペプチド」という用語は、ペプチドまたは擬似ペプチド結合で連
結されている2つ以上のアミノ酸(本明細書で定義)よりなる線状化合物を意味
するものとする。
本明細書では以下に示す従来の3文字アミノ酸略記法を用いる。従来の1文字
アミノ酸略記法は本明細書では使用しない。
Ala =アラニン
Arg =アルギニン
Asn =アスパラギン
Asp =アスパラギン酸
Cys =システイン
Gln =グルタミン
Glu =グルタミン酸
Gly =グリシン
His =ヒスチジン
Ile =イソロイシン
Leu =ロイシン
Lys =リジン
Met =メチオニン
Nle =ノルロイシン
Orn =オルニチン
Phe =フェニルアラニン
Phg =フェニルグリシン
Pro =プロリン
Ser =セリン
Thr =スレオニン
Trp =トリプトファン
Tyr =チロシン
Val =バリン
本発明は式(I)の化合物の合成のための方法を提供する。提供される方法は
安価で単純な出発物質、およびNMeArgをペプチドに組み込むことの問題点に対抗
するためのより効率的な方法を用いながら行なうことができる。方法全体は新規
なものであり、新しい反応段階、新しい反応順序、および新しい反応中間体を用
いている。発明を実施する際には、当業者の知る多くの標準的な方法に関する知
識を必要とする。以下の記載および参考例はこのような知識を示すために提示し
た。
一般的に、ペプチドは、記載した方法を用いてC末端残基のαアミンを脱保護
し、ペプチド結合を介して次の適当に保護されたアミノ酸を結合させることによ
り伸長される。この脱保護と結合の工程を所望の配列が得られるまで反復する。
この結合は段階的に、あるいはフラグメントの縮合(2個から数個のアミノ酸)
により、または両方の方法の組み合わせにより、成分アミノ酸を用いて実施する
ことができ、その方法はMerrifield(J.Am.Chem.Soc.,85,2149-2154(1963
);「ペプチド」(The Peptide,Vol.1,2,3,5および9,(1980-1987),E.
Gross and J.Meienhofer編,Academic Press,Academic Press,New York);B
odanszky等の「ペプチド化学:実用テキスト」(“Peptide Chemistry:A Pract
ical Textbook”,Springer-Verlag,New York(1988));Bodanszky等の「ペプ
チド合成の実際」(“The Practice of Peptide Synthesis”Springer-Verlag,
NewYork(1984))に記載された方法に従うことができ、その記載内容は参考の
ために本明細書に組み込まれる。
2個のアミノ酸誘導体、アミノ酸とペプチド、2個のペプチドフラグメントの
結合、またはペプチドの環化は、アジド法、カルボン酸混合無水物(イソブチル
クロロホルメート)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジ
イソプロピルカルボジイミド、または水溶性カルボジイミド)法、活性エステル
(p-ニトロフェニルエステル、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)法、Wo
odward試薬K法、カルボニルジイミダ
ゾール法、BOP-Clのようなリン試薬を用いる方法、または酸化還元法のような標
準的な結合方法を用いて実施できる。これらの方法の幾つか(特にカルボジイミ
ド)は1-ヒドロキシベンゾトリアゾールを添加することにより促進することが
できる。これらの結合反応は溶液中(液相)または固相で行なってよい。
成分アミノ酸の官能基は、望ましくない結合の形成を回避するために結合反応
の間は保護しなければならない。使用できる保護基、アミノ酸を保護するために
それらを用いる方法、およびそれらの除去方法は、前記したとおりである。
C末端残基のαカルボキシル基は通常は脱離してカルボン酸を与えることがで
きるようなエステルにより保護する。これらの保護基の例としては、1)メチル
およびt-ブチルのようなアルキルエステル、2)ベンジルおよび置換ベンジル
のようなアリールエステル、または、3)トリクロロエチルおよびフェナシルエ
ステルのような穏やかな塩基処理または穏やかな還元手段により脱離できるエス
テルが包含されるが、これに限定されない。固相の場合は、C末端アミノ酸を不
溶性担体(通常はポリスチレン)に連結する。これらの不溶性担体はカルボキシ
ル基と反応して伸長条件に対しては安定であるが後に容易に分解できるような結
合を形成する基を有する。その例としては、オキシム樹脂(DeGradoおよびKaise
r(1980)J.Org.Chem.45,1295-1330)クロロまたはブロモメチル樹脂、ヒド
ロキシメチル樹脂、およびアミノメチル樹脂が包含される。これらの樹脂の多く
は、所望のC末端アミノ酸が既に導入された状態で市販されている。
各アミノ酸のαアミノ基は保護しなければならない。当該分野で知られた何れ
かの保護基を使用できる。それらの例としては、1)ホルミル、トリフルオロア
セチル、フタリル、およびp-トルエンスルホニルのようなアシル型;2)ベン
ジルオキシカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1-(p-
ビフェニル)-1-メチルエトキシカルボニル
および9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)のような芳香族カーバ
メート型;3)t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイ
ソプロピルメトキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニルのような脂肪族カ
ーバメート型;4)シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシ
カルボニルのような環状アルキルカーバメート型;5)トリフェニルメチルおよ
びベンジルのようなアルキル型;6)トリメチルシランのようなトリアルキルシ
ラン;および7)フェニルチオカルボニルおよびジチアスクシニオイルのような
チオール含有型が挙げられる。好ましいαアミノ保護基はCbz,BocまたはFmocで
ある。ペプチド合成のために適当に保護された多くのアミノ酸誘導体が市販され
ている。
αアミノ保護基は次のアミノ酸の結合の前に脱離させる。Cbz基を用いる場合
は、適する試薬は大気圧下またはParr装置内で高水素圧下で水素を用いる水素化
条件でのものであるか、シクロヘキセンまたはパラジウム上のギ酸アンモニウム
、炭素上の水酸化パラジウムまたはメタノール、エタノールまたはテトラヒドロ
フラン、またはこれらの溶媒の組み合わせ中の酸化白金による水素を用いる水素
化条件でのものである(P.N.Rylander,水素化方法(Hydrogenation Methods)
,Academic Press,1985)。Boc基を用いる場合は、トリフルオロ酢酸を未希釈
で、またはジクロロメタン中用いるか、またはジオキサン中の塩酸を用いる方法
が適する。次に得られるアンモニウム塩を結合の前かまたは反応の場で、水性の
緩衝液またはジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド中の第3アミンのよう
な塩基性溶液で中和する。Fmoc基を用いる場合は、ジメチルホルムアミド中のピ
ペリジンまたは置換ピペリジンを選択するが、第2アミンまたは水性の塩基性溶
液も使用できる。脱保護は0℃〜室温で行なう。
側鎖官能基を有するアミノ酸は何れも、上記した基の何れかを用いてペプチド
調製の間保護しなければならない。当該分野の技術者が知るとおり、このような
側鎖官能基のための適切な保護基の選択と使用はペプチド中の
アミノ酸およびその他の保護基の存在により異なる。このような保護基の選択で
は、それがαアミノ基の脱保護および結合の間に除去されないようにすることが
重要である。例えば、αアミン保護のためにCbzを用いる場合は、以下に示す保
護基、即ちアルギニンに対してはp-トルエンスルホニル(トシル)部分;リジ
ンまたはオルニチンに対してはt−ブチルオキシカルボニル、フタリルまたはト
シル;グルタミン酸およびアスパラギン酸に対してはシクロペンチルのようなア
ルキルエステル;セリンおよびスレオニンに対してはアルキルエステルが許容さ
れ、そして、トリプトファンのインドールは未保護のままとするか、またはホル
ミル基で保護することができる。
αアミン保護のためにBocを選択する場合は、以下に示す保護基、即ち、アル
ギニンに対してはp-トルエンスルホニル(トシル)部分およびニトロ;リジン
に対してはベンジルオキシカルボニル、置換ベンジルオキシカルボニル、または
トシル;グルタミン酸およびアスパラギン酸に対してはベンジルまたはシクロペ
ンチルのようなアルキルエステル;セリンおよびスレオニンに対してはベンジル
エーテル;チロシンに対してはベンジルエーテル、置換ベンジルエーテルまたは
2-ブロモベンジルオキシカルボニル;システインに対してはp-メチルベンジル
、p-メトキシベンジル、アセトアミドメチル、ベンジルまたはt-ブチルスルホ
ニルが許容され、そしてトリプトファンのインドールは未保護のままとするか、
またはホルミル基で保護することができる。
αアミン保護のためにFmocを使用する場合は、通常はt-ブチル系の保護基が
許容される。例えば、Bocはリジンに対して、t-ブチルエーテルはセリン、スレ
オニンおよびチロシンに対して、そしてt-ブチルエステルはグルタミン酸およ
びアスパラギン酸に対して使用できる。
ペプチドの伸長および環化が終了した後、保護基は全て除去する。液相合成の
場合は、保護基は選択された保護基に応じた方法で除去する。これ
らの方法は当業者が知るものである。
本発明で用いる特殊なアミノ酸は、当業者の知る標準的な方法で合成できる「
ペプチド:分析、合成、生物学」(“The Peptides:Analysis,Synthesis,Biol
ogy,Vol.5,pp.342-449,Academic Press,New York,(1981))。N−アル
キルアミノ酸は既に記載された方法(Cheung等,(1977),Can.J.Chem.55,9
06;Freidinger等,(1982),J.Org.Chem.84,77(1982))を用いて調製で
き、これらの文献は参考のために本明細書に組み込まれる。
本発明の方法は下記式(I):
の化合物を調製するための以下に記載する新しい方法を併用しながら一般的な方
法を利用するものである。
Glnの保護された形態を脱水して2-アミノ-4-シアノ酪酸の相当する保護され
た誘導体とし、次にこれを、2-アミノ基においてのみメチル化できる。合成の
好都合な時点で、4-シアノ基を還元して相当するアミノメチル基とし、Nα-メ
チルオルニチンの誘導体を得る。このアミンのグアニル化、例えばZ.Tian,R.W
.RoeskeのInt.Journal Pept.Prot.Res.1991,37:425-429およびその参考文
献の方法により、Na-メチルオルニチンをNα-MeArgの誘導体に変換するが、この
文献の記載も本明細書に組み込まれる。
本発明の方法は下記スキームに示す一連の段階より開始される。
方法の段階1ではまず、Wがアルキルウレタン、t-Boc、アシル、フタリル、
o-ニトロフェニルスルフェニル、Cbz、Fmoc、フルオレニルフェニルまたは上記
したその他のアミン保護基のようなアミン保護基である市販の化合物(1)を用
いる。好ましい保護基はCbzである。
式(1)のカルボキサミド基を脱水してCOCl2、無水酢酸のような適切な脱水
剤、または参考文献:Z.Grzonka,B.Liberek,Bull.Acad.Pol.Sci.Ser.S
ci.Biol.(1969),17:219-22;T.Yoneta,S.Shibahara,S.Fukatsu,S.
Seki,Bull.Chem.Soc.Jpn.(1978);M.Wilchek,S.Ariely,A.Patchorn
ik,J.Org.Chem.(1968),33:1258-9に記載の結合剤の作用により相当する
ニトリルとするが、これらの文献の記載内容は参考のために本明細書に組み込ま
れる。好ましい試薬は、0〜50℃の温度範囲の、トルエン、THF、ジオキサンま
たは塩化メチレンまたはこれらの混合物中のホスゲンである。
次に得られたアミノニトリル化合物(2)をアルキルハライド、またはジアル
キルスルフェートのようなアルキル化剤、およびNaHまたはK-O-t-Bu、Na-O-t-Bu
、LDA、LiHMDS、NaHMDSまたはKHMDSのような塩基を用いてαアミノ基において選
択的にアルキル化し、C1〜C8直鎖または分枝鎖のアルキル基またはベンジルを導
入して化合物(3)を生成する。好ましい方法では、0〜50℃の温度範囲でTHFま
たはジオキサン中、塩基としてNaHまたはK-O-
t-Buおよびアルキル化剤としてヨウ化アルキルまたはジアルキルスルフェートを
用いる。あるいは、Freidinger等のJ.Org.Chem.(1983),48:77-81に記載
の方法を用いて化合物(2)をアルキル化することができる。
段階3では、E.Frerot,J.Coste,J.Poncet,P.Jouin,B.CastroのTetra
hedron Lett.(1992),33:2815-2816の記載に従い、酸クロリド、無水物また
は結合剤を用いた反応により化合物(3)を相当するN−カルボキシ無水物に変
換する。好ましい方法においては、これは0〜50℃で、THF、ジオキサン、塩化
メチレン、またはトルエン中、PCl5を用いて行なう。次に得られたN-カルボキ
シ無水物(4)を段階4でアミノ酸またはアミノ酸誘導体と反応させる。アミノ
酸は上記のカルボキシレート保護基を用いるか用いることなく使用できる。Yが
t-ブチルである式(5)の化合物の調製のための段階4の好ましい方法は、−4
0℃〜0℃の温度で、DMF、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリルのよう
な溶媒中Gly-t-ブチルエステルとの反応を介して行なう。
あるいは、化合物(5)は、上記した段階3aおよび4aを用いて化合物(3
)から調製できる。化合物(3)を上記したよく知られた方法を用いてアミノ酸
またはアミノ酸エステルと結合してジペプチド(6)とする。αアミノ保護基の
選択的脱保護により化合物(5)を得る。
段階5(上記)では、前記したペプチドカップリングのためのよく知られた方
法を用いてNα-アルキルジペプチド(5)をα-アミノ保護アミノ酸と結合させ
てトリペプチド(7)とする。WがBocであり、Yがt-ブチルであり、そしてR3
がアルキルであるような化合物(7)を調製するための好ましい方法は、DMFま
たは塩化メチレンのような溶媒中DIEAのような第3アミンの存在下−30〜70℃の
温度範囲で、前記したとおり、活性化剤としてジフェニルホスフィニッククロリ
ド、クロロホルメート、TBTU、カルボジイミドとヒドロキシルアミン誘導体、Bo
c、PyBOPまたはPyBrOPを用いてBoc-保護アミノ酸を化合物(5)に結合する方法
である。
D部は、化合物(7)の置換された2-アミノ-4-シアノ酪酸部分を化合物(8
)の相当するオルチニン誘導体に、そして化合物(10)のArg誘導体に変換する
ために用いる方法を示すものである。本発明の好都合な点は、この変換経路がペ
プチド合成の全体のうちの何れの好都合な時点でも行えるという点である。
段階6はニトリルを相当するアミノメチル官能基に還元する反応を包含する。
この変換は、Tetrahedron Lett.,4393(1975);Modern Synthetic Reactions
,H.O.House(1972);またはHarting等のJ.Am.Chem.Soc.,50:3370(1928
)に記載のとおり、シアノ基の還元のための文献既知の反応条件を用いて実施で
きる。化合物(7)から化合物(8)を調製するための好ましい方法は、雰囲気温
度〜約60℃でエタノールのようなアルコール溶媒中、PtO2を用いて高圧水素で還
元的水素化を行なう段階を包含する。
段階7では、段階6で生じたアミン(8)を、XXが水素または前記したアミン
保護基であり、そしてZがSO3 -、S-アルキル、O-アルキルのような脱離基であ
るグアニル化剤(9)と反応させる。グアニジンを合成するための方法は、知ら
れた方法であり、“The Peptides”vol.2,169-175;Garigipat等、Tetrahedron
Lett.31:1969(1990):Kim等、Tetrahedron Lett.29:3183(1988);Mill
erおよびBischoff,Synthesis 777,(1986),Delle Monache,EPO出願#330629
A2(1989公開);およびBernard等、Can.J.Chem.36:1541(1958)に記載さ
れており、その内容は全て参考のために本明細書に組み込まれる。好ましい方法
においては、XXはCbzであり、ZはS-エチルまたはS-メチルであり、そしてこ
の試薬を、雰囲気温度から溶媒灌流温度までの温度で、水、メタノール、エタノ
ール、ジオキサンまたはこれらの溶媒の組み合わせのような溶媒中、DIEAのよう
な第3アミンの存在下、化合物(8)と反応させる。
段階8(上記)では、遊離のアミノ酸トリペプチド(11)を化合物(10)の脱
保護により調製する。例えば、Yがt-ブチルアルキルでありWがt-Bocであるよ
うな化合物(10)の脱保護は、t-ブチルエステルおよびt-Boc基の脱保護に関す
る文献既知の種々の方法のいずれかを用いて行なってよい。
このような方法には、ジオキサン中の塩化水素;およびトリフルオロ酢酸を未希
釈で、または塩化メチレン中で用いる方法が包含される。Wがt-Bocであり、Y
がt-ブチルアルキルである化合物(10)の脱保護による遊離アミノ酸化合物(1
1)の調製のための好ましい方法は、雰囲気温度で、塩化メチレン中トリフルオ
ロ酢酸またはジオキサン中塩化水素を用いる。
段階9においては、完全に調製された保護線状ペプチド化合物(13)をカルボ
ン酸化合物(12)とアミノトリペプチド化合物(11)を結合させることに
より調製する。この段階は、前記したとおり、アミド結合形成のための文献既知
の種々の方法の何れかを用いて行なってよい。Gがt-Bocである式(13)の線状
ペンタプチド化合物の調製のための好ましい結合方法では、0℃〜雰囲気温度で
カルボジイミドおよびヒドロキシスクシンイミドまたはペンタフルオロフェノー
ルを用いて化合物(12)を予備活性化して活性エステルを形成し、その後、0℃
〜100℃でDMFまたはアセトニトリル中に溶解した化合物(11)を添加する。
段階10では、遊離のアミノ酸ペンタペプチド化合物(14)を化合物(13)の脱
保護により調製する。例えば、Gがt-Bocである化合物(14)の脱保護は、t-ブ
チルエステルおよびt-Boc基の脱保護のための文献既知の種々の方法の何れかを
用いて行なってよい。このような方法には、ジオキサンまたは酢酸エチル中塩化
水素;および、トリフルオロ酢酸を未希釈で、または塩化メチレン、クロロホル
ム、エーテルまたはトルエン中で用いる方法が包含される。遊離のアミノ酸化合
物(14)を調製するための好ましい方法は、雰囲気温度で塩化メチレン中のトリ
フルオロ酢酸またはジオキサン中の塩化水素を用いてGがt-Bocである化合物(1
3)を脱保護する操作である。
段階11では、環状化合物(15)を線状ペンタペプチド化合物(14)の環化によ
り調製する。この段階は、前記したとおり文献既知の種々のアミド結合形成反応
の何れかを用いて、または、R.Schmidt,K.NeubertのInt.Jour.Peptide.Pro
t.Res.(1991),37;502-507に記載のとおり、マクロ環化を促進するための知
られた条件下で実施してよく、この文献の内容は参考のために本明細書に組み込
まれる。線状化合物(14)から式(15)の化合物を調製するための好ましい環化
方法では、DIEAのような塩基としての第3アミン、およびTBTU、BOP、PyBrOP、P
yBOPまたは1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
またはDCCのようなカルボジイミドを、N,N-ジメチルホルムアミドまたはアセト
ニトリルのような溶媒中、雰囲気温度で使用する。
段階12では、R4がHであるような式(I)の化合物を形成し、R6がCH2CO2Bnで
ある式(15)の相当する化合物から接触還元によりβカルボン酸(16)を調製し
、XXがCbzまたは水素化分解により除去できるその他の保護基である場合はグア
ニジノ官能基上の保護基を同時に除去する。P.N.Rylander,Hydrogenation Met
hods,Academic Press(1985)に記載の方法のような、文献既知の多くの水素化
方法の何れを用いてもよい。このような方法には、酸化白金上の水素による接触
還元;炭素上パラジウム上の高圧水素を用いた接触還元;または、メタノールま
たはエタノールのような適切な溶媒中の、シクロヘキサンまたはギ酸アンモニウ
ムを用いた相間移動水素化が包含される。R6がCH2CO2YでYがCbzであるような化
合物(7)の調製のための好ましい方法では、雰囲気温度から70℃の温度で、ア
ルコール溶媒中炭素上10%パラジウムを用いた化合物(15)の水素化を行なう。
あるいは、反応はアルコール溶媒中、高圧水素下、炭素上10%パラジウムを用い
て行ってもよい。
スキーム2はR4がHではない、例えばエステルであるような式Iの化合物の合
成のための方法を説明するものである。合成はスキーム1と同様に進めるが、F
部においては異なっており、ここでは、この段階でアルファアミノ基およびβカ
ルボキシレート上の保護基を直交的に除去する。好ましい方法においては、化合
物(13)のGはDmocであり、R11はCH2CO2-t-Buである。
スキーム2の最初の反応においては、DMFのような極性有機溶媒中、ピペリジ
ンのような第2または第3アミンを用いてFmcoを除去する。あるいは、環化反応
をDMAPまたは同様の塩基の存在下に行なう場合は、環化段階の間に反応の場で脱
保護反応段階を行なうことができる。即ち、好ましい方法においては、GがFMOC
である化合物(13)をDMF中DMAPおよびTBTUで処理することにより、脱保護し、
環化する。
スキーム2の第3の反応においては、カルボキシレート保護基を除去する。R6
がCH2CO2-t-Buであるような好ましい方法においては、脱保護は上記した条件下
に行い、化合物(10)を化合物(11)に変換する。
スキーム2の第4の反応では前段階で遊離したカルボキシレートのアルキル化
を行なう。これは、0℃〜50℃の範囲の温度で塩基として第3アミンを用いなが
ら、DMF中、アルキルハライドまたはアルキルトシレートのようなアルキルスル
ホネートエステルを用いながら行なう。
中間体化合物(12)の調製をスキーム3に示す。シュードジペプチド(12)は
、前記した何れかのアミド結合形成反応を用いながら、GがFmocまたは
t-Bocのような保護基である式(19)の適切に置換されたNα保護アミノ酸の活
性化カルボン酸と、式(18)または式(19)のアミノカルボン酸化合物を結合さ
せることにより調製する。シュードジペプチド化合物(12)を調製するための好
ましい方法は、雰囲気温度で、溶媒N,N′−ジメチルホルムアミド中、N,N′-カ
ルボニルジイミダゾールで活性化されたカルボン酸(19)とのR1がフェニルであ
る遊離のアミノ酸化合物(18)の反応である。あるいは、カルボン酸は、塩化メ
チレンまたはN,N-ジメチルホルムアミドのような溶媒中、N-ヒドロキシスクシ
ネートエステルとして活性化することができる。
式(18)または(18a)のアミノカルボン酸化合物は、購入するか、または、T
ett.Lett.,4393(1975);Modern Synthetic Reactions,H.O.House(1972)
;またはHarting等のJ.Am.Chem.Soc.,50:3370(1928)に記載されているよ
うな、シアノ基の還元に関する文献既知の方法により、適切に置換されたシアノ
カルボン酸化合物(17)の還元により調製できる。化合物(17)からR1がフェニ
ルであるアミノ酸(18)を調製するための好ましい方法では、雰囲気温度〜60℃
で、エタノールのようなアルコール溶媒中、炭素上10%パラジウムを用いて、高
圧水素下に還元的水素化する。例えば、このような条件下、R1がフェニルである
式(17)の化合物である3-または4-シアノ安息香酸の還元により式(18)の相
当するベンジルアミンが得られる。
式(18)および(18a)の化合物のその他の類縁体は文献記載の多くの方法の
何れかにより、または下記のスキームに記載するとおり調製してよい。
式(24)のN-アルキル化化合物は標準的な方法、例えば、OlsenのJ.Org.Ch
em.(1970)35:1912に記載の方法により調製できる。この化合物はまたスキー
ム4に示すように調製してもよい。
スキーム5〜8は式(24)の中間体化合物を得るための多くの経路を示すもの
である。化合物(24)は一般式(18)に分類されるものであり、式(12)の化合
物に有用である。スキーム5はR15がC1〜C8アルキル、C1〜C8シクロアルキルま
たはアリールである式(24)の化合物の調製方法を説明するものである。スキー
ム8はR15がアルキルまたはフェニルである式(24)の化合物の調製のための経
路を示すものである。スキーム9および10はR15がCH3またはフェニルである式(
24)の化合物の調製のための経路を示すものである。
本発明のR1の別のカルボン酸残基には、スキーム9に示すとおり、アミ
ノアルキルナフトエ酸、式(29)の物質、およびアミノアルキルテトラヒドロナ
フトエ酸、式(30)の物質が包含される。
R1に関するその他の考えられる式(I)の化合物の類縁体は、Earnest,I等の
Tett.Lett.,(1990)31:4011-4014に記載の方法のような、文献既知の標準的
な方法の変法により調製できる。
式(I)の化合物の合成のための別法を下記スキーム10に示す。
スキーム1の別法を以下に記載するが、これは上記したスキーム1のC部の化
合物(7)から始まる。式(V)の遊離アミノ酸トリペプチドは、上記段階6に
示すとおり、化合物(7)の脱保護により調製する。例えば、Yがベンジルであ
り、WがCbzである化合物(7)の脱保護は、ベンジルエステルおよびCbz基の脱
保護に関する文献既知の種々の方法の何れかを用いて行なってよい、しかしなが
ら、ニトリルの還元を回避するために反応を慎重にモニタリングしなければなら
ない。P.N.Rylander,Hydrogenation Methods,Academic Press(1985)に記載
の方法のような、文献既知の多くの水素化方法の何れを用いてもよい。このよう
な方法には、酸化白金上の水素による接触還元;炭素上パラジウム上の高圧水素
を用いた接触還元;またはメタノールまたはエタノールのような適切な溶媒中の
、シクロヘキサンまたはギ酸アンモニウムを用いた相関移動水素化が包含される
。式(V)の化合物の好ましい調製方法では、雰囲気温度から70℃の温度で、ア
ルコール溶媒中炭素上10%パラジウムを用いた化合物(7)の水素化を行な
う。あるいは、反応はアルコール溶媒中、高圧水素下、炭素上10%パラジウムを
用いて行ってもよい。
段階7においては、完全に調製された保護線状ペプチド化合物(21)をカルボ
ン酸化合物(12)とアミノトリペプチド化合物(20)を結合させることにより調
製する。この段階は、前記したとおり、アミド結合形成のための文献既知の種々
の方法の何れかを用いて行なってよい。Gがt-Bocである式(21)の線状ペンタ
ペプチド化合物の調製のための好ましい結合方法では、0℃〜雰囲気温度でカル
ボジイミドおよびヒドロキシスクシンイミドまたはペンタフルオロフェノールを
用いて化合物(12)を予備活性化して活性エステルを形成し、その後、0℃〜10
0℃でDMFまたはアセトニトリル中に溶解した化合物(20)を添加する。
段階8では、遊離のアミノ酸ペンタペプチド化合物(22)を化合物(21)の脱
保護により調製する。例えば、Gがt-Bocである化合物(21)の脱保護は、t-Boc
基の脱保護のための文献既知の種々の方法の何れかを用いて行なってよい。この
ような方法には、ジオキサンまたは酢酸エチル中塩化水素;および、トリフルオ
ロ酢酸を未希釈で、または塩化メチレン、クロロホルム、エーテルまたはトルエ
ン中で用いる方法が包含される。遊離のアミノ酸化合物(22)を調製するための
好ましい方法は、雰囲気温度で塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸またはジオキ
サン中の塩化水素を用いてGがt-Bocである化合物(21)を脱保護する操作であ
る。
段階9では、環状化合物(23)を線状ペンタペプチド化合物(22)の環化によ
り調製する。この段階は、前記したとおり文献既知の種々のアミド結合形成反応
の何れかを用いて、またはR.Schmidt,K.NeubertのInt.Jour.Peptide.Prot
.Res.(1991),37:505-507に記載のとおり、マクロ環化を促進するための知
られた条件下、実施してよく、この文献の内容は参考のために本明細書に組み込
まれる。線状化合物(22)から式(23)の化合物を調製するための好ましい環化
方法では、DIEAのような塩基としての第3アミン、およびTBTU、BOP、PyBrOP、P
yBOPまたは1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
またはDCCのようなカルボジイ
ミドを、N,N-ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルのような溶媒中、雰囲
気温度で使用する。
段階10では、アミノ-β-カルボン酸(25)を、ベンジル水素化分解を同時に行
いながら接触還元を用いたニトリル還元によりR6がCH2CO2Bnである式(23)の相
当する化合物から調製する。この変換は、Tett.Lett.,4393(1975);Modern
Synthetic Reactions,H.O.House(1972);またはHarting等のJ.Am.Chem.S
oc.,50:3370(1928)に記載のとおり、シアノ基の還元のための文献既知の反
応条件を用いて実施できる。
段階11では、段階10で生じたアミンを、XXが水素または前記したアミン保護基
であり、そしてZがSO3 -、S-アルキル、O-アルキルのような脱保護であるグア
ニル化剤(9)と反応させて式(I)の化合物を形成する。グアニジンを合成す
るための方法は、“The Peptides”vol.2,169-175;Garigipat等、Tetrahedro
n Lett.31:1969(1990);Kim等、Tetrahedron Lett.29:3183(1988);Mil
lerおよびBischoff,Synthesis 777,(1986),Delle Monache,EPO出願#33062
9A2(1989公開);および、Bernard等、Can.J.Chem.36:1541(1958)に記載
されており、その内容は全て参考のために本明細書に組み込まれる。
実施例
全ての薬品および溶媒(試薬等級)は更に精製することなく記載した製造元か
ら供給された状態で使用した。t-ブチルオキシカルボニル(Boc)アミノ酸およ
びその他の出発アミノ酸は、Bachem Inc.,Bachem Biosciences Inc.(Philade
lphia,PA),Advanced ChemTech(Louisville,KY),Peninsula Laboratories
(Belmont,CA)またはSigma(St.Louis,MO)から購入した。2-(1H-ベンゾ
トリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフ
ェート(HBTS)およびTBTUはAdvanced ChemTechから購入した。N-メチルモルホ
リン(NMM)、m-クレゾール、D-2-アミノ酪酸(Abu)、トリメチルアセチル
クロリド、
ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、3-シアノ安息香酸および〔2-(t-ブ
チルオキシカルボニルオキシルイミノ)-フェニルアセトニトリル〕(Boc-ON)
はAldrch Chemical Companyから購入した。ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸
エチル、クロロホルム(CHCl3)、メタノール(MeOH)、ピリジンおよび塩酸(H
Cl)はBakerから購入した。アセトニトリル、ジクロロメタン(DCM)、酢酸(HO
Ac)、トリフルオロ酢酸(TFA)、エチルエーテル、トリエチルアミン、アセト
ン、および硫酸マグネシウムはEM Scienceから購入した。炭素上パラジウム触媒
(10%Pd)はAldrich Chemical CpmpanyまたはFluka Chemical Companyより購入
した。無水エタノールはQuantum Chemical Corporationから購入した。薄層クロ
マトグラフィー(TCL)はEM Separationから購入したシリカゲル60 F254 TLCプ
レート(層厚み0.2mm)上で実施した。TLCの可視化はUV光、ヨウ素、および/ま
たはニンヒドリン噴霧を用いて行った。融点はThomas HooverまたはElectrother
mal 9200融点装置を用いて測定し、未補正のまま表示した。NMRスペクトルは300
MHzのGeneral Electric QE-300、Varian 300またはVarian 400分光光度計上で記
録した。高速原子衝撃質量スペクトル分析(FAB-MS)はイオン源としてXenon FA
B電子銃またはFinnigan MAT 8230を用いて、VG Zab-E二重焦点調節質量スペクト
ル分析基上で実施した。
以下の実施例は本発明の方法および中間体を説明するものであるが本発明を限
定するものではない。
実施例1 Nα-ベンジルオキシカルボニル-Nα-メチル-4-シアノ-L
-2-アミノ酪酸
Z-Gln(28.039g,100ミリモル)を水分から保護されたフラスコ中THF 300mlに
溶解し、これにトルエン中1.93Mホスゲン100ml(193ミリモル)を添加した。溶
液を2時間室温で撹拌し、30℃で200mlに濃縮した。水(200ml)を撹拌しながら
ゆっくり添加した。2時間室温で撹拌した後、有機層を分離し、水層を酢酸エチ
ルで2回抽出した。合せた有機性溶液を4回塩水で
洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濃縮した。油性の生成物を一夜水酸化カ
リウム上で乾燥した。
乾燥した油性の生成物を水分から保護されたフラスコ中乾燥THF 300mlおよび
ヨウ化メチル49.8ml(800ミリモル)中に溶解し、溶液を氷バス中で冷却した。
これに水素化ナトリウム10g(250ミリモル、油中60%分散液)をゆっくり添加し
た。混合物を1時間氷バス中で、次に22時間室温で撹拌した。酢酸エチル(50ml
)を添加し、10分間撹拌後、水100mlをゆっくり添加した。溶液を4N塩酸数滴
でpH8〜9まで酸性化し、次に30℃で濃縮して有機溶媒を除去した。水(100ml
)を添加し、次に0.1Nチオ硫酸ナトリウム10mlを添加し、溶液をエーテルで2
回抽出した。水層を氷バス中で冷却し、これに撹拌しながらpH3となるまで4N
塩酸をゆっくり添加した。生成物は酸性化の間に結晶化し、これを濾過し、水で
数回洗浄し、乾燥した。収量26.0g(94%)。融点81-83℃
1H-NMR(CDCl3):δ=2.15(m,1H),2.38(m,1H),2.42(m,2H),2.96
および2.98(2s,シスおよびトランスN-CH3),4.62(m,1H),4.90(b,1H),
5.19(s,2H),7.35(m,5H)
実施例2 Nα-メチル-4-シアノ-L-2-アミノ酪酸-N-カルボキ
シ無水物
氷バス中で冷却した乾燥THF 50ml中の実施例1(11.05g,40ミリモル)の溶液
に、5塩化リン(15g,72ミリモル)を添加し、混合物を2時間撹拌し、濃縮乾
固した。残存物を石油エーテルで磨砕し、得られた固体を濾過し、石油エーテル
で洗浄し、乾燥アセトニトリルに溶解した。不溶性物質を濾去し、溶液を濃縮し
た。固体を冷エーテルで洗浄し、乾燥した。収量5.86g(87%)。融点90〜92℃
。
1H-NMR(CDCl3):δ=2.18(m,1H),2.39(m,1H),2.60(m,2H),3.02
(s,3H),4.28(m,1H)
実施例3 N-Boc-D-2-アミノブチリル-Nα-メチル-4-シアノ
-L-2-アミノブチリルグリシンt-ブチルエステル
−40℃に冷却したクロロホルム40mlおよびN-メチルモルホリン4.84ml中のグ
リシンt-ブチルエステル塩酸塩(3.68g,22ミリモル)の溶液に、乾燥アセトニ
トリル20ml中の実施例2の化合物(3.36g,20ミリモル)の溶液を添加し、溶液
を1時間−20℃で撹拌し、溶媒を約10mlとなるまで濃縮した。
−10℃に冷却したクロロホルム30ml中のN-Boc-D-2-アミノ酪酸ジシクロヘ
キシルアミン塩(8.08g,21ミリモル)の溶液に、ジフェニルホスフィニックク
ロリド(3.91ml,20.5ミリモル)を添加し、混合物を1時間−5゜〜−10℃で撹
拌した。これに上記した溶液(10ml)次いでN-メチルモルホリン2.42mlを添加
した。混合物を24時間0°〜−5℃で撹拌し、次に濃縮した。酢酸エチルを添加
し、不溶性物質を濾去した。濾液を炭酸水素ナトリウムで4回、塩水で3回洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、少量になるまで濃縮したところ、生成物が結
晶化した。石油エーテルを添加し、冷却後、固体を濾過し、石油エーテルで洗浄
し、乾燥した。収量6.2g(70%)。融点90〜92℃。FAB-MS(MH+):計算値441.3
;測定値441.3
実施例4 N-Boc-D-2-アミノブチリル-Nα-メチル-Nω,Nω′-(ビスベン
ジルオキシカルボニル)-L-アルギニルグリシンt-ブチル
エステル
実施例3の化合物(4.63g,10.5ミリモル)をParr容器中メタノール70mlに溶
解し、これにメタノール10ml中の濃塩酸1.2ml(38%)の冷溶液、次いで酸化白
金(IV)200mgを添加した。混合物を1時間55psiで水素化し、触媒を濾去し、ト
リエチルアミン2.09ml(15ミリモル)を添加した。溶媒を減圧下に除去し、残留
物をTHF 20mlに溶解した。これにN,N′-ビスベンジルオキシカルボニル-S-メチ
ルイソチオ尿素(3.58g,10ミリモル)、次いでトリエチルアミン2.09ml(15ミ
リモル)を添加した。混合物を一夜
撹拌し、その間、容器を数回脱気して副生成物のメタンチオールを除去した。酢
酸エチルを添加し、溶液を1%クエン酸、塩水、5%炭酸水素ナトリウムおよび
塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濃縮した。エチルエーテル/石油
エーテルから結晶化させ、生成物7.2g(95%)を得た。FAB-MS(MH+):計算値7
55.4;測定値755.4
実施例5 D-2-アミノブチリル-Nα-メチル-Nω,Nω′-(ビスベンジ
ルオキシカルボニル)-L-アルギニルグリシンTFA塩
塩化メチレン中50%のTFA 90ml中の実施例4の化合物(9g,11.9ミリモル)
の溶液を、2時間室温で撹拌し、溶液を30℃で濃縮した。冷エーテルを添加し、
放置後、固体を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥した。収量8.4g(99%)。FAB-
MS(MH+):計算値599.3;測定値599.3
実施例6 N-Boc-L-アスパルチル(ベンジル)-3-(アミノメチ
ル)安息香酸
加温と撹拌によりTHF 30ml中に3-シアノ安息香酸(3.38g,23ミリモル)を溶
解した。イソプロパノール(20ml)を添加し、溶液を室温に戻した。これに、予
め冷却した濃塩酸(38%)2.5ml、次いで、酸化白金(IV)160mgを添加した。混
合物を一夜55psiで水素化した。水素化の間生成物が沈殿した。エーテル(100ml
)を添加し、混合物を撹拌し、次いで冷却した。沈殿を濾過し、冷エーテルで洗
浄し、DMF 40mlに溶解した。触媒を濾去し、DMFで濯いだ。BocAsp(Bzl)OSu(8.4
g,20ミリモル)を添加し、次いでジイソプロピルエチルアミン7.7ml(44ミリモ
ル)を添加した。5時間室温で撹拌した後、溶液を撹拌しながら3%クエン酸20
0mlにゆっくり添加した。冷却後、沈殿を濾過し、水および冷エーテルで洗浄し
、乾燥した。収量8.29(90%)。融点148〜150℃。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=1.38(s,9H),2.62(m,1H),2.80(m,1H),4.
32(d,2H),4.40(m,1H),5.07(s,2H),7.20(d,1H),7.36(s,5H)
,7.44(m,2H),7.81(m,2H),8.46(t,1H),12.90(s,1H)
実施例7 N-Boc-L-アスパルチル(ベンジル)-3-(アミノメチ
ル)ベンゾイル-D-2-アミノブチリル-Nα-メチル-
Nω,Nω′-(ビスベンジルオキシカルボニル)-L-アルギニル
グリシン
THF 15ml中の実施例6の化合物(2.29g,5ミリモル)およびペンタフルオロ
フェノール(1.01g,5.5ミリモル)の溶液に、DCC(1.03g,5ミリモル)を添加
し、混合物を一夜撹拌した。ジシクロヘキシル尿素を濾過し、THFですすぎ、溶
媒を減圧下に除去した。残存物にDMF 10ml中の実施例5の化合物(3.56g,5ミ
リモル)の溶液、次いでジイソプロピルエチルアミン2.1ml(12ミリモル)を添
加した。6時間室温で撹拌した後、5%クエン酸50ml、次いで酢酸エチル80mlを
添加した。有機層を分離し、1%クエン酸および塩水で洗浄し、乾燥(硫酸マグ
ネシウム)し、濃縮した。残存物をエーテル/石油エーテルで磨砕し、生成物4.
8g(92%)を得た。FAB-MS(MH+):計算値1027.5;測定値1037.3
実施例8 L-アスパルチル(ベンジル)-3-(アミノメチル)ベンゾ
イル-D-2-アミノブチリル-Nα-メチル-Nω,Nω′-(ビス
ベンジルオキシカルボニル)-L-アルギニルグリシンTFA塩
塩化メチレン中50%TFA 50ml中の実施例7の化合物(5.7g,5.5ミリモル)の
溶液を1時間室温で撹拌し、濃縮した。残存物を冷エーテルで磨砕し、固体を濾
過し、エーテルで洗浄し、乾燥した。収量5.8g(100%)。FAB-MS(MH+):計算
値937.4;測定値937.1
実施例9 シクロ〔L-アスパルチル(ベンジル)-3-(アミノメチル)
ベンゾイル-D-2-アミノブチリル-Nα-メチル-Nω,Nω′-
(ビスベンジルオキシカルボニル)-L-アルギニルグリシル〕
DMF 25ml中のTBTU(963mg,3ミリモル)の溶液に、DMF 25mlおよびN−メチ
ルモルホリン1ml(9ミリモル)中の実施例8の化合物3.15g(3ミリモル)の
溶液を1.5時間かけてゆっくり添加し、2.5時間撹拌を継続した。
溶液をゆっくり氷バス中に冷却した1%クエン酸200mlに添加し、沈殿を濾過し
、水およびエーテルで洗浄し、乾燥した。収量2.5g(90%)。FAB-MS(MH+):
計算値919.4;測定値919.0
実施例10 シクロ〔L-アスパルチル-3-(アミノメチル)ベンゾイル-
D-2-アミノブチリル-Nα-メチル-L-アルギニルグリシ
ル〕
DMF 5ml中実施例9の化合物(919mg,1ミリモル)、メタンスルホン酸(71
μl,1.1ミリモル)および炭素上10%パラジウム150mgを含有する混合物を4時
間大気圧で水素化し、触媒を濾去し、DMFで濯いだ。溶液を撹拌しながらアセト
ニトリル50mlに添加し、沈殿を濾過し、エーテルで洗浄し、純度90%以上の表題
化合物のメタンスルホン酸塩590mg(90%)を得た。生成物を水に溶解し、溶液
のpHを水酸化アンモニウムを添加することにより7.4とした。アセトンを添加し
て沈殿を形成した。水から結晶化させて純粋な両性イオン生成物を得た。FAB-MS
(MH+):計算値561.3;測定値561.3
実施例11 3-(アミノメチル)安息香酸塩酸塩
3-シアノ安息香酸(5.88g,40ミリモル)をTHF 50ml中に懸濁し、混合物を撹
拌しながら加温した。固体が全て溶液化した後、イソプロパノール50mlを添加し
、溶液を室温に戻した。これに、予め冷却した濃塩酸4.2ml次いで酸化白金(IV
)300mgを添加した。混合物を一夜55psiで水素化した。エーテル(50ml)を添加
し、沈殿を濾過し、エーテルで洗浄し、メタノールに溶解した。触媒を濾去し、
溶媒を減圧下に除去して生成物6.2g(82%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=4.08(d,2H),7.53(t,1H),7.80(d,1H),7.94(d,1H
),8.10(s,1H),8.65(s,3H)
実施例12 Fmoc-L-アスパルチル(t-ブチル)-3−(アミノメチル)
-安息香酸
氷バス中に冷却したDMF 50ml中のFmocAsp(But)OPfp(17.33g,30ミリモル)
および実施例11の化合物(6.19g,33ミリモル)の溶液に、ジイソプロピルアミ
ン11.5ml(66ミリモル)を添加し、5時間室温で撹拌した後、5%クエン酸200m
lを添加し、溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合せた抽出液を塩水で洗浄し、
乾燥(硫酸マグネシウム)し、濃縮して得られた固体をエーテル/石油エーテル
で洗浄し、乾燥した。収量16.3g(100%)。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=1.35(s,8H),2.48(dd,1H),2.70(dd,1H),4.2-4.
4(m,6H),7.30(t,2H),7.4-7.5(m,4H),7.7-7.9(m,7H),8.55(t,1H),12.9
2(s,1H)
実施例13 Fmoc-L-アスパルチル(t-ブチル)-3-(アミノメチル)
ベンゾイル-D-2-アミノブチリル-Nα-メチル-Nω,Nω′-
(ビスベンジルオキシカルボニル)-L-アルギニルグリシン
THF 50ml中に実施例12の化合物(10.89g,20ミリモル)、ペンタフルオロフェ
ノール(4.05g,22ミリモル)およびDCC(4.13g,20ミリモル)を含有する混合
物を一夜室温で撹拌した。ジシクロヘキシル尿素を濾去し、THFで濯ぎ、濾液を
濃縮した。これにDMF 40ml中の実施例5の化合物(14.25g,20ミリモル)の溶液
次いでジイソプロピルエチルアミン7.32ml(42ミリモル)を添加した。混合物を
室温で4時間撹拌し、不溶性の物質を濾去し、濾液を撹拌しながら3%クエン酸
200mlに添加した。溶液を酢酸エチルで2回抽出し合せた抽出液を塩水で洗浄し
、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濃縮した。残存物をエーテル/石油エーテルで
磨砕し、生成物22g(98%)を得た。FAB-MS(MH+):計算値1125.5;測定値1125
.7
実施例14 シクロ〔L-アスパルチル(t-ブチル)-3-(アミノメチ
ル)ベンゾイル-D-2-アミノブチリル-Nω,Nω′-(ビスベ
ンジルオキシカルボニル)-L-アルギニルグリシル〕
DMF 100ml中の実施例13の化合物(22.5g,20ミリモル)および4-ジメチルア
ミノピリジン(14.66g,120ミリモル)の溶液を、室温で一夜撹拌
し、3時間かけてDMF 200ml中のTBTU(6.42g,20ミリモル)の溶液にゆっくり添
加し、1時間撹拌を継続した。酢酸エチル(1000ml)を添加し、溶液を2回1%
クエン酸で、そして、3回塩水で洗浄し、濃縮乾固した。残存物をTHF中に溶解
し、濾過後、溶媒を減圧下に除去し、得られた固体をエーテルで洗浄し、乾燥し
た。収量16g(90%)。FAB-MS(MH+):計算値885.4;測定値885.2
実施例15 シクロ〔L-アスパルチル-3-(アミノメチル)ベンゾイル
-D-2-アミノブチリル-Nω,Nω′-(ビスベンジルオキシカ
ルボニル)-L-アルギニルグリシル〕
塩化メチレン中50%TFA 200ml中の実施例14の化合物(16g,18ミリモル)の溶
液を1.5時間室温で撹拌し、次に濃縮した。残存物をエーテルで磨砕して生成物1
4.5g(97%)を得た。FAB-MS(MH+):計算値829.4;測定値829.1
実施例16 シクロ〔L-アスパルチル(アセトキシメチル)-3-(アミ
ノメチル)ベンゾイル-D-2-アミノブチリル-L-アルギ
ニルグリシル〕
DMF 10ml中に実施例15の化合物(1.42g,1.7ミリモル)、ブロモメチルアセテ
ート(980ml,10ミリモル)およびトリエチルアミン(976ml,7ミリモル)を含
有する混合物を一夜室温で撹拌した。酢酸エチルを添加し、溶液を塩水で3回洗
浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濃縮し、乾燥した。残存物をDMF 8ml中に
溶解し、これにメタンスルホン酸130ml(2ミリモル)次いで炭素上10%パラジ
ウム150mgを添加した。混合物を2時間大気圧で水素化し、触媒を濾去し、溶液
を水で希釈した。半分取用HPLCで精製して純粋な生成物650mg(51)を得た。FAB
-MS(MH+):計算値633.3;測定値633.2
実施例17 シクロ〔L-アスパルチル(ピバロイルオキシメチル)-3-
(アミノメチル)ベンゾイル-D-2-アミノブチリル-L-
アルギニルグリシル〕
DMF 10ml中実施例15の化合物(4.14g,5ミリモル)、クロロメチルピバレー
ト(4.3ml,30ミリモル)、トリエチルアミン(2.8ml,20ミリモル)、Nal(4.5
g,30ミリモル)を含有する混合物を18時間室温で撹拌した。酢酸エチル(100ml
)を添加し、溶液を塩水で3回洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濃縮した
。残存物を酢酸エチル15mlに溶解し、酢酸エチル−THF(1:1)を溶離剤とし
て用いながらシリカゲルカラムに通し、純粋な生成物1.5gを得た。生成物をDMF
10mlに溶解し、2時間メタンスルホン酸(100ml)の存在下炭素上10%パラジウ
ム(130mg)を用いて大気圧で水素化した。触媒を濾去し、DMFで濯ぎ、溶液を水
で希釈した。半分取用HPLCを用いて精製し、純粋な生成物1g(26%)を得た。F
AB-MS(MH+):計算値675.3;測定値675.3
実施例18 シクロ〔L-アスパルチル(イソプロピルオキシカルボニルオ
キシメチル)-3-(アミノメチル)ベンゾイル-D-2-ア
ミノブチリル-L-アルギニルグリシル〕
DMF 10ml中実施例15の化合物(4.14g,5ミリモル)、クロロメチルイソプロ
ピルカーボネート(4.58g,30ミリモル)、トリエチルアミン(2.8ml,20ミリモ
ル)、NaI(4.5g,30ミリモル)を含有する混合物を18時間室温で撹拌した。酢
酸エチル(100ml)を添加し、溶液を塩水で3回洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウ
ム)し、濃縮した。残存物を酢酸エチル-THF(1:1)10mlに溶解し、酢酸エチ
ル-THF(1:1)を溶離剤として用いながらシリカゲルカラムに通し、生成物1.
6gを得た。生成物をDMF 10mlに溶解し、2時間130mlの存在下炭素上10%パラジ
ウム(150mg)を用いて大気圧で水素化した。触媒を濾去し、DMFで濯ぎ、溶液を
水で希釈した。半分取用HPLCを用いて精製し、純粋な生成物1g(25%)を得た
。FAB-MS(MH+):計算値667.3;測定値667.3
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07K 5/107 C07K 5/107
5/11 5/11
7/06 7/06
7/64 7/64
(72)発明者 ウオード,ランドル・ケイ
アメリカ合衆国デラウエア州 19808.ウ
イルミントン.イーストブリガンテイーン
コート5111
(72)発明者 シユエ,チユー−ビアーオ
アメリカ合衆国デラウエア州19707‐2400.
ホツケシン.リベンデルコート11