JPH08509382A - 置換を用いた転写による核酸増幅方法、及び該方法のために試薬及びキット - Google Patents

置換を用いた転写による核酸増幅方法、及び該方法のために試薬及びキット

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Abstract

(57)【要約】 ポリヌクレオチド例えば増幅されるべき配列を含むVII、並びにRNAポリメラーゼプロモーター配列を準備し、そして該ポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼ活性、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性及びDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する系及び鎖置換能力の存在下で、プライマー例えば増幅されるべき配列の一部に相補的なセグメントとハイブリダイズできるAを含むプライマーのセットと接触させることによる標的核酸配列を増幅する方法であって、Aは、上流のRNAポリメラーゼプロモーター配列、次いで任意の配列を含み、プライマー例えばDは、該RNAポリメラーゼプロモーター配列を含み、そしてプライマー例えばCは、該任意の配列を含む。Dの伸長生成物は、Cの伸長生成物によって置換され、従って、Dの伸長生成物は一本鎖VIIIの形態で得られる。VIII上でのAのハイブリダイゼーションに引き続く伸長は、二本鎖生成物Xを形成し、該Xは、転写、増幅を受け、一本鎖RNA VIIbisを与える。3つのプライマー、B、E及びFの類似の系は、同様に、VIIbisから一本鎖RNA VIIを生成する。従って、増幅法は、等温で操作できるので循環的である。

Description

【発明の詳細な説明】 置換を用いた転写による核酸増幅方法、及び該方法のために試薬及びキット 本発明は、標的核酸配列の増幅のための方法、試薬及びキットに関する。特に 、本発明は、置換を用いた転写による核酸増幅方法及び該反応によって得られる 増幅生成物の検出にある。 核酸及び遺伝物質に関する技術においては、遺伝子、遺伝子の一部又はヌクレ オチド配列が生物、この生物の細胞抽出物又は生物学的試料中に存在するかどう かをを決定することがしばしば必要である。いずれの遺伝子又は遺伝子の一部も 、ヌクレオチド分子の全て又は一部を形成する特定の配列のヌクレオチド塩基で あるので、ポリヌクレオチドを含んでいる試料中の特定のヌクレオチド配列の存 在を直接的に捜すことが可能である。 特定のヌクレオチド配列の捜索の有用性は、特に病原性生物の検出、対立遺伝 子の存在決定、宿主ゲノム中の遺伝的欠陥の存在の検出、及び特定のmRNAの 存在又は細胞宿主の修飾の検出のために、幅広い。遺伝病、例えばハンチントン 病、デュシェンヌ筋症、フェニルケトン尿症及びβ−タラセミアは、各個人から のDNAを分析することに より診断されうる。更に、ウィルス、ウイロイド、バクテリア、菌類、原生動物 又は他の形態の植物或いは動物を診断し、同定することも、核酸プローブを用い たハイブリダイゼーション実験により行われうる。 核酸の検出のための種々のタイプの方法が、文献に記載されている。これらの 方法、及び特にポリヌクレオチドの検出を要求する方法は、DNA−DNA、D NA−RNA及びRNA−RNA複合体における、核酸の相補鎖のプリン−ピリ ミジンン対合特性に基づいている。この対合プロセスは、二本鎖DNAのアデノ シン−チミン(A−T)及びグアノシン−シトシン(G−C)塩基間の水素結合 の形成によって起こり、アデノシン−ウラシル(A−U)塩基対も、DNA−R NA又はRNA−RNA対において水素結合によって形成されうる。所与の核酸 分子が存在するか否かの決定ための核酸鎖の対合は、通常“核酸ハイブリダイゼ ーション”又は単に“ハイブリダイゼーション”と呼ばれている。 上記のいくつかの例においては、生物又は病気に特異的である配列を同定した 後、試料より核酸を抽出し、そしてこの配列が存在するかどうかを決定するのが 賢明である。この目的のために多くの検出方法が開発された。 病気又は生物に特異的な1以上の配列を同定することが 重要であるけれども、これらの配列の性質及びそれらが同定されたところの様式 は本発明を行う上で特に重要ではない。核酸試料中における標的配列の存在を検 出するための最も直接的な方法は、その配列が、標的核酸にハイブリダイズすべ く標的核酸の一部に十分に相補的であるところの“プローブ”を得ることである 。そのように合成されたプローブが、核酸を含む試料に適用されることができ、 そしてもし標的配列が存在すれば、プローブは反応生成物を形成するためにハイ ブリダイズする。標的配列が存在しない場合に、非特異的なハイブリダイゼーシ ョン現象を避けることによって、反応生成物は形成されない。もし合成されたプ ローブが検出できるマーカーと結合されれば、反応生成物は、存在するマーカー の量を測定することにより検出されうる。サザンブロッティング(Southern E.M .,J.Mol.Biol.,第98巻、第503頁、1975年)又はサンドイッチハイブリイゼー ション(Dunn A.R.,Hassel J.A.,Cell,第12巻、第23頁、1977年)は、これら の方法が用いられるところの例の一部をなす。 しかしながら、このアプローチの主要な難点は、試料中に存在する標的配列の コピー数が低い場合(即ち107未満)にはそれが直接適用できないということ である。これらの条件下では、重要なシグナル、即ち反応のバックグランドノイ ズより大きいシグナルを識別する(即ち、その標的配列上へのプローブの特異的 結合を、プローブと標的配 列とは異なる配列との間の非特異的結合と区別する)のが困難である。この問題 の解決策の一つは、追加の反応によって検出シグナルを増加させることにある。 従って、これらのハイブリダイゼーション技術の検出力を増加させるために種々 の方法が報告されている。これらの、いわゆる“増幅”法は、核酸プローブによ る検出法において種々の段階で用いられ得る。これらの段階は、三つのカテゴリ ー、標的、プローブ或いはシグナルの増幅に分類される。一方ではLewis(1992 年、Genetic Engineering News,第12巻、第1〜9頁)による文献、他方ではAb ramsonとMyers(1993年、Curr.Opin.Biotechnol.第4巻、第41〜47頁)によ る文献が、これらの方法の優れた一般的な総論である。 標的の増幅は、特定の方法により、試料中に存在する核酸フラグメントを増加 させることからなる。そのことは、検出されるべき標的核酸配列のコピー数を著 しく増加させることを可能とする。 最も広く知られた方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCRと呼ばれている)で あり、標的配列とハイブリダイズされたヌクレオチドプライマーの伸長によるイ ンビトロノのDNA合成サイクルの反復に基づいた標的増幅技術である(Saiki ら、1985年、Science第230巻、第1350〜1354頁、米国特許第4683195、第4683202 、第4800159号明細 書、ヨーロッパ特許第0201184号公報)。要約すれば、標的DNAの2本鎖の一 つの鎖の配列にそれぞれ相補的な2つのヌクレオチドプライマーを合成する。デ オキシリボヌクレオシドトリホスフェートを、熱安定性のDNA依存DNAポリ メラーゼ(Taqポリメラーゼ)の存在下にて、過剰量で反応媒体に加える。も し標的DNAが試料中に存在すれば、プライマーはそれらの特定の部位にハイブ リダイズし、そしてポリメラーゼは、標的に相補的なヌクレオチドを連続的に付 加することによりこれらのプライマーの3’末端を伸長する。連続サイクルとし て温度を上下することにより、伸長されたプライマーは標的から分離し、元の標 的と同様、過剰のヌクレオチドプライマーと結合できる。プロセスを繰り返すこ とにより(20〜40回)、2つのプライマー間の標的配列の指数的な蓄積が得 られる。 温度サイクルを用いた他の方法は、ヨーロッパ特許第0320308号公報に記載さ れており、リガーゼ連鎖反応(LCRと呼ばれる)と呼ばれている。2つの隣接 するオリゴヌクレオチドプローブ並びにそれらと相補的である2つの他のプロー ブを、DNAリガーゼの存在下にて、過剰に反応媒体に加える。標的DNAの存 在下、各オリゴヌクレオチドはその相補配列とハイブリダイズし、リガーゼは2 つの隣接してハイブリダイズしたプローブを連結しうる。PCRにおけるのと同 様に連続する温度サイクルによって、及び温度安定性リガーゼ(Barany、1991年 、Proc.Natl. Acad.Sci.USA、第88巻、第189〜193頁)の使用によって、連結されたプローブ は標的から分離して、今度は、過剰のプローブのための標的配列として働く。 修復連鎖反応法(RCRと呼ばれている)は、LCRに類似した増幅法である (国際公開第90/01069号公報)。それは、PCR及びLCRの間の組み 合せ法である。それは、熱安定性DNAリガーゼ及び熱安定性DNAポリメラー ゼの存在下にて、標的に相補的な2つのオリゴヌクレオチドプローブ及び反応媒 体中の過剰の2つのプライマーを用いる。標的DNAが存在する場合は、オリゴ ヌクレオチドはそれらの標的配列とハイブリダイズして、数塩基のギャップが、 隣接するオリゴヌクレオチドプローブから各プライマーの末端を分離する。ポリ メラーゼは、このギャップを埋めて、伸長されたプライマーを隣接するプローブ に連結するリガーゼの作用をも可能とする。従って、DNA修復の自然の方法に 良く似ている。PCR及びLCRにおけるのと同様に、連続する温度サイクルに よって、オリゴヌクレオチドプローブに連結された伸長されたプライマーは、今 度は、プライマーのための標的として及び過剰のプローブとして働きうる。 転写物の増幅に基づいた他の標的増幅法がある(TASと呼ばれている)。T AS(国際公開第WO 88/10315号公報に記載されている)は、3つの 段階の反復サ イクルからなる。最初の段階は、逆転写酵素及びファージRNAポリメラーゼプ ロモーターの特定の配列を含む“ハイブリッド”デオキシヌクレオチドプライマ ーの存在下にて、RNAからのcDNAの合成を可能とする。RNA/cDNA ヘテロ二本鎖を熱変性させた後、一本鎖cDNAをアンチセンスオリゴヌクレオ チドプライマーの存在下で逆転写酵素によって複製する。この第二段階において かくして得られたDNAホモ二本鎖は、ファージDNA依存性RNAポリメラー ゼが結合できるところの二本鎖プロモーターを含む。次いでの第三段階はRNA 分子の転写(鋳型当たり30〜1000)からなり、該RNA分子は、再びcD NA合成のための鋳型として働くことができ、これによって増幅サイクルが連続 する(Davisら、1990年、J.Infect.Dis、第162巻、第13〜20頁)。 TASから派生した種々の方法がある。例えば、自己支持配列複製(Self-Sus tained Sequence Replication)(3SRと呼ばれる)(これは国際公開WO 90/06995及びヨーロッパ特許第0373960号公報に記載されている)、核 酸配列に基づいた増幅(Nucleic Acid Sequence-Based Amplifi cation)(NA SBAと呼ばれる)(これは国際公開WO 91/02818及びヨーロッパ特 許第0329822号公報に記載されている)及び単一プライマー配列複製(Single Pr imer Sequence Replication)(SPSRと呼ばれる)(これは米国特許第51943 70号明細書に 記載されている)がある。これらの方法は、共通して、3つの酵素活性、すなわ ちRNA依存性及びDNA依存性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)、リボヌク レアーゼH(RNase H、大腸菌酵素及び/又は逆転写酵素に付随する酵素 活性)及びDNA依存性RNAポリメラーゼ(T7バクテリオファージRNAポ リメラーゼ)の組み合わせを有する。これらの方法は、同一の原理に基づいてお り、cDNAを介したRNA標的を複製するために、逆転写及び転写反応の連続 工程に従って、固定化された温度(37〜45℃)において行われる。TASの 場合と同様に、RNAポリメラーゼ(T7ファージ)結合部位が、逆転写段階の ために用いられるプライマーによって、cDNA中に導入される。しかしながら 、RNA/DNAヘテロ二本鎖の変性は、RNase H活性によるこのヘテロ 二本鎖のRNAの特異的な加水分解によって一定温度にて行われる。次いで、遊 離のcDNAが、逆転写酵素によって、第二オリゴヌクレオチドプライマーから 複製される。DNA/DNAホモ二本鎖は、T7RNAポリメラーゼによってR NAへと転写され、そしてこのRNAは次のサイクルでの鋳型として再び働くこ とができる。 他の方法、連結反応活性化転写(Ligation Activated Transcription)(LA Tと呼ばれる)(これは、米国特許第5194370号明細書に記載されている)は、 3SR、SPSR及びNASBAと同じ酵素活性を用い、そして同じ サイクルで操作される。しかしながら、プロモーター配列の設置の様式が異なっ ており、この場合、該配列は、DNAリガーゼの存在下にて、プロモーターを含 んだステム−ループ構造の連結反応によって、cDNAの末端に導入される。 他の標的増幅方法は、最近発表された。鎖置換増幅法(Strand Displacement Amplification method)(SDAと呼ばれる)(これはヨーロッパ特許第049727 2号公報に記載されている)は、適当な制限酵素及びエキソヌクレアーゼ活性を 欠損したDNA依存性DNAポリメラーゼを用いた、標的DNA配列の一定温度 (37℃)での増幅を許す(Walkerら、1992年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、 第89巻、第392〜396頁)。それは、5’末端に制限酵素を認識する配列を含むオ リゴヌクレオチドプライマーのハイブリダイゼーションに基づいている。これら のプライマーは、少なくとも一つの修飾されたヌクレオチド(5’[α−チオ] dNTP)の存在下にて、DNAポリメラーゼによって標的上で伸ばされる。制 限エンドヌクレアーゼによるDNAの消化は、プライマーに対応する鎖の切断を 起こし、修飾された相補鎖をそのまま残す。DNAポリメラーゼは、このように して製造されたプライマーの伸長を行うことができ、そしてDNAポリメラーゼ の鎖置換性質を用いて、反応媒体中へDNA鎖を遊離させることができる。次い で、この遊離された鎖は、制限酵素結合配列を含むプ ライマーに結合でき、そしてその後、サイクルは再び開始できる。更に、特定の 末端を有し、増幅法、特に上記SDA中で後に働くことができる、核酸を調製す る方法がヨーロッパ特許出願第543612号公報に記載されている。しかしながら、 この調製方法は、それ自身では、いずれの場合でも、一定温度の増幅サイクルを 引き起こすことが出来ないということを述べておくべきである。エンドヌクレア ーゼ活性の代わりにエキソヌクレアーゼ活性を用いたSDAに同様の方法(エキ ソヌクレアーゼ仲介鎖置換増幅(exonuclease-mediated strand displacement a mplicationと呼ばれる)が、ヨーロッパ特許第0500224号公報に記載されている 。 上記の全ての方法のために、種々の検出法が用いられ得る。それらの内の一つ は、電気泳動分離による特定の大きさを有した反応生成物の検出である。その方 法は、分離様式に従い変化し、ゲル分離、種々の固層(ビーズ、マイクロタイタ ープレート、ラテックス、マグネチック粒子)への結合を含む。他の方法は、放 射性同位元素、例えば32Pによる検出プローブの標識を用い、ついで、電気泳動 と組み合わせて或いは組み合わせずに、反応生成物によって示された放射活性を 検出する。他の方法は、リガンド(例えば、ビオチン又ジゴキシゲニン)、酵素 (例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ )、蛍光マーカー(例えば、フィコビリ蛋白質、フル オレセイン、ローダミン)、ルミネセンスマーカー(例えばアクリジニウムエス テル)又はこれらの修飾の組み合わせを加えることによる、オリゴヌクレオチド プライマーの化学的修飾である。他の方法は、増幅の反応生成物とハイブリダイ ズし、リボヌクレオシドトリホスフェートの存在下にポリメラーゼによって伸長 される検出ヌクレオチドプライマーの開発である(このプライマーは、この場合 に、上記のように修飾されることができる)。これら全ての方法は、固層並びに 液体(均一相)に適用されうる。 しかしながら、前記した全ての増幅技術は、少なくとも一つの主要な限界を有 する。それらは、標的核酸の単一タイプ、即ちRNA又はDNAからのみ増幅生 成物を得ることが可能である。いくつかの場合、例えばPCR、LCR又はRC Rの場合には、最大の限定要因は、標的から反応生成物を分離するために非常に 多くの温度サイクルを行うことの必要性である。このことは、用いられ得る酵素 の選択を温度安定性の酵素に限定する。更に、このような連続した温度サイクル を行うことは、これらの技術を自動化することに対して欠点を構成する。ある種 の増幅技術の他の欠点は、増幅反応生成物の大きさの限界である。たとえばPC RやLCRのような技術は、増幅工程において用いられるヌクレオチドプライマ ー及びプローブに対応する標的の配列のみを増幅することができる。非特異的な バックグランドノイズ(即ち、標的の存在しない場合)はまた、あ る種の技術例えばLCRの重大な欠点である。LCRの場合には、過剰の遊離オ リゴヌクレオチドの末端の連結反応が標的の非存在下で起こる。他の方法、たと えばSDAは、増幅されるべき標的配列のタイプが限定されてしまう。なぜなら 、この配列は、工程において用いられるエンドヌクレアーゼに対応する制限部位 を含むべきでないからである。それ故、もし増幅されるべきフラグメントの配列 が判らない場合には、少なくとも該フラグメントの制限地図を知ることが必須で ある。さらにこの限定は、以下の事実によって大きくなる。制限エンドヌクレア ーゼの選択は、ヘミホスホロチオエート認識部位(即ち、ホスホロチオエートタ イプの少なくとも一つの修飾されたヌクレオチドを有する二本鎖のDNAストラ ンドを含む)及びもっと一般的な観点からは、修飾されたヌクレオチドを含む部 位を切断する能力を有しているものに制限される。化学合成という理由での、修 飾されたヌクレオチドの選択における限定に加えて、増幅工程はまた、その収率 によっても限定される。何故なら、修飾されたヌクレオチドに対するポリメラー ゼのKmはポリメラーゼのための天然のヌクレオチドに対するKmより大きく、 従って、修飾されたヌクレオチドの増幅されるべき標的中への酵素的な取り込み は効率的に低いということが知られている。ある種の増幅技術の他の主要な欠点 は、増幅工程において含まれる多数の酵素活性にある。TASから派生した方法 、たとえば3SR又はNASBAは、少なくとも4つの酵素活性(DNA依存 性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性RNA ポリメラーゼ、RNase H)を要求し、またLATの場合には、5つの酵素 活性(更にDNAリガーゼ)を要求する。これらの4つ或いは5つの酵素活性を 同時に満足させる反応条件を得ることは困難であるので、結果として、これらの 技術を効率的にするのは非常に困難である。更に、これらの転写技術は、RNA 標的分子からのみ増幅を許し、DNAからはできない。最後に、種々の増幅技術 は、核酸のストランドを分離する手段としてヌクレアーゼ活性(エキソヌクレア ーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNase)を用いているが(ヨーロッパ特許第05 00224号公報)、このようなヌクレアーゼ活性の調製においてときどき存在する 望まないヌクレアーゼ活性によって標的又は反応生成物の分解があり得るので、 それらの使用はやはり不利である。更に、転写技術の場合には、RNaseの使 用は、増幅された物質の部分的分解をもたらし、それ故、収率及び技術の感度を だめにする。更に、RNaseの作用は、含まれる種々の酵素の作用との平衡を 維持するために厳格に測定されるべきである。これらの多くの限定の点より、こ れらの既存の方法の代わりである他の増幅方法が望まれる。 本発明は、置換を用いた転写反応による、試料中の任意の配列(並びにその相 補配列)の標的核酸配列(RNA及び/又はDNA)の増幅方法を提供する。該 方法は、試料中の標的核酸配列の検出を許す種々の段階を含む。該方法 は、特に、1)所望の標的配列を含みうる生物学的試料からの核酸の抽出、2) 標的配列の変性、即ちもし標的が二本鎖であれば一本鎖フラグメントの製造、3 )(a)DNA依存性及びRNA依存性DNAポリメラーゼ活性、及び鎖置換活 性を有する酵素又は酵素混合物、(b)RNAポリメラーゼ、(c)(5’から 3’へと)少なくとも5ヌクレオチドの在ってもよい任意の配列、RNAポリメ ラーゼのためのプロモーター配列の全部または一部を含む配列、及び次に標的核 酸フラグメントの3’末端に相補的な配列から順次なるオリゴヌクレオチドプラ イマー、及び/又は(d)その3’末端に3(c)中で定義したプライマーの任 意の配列の全て又は一部を含む任意的なオリゴヌクレオチドプライマー、及び/ 又は(e)その3’において3(c)で定義したプライマーの全部又は一部を有 する任意的なヌクレオチドプライマー、但し該3’末端は3(d)中で定義され たプライマーの下流(3’)にハイブリダイズし、そしてプロモーターのセンス 配列の少なくとも5’部を含みうるが3(c)で定義されたプライマーの3’末 端を含まない、(f)デオキシリボヌクレオシドトリホスフェート及びリボヌク レオシドトリホスフェート、(g)酵素活性の機能に適した緩衝液、を含む反応 混合物の添加、及び(4)反応生成物を製造するための最少時間での保温の実行 を含みうる。 本発明はまた、上記した方法を含む種々の方法による反応生成物の、分離及び /又は検出方法にも及ぶ。分離方法 は、なかんずく、磁気的分離、固形支持体、膜、フィルター又はポリマー上での 捕獲を含む。それぞれの方法において、捕獲基は、マグネチックビーズ、膜、フ ィルター又はポリマーにくっ付きうる。ビーズ、膜、固形支持体、フィルター又 はポリマーは、次いで、増幅方法の反応生成物の存在又は非存在について検定さ れうる。たとえば、捕獲基は、増幅反応生成物と相補的な核酸配列、又は用いら れたプライマーの一つ中あるいは反応生成物中に取り込まれたリガンド或いはハ プテンに対して向けられた蛋白質または抗体であり得る。 本発明の実行のために有用な検出系は、均質系(即ち、分離系を要求しない) 及び、一方で非物質系を含む。個々の系において、1以上の検出マーカーが用い られ、そして検出系の反応又は放射が、好ましくは自動化手段により測定される 。均質検出系の具体例は、蛍光エネルギーの移動、ハイブリダイゼーションによ る保護(アクリジニウムのルミネセンス)、クローン化された酵素供与物の蛍光 の偏光及び免疫学的検出を含む。非均質系の具体例は、酵素マーカー(ペルオキ シダーゼ、ホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ)、蛍光マーカー(酵素的マ ーカー、ローダミン、フルオレセイン)、化学発光及び生物発光を含む。これら の検出系においては、検出できるマーカーは、捕獲基と直接的に又は間接的に複 合でき、または、増幅反応生成物は、蛋白質又は、抗体のためのリガンド或いは ハプテンによって認識されうる抗体の存在下で生成されうる。 本発明の主体はまた、目的の分子を間接的に検出する方法であって、目的の分 子に連結されたマーカーであるポリヌクレオチドを増幅する方法である。マーカ ーポリヌクレオチドの増幅生成物は、それ自身、それらの合成の間に、修飾され たヌクレオチド例えば[32P]又は[3H]で標識されたヌクレオチドの取込み によって直接検出されることができ、または上記方法に従って間接的にも検出さ れることができる。 本発明はまた、プローブとして用いられることができ、またはそのヌクレオチ ド配列の決定のための鋳型として用いられることができる増幅生成物を製造する 方法に関する。増幅された生成物は、増幅に用いられた酵素(DNAポリメラー ゼ及びRNAポリメラーゼ)から分離されて、他の酵素反応、他の増幅系、配列 決定法又は核酸合成法(いくつかの例を挙げると)を含む引き続くプロセスにお いて用いられることができる。 本発明の主体はまた、上記増幅方法の実行を許す、試料中に存在しうる標的核 酸を検出するためのキットである。 これから、本発明を、添付した図を適宜参照して、更に詳細に説明する。 図1は、ある種のポリメラーゼの鎖置換特性を用いた、二本鎖からの核酸鎖の 分離の原理を記載した。 図2は、均質相(単一段階及び単一温度)における、標 的配列(RNA又はDNA)に相補的なRNAの転写による製造のための、鎖置 換によるRNAポリメラーゼプロモーターの設置法を記載する。プロモーターの 配列は、黒い四角によって表し、RNAは太線で表した。プライマーXは、5’ から3’へと、RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列を含む配 列及び標的の下流の配列とハイブリダイズする配列を含み、プライマーZは、そ の伸長がプライマーXから得られたフラグメントに相補的な鎖を製造することを 可能とするところのプライマーを表し、そしてプライマーYは、Xの下流でハイ ブリダイズし、かつその伸長がXの伸長の生成物の置換を作るところの“置換” プライマーを表す。印、“+”及び“−”は、核酸の対向する鎖、即ち相補鎖に 属する配列を表す。 図3は、“置換を用いた転写反応”による、ホモ二本鎖又はヘテロ二本鎖、一 本鎖又は二本鎖のDNA又はRNA(これらは図5に記載されている)からの、 黒い長方形で表されている完全なプロモーターセンス配列を有するプライマーA 及びB(これは、二本鎖の形で、機能的プロモーターを製造する)を用いた、本 発明の増幅方法の導入ルート(エントリー)を記してある。 図4は、“置換を用いた転写反応”による、ホモ二本鎖又はヘテロ二本鎖、一 本鎖又は二本鎖のDNA又はRNA(これらは図6に記載されている)からの、 長い黒い長方 形で表される完全なプロモーターセンス配列を含むプライマーD及びFとは異な り、短い黒い長方形で表されているプロモーターのセンス配列の3’部のみを有 するプライマーA及びB(即ち、プライマーA及びBに含まれた配列は、図4及 び6の場合には、それらが二本鎖の形の時、機能的プロモーターを形成しない) を用いた、本発明の増幅方法の別の導入ルートを記してある。 図5は、黒い長方形で表される完全なプロモーターセンス配列(これは二本鎖 の形で、機能的プロモーターを作る)を含むプライマーA、B、D及びFの全て を用いた、最初の標的の2本の相補鎖に対応するRNA及びDNAの指数的蓄積 をもたらす“置換を用いた転写反応”の増幅サイクルを表す。 図6は、長い黒い長方形で表される完全なプロモーターセンス配列を含むプラ イマーD及びFとは異なり、短い黒い長方形で表されているプロモーターのセン ス配列の3’部のみを有するプライマーA及びB(即ち、プライマーA及びBに 含まれた配列は、図4及び6の場合には、それらが二本鎖の形の時、機能的プロ モーターを形成しない)を用いた、最初の標的の2本の相補鎖に対応するRNA 及びDNAの指数的蓄積をもたらす“置換を用いた転写反応”の増幅サイクルを 表す。従って、この増幅サイクルは、単一機能的プロモーターのみを運び、二本 鎖のうちの一本の みの転写を許す二本鎖ポリヌクレオチドのみをふくむ。 図7は、図5に記載されたように、置換を用いた転写による増幅サイクルの実 行のために用いられ得るプライマーの特定の場合を記載している。 プライマーD(太字)は図5に記載されたそれに対応し、そしてプライマーC bisは、この場合はプライマーDとオーバーラップしている。この特定の場合は 、標的とのプライマーCbisのハイブリダイゼーションは、プライマーDの5’ 末端のハイブリダイゼーションと比べて、熱力学の点より有利であると推定して いる。 図8は、実施例1に記載した、ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動分離、 膜上への移動及びハイブリダイゼーションによる、置換を用いた転写生成物の分 析を表す。矢印は、期待された263塩基の転写生成物を示す。レーン1は、転 写の対照である。レーン2は、置換プライマーが存在しない場合の検定である。 レーン3〜7は、それぞれ5mM、500nM、50nM、5nM及び0.5n Mを含む検定である。 図9は、実施例2に記載した、ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動分離、 膜上への移動及びハイブリダイゼーションによる、置換を用いた転写生成物の分 析を表す。矢印は、期待された263塩基の転写生成物を示す。レーン 1は、プライマーA24(配列ID No.2)及び1028(配列ID No. 3)を用いてPCRにより得られた285塩基対のサイズマーカーに対応する。 検定は、逆転写酵素及びT7RNAポリメラーゼの非存在下(レーン2)又は酵 素の存在下で、3つのタイプのプライマーX、Y及びZを用いて(レーン3)、 置換プライマーYなしで(レーン4)又はプライマーZなし(レーン5)で行っ た。 図10は、実施例3に記載した、ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動分離 、膜上への移動及びハイブリダイゼーションによる、置換を用いた転写生成物の 分析を表す。レーン1は、プライマーA24(配列ID No.2)及び102 8(配列ID No.3)を用いてPCRにより得られた285塩基対のサイズ マーカーに対応する。レーン2は、T7RNAポリメラーゼ存在下での、285 塩基対の標的転写の対照である。レーン3〜6は、試薬、即ちT7RNAポリメ ラーゼ(レーン3)、逆転写酵素(レーン4)、プライマーZ(レーン5)又は 置換プライマーY(レーン6)の一つの非存在下で行った検定である。レーン7 は、実施例3に記載された全ての試薬の存在下での検定である。 図11は、実施例4に記載した、ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動分離 、膜上への転写及び、プローブA2 8(配列ID No.5)(パネルA)又はプローブA19(配列ID No.1 1)(パネルB)(これらは、それぞれ+RNA又は−RNAを検出する)のい ずれかとのハイブリダイゼーションによる、核酸鎖のいずれか一つの転写のため に配向された2つのプロモーターが両側にある核酸からの転写生成物の分析を表 している。レーン1は、275塩基対のサイズマーカーに対応する。レーン2は 、転写検定である。 図12及び13は、それぞれ図3及び図5の、別の実施態様を表している。 図14及び15は、それぞれ図3及び図5に記載された増幅法を単純化した方 法、即ちプロモータ−D及び/又はF(任意である)を反応媒体から除いている 方法を表している。 図16及び17は、それぞれ図3及び図5に記載された増幅法を単純化した方 法、即ちプライマーA及びBは、もはやプロモーターのセンス配列の上流の任意 的な規定された配列を含まない方法を表している。従って、置換プライマーC及 びE(図5)の使用は、もはや必須ではない。酵素的な置換の役割は、A及びB に含まれるプロモーターのセンス配列、即ちそれぞれプライマーD及びFによっ て提供される。 本発明の方法に従って、標的核酸配列の増幅方法であって、該核酸配列がその 5’末端から、5’−3’方向に、少なくとも5ヌクレオチドを有する上流配列 及び、その3’末端から、3’−5’方向に、少なくとも5ヌクレオチドを有す る下流配列を含む核酸配列であるところの方法は、以下の段階: 増幅されるべき配列に対応する第一のセグメントを含み、かつ更に、RNAポ リメラーゼプロモーターのセンス配列又はアンチセンス配列又は該センス又はア ンチセンス配列の少なくとも一部を含むセグメントから選ばれる少なくとも一つ の第二のセグメントを含むポリヌクレオチドを得る段階(ここで、該センス配列 又はその一部を含むこのような第二のセグメントは該第一のセグメントの5’末 端の上流に置かれ、そして該アンチセンス配列又はその一部を含むこのような第 二のセグメントは該第一のセグメントの3’末端の下流に置かれると理解される )、そして RNAポリメラーゼ活性、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性、DNA依存 性DNAポリメラーゼ活性及び鎖置換活性を有する系の存在下で、該活性が作用 する条件下で、そして過剰のデオキシリボヌクレオシドトリホスフェート及びリ ボヌクレオシドトリホスフェートの存在下において、上記ポリヌクレオチドをプ ライマーのセットと接触させる段階を含み、ここで該プライマーのセットは、過 剰に存在し、かつ a)その5’末端から3’末端へと順次に以下のセグメン トを含む第一のプライマー: 任意の配列(第一のプライマーの構成要素としてのその存在は任意である)の 第一のポリヌクレオチドセグメント、ここで該第一のセグメントは、存在する場 合には少なくとも5ヌクレオチドを含む、 RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全て又は一部を含む 、又は3’末端部分を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメン ト、 及び、該上流配列と同じ長さを有し、かつ該上流配列に相同であるか又は該上 流配列とハイブリダイゼーションできる第三のセグメント、 及び/又は b)その5’末端から3’末端へと順次に以下のセグメントを含む第二のプライ マー: 第一のプライマーの第一のセグメントと同様に定義される(しかしそれと同一 である必要はない)第一の任意的のセグメント、 第一のプライマーの第二のセグメントと同様に定義される(しかしそれと同一 である必要はない)第二のセグメント、 及び、該下流配列と同じ長さを有し、かつ該下流配列に相同であるか又は該下 流配列とハイブリダイゼーションできる第三のセグメント、ここで第一及び第二 プライマーのうちの一つの第三のセグメントは増幅されるべき該配列の上流又は 下流配列の内の一つと相同であり、一方、他のプ ライマーの第三のセグメントは、他の下流又は上流の配列とハイブリダイゼーシ ョンできると理解される、 及び/又は c)以下のいずれかの配列を含む第三の及び/又は第四の任意的のプライマー それぞれ第一のプライマー及び第二のプライマーの第二のセグメントに相同で あり、5’末端部分を含む該RNAポリメラーゼプロモーターのセンス配列の少 なくとも一部を含む配列、又は それぞれ第一及び第二のプライマーの第一のセグメントの一部分に相同である 配列(ただしそれらの5’部分は含まない)、 及び/又は d)以下のいずれかの配列を含む第五の及び/又は第六の任意的のプライマー それぞれ第三の及び第四のプライマーの一部に相同な配列であり、該一部は該 第三の又は第四のプライマーの3’末端ヌクレオチドを含まない配列、又は それぞれ、第一の及び第二のプライマーの該第一セグメントの少なくとも一部 に相同な配列、 を含む。 本発明に従った増幅方法の特定の実施態様に従って、増幅方法は以下の段階を : 増幅されるべき配列に対応する第一のセグメントを含み、かつ更に、RNAポ リメラーゼプロモーターのセンス 配列又はアンチセンス配列又は該センス又はアンチセンス配列の少なくとも一部 を含むセグメントから選ばれる少なくとも一つの第二のセグメントを含むポリヌ クレオチドを得る段階(ここで、該センス配列又はその一部を含むこのような第 二のセグメントは該第一のセグメントの5’末端の上流に置かれ、そして該アン チセンス配列又はその一部を含むこのような第二のセグメントは該第一のセグメ ントの3’末端の下流に置かれると理解される)、そして RNAポリメラーゼ活性、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性、DNA依存 性DNAポリメラーゼ活性及び鎖置換活性を有する系の存在下で、該活性が作用 する条件下で、そして過剰のデオキシリボヌクレオシドトリホスフェート及びリ ボヌクレオシドトリホスフェートの存在下において、上記ポリヌクレオチドをプ ライマーのセットと接触させる段階を含み、ここで該プライマーのセットは、過 剰に存在し、かつ a)その5’末端から3’末端へと順次に以下のセグメントを含む第一のプライ マー: 任意の配列(第一のプライマーの構成要素としてのその存在は任意である)の 第一のポリヌクレオチドセグメント、ここで該第一のセグメントは、存在する場 合には少なくとも5ヌクレオチドを含む、 RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全て又は一部を含む 、又は3’末端部分を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメン ト、 及び、該上流配列と同じ長さを有し、かつ該上流配列に相同であるか又は該上 流配列とハイブリダイゼーションできる第三のセグメント、 b)その5’末端から3’末端へと順次に以下のセグメントを含む第二のプライ マー: 第一のプライマーの第一のセグメントと同様に定義される(しかしそれと同一 である必要はない)第一の任意的セグメント 第一のプライマーの第二のセグメントと同様に定義される(しかしそれと同一 である必要はない)第二のセグメント、 及び、該下流配列と同じ長さを有し、かつ該下流配列に相同であるか又は該下 流配列とハイブリダイゼーションできる第三のセグメント、ここで第一及び第二 プライマーのうちの一つの第三のセグメントは増幅されるべき該配列の上流又は 下流配列の内の一つと相同であり、一方、他のプライマーの第三のセグメントは 、他の下流又は上流の配列とハイブリダイゼーションできると理解される、 c)以下のいずれかの配列を含む第三の及び/又は第四のプライマー それぞれ第一のプライマー及び第二のプライマーの第二のセグメントに相同で あり、5’末端部分を含む該RNAポリメラーゼプロモーターのセンス配列の少 なくとも一部を含む配列、又は それぞれ第一及び第二のプライマーの第一のセグメント の一部分に相同である配列(ただしそれらの5’末端は含まない)、 及び/又は d)以下のいずれかの配列を含む第五の及び/又は第六のプライマー それぞれ第三の及び第四のプライマーの一部に相同な配列であり、該一部は該 第三の又は第四のプライマーの3’末端ヌクレオチドを含まない配列、又は それぞれ、第一の及び第二のプライマーの該第一セグメントの少なくとも一部 に相同な配列、 を含む。 本明細書においては、“上流”なる表現は、問題の核酸又はポリヌクレオチド 配列の5’末端側に置かれた領域を示し、そして、“下流”なる表現は、問題の 核酸又はポリヌクレオチド配列の3’末端側に置かれた領域を示す。 他の配列と相同な配列とは、他と同一の配列、又はそれが相同であるところの 配列に厳密に相補的な配列とハイブリダイズするほとんど同一の配列を示す。 “ヘテロ二本鎖”なる語は、RNA/DNAハイブリッドを意味する。“ホモ 二本鎖”なる語は、DNA/DNA又はRNA/RNAハイブリッドを示す。 “ヌクレオシドトリホスフェート”なる語は、デオキシリボヌクレオシドトリ ホスフェート及び/又はリボヌクレオシドトリホスフェートを示す。 直上で定義した方法においては、出発物質は、増幅され るべき配列に“対応する”(これは、増幅されるべき該配列であるか又は増幅さ れるべき該配列の相補鎖であるという意味である)第一のセグメントを含み、該 方法は、開始物質が一本鎖であっても、いずれの場合においても2つの相補鎖の 増幅を提供すると理解される。 ある種のポリメラーゼにおいて良く知られている鎖置換能力は、なかんずく、 DNA依存性DNAポリメラーゼにためのDNA合成及びRNA依存性DNAポ リメラーゼによるDNA合成に結び付けられる。もちろんこの鎖置換能力は、関 与するポリメラーゼが5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有していない場合に はもっと効率的である。この鎖置換能力は、以下に示すように、ポリメラーゼに は依存しないと証明されうる。 用いられるポリメラーゼは、リボヌクレアーゼH活性が増幅法の作用を妨げな い限りは、該活性を持つことができるということに注目すべきである。 今まで明らかにした方法においては、第三及び第4のプライマーが同一であり 得るということは容易に判る。同様に、第五及び第六のプライマーも同一であり 得る。 上記した増幅方法を機能させるためには、もしそれらが存在するならば、第三 及び第四のプライマーは、RNAポリメラーゼプロモーターのセンス配列の少な くとも5’部分を含む。これは、図4、5、6及び7で示されたプライマーD、 及び図4、5及び6で示されたプライマーFの場合である。これらの図4及び6 は、プライマーA及び/又 はBが、RNAポリメラーゼのためのプロモーターの完全な配列を含むことが必 須でないということを示している。一方で、A及びFから、他方でB及びDから 導かれる反応生成物は、RNAポリメラーゼプロモーターの機能的なセンス配列 を含むべきである。 “鎖置換活性”とは、鋳型(テンプレート)依存性核酸合成と結びついて又は それに近接して、生物学的、化学的又は物理的要因、例えばDNAポリメラーゼ が、5’から3’の方向へ、その相補鎖から対合した核酸の解離を起こす現象を 示す。鎖置換は、対合した核酸配列の5’末端で開始し、そしてそれ故、酵素は 置換部位の5’において同時に核酸合成を行う。新しく合成された核酸及び置換 された核酸は、一般的に、鋳型核酸鎖に相補的である同じヌクレオチド配列を有 する。鎖置換活性は、核酸合成、特にDNA合成の活性を与える分子と同一の分 子上におかれることができ、または別個の独立した活性でありうる。DNAポリ メラーゼ、たとえばE.coli DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼ Iのクレノウフラグメント、T7又はT5バクテリオファージDNAポリメラー ゼ、HIVウイルス逆転写酵素は、ポリメラーゼ活性及び鎖置換活性を有する酵 素である。薬剤例えばヘリカーゼは、鎖置換効果、すなわち同じ配列の核酸合成 と結び付けられた核酸の置換を生じるために、鎖置換活性を有しない誘発剤と共 同で用いられ得る。同様に、蛋白質たとえばE.coli又は他の生物からのR ecA又は一本鎖結合蛋白質が、他 の誘発剤と共同して、鎖置換を生じるために又は促進するために用いられ得る。 鎖置換の更なる説明及び議論は、KORNBERG,A.とBAKER T.A.(1992年、DNA 複製、第2版、第113〜225頁、Freeman,N York)を参照。 RNAポリメラーゼのためのプロモーターは、転写を開始するのを可能にする 配列及び構造を指定する。 例として、転写を開始できる“ループ構造”を挙げることができる(Mol lega ard,N.ら、1994年、PNAS、第91巻、第3892〜3895頁)。 RNAポリメラーゼプロモーターのセンス配列は、その3’末端が、同一のプ ロモーターによって定義される転写開始部位に隣接しているところの二本鎖プロ モーターの配列を示す。 RNAポリメラーゼプロモーターのアンチセンス配列は、その5’末端が、同 一のプロモーターによって定義される転写開始部位に相補的なヌクレオチドに隣 接しているところの二本鎖プロモーターの配列を示す。 特定の実施態様に従って、開始物質として用いたポリヌクレオチドは更に、 a)該ポリヌクレオチドの該センス配列の全部又は一部を含む該第二セグメント の5’末端の上流の、第一及び第二プライマーの内の一つの第一セグメントに相 同なセグメント 及び/又は b)該ポリヌクレオチドの該アンチセンス配列を含む該第 二セグメントの3’末端の下流の、第一及び第二プライマーの内の一つの第一セ グメントとハイブリダイズできるセグメント を含む。 直前に示した種々の開始物質が、本発明に従った増幅反応を引き起こすことは 、容易に調べられる。 これらの開始物質は、適当な場合には、ヌクレオチド合成又は半合成により調 製できる。 特定の実施態様においては、開始ポリヌクレオチドは、生物学的試料より単離 されたRNA又はDNAであり得る。この場合には、標的核酸から始めて、場合 により標的の変性の後に、単一段階において、全ての試薬(プライマー、ポリメ ラーゼ等)を反応の開始から添加することにより、上記した増幅反応を得ること ができる。この特定の実施態様は、以下の事実によって特徴づけられる:上記し た方法で開始物質として用いる該ポリヌクレオチドを得るために、増幅されるべ き配列を含み、かつ増幅されるべき該配列の3’末端を超えて、下流領域を経由 して、かつ増幅されるべき該配列の5’末端を超えて、上流領域を経由して伸長 する標的核酸から出発して工程が実施される。 該核酸は、過剰のヌクレオシドトリホスフェート、及び DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ及び鎖置換活性を有する該系、 及び上記したプライマーを含み、かつ更に、標的の下流の該領域とハイブリダ イズできる7番目のプライマー及び 上流の該領域に相補的な配列とハイブリダイズできる8番目のプライマーを含む プライマーのセットと接触させられる。 本発明の特定の実施態様においては、本発明において用いるヌクレオチドプラ イマーの数を制限するために、第7及び/又は第8のプライマーの配列と同等な 第一及び/又は第二のプライマーの第一セグメントの配列を選ぶことができる。 本発明はまた、標的核酸を増幅する方法(この方法は上記した)を実行するた めのプライマーのセットに関する。プライマーのこのセットは、少なくとも: a)その5’末端から3’末端に、順次以下のセグメントを含むプライマーA1 、 任意の配列の第一の任意的なポリヌクレオチドセグメント、ここで該第一のセ グメントは、存在する場合は、少なくとも5ヌクレオチドを含む、 RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全部又は一部を含む か、又はその3’末端を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメ ント、 及び標的配列とハイブリダイゼーションできる第三のセグメント、 及び/又は b)以下のいずれかの配列を含むプライマーA2: プライマーA1の第二セグメントの全て又は一部に相同であり、かつ該RNA ポリメラーゼプロモーターのセンス 配列の少なくとも5’部分を含む配列、 または、第一及び第二プライマーの第一セグメントに一部分に相同であるが、 それぞれそれらの5’部分は含まない配列、 及び/又は c)以下のいずれかの配列を含むプライマーA3: プライマーA2の一部に相同であるが、A2の3’末端ヌクレオチドは含まな い配列、 又は、A1に存在する上記した第一セグメントの少なくとも一部に相同な配列 、を含む。 特定の実施態様に従って、プライマーのセットは、少なくとも: a)その5’末端から3’末端に、順次以下のセグメントを含むプライマーA1 、 任意の配列の第一の任意的なポリヌクレオチドセグメント、ここで該第一のセ グメントは、存在する場合は、少なくとも5ヌクレオチドを含む、 RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全部又は一部を含む か、又はその3’末端を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメ ント、 及び標的配列とハイブリダイゼーションできる第三のセグメント、 b)以下のいずれかの配列を含むプライマーA2: プライマーA1の第二セグメントの全て又は一部に相同であり、かつ該RNA ポリメラーゼプロモーターのセンス 配列の少なくとも5’部分を含む配列、 または、第一及び第二プライマーの第一セグメントの一部分に相同であるが、 それぞれそれらの5’部分は含まない配列、 及び/又は 以下のいずれかの配列を含むプライマーA3: プライマーA2の一部に相同であるが、A2の3’末端ヌクレオチドは含まな い配列、 又は、A1に存在する上記した第一セグメントの少なくとも一部に相同な配列 、を含む。 この特定の実施態様の概略を、前もっての変性を当然要求する二本鎖核酸の場合 にて、図3に示した。 図3から明らかなように、標的(I)にそってプライマーAの伸長生成物が、 プライマーGの伸長生成物によって置換され、それによって二本鎖生成物(III )及び一本鎖DNA(II)の生成が起こる。同様に、標的の他の鎖(I’)に沿 ってプライマーBの伸長生成物が、Hの伸長生成物によって置換され、それによ って二本鎖生成物(III’)及び一本鎖DNA(II’)の生成が起こる。 プライマーA及びGの、一本鎖DNA(II’)とのハイブリダイゼーションは 、同様に二本鎖DNA生成物(V’)及び一本鎖DNA(IV’)の生成を起こす 。プライマーBの一本鎖DNA(IV’)とのハイブリダイゼーションは、二本鎖 DNA生成物(VI)を生じ、該生成物は、その鎖のそれぞれの上に、RNAポリ メラーゼプロモーターのセンス配列(又はプライマーA及びプライマーBのそれ ぞれに存在するセンス配列の部分)を有する。 同様のハイブリダイゼーション、伸長、置換によって、一本鎖DNA生成物( II)が同じ二本鎖DNA生成物(IV)を生じることが容易に判りうる。 更に、二本鎖生成物(V)は、もしそれがRNAポリメラーゼプロモーターの 完全な配列を含んでいれば、B及びHとハイブリダイゼーションできる一本鎖R NA転写生成物を与え、そしてこれらのプライマーの逆転写酵素による、置換を 伴う伸長は、一本鎖DNAの生成を生じ、その ために、Aとのハイブリダイゼーション及び続く伸長によって、二本鎖DNA生 成物(VI)を得ることをまた可能にするということを検定するが容易である。二 本鎖DNA(V’)から始まる類似の反応はまた、二本鎖DNA生成物(VI)を 生じる。図3において、第7及び第8のプライマーG及びHの使用が、二本鎖D NA生成物(VI)を生じ、該生成物は、確かに、上記した一般的方法において開 始物質として用いることができるポリヌクレオチドである。 本発明の特定の実施態様において、一本鎖核酸フラグメントの存在下、第一プ ライマー“A”(5’から3’に向かって、順次、任意の配列、引き続くRNA ポリメラーゼプロモーター又は配列の全て又は一部に対応する配列、次いで標的 に相補的な配列からなる)は、その標的配列(I)とハイブリダイズする(図3 )。DNAポリメラーゼの存在下、ヌクレオチドが、標的配列(I)の全体長さ にそってこのプライマーの3’末端に加えられる。伸長生成物は、鎖置換によっ て標的核酸鎖から分離され、次いで、プライマーAの上流にハイブリダイズした プライマー“G”の伸長がおこり、それが二本鎖生成物(III)及び一本鎖DN A(II)の生成を結果する。第二のプライマー“B”(5’から3’に向かって 、順次、任意の配列、引き続くRNAポリメラーゼプロモーターの配列の全て又 は一部に対応する配列、次いで標的核酸配列からなる)は、新たに合成されそし て媒体中に放たれた伸長生成物(III) の3’末端においてハイブリダイズする。DNAポリメラーゼの存在下、ヌクレ オチドは、新たに合成された鎖の配列全体に沿って、このプライマーの3’末端 に付加される。この第二の新たに合成された鎖は、鎖置換によって第一の鎖から 分離され、次いでプライマーBの上流で標的とハイブリダイズされたプライマー “H”の伸長がおこる。この第一のプライマーAは、次いで、この第二の放たれ た鎖とハイブリダイズでき、ポリメラーゼ及びデオキシリボヌクレオシドトリホ スフェート(dNTP)の存在下で伸長されうる。それから得られた所定サイズ の二本鎖反応生成物(VI)は、すると、その末端において、任意の配列により5 ’側で先行されている機能的RNAポリメラーゼプロモーター配列を含む(図3 )。 得られた生成物VIは、記載した増幅のための開始物質である(図5)。 次いで、RNAポリメラーゼは、リボヌクレオシドトリホスフェート(rNT P)の存在下、そのセンス配列がAに含まれるところのプロモーターを用いて転 写する。それ故、RNA(VII)は、その3’末端に、プライマーBに相補的な 配列を含む(図5)。それぞれの転写されたRNAは、その3’末端において、 プライマーBの任意の配列の全て又は一部を含む配列をその3’末端に有するプ ライマー“C”と、そしてCの下流で、Bに含まれるプロモーターのセンス配列 の全て又は一部をその3’末端に有するプライマー“D”と同時的にハイブリダ イズする。RNA 依存DNAポリメラーゼは、dNTPの存在下、プライマーCの3’末端を伸長 し、そして同時にプライマーDの伸長から得られる上流の鎖を置換する。このこ とは、Aのプロモーターから転写されたRNAに相補的でかつその5’末端にB のプロモーターの配列を含む一本鎖DNA(VIII)の、媒体中への放出を生じる 。次いで、この鎖の3’末端は、プライマーAとハイブリダイズできる。DNA ポリメラーゼは、DNA鎖にそってプライマーAの3’末端を、そしてプライマ ーAに沿ってDNAの3’末端を伸長する。次いで、所定サイズの得られる二本 鎖反応生成物(X)は、その一端に、Bに含まれる機能的RNAポリメラーゼプ ロモーター配列を、そして他の一端に、Aに含まれる機能的RNAポリメラーゼ プロモーター配列を含み、任意の配列が5’側で先行している。次いでRNAポ リメラーゼは、rNTPの存在下、Bのプロモーターから転写し、それ故、RN A(VII bis)は、その3’末端にプライマーAに相補的な配列を含む。 同様に、ついで、RNAポリメラーゼは、rNTPの存在下、所定の配列によ り5’で先行されている機能的RNAポリメラーゼプロモーター配列を各端に有 する所定のサイズの二本鎖核酸フラグメント(VI)の一本の鎖に含まれるBに含 まれるプロモーターから転写する。それ故、RNA(VII bis)は、その3’末 端にプライマーAに相補的な配列を有する(図5)。各転写されたRNAの3’ 末端は、その3’末端にプライマーAの“上流”配列の全て又 は一部を含む配列を有するプライマー“E”と、そしてその3’末端にプライマ ーAの配列の全て又は一部を有するプライマー“F”と同時的にハイブリダイズ する。プロモーター配列E及びFは、プライマーFがEの下流に(即ち3’側に )ハイブリダイズするように選ばれる。RNA依存性DNAポリメラーゼは、d NTPの存在下、プライマーEの3’末端を伸長し、そして同時に、プライマー Fの伸長から得られる下流の鎖を置換する。このことは、Bのプロモーターから 転写されたRNAに相補的でありかつその5’末端にAのプロモーター配列を含 む一本鎖DNA(VIII bis)の、媒体中への放出を生じる。ついで、この鎖は、 その3’末端において、プライマーBとハイブリダイズできる。DNAポリメラ ーゼは、DNA鎖(VIII bis)にそってプライマーBの3’末端を、そしてプラ イマーBにそってDNA鎖(VIII bis)の3’末端を伸長する。ついで、所定の サイズの得られる二本鎖反応生成物(X bis)は、一端に、Aに含まれる機能的 RNAポリメラーゼプロモーター配列を、そして他の一端に、Bに含まれる機能 的RNAポリメラーゼプロモーター配列を含み、それらは所定の任意の配列によ り5’側で先行されている。ついで、RNAポリメラーゼは、rNTPの存在下 、Aのプロモーターから転写する。それ故、RNA(VII)は、それらの3’末 端に、プライマーBに相補的な配列を含む。 それらの3’末端に、プライマーBに相補的な配列を含むRNA(VII)は、 その各端にAのプロモーターからの機 能的RNAポリメラーゼプロモーター配列(これは所定の任意の配列により5’ 側で先行されている)を含む所定のサイズの二本鎖核酸フラグメント(VI)を含 む鋳型から転写されたものと同一である。それ故、それらはプライマーCおよび Dを、ハイブリダイゼーションにより結合し、上記反応サイクルは連続する。 同様に、それらの3’末端にプライマーAに相補的な配列を含むRNA(VII bis)は、その各端に“B”のプロモーターからの機能的RNAポリメラーゼプ ロモーター配列(これは、所定の任意の配列により5’側で先行されている)を 含む所定のサイズの二本鎖核酸フラグメント(VII)を含む鋳型から転写された ものと同一である。それ故、それらはプライマーEおよびFを、ハイブリダイゼ ーションにより結合し、上記反応サイクルは連続する。 このことは、プライマーA及びBの第二セグメントの間の標的の指数的増幅を もたらし、増幅された標的に対応する二本鎖DNA及び/又はRNAの蓄積を生 じる。 本発明に記載された方法は、等温工程であり、たった二つの酵素を使用でき、 RNA及びDNAの双方を生成し、何らの所定の末端なしで標的RNA及びDN Aから行うことができ、標的配列の性質によって限定されず、かつ二重となった 鎖の分離のための(リボ)ヌクレアーゼ活性を要求しないという利点を有する。 さらに、用いたポリメラーゼによる、増幅生成物中への修飾されたヌクレオチド の取り込みは伴われない。 本発明はまた、上記方法を行うためのキットであって、上記で定義したプライ マーA1、A2、A3のセット、及び a)その5’末端から3’末端に向かって、順次以下のセグメントを含むプライ マーB1、 任意の配列の第一の任意的なポリヌクレオチドセグメント(該第一のセグメン トは、存在する場合は、少なくとも5ヌクレオチドを含む) RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全部又は一部を含む か、又はその3’末端を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメ ント、 及び標的上であって、プライマーA1がハイブリダイズできるところの配列の 上流に位置する標的配列に相補的なヌクレオチド配列とハイブリダイズできる第 三のセグメント、 及び/又は b)以下のいずれかの配列を含むプライマーB2: プライマーB1の第二セグメントの全て又は一部に相同であり、かつ該RNA ポリメラーゼプロモーターのセンス配列の少なくとも5’部分を含む配列、 または、第一及び第二プライマーの第一セグメントの一部分に相同であるが、 それぞれそれらの5’部分は含まない配列、 及び/又は c)以下のいずれかの配列を含むプライマーB3: プライマーB2の一部に相同であるが、B2の3’末端ヌクレオチドは含まな い配列、 又は、B1に存在する上記した第一セグメントの少なくとも一部に相同な配列 、 を含む少なくとも一つの第二のプライマーセットを含むことを特徴とするキット に関し、該キットは、場合によりさらに、上記で定義した第七及び第八のプライ マーを含む。 本発明に従ったキットの特定の実施態様に従って、プライマーの第二のセット は、 a)その5’末端から3’末端に向かって、順次以下のセグメントを含むプライ マーB1、 任意の配列の第一の任意的なポリヌクレオチドセグメント(該第一のセグメン トは、存在する場合は、少なくとも5ヌクレオチドを含む) RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全部又は一部を含む か、又はその3’末端を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメ ント、 及び標的上であって、プライマーA1がハイブリダイズできるところの配列の 上流に位置する標的配列に相補的なヌクレオチド配列とハイブリダイズできる第 三のセグメント、 及び/又は b)以下のいずれかの配列を含むプライマーB2: プライマーB1の第二セグメントの全て又は一部に相同であり、かつ該RNA ポリメラーゼプロモーターのセンス 配列の少なくとも5’部分を含む配列、 または、第一及び第二プライマーの第一セグメントの一部分に相同であるが、 それぞれそれらの5’部分は含まない配列、 及び/又は c)以下のいずれかの配列を含むプライマーB3: プライマーB2の一部に相同であるが、B2の3’末端ヌクレオチドは含まな い配列、 又は、B1に存在する上記した第一セグメントの少なくとも一部に相同な配列 を含み、該キットは、場合によりさらに、上記で定義した第七及び第八のプライ マーを含む。 本発明においては、分析されるべき試料は、標的核酸配列を含むと思われる任 意の開始物質から単離されうる。動物、特に哺乳動物にとっては、これらの物質 の起源は、血液、骨髄、リンパ液、硬い組織(肝臓、脾臓、腎臓、肺、卵巣等) 、唾液、スミア(smear)、便、尿でありうる。開始物質のための他の起源は、 植物、土壌試料、食品生成物、並びに生物を含むと思われる他の起源でありうる 。 これらの開始物質からの核酸の単離は、種々の方法で行われうる。これらの方 法は、ライゼートを生じる界面活性剤の使用、酵素(たとえば、リゾチーム、プ ロテイナーゼK)の使用、超音波処理、ビーズの存在下での機械的攪拌、または フレンチプレスの使用を含む。いくつかの場合には、混入物たとえばヌクレアー ゼを除くために、抽出された核酸を精製することが必要である。この場合には、 核 酸の精製は、フェノールークロロホルム抽出、クロマトグラフィー、イオン交換 、電気泳動、平衡遠心分離により、また固体支持体上でのハイブリダイゼーショ ンによる捕獲により行われうる。 核酸は分離されるとすぐに、サイズが10キロベース未満のフラグメントを得 るために、たとえば超音波処理により、それらのいくつかの簡単なフラグメント 化が行われうる。このことは、特に二本鎖核酸の場合に、開始の変性を容易にす ることを可能とする。 上記の方法において用いられるプライマーは、5〜100ヌクレオチドの長さ を有する。例えば、プライマーA及びBの長さは、一般的に30〜100ヌクレ オチド、好ましくは40〜70ヌクレオチドである。一方、プライマーC、D、 E、F、G及びHは、5〜50ヌクレオチド、好ましくは10〜35ヌクレオチ ドである。プライマーA及びBは、それぞれ、それらの3’末端において、標的 配列(ここでは、一本鎖と仮定する)に実質的に相同又は相補的であるべきであ り、それによって、ドラスティックな或いは高度に差別化条件下で、標的または その相補鎖の特定の部位とのハイブリダイゼーションが起こりうる。プライマー A及びBは、その5’末端に、少なくとも5ヌクレオチドの長さの所定の任意の 配列を含みうる。この配列は、場合により、A及びBで共通であってもよいが、 同様に異なっていてもよい。該所定の配列は、任意の手段によって選べれうるが 、ただし、それは標的との著しい相同性を含 まず、かつプライマー内での二次構造(例えば、ステム‐ループまたは二重螺旋 )の形成も、AとBの間のダイマーの形成も起こさない。この所定の配列の下流 において(即ち、3’に向かって)、プライマーA及びBは、その相補性によっ て、RNAポリメラーゼを結合し、RNAの転写を開始する能力を有する配列の センス配列を含むべきである。これらのいわゆる“プロモーター”配列(或いは 、“プロモーター”のセンス又はアンチセンスと呼ばれる)は、例えば、ファー ジRNAポリメラーゼプロモーター配列(例えば、バクテリオファージT7、T 3及びSP6)である。T7ファージRNAポリメラーゼは、効率的なRNAの 転写のためには、DNA上に特定のプロモーター配列の存在をを要求することが 知られている。この特定のプロモーター配列は、完全に特徴づけられており(Du nnとStudier、1993年、J.Mol.Bio1.第166巻、第477〜535頁)、そしてそのプ ロモーターからのT7RNAポリメラーゼ転写の高い特異性が示されている(Ba ileyら、1983年、Proc.Natl.Acad Sci.第80巻、第2814〜2818頁)。これらの 特性は、機能的な二本鎖プロモーターを含む鋳型から、インビトロでRNAを製 造するために用いられうる(KruppとSoll、1987年、FEBS Lett.第2巻、第271 〜275頁)。同様に、RNAは、二本鎖プロモーター含む合成オリゴヌクレオチ ドの鋳型から、T7RNAポリメラーゼを用いて、インビトロで転写されうる( Milliganら、1987年、Nucl.Acids Res.第15巻、第8783〜8798頁)。 Kruppによる文献(1988年、Gene、第72巻、第75〜89頁)は、ファージRNAポ リメラーゼを用いた方法及びインビトロでのRNA合成のための有用な計画につ いての優れた総論である。用いられるプロモーター配列はまた、真核生物のRN Aポリメラーゼ、例えばRNAポリメラーゼIII(Sharpら、1985年、Crit.Rev .Biochem.、第19巻、第107〜144頁)のためのプロモーター配列であり得る。 本発明のいくつかのプライマーは、相同な配列を含む。種々のプライマーの相 対濃度を調節することは、サイクルを良好に働かせるために、特定のハイブリダ イゼーションを促進することを可能とする。 本発明の方法においては、標的核酸フラグメントが得られるとすぐに、適当な 場合には、それらは変性されて一本鎖にされて、プライマーA及びGのハイブリ ダイゼーションを許し、そして開始の核酸が二本鎖の場合には、B及びHのハイ ブリダイゼーションを許す(或いは、逆)。約95℃まで温度を上げることは変 性のためには好ましい。しかし、鎖の分離はまた、pHを増加させ、そしてつい でプライマーが標的とハイブリダイズするのを許すために媒体を中和することに より行われ得る。標的核酸を変性する前又は後に、過剰のデオキシリボヌクレオ シドトリホスフェート及びリボヌクレオシドトリホスフェート、RNAポリメラ ーゼ及びDNAポリメラーゼを含む反応混合物が加えられる。標的核酸の変性の ために温度の上昇が用いられる場合は、温度安定性酵素を用いない限りは、変性 後に 酵素を添加するのが好ましい。本発明に従った増幅反応を行うために必要な反応 混合物はまた、ポリオール、たとえばグリセロール、ソルビトール、ポリエチレ ングリコール又は変性剤及び/又は溶媒、たとえばジメチルホルムアミド、ジメ チルスルホキシド(DMSO)を含みうる。これらの試薬は、バックグランドノ イズを生じうる非特異的なハイブリダイゼーション反応を減少することを可能と する。 本発明の方法において用いられるポリメラーゼは、鎖置換活性を欠いているの が好ましい。この活性は、ある種のポリメラーゼのよく知られた特性である(Sa mbrookら、1989年、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、第5.33 〜5.35頁、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor)。DNAポ リメラーゼの特性、及び特にそれらのいくつかの鎖置換活性は、KonbergとBaker によって詳説されている(1992年、DNA Replication、第2版、第113〜225頁、F reeman,New York)。鎖置換活性は、はじめ、大腸菌のDNAポリメラーゼIの クレノウフラグメントにおいて示され(MasamuneとRichardson、1971年、J.Bio l.Chem.、第246巻、第2692〜2701頁)、それは、この酵素に、二本鎖DNA中 の切断の3’OH末端から核酸の複製を開始する能力を与える。この鎖置換特性 は、DNAポリメラーゼが5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有する場合に限 られる(LundquistとOlivera、1982年、Cell,第31巻、第53〜60頁)。この鎖置 換活性は また、熱安定性DNAポリメラーゼ、例えばTli DNAポリメラーゼにおい ても示されている(Kongら、1993年、J.Biol.Chem.第268巻、第1965〜1975頁 )。この場合には、この酵素の変異した形ものは、5’−3’エキソヌクレアー ゼ活性を有さず、より大きい鎖置換能を有することが知られている。鎖置換は、 全てのDNAポリメラーゼに共通の特性ではない。なぜならそれらのうちのいく つか、例えばT4DNAポリメラーゼは、それ自身では、鎖置換を行うことがで きない。鎖置換活性はまた、T7DNAポリメラーゼ(Lechnerら、1983年、J. Biol.Chem.第258巻、第11174〜11184頁)及びHIV逆転写酵素(Huberら、19 89年、J.Biol.Chem.、第264巻、第4669〜4678頁)においても示されている。 鎖置換能力、及び特に二本鎖DNA中の切断の3’OH末端から(5’から3’ 方向へと)重合を開始する能力を有するDNAポリメラーゼ(図1)は、本発明 の増幅反応を行うのに有用である。好ましくは、5’−3’エキソヌクレアーゼ 活性を欠いているDNAポリメラーゼが増幅サイクルを行うために用いられる。 なぜなら、鎖置換活性の効率が、この活性を欠いている酵素でより大きいからで ある。大腸菌のDNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントは、5’−3’エ キソヌクレアーゼ活性を欠いているポリメラーゼの一例である。同様のポリメラ ーゼ、たとえばT4DNAポリメラーゼ、T7DNAポリメラーゼ又はシークエ ナーゼ(US Biochemical)、T5DNAポリメラーゼ又は Phi29DNAポリメラーゼもまた用いられうる。しかしながら、本発明はま た、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性が増幅方法を実行するのを妨げない場合 には、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼの使用を 含む。この場合には、増幅反応の収率は、用いられる反応条件下で、DNAポリ メラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を特異的に阻害することによって 、増加させられ得る。 本発明の増幅方法は、転写されたRNAをcDNAへと、再コピーするために 、逆転写段階を要求する。この段階は、特に、一般に市販されている、AMV( Avian Myeloblastosis Virus)又はMMLV(Moloney Murine Leukemia Virus )タイプの逆転写酵素を用いて行われうる。RNA及び/又はDNA依存性DN Aポリメラーゼ活性を有する他の酵素もまた、本発明で用いられ得る。ただし、 それは、鎖置換活性を有すること。反対の場合には、鎖置換活性は、指示試薬、 ヘリカーゼまたはRec Aタイプ活性によって与えられ得る。特に一本鎖DN A再会合のプロセスにおいての、鎖捕獲または鎖同化のRec A特性は、The Enzymes、第14巻、第445〜470頁において、Mc ENTEEとWEINSTOCKによって詳説さ れている。逆転写段階は、たとえば、大腸菌DNAポリメラーゼIを用いて行わ れうる。なぜなら、この酵素はまたRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し ていることが示されたからである(RicchettiとBuc.、1993頁、EMBO 第12巻、 第387〜396頁)。 本発明はまた、この目的のために、熱安定性RAN及び/又はDNA依存性DN Aポリメラーゼ例えばTaqポリメラーゼ又はTthポリメラーゼを用いること ができる(熱安定性DNAポリメラーゼの特性に関する総論のためには、Rolfら 、1992年、PCR:Clinical Diagnostics and Research、第224〜258頁、Sprin ger-Verlag,Heidelbergを参照)。 DNAポリメラーゼの鎖置換特性、又は他の関連する誘導剤の使用の結果とし て、本発明はヌクレアーゼ活性、即ちエンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ 又はリボヌクレアーゼ活性を要求しない。特に、本発明は、上記した種々の他の 増幅技術に共通し、かつ、ある種の逆転写酵素により与えられ、大腸菌RNase Hの添加により補われなければならないRNase H活性の使用を要しない。本発 明の方法においては、RNA−及びDNA−依存性DNAポリメラーゼとして、 MMLV逆転写酵素を用いることができ、それはAMVのそれよりも低いRNa se H活性を有する(Sambrookら、1989年、Molecular Cloning:ALaboratory Manual、第2版、第5.52〜5.55、8.11、8.17頁、Cold Spring Habor Laborator y,Cold Spring Habor)。RNase H活性を欠いている形のMMLV逆転写 酵素の形は、本発明において用いられ得る。MMLV逆転写酵素のRNase H活性は、たしかに、この酵素の構造遺伝子の一部を欠損することにより抑えら れることができ(Kotewiczら、1988年、Nucl.Acids Res.、第16巻、第 265〜277頁)、野生型MMLV逆転写酵素と比較して高められたポリメラーゼ効 率をもたらし、それは、“Superscript”の名前で市販されている(Gerardら、1 989年、Focus、第11巻、第66〜69)。逆転写酵素のRNase H活性もまた、 このポリメラーゼ活性を与える遺伝子の部分において点変異を起こすことにより 抑えられることができ(Gerardら、1992年、Focus、第14巻、第91〜93頁)、増 加した効率及びSuperscriptよりも大きなDNA重合レベルを有する酵素をもた らす。この酵素はまた、“Superscript II”(GIBCO−BRL)の名前で市 販されている。他の形態のものは、“StrataScript”(STRATAGENE) という名前で市販されているものである。 種々の増幅方法とは反対に、本発明は、合成された鎖を鋳型から分離するため の温度サイクルを要求しない。この方法においては、適当な場合には、標的の初 めの変性が行われるとすぐに、単一の温度を用いることができる。温度は、プラ イマーの標的との特異的なハイブリダイゼーションを許す差別化ハイブリダイゼ ーション条件を定義すべく十分に高くすべきである。この温度は、たとえば、慣 用の酵素試薬で、37℃〜45℃であり、もし熱安定性酵素が用いられる場合にはも っと高くてもよい。 図3及び図5は、置換を用いた転写反応による増幅法を記載してある。図3は 、増幅法の可能な導入ルートを記してあり、図5は増幅サイクルそのものである 。 標的核酸(ホモ又はヘテロ二本鎖、単一又は二本鎖DN A又はRNA)の初めの変性の後に、プライマーA、B、G及びHをそれぞれの 核酸鎖とハイブリダイズさせる(図3)。過剰のデオキシリボヌクレオシドトリ ホスフェート及びDNAポリメラーゼ〔RNA及び/又はDNA依存性(標的が DNAかRNAかに依存する)〕の存在下での、これらのプライマー同時伸長は 、G由来の鎖を伸長することにより、Aの伸長から得られたDNA鎖の置換が起 こり、そしてH由来の鎖の伸長によって、Bの伸長により得られた鎖の置換が起 こる。一方でプライマーAの伸長により、他方でのプライマーBの伸長により得 られる一般鎖DNAは、それぞれ、プライマーBとH、及びAとGとハイブリダ イズできる。Gの伸長は、プライマーAから伸長している鎖の置換を起こし、そ してHの伸長は、プライマーBから伸長している鎖の置換を起こす。このように して、放たれた所定の長さの2つの鎖は、完全に相補的であり、互いにハイブリ ダイズできるか又はプライマーB(Aの伸長に対応する鎖)又はA(Bの伸長に 対応する鎖)とハイブリダイズできる。これらの短いプライマーのハイブリダイ ゼーションは、熱力学の点からさらに有利である。従って、それぞれの鎖上での A及びBの伸長は、プライマーA及びBの第2のフラグメント間の標的配列に対 応し、かつ、RNAポリメラーゼプロモーターが下流に続く所定の配列により各 末端においてフランキングされているところの所定の長さの二本鎖核酸フラグメ ントを生じる。 上記した導入ルート(図3)はまた、固体支持体上につ いたプローブによって捕獲された標的を用いて達成されうる。このプローブは、 仏国特許第9109057号公報及び国際公開 WO91/19812号公報に 記載されているごとく、共有結合的に又は受動的に固定化されうる。このプロー ブの固定はまた、(コ)ポリマー、特にN−ビニルピロリジンコポリマーを用い て行われることができ、プローブは、複合体を形成することにより、該ポリマー に連結する。該複合体は、受動的な吸着により固体支持体上に固定化される。特 に、プライマーA及び/又はB、又はG及び/又はHは固体支持体上につけられ うる。ただし、この付着は、プライマーの3’末端を介して行われてはならず、 従ってこれらのプライマーの3’末端は、デオキシリボヌクレオシドトリホスフ ェートの存在下でDNAポリメラーゼによって伸長できる。特に一方でプライマ ーA及びG、他方でプライマーB及びHの全て又は一部が、任意の連結腕(たと えば、炭化水素又はヌクレオチド)及びそれらの5’末端からのこれによって互 いに連結されているのが有利でありうる。このことは、本発明の増幅反応におい て、一方でGに対するAの比率、他方でHに対するBの比率を制御しかつ平衡に することを可能とする。 このようにして得られた二本鎖鋳型は、過剰のリボヌクレオシドトリホスフェ ート及び各プロモーターに対応するRNAポリメラーゼの存在下、標的配列にフ ランキングする各プロモーター(図5)からRNAを転写することを可能とする 。本発明の増幅方法を単純化するために、このプ ロモーター配列は、ファージRNAポリメラーゼのプロモーターの配列でありう り、該プロモーター配列は、プライマーA及びBにおいて同じである(例えば、 T7ファージRNAポリメラーゼのプロモーターのコンセンサス)。プライマー A及びBが、同じプロモーター配列を含む場合には、単一のRNAポリメラーゼ が増幅反応において用いられ得る。 Aに含まれるプロモーターから転写されたRNAは、ヌクレオチドプライマー C及びDにくっつきうる。これらのプライマーは、Bの一部に十分に相同であり 、反応条件下で、Aのプロモーターから転写されたRNAにハイブリダイズでき る。これらのプライマーC及びDは近接してもよい(即ち、少なくとも一つのヌ クレオチドのギャップによって標的が分かれている)、又は隣接しうる(即ちそ れらがハイブリダイズされたときに、それらの3’及び5’末端が並列させられ る)。プライマーC及びDはまた、オーバーラップしうる。即ち、プライマーC の3’末端がプライマーDの5’末端と相同な配列を有する。プライマーがオー バーラップする場合には、プライマーCの3’末端は、プライマーDの5’末端 に十分に相同でありうる。ただし、C及びDの間の競合ハイブリダイゼーション は、Cの3’末端のハイブリダイゼーションが有利に起こる。図7は、プライマ ーC及びDがオーバーラップしているところの、本発明の特定の場合を記載して いる。この場合には、プライマーC(C bisと呼ぶ)は、プライマーDの 5’末端と同じヌクレオチド配列を有する。プライマーCが、特にその3’末端 にて、有利に起こる競合ハイブリダイゼーションを促進するために、RNAとの ハイブリダイゼーションが、プライマーDのハイブリダイゼーションによって生 じる安定性よりも安定性が大きい二本鎖を生じるところの塩基同族体又は修飾さ れたヌクレオチドを含みうる。これらの修飾されたヌクレオチドはまた、ヌクレ オチド間の結合(たとえば、ホスホロチオエート、H−ホスホネート、アルキル ホスホネート結合)レベルで、骨格、例えばアルファーオリゴヌクレオチド(仏 国特許第2607507号公報)又はPNA(Egholmら、1992年、J.Am.Chem. Soc.、第114巻、第1895〜1897頁)レベルで修飾されたものを含む。しかしなが ら、一般に、CのハイブリダイゼーションがDの3’末端のハイブリダイゼーシ ョンを妨げないところの条件を確立することが必要である。C及びDがオーバー ラップする場合には、Cの3’末端がDのそれに対してあまりにも近くにハイブ リダイズされることを避けることが有利である。5ヌクレオチドのギャップは、 CがDのハイブリダイゼーションを妨げるのを避けるための好ましい安全な余地 を構成する。Dの後の伸長が、RNAポリメラーゼを付着できかつ転写の開始を 導きうるプロモーターの再構成を許すと仮定すると、プライマーDは、(特にプ ライマーB中に含まれた)プロモーターのセンス配列の5’末端を含むのが好ま しい。プライマーC及びDの長さは、5〜100ヌクレオチドであることがで き、かつ標的配列の一部を含むことができるが、プライマーA及びBの間の標的 領域の長さを越えない。 特にRNA依存性活性を有するDNAポリメラーゼ及び過剰のデオキシリボヌ クレオシドトリホスフェートの存在下での、RNA鋳型上でのプライマーC及び Dの同時の伸長は、Dから由来した鎖の置換を生じる。このようにして放たれた DNA鎖は、プライマーAとハイブリダイズできる。ついで、DNAポリメラー ゼ(特に、DNA及び/又はRNA依存性活性を含む)は、DNA鎖上でAの3 ’末端及びプライマーA上でDNA鎖の3’末端を伸長する。このようにして得 られた所定のサイズの二本鎖DNAは、プライマーBの機能的プロモーター、並 びにプライマーAの機能的プロモーターを有し、該プロモーターはこの側で任意 の配列により先行される。 このようにして得られた二本鎖鋳型は、過剰のリボヌクレオシドトリホスフェ ート及び各プロモーターに対応するRNAポリメラーゼの存在下、所定のサイズ のこのフラグメントの末端に位置している各プロモーターからのRNAの転写を 可能とする。ついで、Bのプロモーターから転写されたRNAは、プライマーE 及びFとハイブリダイズできる。 ヌクレオチドプライマーE及びFは、反応条件下で、Bのプロモーターから転 写されたRNAにハイブリダイズできるべく、Aの部分に十分に相同である。C 及びDと同様に、プライマーE及びFは、近接或いは隣接、又はオー バーラップしてもよい。プライマーがオーバーラップする場合には、プライマー Eの3’末端は、プライマーFの5’末端と十分に相同でありうるが、ただし、 E及びFの間の競合ハイブリダイゼーションはEの末端でハイブリダイゼーショ ンが有利である。競合ハイブリダイゼーションがプライマーEの末端が有利であ ることを促進するために、プライマーEは、C同様、RNAとのそのハイブリダ イゼーションが、プライマーFのハイブリダイゼーションによって作られる安定 性よりもより大きく安定である二本鎖を生じるところの塩基同族体又は修飾され たヌクレオチドを含みうる。しかしながら、Eのハイブリダイゼーションが、F の3’末端のハイブリダイゼーションを妨げないところの条件を確立することが 必要である。E及びFがオーバーラップする場合には、Eの3’末端がFのそれ に対してあまりにも近くにハイブリダイズされることを避けることが有利である 。5ヌクレオチドのギャップは、好ましい安全な余地を構成する。この最小配列 が、RNAポリメラーゼの後の付着及び転写の開始を許すと仮定すると、プライ マーFの5’末端は、プライマーA中に含まれるプロモーターの最小配列を含む ことが必須である。プライマーE及びFの長さは、5〜100ヌクレオチドであ ってよく、かつ標的配列の一部を含みうるが、プライマーA及びBの間の標的領 域の長さを越えない。 特にRNA依存性活性を有するDNAポリメラーゼ及び過剰のデオキシリボヌ クレオシドトリホスフェートの存在 下での、RNA鋳型上でのプライマーE及びFの同時の伸長は、Fから由来した 鎖の置換を生じる。このようにして放たれたDNA鎖は、プライマーBとハイブ リダイズできる。ついで、DNAポリメラーゼ(特に、DNA及び/又はRNA 依存性活性を含む)は、DNA鎖上でBの3’末端及びプライマーB上でDNA 鎖の3’末端を伸長できる。従って、このようにして得られた所定のサイズの二 本鎖DNAは、プライマーAの機能的プロモーター、並びにプライマーBの機能 的プロモーターを有し、プライマーBの機能的プロモーターは任意の配列により 先行される。 このようにして得られた二本鎖鋳型は、過剰のリボヌクレオシドトリホスフェ ート及び各プロモーターに対応するRNAポリメラーゼの存在下、所定のサイズ のこのフラグメントの末端に位置している各プロモーターからのRNAの転写を 可能とする。ついで、Aのプロモーターから転写されたRNAは、プライマーC 及びDとハイブリダイズできる。ついで、C及びDの伸長から生じるサイクルは 、上記したように再び開始できる。 図4及び図6は、“置換を用いた転写反応”による増幅法の特定のケースを記 載しているが、そこでは、プライマーA及びBは、図3及び図5に記載された一 般的方法のプライマーA及びBとは異なる。 実際、プライマーA及びBは、所定の任意の配列、及び標的配列に相補的な或 いは相同な配列に加えて、RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配 列の一部のみ を含む(この一部は、プロモーターのこのセンス配列の3’末端を含み、そして 、二本鎖の形態では、機能的プロモーターの形成を生じない、即ちRNAポリメ ラーゼによって転写の開始を促進することができない)。 プライマーC、D、E、F、G及びHは、一般的方法において上記したものと おなじである。特に、プライマーF及びDは、プロモーターセンス配列の全て又 は一部を含む。 図4は、図6によって記載された増幅サイクルの導入ルートに続くように記載 してある。図3の記載と同様、プライマーA及びGは、変性された又は一本鎖の 標的とハイブリダイズし、そして場合により、もし標的が二本鎖であれば、B及 びHも同様である。同じ酵素が、上記した反応媒体に対して加えられる。DNA ポリメラーゼによるこれらのプライマーの同時伸長は、それぞれG又はHから由 来した鎖を伸長することによって、A又はBの伸長から得られたDNA鎖の置換 を生じる。ついで、得られた一本鎖DNAは、それぞれ、プライマーB及びH、 またはA及びGとハイブリダイズできる。G又はHの伸長は、それぞれ、A又は Bの伸長生成物の置換を生じる。このようにして生成された所定の長さの2つの 一本鎖DNAは、不完全なセンスプロモーター配列を有しており、それぞれ、プ ライマーD及びC、又はF及びEとハイブリダイズできる。C又はEの伸長生成 物は、それぞれ、E又はFの伸長生成物を置換し、それぞれ所定の長さの一本鎖 DNAを生じ、そしてプライマーD又はFから得られた完全なプロモーターセン ス配列を有する。これらのDNA鎖は、それぞれ、プライマーA又はBとハイブ リダイズでき、それらの各伸長は、標的配列に対応する、一方の末端に完全なか つ機能的なRNAポリメラーゼのためのプロモーターが置かれ、そして他の末端 に非機能的なプロモーターの部分が置かれ、それに続き所定の任意の配列がある 二本鎖核酸を生成する。図 3に記載した導入ルートと同様に、図4に記載した導入ルートは、固体支持体上 に捕獲された標的を用いて達成されうる。 このようにして得られた二本鎖DNAは、図6に記した増幅サイクルに入るこ とができる。それぞれ、完全な機能的プロモーターからRNAの多数のコピーの 転写を与える。一方は、標的配列を含む鎖を生成し、そして他方は、標的に相補 的な配列を含む鎖を生成する。これらのRNA鎖は、ついで、それぞれ、プライ マーE及びF、又はプライマーC及びDのいずれかとハイブリダイズできる。図 5に記してある増幅サイクルにおけるごとく、プライマーC及びD、又はE及び Fは、近接、或いは隣接、又はオーバーラップできる(ただし、F又はDの3’ 末端のRNA上でのハイブリダイゼーションが可能であること)。それぞれのR NA鋳型上での、E及びF、又はC及びDの同時伸長は、それぞれ、F又はDか ら由来した鎖の置換を生じる。このようにして放たれた2つのDNA鎖は、それ ぞれB又はAとハイブリダイズできる。所定の長さの2つのDNA二本鎖は、新 たに合成されたDNA上でのプライマーA及びBの伸長、及びこれらのプライマ ー上での新たに合成されたDNAの伸長により生成される。それらは、導入ルー トの間に生成された2つの二本鎖DNAと同一であるので、それらは再び、サイ クルに入る。 図5に記載したサイクルと同様、図6に記載したサイ クルは、初めの標的に相補的な2つの二本鎖に対応するRNA及びDNAの指数 的増幅を生じる。 本発明において用いるプライマーの性質及び長さ、用いられるプロモーターの 配列及びプロモーターの各タイプについてのRNAポリメラーゼの濃度は、他と 比較して一つの増幅ルートが有利になるように、DNA又はRNAの一つの形又 は他の形が優先して得られるように選ぶことができる。従って、本発明に沿って 、核酸変性段階なしで、増幅生成物を検出する方法において直接検出できる一本 鎖RNAを有利に得ることが可能である。 記載された増幅法(図5)の2つのルートの一つから由来するRNAは、第二 サイクルのための基質であり、そして逆もまた同様であるので、それ故、本発明 に従った方法は、反応生成物の蓄積が指数的に起こるところの繰り返しの増幅技 術であると思われる。プロモーターを用いた各転写段階は、DNA鋳型を用いて 、500〜1000RNAコピーを得ることを可能とする。各RNAは、cDN Aコピーを得ることを可能とし、該cDNAのコピーは、鋳型のDNAに相補的 な500〜1000のRNAコピーの転写のために用いることができるDNA鋳 型を生じる。それ故、その結果は、該増幅方法の単一のサイクルにおいて、2. 5×105〜106の係数での標的配列の増幅であるというものである。該増幅方 法は最少限の反応時間なので(例えば、1時間或いはそれ以上)、増幅試薬、例 えばヌクレオシドトリホスフェ ート及びプライマーが枯渇するまでに、数反応サイクルを生じることができ、そ の収率は、単一の開始の標的分子について作られた、109〜1012DNA及び RNA分子に対応するところの増幅となる。用いられる試薬の濃度、そして特に 種々のプライマーに依存して、上記増幅方法により、核酸のいずれかの形態(D NA及び/又はRNA)、そして開始の標的核酸のいずれかの鎖の生成を有利に することができる。 本発明において用いられる“核酸フラグメント”、又は“オリゴヌクレオチド ”なる語は、修飾されていない、又は少なくとも一つの修飾された塩基、例えば イノシン、5−メチルデオキシシチジン、5−ジメチルアミノデオキシウリジン 、デオキシウリジン、2,6−ジアミノプリン、5−ブロモデオキシウリジン、 シュードウリジン、シュードイソシチジン或いはハイブリダイゼーションを許す 他の修飾された塩基を含む、天然のDNA又はRNAフラグメント、天然の又は 合成のポリヌクレオチド、合成DNA又はRNAフラグメントを意味する。この ポリヌクレオチドは、少なくとも5のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレ オチドの長さを有し、場合により少なくとも一つの上記した修飾されたヌクレオ チドを含む。このポリヌクレオチドはまた、ヌクレオチド間結合(例えば、ホス ホロチオエート、H−ホスホネート、アルキルホスホネート結合)のレベルで、 骨格、例えばアルファーオリゴヌクレオチド(仏国特許第 2607507号公報)又はPNA(Egholmら、1992年、J.Am.Chem.Soc.、 第114巻、第1895〜1897頁)のレベで修飾されることもできる。各修飾は、組み 合わせて行うこともできる。 ここで用いた、“固体支持体”なる語は、診断検定、アフィニティークロマト グラフィー及び分離工程で用いるために核酸フラグメントがその上に固定化され うる全ての物質を含む。天然又は合成物質、多孔性ないしはそうではない、磁気 性ないしはそうでない、化学的に修飾されたないしはそうでないものが、固体支 持体として用いられ、特にポリサッカライド、例えばセルロース物質、例えば紙 、セルロース誘導体、例えばセルロースアセテート及びニトロセルロース;ポリ マー、例えば塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリレート又は コポリマー、例えば塩化ビニルとポリプロピレンポリマー、塩化ビニルと酢酸ビ ニルポリマー;スチレンベースのコポリマー;天然繊維、例えばコットン及び合 成ファイバー、例えばナイロン;セラミックス、シリカである。本発明において 用いられる支持体は、ポリスチレンポリマー、ブタジエン/スチレンコポリマー 又は、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル或いはスチレン/メチル メ チルメタクリレートコポリマー、ポリプロピレン、ポリカーボネート等から選ば れた1以上と混合されたブタジエン/スチレンコポリマーである。有利には、本 発明の支持体は、ポリスチレン、又は10〜 90重量%のスチレン単位を含むスチレンベースのコポリマー、又はシリカであ る。本発明に従った固体支持体は、その形態に限定はなく、マイクロタイタープ レート、シート、円錐、チューブ、ウェル、ビーズ等の形態であり得る。 “プライマー”なる語は、少なくとも5つのヌクレオチドからなる一本鎖オリ ゴヌクレオチド構造を示す。これらのヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチ ド及び/又はリボヌクレオチドであり得る。これらのヌクレオチドは、“核酸フ ラグメント”なる語の説明に関するパラグラフにおいて記載したごとくして修飾 されうる。実質的に相補的な核酸配列(DNA、RNA又はキメラDNA−RN A分子)といったんハイブリダイズされれば、オリゴヌクレオチドプライマーは 、ポリメラーゼの基質である。これらのプライマーの3’OH末端は、適当なヌ クレオチド及びポリメラーゼの存在下で、延長されることができ、該プライマー がハイブリダイズされるところの鋳型配列に相補的な鎖の合成を生じる。プライ マーはまた、それ自身に対する一本鎖核酸の末端のハイブリダイゼーションによ って形成されることもでき、特にヘアピン又はステムーループ構造の形成が起こ る。核酸配列とハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプライマーは、その3 ’OH末端においてポリメラーゼとつく性質を有する。 以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する が、それらに限定されない。特に断りがない限り、以下の実施例に記載した実験 を行うことに関する全ての方法は、Sambrookら(1989年、Molecular Cloning:A Laboratry Manual、第2版、Cold Spring Habor Laboratory,Cold Spring Hab or)の記載に従って行った。 実施例1 増幅技術の可能性を、それに含まれる種々の段階を分離することにより示す。 方法の原理は、置換を用いる転写反応に基づくので、置換後のDNA標的の転写 の研究が実施された(図2)。選ばれた研究モデルは、β‐ラクタマーゼをエン コードするtem遺伝子の配列であり、この酵素は抗生物質アンピシリンに対する 耐性を与える。この遺伝子の配列は、配列IDNo.1として記述される。この配 列は、クローニングベクター pBR322中に存在する。この核酸は、バクテ リア培養物からのプラスミドの抽出、及び続いて制限エンドヌクレアーゼでの消 化によって得ることができる。あるいは、それは適当な増幅技術(Sambrookら、 1989.Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor)によって調製されうる。均質相中での転写 による標的配列(RNA又はDNA)に相補的なRNAの調製のために、鎖置換 によるRNAポリメラーゼプロモーターの組み入れの可能性(図2)は、種々の DNAポリメラーゼについて研究されてきた。この特定の場合において、用いら れるRNAポリメラーゼは、T7ファージのそれである。テストは、50μlの最 終体積で、T7RNAポロメラーゼの使用のためのMilliganら(1987.Nucl.Ac ids Res.15:8783‐8798)により記述されたIX反応緩衝液中で、dATP,d CTP,dGTP及びdTTP (各1mM,Pharmacia)、ATP,CTP,GTP及びUTP(各4mM,Boe hringer)、1U/μlのRNAガード(Pharmacia)の存在下で行われる。用い られる初めの標的の量は、テスト当り1011コピーであり、T7RNAポリメラー ゼ(New England Biolabs)の濃度は1U/μlであり、DNAポリメラーゼの 濃度は0.1U/μlである。標的に相補的な配列と併置されるT7ファージプロ モーターのコンセンサス配列を含むプロモータープライマーA24(配列IDNo .2)、ならびにプライマーZ(1028と呼ばれる。配列IDNo.3)は、存在す る場合、500nMの最終濃度である。置換プライヤーY(DIS1と呼ばれる。 配列IDNo.4)は、0〜5μMの間の種々の濃度である。熱によって失活され ている可能性がある酵素混合物(DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ及び RNAガード)を除いて、種々の反応剤は、標的と接触させられ、95℃(二本鎖 DNAより成る当初標的)又は65℃(一本鎖RNAより成る当初標的)で3分間 変性され、次に酵素混合物の添加のために氷上で冷却される。酵素の添加の故に グリセロール濃度は5%に等しい。−20℃での凍結により反応を停止させる前 に37℃で2時間の温置を行う。 反応混合物の一部(0.2体積、すなわち10μl)を、Sambrookら(1989.Molec lar Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory ,Cold Spring Harbor)により記述された方法 により調製された変性性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析する。ゲル は、0.1%TEMEDの存在下で、15%アクリルアミド、7M尿素、0.26%ビス アクリルアミド、0.06%過硫酸アンモニウム、90mM Tris-ボレート、2mM EDTA、pH8.3を含む溶液の重合により調製される。それらは、「ミニプロ ティンII電気泳動セル」電気泳動装置(Biorad)中に注がれ、1mmの厚さである 。分析されるべき試料は、反応混合物10μlと、0.035%キシレンシアノール溶 液、0.035%ブロモフェノールブルー、1mM EDTA、98%ホルムアミドの1 0μlとを混合することにより調製される。ゲルに与える前に、これら試料は、6 5℃で2分間変性され、次に氷上で迅速に冷却される。ブロモフェノールブルー がゲルの底から1cmのところに泳動されるまで、電気泳動を150ボルトで行う。 次にゲルを、0.6μg/mlの臭化エチジウム溶液中で10分間着色し、そしてMP 4装置(Polaroid)を用いてUVテーブル(312nm)上で写真にとる。 電気泳動により分離された生成物を、「ミニトランスブロット電気泳動トラン スファーセル」装置(Biorad)を用いて、1mM EDTA、pH8.3を含む45m M Tris-ボレート緩衝液中で4℃で、35ボルト/(時・cm)の電場下で、Hybon d N.ナイロン膜(Amersham)上に移す。次に膜を80℃で5分間乾燥し、そして UV照射(312nm)に3分間晒すことにより核酸を膜上に固定す る。 0.5M塩化ナトリウム、1mM EDTA、0.65%SDS、0.14mg/mlサケD NA及び2%ポリエチレングリコール6000(PEG)を含む0.1M リン酸ナト リウム緩衝液pH7.0の4ml中で37℃で60分間温置することによって、膜はプレハ イブリタイブされる。tem遺伝子の予期される生成物(配列IDNo.1の鎖に対応 する)に対して相補的であり、前の国際特許WO91/19812に記載された方法に 従って5′でのカップリングによりホースラディッシュ パーオキシダーゼでラ ベルされたオリゴヌクレオチド A28(配列IDNo.5)を200ng/mlの濃度 で含む同じ緩衝液5ml中で37℃で60分間温置することにより、ハイブリダイゼー ションを行う。0.05%Tween20を含む1X PBS緩衝液(Sambrookら、1989 .Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Lab oratory,Cold Spring Harbor)の50ml中で30秒間、3度洗った後に、150mM 塩化ナトリウム、2mg/mlウシ血清アルブミンを含む20mM リン酸ナトリウム 緩衝液pH7.2の20ml中のジアミノベンジジンテトラヒドロクロライドジハイドレ ート(DAB)10mgの存在下でパーオキシダーゼ活性により、ハイブリダイスさ れたオリゴヌクレオチドが現わされる。室温で光から保護して15分間の温置後に 、蒸留水ですすぐことにより反応を停止させる。 置換に依存する転写のテストは、エンドヌクレアーゼ AluIで予め開裂され、そして精製されたプラスミドpBR322(1011コピ ー/テスト)より成る標的を用いて行われた。用いられるDNAポリメラーゼは 、置換プライマーY(DIS1と呼ばれる。配列IDNo.4)の種々の濃度、す なわち5μM(約1014コピー)、500nM、50nM、5nM又は0.5nMの存在 下又は不存在下における、DNA依存性DNAポリメチラーゼ、クレノウ フラ グメント(Boehringer,5U/テスト)である。T7 RNAポリメラーゼ活性 に対する対照は、AluI開裂されたpBR 322標的から、プライマーA2 4(配列IDNo.2)及び1028(配列IDNo.3)を用いてPCRにより2本 鎖DNAフラグメントを調製することにより予め用意された。もちろん、少くと も一つのプロモーターを含む定義された末端を有する2本鎖フラグメントは、た とえば、プロモーターを含むプラスミド中に配列をクローニングし、制限酵素で 消化し、そしてアガロースゲル上で精製し、次に電気溶出させることにより調製 されることができる。かくして得られた285塩基対の生成物は、この場合、一 端にT7ファージプロモーターを含み、T7 RNAポリメラーゼによるその転 写は、置換に依存する転写のテストの間に予期される反応生成物に対応する26 3塩基のRNAを得ることを可能にする。T7 RNAポリメラーゼ活性のため のマーカーは、上記した条件下で、但しDNAポリメラーゼ及びdNTPの不存 在下で、285塩基対 フラグメントの1011コピーを温置することにより作られる。この反応は、置換テ ストと並行して2時間行われる。 図8は、種々の量の置換プライマーYの存在下でクレノウフラグメントにより 鎖置換のテストの間に得られた結果を示す。予期されたように、転写生成物の存 在は、置換プライマーYを含む試料に限られることを結果が示している。置換プ ライマーYの存在下の陽の転写結果は、クレノウフラグメントの鎖置換能力を示 す。実際、tem標的に対し相補性でありかつtem標的上のプライマーX及びZの間 のギャップに対応するサイズのRNA(すなわち転写制御から得られるものと同 じ)の存在は、T7 RNAポリメラーゼ転写制御のフラグメントに等しくかつ 、後者と同様に機能性RNAポリメラーゼプロモーター(二本鎖)を含むところ の二本鎖DNAフラグメントを用いての転写から結果される。このフラグメント は、上述した反応条件下で、T7 プロモーターを含むプロモータープライマー Xの伸長の生成物(図2)とハイブリダイズされたプライマーZを伸長すること によりのみ得られうる。ここで、プライマーZのハイブリダイゼーション及び伸 長は、一本鎖の形のプロモータープライマーXの伸長の生成物の存在下でのみ可 能である。一本鎖の形のこの伸長生成物の存在は、プロモータープライマーXの 伸長の生成物の放出を起す置換プライマーYの伸長からのみ得られうる。 また、最終転写生成物の強度は、テスト中の置換プライマーYの濃度の関数と して変化することを結果は示す。転写された物質の量がT7 RNAポリメラー ゼのために利用できる鋳型(テンプレート)の量に比例すると、従って、置換及 び伸長により合成される鋳型の量は、テストで用いられた置換プライマーYの量 の関数として変化すると思われる。プライマーZの濃度が一定かつ過剰であると 、利用できる二本鎖鋳型の量は、プロモータープライマーの伸長の一本鎖生成物 の量に依存する。従って、放出された伸長生成物(一本鎖)の量はテスト中の置 換プライマーの濃度の関数として変化する。用いられた条件下で、50nM(すな わち存在する標的の量の10倍)の置換プライマー濃度(1/10の置換プライマー /プロモータープライマー比に相当する)は、置換の最良の収量及び従って転写 の最良の収量を与える。これらの結果は、プロモータープライマーの上流に位置 されたプライマーの伸長による核酸鎖の置換の収量に対する、置換プライマー/ プロモータープライマー比の影響を示す。この最適のどちら側においても、置換 収量は実質的に減少する。すなわち、もし置換プライマーの濃度が大きくなると 、熱動力学的条件は、標的との後者のハイブリダイゼーションに好都合であり、 従ってその伸長(ハイブリダイゼーションの損失を払って)及び次にプロモータ ープライマーの伸長に好都合である。同様に結果は、もし置換プライマー濃度が 減少すると、プロモー タープライマーの上流の置換プライマーのハイブリダイゼーションの可能性は減 少し、従って下流に位置される鎖の置換のための伸長の可能性が減少する。 この実施例は、所与の標的配列上にプロモーター配列を設置するためにポリメ ラーゼの鎖置換特性を用いることの可能性を示す。この方法は、熱的又は化学的 変性段階の必要なしに、又は一本鎖核酸上のプロモータープライマーの伸長の生 成物を放出するために、ヌクレアーゼタイプの酵素活性の作用を必要とせずに、 RNAポリメラーゼのためのDNA鋳型の生産を可能にする利点を有する。従っ て、結合された転写段階を用いて、2つのプライマーXとZの間の標的配列に対 応する、大きなコピー数のRNAを合成することが可能である。図8は、標的配 列が、転写のための増幅のための段階なしで用いられた方法により検出されない ことを示す(レーン2)。対照的に、置換プライマーと結びつけられた、鎖置換 活性を持つDNAポリメラーゼの使用は、標的に対応するRNAの複数の鎖の合 成を可能にする鋳型を得ることを可能にし、その数はその検出を可能にし、当初 試料中の標的の存在を示す。従って、この実施例は、均質相(単一段階かつ単一 温度)における転写による、標的配列に相補的な複数のRNA鎖の生産のために 、鎖置換によるRNAポリメラーゼプロモーターを設置するための方法の有用性 を示す。この方法は、特に二本鎖標的の場合に、予め変性された核酸標的に、プ ライマーY、プ ライマーX、プライマーZ、デオキシリボヌクレオシドトリホスフェート及びリ ボヌクレオシドトリホスフェート、鎖置換能力を持つDNAポリメラーゼ、及び RNAポリメラーゼを含む反応混合物を加えることにより標的配列の転写物を直 接に得ることを可能にする。従って、この方法は、後の又は中間での反応剤の添 加、又は酵素活性、特にヌクレアーゼ活性の使用のない、単一段階より成る。 実施例2 本発明の可能性は、また、実施例1で記載されるように均質相における転写が RNA分子を用いても実施されうることを示す。このRNA分子は、存在の増幅 による決定が本発明により可能にされるところの当初標的であっても、あるいは 増幅方法のサイクルの中間生成物(図5)であってもよい。この中間生成物はた とえば、実施例1の場合における転写により得られたRNAであることができる 。この可能性は、鎖置換能力を有するDNAポリメラーゼ(RNA依存性かつD NA依存性)の使用を前提とする。この可能性を示すために、RNAすなわちte m配列(配列IDNo.1)に相補性の配列に対応するRNAが、DNA鋳型の1012 コピーを用いて、MEGAスクリプト キット(Ambion)の反応条件下でT7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロで合成された。これを行うために、pB R322からPROANTI(配列IDNo.6)及びORF1(配列IDNo.7) を用 いてPCRにより二本鎖DNA鋳型が合成された。かくして得た889塩基対生 成物は、この場合、T7 ファージプロモーターを一端に含み、T7 RNAポ リメラーゼによるその転写はtem遺伝子(配列IDNo.1)の配列に相補的な配列 に対応する867塩基のRNAを得ることを可能にする。合成されたRNAは、 鋳型DNAを除去するためにDNase Iで処理され、フェノール/クロロホルム 抽出により精製され、そして酢酸アンモニウム塩の存在下でエタノールにより沈 澱される。かくして得たRNAは、予めジエチルピロカーボネート(DEPC) で処理された水中に移され、変性性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析 され、260nmでの吸収により評価される。標的RNAの1011コピーに相当する量 (5nM最終)がテスト当り用いられ、反応条件は、上述のプライマーX、Y及 びZの存在下で実施例1で記載したのと同じである。しかし、これらテストの枠 内で用いられるDNAポリメラーゼは、AMVビールス逆転写酵素(Seikagaku )であり、上記で決定した最適にセットされた置換プライマー/プロモータープ ライマー比(1/10)を用いた。これは50nM最終に等しい最終置換プライマー 濃度に相当する。反応生成物の分析は、電気泳動分離、膜上への移動、及びホー スラディッシュパーオキシダーゼでラベルされたプローブA28(配列IDNo. 5)を用いるハイブリダイゼーションにより実施例1記載のように行われる。図 9は、種々の反応テスト の間に得られた結果を示す。プライマーA24(配列IDNo.2)及び1028 (配列IDNo.3)を用いて得られた、一端にT7 プロモーターを含む、28 5塩基対のPCRフラグメントの1012コピーに等しい量が装填されて(レーン1 )、実施されたテストの間に予期されるRNA(263塩基)のためのサイズマ ーカー(同じフラグメントの転写に相当する。)として働く。テストは、逆転写 酵素及びT7 RNAポリメラーゼの不存在下で(レーン2)、酵素の存在下で プライマーX、Y及びZを用いて(レーン3)、置換プライマーYなしで(レー ン4)、又はプライマーZなしで(レーン5)、行われた。予期された263塩 基のRNAは、総ての酵素剤及びプライマーを含むテストからのみ検出され、一 方、置換プライマーの不存在下では転写生成物が得られない。従ってこの結果は 、DNAポリメラーゼの作用による鎖置換の可能性を確認し、AMV逆転写酵素 の鎖置換能力による、RNA鋳型上での置換の可能性を示す。従って、AMV逆 転写酵素は、予め伸長されたプライマーの上流に位置されたプライマーの伸長の 間に、RNA‐DNAヘテロ二本鎖を分離することができる。RNA‐DNAヘ テロ二本鎖の安定性は、DNA‐DNAホモ二本鎖の安定性より大きいと知られ ているので、この逆転写酵素は、プライマー伸長により、DNA標的とハイブリ ダイズされたDNA鎖を置換できることが、全く確かである。AMV逆転写酵素 と結び付けられたRNase H活 性が記述されるが、置換プライマーの不存在下で転写生成物は得られない。この ことは、これらのテストで用いられた緩衝液条件はこのRNase H活性のために 適当でないこと、又は用いられたRNA標的の配列が後者の作用にあまり敏感で はないことを示唆する。従って、標的RNA‐cDNA二本鎖のRNAは減成さ れ得ず、プロモータープライマーの伸長の生成物は従って、その上でのプライマ ーZのハイブリダイゼーション及び伸長のために放出されることができない。こ の結果は従って、AMV逆転写酵素の鎖置換能力に加えて、AMV逆転写酵素と 結び付けられたRNase Hの作用によるcDNA‐RNAヘテロ二本鎖からcD NAの分離の効率の全くの欠如(これらの条件下での)を示し、上記した転写増 幅法における外来エシェリヒアコリRNase H、たとえばNASBA、3SR又 はLATの使用を正当化する。プライマーZの不存在では(しかし置換プライマ ーYの存在下で)、転写生成物は得られず、このことは、本反応の条件下でプロ モータープライマーの伸長から誘導されたcDNAの3′末端において自己プラ イミング反応が起きないことを示す。しかし、この特性は特定の条件下で逆転写 酵素において従来記載されている。 従って、この実施例は、図2に示されるように均質相(単一段階かつ単一温度 )における転写によりRNA標的配列に相補性のRNAの製造のために及び所与 の標的RNA鎖に相補性の多数のRNA鎖を作るために、鎖置 換によりRNAポリメラーゼプロモーターを設置する方法の有効性を示す。従っ て、この方法は、反応剤の後の又は中間の添加なしの単一段階より成り、RNA ‐DNAヘテロ二本鎖からのcDNAの分離のためにヌクレアーゼ(特にRNa se H)活性を必要としない。特に、反応条件下でAMV逆転写酵素は、RN A鋳型上でプロモータープライマーから伸長された鎖の放出(置換プライマーの 不存在下で)を可能にするRNase H活性を示さない。従ってAMV逆転写酵素 の鎖置換能力は、増幅サイクルの可能性を示し、従って、RNA又はDNA標的 からの反応生成物の蓄積の指数幽数的性質を示す。 実施例3 鎖置換によるDNA‐RNAヘテロ二本鎖からDNA分子の分離の可能性を確 かめるため、及びある逆転写酵素に固有の何らかの残りのRNase H活性とは独 立にこれを確かめるために、RNase H活性を欠くMMLV逆転写酵素を用いて テストを行った。遺伝子工学により得られるそのような酵素は、SuperscriptII という名でGIBCO‐BRLから市販入手できる。テストは、同じRNA標的 を用い、上記のプライマーX、Y及びZを用いて実施例2のように行われた。Su perscrlptIIは、4U/μl(200U/テスト)の最終濃度に加えられ、置換プラ イマー及びプロモータープライマーは1/10の比で存在する。反応生成物は、実 施例1記載のように分析される。得た結果を図10に示す。転写生成物の存在は、 置換プライマーYを含むサンプルに限られることが判り(レーン7)、これはR Nase H活性を欠くMMLV逆転写酵素の鎖置換能力を確認する。置換プライマ ーの不存在下で(レーン6)、転写シグナルは得られず、これは逆転写酵素の鎖 置換特性によるRNA−DNAヘテロ二本鎖からのDNAの分離の有効性を確認 する。プライマーZの不存在下で(レーン5)、転写生成物は得られず、このこ とは実施例2におけるように、MMLV逆転写酵素SuperscriptIIが、これら反 応条件下でcDNAの3′末端の自己再プライミングを実施しないことを確認す る。 従って、この実施例は、RNA標的から、置換を用いて転写による増幅の方法 の可能性を確認し、またこのことを、反応媒体中に存在するかも知れないRNas e H活性と完全に独立の様式で確認する。従って、本発明で記載される増幅方法 は、逆転写酵素及びRNAポリマラーゼを用いて、何らの他の追加の酵素活性な しに実施されうる。 実施例4 本発明で記載される増幅方法の可能性はまた、特に図3及び5に記載される方 法において、末端の夫々に機能性RNAポリラーゼプロモーターを含む一つの同 じ二本鎖鋳型から相補性RNAを転写するRNAポリメラーゼの能力に依存する 。この仮説を検証するために、標的pBR322からプライマーDTA1(配列 IDNo.8)及 びDTA2(配列IDNo.9)の存在下でPCRにより二本鎖DNA鋳型が合成 された。かくして得た275塩基対フラグメントを精製する。それは、T7 フ ァージRNAポリメラーゼのための二つのプロモーターによりフランキングされ 、かつtem配列の鎖のいずれかの転写のために配向されたtem遺伝子の配列の一部 (配列IDNo.1のヌクレオチド312〜486)を含む。各プロモーターセン ス配列は、5′においてプライマーF220(配列IDNo.10)に対応する配列 により先導される。その末端に位置されるプロモーターの夫々からのそのような フラグメントの転写は理論的に、二つのRNA集団の合成をもたらすはずであり 、それらは互いに相補的であり、かつそれらの3′末端にT7 プロモーターの アンチセンス配列(すなわちT7 プロモーターのセンス配列に相補的な配列) を含み、オリゴヌクレオチド F220(配列IDNo.10)に相補的な配列が続 く。予期されるRNAのサイズは231塩基であり、それらはtem遺伝子(配列 IDNo.1)のヌクレオチド312〜486の配列、又は後者に相補的な配列を 含む。転写テストは、各末端にプロモーターを含むPCRフラグメントを用い、 Milliganら(1987.Nucl.Acids Res.15:8783‐8798)により記述された1X反 応緩衝液中で、50μlの最終体積で、各4mMのATP、CTP、GTP及びU TP、1U/μlのT7 ファージRNAポリメラーゼ(New England Biolabs )及び1U/μlの RNAguard(Pharmacia)の存在下で実施される。PCR鋳型はテスト当り1011 コピーで用いられ、酵素の添加によるグリセロール濃度は5%である。転写は、 37℃で2時間行われ、−20℃に凍結することにより停止される。反応生成物(10 μl)は、実施例1記載のように、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動分離に より分析され、次にナイロン膜上に移される。このようにして、一方でホースラ ディッシュパーオキシダーゼで5′においてラベルされたプローブA28(配列 IDNo.5)及び他方でホースラディッシュパーオキシダーゼで5′においてラ ベルされたプローブA19(配列IDNo.11)のハイブリダイゼーションを用い るために、二つの膜が調製される。プローブA19は、記載されるtem配列(配 列IDNo.1)に相補的なRNAを検出することを可能にし、一方、プローブA 28は、記載されるtem配列(配列IDNo.1)に対応するRNAの検出を可能に する。図11は、これらテストの間に得られた結果を示す。プローブA28及びA 19は、275塩基対の二本鎖標的DNA鋳型の1012コピーを検出することを可 能にし(レーン1)、また転写テストの場合に231塩基のRNAの検出を可能 にする(レーン2)。2つのタイプのプローブA19(A部)及びA28(B部 )を用いての、予期された転写物の検出は、相補的RNAの転写が、DNA鋳型 の夫々のプロモーターからT7 RNAポリメラーゼにより実施されたことを示 す。その端の夫 々にプロモーターを含む共通のDNA鋳型からの相補的RNAの生産は、T7 RNAポリメラーゼが、同じ鋳型上での一点に集中する前進によりRNAの重合 を実施できることを示す。従ってRNAポリメラーゼを用いてこれら条件下で相 補的RNAを生産する可能性は、図3及び5に記載される本発明の増幅法の可能 性を確認する。従って、これら結果は、図3及び5において本発明で記載される 増幅サイクルが指数幽数的性質を持つことを確認し、この性質は、配列がプロモ ータープライマーAとBの間の標的の部分に対応するところのRNA及びDNA の実質的蓄積を結果する(図5)。 実施例5 DTR増幅法の実験的有効性は、本発明で、特に図15で記載される増幅サイク ルの一つを研究することによって証明された。これを行うために、167塩基対 のPCRフラグメントが、PBR322から、プライマーDTA7(配列IDNo .12)及びDTA8(配列IDNo.13)を用いて合成された。これは従って、tem 遺伝子の配列の一部(配列IDNo.1のヌクレオチド336〜402)を含む。 このPCRフラグメントは、増幅サイクル中へのエントリーのための分子の一タ イプに相当し、従ってその末端の夫々に、規定された配列たとえばF220配列 (配列IDNo.10)により5′において先導されるRNAポリメラーゼプロモー ター配列(特にT7 ファージプロモーター)を含む。方法の指数幽数的特徴を 示すため に、先の精製されたPCRフラグメント(増幅サイクル中へのエントリーに対応 する)より成る標的分子の減少して行く種々の量(テスト当り1010〜106コピー )の存在下で種々の増幅反応を並行して行った。反応は、50μlの最終体積で、 夫々の4mMのATP、CTP、GTP及びUTP、夫々1mMのdATP、d CTP、dGTP及びdTTP、IU/μlのT7 ファージRNAポリメラー ゼ(New England Biolabs)、4U/μlのMMLV逆転写酵素SuperscriptII( GIBCO‐BRL)(RNase H活性を欠く)、及びIU/μlのRNAguar d(Pharmacia)の存在下で行った。加えて反応媒体は、DTA7及びDTA8( 夫々、配列IDNo.12及び13)に対応する種々のプロモータープライマーを0.01 μMの濃度で、及びF220(配列IDNo.10)に対応するEに等しい置換プラ イマーCを1μMの濃度で含んだ。37℃で2時間の温置の後に、−20℃に反応媒 体を凍結することにより増幅反応を停止する。5μlのフラクション、すなわち 反応体積の1/10を、ELOSA法(酵素結合されたオリゴ吸着剤アッセイ)に 従う捕捉及び特異的検出により定量的に分析される。この方法は、固体支持体( マイクロタイタープート)上への捕捉オリゴヌクレオチドの付着、反応生成物の 変性、増幅された配列に対して特異的な捕捉プローブとそれとのハイブリダイゼ ーション、及びホースラディッシュパーオキシダーゼに結合された検出プローブ による検出を含 む。捕捉オリゴヌクレオチドA20(配列IDNo.14)は、フランス国特許91 09 057号にすでに記載されている方法に従ってMaxisorp Nunc‐Immunoプレート マイクロタイタープレートのくぼみ上に受動的に付着され、1くぼみ当り約5ピ コモルのオリゴヌクレオチドの付着を許す。付着の後に、IX PBS‐Tween 緩衝液で3回洗う。捕捉された増幅生成物の検出は、フランス国特許91 09057号 に記載されている方法に従って行われる。分析されるべき5μlフラクションが 、1M塩化ナトリウム、2mM EDTA、1.3%SDS、0.24mg/mlサケDN A、4%ポリエチレングリコール(PEG)6000を含む0.2Mリン酸ナトリウム 緩衝液pH 7.0の35μl体積に加えらえる。この試料に含まれる核酸は、2M水酸 化ナトリウムの5μpの添加により室温で変性され、3分間後に2M 酢酸5μ lの添加により中和される。対照として及び較正のために、予期された増幅生成 物に対応する二つのRNA希釈シリーズを用意する。次に、試料を、オリゴヌク レオチド捕捉プローブA20(配列IDNo.14)が予め付着されているマイクロ タイタープレートのくぼみに入れる。入れられる量は、希釈されていない試料の 50μl、又は1/10又は1/100希釈された試料の同量である。直ちに、1M 塩化ナトリウム、2mM EDTA、1.3%SDS、0.24mg/mlサケDNA、4 %ポリエチレングリコール(PEG)6000及びホースラディッシュパーオキシダ ーゼに結合さ れた検出オリゴヌクレオチドプローブA18(配列IDNo.15)の5ngを含む0 .2Mリン酸ナトリウム緩衝液pH7.0の50μl体積を加える。37℃で60分間の温置 の後に、IX PBS‐Tweenで、くぼみを洗う。増幅生成物とハイブリダイズ されたパーオキシダーゼ‐A18プローブの検出は、基質オルトフェニレンジア ミン(OPD)を含む溶液100μlの添加により行われる。20分後に1M 硫酸1 00μlの添加により、比色反応を停止させる。492nmにおける光密度を、AX IAマイクロリーダー(Bio Merieux)を用いて読む。得た結果を、図18の度数 分布により示す。標的希釈物の夫々について、3つのテスト、すなわち完全なテ スト(上述のような)、置換プライマーF220(配列IDNo.10)なしのテス ト、及びMMLV逆転写酵素SuperscriptIIなしのテストを行った。結果は、増 幅方法(完全な系)がこれらの条件下で、テスト当り107コピーの当初標的量よ り下でかなりの特異的シグナルを検出することを可能にする、すなわち106コピ ーの感度を有することを示す。なぜなら、反応媒体の10分の1に等しいフラクシ ョンがこれらの条件下で分析されるからである。この感度は単に相対的であり、 もし比色以外の検出系(たとえば螢光、化学発光又は生物学的発光)が用いられ るなら、大きく増大されうる。結果は特に、置換プライマーF220の不存在下 でテスト当り1010コピーに等しい標的量に対してのみ特異的シグナルが得られる ことを示す。従っ て、置換プライマーありとなしとの間の検出感度の差は、103、つまり3log10で ある。このことは、該方法が増幅生成物の実質的蓄積を許し、これは増幅サイク ルを実施することよってのみ得られることを示す。従って、このサイクル繰返し は、置換プライマーたとえばプライマーF220の存在の故にのみ可能である。 同様に、もしMMLV逆転写酵素SuperscriptIIが抑止されるなら、検出シグナ ルは、テスト当り1010コピー以上の当初標的量についてのみ得られる。これら後 者の反応条件は事実上、実施例4に記載されるように増幅サイクル中へのエント リーに対応する二官能性分子について実施される転写段階に相当する。従ってこ れらデータは、本方法が転写単独よりも著しく敏感であること、及びこの感度は 、特に逆転写酵素のようなDNAポリメラーゼの存在下での置換プライマーを用 いての酵素的置換段階を用いる転写段階までの方法のサイクリングに依存するこ とを示す。電気泳動分離、ナイロン膜への移動、実施例1に記載されるような、 ホースラディッシュパーオキシダーゼに結合された、一方ではプローブA28( 配列IDNo.5)及び他方ではプローブA18(配列IDNo.15)とのハイブリダ イゼーションによる増幅テストの定量的分析は、予期された増幅生成物(117 塩基)に対応する120塩基の2つの相補的RNA分子を検出することを可能に する。 同じ様式で、もしF220(配列IDNo.10)に対応す る第一の置換プライマーC(この特定の場合にEに等しい)に加えて、図5に従 いT7 pro(配列IDNo.16)に対応する第二の置換プライマーD(Fに等しい )を含む媒体中で、先の増幅テストが行われるならば、唯一つのタイプの置換プ ライマーを用いて得られるのと類似の結果及び感度が得られる。このことは、該 手法が単純化されることができ、そして増幅されるべき該標的の性質に結びつけ られた特定の場合に従って採用されるべく十分に進歩的であることを示す。 この実施例で用いられた比色検出法の検出限界(テスト当り1010コピー以上) は従って、2時間の反応において104以上の増幅ファクターを推論することを可 能にする。 実施例6 本発明で記載される“DTR”増幅法は、転写と鎖置換を結合した様式で用い る指数由数的サイクルに基づく。特に、酵素的鎖置換は図15に示されるように、 逆転写、置換プライマーC(この実施例においてEに等しい)、及び置換される べき二つのプロモータープライマー(A及びB)を活用する。増幅サイクル内に おいて、置換プライマー/置換されたプライマー(ここでのプロモータープライ マー)の比は、本方法の増幅収量に大きく影響する。もし、増幅が、先の反応条 件下で、当初標的の108又は109コピーの存在下で、DTA7(配列IDNo.12) 及びDTA8(配列IDNo.13)に対応する プロモータープライマーA及びBの一定濃度0.1μM、及びF220(配列IDN o.10)に対応する置換プライマーCの濃度0.001、0.01、0.1、1又は10μMを用 いて行われるなら、置換プライマー/置換されたプライマーの比と共に増大する 置換収量が得られる(図19)。捕捉プローブA25(配列IDNo.17)及び検出 プローブA28(配列IDNo.5)を用いる、実施例5記載のようなマイクロタ イタープレートにおける定量的分析は(図19)、100に等しい置換プライマー/ 置換されたプライマー比がこの場において最も好都合であることを示す(250 0に等しい価が装置の光学的飽和に相当し、従って2500以上のシグナルに対 応することを注記する)。この比は、酵素的鎖置換によるサイクリング段階を促 進するために、用いられた置換又はプロモータープライマーの長さに従って、又 は標的配列の性質に従って調節されねばならない。 実施例7 “DTR”手法の指数凾数的増幅の効率は、増幅シグナルの出現の動力学の分 析により示されうる。これを行うために、標的分子の109コピーを用いて、実施 例5の条件に従って増幅反応を行った。一定間隔で、反応混合物の5μlフラク ションを集め、直ちに−20℃に凍結した。これらフラクションの増幅シグナルの 定量的分析は、実施例5記載のように、捕捉プローブA25(配列IDNo.17) 及び検出プローブA28(配列IDNo.5)を 用いて行った。並行して、置換プライマーF220の不存在下で増幅テストを行 った。図20のカーブにより示される結果は、反応の1時間から平坦に達している ので、シグナルの出現が指数的かつ極めて迅速であることを明瞭に示す。並行し て、置換プライマー不存在の、従って単純な転写反応に相当する増幅反応は、シ グナルの直線的増加を結果する。従って、“DTR”増幅法は、転写単独と対照 的に、当初標的配列から生成物の迅速かつ指数的蓄積をもたらす方法である。 実施例8 本発明の“DTR”増幅法は本質的に、標的配列の一部に対応する二本鎖RN Aを結果する。ハイブリダイゼーション法によるこの二本鎖RNAの検出を容易 にするために、又は一本鎖RNAの生産の特別の場合において、RNA鎖の出現 を、その相補性物の犠牲において有利にすることが有用でありうる。このことは 、バランスのくずれたRNAポリメラーゼ濃度の存在下でファージ(たとえばT 7及びT3)RNAポリメラーゼのための一つの異なるプロモーターを含むプロ モータープライマーA及びBの二つのタイプを組合せて用いることにより実行さ れうる。たとえば、T7 プロモーターを含むプライマーDTA8(配列IDNo .13)及びT3 プロモーターを含むDTA9(配列IDNo.18)を用いて本発明 の増幅サイクルの一つ(図15)中へのエントリーに対応する167塩基対の二本 鎖DNA分子をPCRにより我 々は合成した。増幅テストは、実施例5に従うこの標的の希釈のうえで、0〜50 U/テストのT7 RNAポリメラーゼ濃度及び50U/テストの一定のT3RN Aポリメラーゼ濃度の存在下で実施された。図21は、T3 RNAポリメラーゼ の50Uに対するT7 RNAポリメラーゼの6.25Uの酵素比が、夫々プローブA 25(配列IDNo.17)及びA28(配列IDNo.5)を用いる捕捉及び検出によ り、増大された増幅シグナルを得ることを可能にし、そして比色検出によりテス ト当り105コピー(標的分子の104コピーの感度に相当する)の標的量より下で 著しいシグナルをもたらすことを示す。検出方法の感度が1010コピーであること を知ると、この標的増幅法の増幅ファクターは、従って105コピーであり、それ によって本方法を多数の用途に有用となす有効性を本方法に与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レヴァシュール、ピエール フランス国、69002 リヨン、リュ オー ギュスト‐コンテ 54 【要約の続き】 て、増幅法は、等温で操作できるので循環的である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 標的核酸配列の増幅方法において、該核酸配列が、その5’末端から、5 ’−3’方向に、少なくとも5ヌクレオチドを有する上流配列及びその3’末端 から、3’−5’方向に、少なくとも5ヌクレオチドを有する下流配列を含む核 酸配列であって、 該方法が、以下の段階: 増幅されるべき配列に対応する第一のセグメントを含み、かつ更に、RNAポ リメラーゼプロモーターのセンス配列又はアンチセンス配列又は該センス又はア ンチセンス配列の少なくとも一部を含むセグメントから選ばれる少なくとも一つ の第二のセグメントを含むポリヌクレオチドを得る段階(ここで、該センス配列 又はその一部を含むこのような第二のセグメントは、該第一のセグメントの5’ 末端の上流に位置され、そして該アンチセンス配列又はその一部を含むこのよう な第二のセグメントは、該第一のセグメントの3’末端の下流に位置されると理 解される)、及び RNAポリメラーゼ活性、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性、DNA依存 性DNAポリメラーゼ活性及び鎖置換活性を有する系の存在下で、該活性が作用 する条件下で、かつ過剰のデオキシリボヌクレオシドトリホスフェート及びリボ ヌクレオシドトリホスフェートの存在下において、上記ポリヌクレオチドをプラ イマーのセットと接触さ せる段階(ここで該プライマーのセットは、過剰に存在し、かつ a)その5’末端から3’末端へ向かって、順次に以下のセグメントを含む第一 のプライマー: 任意の配列(第一のプライマーの構成要素としてのその存在は任意である)の 第一のポリヌクレオチドセグメント、ここで、該第一のセグメントは、存在する 場合には少なくとも5ヌクレオチドを含む、 RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全て又は一部を含む 、又は3’末端部分を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメン ト、 及び、該上流配列と同じ長さを有し、かつ該上流配列に相同であるか又は該上 流配列とハイブリダイズできる第三のセグメント、 及び/又は b)その5’末端から3’末端へ向かって順次に以下のセグメントを含む第二の プライマー: 第一のプライマーの第一のセグメントと同様に定義される(しかしそれと同一 である必要はない)第一の任意的セグメント、 第一のプライマーの第二のセグメントと同様に定義される(しかしそれと同一 である必要はない)第二のセグメント、 及び、該下流配列と同じ長さを有し、かつ該下流配列に相同であるか又は該下 流配列とハイブリダイズできる第三 のセグメント、ここで、第一及び第二のプライマーのうちの一つの第三のセグメ ントは増幅されるべき該配列の上流又は下流の配列のうちの一つと相同であり、 一方、他のプライマーの第三のセグメントは、他の下流又は上流の配列とハイブ リダイズできると理解される、 及び/又は c)以下のいずれかの配列を含む第三及び/又は第四の任意的プライマー: それぞれ第一のプライマー及び第二のプライマーの第二のセグメントに相同で あり、かつ5’末端部分を含む該RNAポリメラーゼプロモーターのセンス配列 の少なくとも一部を含む配列、又は それぞれ第一及び第二のプライマーの第一のセグメントの一部分に相同であっ て、その5’末端は含まない配列、 及び/又は d)以下のいずれかの配列を含む第五及び/又は第六の任意的プライマー: それぞれ第三及び第四のプライマーの一部に相同な配列であって、該一部は該 第三又は第四のプライマーの3’末端ヌクレオチドを含まないところの配列、 又は、それぞれ、第一及び第二のプライマーの該第一セグメントの少なくとも 一部に相同な配列、 を含む) を含む方法。 2. 請求の範囲第1項記載の増幅方法であって、該方法が以下の段階: 増幅されるべき配列に対応する第一のセグメントを含み、かつ更に、RNAポ リメラーゼプロモーターのセンス配列又はアンチセンス配列又は該センス又はア ンチセンス配列の少なくとも一部を含むセグメントから選ばれる少なくとも一つ の第二のセグメントを含むポリヌクレオチドを得る段階(ここで、該センス配列 又はその一部を含むこのような第二のセグメントは、該第一のセグメントの5’ 末端の上流に位置され、そして該アンチセンス配列又はその一部を含むこのよう な第二のセグメントは、該第一のセグメントの3’末端の下流に位置されると理 解される)、及び RNAポリメラーゼ活性、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性、DNA依存 性DNAポリメラーゼ活性及び鎖置換活性を有する系の存在下で、該活性が作用 する条件下で、かつ過剰のデオキシリボヌクレオシドトリホスフェート及びリボ ヌクレオシドトリホスフェートの存在下において、上記ポリヌクレオチドをプラ イマーのセットと接触させることからなる段階(ここで該プライマーのセットは 、過剰に存在し、かつ a)その5’末端から3’末端へ向かって、順次に以下のセグメントを含む第一 のプライマー: 任意の配列(第一のプライマーの構成要素としてのその存在は任意である)の 第一のポリヌクレオチドセグメン ト、ここで、該第一のセグメントは、存在する場合には少なくとも5ヌクレオチ ドを含む、 RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全て又は一部を含む 、又は3’末端部分を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメン ト、 及び、該上流配列と同じ長さを有し、かつ該上流配列に相同であるか又は該上 流配列とハイブリダイズできる第三のセグメント、 b)その5’末端から3’末端へ向かって順次に以下のセグメントを含む第二の プライマー: 第一のプライマーの第一のセグメントと同様に定義される(しかしそれと同一 である必要はない)第一の任意的セグメント、 第一のプライマーの第二のセグメントと同様に定義される(しかしそれと同一 である必要はない)第二のセグメント、 及び、該下流配列と同じ長さを有し、かつ該下流配列に相同であるか又は該下 流配列とハイブリダイズできる第三のセグメント、ここで、第一及び第二のプラ イマーのうちの一つの第三のセグメントは増幅されるべき該配列の上流又は下流 の配列のうちの一つと相同であり、一方、他のプライマーの第三のセグメントは 、他の下流又は上流の配列とハイブリダイズできると理解される、 c)以下のいずれかの配列を含む第三及び/又は第四のプライマー それぞれ第一のプライマー及び第二のプライマーの第二のセグメントに相同で あり、かつ5’末端部分を含む該RNAポリメラーゼプロモーターのセンス配列 の少なくとも一部を含む配列、又は それぞれ第一及び第二のプライマーの第一のセグメントの一部に相同であるが それらの5’末端は含まない配列、 及び/又は d)以下のいずれかの配列を含む第五及び/又は第六のプライマー それぞれ第三の及び第四のプライマーの一部に相同な配列であり、該一部は該 第三又は第四のプライマーの3’末端ヌクレオチドを含まない配列、又は それぞれ、第一及び第二のプライマーの該第一セグメントの少なくとも一部に 相同な配列、 を含む) を含むことを特徴とする方法。 3. 請求の範囲第1項又は第2項のいずれかに記載の方法であって、該ポリヌ クレオチドが、更に: a)該ポリヌクレオチドの該センス配列の全部又は一部を含む該第二セグメント の5’末端の上流の、第一及び第二のプライマーのうちの一つの第一セグメント に相同なセグメント 及び/又は b)該ポリヌクレオチドの該アンチセンス配列を含む該第 二セグメントの3’末端の下流の、第一及び第二のプライマーのうちの一つの第 一セグメントとハイブリダイズできるセグメント を含むことを特徴とする方法。。 4. 請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一つに記載の方法であって、 該ポリヌクレオチドを得るために、増幅されるべき配列を含み、かつ、増幅さ れるべき該配列の3’末端を超えて、下流領域を経由して、かつ増幅されるべき 該配列の5’末端を超えて、上流領域を経由して伸長する標的核酸から出発して 工程が実施される、 該核酸は、過剰のヌクレオシドトリホスフェート、及び DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ及び鎖置換活性を有する該系、 及び請求の範囲第1項又は第2項で定義したプライマーを含み、かつ更に、標 的の下流の該領域とハイブリダイズできる第7のプライマー及び上流の該領域に 相補的な配列とハイブリダイズできる第8のプライマーを含むプライマーのセッ トと接触させられる、 ことを特徴とする方法。 5. 請求の範囲第4項に記載の方法であって、初めの核酸が二本鎖の形態の場 合には、それを前もって変性操作に付することを特徴とする方法。 6. 請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか一つに記載の標的核酸を増幅する 方法を行うためのプライマーのセットであって、該セットが、少なくとも: a)その5’末端から3’末端に向かって、順次以下のセグメントを含むプライ マーA1、 任意の配列の第一の任意的なポリヌクレオチドセグメント、ここで該第一のセ グメントは、存在する場合は、少なくとも5ヌクレオチドを含む、 RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全部又は一部を含む か、又はその3’末端を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメ ント、 及び標的配列とハイブリダイズできる第三のセグメント、 及び/又は b)以下のいずれかの配列を含むプライマーA2: プライマーA1の第二セグメントの全て又は一部に相同であり、かつ該RNA ポリメラーゼプロモーターのセンス配列の少なくとも5’部分を含む配列、又は 、 第一及び第二のプライマーの第一セグメントの一部に相同であるが、それぞれ それらの5’部分は含まない配列、 及び/又は c)以下のいずれかの配列を含むプライマーA3: プライマーA2の一部に相同であるが、A2の3’末端ヌクレオチドは含まな い配列、又は、 A1に存在する上記した第一セグメントの少なくとも一 部に相同な配列、 を含むことを特徴とするセット。 7. 請求の範囲第6項に記載のプライマーのセットであって、該セットが少な くとも: a)その5’末端から3’末端に向かって、順次以下のセグメントを含むプライ マーA1、 任意の配列の第一の任意的なポリヌクレオチドセグメント、ここで該第一のセ グメントは、存在する場合は、少なくとも5ヌクレオチドを含む、 RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全部又は一部を含む か、又はその3’末端を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメ ント、 及び標的配列とハイブリダイズできる第三のセグメント、 及び/又は b)以下のいずれかの配列を含むプライマーA2: プライマーA1の第二セグメントの全て又は一部に相同であり、かつ該RNA ポリメラーゼプロモーターのセンス配列の少なくとも5’部分を含む配列、又は 、 第一及び第二のプライマーの第一セグメントの一部に相同であるが、それぞれ それらの5’部分は含まない配列、 及び/又は c)以下のいずれかの配列を含むプライマーA3: プライマーA2の一部に相同であるが、A2の3’末端 ヌクレオチドは含まない配列、又は、 A1に存在する上記した第一セグメントの少なくとも一部に相同な配列、 を含むことを特徴とするセット。 8. 請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか一つに記載の方法を行うためのキ ットであって、該キットが、請求項第6項又は第7項で定義されたプライマーの セット、及び少なくとも: a)その5’末端から3’末端に向かって、順次以下のセグメントを含むプライ マーB1、 任意の配列の第一の任意的なポリヌクレオチドセグメント、ここで該第一のセ グメントは、存在する場合は、少なくとも5ヌクレオチドを含む、 RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全部又は一部を含む か、又はその3’末端を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメ ント、 及び標的上であって、プライマーA1がハイブリダイズできるところの配列の 上流に位置する標的配列に相補的なヌクレオチド配列とハイブリダイズできる第 三のセグメント、 及び/又は b)以下のいずれかの配列を含むプライマーB2: プライマーB1の第二セグメントの全て又は一部に相同であり、かつ該RNA ポリメラーゼプロモーターのセンス 配列の少なくとも5’部分を含む配列、又は、 第一及び第二のプライマーの第一セグメントの一部に相同であるが、それぞれ それらの5’部分は含まない配列、 及び/又は c)以下のいずれかの配列を含むプライマーB3: プライマーB2の一部に相同であるが、B2の3’末端ヌクレオチドは含まな い配列、又は、 B1に存在する上記した第一セグメントの少なくとも一部に相同な配列、 を含む少なくとも一つの第二のプライマーセットを含むキットであって、該キッ トは、場合によりさらに、請求の範囲第4項で定義した第七及び第八のプライマ ーを含むことを特徴とするキット。 9. 請求の範囲第8項に記載のキットであって、該キットが、請求項第6項又 は第7項で定義されたプライマーのセット、及び少なくとも: a)その5’末端から3’末端に向かって、順次以下のセグメントを含むプライ マーB1、 任意の配列の第一の任意的なポリヌクレオチドセグメント、ここで該第一のセ グメントは、存在する場合は、少なくとも5ヌクレオチドを含む、 RNAポリメラーゼのためのプロモーターのセンス配列の全部又は一部を含む か、又はその3’末端を含む該センス配列の少なくとも一部を含む第二のセグメ ント、 及び標的上であって、プライマーA1がハイブリダイズできるところの配列の 上流に位置する標的配列に相補的なヌクレオチド配列とハイブリダイズできる第 三のセグメント、 及び/又は b)以下のいずれかの配列を含むプライマーB2: プライマーB1の第二セグメントの全て又は一部に相同であり、かつ該RNA ポリメラーゼプロモーターのセンス配列の少なくとも5’部分を含む配列、又は 、 第一及び第二のプライマーの第一セグメントの一部に相同であるが、それぞれ それらの5’部分は含まない配列、 及び/又は c)以下のいずれかの配列を含むプライマーB3: プライマーB2の一部に相同であるが、B2の3’末端ヌクレオチドは含まな い配列、又は、 B1に存在する上記した第一セグメントの少なくとも一部に相同な配列、 を含む少なくとも一つの第二のプライマーセットを含むキットであって、該キッ トは、場合によりさらに、請求の範囲第4項で定義した第七及び第八のプライマ ーを含むことを特徴とするキット。
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